(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、映像処理システムの構成を示すブロック図である。映像処理システムは、セットトップボックス(STB)1A、STB1B、STB1C、STB1D、および表示装置20を備えている。なお、
図1においては、STB1Aの入力側には何も接続されていないが、STB1Aの入力側にさらに他のSTBを接続してもよいし、一般的なコンテンツプレーヤを接続してもよい。
【0016】
STB1A、STB1B、STB1C、およびSTB1Dは、それぞれコンテンツを再生し、映像信号および音声信号を出力する機能を有する。表示装置20は、表示器を備え、入力された映像信号に基づいて、当該表示器に映像を表示するとともに、入力された音声信号に基づいてスピーカから音声を出力する。
【0017】
STB1A、STB1B、STB1C、STB1D、および表示装置20は、HDMIケーブルを介して数珠つなぎに接続される。この映像処理システムでは、入力された映像信号に、各機器が再生したコンテンツに係る映像信号を合成して、表示装置20の表示器に同時に表示させる。STB1A、STB1B、STB1C、およびSTB1Dは、それぞれ入力された映像信号の所定の位置に、所定の解像度で、自装置が再生したコンテンツの映像信号を合成し、後段に出力する(いわゆるPinPの動作を行う)。なお、STB1Aの入力側にコンテンツプレーヤが接続される場合、STB1Aは、コンテンツプレーヤから入力された映像信号に自装置が再生したコンテンツの映像信号を合成し、後段に出力する。
【0018】
図2(A)は、STB1Aの構成を示すブロック図である。STB1A、STB1B、STB1C、およびSTB1Dは、本発明の映像処理装置に相当し、全て同じ構成および機能を有する。したがって、
図2(A)においては、代表してSTB1Aの構成および機能について説明する。
【0019】
STB1Aは、SoC(System−on−chip)10、RAM12、フラッシュROM13、リモコン信号受信部14、LAN通信部15、入力部16、出力部17、およびCEC切替制御部18を備えている。SoC10は、本実施形態においては、CPU11、コンテンツ再生部19、および映像処理部20を混載した1つの半導体素子である。ただし、個々の機能はそれぞれ別の半導体素子を用いて構成してもよい。あるいは、ソフトウェアにより、CPU11がコンテンツ再生部19および映像処理部20の機能を実現してもよい。
リモコン信号受信部14は、リモコン信号を受信し、ユーザの操作を受け付ける操作受付部として機能する。
【0020】
CPU11は、フラッシュROM13に記憶されているファームウェア(プログラム)をワークメモリであるRAM12に展開し、STB1Aの動作を統括的に制御する。CPU11は、当該ファームウェアによりコンテンツ再生部19および映像処理部20に対して動作指示を行う。コンテンツに係るデータは、例えばLAN通信部15を介してNAS等の外部装置から受信する。ただし、USB等の他の端子を介してコンテンツに係るデータを入力してもよいし、STB1Aの自装置内にHDD等の媒体を備え、当該媒体からコンテンツに係るデータを読み出すようにしてもよい。また、SDカード等のリムーバブルメディアのリーダ機能を備え、当該リムーバブルメディアに記憶されているコンテンツに係るデータを読み出すようにしてもよい。なお、LAN通信部15は、有線であっても無線であってもよい。
【0021】
入力部16は、本発明の映像信号入力部に相当し、他装置から映像信号および音声信号を入力する。出力部17は、本発明の映像信号出力部に相当し、他装置に映像信号および音声信号を出力する。本実施形態においては、入力部16および出力部17は、それぞれHDMIの規格に準じた端子となっている。
【0022】
CEC切替制御部18は、入力部16および出力部17のHDMI規格に準じた端子のうち、HDMI−CEC信号ラインの接続の切り替えを行う。HDMI規格で採用されているHDMI−CEC(Consumer Electronics Control)は、1本の信号線(HDMI−CEC信号ライン)を、接続されるすべての機器で共有する。HDMI−CECは、このHDMI−CEC信号ラインを介してHDMI規格で定義されているコマンドまたはHDMI規格を利用するベンダー(例えば、映像処理装置STB1Aの製造元)が独自に定義したコマンド(ベンダー定義コマンド)を用いて機器間で通信を行うことができる機器制御プロトコルである。
【0023】
ただし、HDMI規格においては、1本のHDMI−CEC信号ラインに接続できる機器の数は10台を上限として規格化されている。また、HDMI−CEC信号ラインに接続された各機器を識別するための論理アドレスの規定では、同じ種類の機器(例えば、映像再生機器や、録画機器等)の接続数に制限がある。当該規定では、例えば、映像再生機器の場合は、Playback Device1(LA=4)、Playback Device2(LA=8)、Playback Device3(LA=11)の3つまでとなる。本実施形態では、同じ種類の機器を多数接続するため、機器の接続がHDMI規格の上限を超えないように制御する。
【0024】
図2(B)は、SoC10およびCEC切替制御部18の機能的構成を示すブロック図である。SoC10は、HDMI入力制御部300、HDMI出力制御部400、EDID情報記憶部601、および機器情報記憶部602として機能する。HDMI入力制御部300は、DDCスレーブ制御部301、HDMIデータ入力部302、HPD出力制御部303、電圧検出部304、およびCEC制御部305を備えている。HDMI出力制御部400は、DDCマスタ制御部401、HDMIデータ出力部402、HPD検出部403、電圧出力部404、およびCEC制御部405を備えている。
【0025】
EDID情報記憶部601は、入力部16に接続されるSource機器(STB等の映像出力装置)に送出するためのEDID情報を記憶している。EDID情報は、Sink機器(テレビ等の表示装置)が対応する解像度、およびフレームレート等の情報をSource機器(STB等の映像出力装置)に伝えるためのデータである。
【0026】
電圧出力部404は、+5Vの電圧を送出し、電圧検出部304は、入力部16に接続されたSource機器(STB等の映像出力装置)が送出した+5Vの電圧を検出する。
【0027】
HPD検出部403は、出力部17に接続されたSink機器(テレビ等の表示装置)のHPD端子の電圧がHighレベルの時、Sink機器が接続されたと判断する。HPD出力制御部303は、電圧検出部304が+5Vの電圧を検出し、かつEDID情報の送出準備が完了した場合に、入力部16におけるHPD端子の電圧をHighレベルに設定する。
【0028】
CEC制御部305およびCEC制御部405は、HDMI規格で採用されているHDMI−CECを用いて、HDMI−CEC信号ラインに接続された機器を操作するための制御情報を送受信する。当該制御情報により送受信された各種情報は、機器情報記憶部406に記憶される。HDMI規格で採用されているHDMI−CECは、HDMI規格を利用するベンダー(例えば、映像処理装置STB1Aの製造元)が独自に定義したコマンド(ベンダー定義コマンド)を用いて機器間で通信を行うことができる機器制御プロトコルである。本発明の主たる機能は、この「ベンダー定義コマンド」を用いて実現される。
【0029】
STB1A、STB1B、STB1C、およびSTB1Dは、表示装置20に接続されるSTB1Dから順に、STB1C、STB1B、およびSTB1Aの順で、EDID情報の受信と機器の初期化がおこなわれ、すべてのSTBが、表示装置20のEDID情報を共有する。また、各STBには、それぞれ固有のSTB番号が割り振られる。例えば、STB1Dは、表示装置20のEDID情報を受信し、EDID情報記憶部601に記録する。その際、自機がマスタ機器であることを認識し、HDMI−CECで使用する物理アドレスとSTB番号を生成し、かつ後段に接続されるSTBに割り振る物理アドレスとSTB番号をEDID情報記憶部601に記録する。STB1Cは、STB1DのEDID情報記憶部601に記録されたEDID情報を受信し、STB1CのEDID情報記憶部601に記憶する。その際、自機がスレーブ機器であることを認識し、受信したEDID情報を元に自機の物理アドレスとSTB番号を生成し、かつ後段に接続されるSTBに割り振る物理アドレスとSTB番号をEDID情報記憶部601に記録する。STB1BおよびSTB1AにおいてもSTB1Cと同様の処理がなされ、すべてのSTBで表示装置20のEDID情報が共有され、各STBにはそれぞれ固有の論理アドレスとSTB番号が割り振られる。
【0030】
そして、Sink機器に接続される最初のSTB(例えば表示装置20に直接接続されるSTB1D)がマスタ機器となり、後段に接続されるSTB(例えば、STB1C、STB1B,STB1A)は、スレーブ機器(またはサブマスタ機器)となる。マスタ機器は、各STBが合成すべき映像信号の解像度、および合成すべき領域を決定し、上述の「ベンダー定義コマンド」により、制御情報として各STBに送信する。スレーブ機器は、マスタ機器からのコマンドに従い処理を行う。これにより、各STBは、それぞれ入力された映像信号の所定の領域に、所定の解像度で、自装置が再生したコンテンツの映像信号と合成し、後段に出力する。
【0031】
なお、上述したように、HDMIの規格では、映像再生機器の接続数が3台となるため、マスタ機器から数えて3段目のスレーブ機器は、サブマスタ機器となる。サブマスタ機器は、スレーブ機器の処理に加え、当該サブマスタ機器の後段に接続されたSTBの管理を行う。また、サブマスタ機器は、「ベンダー定義コマンド」を用いて、接続されているSTBの台数および種別等の情報を送受信する。
【0032】
図3を参照して、表示装置20に4画面を合成した映像信号が入力される場合を例示する。STB1Dは、STB1Cから入力された映像信号の右下1/4の領域に、自装置の再生するコンテンツを合成する。すなわち、PinPのように、入力された映像信号を親画面(または子画面)として、自装置の映像信号を子画面(または親画面)として合成する動作を行う。
【0033】
例えば表示装置20の解像度が4K(3840×2160)である場合、STB1Dには、4Kの映像信号が入力される。したがって、STB1Dは、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、右下1/4の領域に合成する。合成後の4K解像度の映像信号が表示装置20に出力される。これにより、表示装置20に表示される映像の右下1/4の領域には、FHDの解像度でSTB1Dの再生したコンテンツに係る映像が表示される。
【0034】
同様にして、STB1Cは、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、STB1Bから入力された4K解像度の映像信号の右上1/4の領域に、自装置の再生するコンテンツを合成する。したがって、表示装置20に表示される映像の右上1/4の領域には、FHDの解像度でSTB1Cの再生したコンテンツに係る映像が表示される。STB1Bは、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、STB1Aから入力された4K解像度の映像信号の左下1/4の領域に、自装置の再生するコンテンツを合成する。したがって、表示装置20に表示される映像の左下1/4の領域には、FHDの解像度でSTB1Bの再生したコンテンツに係る映像が表示される。
【0035】
STB1Aについては、入力された映像信号をFHDのサイズに変換し、左上の領域に配置して他の領域には何も表示しない4K解像度の映像信号を生成し、当該4K解像度の映像信号を出力する。
図3では、STB1Aの入力には何も接続されていないが、仮にコンテンツプレーヤ等を接続した場合は、STB1Aは、コンテンツププレーヤから入力された映像信号をFHDのサイズに変換して出力することもできる。コンテンツプレーヤは、本実施形態における「ベンダー定義コマンド」に対応していない一般的なコンテンツ再生装置であるが、HDMI規格に準ずる機器であるため、STB1AのEDID情報により、表示装置20の解像度(4K解像度)に係る情報を共有している。したがって、コンテンツプレーヤは、自装置の再生したコンテンツについては、4K解像度の映像信号として出力する。
【0036】
また、STB1Aは、他装置から映像信号を入力し、入力した映像信号に自装置が再生するコンテンツに係る映像信号を合成してもよい。この場合、例えば4K解像度の映像信号を5分割することで、5画面の映像信号を出力する。
【0037】
また、全ての対応機器が自装置のコンテンツを再生して合成する必要はない。例えば一部の機器は、入力された映像信号をそのまま後段にスルーして出力してもよい。この場合、主としてHDMIの機能(入力部16、出力部17およびCPU11のうちHDMIの制御機能)だけが動作していればよく、他の機能はスタンバイ状態となっていてもよい。
【0038】
なお、合成の態様はここで示した例に限るものではない。例えば入力された映像信号のうち一部領域を透過して、自装置の映像信号を合成することも可能である。
【0039】
次に、以上の各STBの動作を、フローチャートを参照して説明する。
図4は、電源投入後、システムリセット時、またはスタンバイ状態からの復帰時の各STBの動作を示すフローチャートである。
【0040】
まず、STBは、HPDをLowレベルに設定し(s11)、HDMI出力制御部400の初期化(s12)を行った後に、HDMI入力制御部300の初期化(s13)を行う。
【0041】
図5および
図6は、HDMI出力制御部400の初期化(s12)の動作を詳細に示すフローチャートである。
【0042】
HDMI出力制御部400の初期化の動作では、まずアドレスの初期化を行う(s21)。具体的には、CEC制御部305およびCEC制御部405のアドレス(以下、マイアドレスと言う。)を未定義の状態とする。その後、CEC制御部305の動作を禁止する(s22)。なお、このとき、CEC切替制御部18は、内部回路のスイッチをオープンとして、HDMI出力制御部400とHDMI入力制御部300との接続を分離し、入力と出力とを電気的に切り離す処理を行う。その後、電圧出力部404は、+5Vの電圧を送出する(s23)。
【0043】
次に、
図6に示すように、HPD検出部403は、出力部17のHPD端子の状態を確認し(s41)、Sink機器が接続される、または動作可能となるまで待機する。HPD端子の電圧がHighレベルとなった場合、DDCマスタ制御部401は、Sink機器からEDID情報を取得する(s42)。その後、取得したEDID情報に基づいて、HDMI入力制御部300で使用するEDID情報を生成する(s43)。
【0044】
次に、CEC制御部405は、Sink機器がCECに対応した機器であるか否かを確認する(s44)。CECに対応していない機器である場合には、当該Sink機器の接続が解除されるまで待機する(s45)。接続されたSink機器がCECに対応した機器である場合には、当該Sink機器に対して、「ベンダー定義コマンド」による本機能の制御情報の送受信に対応している機器であるかを確認するコマンドを送信し(s46)、対応機器であるか否かを確認する(s47)。
【0045】
対応機器であると確認した場合、自装置には、接続先に「マスタ機器になり得るSink機器」が存在すると判断して、自装置はスレーブ機器として機能させる(s48)。対応機器でない場合には、一般的な機器が接続されたと判断して、自装置はマスタ機器として機能させる(s49)。これにより、表示装置に接続されるSTBがマスタ機器となり、他の機器がスレーブ機器となる。
【0046】
自装置がマスタ機器となる場合、CEC制御部405は、Sink機器のEDID情報から物理アドレスを取得し、自身のCEC制御部405のマイアドレスを同じアドレスとする。例えば、
図11に示すように、STB1Dは、TV20から取得した物理アドレスPA=1.0.0.0を自身のCEC制御部405のマイアドレスMA=1.0.0.0とする。
【0047】
また、自装置がマスタ機器となる場合、STBは、自身のCEC制御部305のマイアドレスをMA=0.0.0.0とし、自装置のSTB番号を”0”として、後段のSTB用の番号を”1”とする。さらに、マスタ機器となるSTBは、EDID情報記憶部601に記憶する物理アドレスをPA=1.1.0.0を設定し、CEC切替制御部18の内部回路のスイッチをオープンとして、前段(出力側)と後段(入力側)とを電気的に切り離す。
【0048】
一方、自装置をスレーブに設定する場合には、Sink機器のEDID情報から物理アドレスを取得し、取得した物理アドレスを自身のCEC制御部405のマイアドレスとする。例えば、
図11に示すように、STB1Cは、CEC制御部405のマイアドレスをMA=1.1.0.0とする。また、Sink機器のEDID情報からSTB番号を取得し、自機の番号とするとともに、自機のSTB番号+1を後段のSTB用の番号として生成する。さらに、HDMIの規定に従って、EDID情報記憶部601に記憶する物理アドレスを設定し(例えば、PA=1.1.1.0とする)、CEC切替制御部18の内部回路のスイッチをクローズとする。
【0049】
また、STBは、自装置をスレーブに設定した後、HDMIに規定された接続上限数に達しているか判断する(s50)。例えば、CEC制御部405に設定されるマイアドレス≠n.m.m.0(n=1〜9,A〜F/m=0〜9,A〜F)である場合、上限数に達したと判断される。上限数に達した場合には自装置をサブマスタ機器として設定する(s51)。
【0050】
この場合、自身のCEC制御部305のマイアドレスをMA=1.0.0.0とし、EDID情報記憶部601に記憶する物理アドレスをPA=1.1.0.0とする。また、自機のSTB番号+1をサブマスタ用として割り当てるとともに、サブマスタ用STB番号+1を後段のSTB用の番号として生成する。また、CEC切替制御部18の内部回路のスイッチをオープンとして、前段(出力側)と後段(入力側)とを電気的に切り離す。
【0051】
例えば、
図11に示すように、STB1Aは、CEC制御部405に設定されるマイアドレスがMA=1.1.1.1≠n.m.m.0であるため、サブマスタとして機能する。したがって、STB1Aは、自身のCEC制御部305のマイアドレスをMA=1.0.0.0とし、EDID情報記憶部601に記憶する物理アドレスをPA=1.1.0.0とする。
【0052】
これにより、サブマスタとなったSTBは、スレーブ機器の処理に加え、後段に接続されたSTBの管理を行う。例えば、
図1乃至
図3で示した接続態様においては、STB1Aがサブマスタとなり、該STB1Aの後段(入力側)にさらにSTBが接続された場合に、当該後段のSTBの管理を行う。
【0053】
その後、STBは、Sink機器の接続が解除されるまで待機する(s52)。Sink機器の接続が解除された場合には、s11の処理に戻り、初期化の動作を繰り返す。
【0054】
次に、
図7は、HDMI入力制御部300の初期化動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、HDMI入力制御部300の初期化の動作では、まず電圧検出部304が+5Vの電圧の検出を確認し(s31)、Souce機器が接続される、またはHDMIによる映像信号の出力が可能になるまで待機する。+5Vの電圧を検出した場合、HDMI出力制御部400の初期化が完了するまで待機し(s32)、HDMI出力制御部400の初期化が完了した場合には、HPD出力制御部303は、入力部16におけるHPD端子の電圧をHighレベルに設定する(s33)。これにより、Sink機器が接続された旨をSource機器に通知する。そして、EDID情報管理部301は、EDID情報記憶部601のEDID情報をSource機器に出力する(s34)。
【0055】
その後、CEC制御部305は、Source機器の接続が解除されるまで待機し、Source機器の接続が解除された場合には、s31の判断から処理を繰り返す。
【0056】
このようにして、各STBは、数珠つなぎに接続されている全機器の機器情報を取得することができ、マスタ機器またはスレーブ機器として機能する。
【0057】
次に、
図8は、マスタ機器の基本動作を示すフローチャートである。マスタ機器は、接続されている機器の台数および種別を確認し(s61)、各機器が処理すべき内容を決定する(s62)。例えば、
図3に示したように、STB1Dがマスタ機器として機能する場合、STB1Dは、対応機器であるSTBが4台接続され、Sink機器である表示装置20の対応解像度が4Kである旨の機器情報を取得する。したがって、STB1Dは、各機器の出力する映像信号の解像度を4Kとし、各機器が再生するコンテンツに係る映像信号をFHDとする。また、STB1Dは、各機器が再生するコンテンツに係る映像信号の配置態様を決定する。
【0058】
例えば、
図3に示したように、STB1Aについては、自装置の再生したコンテンツの映像を、左上の領域に配置して他の領域には何も表示しない4K解像度の映像信号を生成させるように設定する。STB1Bについては、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、STB1Aから入力された4K解像度の映像信号の左下1/4の領域に、自装置の再生するコンテンツを合成させ、STB1Cについては、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、STB1Bから入力された4K解像度の映像信号の右上1/4の領域に、自装置の再生するコンテンツを合成させるように設定する。自装置であるSTB1Dについては、自装置のコンテンツをFHD(1920×1080)の解像度として、右下1/4の領域に合成する。
【0059】
STB1Dは、以上のようにして決定した各機器が処理すべき内容を、制御情報として各STBに送信する(s63)。なお、各機器の映像信号を配置する領域は、位置情報(座標)として送信される。例えば、映像信号における左上の画素を(0,0)として、各機器が合成する映像の左上の座標を示す情報と、映像の幅および高さを示す情報と、が送信される。
【0060】
なお、制御情報には、合成時の条件が含まれていてもよい。合成時の条件は、例えば透過合成を行うか否かを示す情報や、輝度、色相、彩度等のパラメータを示す情報、等が含まれる。また、配置態様および各機器が再生するコンテンツの解像度については、リモコン信号受信部14を介してユーザからの指定を受け付けるようにしてもよい。また、接続されている対応機器の台数に応じて自動的に設定されるようにしてもよい。この場合、台数と配置態様とを対応付けたテーブルを記憶しておく。例えば対応機器の台数が2台の場合には、左右2分割で映像が表示されるようにし、3台の場合には左側または右側がさらに上下2分割で映像が表示されるようにするテーブルを規定しておく。
【0061】
最後に、STB1Dは、決定した処理内容に応じて、入力映像信号に自装置が再生したコンテンツに係る映像信号を合成する(s64)。
【0062】
一方、
図9は、スレーブ機器の基本動作を示すフローチャートである。スレーブ機器は、他装置から上述の制御情報が受信されたか否かを確認し(s71)、受信した制御情報に基づいて、自装置が再生したコンテンツに係る映像信号を、所定の位置に所定のサイズで、入力された映像信号に合成する(s72)。
【0063】
このようにして、本実施形態の映像処理システムによれば、各STBは、映像信号の処理としてはPinPの動作を行うだけで、入力する映像信号の数が増大した場合であっても、各STBの入力端子を増やさず、かつ各STBに高度な処理能力を必要とせず、多数の映像信号を合成することができる。
【0064】
次に、
図10は、同期を行う場合の各機器の動作を示すフローチャートである。例えば、ユーザがリモコンを用いて、各映像の配置態様を変更する指示を行った場合、仮に各STBの配置態様の変更タイミングが異なると、一部の映像が途切れたり重なったりする。したがって、
図10に示すように、切替タイミングを示すタイミング情報を送受信し、同期させることが好ましい。
【0065】
まず、
図10(A)は、マスタ機器がタイミング情報を送信する態様を示すフローチャートである。マスタ機器となるSTBは、リモコン信号受信部14を介してユーザから、映像の配置態様の変更を受け付けたか否かを判断する(s81)。映像の配置態様の変更を受け付けた場合、マスタとなるSTBは、変更後の各機器のSTBにおける処理すべき内容(制御情報)とともに、切替タイミングを示すタイミング情報を他のSTBに送信する(s82)。その後、送信したタイミング情報に基づいたタイミングで、映像の配置態様を変更する(s83)。スレーブ機器となるSTBでは、変更後の制御情報とともに、タイミング情報を受信した場合、当該タイミング情報に基づいたタイミングで、映像の配置態様を変更する。
【0066】
一方、
図10(B)は、最も処理時間が長い機器に合わせたタイミングで切替を行う態様である。まず、マスタ機器となるSTBは、リモコン信号受信部14を介してユーザから、映像の配置態様の変更を受け付けたか否かを判断する(s91)。映像の配置態様の変更を受け付けた場合、マスタとなるSTBは、各STBに対して、映像配置変更に要する処理時間を問い合わせる。これにより、各STB間で、処理時間を示す情報(処理時間情報)が送受信される(s92)。そして、各STBは、全機器の処理時間情報を参照する。処理時間が最も長いSTBは、自装置の処理時間に応じて、切替タイミングを示すタイミング情報を他のSTBに送信する(s93)。各機器は、受信したタイミング情報に基づいたタイミングで、映像の配置態様を変更する(s94)。
【0067】
なお、接続される機器の数が増大し、サブマスタとして機能する機器が介在すると、当該サブマスタの機器の処理による遅延が発生し、各STBの間で処理のずれがわずかに生じる可能性がある。そこで、例えば、画面の遷移に時間的マージンを設けることが望ましい。すなわち、画面を切り替える場合、第1の画面Aを段階的に暗くし、第2の画面Bは少し遅れて段階的に暗くする。その後、両者の画面が完全に暗くなった後、上記時間的マージンの経過を待ち、表示内容を切り替え、画面B、画面Aの順で、徐々に映像を明るくする。これにより、ユーザから見て、画面切り替えの違和感を減らすことができる。また、後段のSTBから順に処理を行うことでも違和感を低減できる。例えば、画面Aと画面Bを切り替える場合において、画面AがSTB2、画面BがSTB9である場合、まずSTB1がSTB9に対して、画面切り替えのコマンドを発行する。STB9は、コマンドを受信すると、STB1に対してコマンド受信の応答を返し、画面Bを段階的に暗くする。STB1は、STB9からの応答を受信した後、STB2に対して画面切り替えのコマンドを発行する。STB2は、コマンドを受信すると、STB1に対してコマンド受信の応答を返し、画面Aを段階的に暗くした後、表示内容を切り替え、段階的に明るくする。STB1は、STB2からの応答を受信した後、STB9に対して画面切り替え完了のコマンドを発行する。STB9は、コマンド受信後、STB1に対してコマンド受信の応答を返し、表示内容を切り替え、段階的に明るくする。
【0068】
なお、自装置が再生したコンテンツに係る映像信号は、動画に限らず静止画であってもよい。また、各機器が再生するコンテンツは、映像に限らず、テキスト等も含まれる。自装置が再生するコンテンツがテキストである場合、入力された映像信号に当該テキストをスーパーインポーズすることも、本発明の「コンテンツ再生部が再生したコンテンツを、所定の位置に所定のサイズで、前記映像信号入力部から入力された映像信号に重ね合わせる」ことに該当する。
【0069】
なお、本実施形態では、HDMI規格を用いて、映像信号および制御信号を送受信する例を示したが、HDMIに限らず、他の規格を用いることも可能である。例えば、VGA端子またはDVI端子を用いて映像信号を送受信し、LAN等の他の経路で制御情報を送受信してもよい。
【0070】
また、本実施形態では、映像処理装置の一例としてSTBを示したが、STBの機能をTV等の表示装置に搭載することで、表示装置が本発明の映像処理装置として機能するようにしてもよい。
【0071】
なお、本実施形態では、各STBの入力部(入力端子)が1つであり、出力部(出力端子)が1つである例を示したが、入力部または出力部は、それぞれ1つに限るものではない。例えば表示装置に直接接続されるSTBについては、入力部を2つとしてもよい。この場合においても、他のSTBにおいてサイズ変更を行う処理は自装置のコンテンツに係る映像信号だけである、また、表示装置に直接接続されるSTBにおいても、各入力部から入力された映像信号をそれぞれサイズ変更して合成する処理を行うだけであり、接続されている装置の数に対して、処理を行う映像信号の数は従来よりも少なくなる。