(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、充電量が満充電より少なく設定されていることを運転者が容易に把握できる電動車両の充電量表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、充電可能なバッテリからの電力で駆動されるモータを動力源とする電動車両の充電量表示装置であって、前記バッテリの充電量の上限となる充電制限値を入力する入力手段と、前記バッテリを前記入力手段で入力された前記充電制限値まで充電させる充電制御手段と、前記バッテリの充電量を表すセグメントを複数並設したセグメント群により前記バッテリに充電可能な最大充電量を表示する表示手段と、を備え、前記入力手段では、
前記最大充電量を表す前記セグメントの総数を最大個数として前記セグメントの個数を選択可能であり、選択された前記セグメントの個数により前記充電制限値を入力することを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0008】
かかる第1の態様では、セグメント群によりバッテリの最大充電量を表示手段に表示し、充電制限値の設定をセグメントの個数の調節により行うことができる。したがって、運転者は、セグメント群により最大充電量を容易に認識することができ、かつ、表示手段に表示されたセグメントの数を確認しながらその数を設定するだけでバッテリへの充電を充電制限値以下にすることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する電動車両の充電量表示装置において、前記表示手段は、前記入力手段で入力された前記セグメントの個数を認識可能に前記セグメント群を表示することにより前記充電制限値を表示することを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0010】
かかる第2の態様では、運転者が設定した充電制限値がセグメントの数として表示されるので、設定された充電制限値がどの程度であるかを容易に把握することができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載する電動車両の充電量表示装置において、前記表示手段は、前記充電制限値以下のセグメントと、前記充電制限値より大きいセグメントとの表示態様を異ならせて表示することを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0012】
かかる第3の態様では、運転者が設定した充電制限値がセグメントの数として表示されるので、設定された充電制限値がどの程度であるかを容易に把握することができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載する電動車両の充電量表示装置において、前記表示手段は、前記充電制限値以下のセグメントと、前記充電制限値より大きいセグメントとを色もしくはパターンを異ならせて表示することを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0014】
かかる第4の態様では、充電制限値以下のセグメントと充電制限値より大きいセグメントとは、色又はパターンが異なるので、充電制限値が設定されていることを容易に認識するとともに、最大充電量との対比でどの程度の充電制限値が設定されているかを容易に認識することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第2の態様に記載する電動車両の充電量表示装置において、前記表示手段は、前記セグメント群を、前記充電制限値以下のセグメントを表示する第1領域と、前記充電制限値より大きいセグメントを表示可能な第2領域とで構成し、前記第1領域と前記第2領域との間に前記充電制限値が設定されていることを表す標識を表示することを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0016】
かかる第5の態様では、標識に区分された2つの第1領域及び第2領域のうち、第1領域に充電制限値以下のセグメントを表示する。これにより、充電制限値が設定されていることを認識するとともに、最大充電量との対比でどの程度の充電制限値が設定されているかを容易に認識することができる。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか一つの態様に記載する電動車両の充電量表示装置において、前記各セグメントが表す前記バッテリの充電量は、前記各セグメントで異なるように設定されていることを特徴とする電動車両の充電量表示装置にある。
【0018】
かかる第6の態様では、充電制限値を、運転者が誤認することなく、設定した際の認識に合うように表示部に表示することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、充電量が満充電より少なく設定されていることを運転者が容易に把握できる電動車両の充電量表示装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
〈実施形態1〉
図1は、本実施形態に係る電動車両の充電量表示装置の構成を示す概略図である。電動車両1には、二次電池であるバッテリ2と、このバッテリ2からの電力供給により作動するモータ3とを備える。また、バッテリ2は外部電源(図示せず)から充電可能となっている。モータ3は、駆動機構4を介して駆動輪(本実施形態では、前輪)5に連結されている。モータ3は、駆動機構4を介して駆動輪5を駆動させる一方、いわゆる回生動作時には、駆動輪5からの回転を受けて発電し、その電力をバッテリ2に供給する。後述する制御部11は、バッテリ2からモータ3への電力供給を適宜制御する。
【0022】
電動車両1に搭載される充電量表示装置10は、制御部11と、バッテリ2の充電制御手段の一例としてBMU12と、表示手段の一例として表示部13と、入力手段の一例として入力部14とを備えている。
【0023】
制御部11は、例えばマイクロプロセッサやROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。なお、車載ネットワーク上には、例えばブレーキ制御装置、変速機制御装置、車両安定制御装置、空調制御装置、電装品制御装置といったさまざまな公知の電子制御装置が、互いに通信可能に接続されている。
【0024】
また、制御部11には、制御部11に情報を入力する入力部14が接続されている。入力部14としては、例えば、電動車両1に設けられたタッチパネルや、スイッチなどを用いることができる。また、電動車両1に直接的に設けられた入力手段に限らず、通信手段を介して制御部11に接続された、一般的なスマートフォンなどの情報通信端末を入力手段としてもよい。すなわち、制御部11は、情報通信端末と通信可能な通信手段を有し、情報通信端末から情報が送信される構成としてもよい。
【0025】
制御部11は、バッテリ2の充電量の上限となる充電制限値を設定する機能を有している。具体的には、制御部11は、表示部13にバッテリ2の充電制限値を設定する画面を表示させ、運転者による入力部14の操作により入力された充電制限値を取得し、充電制限値を上限としてバッテリ2が充電されるようにBMU12を制御する。
【0026】
なお、制御部11による充電制限値の設定画面、充電制限値の取得、BMU12の制御は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0027】
BMU12は、バッテリ2を制御する。この制御としては、例えば、バッテリ2からモータ3へ供給される電気エネルギーの調整、又は外部電源からバッテリ2への充電の調整などである。また、バッテリ2に関する各種情報がBMU12に伝達される。この情報としては、例えば、バッテリ2の充電量などである。また、BMU12が取得したバッテリ2に関する各種情報は、制御部11に伝達される。
【0028】
BMU12は、入力部14で充電制限値が入力された場合(本実施形態では、制御部11により、充電制限値が設定されている場合)には、バッテリ2の充電量が充電制限値を超えないようにバッテリ2の充電を制御するように構成されている。
【0029】
このようなBMU12によるバッテリ2の充電制御により、バッテリ2には満充電未満の充電制限値までしか充電されないようにすることが可能となる。これにより、外部電源で充電直後に降坂走行に遭遇しても、回生ブレーキが効きにくくなるということを回避することができる。
【0030】
表示部13は、制御部11による制御に基づいて、各種情報を表示するディスプレイなどの装置である。表示部13は、後述する充電制限値の設定画面やバッテリ2の充電量、最大充電量及び充電制限値を表示できるものであれば、特に限定されない。また、表示手段として、通信手段を介して接続された情報通信端末を用いてもよい。すなわち、充電制限値等の情報を通信手段により情報通信端末に送信し、情報通信端末のタッチパネル等に表示してもよい。
【0031】
図2は、表示部の一例を示す図である。表示部13は、例えば、計器盤15の一部に設けられており、運転者から視認しやすい位置に設けられている。表示部13は、第1表示領域21及び第2表示領域22を有し、それぞれに異なる情報を表示可能となっている。
【0032】
第1表示領域21は、バッテリ2の充電量、最大充電量、充電制限値などのバッテリ2の状態を表示することが可能な領域である。
第2表示領域22は、例えば、電動車両1の車速や、後述する充電制限値の設定画面などの種々の情報を、運転者による入力手段の操作に基づいて切り替えて表示することが可能な領域である。同図には、電動車両1の車速を例示してある。もちろん、第2表示領域22は、このような種々の情報を切り替えて表示する態様に限定されない。
【0033】
本実施形態では、制御部11は、BMU12から得たバッテリ2の充電量を表すセグメント31を表示部13の第1表示領域21に表示させている。表示部13は、バッテリ2の充電量を表すセグメント31を複数並設したセグメント群30によりバッテリ2に充電可能な最大充電量を表示している。また、セグメント31を並設する態様に特に限定はないが、本実施形態のセグメント群30は、セグメント31を一方向に直線状に複数並設したものである。
【0034】
同図には、16個のセグメント31から構成されるセグメント群30が例示されている。ここでは、各セグメント31が表す充電量は、バッテリ2の最大充電量の均等割りとしている。つまり、一つのセグメント31は、最大充電量の16分の1であり、16個のセグメント31からなるセグメント群30が最大充電量を表している。
【0035】
制御部11は、BMU12から得たバッテリ2の充電量に応じて、表示するセグメント31の個数を決定して表示部13に表示させる。最も左のセグメント31が充電量ゼロ〜1/16の充電量、最も右のセグメント31が15/16〜最大充電量であることを表す。例えば、同図の左側から連続して4個並んでいれば、バッテリ2の充電量は最大充電量の1/4程度であることを表し、16個のセグメント31が全て表示されていれば、バッテリの充電量は最大充電量になっていることを表す。
【0036】
制御部11は、充電制限値が特に設定されていない場合、上述したようにバッテリ2の充電量に応じてセグメント31の数を決定して表示部13(第1表示領域21)に表示させる。これにより、運転者に、充電量を容易に視認させることができる。
【0037】
一方、満充電時に回生ブレーキの効きが悪化することを回避するために、満充電未満の充電制限値までしかバッテリ2を充電しないように設定されている場合には、制御部11は、最大充電量及び充電制限値を表示部13に表示させる。以下、充電制限値の設定から、最大充電量及び充電制限値の表示までを詳細に説明する。
【0038】
図3は、充電制限値を設定する際の表示部の一例を示す図である。
図3(a)に示すように、制御部11は、入力部14にて所定の操作がされた場合、設定モードになる旨を表示部13の第2表示領域22に表示する。例えば、入力部14がスイッチであれば(以降、入力部14としてスイッチを例にとり説明する。)、制御部11は、所定の操作としてスイッチが一定時間長押しされたことを検知したときに、表示部13に「設定モード」と表示する。
【0039】
次に、
図3(b)に示すように、制御部11は、入力部14にて所定の操作がされた場合、設定可能な項目の一覧(メニュー)を表示部13の第2表示領域22に表示する。例えば、制御部11は、所定の操作としてスイッチを一度押したことを検知したときに、表示部13にメニューを表示する。ここでは、メニューは、選択可能な設定項目が上下一方向に並んだものであり、スイッチの操作で上下にカーソルを移動させ、カーソルで指示された項目を選択することが可能となっている。
【0040】
同図には選択可能な項目として、一つ前の状態(
図3(a)の状態)に戻るための「戻る」、充電制限値を設定する画面に遷移するための「充電量設定」、設定モードの表示言語を設定するための「言語設定」が例示されている。これらはスイッチ操作によりそれぞれ選択することが可能となっている。
【0041】
図3(c)に示すように、制御部11は、
図3(b)で「充電量設定」が選ばれた場合、充電量設定の設定画面を表示する。この充電量設定の設定画面にて、セグメント31の個数によりバッテリ2の充電制限値を選択することで、充電制限値を設定することができるようになっている。
【0042】
本実施形態では、選択可能な充電制限値として「X/N」の表示形式を上下方向に並べ、入力手段のスイッチ操作で上下にカーソルを移動させ、カーソルで指示された項目を選択することが可能となっている。Nはセグメント31の総数であり、本実施形態では16である。Xは充電制限値として設定するセグメント31の個数である。例えば、制御部11は、「14/16」が選択された場合、充電制限値を、最大充電量の16分の14とし、BMU12に当該充電制限値を設定する。このように運転者が充電制限値を設定することで、BMU12によりバッテリ2には充電制限値まで充電されることになる。
【0043】
制御部11は、上述のようにして入力部14により入力されたセグメント31の個数に基づいて充電制限値が設定された場合、表示部13に最大充電量及び充電制限値を表示させる。表示部13は、入力部14で入力されたセグメント31の個数を認識可能にセグメント群30を表示することにより充電制限値を表示する。すなわち、表示部13は充電制限値として入力部14で入力されたセグメント31の個数を認識できるようにセグメント群30を表示する。
【0044】
図4は、表示部13に表示されるバッテリの最大充電量及び充電制限値を示す図である。
図4(a)に示すように、複数のセグメント31のうち白抜きのものをセグメント31a、黒塗りのものをセグメント31bとも称する。
【0045】
BMU12により充電制限値までバッテリ2が充電された状態では、制御部11は、充電制限値未満の充電量に対応する個数のセグメント31aを表示部13に表示させる。また、制御部11は、充電制限値より大きい充電量に対応する個数のセグメント31bを表示部13に表示させる。
【0046】
本実施形態では、充電制限値は、最大充電量の16分の14である。すなわち、14個分のセグメント31aが充電制限値以下の充電量に対応し、2個分のセグメント31bが充電制限値より大きい充電量に対応する。
【0047】
そして、制御部11は、左から1〜14番目のセグメント31aと、左から15〜16番目のセグメント31bとを、異なる色で表示部13に表示させる。セグメント31a及びセグメント31bは、具体的な色に特に限定はなく、異なる色で表示されていればよい。
【0048】
このように、表示部13が1〜16個分のセグメント31(セグメント群30)を表示することで、運転者には、最大充電量が提示される。さらに、表示部13がセグメント31a、セグメント31bを異なる色で表示することで、最大充電量の16個のセグメント31のうち、14個のセグメント31に対応する充電量を上限として充電されていることが容易に視認することができる。このように表示部13は、充電制限値として入力部14で入力されたセグメント31の個数を認識可能に表示するので、充電制限値が設定されていることを運転者は容易に視認することができる。
【0049】
運転などでバッテリ2の充電量が消費された場合には、表示部13は、残りの充電量に応じてセグメント31aの個数を減らして表示する。このとき、表示部13は、セグメント31bは表示したままとしてもよい。これにより、運転中においても充電制限値が設定されていることを認識することができる。
【0050】
図4(b)は、
図4(a)と異なる態様の表示部の一例である。表示部13は、第1表示領域21を構成する第1領域21a及び第2領域21bのうち、第1領域21aに、充電制限値以下の充電量に対応するセグメント31を表示し、第1領域21aと第2領域21bとの間に標識32を表示してもよい。第2領域21bは、充電制限値より大きな充電量に対応するセグメント31を表示可能な領域とする。
【0051】
具体的には、表示部13は、第1表示領域21を枠線として表示している。この第1表示領域21は、充電制限値が設定されていなければ、全セグメント31が収容される程度の大きさとされている。このような第1表示領域21は、標識32により第1領域21aと第2領域21bとに区分されている。
【0052】
標識32は、充電制限値が設定されていることを表すものである。本実施形態の標識32は、縦方向に延びた直線状である。なお、標識32は、第1表示領域21が第1領域21a及び第2領域21bに区分けされていると認識させる形状であれば、具体的な形状に特に限定はない。
【0053】
第1領域21aは、充電制限値以下の充電量に対応する14個のセグメント31が収容される程度の大きさとされている。一方、第2領域21bは、充電制限値より大きい充電量に対応する2個のセグメント31が収容される程度の大きさとされている。第1領域21aには、セグメント31が表示され、第2領域21bにはセグメント31は表示されていない。
【0054】
第1表示領域21の全体は、最大充電量を運転者に認識させる。第1表示領域21のうちの第2領域21bには、セグメント31が表示されないので、第1領域21aの14個のセグメント31に対応する充電量は最大充電量以下であることを運転者に認識させる。このように表示部13は、充電制限値として入力部14で入力されたセグメント31の個数(14個)を、標識32で区分された第1領域21a内の全体に表示する、という態様にて認識可能に表示する。これにより、バッテリ2の充電量は充電制限値に達していると運転者に認識させる。空白の第2領域21bは、充電制限値から最大充電量までの充電可能な容量を運転者に認識させることができる。
【0055】
なお、第2領域21bにセグメント31を表示させてもよい。この場合においても、標識32よりも左側の14個のセグメント31は、バッテリ2の充電量が充電制限値に達していると運転者に認識させることができる。また、標識32よりも右側の2個のセグメント(図示せず)は、充電制限値から最大充電量までの充電可能な容量を運転者に認識させることができる。
このような表示部13における表示によっても、充電制限値が設定されていることを運転者は容易に視認することができる。
【0056】
以上に説明したように、本実施形態に係る充電量表示装置10は、セグメント群30によりバッテリ2の最大充電量を表示部13に表示し、充電制限値の設定を、セグメント31の数の調節により行うことができる。したがって、運転者は、セグメント群30により最大充電量を容易に認識することができ、かつ、表示部13に表示されたセグメント31の数を確認しながらその数を設定するだけでバッテリ2への充電を充電制限値以下にすることができる。
【0057】
また、充電量表示装置10は、入力部14で入力されたセグメント31の個数を認識可能にセグメント群30を表示する(
図4(a)及び(b)参照)。これにより、運転者が設定した充電制限値がセグメント群30の表示から認識できるので、設定された充電制限値がどの程度であるかを容易に把握することができる。
【0058】
図4(a)に示したように、充電量表示装置10は、充電制限値以下のセグメント31aと充電制限値より大きいセグメント31bとで表示する色を異ならせて表示部13に表示させた。これにより、充電制限値が設定されていることを認識するとともに、最大充電量との対比でどの程度の充電制限値が設定されているかを容易に認識することができる。
【0059】
なお、セグメント31aとセグメント31bとは、色を異ならせて表示させる場合に限定されず、パターンを異ならせて表示してもよい。セグメント31のパターンとは、セグメントを構成する枠線の種別、及びその枠線内の領域に施した模様である。枠線の種別としては、実線、破線、太線、一点鎖線など、公知の線種が挙げられる。模様としては、ベタ塗り、ハッチ、ドット、任意の図形を並べたものなどが挙げられる。
【0060】
また、
図4(b)に示したように、充電量表示装置10は、標識32に区分された2つの第1領域21a及び第2領域22bのうち、第1領域21aに充電制限値以下のセグメント31を表示した。これにより、充電制限値が設定されていることを認識するとともに、最大充電量との対比でどの程度の充電制限値が設定されているかを容易に認識することができる。
【0061】
〈実施形態2〉
実施形態1に係る充電量表示装置10は、
図3に示したように、セグメントの数を選択することにより、充電制限値を設定していたが、このような態様に限定されない。
図5は、充電制限値を設定する際の表示部の一例を示す図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
第2表示領域22に充電量設定の画面が表示されている。第2表示領域22の中央部には、全セグメント31を収容可能な程度の大きさの枠線33が表示されている。
枠線33の下方には、「減らす」「増やす」「決定」と記載された三個の選択肢が表示されている。これらの選択肢は、入力手段の操作により選択することが可能となっている。
【0063】
制御部11は、入力手段により「増やす」が選択された際には、枠線33に表示するセグメント31の数を一つ増やす。同様に、制御部11は入力手段により「減らす」が選択された際には、枠線33に表示するセグメントの数を一つ減らす。制御部11は入力手段により「決定」が選択された際には、枠線33に表示したセグメントの個数に対応する充電量を充電制限値としてBMU12に設定する。
【0064】
このような態様の充電量表示装置によれば、運転者は、最大充電量を表す枠線33の全体の一部をセグメント31で埋めることで、充電制限値を視覚的に設定することができる。すなわち、例えば、枠線33の80%程度をセグメント31で埋めれば、充電制限値も最大充電量の80%程度とすることができ、直観的な設定を行うことができる。
【0065】
特に、このような視覚的な充電制限値の設定は、一つのセグメント31が最大充電量の均等割りでない場合に、有用である。例えば、表1に示すように、16個のセグメント31が表す充電量が各セグメント31で異なるとする。
【0067】
番号は、各セグメント31を左から右に順番に割り当てた数値である。充電量は、各セグメントが表す充電量であり、累積充電量は1〜n番目までのセグメント31が表す充電量の合計である。番号1〜12までのセグメント31は、充電量が最大充電量の5%であり、番号13〜16までのセグメント31は、充電量が最大充電量の10%である。
【0068】
ここで、運転者は、充電制限値を最大充電量の60%程度に設定したいとする。仮に、充電制限値を直接的に入力するような場合、入力手段を介して「60%」という充電制限値が得られる。そして、この充電制限値に対応して、表1より、1〜12のセグメント31を表示部13に表示することになる。つまり、全体で16個あるセグメント31のうち、四分の三にあたる12個のセグメント31が表示されることになる。
したがって、運転者は、最大充電量の60%程度に設定したにも関わらず、表示部13では、75%程度まで充電されているように誤認してしまう。
【0069】
一方、本実施形態では、運転者は、最大充電量の60%程度に充電制限値を設定しようとすると、全体で16個あるセグメント31のうち、約60%にあたる10個のセグメント31を設定することになる。
【0070】
この場合、累積充電量としては約50%となり、実際に意図した60%とは異なるものの、運転者が設定した数である10個のセグメント31が充電制限値として表示される。このようにセグメント単位で充電制限値を設定可能とすることで、充電制限値を、運転者が誤認することなく、設定した際の認識に合うように表示部13に表示することができる。
【0071】
なお、実施形態1のように複数の「X/N」から一つを選択させる場合についても、充電制限値を、運転者が誤認することなく、設定した際の認識に合うように表示部13に表示することができる。
【0072】
〈他の実施形態〉
実施形態1の
図4(a)の例では、色を変えたセグメント31を表示することで、最大充電量と充電制限値とを認識できるようにした。また、
図4(b)の例では、第1表示領域21を標識32で区切った一方の第1領域21aにセグメント31を表示することで、最大充電量と充電制限値とを認識できるようにした。
【0073】
しかしながら、表示部13における最大充電量と充電制限値との表示は、上述した態様に限定されず、表示部13は、最大充電量及び充電制限値を異なる表示態様で表示してもよい。これにより、運転者が最大充電量以下の充電制限値が設定されていることを認識することができる。このような表示態様としては、最大充電量と充電制限値とを表すセグメントの形状を変えることが挙げられる。このような表示態様であっても、充電制限値が設定されていることを認識することができる。
【0074】
また、実施形態1及び実施形態2は、複数のセグメント31を直線状に一方向に並設した構成としたが、このような態様に限定されない。複数のセグメント31は、直線状に限らず、円弧や曲線に沿って並設されていてもよい。すなわち、本発明でいう一方向に並設されているとは、直線や曲線など一本の線に沿うように複数のセグメントが配置されていることをいう。
【0075】
実施形態1に係る充電量表示装置10は、充電量設定手段の一例として制御部11と、バッテリの充電制御手段の一例としてBMU12と、表示手段の一例として表示部13とを備えていたが、このような態様に限定されない。すなわち、各手段が一体的な装置として構成されていてもよい。