(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサーが、温度、圧力、血中酸素濃度、神経伝導度、又はこれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの生理学的パラメータを感知するように構成される、請求項1に記載の外科的装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本明細書に開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び用途の原理を総合的に理解するために、特定の例示的な実施形態について記載する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の例が、添付の図面に示される。本明細書で具体的に説明し、添付の図面に示す装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを、当業者は理解するであろう。1つの例示的な実施形態との関連において図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられる場合がある。かかる修正及び変形は、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0015】
更に、本明細書に開示される実施形態の同様の参照番号が付された構成要素は、概して同様の特徴部を有し、したがって、特定の実施形態内において同様の参照番号が付された各構成要素の各特徴は、必ずしも十分に説明されていない。追加的に、直線寸法又は円寸法が、開示されるシステム、デバイス、及び方法の記述に使用される限りにおいて、かかる寸法は、かかるシステム、デバイス、及び方法と共に使用することができる形状のタイプを限定することを意図しない。当業者であれば、任意の幾何学的形状について、かかる直線的及び円形の寸法の均等物を容易に決定することが可能である点を認識するであろう。システム及びデバイス、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及びデバイスが使用されるであろう被験者の解剖学的構造、システム及びデバイスがそれらと共に使用されるであろう構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及びデバイスが使用されるであろう方法及び処置に依存する可能性がある。
【0016】
外科的処置の間の周囲組織に対する外傷のリスクを最小限にするために、低侵襲外科的処置が開発されてきた。例えば、側方アプローチ胸部手術は、今では脊髄手術を実施する一般的な方法である。しかしながら、低侵襲手術を実施する際、手術野の可視性は著しく低下し、したがって外傷を生じさせるような神経組織との接触の危険性が増大する。したがって、安全かつ信頼性を有して側方アプローチ胸部手術などの外科的処置を実施するためには、視野及び監視能力の向上が必要である。
【0017】
本発明は、身体内の奥深いアクセス入口内に埋め込まれた神経組織を含む筋繊維などの組織の外科的操作のための方法及び装置に関する。一般に、方法及び装置は、組織を操作するように構成される遠位の開創器先端具を有する、細長い開創器シャフトを備え、例えば、この先端具は、椎骨の周囲の筋肉及び神経線維を分離するように構成することができる。細長い開創器シャフトは、この装置が体内で使用されるときに、手術野の少なくとも一部分がこの装置によって照明されるように、照明源を含むことができる。追加的にセンサーも、又は代替的にセンサーを、細長い開創器シャフト上、例えば、尖っていない開創先端具上に含むことができ、これによりセンサーは、手術野内の又は手術野に隣接する組織の生理学的パラメータを監視することができる。この装置は、支持構造体との嵌合、組織の開創、モジュール性等を可能にする、様々な特徴を含むことができ、その例示的な実施形態を以下に詳細に考察する。当業者は、装置が本明細書に開示する特徴の任意の組合せを有することができることを理解するであろう。本明細書に開示する装置は、組織を操作するために該装置を必要とする、観血的手術及び低侵襲的処置の両方を含む任意の処置で使用するように構成することもできる。ある特定の例示的な実施形態では、本明細書に開示する方法及び装置は、手術野へのアクセスが、視界の限られた小さい入口又はカニューレを介して行われる、低侵襲的処置で特に有用である可能性がある。上述のように、かかる用途のうちの1つは、低侵襲的側方アプローチ胸部手術などの脊髄手術におけるものである。
【0018】
図1A及び
図1Bは、外科的開創装置100の一実施形態を図示する。示されるように、外科的開創装置100は、近位端114及び遠位端116を有する、概して細長い開創シャフト112の形態である。近位端114は、ユーザによって把持されるように構成されるハンドル部分118を含み、遠位端116は、組織開創先端具120を含むことができる。装置の周囲の組織を照明するために、細長い開創シャフト112上に照明源122を配置することができる。装置100はセンサー126を備えることができ、センサー126は、装置100の上に配置されて、例えば、先端具が接触する組織の、神経及びマイオモニター、温度、圧力、及び血中酸素濃度などの生理学的パラメータを監視するように構成される。コネクタ128を、装置の近位端114に連結することができ、かつ照明源122及びセンサー126のうちの少なくとも1つに電気的に又は光ファイバー的に連結することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ128は、開創器を定位置に保持するように形成可能とすることができる。
【0019】
上記のように、細長い開創シャフト112の近位端114は、外科医が把持するように構成されるハンドル部分118を含むことができる。ハンドル部分118は、任意の形状及びサイズを有することができ、かつ単に、把持するように構成されるシャフトの一部分とすることができる。図示される実施形態では、ハンドル部分118は、ユーザによる把持を容易にするように、シャフトの周りに延在する1つ又は2つ以上の隆起部又は表面突出部の形態とすることができる把持特徴部を含む。隆起部は、支持リングへのスナップ嵌めなどのような、支持部材に対する装置の嵌合も容易にすることができる。他の実施形態では、ハンドルを、シャフト上に形成する、又はシャフトに連結することができ、かつユーザが尖っていない開創先端具120を最適に操作できるようにすると同時に、装置100を快適に把持することができるように設計された、人間工学的形状を有することができる。
図1Aには示されていないが、ハンドル部分118は、支持リング、レンチ、又はロボットアームなどの別の装置への嵌合を容易にするための特徴も含むことができる。例えば、ハンドル部分118は、機械的なアーム又は装置への取り付けを可能にする、中央開口を含むことができる。
【0020】
ハンドル部分118は、操作される組織の感知された生理学的パラメータを通信するため、又は装置の遠位端によって撮像された組織画像を表示するための、ディスプレイなどの多種多様な他の特徴も含むことができる。他の実施形態では、ハンドル部分118を、イメージガイダンスシステム又は外部電源などの様々な外部装置に連結するように構成することができる。別の実施形態では、ハンドル部分118は、バッテリーなどの内部電源、並びに照明源122及び/又はセンサー126を制御しかつこれらに電力を供給するために必要な任意の電気回路を収容することができる。例えば、回路としては、センサー126信号を監視するための内部信号処理装置を含むことができる。示されていないが、ハンドル部分118は、ユーザが照明源及びセンサーのうちの少なくとも1つを起動できるようにするスイッチも含むことができる。当該技術で既知の様々なスイッチを使用することができる。
【0021】
細長いシャフト112は、ハンドル部分118から遠位に延在し、好ましくは、組織を操作するために細長い開創シャフトの遠位端116を体腔内に配置できる寸法とされる。一方で、近位端114は、ユーザがハンドル部分118を把持することができるように患者の身体外に位置付けられる。意図する用途に応じて長さを変えることができるが、一実施形態では、細長いシャフト112の長さは、約30mm〜約200mmの範囲とすることができる。意図する用途に応じて、シャフトの直径、並びにハンドル部分118の直径を変えることができ、シャフト及びハンドルは、同一の又は異なる直径を有することができる。一実施形態では、ハンドル部分118は、装置を把持するのを容易にするために、シャフト112の直径よりも大きい直径を有することができる。非限定的な実施例として、ハンドルの直径は、約5mm〜約25mmの範囲とすることができ、シャフトの直径は、約3mm〜約12mmの範囲とすることができる。シャフト112は、概して剛性かつ直線的で、単一の長手方向軸に沿って延在するようにすることもでき、又は他の実施形態では、シャフトは、非直線的かつ/又は可撓性若しくは可鍛性とすることができる。
【0022】
上記のように、開創先端具120は、細長いシャフト112の遠位端116に形成される。開創先端具120は、身体内の組織を操作するために様々な構成を有することができ、特定の構成は、意図する用途に依存することができる。例えば、開創先端具120は、当該技術分野で周知のPenfield解剖用器具のように、外科医が脊柱の近くの筋肉と神経線維とを分離し、組織を開創して手術野の外に保持し、開創された筋肉及び神経組織の下の椎骨組織にアクセスできるように構成される、尖っていない先端具の形態とすることができる。図示する実施形態では、開創先端具120は、シャフトの長手方向軸に垂直な第1の方向に広がる幅が、長手方向軸に垂直な第2の反対方向に広がる深さより大きいように、概して扁平な構成を有することができる。この概して扁平な先端具は、尖った円筒状の先端部分121を形成するように、直径が減少した最遠位部分を有することができる。しかしながら、他の実施形態では、開創先端具は、円筒形、任意の1つ又は2つ以上の表面に沿った陥凹状、長方形、球形等とすることができる。先端具は、外科的ワイヤ又は固定ピンなどの追加的なツールの位置決めを補助するための溝又は中央管腔を含むことができる。外科医の支援により骨表面を貫通してその中に係止するのに十分なほど、先端具を狭くすることができ、又は先端具をネジ若しくはピンで係止することができる。ハンドル128に真空源が接続される場合、吸引を提供するために中央管腔を使用することもできる。加えて、尖っていない開創先端具120を、細長いシャフトに取り外し可能に嵌合するように構成することができ、かつ以下に詳細に考察するように、様々な形状及びサイズを有する複数のモジュール式先端具を提供することができる。
【0023】
上記に記載するように、開創器100は、遠位の開創先端具120の周囲の組織を照明するために照明源122も含むことができる。照明源は、複数の光源、例えば、2つの発光ダイオードを含むことができる。代替的には、照明源は、単一の光源とすることができる。照明源は、一般的な作業区域を照らすように、光源から照射される拡散光照射野を生成することができる。代替的には、照明源は、所望の区域の上に直接光を放つ、標的を定めた光照射野を生成するように構成することができ、例えば照明源は、開創器100の円筒形の先端具部分121に向けて光を放つように方向づけられることができる。いくつかの実施形態では、標的を定めた光照射野は、先端部分及び隣接する組織の周辺の光のバランスをとる、照明源の発散又は収束構成の結果である。照明源は、空洞に照明を提供する能力を有する任意の既知の光源とすることができる。例えば、照明源は、発光ダイオード、有機発光ダイオード、ポリマーライトパイプを含むものなどの光ファイバー照明システム、及び/又は化学発光ストリップとすることができる。
【0024】
装置が患者の身体内、例えば、奥深いアクセス入口内に配置されるときに、照明源が、椎骨の周囲の組織などの手術野の少なくとも一部分を照明するように、照明源を細長いシャフト112に沿って任意の場所に配置することができる。照明源の数、並びに意図する用途に応じて、照明源の場所を変化させることができる。
図1Aに示す実施形態では、照明源122は、遠位端116に隣接した近位に位置付けられており、より具体的には、円筒形の先端部分121の近位に位置付けられている。こうすることで、照明源122が、開創先端具120によって操作される組織を照明できるようにする。当業者は、照明源122を、ハンドル部分118に沿った場所、又は円筒形の先端部分121における場所を含む、シャフト112の長さに沿った任意の場所に位置付けることができることを理解するであろう。更に、装置100は、複数の照明源を含むことができる。ある特定の例示的な実施形態では、照明源122は、シャフト122の最遠位端から、約10mm〜約100mmの範囲の距離だけ離れて位置付けられる。
【0025】
照明源を、多種多様な技術を使用して、開創器装置100に連結することができる。図示する実施形態では、照明源122は、シャフト112内に形成される孔123内に配置される発光ダイオードの形態である。示されていないが、孔は、照明源122をハンドル内に配置される電源に連結することができるように、シャフト112を通って延在する内側管腔の中まで延在することができ、又はハンドル部分118の近位端から延在する電気コネクタ128を通って延在することができる。いくつかの実施形態では、照明源122は、コネクタ128と光ファイバー的に接続されることができる。
【0026】
上記に示すように、装置100は、開創先端具120によって操作される組織の1つ又は2つ以上の生理学的パラメータを感知するためのセンサーも含むことができる。
図1Bは、装置100の開創先端具120をより詳細に図示する。センサー126を、シャフト112に沿って様々な場所に位置付けることができるが、図示された実施形態では、センサー126が操作される組織と接触するように、センサー126は、外面上に配置され、かつ開創先端具120に沿って長手方向に延在する。センサー126を、シャフト112の照明源122と同じ側に又はこれと反対側に配置することができる。例えば、センサー126を遠位端116に積層することによって、センサー126を開創先端具120と嵌合させることができる。代替的に、センサー126を、尖っていない開創先端具120内の孔内又は管腔内に配置することができ、あるいは先端具自体の一部分をセンサーとして機能するように構成することができ、例えば、開創先端具120の表面は、温度を測定する熱電対として機能することができる。いくつかの実施形態では、開創先端具120は、単一のパラメータを監視するための単一のセンサー、多数の異なるパラメータを監視するための複数のセンサー、又は2つ以上のパラメータを監視することができる単一のセンサーを含むことができる。以下でより詳細に考察するように、使用時には、センサー(複数可)を、多種多様な生理学的パラメータを測定するように構成することができる。
【0027】
図2は、
図1の開創器100と類似とすることができるが、非直線的なシャフト210を有する、組織開創器200の別の実施形態を図示する。示されるように、開創器200は、概して、シャフト212の近位端214にハンドル部分212を含み、かつシャフトの遠位端216に開創器先端具216を含む。開創器200は、シャフト212上の、遠位の開創器先端具226に隣接した近位の場所に配置される照明源222も含む。示されていないが、開創器は、
図1に関して上記で考察したように、センサーを更に含む。
【0028】
上記に示したように、この実施形態では、開創器シャフト212は非直線的である。非直線的な形状は変化することができ、シャフト212はその中に形成される任意の数の屈曲部又は湾曲を含むことができるが、図示した実施形態では、シャフトは、その概ね中間部分に形成されるS字型の屈曲部224を含む。このS字型の屈曲部224は、開創器先端具226を含む部分の長手方向軸A
tに沿った軸からずれた、長手方向軸A
hに沿って延在するハンドル部分212を有することによって、先端具216に対する外科医の視線を保つ。したがって外科医の視界は、ハンドル部分218を支持する外科医の手又は他の支持構造体によって妨げられない。細長い開創器シャフトは、いずれかの屈曲部の場所を調節することができ、かつ所望の構成でシャフトを配向することができるように、任意選択的に可鍛性とすることができる。他の実施形態では、シャフトは、温度変化又は他の外部刺激に反応して曲率が変化するように、形状記憶材料から形成することができる。
【0029】
図3は、ハンドル部分318と、ハンドル318から遠位に延在する非直線的な細長い開創器シャフト312とを有する組織開創器300の別の実施形態を図示する。この実施形態では、ハンドル318は、スイッチ316、電源332、信号処理装置330、及び、信号処理装置330と、開創先端具320内(より具体的には最遠位先端具321内)に位置付けられるセンサー326との間に延在するコネクタ329、を有して示される。電源332は電池の形態とすることができ、スイッチ316は、電池及び信号処理装置330に連結されることができる。結果として、スイッチ316を起動すると、電源332から信号処理装置330へと電力が供給され、今度は信号が、コネクタ329を通って、センサー326並びに第1の照明源322a及び第2の照明源322bのうちの少なくとも1つに送られる。
図3は、シャフト312の近位端314と遠位端316との間の実質的な中点に形成されるL字型屈曲部324を更に図示する。結果として、開創先端具320を通る長手方向軸は、ハンドル部分318を通る長手方向軸を実質的に横断する。
【0030】
図4は、開創器シャフト内に形成される第1の開口410及び第2の開口412を有する細長い開創器シャフト400の別の実施形態の遠位部分を図示し、第1の照明源及び第2の照明源(図示せず)は、これらの開口を通して少なくとも部分的に配置することができる。
図4に更に示されるように、シャフト400は、照明源を電源又は光ファイバーシステムに接続するための1つ又は2つ以上の電気的コネクタ又は光ファイバーコネクタ(図示せず)を受容するためにシャフト400を通って延在する、内側管腔413を含むことができる。この実施形態では、開口410、412は、実質的に凸型の形状を有する第1の表面414内に形成され、開創シャフト400は、実質的に凹型の第2の反対側の表面416を含む。照明源を、開口410、412内に着座させ、かつネジ、接着剤、溶接等などの様々な技術を使用してその中に保持することができる。代替的に、照明源を細長い開創シャフトの外面414、416上に積層させることができる。
【0031】
図5は、細長い開創器シャフト500の別の実施形態の遠位部分を図示し、開創器シャフト500は、開創器シャフト500の第1の実質的に凸型表面518内に形成される第1の開口510及び第2の開口512を有する。第1の開口及び第2の開口512は、第1の照明源及び第2の照明源(図示せず)を着座させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、開創器500は、別の第3の開口514を、第2の又は反対側の実質的に凹面516上に有することができる。1つ又は2つ以上の追加的な照明源を、第1の開口510及び第2の開口512内に配置される照明源によって提供される照明の方向と反対方向の組織を照明するように、第3の開口514内に配置することができる。上記の実施形態と同様に、細長いシャフト500は、シャフト500を通って延在し、かつ、例えば、1つ以又は2つ上の電気コネクタ又は光ファイバーコネクタのために、シャフト500の近位端(図示せず)から開口510、512、514までのアクセスを提供するように構成される管腔522を含むことができる。
【0032】
上記に示すように、
図4及び
図5に示されるものなどのいくつかの実施形態では、シャフトを通って延在する管腔413、522は、照明源のための電気的カップリングを収容することができる。追加的に、又は代替的に、管腔413、522は、照明源のための光ファイバーカップリングを収容することができる。管腔は細長いシャフトの近位端から遠位端まで延在することができ、又はシャフトの一部分のみを通って、例えば、最遠位端よりも近位で終了するように延在することができる。管腔は、シャフトの近位端から照明源、センサー、又はこれらの両方まで、電気カップリング又は光ファイバーカップリングが延在できるような寸法とすることができる。追加的に、シャフトは、2つ以上の管腔を有することができ、例えば、シャフトは、第1の電気カップリングを収容する第1の管腔と、骨ネジなどの外科的アクセサリ又はツールを手術野に送達するように設計された第2の管腔と含むことができる(図示せず)。追加的に、真空システムを用いて吸引を提供するように第2の管腔を構成することもできる。電気カップリングは、導電性ワイヤなどの任意の既知のカップリング機構とすることができる。
【0033】
図6は、第1の照明源610及び第2の照明源610’に給電するための例示的な回路600を図示する。内部電源612によって、照明源610、610’に給電することができる。電源612を、装置上に又は装置内に、例えば、ハンドル内の空洞の中に配置することができる(例えば、
図3では、電源332は、ハンドル312内に配置される)。代替的に、電源612は装置の外部にあり、
図1に示されるような電気コード又は電気ケーブルなどのコネクタを介して、ハンドルの近位端に電気的に接続されてもよい。電源612は、当該技術で既知である1つの電池又は一連の電池を含むことができ、又は標準的な壁のコンセントなどの任意の他の既知の電源を含むことができる。
【0034】
図6に示されるように、スイッチ614及びヒューズ又はダイオード616を含む回路600によって、電源612を照明源610、610’に電気的に連結することができる。スイッチ614は、ユーザが照明源610、610’の光学的出力を制御できるように、照明源610、610’への電力を制御するように構成することができる。スイッチ614は、照明源610、610’への電力を制御する能力を有する任意の機構とすることができ、該機構には、オン/オフスイッチ、又は光出力範囲を与える調光タイプのスイッチが含まれる。一実施形態では、スイッチ614は、外科医によって操作されるように構成された、ハンドル上に配置される物理的スイッチとすることができる。例えば、スイッチ614は、外科医がハンドルの表面のいずれかの部分(例えば、
図3のスイッチ316)に接触するとトグル式に切り替えられるタッチセンサー式の表面とすることができる。他の実施形態では、スイッチ614は、ハンドル上に配置される押圧可能なボタンタイプのスイッチとすることができる。いくつかの実施形態では、スイッチ614は、無菌パッケージ(図示せず)から装置が取りだされるとすぐに起動する、片道オンスイッチとすることができる。
【0035】
図7A〜
図7Dは、本明細書に開示する開創先端具のいずれかで使用するための様々なタイプの例示的なセンサーを図示する。センサーは、当業者にとって生理学的な有意性を有する任意のパラメータを測定するように構成することができる。例えば、例示的なセンサーによって監視される生理学的パラメータとしては、温度、圧力、血中酸素濃度、及び電気伝導度を挙げることができる。
図7Aに示されるように、センサー810は、示されるように骨820に適合するように概して凹型の遠位対面表面を有する開創器先端具800上に配置されるラボオンチップセンサー810の形態である。ラボオンチップセンサーは、数ミリメートルほどの大きさとすることができ、かつ隣接する組織の生理学的パラメータを解析するためにマイクロフルイディックスを利用することができる。例えば、ラボオンチップセンサーは、隣接する組織内の血中酸素濃度を監視することができる。
図7Bは、骨920の表面に適合する凹面を有する別の先端具900を図示する。この実施形態でのセンサー910は、印加された圧力を感知するための圧力センサー910である。圧力センサーは、当該技術分野で既知の任意のタイプの圧力センサーとすることができ、例えば、感圧抵抗センサー、抵抗歪みゲージ、誘電感圧フィルム、ピエゾ電子タイプセンサー、静電式、電磁式、電位差式、共鳴、及び熱式圧力センサーなどとすることができる。
図7Cに示される別の実施形態では、先端具1000は、熱電対などの温度センサー1010を含む。
図7A及び
図7Cに示される先端具のように、先端具1000は、骨1020に適合するように構成された遠位対面凹面を含む。
図7Dは、骨1120の表面に適合する凹面を有するように構成された、先端具1100の更に別の実施形態を図示する。この実施形態では、センサーは、神経及びマイオモニターシステムで一般的に使用されるような電気伝導度計1110の形態である。
【0036】
本明細書に開示する様々なセンサーは、外科的プロセスの間、リアルタイムデータを監視できるように構成することができ、監視パラメータが予め設定した範囲外になった場合に外科医が警報を受けることができるように、コンピュータ装置に連結することができる。コンピュータ装置は、手術室又は処置室にある既知の患者監視システムを含むことができ、又は代替的若しくは追加的に、開創器装置の細長い開創シャフト内に直接保管される信号処理装置及びコンピュータ装置を含むことができる。シャフトに直接保管される場合、コンピュータ装置又は信号処理装置を、シャフト内のどこにでも配置することができる(例えば、
図3に示されるように、信号処理装置330は、ハンドル318内に電源332に隣接して配置される)。
【0037】
センサー(複数可)は、当該技術分野で既知の神経及びマイオモニターシステムと通信することができる。例えば、センサー(複数可)は、神経組織がそばにあるとき及び/又は近接する神経組織が活動しているときを感知するために、接触した組織の伝導度を監視するように構成することができる。センサー(複数可)を、組織を照明するためにシャフトに連結されている照明源、又は装置上の他のどこか、例えば、ハンドル上に提供される別個の照明源若しくは他のインジケーターに連結することができる。センサーによって監視されているパラメータが、予め設定した範囲外であるとき、照明源は、例えば、組織の温度が所望の範囲外である場合に色を閃光させる、点滅させる、消す、又は変化させることによって、外科医に警報を発することができる。センサーと照明源との間のこの通信を達成するために、センサーと照明源とを、装置内に収容される回路、又は装置の外部の構成要素(外部の信号処理装置などの)を含む回路で電気的に連結することができる。
【0038】
図8A〜
図8Cは、組織開創器の別の実施形態を図示する。開創器1200は、ハンドル1210と、ハンドル1210から遠位に延在する細長いシャフト1220とを含むことができる。システム1200は、細長いシャフトの遠位端1222に連結される支持リング1230も含むことができる。支持リング1230は、複数のブレード1240に取り外し可能に嵌合するように構成することができる。示されるように、リング1230は、長円形状又は楕円形状を有することができる。代替的に、リングは、円形、5角形、8角形、又は任意の他の幾何学的形状を有することができる。ブレード1240の周囲の組織を開創するために、1つ又は2つ以上のブレード1240を、支持リング1230に嵌合させることができる。
【0039】
図8Bは、着脱可能なブレード1240をより詳細に図示する。ブレード1240は、近位端1242と遠位端1244とを有することができる。遠位端1244は、組織内に配置されて組織を開創するように構成することができる。近位端1242は、支持リング1230の中にスナップ留めするように構成することができる。様々な技術を使用して、ブレード1240をリング1230に取り外し可能に取り付けることができるが、一実施形態では、スナップ嵌め係合を用いることができる。例えば、ブレードは、その近位端1242にわたって横方向に延在する細長い表面突出部(図示せず)を含むことができ、リング1230は、ブレード1240上の突出部に着座及び係合するように構成される細長い溝(図示せず)を含むことができる。
【0040】
図8Bは、ブレード1240の近位端1242に接続することができ、かつブレード1240をリング1230内にねじ込んで係合するように操作することができる挿入ハンドル1250を更に図示する。かかる構成により、ブレード1240をリング1230に相互動作可能に取り付けることが可能となり得る。
図8Aに更に示されるように、ブレード1240は、その内側に面した表面上に形成される開口1246を有することができ、この開口は、骨アンカー又は他の外科的器具を受容するように設計することができる。
【0041】
図8Cは、組織を開創して、奥深いアクセス入口又は組織内の空洞を画定する構成で、支持リング1230内の定位置にスナップ留めされる3つのブレード1240、1240’、1240”を有する例示的な開創器1200を図示する。示されるように、リング1230は、リング1230の周囲の全円に嵌合されたブレード1240、1240’、1240”を有する必要はなく、むしろリング1230の一部分は、図示されるようにブレード1240を有さなくてもよい。追加的に、リング1230、ブレード1240、1240’、1240”、及び細長いシャフト1220のうちの任意の1つ又は2つ以上は、奥深いアクセス入口又はシステムによって形成された空洞を照明するための、その上に又はその中に配置される照明源、及び/又は開創される組織の少なくとも1つのパラメータを監視するための本明細書に記載するセンサーを含むことができる。
【0042】
図9は、組織を開創するための例示的な外科用キット1500を図示する。例示的なキット1500は、脊髄手術及び特に胸部手術などの任意のタイプの手術を実施するために必要な任意のツールを含むことができる。示されるように、キット1500は、照明開創器1510、1520、1530、1540、1550などの装置の組合せを含むことができる。開創器1510を参照すると、それぞれの照明開創器は、近位端1560、遠位端1570、及び細長い中間部分1580を有することができる。遠位端1570は、開創先端具1590と、その上に配置されて身体組織の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するためのセンサー(図示せず)とを有することができる。細長い中間部分1580は、遠位端の周囲の区域を照明するために、本明細書に記載するように照明源1592を含むことができる。当業者は、キットが、本明細書に開示する特徴の任意の組合せを有する開創器の任意の組合せを含むことができることを理解するであろう。
【0043】
キットは、開創器1510、1520、1530、1540、1550上の尖っていない開創先端具のうちの任意の1つの上に取り外し可能に配置されるように構成された、1つ又は2つ以上のモジュール式の先端具1594も含むことができる。各モジュール式先端具は、他のモジュール式の先端具の形状、及び開創器先端具の形状とは異なる形状を有するキャップの形態とすることができ、これにより、意図する用途に基づいて所望するように開創器の先端具を修正することができる。先端具は、吸収性ポリマー/スポンジ/布1594などの異なる材料で作製することができる。これにより、開創器ブレードは、Kittner解剖用器具の機能などのような様々な他の機能を実施できるようになる。キットは、開創器1510、1520、1530、1540、1550が身体内に配置されるとき、開創器1510、1520、1530、1540、1550のうちの1つ又は2つ以上を、開創器の近位端において支持するように構成される少なくとも1つの支持リング1596を更に含むことができる。例えば、開創器1510の近位端1560は、支持リング1596と嵌合するように構成することができる。開創器のうちのいくつか、例えば、開創器1540及び1550は、開創器を支持リングに嵌合するためにリングの周囲に巻装されるように構成される、その近位端から延在する可鍛性のコネクタ1598を含むことができる。
【0044】
当業者は、本明細書に開示するシステム及び装置を、所与の構成要素の記載される特性、機能、及び設計のために好適な任意の既知の生物適合性材料で形成することができることを、理解するであろう。例えば、細長い開創シャフト、支持リング、及びブレードは、所望の機械的な特性を有するように、ステンレス鋼、ニチノール、白金、タングステン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、シリコーン、並びに当業者に既知の様々な他の金属、合金、ポリマー、及びコポリマーなどの、任意の生体適合性の剛性又は半剛性材料で形成することができる。尖っていない開創先端具を、細長い開創シャフトと同一の又は異なる材料から形成することができ、かつ追加的な有利な材料特性を提供するために様々なコーティングを含むことができる。例えば、先端具は、シリコーン又はテフロンなどのデュロメータ硬度の低いコーティングを有することができる。ハンドルもまた、その上にコーティング、例えば、ゴム又はシリコーンなどの非導電性の滑らないコーティングを有することができる。
【0045】
図10は、組織開創器の1つの例示的な使用を図示する。この実施形態では、2つの開創器1610、1610’は、身体内の奥深いアクセス入口1612の中に定置され、かつ組織を操作するように構成される。組織を操作することは、身体内の組織を分離すること、開創すること、引き離すこと、拡張すること、又は別の方法で移動させることを含むことができる。操作することは、傾斜したナイフブレード(図示せず)を用いるなどして組織を切断又は分断することを含むことができ、あるいは、例えば、尖っていない開創先端具1614、1614’を用いて組織を切断せずに組織を開創すること及び引き離すことを含むことができる。装置は、筋肉1616及び神経線維1618を入口1612から離して保持することができ、したがって下にある骨1620へのアクセスを与え、かつ骨に関する処置の間に傷つきやすい神経1618及び筋組織1616に不必要に接触するのを避ける。
【0046】
装置1610、1610’は、1626及び1626’で表される内部電源付きハンドル及び外科医の手を切り欠いて示されている。代替的に、装置は、装置1610、1610’の近位端1624、1624’から延在するコネクタ1622、1622’を含むことができる。コネクタは、1626、1626’の場所で外部電源又は信号処理装置に連結することができる。外部電源又は信号処理装置1626は、照明源1628、1628’及び/又は装置1610、1610’上に配置される1つ又は2つ以上のセンサー(図示せず)に給電するか、又は別の方法でこれらと通信するように構成することができる。
【0047】
図11は、組織を通してアクセス入口を画定するカニューレ1712内に配置される、開創器1710の別の実施形態を図示する。手術野1714は、神経線維の密度が高い、脊柱1716の胸部領域に近い区域とすることができる。手術野1714へのアクセスを与える空洞を形成するために、開創器1710の遠位先端具1718を使用して組織を開創することができる。開創器は、ハンドル部分1724を含む開創器1710の近位端1722から延在するコネクタ1720を含むことができる。
【0048】
図12は、奥深いアクセス入口1802の中に配置される開創器1800、1800’を、細長い開創シャフト1814、1814’の近位部分1812、1812’から延在するコネクタ1810、1810’と共に図示する。コネクタ1810、1810’は、細長い開創器シャフト1814、1814’の近位端1812、1812’に、動作可能に、すなわち、電気的に、光学的に、及び/又は物理的に連結されるように構成することができる。コネクタ1810、1810’は、照明源1816、1816’及びセンサー(図示せず)のうちの少なくとも1つを、マイオモニターなどの外部の信号処理装置に電気的に接続するように構成することができる。それぞれのコネクタ1810、1810’のすべて又は一部分はまた、コネクタを支持構造体1820の周囲に巻装させ、かつコネクタを支持構造体1820と嵌合させることができるように、可鍛性1818、1818’とすることができる。
【0049】
図13は、2つの開創器1900、1900’の可鍛性コネクタ1910、1910’を示す別の実施形態を図示し、これら可鍛性コネクタ1910、1910’は、開創器1900、1900’が身体1920内に配置されているときに該開創器が安定した位置に維持されるように相互に結ばれている、又は別の方法で連結されている。前の実施形態と同様に、コネクタ1910、1910’を、任意の既知の関節動作可能な、及び/又は可鍛性のワイヤ又はシースで形成することができる。例えば、コネクタ1910、1910′は、装置を電気的に又は光ファイバー的に外部のシステムに接続するためにそこを通っている導電性のワイヤ又は光ファイバーケーブルを有する、セグメント化された、関節動作可能なシースとすることができる。したがって、コネクタ1910、1910’は、開創器1900、1900’の近位端1930、1930’に嵌合することができ、かつ照明源及びセンサーのうちの少なくとも1つと電気的接続を行うために装置内の管腔を通って延在することができる。
【0050】
当業者であれば、本開示は、従来の低侵襲性手術器具、及び開放手術器具、並びにロボット支援手術における用途があることを認識するであろう。本明細書に開示される装置はまた、1回の使用の後に廃棄するように設計することもでき、又は複数回使用するように設計することもできる。しかしながら、いずれの場合にも、少なくとも1回の使用後、装置を再使用のために再調整することができる。こうした再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換してから、その後の使用のために、装置を再調整施設において、あるいは手術チームによって外科手術の直前に再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用することができる点を、認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて、本出願の範囲内にある。
【0051】
当業者であれば、上記に記載した実施形態に基づく本発明の更なる特徴及び利点を認識するであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって指示されるものを除いて、具体的に図示し記載した内容によって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0052】
〔実施の態様〕
(1) 身体内の奥深いアクセス入口の中に埋め込まれた神経組織を含む筋繊維を外科的に開創する(retracting)ための外科的装置であって、
ハンドル部分を含む近位端、及び身体内の組織を、前記組織のかなりの分断なしに操作するように構成される尖っていない開創先端具を有する遠位端を有する細長い開創器シャフトと、
前記細長い開創器シャフト上に配置され、かつ組織を照明するように構成される照明源と、
前記ハンドルに連結され、かつ前記照明源に動作可能に連結されるコネクタと、を備える、装置。
(2) 前記開創先端具の上に配置され、かつ前記開創先端具によって操作される組織の少なくとも1つの生理学的パラメータを感知するように構成されるセンサーを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記コネクタが、前記センサーに電気的に連結され、かつ前記センサーと外部の信号処理装置との間で信号を伝達するように構成される、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記ハンドル部分内に配置され、かつ前記照明源及び前記センサーのうちの少なくとも1つに電力を提供するように構成される内部電源を更に備える、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記尖っていない開創先端具が、骨表面に適合するように構成される凹面を有する、実施態様1に記載の装置。
【0053】
(6) 前記細長い開創器シャフトが、その中に形成される少なくとも1つの屈曲部を有して非直線的であり、これにより、前記尖っていない開創先端具が、前記ハンドル部分の中心長手方向軸を横断する中心長手方向軸に沿って延在する、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記細長い開創器シャフトが、少なくともその一部分を通って延在する管腔を有する、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記コネクタが、前記管腔を通って延在する、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記照明源が、少なくとも部分的に前記管腔内に配置される、実施態様7に記載の装置。
(10) 前記細長い開創器シャフトが、少なくともその一部分を通って延在する管腔を有し、かつ前記センサーが、少なくとも部分的に前記管腔内に配置される、実施態様2に記載の装置。
【0054】
(11) 前記照明源が、前記開創先端具に近接して近位に配置される、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記照明源が、光ファイバー照明システムを含む、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記照明源が、発光ダイオードを含む、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記尖っていない開創先端具が骨内に係止されるように構成される、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記コネクタが、機械的な固定手段として作用する、実施態様1に記載の装置。
【0055】
(16) 前記センサーが、温度、圧力、血中酸素濃度、神経伝導度、又はこれらの組合せから成る群から選択される少なくとも1つの生理学的パラメータを感知するように構成される、実施態様2に記載の装置。
(17) 前記ハンドル部分内に配置され、かつ前記コネクタに連結される信号処理装置を更に備え、前記信号処理装置が、前記少なくとも1つの生理学的パラメータを監視し、前記パラメータが予め設定した範囲の外側であるとき、ユーザに連絡するように構成される、実施態様2に記載の装置。
(18) 前記細長い開創シャフトの少なくとも一部分が可鍛性である、実施態様1に記載の装置。
(19) 前記センサーが、前記細長い開創器シャフトの外面に積層される、実施態様2に記載の装置。
(20) 身体内の組織を開創するための外科的システムであって、
ハンドルと、
前記ハンドルから遠位に延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの遠位端に連結される支持リングと、
前記支持リングに取り外し可能に嵌合され、かつ組織を開創するように構成される複数のブレードと、
前記細長いシャフト及び前記支持リングのうちの少なくとも1つの上に配置され、かつ組織を照明するように構成される照明源と、を備える、システム。
【0056】
(21) 前記細長いシャフト、前記支持リング、及び前記複数のブレードのうちの少なくとも1つの上に配置され、かつ身体組織の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するように構成されるセンサーを更に備える、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記複数のブレードが、前記支持リング上にスナップ嵌めされるように構成される、実施態様20に記載のシステム。
(23) 外科用キットであって、
近位端と、遠位端と、前記遠位端の周囲の区域を照明するための照明源と、を有する少なくとも1つの開創器であって、前記遠位端が、尖っていない切開先端具と、身体組織の少なくとも1つの生理学的パラメータを監視するための、前記尖っていない切開先端具の上に配置されるセンサーとを有する、開創器と、
前記少なくとも1つの開創器の前記尖っていない切開先端具の上に配置されるように構成される少なくとも1つのモジュール式の先端具と、
前記開創器が身体内に配置されるときに、前記開創器の前記近位端において前記開創器を支持するように構成される少なくとも1つの支持リングと、を備える、キット。