(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ライフタイムバリューは、前記アイテムを一つ販売した際の利益の値に、前記アイテムを一人のユーザーが購入する回数の想定値である想定購入回数を乗算した値から、還元ポイント数に相当する金額を差し引いた値である請求項1に記載のポイント還元率出力装置。
前記記憶部は、前記ポイント還元率および前記アイテムの販売価格の組み合わせと、当該ポイント還元率および販売価格の組み合わせにおける一定期間内の前記アイテムの購入ユーザー数とを関連付けて記憶し、
前記算出部は、前記記憶部に記憶された前記ポイント還元率、前記販売価格および前記購入ユーザー数の関連付けと、前記ライフタイムバリューに基づいて、前記ポイント還元率および販売価格の組み合わせごとに前記想定利益を算出し、 前記出力部は、前記想定利益が最大となる前記ポイント還元率および販売価格の組み合わせを出力する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポイント還元率出力装置。
前記受付部は、前記出力部によって出力された前記最適ポイント還元率を前記ポイント還元率として受け付ける請求項1〜7のいずれか一項に記載のポイント還元率出力装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
[第1実施形態]
<ポイント還元システムの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るポイント還元システムの概略構成を示す図である。
図2は、ポイントサーバーによって提供されユーザー端末に表示されるポイントサイトの一例を示す図である。
【0016】
第1実施形態のポイント還元システムは、たとえば、ユーザーがスマートフォン等のモバイル端末や各種PC(Personal Computer)を用いてアクセスするポイントサイトを提供するために設けられる。
【0017】
図1に示すように、ポイント還元システムは、ユーザー端末100、ポイントサーバー200、管理サーバー300および販売サーバー400を有し、各構成はネットワークを通じて相互に通信可能に構成されている。
【0018】
ユーザー端末100は、ユーザーが使用するスマートフォン等のモバイル端末やノートPC、デスクトップPCなどの情報端末である。
【0019】
ポイントサーバー200は、ポイントサイトの運営者によって設けられるサーバーであり、ポイントサイトを提供する。ポイントサーバー200は、管理サーバー300から配信されるアフィリエイト広告(成功報酬型広告)を、ポイントサイトのページに掲載してユーザー端末100に配信する。
図2に示すように、ポイントサイトには、アフィリエイト広告と共に、商品・サービス等の購入によってユーザーに還元されるポイント数やポイント還元率が掲載される。ポイント還元率は、ユーザーに還元されるポイント数の商品・サービスの販売価格に対する割合である。たとえば、販売価格が10,000円の商品Aに対して、ポイント還元率が10%に設定されている場合、商品Aを購入したユーザーには、10,000円の10%である1,000ポイント(1,000円に相当)が還元される。また、ポイントサーバー200は、ポイント還元率出力装置として、商品・サービスの販売によって得られる利益を最大化するための最適なポイント還元率を出力する。
【0020】
管理サーバー300は、アフィリエイトサービスプロバイダーによって運営されるサーバーであり、広告主から出稿されるアフィリエイト広告の配信や管理を行う。管理サーバー300は、ポイントサイトを閲覧しているユーザーが、ポイントサイト上のアフィリエイト広告をタッチまたはクリックした場合、当該ユーザーを販売サーバー400にアクセスさせる。
【0021】
販売サーバー400は、アイテムである商品・サービスの広告を出稿した広告主によって運営されるサーバーであり、広告の対象となる商品・サービスの購入申込を受け付けて販売する。
【0022】
本実施形態において、ユーザーが販売サーバー400において商品・サービスを購入した場合、販売サーバー400は、ユーザーが商品・サービスを購入した旨を示す情報を管理サーバー300に送信する。管理サーバー300は、受信した情報に当該ユーザーのアクセス情報等の各種情報を付加してポイントサーバー200に送信する。ポイントサーバー200は、管理サーバー300から受信した情報とポイントサイトのユーザー情報とをマッチングして、商品・サービスを購入したユーザーを特定する。ポイントサーバー200は、特定したユーザーにポイント還元率に応じたポイントを還元する。
【0023】
上記のポイント還元システムによれば、ユーザーは、ポイントサーバー200が提供するポイントサイトを閲覧できる。ポイントサイトには、管理サーバー300に管理されるアフィリエイト広告と共にポイント還元率が掲載されている。したがって、ユーザーはアフィリエイト広告の内容とポイント還元率等を参照しつつ、適宜気になるアフィリエイト広告を選択できる。アフィリエイト広告を選択すると、ユーザーは、広告に付されたリンク情報によって、管理サーバー300を経由して広告主の販売サーバー400に誘導される。ユーザーは広告主の販売サーバー400で買い物等を楽しめる。ユーザーが商品・サービスを購入すると、管理サーバー300の管理者やポイントサーバー200の管理者には広告主から広告の成功報酬が支払われ、ユーザーには、ポイントサーバー200の管理者からポイント還元率に応じたポイントが付与される。
【0024】
以下、各構成について詳細に説明する。
【0025】
<ユーザー端末100>
図3は、ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図3に示すように、ユーザー端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150および操作表示部160を有する。各構成は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0029】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0030】
ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。たとえば、ストレージ140には、ネットワークを介してポイントサーバー200や販売サーバー400にアクセスするためのアプリケーションがインストールされている。また、ストレージ140には、各サーバーにより提供されるページを表示したり、各サーバーに対して入力情報を送信したりするためのアプリケーションもインストールされている。
【0031】
通信インターフェース150は、ポイントサーバー200や販売サーバー400等の外部機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、携帯電話通信用の3G、4G等の規格や、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0032】
操作表示部160は、たとえば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、ユーザーからの各種入力を受け付ける。
【0033】
<ポイントサーバー200>
図4は、ポイントサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図4に示すように、ポイントサーバー200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、操作部260および表示部270を有する。各構成は、バス280を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU210、ROM220およびRAM230は、ユーザー端末100のCPU110、ROM120およびRAM130と同様の機能を有するので、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0035】
ストレージ240は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。ストレージ240には、モバイルインターネット等においてユーザーにポイントを還元するポイントサイトを提供するためのプログラムがインストールされている。また、ストレージ240には、商品・サービス等の販売によって得られる利益を最大化するための最適なポイント還元率を出力するためのプログラムがインストールされている。さらに、ストレージ240には、ポイントサイトに登録したユーザーの名前や連絡先といったユーザー情報やユーザー毎のポイント情報、管理サーバーによって配信されるアフィリエイト広告に関する情報等が記憶される。また、ストレージ240には、最適なポイント還元率を出力するために必要となるポイント還元率、購入ユーザー数、販売価格、想定購入回数等の各種情報が記憶される。ストレージ240は、記憶部として機能する。
【0036】
通信インターフェース250は、他の機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0037】
操作部260は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0038】
表示部270は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0039】
<管理サーバー300>
図5は、管理サーバーの概略構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、管理サーバー300は、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350、操作部360および表示部370を有する。各構成は、バス380を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU310、ROM320、RAM330、ストレージ340、通信インターフェース350、操作部360および表示部370は、ポイントサーバー200のCPU210、ROM220、RAM230、通信インターフェース250、操作部260および表示部270と同様の機能を有するので、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0041】
ストレージ340は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。ストレージ340には、広告主から出稿されたアフィリエイト広告を配信および管理するためのアプリケーションがインストールされている。また、ストレージ340には、アフィリエイト広告をタッチまたはクリックしたユーザーを販売サーバー400にアクセスさせるためのアプリケーションがインストールされている。さらに、ストレージ340には、ユーザーの購入情報を販売サーバー400から受信し、受信したユーザーの購入情報をポイントサーバー200に送信するためのアプリケーションもインストールされている。
【0042】
<販売サーバー400>
図6は、販売サーバーの概略構成を示すブロック図である。
【0043】
図6に示すように、販売サーバー400は、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450、操作部460および表示部470を有する。各構成は、バス480を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU410、ROM420、RAM430、ストレージ440、通信インターフェース450、操作部460および表示部470は、ポイントサーバー200のCPU210、ROM220、RAM230、通信インターフェース250、操作部260および表示部270と同様の機能を有するので、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0044】
ストレージ440は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。ストレージ440には、アフィリエイト広告の対象となる商品・サービスを販売するページを提供するためのアプリケーションがインストールされている。また、ストレージ440には、ユーザーが販売サーバー400において商品・サービスを購入した場合、ユーザーが購入した旨を示す購入情報を管理サーバー300に送信するためのアプリケーションがインストールされている。
【0045】
なお、ポイント還元システムの各構成は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0046】
<ポイントサーバーにおけるポイント還元率出力処理の概要>
図7は、ポイントサーバーにおけるポイント還元率出力処理の手順を示すフローチャートである。
図7のフローチャートに示される処理は、ポイントサーバー200のストレージ240にプログラムとして記憶されており、CPU210が各部を制御することにより実行される。なお、以下ではユーザーが商品を購入する場合を例にとって説明する。
【0047】
図7に示すように、ポイントサーバー200は、受付部として、ポイント還元率の設定を受け付ける(ステップS101)。具体的には、ポイントサーバー200は、商品の提供者からの通信インターフェース250を介した指示や、ポイントサイトの管理者による操作部260を介した入力等によって、ポイント還元率の設定を受け付ける。ここで、ポイントサイトの管理者は、ポイント還元率を設定してもよく、あるいは還元するポイント数を設定してもよい。ポイント数が設定された場合、ポイントサーバー200は、ポイント数と商品の販売価格からポイント還元率を算出して設定する。
【0048】
続いて、ポイントサーバー200は、商品を購入したユーザーの数を記憶する(ステップS102)。具体的には、ポイントサーバー200は、管理サーバー300から受信したユーザーの購入情報に基づいて、一定期間において商品を購入したユーザーの数を購入ユーザー数としてカウントする。一定期間としては、たとえば、数時間や数日等の時間的な期間が設定されてもよく、あるいは商品の広告がタッチまたはクリックされる数が所定の数に到達するまで等のアクセス数を基準とした期間が設定されてもよい。また、ポイントサーバー200は、カウントする購入ユーザー数から、過去に当該商品を購入したことのあるユーザーの数を除外し、新たに当該商品を購入した新規ユーザーの数のみを購入ユーザー数としてカウントしてもよい。ポイントサーバー200は、カウントした購入ユーザー数を、ステップS101の処理において設定されたポイント還元率と対応付けてストレージ240に記憶する。ポイント還元率と購入ユーザー数との対応付けについて、詳細は後述する。
【0049】
続いて、ポイントサーバー200は、ポイント還元率が変更されるか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、ポイントサーバー200のCPU210は、操作部260への入力等によってポイント還元率を変更するための指示が行われているか否かを判断する。
【0050】
ポイント還元率が変更される場合(ステップS103:YES)、ポイントサーバー200は、ステップS101の処理に戻り、新しいポイント還元率の設定を受け付ける。
【0051】
ポイント還元率が変更されない場合(ステップS103:NO)、ポイントサーバー200は、出力指示を受け付けているか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、ポイントサーバー200のCPU210は、操作部260への入力等によって最適なポイント還元率を出力する旨の出力指示が行われているか否かを判断する。
【0052】
出力指示が行われていない場合(ステップS104:NO)、ポイントサーバー200は、ステップS102の処理に戻り、引き続き購入ユーザー数を記憶する。
【0053】
出力指示が行われている場合(ステップS104:YES)、ポイントサーバー200は、最適なポイント還元率を出力する出力処理を行う(ステップS105)。出力処理について、詳細は後述する。
【0054】
続いて、ポイントサーバー200は、終了指示を受け付けているか否かを判断する(ステップS106)。具体的には、ポイントサーバー200のCPU210は、操作部260への入力等によって処理を終了する旨の終了指示が行われているか否かを判断する。
【0055】
終了指示が行われていない場合(ステップS106:NO)、ポイントサーバー200は、ステップS102の処理に戻る。
【0056】
終了指示が行われている場合(ステップS106:YES)、ポイントサーバー200は、処理を終了する。
【0057】
<ポイント還元率と購入ユーザー数の対応付け>
図8は、
図7のステップS102の処理においてポイントサーバーのストレージに記憶される情報の一例を示す図である。
【0058】
図8に示すように、ポイントサーバー200は、
図7のステップS101の処理において設定されたポイント還元率と、当該ポイント還元率においてカウントされた購入ユーザー数とを対応付けてストレージ240に蓄積する。
図8に示す例では、たとえばポイント還元率が「5%」に設定されているときに商品を購入したユーザーは「1人」であり、ポイント還元率が「60%」に設定されているときに商品を購入したユーザーは「13人」である。
【0059】
<ステップS105に示す出力処理>
図9は、
図7のステップS105に示される出力処理の手順を示すフローチャートである。
図10は、
図9のステップS202の処理においてポイント還元率ごとの想定利益が算出される様子を示す図である。
図9のフローチャートに示される処理は、ポイントサーバー200のストレージ240にプログラムとして記憶されており、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0060】
図9に示されるように、ポイントサーバー200は、取得部として、商品のライフタイムバリューを取得する(ステップS201)。ライフタイムバリューとは、当該商品を購入したユーザー一人当たりから得られる利益の総額の想定値である。ライフタイムバリューは、以下のように算出される。
【0061】
「ライフタイムバリュー」=「商品一つ当たりの利益」×「想定購入回数」−「ポイント費用」
「商品一つ当たりの利益」は、たとえば商品の販売価格から商品の原価を差し引いた値である。商品の販売価格および原価は、商品の提供者によって決定され、予めポイントサーバー200に設定される。
【0062】
「想定購入回数」は、一度商品を購入したユーザーがその商品を購入する回数の想定値である。想定購入回数は、商品の提供者が商品の性質や販売状況等を考慮して適宜決定する。たとえば、3回購入して継続使用することによって優れた効果が出る化粧品やサプリメント等の商品において、想定購入回数を3回と設定することができる。想定購入回数は、予めポイントサーバー200に設定される。設定された想定購入回数は、設定後の商品の販売状況に応じて更新されてもよい。
【0063】
「ポイント費用」は、ユーザーにポイントを還元するために必要な費用であり、たとえば商品の販売価格にポイント還元率を乗算してポイント数を算出し、算出したポイント数を金額に換算することによって求められる。
【0064】
図10に示す例では、たとえば、ポイント還元率が5%の場合、ライフタイムバリューは、商品一つ当たりの利益2,000円(販売価格10,000円−原価8,000円)×想定購入回数5回−ポイント還元費用500円=9,500円と算出される。また、ポイント還元率が60%の場合、ライフタイムバリューは、商品一つ当たりの利益2,000円(販売価格10,000円−原価8,000円)×想定購入回数5回−ポイント還元費用6,000円=4、000円と算出される。
【0065】
ポイントサーバー200は、上記のように算出されたポイント還元率ごとのライフタイムバリューをストレージ240に記憶する。
【0066】
続いて、ポイントサーバー200は、算出部として、ポイント還元率ごとの想定利益を算出する(ステップS202)。想定利益とは、アイテムの販売によって得られる利益の総額の想定値である。想定利益は、以下のように算出される。
【0067】
「想定利益」=「ライフタイムバリュー」×「購入ユーザー数」
「ライフタイムバリュー」は、ステップS201において取得される値である。
【0068】
「購入ユーザー数」は、
図7のステップS102の処理においてポイントサーバー200のストレージ240に記憶される値である。
【0069】
図10に示す例では、たとえば、ポイント還元率が5%の場合、想定利益は、ライフタイムバリュー9,500円×購入ユーザー数1人=9,500円と算出される。また、ポイント還元率が60%の場合、想定利益は、ライフタイムバリュー4,000円×購入ユーザー数13人=52,000円と算出される。
【0070】
ポイントサーバー200は、上記のように算出されたポイント還元率ごとの想定利益の値をストレージ240に記憶する。
【0071】
続いて、ポイントサーバー200は、出力部として、最適ポイント還元率を出力する(ステップS203)。最適ポイント還元率は、当該商品の販売によって得られる利益を最大化するポイント還元率である。具体的には、ポイントサーバー200は、ステップS202の処理において算出した想定利益が最大となるポイント還元率を特定し、特定したポイント還元率を最適ポイント還元率として表示部270に出力する。
【0072】
図10に示す例では、想定利益の最大値は60,000円であり、そのときのポイント還元率は40%である。したがって、ポイントサーバー200は、最適ポイント還元率として40%を出力する。出力の方法は、
図10に示すように、最適ポイント還元率を他のポイント還元率と区別できるように強調して表示してもよく、あるいは、最適ポイント還元率のみを表示するようにしてもよい。
【0073】
続いて、ポイントサーバー200は、最適ポイント還元率を設定する(ステップS204)。具体的には、ポイントサーバー200は、ステップS203の処理において出力された最適ポイント還元率を、ポイントサイトにおける当該商品のポイント還元率として設定する。
【0074】
以上のように、本実施形態のポイントサーバー200によれば、ポイント還元率ごとの購入ユーザー数と商品のライフタイムバリューに基づいてポイント還元率ごとの想定利益を算出し、想定利益が最大となる最適ポイント還元率を出力する。これにより、商品の販売によって得られる全体の利益を最大化するという観点で最適なポイント還元率を出力できる。したがって、商品の提供者等は、出力された最適ポイント還元率を商品に設定するだけで、商品の販売によって得られる全体的な利益の最大化を図ることができる。
【0075】
また、ライフタイムバリューは、商品一つあたりの利益の値に、商品を一人のユーザーが購入する回数の想定値である想定購入回数を乗算した値から、還元ポイント数に相当するポイント費用を差し引いた値である。したがって、商品の販売1回ごとの利益だけでなく、商品の継続的な販売まで考慮した上で最適なポイント還元率を出力できる。
【0076】
また、ポイントサーバー200は、出力された最適ポイント還元率を当該商品のポイント還元率として自動的に設定する。これにより、常に最適なポイント還元率を商品に設定しておくことができる。
【0077】
なお、上記の実施形態では、商品を購入した場合にポイントが還元される例について説明したが、これに限定されない。たとえば、商品の購入の申込を行った時点でポイントが還元されてもよく、あるいは、サービス提供の契約や申込を行った場合にポイントが還元されてもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、ステップS101の処理において、ポイントサーバー200にポイント還元率が設定される例について説明したが、これに限定されない。ポイントサーバー200には、ポイント還元率ではなく、還元されるポイント数が設定されてもよい。この場合、ポイントサーバー200は、設定されたポイント数と販売価格または売上額等に基づいてポイント還元率を算出する。
【0079】
また、上記の実施形態では、ポイントサーバー200は、最適ポイント還元率を出力するものとして説明したが、出力の態様はこれに限定されない。たとえば、最適ポイント還元率に基づいて還元するポイント数を算出して出力してもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、ポイント還元は各ユーザーの初回購入時のみに実施されるものとして説明したが、これに限定されない。ポイント還元は購入する都度実施されてもよく、あるいは数回に1回等、所定の条件を満たした場合に実施されてもよい。たとえば、ポイント還元が購入する都度実施される場合、
図9のステップS201で算出されるポイント費用は、初回購入時のポイント費用に想定購入回数を乗算した値となる。
【0081】
また、上記の実施形態では、最適ポイント還元率が表示部270に表示されて出力されるものとして説明した。しかし、出力の方法はこれに限定されず、いかなる方法で出力されてもよい。たとえば、最適ポイント還元率は、通信インターフェース250を介して商品の提供者に情報として送信されてもよい。
【0082】
また、上記の各実施形態においては、ある商品についてポイント還元率と購入ユーザー数とを関連付けて記憶し、その商品について最適ポイント還元率等を出力するものとして説明したが、これに限定されない。ある商品について蓄積したポイント還元率と購入ユーザー数との関連付け情報を他の商品に応用して適用してもよい。
【0083】
また、上記の実施形態では、ポイントサーバー200は、出力した最適ポイント還元率を商品のポイント還元率として自動的に設定するものとして説明したが、これに限定されない。たとえば、出力した最適ポイント還元率を商品のポイント還元率として設定するか否かの指示を商品の提供者等から受け付けるようにしてもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、ポイントサーバー200は、ポイントサイトの管理者による入力等によってポイント還元率の設定を受け付けるものとして説明した。しかし、ポイント還元率の設定方法はこれに限定されない。ポイントサーバー200は、設定部として、ポイント還元率を所定の条件に従って自動的に変更して設定してもよい。たとえば、ポイントサーバー200は、ポイント還元率を所定の下限値から上限値まで、所定の値ずつ一定間隔ごとに変更するようにしてもよい。これにより、様々なポイント還元率における購入ユーザー数を検証することができ、最適なポイント還元率をより適切かつ簡単に出力することができる。
【0085】
また、上記の実施形態では、ライフタイムバリューを算出するための想定購入回数は、商品の提供者が商品の性質や販売状況等を考慮して適宜決定するものとして説明したが、これに限定されない。想定購入回数に、実際の購入実績が反映されるようにしてもよい。たとえば、ポイントサーバー200は、ポイント還元率ごとの購入ユーザー数をカウントすると共に、同一のユーザーが反復して購入した回数を実績購入回数としてカウントし、ポイント還元率と関連付けて蓄積する。この場合、ポイントサーバー200は、蓄積されたポイント還元率および実績購入回数の関連付けに基づいて、設定されているポイント還元率から想定購入回数を決定することができる。これにより、購入実績に基づいてライフタイムバリューや想定利益を算出できるため、最適なポイント還元率を精度よく出力することができる。
【0086】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のポイント還元システムについて説明する。なお、第1実施形態のポイント還元システムと同様の構成については、同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
【0087】
第1実施形態においては、ポイント還元率ごとの想定利益を算出し、想定利益が最大となるポイント還元率を最適ポイント還元率として出力した。しかし、出力する情報の内容や形態はこれに限定されない。たとえば、商品の提供者であるA社がポイントサイト経由で販売している商品について、同じ商品を競合他社のB社がより高いポイント還元率を設定して販売し始めた場合、A社が提供する商品は売れ行きが悪くなることが考えられる。この場合、A社が商品の売れ行きをよくするためには、より高いポイント還元率を設定することが考えられる。しかし、あまり高いポイントを設定してしまうと、ポイント費用が高騰してしまい、必要な利益を確保できなくなってしまう。逆にあまり低いポイントを設定してしまうと、売れ行きが改善せずに、必要な利益を得られなくなってしまう。第2実施形態では、商品の販売によって達成したい利益の総額の目標値を設定し、当該目標値を達成できるポイント還元率の範囲を出力する場合について説明する。
【0088】
第2実施形態のポイント還元システムの構成は、第1実施形態のポイント還元システムの構成と同様である。以下においては、第1実施形態と重複する部分の説明は省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0089】
第2実施形態のポイントサーバー200において実行される処理は、
図7のフローチャートに示される第1実施形態のポイントサーバー200の処理と基本的に同様であり、
図7のステップS105に示される出力処理のみが異なる。以下では第1実施形態と異なる処理について、詳細に説明する。
【0090】
図11は、第2実施形態のポイントサーバーにおいて実行される
図7のステップS105に示される出力処理の手順を示すフローチャートである。
図12は、
図11のステップS304の処理においてポイント還元率の範囲が出力される様子を示す図である。
図11のフローチャートに示される処理は、ポイントサーバー200のストレージ240にプログラムとして記憶されており、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0091】
図11に示すように、ポイントサーバー200は、目標利益の値を受け付ける(ステップS301)。目標利益は、商品の販売によって達成したい利益の総額の目標値である。ポイントサーバー200は、商品の提供者からの通信インターフェース250を介した指示や、ポイントサイトの管理者による操作部260を介した入力等によって、目標利益の設定を受け付ける。
【0092】
続いて、ポイントサーバー200は、商品のライフタイムバリューを取得する(ステップS302)。ステップ302の処理は、
図7のステップS101の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
続いて、ポイントサーバー200は、ポイント還元率ごとの想定利益を算出する(ステップS303)。ステップ303の処理は、
図7のステップS102の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
続いて、ポイントサーバー200は、目標利益を達成可能なポイント還元率の範囲を許容ポイント還元率範囲として出力する(ステップS304)。具体的には、ポイントサーバー200は、ステップS303の処理において算出された想定利益の値が、ステップS301の処理において受け付けられた目標利益の値以上となるポイント還元率の範囲を特定して出力する。
【0095】
図12に示す例では、同じ商品により高いポイント還元率を設定して販売する競合他社の存在により、
図10に示す例と比較して購入ユーザー数が減少している。ここで、たとえば、ポイント還元率を60%に設定すれば、購入ユーザー数は10人となり、
図10の例においてポイント還元率が40%に設定した場合と同様になる。しかし、この場合、ポイント費用が増加するため、想定利益が0円になってしまう。ここで、
図12の例では、目標利益が4,000円に設定されている。したがって、ポイントサーバー200は、ステップS303において算出された想定利益が、4,000円以上となっているポイント還元率として、20%、40%、50%、55%を、目標利益を達成可能なポイント還元率の範囲として出力する。
【0096】
以上のように、第2実施形態のポイントサーバー200によれば、目標利益の設定を受け付け、想定利益が目標利益以上となるポイント還元率の範囲を出力する。これにより、商品の提供者は、目標利益を確保できるポイント還元率の範囲を容易に把握できる。したがって、たとえば、競合他社が同じ商品に高いポイント還元率を設定している場合等においても、過剰に高いポイント還元率を設定して目標利益を達成できなくなることが抑止され、適切なポイント還元率を適切できる。
【0097】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のポイント還元システムについて説明する。なお、第1実施形態のポイント還元システムと同様の構成については、同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
【0098】
ポイントサイトにおいては、一定期間内に商品を購入する場合に商品を有利な条件で購入できるタイムセールが実施される場合がある。たとえば、タイムセール期間として設定された期間内に商品を購入した場合に、通常よりも高いポイント還元率でポイントが還元される。タイムセールが実施されている場合、タイムセールが実施されていない場合よりも多くのポイントが還元されるため、購入ユーザー数が増加すると考えられる。特にタイムセールが終了する間際においては、ポイント還元率の値よりも、タイムセールが終了してしまうという時間的な制約の方がユーザーの購入可否判断に与える影響が大きいと考えられる。したがって、ポイント還元率ごとの購入ユーザー数をカウントして想定利益を算出する際に、タイムセール期間における購入ユーザー数は、タイムセール期間以外における購入ユーザー数と区別して管理する必要がある。第3実施形態では、タイムセール期間における購入ユーザー数を、タイムセール期間以外における購入ユーザー数と区別する場合について説明する。
【0099】
第3実施形態のポイント還元システムの構成は、第1実施形態のポイント還元システムの構成と同様である。以下においては、第1実施形態と重複する部分の説明は省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0100】
図13は、第3実施形態のポイントサーバーにおけるタイムセール期間内のポイント還元率出力処理の手順を示すフローチャートである。
図13のフローチャートに示される処理は、ポイントサーバー200のストレージ240にプログラムとして記憶されており、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0101】
図13に示すように、ポイントサーバー200は、タイムセール期間の設定を受け付ける(ステップS401)。具体的には、ポイントサーバー200は、商品の提供者からの通信インターフェース250を介した指示や、ポイントサイトの管理者による操作部260を介した入力等によって、タイムセール期間の設定を受け付ける。タイムセール期間は、たとえば、開始日時と終了日時の組み合わせとして受け付けられてもよく、あるいは開始日時と継続期間の組み合わせとして受け付けられてもよい。また、タイムセール期間は、時間的な期間だけに限定されず、たとえば、所定のアクセス数が達成されるまでの期間や、所定の数の商品が購入されるまでの期間といった各種条件がタイムセール期間として設定されてもよい。ポイントサーバー200は、受け付けたタイムセール期間を示すタイムセール期間情報をストレージ240に記憶する。
【0102】
続いて、ポイントサーバー200は、ポイント還元率の設定を受け付ける(ステップS402)。ステップS402の処理は、
図7に示すステップS101の処理と同様である。
【0103】
続いて、ポイントサーバー200は、タイムセール期間内であるか否かを判断する(ステップS403)。具体的には、ポイントサーバー200は、ステップS401の処理においてストレージに記憶されたタイムセール期間情報に基づいて、現在がタイムセール期間に該当しているか否かを判断する。
【0104】
タイムセール期間内でない場合(ステップS403:NO)、ポイントサーバー200は、商品を購入したユーザーの数を、通常期間における購入ユーザー数として記憶する(ステップS404)。購入ユーザー数を記憶する方法は、
図7に示すステップS102の処理と同様である。
【0105】
タイムセール期間内である場合(ステップS403:YES)、ポイントサーバー200は、商品を購入したユーザーの数を、タイムセール期間における購入ユーザー数として記憶する(ステップS405)。ポイントサーバー200は、タイムセール期間における購入ユーザー数を、通常期間における購入ユーザー数とは区別してストレージ240に記憶する。
【0106】
ステップS406、ステップS407の処理は、
図7のステップS103、ステップS104の処理と同様である。
【0107】
続いて、ポイントサーバー200は、通常期間とタイムセール期間のそれぞれにおいて、ポイント還元率ごとの想定利益を算出し、通常期間とタイムセール期間のそれぞれにおいて、想定利益が最大となるポイント還元率を出力する(ステップS408)。
【0108】
ステップS409の処理は、
図7のステップS106の処理と同様である。
【0109】
以上のように、第3実施形態のポイントサーバー200によれば、タイムセール期間における購入ユーザー数を、タイムセール期間以外における購入ユーザー数と区別して記憶し、タイムセール期間における最適ポイント還元率を出力する。これにより、タイムセールの実施による購入ユーザー数への影響を考慮した上で、通常期間およびタイムセール期間における最適なポイント還元率を精度よく出力できる。
【0110】
[第4実施形態]
第1実施形態では、ポイントサーバー200は、ポイント還元率と購入ユーザー数とを関連付けて記憶するものとして説明した。これは、購入ユーザー数がポイント還元率に影響されるためである。しかし、購入ユーザー数は、ポイント還元率だけでなく、ポイント還元率と販売価格との組み合わせにも大きく影響される。たとえば、販売価格が高くなると、通常は売れ行きが悪くなると考えられる。しかし、還元されるポイント数に着目すると、同じポイント還元率であれば、販売価格が高い方が多くのポイント数が還元されることになり、このことがユーザーの購入意欲を向上させる場合もある。この場合、販売価格が高くなっても売れ行きがさほど減少せず、結果として得られる利益が大きくなることもある。第4実施形態では、ポイントサーバー200において、ポイント還元率および販売価格の組み合わせごと想定利益を算出する場合について説明する。
【0111】
第4実施形態のポイント還元システムの構成は、第1実施形態のポイント還元システムの構成と同様である。以下においては、第1実施形態と重複する部分の説明は省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0112】
第4実施形態のポイントサーバー200において実行される処理は、第1実施形態のポイントサーバー200の処理と基本的に同様であり、
図7のステップS102および
図9のステップS202、ステップS203に示される処理のみが異なる。以下では第1実施形態と異なる処理について、詳細に説明する。
【0113】
図14は、第4実施形態のポイントサーバーにおいてストレージに記憶される情報の一例を示す図である。
【0114】
図14に示すように、第4実施形態のポイントサーバー200は、
図7のステップS102の処理において、ポイント還元率および販売価格の組み合わせと購入ユーザー数とを関連付けてストレージ240に記憶する。
【0115】
そして、ポイントサーバー200は、
図9のステップS202の処理において、ポイント還元率および販売価格の組み合わせごとに想定利益を算出する。続いて、ポイントサーバー200は、ステップS203の処理において、ポイント還元率および販売価格の組み合わせごとに、想定利益が最大となるポイント還元率および販売価格の組み合わせを出力する。
図14に示す例では、ポイント還元率が50%で販売価格が12,000円のときに、想定利益が最大値である70,000円となっている。したがって、ポイントサーバー200は、利益を最大化するポイント還元率および販売価格の組み合わせとして、ポイント還元率50%、販売価格が12,000円という値を出力する。
【0116】
以上のように、第4実施形態のポイントサーバー200によれば、ポイント還元率および販売価格の組み合わせごとの想定利益を算出し、想定利益が最大となるポイント還元率および販売価格の組み合わせを出力する。ポイント還元率だけでなく、ポイント還元率と販売価格との組み合わせも考慮して想定利益を算出するため、より精緻に最適なポイント還元率を出力できる。
【0117】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0118】
たとえば、上記の各実施形態においては、ポイントサーバー200が、ポイントサイトを提供し、ユーザー端末100がポイントサイトに都度アクセスしてポイント還元を行う場合の例を説明したが、ポイント還元を実施する形態はこれに限定されない。たとえば、ポイントサーバー200の機能の全部または一部が、ポイントアプリケーションとしてユーザー端末100にインストールされ、ポイント還元が実施されてもよい。
【0119】
また、上記の各実施形態においては、ポイントサーバー200においてポイント還元率出力処理を行う例について説明したが、これに限定されない。ポイント還元率出力処理は、ポイントサーバー200とは別体として設けられ、ポイントサーバーとネットワークで接続されたサーバー等によって実行されてもよい。
【0120】
上述した実施形態に係るポイント還元システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、ポイント還元システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。