(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1端部は、前記切り離し片が前記一端側から前記他端側に向かって前記箱本体から徐々に切り離されることで前記差し込み片が前記差し込み口から引き抜かれるときに前記箱本体に引っ掛かる部分がない形状である、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の箱。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
本実施形態の箱1は、被包装体(商品など)を内部に収容することで当該被包装体を包装する包装用の紙製箱体である。箱1は、
図1に示す形状の1枚の板紙として形成される。当該1枚の板紙(つまり、展開されている箱1)が組み立てられることで、直方体状の箱1(
図2参照)が組み立てられる。
【0010】
(箱1の構成)
まず、
図1を参照しながら、箱1(
図1に示す、展開されている箱1)の構成を説明する。なお、
図1を見たときの上下左右それぞれを、以下の説明でも「上」、「下」、「左」、「右」として使用する。
【0011】
図1に示す組立前の箱1は、
図1のような輪郭の紙板に、折り曲げ線5A〜5N、線状スリット6、切り込み7、及び、切り離し線8A〜8Cを形成したものである。これらによって、箱1が備える、右側面片11と、正面片12と、左側面片13と、背面片14と、糊代片15と、第1〜第4底面形成片21〜24と、内フラップ31と、第1差し込み片32と、外フラップ35と、第2差し込み片36と、右側フラップ37と、左側フラップ38と、吊下片51と、吊下穴形成片52と、が規定されている。なお、各片や各フラップは、この実施の形態では、平らな平板状である。
【0012】
なお、折り曲げ線5A〜5Nは、それぞれ、箱1を組み立てるときの折り曲げをスムーズにするものであり、筋加工などによって設けられる。切り離し線8Aは、例えば、ミシン目で形成されている。切り離し線8Aは、後述のように折り曲げ線としても機能する。切り離し線8B及び8Cは、例えば、切り離し線8Aよりも切り離しが容易となるように、1つ〜2つの箇所の小領域のみを残して線状スリットを形成して設けられている。切り離し線8B及び8Cに含まれる線状スリットや線状スリット6は、例えば、板紙に切り込みを入れることで設けられる。なお、折り曲げ線5A〜5N、切り離し線8Aは、左右方向に平行である。
【0013】
組立前の箱1では、右から順に、右側面片11、正面片12、左側面片13、背面片14、糊代片15が、折り曲げ線5A〜5Dのいずれかを介して連なっている(一列に繋がっている)。なお、各片11〜14のうちのいずれを最も右にさせるかは任意である。また、糊代片15は、右側に位置してもよい。
【0014】
右側面片11、正面片12、左側面片13、背面片14は、それぞれが矩形ないしほぼ矩形であり、組立後の箱1の4つの側面(直方体の4つの矩形の側面)それぞれを形成する。このように、正面片12、背面片14は、箱1の側面片となっている。
【0015】
正面片12の上端の中央部分(
図1の展開図における正面片12と内フラップとの境界部の中央部分)には、線状スリット6が形成されている。線状スリット6は、左右方向に延びる上辺部6A(正面片12の上辺の中央に位置している)と、上辺部6Aの左端から下方に直線状に延びた縦線部6Bと、上辺部6Aの右端から右下方向に延びてから左下方向に湾曲する湾曲部6Cと、を備える。上辺部6Aは、折り曲げ線5Jよりもわずかに上側に位置する。線状スリット6により、箱1を組み立てたときに、第2差し込み片36が差し込まれる差し込み口S(
図4、詳しくは後述)が形成される。縦線部6Bと、湾曲部6Cとは、第2差し込み片36の差し込みを案内する部分となる。
【0016】
背面片14の形状は、矩形から半円(吊下片51及び吊下穴形成片52の領域)を取り除いた形状となっている。背面片14の幅(左右方向の長さ)及び高さ(上下方向の高さ)は、正面片12とほぼ同じになっている。
【0017】
糊代片15は、箱1の組立時に糊代となる部分であり、箱1の組立時を容易とするために台形形状になっている(矩形とすると、上下辺が組み立ての邪魔になる)。
【0018】
第1〜第4底面形成片21〜24それぞれは、右側面片11、正面片12、左側面片13、背面片14それぞれの下方に位置し、当該片11〜14それぞれと折り曲げ線5E〜5Hそれぞれを介して繋がっている。第1〜第4底面形成片21〜24は、箱1の組立時に組み合わさって、箱1の底面(底)を構成する(
図3、詳しくは後述)。
【0019】
第1底面形成片21は、直角台形部分21Aと、直角台形部分21Aの短辺近傍から右方向(箱体1を組み立てたときの背面片14に向かう方向)に突出した凸部21Bと、を備える。
【0020】
第2底面形成片22は、矩形部分22Aと、矩形部分22Aの下辺から下方(箱体1を組み立てたときの背面片14に向かう方向)に突出した2つの凸部22Bと、を備える。
【0021】
第3底面形成片23は、直角台形部分23Aと、直角台形部分23Aの短辺近傍から左方向(箱体1を組み立てたときの背面片14に向かう方向)に突出した凸部23Bと、を備える。
【0022】
第4底面形成片24は、矩形部分24Aと、矩形部分24Aの下辺から下方(箱体1を組み立てたときの正面片12に向かう方向)に突出した3つの凸部24Bと、を備える。
【0023】
内フラップ31は、正面片12の上方に位置し、正面片12と折り曲げ線5Jを介して繋がっている。内フラップ31は、箱1を組み立てたときに箱1の上部を閉じる。このため、内フラップ31の左右方向の長さ(幅)や上下方向の長さ(箱1を組み立てたときの奥行き)は、各片11〜14に合わせた長さになっている。内フラップ31は、左右方向に長尺なほぼ矩形になっている。
【0024】
第1差し込み片32は、内フラップ31の上方に位置し、内フラップ31と折り曲げ線5Lを介して繋がっている。第1差し込み片32は、箱1の組立時に箱1内部に差し込まれる。この差し込みが容易となるように、従来の箱体と同様に、第1差し込み片32の左右両端の上側が円弧状の曲線となっており、第1差し込み片32の幅が内フラップ31の幅よりも僅かに短くなっている。第1差し込み片32は、左右方向に長尺なほぼ矩形になっている。
【0025】
内フラップ31と第1差し込み片32との境界の左右方向の両端部は、従来の箱体と同様に左右方向に延びる切り込み7が形成されている。
【0026】
吊下片51及び吊下穴形成片52は、背面片14における取り除かれた半円部分に位置し、吊下片51は、切り離し線8Bを介して背面片14に繋がっている。吊下穴形成片52は、切り離し線8Cを介して背面片14に繋がっている。吊下片51は、半円から、略半円形状の吊下穴形成片52を取り除いた略扇形状になっている。吊下片51は、箱1を商品陳列用のフックに吊り下げるためのものであり、吊下穴形成片52は、吊下片51から抜かれて、吊下片51に前記フックを通すための穴55を形成する(
図2参照、詳しくは後述)。
【0027】
外フラップ35は、背面片14、吊下片51、吊下穴形成片52の上方に位置し、外フラップ35は、背面片14と切り離し線8Aを介して繋がり、吊下片51及び吊下穴形成片52と折り曲げ線5Mを介して繋がっている。外フラップ35は、ほぼ矩形状の矩形部35A(点線(仮想線)の左側の部分)と、矩形部35Aの右側の側片から右側に突き出た凸部35B(点線の右側の部分)と、を備える。外フラップ35は、左右方向に長尺な形状であり、箱1を組み立てたときには、内フラップ31を上側から覆う(重なる)。従って、内フラップ31は、箱1の内側の上面(上を向く面)を形成し、外フラップ35は、箱1の外側の上面を形成する(
図2を参照)。
【0028】
第2差し込み片36は、外フラップ35の上方に位置し、折り曲げ線5Nを介して繋がっている。第2差し込み片36は、線状スリット6により形成される差し込み口S(
図4参照、詳しくは後述。)に差し込まれる。第2差し込み片36は、右上端部及び左上端部を円弧状の曲線36C及び曲線36Dにし、折り曲げ線5Nに繋がっている本体36A(点線(仮想線)の右側の部分)と、当該本体36Aから左方向に向かって突き出た鉤形状の爪部36B(点線の左側の部分)と、からなる。特に、第2差し込み片36の右端(本体36Aの右端)は、右側に突出する部分がなく、縦に延びる直線36Eになっている。なお、第2差し込み片36は、外フラップ35よりも幅狭になっている。
【0029】
第2差し込み片36の幅D2は、線状スリット6の幅D1とほぼ同じ(同じであってもよい。)に設定されている。また、第2差し込み片36の本体36Aの幅D4は、ここでは、折り曲げ線5Nと同じ長さであり、上辺部6Aの長さD3(後述の貫通孔S1の幅でもある。)ともほぼ同じに設定されている(長さD3よりも幅D4の方がわずかに短い。)。なお、幅とは、左右方向の長さであり、幅D1、幅D2、幅D4は、最も幅広の部分の長さとする。
【0030】
右側フラップ37及び左側フラップ38それぞれは、右側面片11及び左側面片13それぞれの上方に位置し、右側面片11及び左側面片13それぞれと折り曲げ線5I、5Kを介して繋がっている。右側フラップ37及び左側フラップ38は、箱1を組み立てたときに、内フラップ31の下に位置するようになる。なお、右側フラップ37及び左側フラップ38は、従来の箱体と同様に、矩形から、箱1を組み立てたときの背面片14側の一部を切り欠いた形状になっている。
【0031】
(箱1の組み立て)
次に、箱1の組み立て例を説明する。
図1に示す組立前の箱1(展開された箱1)を折り曲げ線5A〜5Dで直角に山折りする。このとき、糊代片15は、右側面片11の裏側に位置し、糊などによって、右側面片11の裏面(箱1を組み立てたときの内面)に接着される。これによって、上部及び下部が開放された状態の箱1が形成される。
【0032】
その後、第1〜第4底面形成片21〜24それぞれを、折り曲げ線5E〜5Hそれぞれから、箱1の内側に直角に折り曲げて箱1の底面を形成する。
【0033】
ここで、この底面の形成例を、
図3を参照して説明する。なお、
図3(A)は、底面形成時の第1〜第4底面形成片21〜24それぞれの方向を示す。
図3(B)は、第1〜第4底面形成片21〜24を組合せたときの底面を、組立後の箱1の下方から見た図である(
図2の箱1を下方から見た図)。
【0034】
箱1の底面の形成時、まず、第4底面形成片24を、折り曲げ線5Hから箱1の内側に向かって、背面片14に対して直角に折り曲げる。次に、第1底面形成片21及び第3底面形成片23を、折り曲げ線5E及び5Gそれぞれから箱1の内側に向かって、右側面片11及び左側面片13それぞれに対して直角に折り曲げる。このとき、第1底面形成片21の凸部21B及び第3底面形成片21の凸部23Bを第2底面形成片24の矩形部分24Aの内面側(箱1の内側)に入り込ませる。
【0035】
その後、第2底面形成片22を、折り曲げ線5Fから箱1の内側に向かって、正面片12に対して直角に折り曲げる。このとき、凸部22Bそれぞれを第4底面形成片24の矩形部分24Aの内面側(箱1の内側)に入り込ませる。なお、凸部22Bそれぞれの外側の端部は、凸部21B、23Bそれぞれと矩形部分24Aとの間に挟まれる。また、第4底面形成片24の凸部24Bを第2底面形成片22の矩形部分22Aの内面側(箱1の内側)に入り込ませる。
【0036】
以上のような形成手順によって、第1〜第4底面形成片21〜24は組み合わさり、箱1の底面が形成される(
図3(B)参照)。なお、
図3(B)での破線は、組立後の箱1を下側から見たときに実際には見えない線である(
図2、
図5などにおける破線も実際には見えない線である。)。
【0037】
その後、底面が形成された箱1に被包装物を入れて、箱1の上部を閉じる。具体的には、以下のようなことを行う。
【0038】
まず、右側フラップ37を、折り曲げ線5Iから箱1の内側に向かって、右側面片11に対して直角に折り曲げる。また、左側フラップ38も、折り曲げ線5Kから箱1の内側に向かって、左側面片13に対して直角に折り曲げる。
【0039】
その後、第1差し込み片32を、折り曲げ線5Lから箱1の内側(背面片14に向かう方)に向かって、内フラップ31に対して直角に折り曲げる。そして、内フラップ31を、折り曲げ線5Jから箱1の内側に向かって、正面片12に対して直角に折り曲げるとともに、第1差し込み片32を、右側フラップ37及び左側フラップ38と背面片14との間を通して、箱1内部に差し込む。このようにすることで、内フラップ31が箱1の上面を形成することになる。上述のように、内フラップ31は、その寸法が各片11〜14に合わせて形成されているので、内フラップ31は各片11〜14によって構成される箱1の上部の開口を閉じることができる。
【0040】
ところで、線状スリット6の上辺部6Aが折り曲げ線5Jよりも上方に位置しているので(
図1参照)、内フラップ31を折り曲げ線5Jから折り曲げたときには、線上スリット6の囲まれた領域は、そのまま正面片12の一部として残る。従って、内フラップ31は、当該線状スリット6の囲まれた領域(折り曲げ線5Jよりも上の領域)が抜かれた形状となる。そして、この抜かれた部分が貫通孔S1となる(
図4参照)。つまり、内フラップ31は、貫通孔S1を有する。貫通孔S1は、縦線部6B及び湾曲部6Cとともに、第2差し込み片36が差し込まれる差し込み口Sを構成する(
図4参照)。
【0041】
その後、第2差し込み片36を、折り曲げ線5Nから箱1の内側(正面片12に向かう方)に向かって、外フラップ35に対して直角に折り曲げる。そして、外フラップ35を、切り離し線8A及び折り曲げ線5Mから箱1の内側に向かって、背面片14に対して直角に折り曲げるとともに、第2差し込み片36を差し込み口Sに差し込む。貫通孔S1の幅(上辺部6Aの長さに相当する)は、第2差し込み片36の幅D2よりも短いので、第2差し込み片36は、幅D2と同じ幅D1を規定する縦線部6B及び湾曲部6Cに入り込みながら(案内されながら)、差し込み口Sに差し込まれる(
図2、
図5参照)。これによって、外フラップ35は、内フラップ31に重なる。このようなことで、外フラップ35は、箱体1の外側の上面(天面)を形成する。
【0042】
なお、第2差し込み片36は、差し込み口Sに1回差し込まれると、第2差し込み片36と外フラップ35との境界部分(折り曲げ線5Nの周辺領域)が貫通孔S1を通るようになる。上述のように、貫通孔S1の幅D3(上辺部6Aの長さD3に相当する)(
図1、
図4など)は、第2差し込み片36の幅D2よりも短く、第2差し込み片36の本体36Aの幅D4とほぼ同じに設定されている。このため、爪部36Bが正面片12の裏側かつ貫通孔S1の周囲に回り込むようになっている(
図2、
図5参照)。従って、箱1を不正に開封しようとして(例えば、内フラップ31を開けるのと同様の方法で外フラップ35を開けようとして)、第2差し込み片36を差し込み口Sから上方(折り曲げ線5Nに直交する方向)に引き抜こうとすると、爪部36Bが内フラップ31の内面31A(貫通孔S1の周囲)に引っ掛かり(
図5参照)、当該引き抜きはこの引っ掛かりによって阻害される。このため、前記不正な開封によって第2差し込み片36を差し込み口S(特に貫通孔S1)から上方に引き抜くことは、極めて困難となっている(所謂嵌め殺し)。なお、爪部36Bが正面片12の裏側に回り込みやすいように、折り曲げ線5Mから折り曲げ線5Nまでの長さを、右側面片11(又は左側面片13)の幅(箱1の奥行き)よりも短くするとよい。
【0043】
以上のようにして、箱1の上部は、不正な開封(第2差し込み片36の上方への引き抜き)を困難にして閉じられる。これによって、箱1の外観を変化させることなく(例えば、無理に開封しようとすると、外フラップ35などが破れてしまい箱1は破損する)、箱1を再開封して閉じること(箱1の中身へのいたずらのための開封、閉塞など)を防止することができる。このように、爪部36Bは、第2差し込み片36の上方への引き抜きを防止するための嵌め殺し形状となっている。
【0044】
また、吊下片51を切り離し線8Bで背面片14から切り離し、折り曲げ線5Mから箱1の上に折り返す。そして、吊下穴形成片52を切り離し線8Cで吊下片51から切り離すことで穴55を形成する(
図2参照)。この穴55に商品陳列棚などの吊り下げフックを通すことで、箱1は吊下片51により吊り下げられる。なお、吊下片51の上下方向の長さよりも、第1差し込み片32の上下方向の長さを長くするとよい。これによって、吊下片51を折り返しても、当該折り返しによって形成される穴から箱1の内部が見えない。
【0045】
(箱1の開封)
箱1を正規に開封するとき、消費者などは、外フラップ35の凸部35Bをつまんで、
図2、
図6の矢印Xの方向に、外フラップ35を箱本体1A(箱1のうちの、外フラップ35、第2差し込み片36、吊下片51、及び、吊下穴形成片52を除いた部分)から剥がしていく。この実施形態では、これによって、外フラップ35は、切り離し線8Aで、凸部35Bの側から反対側に向かって徐々に切り離されていく。ここで、第2差し込み片36、吊下片51、及び、吊下穴形成片52は、外フラップ35と折り曲げ線5M、5Nで繋がっているので、外フラップ35の切り離しによって、外フラップ35、第2差し込み片36、吊下片51、及び、吊下穴形成片52が一体的に箱本体1Aから切り離される。
図7に切り離し後の外フラップ35などを示す。なお、外フラップ35などが切り離されたあとは、内フラップ31が開け閉め可能な蓋として機能し、箱1の閉塞が保たれる。
【0046】
外フラップ35を箱本体1Aから切り離すとき(上述のように凸部35B側から徐々に切り離すときをいう。以下、同様。)、第2差し込み片36は爪部36Bと内フラップ31の内面31Aとの接触部分を支点として回りながら、差し込み口S(特に貫通口S1)から引き抜かれる(
図6参照)。従って、第2差し込み片36は、外フラップ35の切り離しに伴って、爪部36Bとは反対側の部分(直線36E側の端部)から引き抜かれていく(
図6参照)。なお、このような引き抜きを「正規の引き抜き」ということがある。ここで、この実施の形態では、当該反対側の端が、曲線36Cと直線36Eとから構成されており、第2差し込み片36は本体36Aから右側(
図1における右側、
図5では左側)に突出する部分を有さない。このため、第2差し込み片36の正規の引き抜きにおいて、第2差し込み片36の直線36E側の端部には内フラップ31の内面31Aに引っ掛かる部分がなく、当該正規の引き抜きをスムーズにできる。なお、第2差し込み片36の曲線36Cにより、当該角の部分が直角形状になっているときに比べても、当該正規の引き抜き時の引っ掛かりがなく、第2差し込み片36の正規の引き抜きをスムーズにしている。特に、曲線36Cを
図1の右上方向に膨らむ円弧状としたことで、当該正規の引き抜きをスムーズにしている。
【0047】
この実施の形態に係る箱1は、上記構成によって、開封作業において外フラップ35を剥がすのみ(切り離すのみ)で第2差し込み片36の引き抜きなども行え、開放作業が容易であり、また、第2差し込み片36は外フラップ35から切り離されないので、箱1の開封時に第2差し込み片36が箱1の内部に残留してしまうことを防止できる。
【0048】
また、外フラップ35では、左右方向における一端と他端とを異なる形状としており(上記では、凸部35Bの有無の違いで形状を異ならせている)、これによって、外フラップ35を剥がし始める部分がどちら側であるかや、外フラップ35を剥がす方向などを消費者に分かり易くしている。なお、凸部35Bによって、凸部35Bをつまめるので、外フラップ35の一端がつまみやすくなっており、さらに、凸部35Bが切り離し線8Aと繋がらずに離間していることで、外フラップ35の一端がさらにつまみやすくなっている。
【0049】
(実施形態2)
次に実施形態2について説明する。実施形態1と実施形態2とでは、第2差し込み片の形状が異なるのみで、あとの部分は同じである。以下では、実施形態1と異なる部分を主に説明し、実施形態1と実施形態2とで重複する説明は省略する。
【0050】
実施形態2に係る箱100は、
図8に示す第2差し込み片136を備える。第2差し込み片136は、本体136A(実施形態1の本体36Aに対応し、説明は実施形態1に準じる。
図8では点線(想像線)に挟まれた領域)、爪部136B(実施形態1の爪部36Bに対応し、説明は実施形態1に準じる。
図8では点線より左側の領域)、本体136Aから右側(爪部136Bに向かう方向と反対側)に僅か(0.5mm程度)に突き出した凸部136F(
図8では点線より右側の領域)と、を備える。第2差し込み片136は、実施形態1の第2差し込み片36に凸部136Fを付加したものである。なお、第2差し込み片136の右上端部の曲線136Cは、凸部136Fを付加したことに合わせて実施形態1の曲線36Cとは異なる半径の円弧になっている。
【0051】
凸部136Fにおける上下方向の折り曲げ線5N側(第2差し込み片136を差し込み口Sに差し込んだときの内フラップ31の内面31Aに近い側)の端部は、折り曲げ線5Nの延長線などに対して45度(
図8の傾斜角K=45度)傾斜した傾斜部136Gになっている。また、実施形態2では、第2差し込み片136が実施形態1の第2差し込み片36に凸部136Fを付加したものになっているので、本体136Aと爪部136Bとからなる部分の幅D2(爪部136Bの左端から本体136Aの右端までの左右方向の長さであり、実施形態1の第2差し込み片36の幅D2と同じ。)は、線状スリット6の幅D1と同じになっている。つまり、第2差し込み片136の幅は、凸部136Fの幅D5分だけ、線状スリット6の幅D1よりも長くなっている。このような構成の第2差し込み片136が差し込み口Sに差し込まれたときには、第2差し込み片136が撓んで差し込み口Sに差し込まれる。このとき、凸部136Fは、正面片12の裏側の貫通孔S1の周囲に回り込むことになる。このため、差し込み口Sに差し込まれた第2差し込み片136の傾斜部136Gが内フラップ31の内面31Aの端部(貫通孔S1の縁)と点接触する(紙の厚さは無視する)(
図9参照)。
【0052】
実施形態1では、第2差し込み片36の爪部36Bとは反対側の端部が曲線36Cと直線36Eとで画定されており、当該端部が、内フラップ31の内面31Aに引っ掛かる形状になっていない。このため、外フラップ35の凸部35B側(爪部36Bと反対側)が内フラップ31などから浮き上がってしまい外観上好ましくないことがあるが、前記の点接触(引っ掛かり)により、第2差し込み片136が箱1内部で係止され、当該浮き上がりを防止することができる。
【0053】
箱100の正規の開封方法は、実施形態1と同様であり、消費者などは、外フラップ35を長手方向一端から他端に向けて徐々に箱本体1Aから切り離していく(ここでは、剥がしていく)。このときの第2差し込み片136が引き抜かれる態様(正規の引き抜きの態様)は、実施形態1と同様で、第2差し込み片136は回りながら引き抜かれる(
図6参照)。実施形態2では、差し込み片136に凸部136Fが設けられているが、当該凸部136Fの幅D5は、爪部36Bの幅などに比べて極めて短く設定されており(例えば、0.5mm)、また、凸部136Fにおける、内フラップ31の内面31Aに接触する部分が傾斜部136Gになっていることによって、差し込み片136の正規の引き抜きに際し、内面31Aの貫通孔S1側の端部が傾斜部136Gに対して相対的に摺動するので、箱100の正規の開封による第2差し込み片136の正規の引き抜きに際し、凸部136Fが箱本体に引っ掛かることはなく、当該引き抜きは阻害されない。このように、第2差し込み片136における外フラップ35を切り離し始める方の端部である凸部136Fは、差し込み口Sからの正規の引き抜きを阻害しないようになっている。このため、実施形態2でも、正規の開封による第2差し込み片136の引き抜きがスムーズであり、上記実施形態1と同様の効果を得られる。
【0054】
なお、凸部136Fの幅D5は、箱100に使用されている紙の厚さなどに応じて決定される。紙の厚さが薄いときに幅D5は長くしすぎると、外フラップ35を剥がすことによる第2差し込み片136の引き抜き時に傾斜部136Gの部分と内フラップ31の内面31Aとの接触によって生じる力に外フラップ35が耐えられず、外フラップ35が破れてしまうという不都合がある。例えば、坪量が270g/m2(平米)の場合には、D5は、0.25mm程度がよい。坪量が310g/m2の場合には、D5は、0.5mm程度がよい。なお、坪量が310g/m2以上であっても、D5が0.5mm程度あれば、内フラップ31の浮き上がりを防止できる。また、D5を0.5mmよりも大きくすると、外フラップ35を剥がすことによる第2差し込み片136の引き抜きがスムーズにならないことがある。このため、坪量が310g/m2以上の場合には、D5は約0.5mmであることが望ましい。
【0055】
(箱1、箱100の構成など)
箱1、箱100などは、例えば、以下のような箱とするとよい(下記の構成は、上記した構成の少なくとも一部を一例とするものである。)。なお、下記の構成の形状等は適宜のものを採用できる。
【0056】
(構成1)
差し込み口(例えば、差し込み口S)を有する箱本体(例えば、箱本体1A)と、前記箱本体と切り離し線(例えば、切り離し線8A〜8C)を介して繋がり、前記切り離し線の延びる方向の一端側(例えば、外フラップ35の凸部35B側)から他端側(例えば、凸部35Bの反対側)に向かって徐々に前記箱本体から切り離される切り離し片(例えば、外フラップ35、吊下片51、及び、吊下穴形成片52)と、前記切り離し片に、前記切り離し線と平行な折り曲げ線(例えば、切り離し線とはなっていない折り曲げ線5N)を介して繋がり、当該折り曲げ線から前記切り離し片に対して折り曲げられて前記差し込み口に差し込まれる差し込み片(例えば、第2差し込み片36、136)と、を備え、前記差し込み片の前記一端側の第1端部(例えば、直線36E側の端部、凸部136F)と前記他端側の第2端部(例えば、爪部36B、136B)とのうち前記第2端部のみを、前記折り曲げ線と平行な第1方向に延び、当該差し込み片を前記差し込み口から前記折り曲げ線と直交する第2方向に沿って引き抜こうとしたとき(例えば、不正な開封により第2差し込み片36、136を上方に引き抜こうとしたとき)に前記箱本体に引っ掛かって当該差し込み片の引き抜きを阻害する嵌め殺し形状(例えば、爪部36B、136Bの形状)とした、ことを特徴とする箱。
【0057】
上記実施の形態では、差し込み口Sは、内フラップ31と正面片12とにわたっている。具体的には、内フラップ31が、差し込み後に第2差し込み片36、136のくびれた部分(折り曲げ線5N付近)が通る貫通孔S1を有し、正面片12が、第2差し込み片36、136の差し込みを案内する線状スリット6の縦線部6B及び湾曲部6Cを有する。しかし、上記「差し込み口」は、内フラップ31のみに設けられたり、正面片12のみに設けられたりしてもよい。このような場合であっても、上記「差し込み片」の差し込みを案内する案内部(スリットなど)を設けるとよい。
【0058】
なお、上記「差し込み片」は、少なくとも一部が上記「差し込み口」に差し込まれる形状としてもよい。例えば、差し込み口Sが正面片12のみに設けられる場合(
図1の場合よりも下方に設けられる場合など)、第2差し込み片36、136は、差し込み口Sから箱本体1Aの内側に入り込む部分(爪部36B、136Bなどを含む部分)と、当該入り込む部分と当該入り込む部分と折り曲げ線5Nとを繋ぐ部分(箱1の外側に露出する部分)とを含むようにしてもよい。このような場合、上記「切り離し片」を切り離したあと、上記「差し込み片」を実施形態1などと同様に回転させるようにして引き抜くようにしてもよい。
【0059】
上記「箱」は、立方体形状、六角柱形状、その他の形状であってもよい。上記「箱本体」は、箱1から外フラップ35、第2差し込み片36、136を切り離した、残りの部分などであればよい。なお、吊下片51、及び、吊下穴形成片52などを設けなくてもよく、外フラップ35のみが切り離し線(
図1の左右の切り離し線8Aが繋がった線など)を介して箱本体1Aに繋がってもよい。上記「切り離し片」は、外フラップ35のみであってもよい。
【0060】
上記「嵌め殺し形状」は、上記「差し込み片」を上記「第2方向」(上方など)に沿って引き抜こうとしたときに、上記「箱本体」(上記実施形態では、箱体1Aの内面であり、正面片12や内フラップ31の内面など、どこに引っ掛かるかは差し込み口Sの位置などによる。)に引っ掛かって、当該引き抜きを阻害するものであればよく、その幅(
図1における左右方向に延びる長さ)や形状は適宜変更可能である。なお、上記「嵌め殺し形状」は、前記引き抜き時に上記「差し込み口」の縁に引っ掛かるのではなく、前記引き抜き時に上記「箱本体」における当該縁から離れた位置に少なくとも引っ掛かる形状であることが望ましい。上記「嵌め殺し形状」の上記「第2端部」は、所定の幅(
図1における左右方向に延びる長さ)をもって上記「箱本体」に引っ掛かるものであってもよい。
【0061】
上記「差し込み片」の上記「第1端部」は、例えば、
図10に示すように、直線36E又は136Eを用いずに、曲線36C又は136Cのみで構成するようにしてもよい。また、
図10の曲線36C又は136Cを
図10の左側に傾斜した斜めの直線としてもよい。
図10のように、第2差し込み片36、136の端部を上下方向に延びる直線がない形状にすることで、第2差し込み片36、136の引き抜きをよりスムーズにできる。
【0062】
上記第2差し込み片136の凸部136F(上記「第1端部」の一態様)の形状は変更してもよい。凸部136Fは、箱本体1A(特に、貫通孔S1の縁)に接触することで、凸部136Fが箱本体1A内部に係止される形状であればよい。上記「第1端部」の一態様として、例えば、傾斜部136Gを傾斜角K(
図8)=0の直線部としてもよい。
【0063】
上記「第1端部」の形状は、上記のような「嵌め殺し形状」でなければよい(例えば、実施形態1や2における「第1端部」の形状は、嵌め殺し形状ではない)。嵌め殺し形状でなければ、上記「差し込み片」の正規の引き抜きをある程度スムーズにできる。この際、例えば、多少の引っ掛かりがあって、外フラップ35などが多少破けてもよい(破けないようにした方が見栄えは良くなる。)。また、当該正規の引き抜き時において、例えば、第2差し込み片36、136などが貫通孔S1の縁にあたって、貫通孔S1が多少広がってもよい。
【0064】
上記「第1端部」の形状を、上記「嵌め殺し形状」にしないことによって、上記「第1端部」の形状を上記「嵌め殺し形状」にしたときよりも(つまり、「差し込み片」の両端部を嵌め殺し形状としたときよりも)、上記「箱」の開封作業を容易にするとともに、開封作業にともなって上記「差し込み片」を上記「箱本体」に残留させないようにすることができる。
【0065】
(構成2)
前記第1端部は、前記第1方向に延び、前記差し込み片を前記差し込み口から引き抜こうとしたときに前記嵌め殺し形状よりも弱い力で前記箱本体に引っ掛かる形状である(例えば、凸部136Fの形状参照)、ようにするとよい。
【0066】
このような形状として、例えば、上記「第2端部」の幅(爪部136Bの幅、つまり、幅D2−幅D4の長さ)よりも上記「第1端部」の幅(幅D5)を短くするとよい。また、上記「第1端部」の上記「第2方向」の上記「折り曲げ線」側の一端を傾斜部136Gのような傾斜を有する形状としてもよい。
【0067】
なお、「前記嵌め殺し形状よりも弱い力で前記箱本体に引っ掛かる形状」とは、例えば、上記「差し込み片」の前記第2方向に沿った引き抜きに対する抵抗力が嵌め殺し形状よりも弱い形状や、上記「第1端部」を上記「第2端部」と同形状(嵌め殺し形状)として上記「差し込み片」を正規に引き抜き(上記「切り離し片」を上記「一端側」から上記「他端側」に向かって徐々に切り離すことに伴った上記「差し込み片」の引き抜き)すると仮定したときに上記「差し込み口」から引き抜くのに必要な力(外フラップ35などを引く力)よりも弱い力で上記「差し込み片」を差し込み口Sから正規に引き抜くことができる形状などであればよい(実施形態1や2もこのようになっている)。
【0068】
前記構成では、上記「差し込み片」の正規の引き抜き時において、上記「第1端部」による当該引き抜きを阻害する力が弱いので、上記「第1端部」の形状を上記「嵌め殺し形状」したときよりも、上記「箱」の開封作業を容易にするとともに、開封作業にともなって上記「差し込み片」を上記「箱本体」に残留させないようにすることができる。
【0069】
(構成3)
例えば、前記第2端部(例えば、爪部136B)は、前記差し込み片が前記差し込み口に差し込まれたときに、前記箱本体における前記差し込み口の周囲(例えば、正面片12の裏側であって、内フラップ31における貫通孔S1周囲の領域)に回り込む形状(例えば、貫通孔S1周囲の領域に回り込む爪部136Bの形状)であり、前記第1端部(例えば、凸部136F)は、前記差し込み片が前記差し込み口に差し込まれたときに、前記箱本体における前記差し込み口の周囲(例えば、正面片12の裏側であって、内フラップ31における貫通孔S1周囲の領域)に前記第2端部よりも短い長さだけ回り込む形状(例えば、貫通孔S1周囲の領域にわずかに回り込む凸部136の形状)であり、前記差し込み片が前記差し込み口に差し込まれたときに前記第1端部における前記第2方向の前記折り曲げ線側の一端(例えば、傾斜部136G)が前記箱本体に接触することで、前記第1端部は前記箱本体に係止される(例えば、傾斜部136Gが箱本体1Aの貫通孔S1の縁部分に点接触することで凸部136が係止される)、ようにするとよい。
【0070】
上記「第1端部」における「一端」は、傾斜部136Gのように傾斜していなくてもよく、上記「折り曲げ線」と平行となっていてもよい。
【0071】
前記構成では、上記「差し込み片」の正規の引き抜き時において、上記「第1端部」による当該引き抜きを阻害する力が弱いので、上記「第1端部」の形状を上記「嵌め殺し形状」したときよりも、上記「箱」の開封作業を容易にするとともに、開封作業にともなって上記「差し込み片」を上記「箱本体」に残留させないようにすることができる。さらに、上記の係止によって、上記「切り離し片」の一端側の浮き上がりを防止できる(詳しくは実施形態2参照)。
【0072】
なお、上記構成において、特に、前記第1端部における前記一端は、前記折り曲げ線の延長線に対して傾斜した傾斜部(例えば、傾斜部136G)を有し、前記傾斜部は、前記箱本体に接触することで前記第1端部を前記箱本体に係止する(例えば、傾斜部136Gが箱本体1Aの貫通孔S1の縁部分に点接触することで凸部136が係止される)、ようにするとよい。
【0073】
このようにすることで、上記「差し込み片」の正規の引き抜き時において、上記「傾斜部」が上記「箱本体」に引っ掛からずに摺動でき(上記のように貫通孔S1を押し広げてもよい。)、これによって、上記「差し込み片」の正規の引き抜きをスムーズにして当該引き抜きを容易にできる。
【0074】
なお、上記「傾斜部」の傾斜角(
図8の傾斜角Kなど)は、実施形態2では45度しているが、当該角度は適宜変更できる。例えば、当該傾斜角を、45度未満としてもよいし(この場合、箱本体への係止の力が弱くなる。)、45度よりも大きくしてもよい(この場合、正規の引き抜きに抵抗する力が強くなる)。なお、上記「差し込み片」の正規の引き抜き時には、上記「差し込み片」が回転するように引き抜かれるので(実施形態1及び2参照)、その傾斜角は、45度であることが望ましい(なお、40度〜50度などでもよい)。
【0075】
(構成4)
また、前記第1端部は、前記差し込み片を前記差し込み口から前記第2方向に沿って引き抜こうとしたときに前記箱本体に引っ掛かる部分がない形状(例えば、実施形態1の第2差し込み片36の本体36Aの爪部36Bと反対側の端部の縦線部6Bと湾曲部6Cとからなる形状や
図10の形状)である、ようにするとよい。
【0076】
このようにすることで、上記「差し込み片」の正規の引き抜きをスムーズにして当該引き抜きを容易にできる。
【0077】
(構成5)
前記第1端部は、前記切り離し片が前記一端側から前記他端側に向かって前記箱本体から徐々に切り離されることで前記差し込み片が前記差し込み口から引き抜かれるときに前記箱本体に引っ掛かる部分がない形状である(例えば、実施形態1、2の第2差し込み片36、136の形状参照)、ようにするとよい。
【0078】
「引っ掛かる部分がない」とは、例えば、上記「差し込み片」を正規に引き抜くときに箱本体1Aの内面に引っ掛かる部分がないこと(例えば、上記「差し込み口」の縁から離れた位置での引っ掛かりがない状態)である。上記「引っ掛かる部分がない形状」は、傾斜部136G、曲線36C(
図10の形状も含む)、曲線136C(
図10の形状も含む)などを設けることで実現される。
【0079】
前記構成では、上記「差し込み片」の正規の引き抜きをスムーズにして当該引き抜きを容易にできる。
【0080】
(構成6)
また、前記一端側と前記他端側とを報知する報知手段(例えば、外フラップ35の凸部35B)をさらに設ける、ようにするとよい。
【0081】
上記「報知手段」は、外フラップ35を剥がす方向を報知する印刷表示などであってもよい。なお、外フラップ35の凸部35Bのように、上記「切り離し片」の一端部を凸部とすることで、消費者は上記「切り離し片」をつまみやすく、また、上記「切り離し線」を離間して凸部を設けることで、消費者は上記「切り離し片」をさらにつまみやすくすることができる(切り離しを容易にしている。)。
【0082】
前記構成では、上記「差し込み片」の正規の引き抜き方向を分かりやすくして当該引き抜きを容易にできる。
【0083】
(構成7)
また、前記箱本体は、第1側面片(例えば、背面片14)と、当該第1側面片に対向する第2側面片(例えば、正面片12)と、前記第1側面片と第2の折り曲げ線(例えば、折り曲げ線5J)を介して繋がったフラップ(例えば、内フラップ31)とを有し、前記差し込み口は、少なくとも前記フラップに設けられ、前記切り離し片は、前記第2側面片に前記切り離し線を介して繋がっている、ようにしてもよい。
【0084】
内フラップ31は、箱1の上部を閉口させる形状でなくてもよい。箱1の上部を一部閉口するものでもよい。例えば、
図1において内フラップ31の縦方向の長さを、右側面片11などの横方向の長さの1/2などにしてもよい。
【0085】
(変形例)
本発明は、上記実施の形態に限定されず、上記実施の形態は適宜変更してもよい(任意の構成の削除も含む)。以下に変形例を示すが、当該変形例の少なくとも一部同士を組合せてもよい。なお、本発明に係る箱は、組み立て後の箱でもよいし、
図1に示すような組み立て前の箱でもよい。
【0086】
実施形態2では、第2差し込み片136の幅(幅D5と幅D2との合計の長さ)が差し込み口Sの幅D1よりも長くなっているが、このとき、幅D5(線状スリット6の縦線部6Bから外側(
図9の左側)にはみ出す長さ)を、第2差し込み片136を差し込み口Sに差し込み可能な長さ(第2差し込み片136が撓んで差し込まれることが可能な長さ)に設定するとよい。これによって、第2差し込み片136の正規の引き抜きでも第2差し込み片136が撓んで引き抜かれることが容易となる。
【0087】
折り曲げ線5Mは、ミシン目などの切り離し線であってもよい。