(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6516171
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 12/60 20060101AFI20190513BHJP
A01D 41/12 20060101ALI20190513BHJP
A01F 12/00 20060101ALI20190513BHJP
B60K 13/04 20060101ALI20190513BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
A01F12/60
A01D41/12 H
A01F12/00 F
B60K13/04 B
F01N3/08 B
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-179971(P2017-179971)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-54740(P2019-54740A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2017年10月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中井 正司
(72)【発明者】
【氏名】山本 次郎
(72)【発明者】
【氏名】栗原 大器
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−158591(JP,A)
【文献】
特開2016−146772(JP,A)
【文献】
特許第5971859(JP,B2)
【文献】
特開2015−123051(JP,A)
【文献】
特開2017−038578(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0250864(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 − 41/16
A01F 12/00
A01F 12/46
A01F 12/60
B60H 1/00 − 1/34
B60K 13/00 − 13/06
F01N 3/00 − 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)の前側に穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下側にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設け、該エンジンルーム(6)の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(4)の右壁(4B)の上部に設けられた前後方向に延在する脱穀装置フレーム(63)と操縦部(5)の後部に設けられた左右方向に延在する操縦席フレーム(50)を浄化装置フレーム(20)で連結し、
該浄化装置フレーム(20)の上面に、前記エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置(12)と窒素酸化物を浄化する尿素浄化装置(14)を並設し、
前記グレンタンク(7)の左壁(7A)の前部に、前側と左側が開放された切欠き部(S)を形成し、
前記グレンタンク(7)の前壁(7C)の前側にロック装置(70)を設け、前記グレンタンク(7)の切欠き部(S)内にロック装置(70)のフック部材(72)を入り込ませ、
前記フック部材(72)を浄化装置フレーム(20)の前後方向に延在するピン(29)に係合させる構成とし、
前記操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、前記操縦部(5)に備えられた空調装置を冷却する冷却ファン(42)を設け、前記尿素浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませ、
前記冷却ファン(42)の下側に、該冷却ファン(42)から排風された空気の送風方向を調整する送風ガイド(46)を設け、該送風ガイド(46)の後部を上下方向に揺動可能な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)の長手方向を機体の前後方向に設け、前記尿素浄化装置(14)を排気浄化装置(12)の右側に設け、前記尿素浄化装置(14)を切欠き部(S)内に入り込ませた請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記浄化装置フレーム(20)における右側の前部と機体フレーム(1)を上下方向に延在する第1連結部材(55)で連結し、前記浄化装置フレーム(20)における右側の後部と脱穀装置(4)の右壁(4B)を左下がり傾斜に延在する第2連結部材(56)で連結した請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記排気浄化装置(12)の上側に、前記排気浄化装置(12)の上部を覆うカバー(45)を設け、該カバー(45)の前部(45A)を前下がりに傾斜させ、側面視において前記前部(45A)の前端部を冷却ファン(40)の上下方向の中心部近傍に臨ませた請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記カバー(45)の左部(45B)を左下がりに傾斜させ、前記カバー(45)の右部(45C)を右下がりに傾斜させて、前記カバー(45)を屋根形状に形成した請求項4記載のコンバイン。
【請求項6】
前記右部(45C)の右下り傾斜を、前記左部(45B)の左下り傾斜よりも急勾配に形成した請求項5記載のコンバイン。
【請求項7】
前記浄化装置フレーム(20)を前後方向に所定の間隔を隔てて左右方向に延在する左右フレーム(A)と、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する前後フレーム(B)で形成し、該左右フレーム(A)を前側から順に第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)で形成し、前記前後フレーム(B)を左側から順に第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)で形成し、前記第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)のそれぞれの左部を第1前後フレーム(24)に連結し、前記第1左右フレーム(21)の右部と第2左右フレーム(22)の右側の中間部を第2前後フレーム(25)に連結し、前記第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)と、前記第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)のそれぞれの下部を略同一水平面に設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記第2左右フレーム(22)の左部と第3左右フレーム(23)の左部を前後方向に延在する第1補強フレーム(26)で連結し、前記第2左右フレーム(22)の右部と第3左右フレーム(23)の右部を前後方向に延在する第2補強フレーム(27)で連結した請求項7記載のコンバイン。
【請求項9】
前記切欠き部(S)を左側上部から右側下部に向かって延在する上側傾斜壁(32)と、該上側傾斜壁(32)の下端から下側に向かって延在する垂直壁(33)と、該垂直壁(33)の下端から左側下部に向かって延在する下側傾斜壁(34)で形成し、正面視において前記垂直壁(33)をグレンタンク(7)の搬送螺旋の上側に位置させた請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項10】
前記上側傾斜壁(32)を前記機体フレーム(1)の上面に対して45度傾斜して形成し、前記下側傾斜壁(34)を前記機体フレーム(1)の上面に対して30度傾斜して形成した請求項9記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置を備えたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインでは、脱穀装置の右壁上部とグレンタンクの左壁の切欠き部の間に形成された空間に、排気浄化装置を設ける技術が知られている。(特許文献1)
また、収納状態姿勢と開放状態姿勢に移動可能なグレンタンクを設け、収納状態姿勢にあるグレンタンクをフック部材を介して脱穀装置の右壁に係合する技術が知られている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−185128号公報
【特許文献2】特開2016―104601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、グレンタンクの左壁に前側と左側が開放された大きな切欠き部を形成するので、グレンタンクの剛性が低下してグレンタンクが負荷が加わった場合に容易に変形するという問題がある。
【0005】
特許文献2の技術では、グレンタンクの左壁に設けられたフック部材を脱穀装置の右壁に係合するので、フック部材の左右方向の長さが長くなりフック部材と脱穀装置の右壁の被係合部の位置を合わせて係合するのが困難になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、被係合部とフック部材の位置合わせが容易に行え、収納状態姿勢にあるグレンタンクを被係合部に強固に係合してグレンタンクの変形を防止することができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、機体フレーム(1)の前側に穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下側にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設け、該エンジンルーム(6)の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、
前記脱穀装置(4)の右壁(4B)の上部に設けられた前後方向に延在する脱穀装置フレーム(63)と操縦部(5)の後部に設けられた左右方向に延在する操縦席フレーム(50)を浄化装置フレーム(20)で連結し、該浄化装置フレーム(20)の上面に、前記エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置(12)と窒素酸化物を浄化する尿素浄化装置(14)を並設し、前記グレンタンク(7)の左壁(7A)の前部に、前側と左側が開放された切欠き部(S)を形成し、前記グレンタンク(7)の前壁(7C)の前側にロック装置(70)を設け、前記グレンタンク(7)の切欠き部(S)内にロック装置(70)のフック部材(72)を入り込ませ、前記フック部材(72)を浄化装置フレーム(20)の前後方向に延在するピン(29)に係合させる構成とし、前記操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、前記操縦部(5)に備えられた空調装置を冷却する冷却ファン(42)を設け、前記尿素浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませ、前記冷却ファン(42)の下側に、該冷却ファン(42)から排風された空気の送風方向を調整する送風ガイド(46)を設け、該送風ガイド(46)の後部を上下方向に揺動可能な構成としたことを特徴とするコンバインである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)の長手方向を機体の前後方向に設け、前記尿素浄化装置(14)を排気浄化装置(12)の右側に設け、前記尿素浄化装置(14)を切欠き部(S)内に入り込ませた請求項1記載のコンバインである。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記浄化装置フレーム(20)における右側の前部と機体フレーム(1)を上下方向に延在する第1連結部材(55)で連結し、前記浄化装置フレーム(20)における右側の後部と脱穀装置(4)の右壁(4B)を左下がり傾斜に延在する第2連結部材(56)で連結した請求項1又は2記載のコンバインである。
【0010】
【0011】
【0012】
請求項4記載の発明は、前記排気浄化装置(12)の上側に、前記排気浄化装置(12)の上部を覆うカバー(45)を設け、該カバー(45)の前部(45A)を前下がりに傾斜させ、側面視において前記前部(45A)の前端部を冷却ファン(40)の上下方向の中心部近傍に臨ませた請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記カバー(45)の左部(45B)を左下がりに傾斜させ、前記カバー(45)の右部(45C)を右下がりに傾斜させて、前記カバー(45)を屋根形状に形成した請求項4記載のコンバインである。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記右部(45C)の右下り傾斜を、前記左部(45B)の左下り傾斜よりも急勾配に形成した請求項5記載のコンバインである。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記浄化装置フレーム(20)を前後方向に所定の間隔を隔てて左右方向に延在する左右フレーム(A)と、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する前後フレーム(B)で形成し、該左右フレーム(A)を前側から順に第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)で形成し、前記前後フレーム(B)を左側から順に第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)で形成し、前記第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)のそれぞれの左部を第1前後フレーム(24)に連結し、前記第1左右フレーム(21)の右部と第2左右フレーム(22)の右側の中間部を第2前後フレーム(25)に連結し、前記
第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)と、前記第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)のそれぞれの下部を略同一水平面に設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記第2左右フレーム(22)の左部と第3左右フレーム(23)の左部を前後方向に延在する第1補強フレーム(26)で連結し、前記第2左右フレーム(22)の右部と第3左右フレーム(23)の右部を前後方向に延在する第2補強フレーム(27)で連結した請求項7記載のコンバインである。
【0017】
請求項9記載の発明は、前記切欠き部(S)を左側上部から右側下部に向かって延在する上側傾斜壁(32)と、該上側傾斜壁(32)の下端から下側に向かって延在する垂直壁(33)と、該垂直壁(33)の下端から左側下部に向かって延在する下側傾斜壁(34)で形成し、正面視において前記垂直壁(33)をグレンタンク(7)の搬送螺旋の上側に位置させた請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0018】
請求項10記載の発明は、前記上側傾斜壁(32)を前記機体フレーム(1)の上面に対して45度傾斜して形成し、前記下側傾斜壁(34)を前記機体フレーム(1)の上面に対して30度傾斜して形成した請求項9記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、脱穀装置(4)の右壁(4B)の上部に設けられた前後方向に延在する脱穀装置フレーム(63)と操縦部(5)の後部に設けられた左右方向に延在する操縦席フレーム(50)を浄化装置フレーム(20)で連結し、該浄化装置フレーム(20)の上面に、エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置(12)と窒素酸化物を浄化する尿素浄化装置(14)を並設し、グレンタンク(7)の左壁(7A)の前部に、前側と左側が開放された切欠き部(S)を形成し、グレンタンク(7)の前壁(7C)の前側にロック装置(70)を設け、グレンタンク(7)の切欠き部(S)内にロック装置(70)のフック部材(72)を入り込ませ、フック部材(72)を浄化装置フレーム(20)の前後方向に延在するピン(29)に係合させる構成としたので、フック部材(72)の左右方向の長さを短くでき、フック部材(72)をピン(29)に容易に係合させることができる。また、グレンタンク(7)を浄化装置フレーム(20)を介して脱穀装置(4)と操縦部(5)に固定してグレンタンク(7)の剛性を高めることができ、グレンタンク(7)の変形を防止することができる。
操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、操縦部(5)に備えられた空調装置を冷却する冷却ファン(42)を設け、尿素浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませたので、冷却ファン(42)で排風された空気によって尿素浄化装置(14)が冷却され、尿素浄化装置(14)が過度に高温になることを防止して、窒素酸化物を効率良く浄化することができる。
冷却ファン(42)の下側に、冷却ファン(42)から排風された空気の送風方向を調整する送風ガイド(46)を設け、送風ガイド(46)の後部を上下方向に揺動可能な構成としたので、排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)の温度に応じて排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)に向かう空気の量を調整して、排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)の温度を所定の温度範囲に維持することができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、排気浄化装置(12)と尿素浄化装置(14)の長手方向を機体の前後方向に設け、尿素浄化装置(14)を排気浄化装置(12)の右側に設け、尿素浄化装置(14)を切欠き部(S)内に入り込ませたので、フック部材(72)の左右方向の長さをより短くでき、フック部材(72)をピン(29)により容易に係合させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、浄化装置フレーム(20)における右側の前部と機体フレーム(1)を上下方向に延在する第1連結部材(55)で連結し、浄化装置フレーム(20)における右側の後部と脱穀装置(4)の右壁(4B)を左下がり傾斜に延在する第2連結部材(56)で連結したので、浄化装置フレーム(20)の変形が防止でき、グレンタンク(7)の剛性をより高めることができ、グレンタンク(7)の変形をより防止することができる。
【0022】
【0023】
【0024】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、排気浄化装置(12)の上側に、排気浄化装置(12)の上部を覆うカバー(45)を設け、カバー(45)の前部(45A)を前下がりに傾斜させ、側面視において前部(45A)の前端部を冷却ファン(40)の上下方向の中心部近傍に臨ませたので、カバー(45)の上側に冷却ファン(42)で排気された空気を案内して、カバー(45)に堆積した粉塵を除去することができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明による効果に加えて、カバー(45)の左部(45B)を左下がりに傾斜させ、カバー(45)の右部(45C)を右下がりに傾斜させて、カバー(45)を屋根形状に形成したので、カバー(45)に粉塵が堆積するのを防止することができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明による効果に加えて、右部(45C)の右下り傾斜を、左部(45B)の左下り傾斜よりも急勾配に形成したので、右部(45C)に堆積した粉塵を右側に落下させ、冷却ファン(42)で排気された空気によっての落下した粉塵を外部に排出することができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、浄化装置フレーム(20)を前後方向に所定の間隔を隔てて左右方向に延在する左右フレーム(A)と、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する前後フレーム(B)で形成し、該左右フレーム(A)を前側から順に第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)で形成し、前後フレーム(B)を左側から順に第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)で形成し、第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)のそれぞれの左部を第1前後フレーム(24)に連結し、第1左右フレーム(21)の右部と第2左右フレーム(22)の右側の中間部を第2前後フレーム(25)に連結し、
第1左右フレーム(21)と、第2左右フレーム(22)と、第3左右フレーム(23)と、第1前後フレーム(24)と、第2前後フレーム(25)のそれぞれの下部を略同一水平面に設けたので、エンジンルーム(6)に浄化装置フレーム(20)の下部の延出を抑制して、エンジンルーム(6)内の配置空間を大きく形成することができる。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の発明による効果に加えて、第2左右フレーム(22)の左部と第3左右フレーム(23)の左部を前後方向に延在する第1補強フレーム(26)で連結し、第2左右フレーム(22)の右部と第3左右フレーム(23)の右部を前後方向に延在する第2補強フレーム(27)で連結したので、浄化装置フレーム(20)の変形を防止することができる。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、切欠き部(S)を左側上部から右側下部に向かって延在する上側傾斜壁(32)と、該上側傾斜壁(32)の下端から下側に向かって延在する垂直壁(33)と、該垂直壁(33)の下端から左側下部に向かって延在する下側傾斜壁(34)で形成し、正面視において垂直壁(33)をグレンタンク(7)の搬送螺旋の上側に位置させたので、脱穀装置(4)とグレンタンク(7)の間に排気浄化装置(17)と尿素浄化装置(14)を配置する大きな空間を形成することができる。
【0030】
請求10記載の発明によれば、請求項9記載の発明による効果に加えて、上側傾斜壁(32)を機体フレーム(1)の上面に対して45度傾斜して形成し、下側傾斜壁(34)を機体フレーム(1)の上面に対して30度傾斜して形成したので、グレンタンク(7)に搬送された穀粒をグレンタンク(7)の下部に設けられた搬送螺旋により効率良く落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図6】グレンタンクと浄化装置フレームを連結するロック部材の正面図である。
【
図11】ラジエータカバーに装着する濾過体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明について図面を参照しながら説明する。なお、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明する。
【0033】
図1,2に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0034】
操縦部5の下部には、エンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側には、穀粒を外部に排出する排出筒8が設けられている。排出筒8は、グレンタンク7の後下部に連通されて上下方向に延在する縦排出筒と、縦排出筒の上部に連通されて前後方向に延在する横排出筒から形成されている。また、脱穀装置4の下部とグレンタンク7の上部は、脱穀装置4からグレンタンク7に穀粒を搬送する揚穀装置9によって連結されている。
【0035】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後方下側に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後方に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0036】
図3〜5に示すように、脱穀装置4の扱胴の上側に設けられた扱胴カバー60は、脱穀装置4の左壁4Aの上部に設けられた前後方向に延在する支軸61に回転自在に支持されている。これにより、扱胴カバー60を支軸61を中心に回動させて扱胴の上側に大きな空間を形成することにより扱胴等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、扱胴カバー60の右下部に設けられた右側に向かって延在する延在部62は、脱穀装置4の右壁4Bの上部に設けられた前後方向に向かって延在する脱穀装置フレーム63に着脱自在に固定されている。
【0037】
操縦部5の後部には、左右方向に向かって延在する操縦席フレーム50が設けられている。操縦席フレーム50の左部は、上下方向に向かって延在する連結部材51を介して、機体フレーム1の前部における左右方向の中間部位に設けられた逆U字形状の左側フレーム52に連結されている。また、操縦席フレーム50の右部は、上下方向に向かって延在する連結部材53を介して、機体フレーム1の前部における左右方向の右部に設けられた逆U字形状の右側フレーム54に連結されている。
【0038】
エンジンルーム6に内装されたエンジン(図示省略)の排気口には、エンジンで燃焼された排気ガスを外部に排気する排気管10が接続されている。
【0039】
排気管10には、浄化装置が接続されている。浄化装置は、排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置(DPF)12と排気浄化装置12から排気される排気ガス中の窒素酸化物を浄化する尿素浄化装置(SCR)14等から形成され、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の長手方向を機体の前後方向に向けて配置している。なお、排気浄化装置12には、上流側の酸化触媒(DOC)と下流側のパティキュレートフィルタ(DPF)が内装されている。
【0040】
エンジンの排気口と排気浄化装置12の吸気口は、可撓性の排気管11で接続され、排気浄化装置12の排気口と尿素浄化装置14の吸気口は、可撓性の排気管13で接続され、尿素浄化装置14の排気口には可撓性の排気管15が接続されている。また、排気管13の後部には、排気管13を介して尿素浄化装置14に尿素水を噴射する弁である噴射装置17が接続され、噴射装置17には、可撓性の接続管を介して尿素水を圧送するポンプである供給装置(図示省略)が接続され、供給装置には可撓性の接続管を介して尿素水を貯留する尿素水タンク(図示省略)が接続されている。
【0041】
排気管15は、尿素浄化装置14の排気口から上側に向かって延在してグレンタンク7の左壁7Aに形成された切欠き部Sの上側傾斜壁32の近傍に至った後、左側に向かって略90度屈曲して揚穀装置9の前側を左側に向かって延在した後、後側に向かって略90度屈曲して揚穀装置9の左側を通って後側に向かって延在している。これにより、支軸61を中心として扱胴カバー60を容易に回動させることができる。また、排気管15は、揚穀装置9の前部に設けられたステー(図示省略)を介して揚穀装置9に着脱自在に固定されている。これにより、排気管15を所定の姿勢で容易に維持すことができる。
【0042】
排気浄化装置12と尿素浄化装置14は、取付プレート16を介して浄化装置フレーム20に固定されている。なお、正面視において、排気浄化装置12は、取付プレート16の左部に固定され、尿素浄化装置14は、取付プレート16の右部に固定されている。
【0043】
図6,7に示すように、浄化装置フレーム20は、左右方向に向かって延在する第1左右フレーム21と、第1左右フレーム21の後側に設けられた左右方向に向かって延在する第2左右フレーム22と、第2左右フレーム22の後側に設けられた左右方向に向かって延在する第3左右フレーム23と、前後方向に向かって延在する第1前後フレーム24と、第1前後フレーム24の右側に設けられた前後方向に向かって延在する第2前後フレーム25から形成されている。また、第1左右フレーム21の右部の後面と第2前後フレーム25の前部の左面はプレート21Bで連結され、第2左右フレーム22の中間部の前面と第2前後フレーム25の後部の左面はプレート22Aで連結されている。なお、本明細書では、第1左右フレーム21と、第2左右フレーム22と、第3左右フレーム23を総称して左右フレームAと言い、第1前後フレーム24と、第2前後フレーム25を総称して前後フレームBと言う。
【0044】
第1左右フレーム21の左部の後面と、第2左右フレーム22の左部の左面と、第3左右フレーム23の左部の左面は、それぞれ第1前後フレーム24に連結されている。第1左右フレーム21の右部の後面と、第2左右フレーム22の中間部の前面は、それぞれ第2前後フレーム25に連結されている。また、第1左右フレーム21の下面と、第2左右フレーム22の下面と、第3左右フレーム23の下面と、第1前後フレーム24の下面と、第2前後フレーム25の下面は、上下方向において同一位置に設けられている。これにより、エンジンルーム6に設けられた浄化装置フレーム20の下方への出張りを小さくして、エンジンルーム6に大きな空間を形成することができる。
【0045】
第2左右フレーム22の左部の後面と、第3左右フレーム23の左部の前面は、前後方向に向かって延在する第1補強フレーム26に連結され、第2左右フレーム22の右部の後面と、第3左右フレーム23の右部の前面は、前後方向に向かって延在する第2補強フレーム27に連結されている。また、第2左右フレーム22の下面と、第3左右フレーム23の下面と、第1補強フレーム26の下面と、第2補強フレーム27の下面は、上下方向において同一位置に設けられている。これにより、浄化装置フレーム20の変形を防止して、エンジンルーム6に設けられた浄化装置フレーム20の下方への出張りをより小さくして、エンジンルーム6により大きな空間を形成することができる。
【0046】
第1補強フレーム26の上面と第2補強フレーム27の上面には、取付プレート16の固定時に使用する開口部が形成されている。また、第2前後フレーム25の延長線上に位置する第2左右フレーム22の後面と第3左右フレーム23の前面は、前後方向に向かって延在する第3補強フレーム28に連結されている。これにより、浄化装置フレーム20の変形をさらに防止することができる。
【0047】
第1左右フレーム21の前面には、浄化装置フレーム20を操縦席フレーム50の上面に連結する左右一対の前側ステー21Aが設けられている。第1前後フレーム24の後部の左面には、浄化装置フレーム20を脱穀装置フレーム60の上面に連結する左側ステー24Aが設けられている。これにより、操縦席フレーム50と脱穀装置フレーム60に、浄化装置フレーム20を強固に連結して固定することができる。
【0048】
第1左右フレーム21の下面における第2前後フレーム25の近傍部位は、上下方向に向かって延在する第1連結部材55を介して機体フレーム1に連結され、第3左右フレーム23の下面における第3補強フレーム28の近傍部位は、左下り傾斜に設けられた第2連結部材56を介して脱穀装置4の右壁4Bに連結され、左側ステー24Aの下面における前後方向の中間部は、上下方向に向かって延在する第3連結部材57を介して機体フレーム1に連結されている。これにより、操縦席フレーム50と脱穀装置フレーム60に、浄化装置フレーム20をさらに強固に連結でき、浄化装置フレーム20の変形をより防止することができる。
【0049】
尿素浄化装置14に対向するグレンタンク7の左壁7Aには、前側と左側に開口部を有する切欠き部Sが形成されている。これにより、排気浄化装置12と尿素浄化装置14を左右方向に並設して脱穀装置4とグレンタンク7の間に設けることができる。
【0050】
グレンタンク7の左壁7Aにおける揚穀装置9よりも前側に位置する前部には、正面視において、上側垂直壁31と、上側垂直壁31の下端部から右側に向かって下り傾斜する上側傾斜壁32と、上側傾斜壁32の下端部から下側に向かって延在する中間垂直壁(請求項における「垂直壁」)33と、中間垂直壁33の下端部から左側に向かって下り傾斜する下側傾斜壁34と、下側傾斜壁34の下端部から下側に向かって延在する下側垂直壁35で形成されている。なお、切欠き部Sは、上側傾斜壁32と、中間垂直壁33と、下側傾斜壁34で区画された空間を言う。
【0051】
上側傾斜壁32は、水平面に対して右側に向かって略45度の下り傾斜角度に形成され、中間垂直壁33は、排出筒8に穀粒を搬送する前後方向に延在する搬送螺旋の上側に形成され、下側傾斜壁34は、水平面に対して左側に向かって略30度の下り傾斜角度に形成されている。これにより、揚穀装置9によってグレンタンク7に搬送された穀粒を効率良く搬送螺旋に漏下させることができる。
【0052】
グレンタンク7は、グレンタンク7の後側に設けられた支軸を中心として、グレンタンク7の前部を機体フレーム1の右側に移動させた開放状態と、グレンタンク7の前部を機体フレーム1の上側に移動させた収納状態に回動することができる。これにより、排気浄化装置12のフィルター交換作業等を容易に行うことができる。
【0053】
収納状態のグレンタンク7は、ロック装置70を介して、浄化装置フレーム20における右側前部に設けられた前後方向に延在するピン29に係合されている。これにより、収穫作業時にグレンタンク7が開放状態に移動するのを防止することができる。
【0054】
ロック装置70は、グレンタンク7の中間垂直部33の前部に設けられた支持部材75の前側に設けられた操作レバー71と、支持部材75の後側に設けられたフック部材72と、操作レバー71の左部とフック部材72の右部を連結する前後方向に延在する丸棒状の連結部材73から構成されている。
【0055】
操作レバー71の右部は、グレンタンク7の前壁7Cの前側に延在し、連結部材73は、支持部材75に設けられた前後方向に延在するパイプ76に回転自在に内嵌され、フック部材72の左端部は、二又形状に形成されている。これにより、操縦部5とグレンタンク7の間に形成された空間から操作レバー71を操作して、グレンタンク7をロック装置70を介して浄化装置フレーム20に容易に係合することができる。また、浄化装置フレーム20は、機体フレーム1と脱穀装置4に連結されているので、フック部材72とピン29の係合外れを防止することができる。
【0056】
図8〜10に示すように、操縦部5のキャビン40の後壁の右部には、エンジンに供給される空気内の不純物を除去するプレクリーナ41が設けられ、キャビン40の後壁の幅方向の中央部には、キャビン40内に設けられた空調設備で暖められた冷却媒体を冷却するコンデンサの周辺の空気を後方に排気する冷却ファン42が設けられている。
【0057】
平面視において、駆動時に表面温度が略550℃に上昇する排気浄化装置12は、冷却ファン42よりも左側に設けられ、駆動時に表面温度が略350℃に上昇する尿素浄化装置14は、冷却ファン42の後側に設けられ、尿素浄化装置14の右部は、冷却ファン42における右側外周部のよりも左側に設けられている。また、背面視において、排気浄化装置12は、冷却ファン42よりも左側に設けられ、尿素浄化装置14は、冷却ファン42の後側に設けられ、尿素浄化装置14の上部は、冷却ファン42における下側外周部よりも上側に設けられている。これにより、冷却ファン42から排風された空気が、尿素浄化装置14の右上部に接触し尿素浄化装置14が過度に高温になることを防止して窒素酸化物を効率良く浄化することができる。一方、冷却ファン42から排風された空気は、排気浄化装置12に直接的には接触しないので、排気浄化装置12は冷却されることなく排気ガス中の不純物を効率良く浄化することができる。
【0058】
排気浄化装置12と尿素浄化装置14の上側には、カバー45が設けられている。平面視において、排気浄化装置12は、カバー45の下側に設けられ、尿素浄化装置14は、カバー45よりも右側に偏移した位置に設けられ、尿素浄化装置14の左部がカバー45の右端部よりも左側に設けられている。これにより、排藁等の粉塵が排気浄化装置12に接触するのを防止することができる。
【0059】
背面視において、カバー45は、略山形形状に形成され、カバー45の左部45Bは、左側に向かって緩やかな下り傾斜に形成され、カバー45の右部45Cは、右側に向かって左部よりも急勾配な下り傾斜に形成されている。これにより、粉塵が、カバー45上に堆積するのを防止することができる。なお、カバー45の右部45Cから尿素浄化装置14に落下した粉塵は、冷却ファン42から排風された空気で吹き飛ばされて除去される。
【0060】
左側面視において、カバー45の前部45Aは、前側に向かって急勾配な下り傾斜に形成され、カバー45の前端部は、冷却ファン42の上下方向の中心部に臨んでいる。これにより、冷却ファン42から排風された空気の一部をカバー45の上側に導くことができ、粉塵が、カバー45上に堆積するのを効率良く防止することができ、また、カバー45が過度に高温になるのを防止することができる。
【0061】
冷却ファン42の下側に設けられた左右方向に延在する支軸には、後側に向かって延在する板状の送風ガイド46が設けられている。送風ガイド46の後端部は、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の温度に応じて上下方向に移動するように構成されている。これにより、排気浄化装置12や尿素浄化装置14の温度に応じて、冷却ファン42から排風された適正量の空気を排気浄化装置12と尿素浄化装置14に向けて送風することができ、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の温度管理を効率良く行うことができる。
【0062】
図11に示すように、エンジンルーム6のラジエータカバー47の外側である右面に、パンチングメタルやネット等から形成された濾過体48を着脱自在に装着している。これにより、ラジエータカバー47から藁屑等の粉塵が付着した濾過体48を取外して容易に清掃することができる。
【0063】
濾過体48は、ラジエータカバー47にボルト等の締結手段や、マグネット等の磁気手段によって着脱自在に装着することができ、また、濾過体48の四隅には、着脱時に使用する取っ手48Aを設けるのが好ましい。なお、
図11では、上下方向の中間に位置する濾過体48の装着方法を便宜的に図示しているが、上側に位置する濾過体48、下側に位置する濾過体48も同様である。
【0064】
図5に示すように、機体フレーム1は、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する4本の前後フレーム67A〜67Dが並設されている。また、前後フレーム67A〜67Dの後端部は、左右方向に延在する左右フレーム68で連結されている。より具体的には、左右フレーム68の左端部は、前後フレーム67Aの右面に固定され、左右フレーム68の右端部は、前後フレーム67Dの左面に固定され、左右フレーム68における下面の左側部は、前後フレーム67Bの上面に固定され、左右フレーム68における下面の右側部は、前後フレーム67Cの上面に固定されている。
【0065】
図12に示すように、脱穀装置4の後側の下部には、燃料タンク65が設けられている。平面視において、燃料タンク65は、左右方向に長辺を設けた略長方形形状に形成され、燃料タンク65における前後フレーム67Bよりも左側の下壁には、下側に向いて膨張する膨張部65Aが形成されている。また、膨張部65Aには、左右方向に所定の間隔を隔てて、左側から順に、エンジンから燃料タンク65に未使用の燃料を返油するホースを接続する給油口66Aと、燃料タンク65から古くなった燃料を排出するドレン口66Bと、燃料タンク65からエンジンに燃料を供給するホースを接続する排油口66Cが設けられている。これにより、燃料タンク65に多量の燃料を貯留することができ、また、燃料が少なくなった場合でも燃料タンク65からエンジンに確実に燃料を供給することができる。
【0066】
未使用の燃料を返油するホースや燃料を供給するホースは、排出筒8の排出螺旋にエンジンの回転を伝動するオーガ伝動軸の下側に設けるのが好ましい。これにより、メンテナンス時に、作業者がホースを誤って踏むのを防止することができる。
【0067】
未使用の燃料を返油するホースや燃料を供給するホースは、浄化装置の噴射装置17と供給装置を接続する接続管や供給装置と尿素水タンクを接続する接続管から所定の間隔を隔てて設けるのが好ましい。これにより、ホースが加熱されるのを防止し、ホース内を流れる燃料の温度上昇を防止して、エンジンの燃焼効率を高く維持することができる。
【0068】
グレンタンク7の下部と排出筒8の下部を連結する連結部の下側には、受け箱を設けるのが好ましい。これにより、グレンタンク7を収納状態から開放状態に回動する場合に、連結部から外部に漏下する穀粒を回収することができる。
【0069】
操縦部5における右側の前部に設けられた刈取前処理装置3を上下方向に移動させるパワステレバーが故障した場合には、排他制御を停止するのが好ましい。これにより、主変速レバーに設けられた昇降スイッチによって刈取前処理装置3を上下方向に移動させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 機体フレーム
3 刈取前処理装置
4 脱穀装置
4B 右壁
5 操縦部
6 エンジンルーム
7 グレンタンク
7A 左壁
7C 前壁
12 排気浄化装置
14 尿素浄化装置
20 浄化装置フレーム
21 第1左右フレーム
22 第2左右フレーム
23 第3左右フレーム
24 第1前後フレーム
25 第2前後フレーム
26 第1補強フレーム
27 第2補強フレーム
29 ピン
32 上側傾斜壁
33 中間垂直壁(垂直壁)
34 下側傾斜壁
35 下側垂直壁
40 キャビン
42 冷却ファン
45 カバー
45A 前部
45B 左部
45C 右部
46 送風ガイド
50 操縦席フレーム
55 第1連結部材
56 第2連結部材
63 脱穀装置フレーム
70 ロック装置
72 フック部材
A 左右フレーム
B 前後フレーム
S 切欠き部