特許第6516287号(P6516287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6516287
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190513BHJP
【FI】
   H02J7/00 X
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-60577(P2015-60577)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-181979(P2016-181979A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】溝口 康成
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 浩仁
(72)【発明者】
【氏名】関口 邦久
(72)【発明者】
【氏名】土屋 勝毅
(72)【発明者】
【氏名】ケビン フォスター
【審査官】 赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/122127(WO,A1)
【文献】 特開2005−143240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を充電する充電回路と、
前記二次電池の満充電に対する充電状態を検出する充電状態検出回路と、
前記二次電池の満充電に対する充電状態を表示する表示装置と、
前記二次電池の満充電に対する充電状態に基づいて前記充電回路及び前記表示装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記二次電池の満充電に対する充電状態に応じて、前記二次電池で使用可能な電子機器の種類を判定し、その使用可能な電子機器の種類を前記表示装置に表示する、充電器。
【請求項2】
請求項1に記載の充電器において、前記表示装置は、前記使用可能な電子機器の種類をピクトグラムで表示する、充電器。
【請求項3】
請求項2に記載の充電器において、前記表示装置は、前記ピクトグラムの形状を有する光透過部と、前記光透過部を内側から照光する照光部とを含む、充電器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電器において、前記表示装置は、映像表示画面を含む、充電器。
【請求項5】
請求項4に記載の充電器において、前記表示装置は、前記二次電池の充電状態を満充電に対する割合で示すレベルメータを前記映像表示画面に表示する、充電器。
【請求項6】
請求項5に記載の充電器において、前記表示装置は、前記使用可能な電子機器の種類を前記レベルメータの表示に重ねて前記映像表示画面に表示する、充電器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の充電器において、前記制御装置は、前記使用可能な電子機器の種類を前記二次電池の充電積算量から判定する、充電器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の充電器において、前記充電回路は、複数の二次電池に同時に充電可能であり、
前記充電状態検出回路は、前記複数の二次電池の満充電に対する充電状態を検出可能であり、
前記制御装置は、前記複数の二次電池の満充電に対する充電状態に応じて、前記複数の二次電池で使用可能な電子機器の種類を判定し、その使用可能な電子機器の種類を前記表示装置に表示する、充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、充電することで繰り返し使用することが可能であり、様々な電子機器で広く利用されている。そして二次電池を充電する機器として、例えば家庭用の商用交流電源を電源として動作する充電器が広く利用されている。つまり二次電池は、自宅等で充電器を用いて、いつでも手軽に充電することができる点で多大な利便性を有している。
【0003】
ところで充電器で二次電池を充電している間は、その二次電池を使用することはできないため、ユーザは、所望の電子機器を使用できないことになる。そして一般に二次電池の充電は、ほぼ使い切った状態から満充電まで充電するのに長い時間を要する場合が多い。他方、二次電池は、満充電まで充電されていない状態(例えば50%程度充電された状態)でも、電子機器の種類によっては、ある程度の時間は使用できる場合も少なくない。また充電中の二次電池が満充電まで至っていない状況において、満充電まで充電されていなくても良いから今すぐに二次電池を使用したいとユーザが望むような場面は少なくないと考えられる。
【0004】
しかし二次電池は、一般に外観から充電状態(state of charge)を知ることは出来ない。また従来の充電器は、一般的に満充電まで充電されて充電が完了したことを表示する機能はあっても、充電中の二次電池の充電状態を表示する機能は備えていない。そのため従来の充電器は、満充電まで充電されていなくても良いから今すぐに二次電池を使用したい、というユーザのニーズに対して適切に応えることが難しいという課題がある。
【0005】
このような課題を解決することを目的とした従来技術の一例として、充電中の二次電池の充電状態を残余容量として検出する回路と,該検出状態を表示する表示装置とを備えた充電装置が公知である(例えば特許文献1を参照)。当該従来技術において充電中の二次電池の残余容量は、複数のLED表示灯による段階的表示、あるいは液晶表示器によって表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−152006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来技術は、二次電池の充電状態がそのまま表示されるだけであり、ユーザにとっては、その充電状態において使用可能な電子機器の種類が何なのかが判然としない。つまり上記の従来技術は、満充電には至っていない充電中の二次電池が、その時点で、一体どのような種類の電子機器に使用できるのかがユーザには分かりにくく、ユーザビリティ(usability)の点で依然として課題がある。
【0008】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、優れたユーザビリティを有する充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、二次電池を充電する充電回路と、前記二次電池の満充電に対する充電状態を検出する充電状態検出回路と、前記二次電池の満充電に対する充電状態を表示する表示装置と、前記二次電池の満充電に対する充電状態に基づいて前記充電回路及び前記表示装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記二次電池の満充電に対する充電状態に応じて、前記二次電池で使用可能な電子機器の種類を判定し、その使用可能な電子機器の種類を前記表示装置に表示する、充電器である。
【0010】
このように二次電池の充電状態に応じて、その二次電池で使用可能な電子機器の種類を表示装置に表示することによって、ユーザは、その充電状態において使用可能な電子機器の種類が何なのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。つまりユーザは、満充電には至っていない充電中の二次電池が、その時点で、一体どのような種類の電子機器に使用できるのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。それによって満充電まで充電されていなくても良いから今すぐに二次電池を使用したい、というユーザのニーズを満たす優れたユーザビリティを実現することができる。
【0011】
これにより本発明の第1の態様によれば、優れたユーザビリティを有する充電器を提供できるという作用効果が得られる。
【0012】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記表示装置は、前記使用可能な電子機器の種類をピクトグラムで表示する、充電器である。
本発明の第2の態様によれば、その充電状態において使用可能な電子機器の種類をピクトグラムで表示することによって、使用可能な電子機器の種類を視覚的かつ直感的に理解することができるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
【0013】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記表示装置は、前記ピクトグラムの形状を有する光透過部と、前記光透過部を内側から照光する照光部とを含む、充電器である。
本発明の第3の態様によれば、その充電状態において使用可能な電子機器の種類のピクトグラムを簡易な構成で表示することができるので、優れたユーザビリティを有する充電器をより低コストで実現することができる。
【0014】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記表示装置は、映像表示画面を含む、充電器である。
本発明の第4の態様によれば、映像表示画面を含む表示装置を用いることによって、その充電状態において使用可能な電子機器の種類の表示、さらには他の情報の表示も含めて、その二次電池の充電状態に関する多種多様な情報の表示が可能になるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
【0015】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第4の態様において、前記表示装置は、前記二次電池の充電状態を満充電に対する割合で示すレベルメータを前記映像表示画面に表示する、充電器である。
本発明の第5の態様によれば、その充電状態において使用可能な電子機器の種類の表示に加えて、さらに二次電池の充電状態を満充電に対する割合で示すレベルメータが表示されるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
【0016】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記表示装置は、前記使用可能な電子機器の種類を前記レベルメータの表示に重ねて前記映像表示画面に表示する、充電器である。
本発明の第6の態様によれば、ユーザは、その二次電池の充電状態と使用可能な電子機器の種類とを関連付けて理解することができるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
【0017】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第1〜第6の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記使用可能な電子機器の種類を前記二次電池の充電積算量から判定する、充電器である。
本発明の第7の態様によれば、二次電池の充電状態を簡素な手順で的確に判定することができるので、その充電状態において使用可能な電子機器の種類を簡素な手順で的確に判定することができる。
【0018】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第1〜第7の態様のいずれかにおいて、前記充電回路は、複数の二次電池に同時に充電可能であり、前記充電状態検出回路は、前記複数の二次電池の満充電に対する充電状態を検出可能であり、前記制御装置は、前記複数の二次電池の満充電に対する充電状態に応じて、前記複数の二次電池で使用可能な電子機器の種類を判定し、その使用可能な電子機器の種類を前記表示装置に表示する、充電器である。
本発明の第8の態様によれば、複数の二次電池を同時に使用する電子機器において、その充電状態で使用可能な電子機器の種類を的確に判定して表示することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、優れたユーザビリティを有する充電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施例の充電器を図示した正面図。
図2】第1実施例の充電器の機能ブロックの要部を図示したブロック図。
図3】第1実施例の充電器のピクトグラム表示部を拡大図示した正面図。
図4】第1実施例のピクトグラム表示部の表示の変化を図示した正面図。
図5】第1実施例のピクトグラム表示部の表示の変化を図示した正面図。
図6】第1実施例のピクトグラム表示部の表示の変化を図示した正面図。
図7】第1実施例のピクトグラム表示部の表示の変化を図示した正面図。
図8】第2実施例の充電器を図示した正面図。
図9】第2実施例のピクトグラム表示領域の表示の変化を図示した正面図。
図10】第2実施例のピクトグラム表示領域の表示の変化を図示した正面図。
図11】第2実施例のピクトグラム表示領域の表示の変化を図示した正面図。
図12】第2実施例のピクトグラム表示領域の表示の変化を図示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0022】
<本発明の第1実施例>
本発明の第1実施例について、図1図7を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、第1実施例の充電器10を図示した正面図である。
充電器10は、電池支持部11、液晶ディスプレイ12、第1操作ボタン13、第2操作ボタン14、ピクトグラム表示部15を備えている。
【0024】
電池支持部11は、2本の二次電池B1、B2を収容可能な凹部が形成されており、その凹部に収容された2本の二次電池B1、B2を支持する。液晶ディスプレイ12は、2本の二次電池B1、B2の充電状態に関する情報をそれぞれ表示する。より具体的には液晶ディスプレイ12は、例えば2本の二次電池B1、B2のそれぞれの充電積算量の数値をデジタル文字で表示する。第1操作ボタン13は、液晶ディスプレイ12の表示において、二次電池B1の充電状態に関する情報の表示態様等を選択的に切り換えるための操作ボタンである。第2操作ボタン14は、液晶ディスプレイ12の表示において、二次電池B2の充電状態に関する情報の表示態様等を選択的に切り換えるための操作ボタンである。「表示装置」としてのピクトグラム表示部15は、二次電池B1、B2の充電状態に応じて使用可能な電子機器の種類を第1〜第3ピクトグラムP1〜P3で表示する。
【0025】
図2は、第1実施例の充電器10の機能ブロックの要部を図示したブロック図である。
充電器10は、充電回路21、充電状態検出回路22、三端子レギュレータ23、表示制御部24、制御装置25を備える。
【0026】
充電回路21は、外部から供給される直流電力(例えばDC5V)で二次電池B1、B2を充電する。より具体的には充電回路21は、スイッチング電源211、第1スイッチS1、第2スイッチS2を含む。スイッチング電源211は、外部から供給される直流電力を任意の電圧の直流電力に変換して二次電池B1、B2へ出力するDC−DCコンバータである。スイッチング電源211の出力電圧は、制御装置25によって制御される。第1スイッチS1及び第2スイッチS2は、例えばエンハンスメント型パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等のパワースイッチング素子であり、制御装置25によって制御される。第1スイッチS1は、二次電池B1の充電をON/OFFする。第2スイッチS2は、二次電池B2の充電をON/OFFする。
【0027】
充電状態検出回路22は、二次電池B1、B2の充電状態をそれぞれ検出する。より具体的には充電状態検出回路22は、2つのダイオードD1、D2、3つの抵抗R1〜R3、2つのサーミスタTH1、TH2を含む。ダイオードD1と抵抗R1は、二次電池B1の電圧を検出する電圧検出回路を構成する。ダイオードD2と抵抗R2は、二次電池B2の電圧を検出する電圧検出回路を構成する。サーミスタTH1は、二次電池B1の温度を検出する。サーミスタTH2は、二次電池B2の温度を検出する。抵抗3は、二次電池B1、B2の電流を検出するための電流検出抵抗である。
【0028】
三端子レギュレータ23は、外部から供給される直流電力を所定の電圧の直流電力(例えばDC3V)に変換して出力する。表示制御部24は、制御装置25が出力する表示制御信号に基づいて、液晶ディスプレイ12の表示及びピクトグラム表示部15の表示を制御する。制御装置25は、公知のマイコン制御装置であり、充電状態検出回路22の出力信号(二次電池B1、B2のそれぞれの電圧、電流、温度等)に基づいて二次電池B1、B2の充電状態を判定し、その二次電池B1、B2の充電状態に基づいて充電回路21及び表示制御部24を制御する。
【0029】
図3は、充電器10のピクトグラム表示部15を拡大図示した正面図である。
【0030】
制御装置25は、二次電池B1、B2の充電状態に応じて、二次電池B1、B2で使用可能な電子機器の種類を判定する。そして制御装置25は、前述したように、その使用可能な電子機器の種類をピクトグラム表示部15に表示する。より具体的にはピクトグラム表示部15は、二次電池B1、B2の充電状態に応じて、第1〜第3ピクトグラムP1〜P3を個々に表示する。第1ピクトグラムP1は、消費電力が小さい電子機器の種類の一例としてリモートコントローラの形状を簡略化したピクトグラムである。第2ピクトグラムP2は、消費電力が中程度の電子機器の種類の一例としてゲームコントローラの形状を簡略化したピクトグラムである。第3ピクトグラムP3は、消費電力が大きい電子機器の種類の一例としてデジタルカメラの形状を簡略化したピクトグラムである。
【0031】
第1実施例のピクトグラム表示部15は、第1〜第3光透過部151〜153、第1〜第3照光部154〜156を含む。第1光透過部151は、第1ピクトグラムP1(例えばリモートコントローラ)の形状を有し、内側から照光することによって第1ピクトグラムP1が点灯して表示される。第2光透過部152は、第2ピクトグラムP2(例えばゲームコントローラ)の形状を有し、内側から照光することによって第2ピクトグラムP2が点灯して表示される。第3光透過部153は、第3ピクトグラムP3(例えばデジタルカメラ)の形状を有し、内側から照光することによって第3ピクトグラムP3が点灯して表示される。第1〜第3照光部154〜156は、例えば発光ダイオード(light emitting diode:LED)等の発光素子である。第1照光部154は、第1光透過部151を内側から照光する。第2照光部155は、第2光透過部152を内側から照光する。第3照光部156は、第3光透過部153を内側から照光する。
【0032】
制御装置25は、まず充電可能な状態にある二次電池の数を特定する。充電可能な状態にある二次電池の数が1つである場合には(例えば二次電池B1、B2のいずれか1つだけが電池支持部11に支持されている状態)、その1つの二次電池(例えば二次電池B1)の充電状態に応じて、使用可能な電子機器の種類を判定する。他方、充電可能な状態にある二次電池の数が2つである場合には(例えば二次電池B1、B2の両方が電池支持部11に支持されている状態)、その2つの二次電池(例えば二次電池B1、B2)の充電状態に応じて、使用可能な電子機器の種類を判定する。
【0033】
二次電池の充電状態は、例えば二次電池の充電積算量に基づいて判定することができる。より具体的には制御装置25は、例えば二次電池B1だけが充電可能な状態にある場合、その二次電池B1の充電積算量に基づいて、使用可能な電子機器の種類を判定する。他方、制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の両方が充電可能な状態にある場合、二次電池B1、B2のそれぞれの充電積算量の平均値に基づいて、使用可能な電子機器の種類を判定する。以下、二次電池B1、B2の両方が充電可能な状態にある場合を例に説明する。
【0034】
図4図7は、充電器10のピクトグラム表示部15を拡大図示した正面図であり、二次電池B1、B2の充電状態に対するピクトグラム表示部15の表示の変化を図示したものである。
【0035】
制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が500mAH未満の場合には、第1〜第3照光部154〜156を全て消灯する。したがってピクトグラム表示部15は、第1〜第3ピクトグラムP1〜P3が全て非表示(消灯した状態)となる(図4)。
【0036】
そして制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が500mAHに到達したことを条件として、第1照光部154を点灯させる。したがってピクトグラム表示部15は、第1ピクトグラムP1だけが点灯して表示される(図5)。
【0037】
ここで消費電力が小さい電子機器の一例としてのリモートコントローラ(第1ピクトグラムP1)は、一般的に例えば満充電の二次電池B1、B2の充電積算量2000mAHで1年程度使用できる場合が多い。したがって充電積算量500mAHは、満充電時の約1/4の充電積算量であり、一般的なリモートコントローラを3ヶ月程度使用することができる充電積算量である。この3ヶ月程度という期間は、いわゆる忘却曲線理論を考慮したものである。ただしこの充電積算量500mAHという値は、あくまで一例であり任意に設定し得るのは言うまでもない。
【0038】
さらに制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が1000mAHに到達したことを条件として、第1照光部154に加えて、さらに第2照光部155を点灯させる。したがってピクトグラム表示部15は、第1ピクトグラムP1及び第2ピクトグラムP2が点灯して表示される(図6)。
【0039】
ここで消費電力が中程度の電子機器の一例としてのゲームコントローラ(第2ピクトグラムP2)は、一般的に例えば満充電の二次電池B1、B2の充電積算量2000mAHで30時間程度使用できる場合が多い。したがって充電積算量1000mAHは、満充電時の約1/2の充電積算量であり、一般的なゲームコントローラを15時間程度使用することができる充電積算量である。この15時間程度という時間は、睡眠時間を除いて丸1日はゲームコントローラを使用できるという観点で設定したものである。ただしこの充電積算量1000mAHという値は、あくまで一例であり任意に設定し得るのは言うまでもない。
【0040】
さらに制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が1500mAHに到達したことを条件として、第1照光部154及び第2照光部155に加えて、さらに第3照光部156を点灯させる。したがってピクトグラム表示部15は、第1〜第3ピクトグラムP1〜P3が全て点灯して表示される(図7)。
【0041】
ここで消費電力が大きい電子機器の一例としてのデジタルカメラ(第3ピクトグラムP3)は、一般的に例えば満充電の二次電池B1、B2の充電積算量2000mAHで300枚程度のデジタル写真の撮影が可能な場合が多い。したがって充電積算量1500mAHは、満充電時の約3/4の充電積算量であり、一般的なデジタルカメラで少なくとも200枚以上のデジタル写真を撮影することができる充電積算量である。この200枚以上という数字は、一般的なデジタルカメラにおいて、一般的なアルカリ乾電池(一次電池)を使用したときに撮影可能なデジタル写真の数が200枚程度であることを考慮したものである。ただしこの充電積算量1500mAHという値は、あくまで一例であり任意に設定し得るのは言うまでもない。
【0042】
以上説明したように第1実施例の充電器10は、二次電池B1、B2の充電状態に応じて、その二次電池B1、B2で使用可能な電子機器の種類をピクトグラム表示部15に表示する。それによってユーザは、その充電状態において使用可能な電子機器の種類が何なのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。つまりユーザは、満充電には至っていない充電中の二次電池B1、B2が、その時点で、一体どのような種類の電子機器に使用できるのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。それによって満充電まで充電されていなくても良いから今すぐに二次電池B1、B2を使用したい、というユーザのニーズを満たす優れたユーザビリティを実現することができる。したがって本発明によれば、優れたユーザビリティを有する充電器10を提供することができる。それによって二次電池B1、B2の充電中に電子機器を使用できずに待たされる、というユーザのストレスが大幅に低減されることになる。
【0043】
また本発明において使用可能な電子機器の種類は、上記説明した第1実施例のように、ピクトグラム(第1〜第3ピクトグラムP1〜P3)で表示するのが好ましい。それによって使用可能な電子機器の種類を視覚的かつ直感的に理解することができるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。ただし使用可能な電子機器の種類の表示は、特にピクトグラムに限定されるものではなく、電子機器の種類を表示するものであれば、どのような表示態様でよく、例えば使用可能な電子機器を文字、画像等で表示してもよい。
【0044】
また本発明においてピクトグラム表示部15は、上記説明した第1実施例のように、第1〜第3ピクトグラムP1〜P3の形状を有する光透過部151〜153、及び光透過部151〜153を内側から照光する照光部154〜156を含む構成とするのが好ましい。それによってその充電状態において使用可能な電子機器の種類のピクトグラムを簡易な構成で表示することができるので、優れたユーザビリティを有する充電器10をより低コストで実現することができる。
【0045】
また本発明において使用可能な電子機器の種類は、上記説明した第1実施例のように、二次電池B1、B2の充電積算量から判定するのが好ましい。それによって二次電池B1、B2の充電状態を簡素な手順で的確に判定することができるので、その充電状態において使用可能な電子機器の種類を簡素な手順で的確に判定することができる。
【0046】
また本発明に係る充電器10は、上記説明した第1実施例のように、充電回路21は、複数の二次電池B1、B2に同時に充電可能であり、充電状態検出回路22は、複数の二次電池B1、B2の充電状態を検出可能であり、制御装置25は、複数の二次電池B1、B2の充電状態に応じて、複数の二次電池B1、B2で使用可能な電子機器の種類を判定し、その使用可能な電子機器の種類をピクトグラム表示部15に表示する構成とするのが好ましい。それによって複数の二次電池B1、B2を同時に使用する電子機器において、その充電状態で使用可能な電子機器の種類を的確に判定して表示することができる。
【0047】
<本発明の第2実施例>
本発明の第2実施例について、図8図12を参照しながら説明する。
【0048】
図8は、第2実施例の充電器10を図示した正面図である。
第2実施例の充電器10は、第1実施例のピクトグラム表示部15に代えて、「表示装置」としての液晶ディスプレイ12(映像表示画面)のピクトグラム表示領域121に第1〜第3ピクトグラムP1〜P3の映像を表示する点で第1実施例と構成が異なる。さらに第2実施例の充電器10は、液晶ディスプレイ12のピクトグラム表示領域121と重なる領域にレベルメータ表示領域122が設定されている点で第1実施例と構成が異なる。レベルメータ表示領域122は、満充電を100%として、二次電池B1、B2の充電積算量の平均値を満充電に対する割合(percentage)を示すレベルメータ16(例えば棒グラフ)で表示する。このように液晶ディスプレイ12を用いて二次電池B1、B2の充電状態を表示することによって、その充電状態において使用可能な電子機器の種類の表示、さらには他の情報の表示も含めて、その二次電池B1、B2の充電状態に関する多種多様な情報の表示が可能になるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
尚、上記以外の構成については、第1実施例と同様であり、同一の構成要素については同一の符合を付して詳細な説明を省略する。
【0049】
図9図12は、充電器10の液晶ディスプレイ12を拡大図示した正面図であり、二次電池B1、B2の充電状態に対するピクトグラム表示領域121及びレベルメータ表示領域122の表示の変化を図示したものである。
【0050】
制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が500mAH未満の場合には、ピクトグラム表示領域121において第1〜第3ピクトグラムP1〜P3を全て非表示とする(図9)。また制御装置25は、レベルメータ表示領域122において、満充電に対する二次電池B1、B2の充電積算量の割合に相当する長さでレベルメータ16を表示する(図9)。
【0051】
そして制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が500mAHに到達したことを条件として、ピクトグラム表示領域121に第1ピクトグラムP1を表示する(図10)。また制御装置25は、レベルメータ表示領域122において、満充電に対する二次電池B1、B2の充電積算量の割合(例えば25%)に相当する長さでレベルメータ16を表示する(図10)。
【0052】
さらに制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が1000mAHに到達したことを条件として、第1ピクトグラムP1の表示に加えて、さらに第2ピクトグラムP2をピクトグラム表示領域121に表示する(図11)。また制御装置25は、レベルメータ表示領域122において、満充電に対する二次電池B1、B2の充電積算量の割合(例えば50%)に相当する長さでレベルメータ16を表示する(図11)。
【0053】
さらに制御装置25は、例えば二次電池B1、B2の充電積算量の平均値が1500mAHに到達したことを条件として、第1ピクトグラムP1及び第2ピクトグラムP2の表示に加えて、さらに第3ピクトグラムP3をピクトグラム表示領域121に表示する(図12)。また制御装置25は、レベルメータ表示領域122において、満充電に対する二次電池B1、B2の充電積算量の割合(例えば75%)に相当する長さでレベルメータ16を表示する(図12)。
【0054】
以上説明したように第2実施例の充電器10は、二次電池B1、B2の充電状態に応じて、その二次電池B1、B2で使用可能な電子機器の種類を液晶ディスプレイ12のピクトグラム表示領域121に表示する。それによってユーザは、その充電状態において使用可能な電子機器の種類が何なのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。つまりユーザは、満充電には至っていない充電中の二次電池B1、B2が、その時点で、一体どのような種類の電子機器に使用できるのかを極めて容易に、しかも瞬時に理解することができる。それによって満充電まで充電されていなくても良いから今すぐに二次電池B1、B2を使用したい、というユーザのニーズを満たす優れたユーザビリティを実現することができる。したがって本発明によれば、優れたユーザビリティを有する充電器10を提供することができる。それによって二次電池B1、B2の充電中に電子機器を使用できずに待たされる、というユーザのストレスが大幅に低減されることになる。
【0055】
また本発明に係る充電器10は、上記説明した第2実施例のように、二次電池B1、B2の充電状態において使用可能な電子機器の種類の表示(第1〜第3ピクトグラムP1〜P3)に加えて、二次電池B1、B2の充電状態を満充電に対する割合で示すレベルメータ16を液晶ディスプレイ12に表示するのが好ましい。それによって本発明に係る充電器10は、より優れたユーザビリティを実現することができる。また液晶ディスプレイ12の表示において第1〜第3ピクトグラムP1〜P3は、上記説明した第2実施例のように、二次電池B1、B2の充電状態を満充電に対する割合で示すレベルメータ16の表示に重ねて表示するのが好ましい。それによってユーザは、その二次電池B1、B2の充電状態と使用可能な電子機器の種類とを関連付けて理解することができるので、より優れたユーザビリティを実現することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 充電器
12 液晶ディスプレイ
15 ピクトグラム表示部
16 レベルメータ
21 充電回路
22 充電状態検出回路
25 制御装置
121 ピクトグラム表示領域
122 レベルメータ表示領域
151〜153 第1〜第3光透過部
154〜156 第1〜第3照光部
B1、B2 二次電池
P1〜P3 第1〜第3ピクトグラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12