(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、指導員が担当する農家全ての現状を考慮して優先度を設定したり、多くの圃場や区画を管理する管理者が全区画の現状を考慮して優先度を設定したりすることは複数の判断基準を組み合わせて判断しなければならないために簡単ではない。例えば、作物の成長度合いが遅れているというのは一つの判断基準であるが、施肥などの作業をした上で成長が遅れているのか、作業をしていないために遅れているのかということも判断基準となる。加えて、その年の気象条件によって全体的に成長が遅れている場合には成長度合い以外の判断基準を優先することもありうる。
【0006】
このように、優先度の設定においては、複数の判断基準を組み合わせて判断を行なう必要があるが、それぞれの判断基準をどれくらい重視して判断しているかは、指導員及び管理者にとって必ずしも明確ではない。そのために、指導員又は管理者が本来ならば指導および管理すべき対象を見逃してしまう、という問題が発生する。
【0007】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、農作業において指導を行なう者が重視すべき判断基準を推定して、優先的に指導すべき対象の見逃し及び見落としを抑制し得る、優先度設定装置、優先度設定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における優先度設定装置は、農作業を行なう作業者に対して指導を行なう際の優先度を設定するための装置であって、
指導対象となる単位毎に、農作業の成果に関するデータを取得する、データ取得部と、
前記単位毎に、取得された前記データを予め設定されたルールに当てはめて、前記優先度を設定する、優先度設定部と、
前記優先度に対して変更が行なわれた場合に、変更後の優先度に合わせて、前記ルールを補正する、補正処理部と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における優先度設定方法は、農作業を行なう作業者に対して指導を行なう際の優先度を設定するための方法であって、
(a)指導対象となる単位毎に、農作業の成果に関するデータを取得する、ステップと、
(b)前記単位毎に、取得された前記データを予め設定されたルールに当てはめて、前記優先度を設定する、ステップと、
(c)前記優先度に対して変更が行なわれた場合に、変更後の優先度に合わせて、前記ルールを補正する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0010】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、農作業を行なう作業者に対して指導を行なう際の優先度を設定するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)指導対象となる単位毎に、農作業の成果に関するデータを取得する、ステップと、
(b)前記単位毎に、取得された前記データを予め設定されたルールに当てはめて、前記優先度を設定する、ステップと、
(c)前記優先度に対して変更が行なわれた場合に、変更後の優先度に合わせて、前記ルールを補正する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、農作業において指導を行なう者が重視すべき判断基準を推定して、優先的に指導すべき対象の見逃し及び見落としを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、優先度設定装置、優先度設定方法、及びプログラムについて、
図1〜
図5を参照しながら説明する。
【0014】
[装置構成]
最初に、本発明の実施の形態1における優先度設定装置の概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における優先度設定装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す本実施の形態1における優先度設定装置10は、農作業を行なう作業者に対して指導を行なう際の優先度を設定するための装置である。
図1に示すように、優先度設定装置10は、データ取得部11と、優先度設定部12と、補正処理部13とを備えている。
【0016】
このうち、データ取得部11は、指導対象となる単位毎に、農作業の成果に関するデータ(以下「成果データ」と表記する。)を取得する。指導対象となる単位としては、農作業を行なう作業者、圃場、圃場に設定された区間等が挙げられる。また、農作業を行なう作業者としては、農家自身、農業法人の従業員等が挙げられる。
【0017】
優先度設定部12は、指導対象となる単位毎に、取得されたデータを予め設定されたルールに当てはめて、優先度を設定する。また、補正処理部13は、優先度に対して変更が行なわれた場合、例えば、指導を行なう者が、実際の状況等に応じて、設定された優先度を変更した場合に、変更後の優先度に合わせて、ルールを補正する。
【0018】
このように、本実施の形態1では、設定されたルールに基づいて、作業者等毎に、指導の際の優先度が設定されるが、この優先度が変更されると、次の優先度の設定において、変更後の優先度が反映されるようにルールが補正される。つまり、様々な状況に応じて、指導を行なう者が、設定されたルールから外れた判断基準に基づいて、ある作業者の優先度を高めた場合は、この判断基準が重視すべきであると推定され、この推定に沿ってルールが補正される。このように、本実施の形態1によれば、農作業において指導を行なう者が重視すべき判断基準が推定されるので、優先的に指導すべき対象の見逃し及び見落としが抑制されることになる。
【0019】
続いて、
図2を用いて、本実施の形態1における優先度設定装置10の構成について更に具体的に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における優先度設定装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0020】
また、
図2の例では、農作業を行なう作業者は「農家」であり、指導を行なう者は「指導員」であるとするが、本実施の形態1において、作業者及び指導を行なう者は、特に限定されない。作業員は、農業法人における従業員であっても良く、この場合、指導を行なう者は、農業法人の管理者となる。
【0021】
図2に示すように、本実施の形態1において、優先度設定装置10は、インターネット等のネットワーク(
図2において図示せず)を介して、農家の端末装置20と指導員の端末装置30とに接続されている。なお、
図2の例では、1つの農家の端末装置20のみが図示されているが、実際は、指導を受ける農家の数が複数であるため、それに対応して端末装置20の数も複数である。
【0022】
そして、この態様により、本実施の形態1では、データ取得部11によるデータの取得は、農家の端末装置20を対象に行なわれる。また、優先度設定部12によって設定された優先度は、指導員の端末装置30に送信される。更に、優先度の変更は、指導員によって端末装置30を介して行なわれる。
【0023】
データ取得部11は、本実施の形態1では、各農家の端末装置20から送信された成果データを取得する。また、各端末装置20から送信されてくる成果データの例としては、予め設定された目標値とのズレ、予め算出された平均値とのズレ、異常状態の発生の有無を表す値、及び成果に影響を与える指標(降水量、日照時間等)の予想値とのズレが、挙げられる。データ取得部11は、これらのデータのうちの少なくとも1つを、成果データとして取得する。
【0024】
上述したデータのうち、予め設定された目標値とのズレの具体例としては、農家で収穫された果実の糖度、酸度、大きさといった項目毎の目標値からのズレが挙げられる。目標値は、農家自身、農協、又は集荷場等によって予め設定される。また、予め算出された平均値とのズレの具体例としては、農家で収穫された果実の糖度、酸度、大きさといった項目毎の平均値からのズレが挙げられる。平均値は、例えば、農協、集荷場等で過去の実績に基づいて予め算出される。更に、成果に影響を与える指標の予想値とのズレの具体例としては、降水量、日照時間、気温、湿度といった指標毎の実際の値の予測値からのズレが挙げられる。また、本実施の形態1では、「ズレ」は、ズレは、0〜1の範囲で正規化した値で表現される。
【0025】
また、上述したデータのうち、異常状態の発生の有無を表す値の具体例としては、特定の項目について、Yesである場合を「1」、Noである場合を「0」とした場合の、1又は0の値が挙げられる。特定の項目の具体例としては、「成績が下がっている、下がり傾向である」、「昨年より下がっている」、「やるべき作業をやっている(作業時間が多い)はずなのに上がっていない」、「やるべき作業をやっていない」、「他の人より作業が遅れている」、「指導したが改善してない」、「これまでにあまり指導を受けていない」、「急に上がりすぎ」、「他より作業が少ないのに成績がよい」等が挙げられる。
【0026】
また、本実施の形態1では、優先度設定装置10は、農産物の糖度及び酸度を測定する測定装置とネットワークを介して接続されていても良い。この場合、データ取得部11は、測定装置から送信されてきた農産物のデータから、目標値とのズレ、及び平均値とのズレを算出することができる。
【0027】
優先度設定部12は、本実施の形態では、ルールとして、データ取得部11によって取得された値とそれに対応する重み係数とから優先度Eを算出する式を用い、単位毎に、優先度を算出する。また、本実施の形態1では、ルールは、優先度設定装置10が備えるルール記憶部14に格納されている。
【0028】
優先度Eの算出式の具体例としては、下記の数1〜数5が挙げられる。また、下記の数1〜数5は、下記の数6に置き換えることができる。下記の数1〜数6において、Xaiは項目毎の目標値とのズレ(0≦Xai≦1)を示し、Xbiは項目毎の平均値とのズレ(0≦Xbi≦1)を示している。また、Xciは、項目毎の異常状態の有無を表す値(0又は1)を示し、Xdiは、指標毎の予測値とのズレ(0≦Xdi≦1)を示している。また、Wai、Wbi、Wci、Wdiは、各成果データの項目毎の重み係数を示している。更に、W1〜W4は成果データ毎の重み係数を示している。なお、W0は、切片である。また、全ての重み係数の初期値は「1」に設定されている。
【0035】
そして、上記の数1〜数5(数6)に示した算出式がルールとして用いられる場合、補正処理部13は、優先度に対して変更が行なわれた場合に、変更後の優先度に合わせて、重み係数Wai、Wbi、Wci、Wdi、W0、W1、W2、W3、及びW4のいずれか又は全部を補正する。具体的には、補正処理部13は、上記数1〜数5(数6)、変更前の優先度、及び変更後の優先度を用いた、最小二乗法によって、重み係数を補正する。
【0036】
ここで、補正処理部13による処理の具体例を、
図3を用いて説明する。
図3は、設定された優先度の初期状態と変更後の状態との一例を示す図であり、
図3(a)は初期状態を示し、
図3(b)は変更後の状態を示している。なお、下記では、説明を分かり易くするため、W1〜W4を補正する場合についてのみ説明する。
【0037】
図3(a)に示すように、まず、初期状態では、W0=0、W1=W2=W3=W4=1に設定されているとすると、この場合の各農家(ID: 0001〜0005)の優先度が、
図3(a)に示すように算出される。そして、この状態で、指導員がID=0003の農家を指導すべきと判断したとする。この場合、例えば、
図3(b)に示すように、ID=0003の農家の優先度に1.0をプラスし、残りの農家の優先度から0.1をマイナスする。優先度をプラスマイナスする値は一例である。この場合、補正処理部13は、下記の数7を用いて、Yの値が最小値となるように、W0、W1、W2、W3、及びW4を算出する。
【0039】
そして、補正処理部13は、算出したW0、W1、W2、W3、及びW4を、上記数1(数6)に代入し、得られた数1(数6)を補正後のルールとする。具体的には、補正処理部13は、算出したW0、W1、W2、W3、及びW4を用いて、ルール記憶部14に格納されている式を更新する。
【0040】
なお、
図3の例では、初期の状態では、W0の値は「0」、W1〜W4それぞれの値は「1」に設定されているが、本実施の形態1は、この例に限定されるものではない。
【0041】
[装置動作]
続いて、本発明の実施の形態1における優先度設定装置10の動作について
図4及び
図5を用いて説明する。以下の説明においては、適宜
図1〜
図3を参酌する。また、本実施の形態1では、優先度設定装置10を動作させることによって、優先度設定方法が実施される。よって、本実施の形態1における優先度設定方法の説明は、以下の優先度設定装置10の動作説明に代える。
【0042】
先ず、
図4を用いて優先度設定処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における優先度設定装置の優先度設定処理時の動作を示すフロー図である。
【0043】
図4に示すように、最初に、データ取得部11は、各農家の端末装置20から成果データを取得する(ステップA1)。具体的には、各農家は、端末装置20を介して、成果データを定期的に送信しているので、データ取得部11は、送信されてきた成果データを受信する。また、データ取得部11は、取得した成果データを優先度設定部12に受け渡す。
【0044】
次に、優先度設定部12は、ルール記憶部14から、ルールを抽出し、抽出したルールに、受け渡された成果データを適用して、農家毎に、優先度を設定する(ステップA2)。具体的には、優先度設定部12は、農家毎に、成果データを上記数1〜数5(数6)に代入し、優先度Eを算出する。
【0045】
その後、優先度設定部12は、ステップA2で設定した優先度を、指導員の端末装置30に送信する(ステップA3)。これにより、指導員は、自身が受け持つ各農家の優先度を知ることになる。
【0046】
次いで、
図5を用いてルールの補正処理について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における優先度設定装置のルール補正処理時の動作を示すフロー図である。
【0047】
図5に示すように、最初に、補正処理部13は、優先度について変更が行なわれているかどうかを判定する(ステップB1)。具体的には、補正処理部13は、指導員が、端末装置30を介して、優先度の変更を通知しているかどうかを判定する。
【0048】
ステップB1の判定の結果、優先度について変更が行なわれていない場合は、補正処理部13は待機状態となる。一方、ステップB1の判定の結果、優先度について変更が行なわれている場合は、補正処理部13は、ルール記憶部14から、格納されているルールを抽出する(ステップB2)。
【0049】
次に、補正処理部13は、変更後の優先度に基づいて、ルールの重み係数を算出し直す(ステップB3)。具体的には、補正処理部13は、上記数7に、変更後の優先度を代入して、上記数7におけるYを最小とする重み係数を算出する。
【0050】
その後、補正処理部13は、ステップB3で算出した重み係数を用いて、ルール記憶部14に格納されているルールを更新する(ステップB4)。従って、ステップB4の後に、
図4に示したステップA2が実行される場合は、更新されたルールを用いて優先度が算出されることになる。
【0051】
以上のように、本実施の形態1によれば、指導員又は管理者等が、状況に応じて、設定されたルールから外れた判断基準に基づいて、特定の農家の優先度を上げた場合は、この判断基準が重視されるようにルールが更新される。つまり、ルールは、更新によって、そのときに重視すべき判断基準が考慮されたものとなる。よって、次の優先度の設定の際には、更新されたルールが用いられるので、優先的に指導すべき対象を見逃したり、見落としたり、といった事態が回避されることになる。
【0052】
[プログラム]
本実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、
図4に示すステップA1〜A3、
図5に示すステップB1〜B4を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における優先度設定装置10と優先度設定方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、データ取得部11、優先度設定部12、及び補正処理部13として機能し、処理を行なう。
【0053】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における、優先度設定装置、優先度設定方法、及びプログラムについて、
図6及び
図7について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
[装置構成]
最初に、本発明の実施の形態2における優先度設定装置の構成について
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2における優先度設定装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0055】
図6に示すように、本実施の形態2における優先度設定装置40は、データ取得部41と、優先度設定部42と、補正処理部43と、ルール記憶部44と、活動データ取得部45と、活動データ記憶部46とを備えている。
【0056】
これらのうち、優先度設定部42、補正処理部43、及びルール記憶部44は、それぞれ、
図2に示した優先度設定部12、補正処理部13、及びルール記憶部14と同様に構成され、同様の機能を備えているので、これらについての説明は省略する。以下、実施の形態1と相違点を中心に説明する。
【0057】
まず、本実施の形態2においては、各農家は、端末装置20を介して、優先度設定装置40に対して、自身の活動データを送信する。活動データには、例えば、目標値、作業記録(作業の実行日時、実行場所、作業の名称等)、農産物の測定データ(糖度、酸度、大きさ、収穫量等)、指導記録等が含まれている。
【0058】
活動データ取得部45は、端末装置20から送信されてきた活動データを取得し、これを活動データ記憶部46に記憶させる。また、データ取得部41は、実施の形態1におけるデータ取得部11と異なり、活動データ記憶部46に記憶されている活動データから、成果データを取得する。なお、本実施の形態2においても、成果データとしては、予め設定された目標値とのズレ、予め算出された平均値とのズレ、異常状態の発生の有無を表す値、及び成果に影響を与える指標の予想値とのズレが、挙げられる。
【0059】
具体的には、データ取得部41は、活動データに含まれる目標値と測定データとから、目標値とのズレを算出する。また、データ取得部41は、各農家の活動データに含まれる測定データから、平均値を算出し、算出した平均値と測定データとから平均値とのズレを算出する。更に、データ取得部41は、作業記録と指導記録とを照合して、特定の項目についてのYes又はNoを判定し、その判定結果から、異常状態の発生の有無を表す値を取得する。
【0060】
また、データ取得部41は、圃場又は栽培用のハウス等に設置されたセンサーが出力したデータから、降水量、日照時間等のデータを取得することができる。この場合、データ取得部41は、取得したデータと過去に蓄積されたデータとを比較することによって、成果に影響を与える指標の予想値とのズレを算出する。
【0061】
また、本実施の形態2においても、優先度設定装置40は、農産物の糖度及び酸度を測定する測定装置とネットワークを介して接続されていても良い。この場合、データ取得部41は、測定装置から送信されてきた農産物のデータから、目標値とのズレ、及び平均値とのズレを算出することができる。
【0062】
なお、本実施の形態2においても、農作業を行なう作業者が「農家」であり、指導を行なう者が「指導員」である場合について説明しているが、実施の形態1と同様に、作業者及び指導を行なう者は、特に限定されない。本実施の形態2においても、作業員は、農業法人における従業員であっても良く、この場合、指導を行なう者は、農業法人の管理者となる。
【0063】
[装置動作]
続いて、本発明の実施の形態2における優先度設定装置40の動作について
図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における優先度設定装置の優先度設定処理時の動作を示すフロー図である。なお、ルールの補正処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
また、以下の説明においては、適宜
図6を参酌する。更に、本実施の形態2では、優先度設定装置40を動作させることによって、優先度設定方法が実施される。よって、本実施の形態2における優先度設定方法の説明は、以下の優先度設定装置40の動作説明に代える。
【0065】
図7に示すように、最初に、データ取得部11は、活動データ記憶部46から、各農家の活動データを取得し、取得した活動データから、成果データを取得する(ステップA11)。また、成果データとして、成果に影響を与える指標の予想値とのズレが必要となる場合は、データ取得部41は、外部のデータベースにアクセスして必要なデータを取得する。更に、データ取得部41は、取得した成果データを優先度設定部42に受け渡す。
【0066】
次に、優先度設定部42は、ルール記憶部44から、ルールを抽出し、抽出したルールに、受け渡された成果データを適用して、農家毎に、優先度を設定する(ステップA12)。
【0067】
その後、優先度設定部42は、ステップA12で設定した優先度を、指導員の端末装置30に送信する(ステップA13)。これにより、指導員は、自身が受け持つ各農家の優先度を知ることになる。なお、ステップA12及びA13は、それぞれ、
図4に示したステップA2及びA3と同様のステップである。
【0068】
以上のように、本実施の形態2によれば、各農家は、活動データを送信するだけで良く、成果データを自ら作成して送信する必要がない。このため、農家による成果データの送信が滞っている事態を回避でき、優先度設定装置においては、確実に成果データを取得できるので、実施の形態1に比べてより正確な優先度を設定できる。
【0069】
[プログラム]
本実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータに、
図7に示すステップA11〜A13、
図5に示すステップB1〜B4を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態2における優先度設定装置40と優先度設定方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、データ取得部41、優先度設定部42、補正処理部43、及び活動データ取得部45として機能し、処理を行なう。
【0070】
(物理構成)
ここで、実施の形態1及び2におけるプログラムを実行することによって、優先度設定装置を実現するコンピュータについて
図8を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態1及び2における優先度設定装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0071】
図8に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0072】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0073】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0074】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0075】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。