(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域の外縁と、前記第1の目印印刷との間隔が、1.0mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離部付き透明蓋材。
前記複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域の内縁と、前記第2の目印印刷との間隔が、1.0mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離部付き透明蓋材。
第1及び第2の目印印刷を有し、かつ前記第1の目印印刷と前記第2の目印印刷との間に少なくとも1本の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剥離部付き透明蓋材。
請求項1〜7のいずれか一項に記載の剥離部付き透明蓋材を容器に接着させた後に、前記容器のフランジ部と前記第1の及び/又は第2の目印印刷との位置関係を確認することによって、前記容器と前記剥離きっかけ用内層ハーフカットラインとの位置関係を判断することを含む、蓋材付容器の検査方法。
【背景技術】
【0002】
剥離部付き蓋材は、外層及び外層に剥離可能に積層されている内層の少なくとも2層を含む積層体で構成されている。剥離部付き蓋材では、通常、外層と内層との界面に、易剥離性層を設けること等により、これらを剥離しやすいようにしており、外層の少なくとも一部(剥離部)を剥離することで、内層を表出させることができる。
【0003】
図1に示すように、剥離部付き蓋材においては、内層(3)側から、内層(3)の深さ及び随意に易剥離性層(2)の深さまで切り込み(剥離きっかけ用内層ハーフカットライン)(4)を刻設することで、剥離用タブ(5)を形成し、この剥離用タブ(5)を剥離きっかけとして用いて、外層(1)を内層(3)から剥離することができる。この剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(4)の深さは、易剥離性層(2)を貫通するまで、又は易剥離性層(2)の途中まででよい。
【0004】
また、内層側から開口用内層ハーフカットラインを刻設して、内層側にハーフカットラインによる閉じた輪郭の領域を形成することで、外層を剥離する際に、開口用内層ハーフカットラインによる閉じた輪郭の領域を、外層と共に除去し、これにより開口部を表出させることができる。
【0005】
なお、外層又は内層、及び随意に易剥離性層(剥離層)の深さまで切り込みを入れることをハーフカットというのに対して、積層体全体にわたって切断することを、フルカットという。
【0006】
例えば、
図2に、容器を密封している通常の剥離部付き蓋材を示す。固体及び/又は液体を内容物として含む蓋材付容器では、外層及び外層に剥離可能に積層している内層からなる蓋材(100a、100b)が、容器のフランジ部(52)と、その内層の接着部で接着して、内容物を密封している。ここで、内層には、外層の剥離のきっかけとなるための剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)、及び開口部を形成するための開口用内層ハーフカットライン(44)が刻設されている。
【0007】
この蓋材付容器を開封する場合には、蓋材(100a)の剥離用タブ(20)をつまんで、まず外層を剥離する。剥離用タブ(20)は、内層に存在する剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)によって内層の他の領域とは区切られているため、剥離用タブ(20)をつまんで外層を容易に剥離することができる。
【0008】
外層を剥離すると、開口用内層ハーフカットライン(44)で囲まれた領域である開口部(44a)の内層が、外層に随伴して内層側から除去される。その結果、
図2(b)に示すように、外層を剥離した蓋材付容器には、開口部(44a)が現れる。これによれば例えば、蓋材付容器に固形物及び液体の両方が入っている場合に、液体のみを捨て、固形物を蓋材付容器内に残すことができる。その後、固形物を蓋材付容器から取り出すためには、蓋材の周縁をつまんで、内層をさらに剥離することができる。この内層の剥離のため、例えば剥離用タブと反対側に開封用タブを設けることもある。
【0009】
しかし、このような構成の場合、
図3(a)に示すように、剥離用タブ(20)を画定する剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)は、容器(50)のフランジ部(52)上に位置しないように(すなわち、ハーフカットライン(42)が接着部と重ならないように)、かつ容器(50)のフランジ部(52)から大きく外側に外れないように、ヒートシール位置を高い精度で調節する必要がある。
【0010】
これに関して、
図3(b)のように剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が、容器(50)のフランジ部(52)上に位置してしまうと、蓋材(100)と容器(50)のフランジ部(52)とをヒートシールする際に、剥離用タブ(20)の内層(40b)が容器(50)のフランジ部(52)に溶着し、剥離用タブ(20)を掴んで蓋材(100)の外層(30)を剥がそうとしても、容易に剥がれないという、いわゆる「裏溶着」の課題が生じる。
【0011】
一方で、
図3(c)に示されるように、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が、ヒートシールの端部よりも大きく外側にあると、蓋材(100)の本体部分(10)における内層(40a)からの外層(30)の剥離の際に、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)に力が掛かり難く、したがって内層(40a)からの外層(30)の剥離が難しくなることがあった。
【0012】
このような裏溶着等の課題を解消するために、特許文献1では、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインを設けた蓋材を開示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
《剥離部付き透明蓋材》
本発明の剥離部付き透明蓋材(200a)は、
図5に示すように、本体部分(10)及び本体部分(10)の周縁から突出している少なくとも1つの剥離用タブ(20)を有する。また、本発明の剥離部付き透明蓋材は、外層及び内層の積層体で構成されており、かつ外層は、少なくとも本体部分(10)において、内層から剥離可能である。また、内層及び/又は外層は、印刷を有する。更に、内層は、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)を有する。
【0021】
本発明の剥離部付き透明蓋材は、内層及び/又は外層には、第1の目印印刷及び/又は第2の目印印刷が存在している。例えば、
図5に示すように、本発明の剥離部付き透明蓋材の第1の実施態様(200a)においては、内層及び/又は外層には、第1の目印印刷(32)及び第2の目印印刷(34)が存在している。
【0022】
第1の目印印刷(32)は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)の相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が存在し得る領域の外縁であって、蓋材の中心側の外縁を画定する目印印刷である。
【0023】
また、第2の目印印刷(34)は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)の相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が確実に存在する領域の内縁であって、蓋材の中心側の内縁を画定する目印印刷である。
【0024】
ここで、「許容誤差」は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の、予定された位置に対する誤差の許容範囲を意味する。この予定された位置からの誤差は、印刷機及びハーフカットラインを刻設する機器の精度によって生じ得るものであり、許容範囲は、当業者により知られた方法により制御することができる。
【0025】
許容誤差は、0.5mm以上、0.6mm以上、又は0.7mm以上であることができ、また2.0mm以下、1.7mm以下、又は1.5mm以下であることができる。
【0026】
これらの目印印刷と、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが刻設されている領域との関係を、
図6を参照して説明する。
【0027】
図6(a)は、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が予定された位置に刻設された場合における、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)と第1及び第2の目印印刷(32、34)との位置関係を示す。
【0028】
図6(b)は、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が刻設された位置が、許容誤差(72a)の範囲内において第1の目印印刷(32)側に最も大きくずれた場合における、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)と第1及び第2の目印印刷(32、34)との位置関係を示す。
【0029】
図6(c)は、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が刻設された位置が、許容誤差(72b)の範囲内において第2の目印(34)側に最も大きくずれた場合における、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)と第1及び第2の目印印刷(32、34)との位置関係を示す。
【0030】
図6(a)〜(c)に示すように、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)の相対位置の許容誤差(72a、72b)を考慮したときに、2つの領域、より具体的には、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が存在し得る領域(70)、及び互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が確実に存在する領域(74)が存在することが理解されよう。
【0031】
次に、これらの目印印刷と、これらの領域の縁との位置関係を、
図7を参照して説明する。
【0032】
図7に示すように、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域(70)は、蓋材の中心側の縁(70a)及び外周側の縁(70b)を有する。また、同様に剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域(74)も、蓋材の中心側の縁(74a)及び外周側の縁(74b)を有する。
【0033】
第1の目印印刷(32)は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域(70)の外側から、当該領域の蓋材の中心側の縁(70a)を画定する目印印刷である。すなわち、第1の目印印刷(32)は、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域(70)の外縁であって、蓋材の中心側の外縁を画定する目印印刷である。
【0034】
また、第2の目印印刷(34)は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域(74)の内側から、当該領域の蓋材の中心側の縁(74a)を画定する目印印刷である。すなわち、第2の目印印刷(34)は、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域(74)の内縁であって、蓋材の中心側の内縁を画定する目印印刷である。
【0035】
したがって、
図5で示すように、第1の目印印刷(32)と第2の目印印刷(34)との間には、少なくとも1本の剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が存在することになる。
【0036】
本発明の剥離部付き透明蓋材に第1及び/又は第2の目印印刷が形成されていることにより、透明な蓋材を通してこれらの目印印刷と容器のフランジ部との位置関係を判断し、それによって、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインと容器のフランジ部との位置関係を判断することができる。
【0037】
ここで、本発明における「透明」とは、当業者が目視により容器フランジの輪郭が確認できる程度に透明であることを言うものである。すなわち、本発明の透明蓋材は、必ずしも無色透明である必要はなく、有色透明であってもよい。
【0038】
この場合、例えば
図8を参照して更に詳細に説明するように、位置関係の判断において、下記の場合に、蓋材と容器との接着の位置が許容不可であると判断することにより、目視等によって容易に合否判断ができる:
(i)第1の目印印刷の少なくとも一部が、フランジ部の内縁よりも中心側にある場合、及び/又は
(ii)第2の目印印刷の全体が、フランジ部の外縁よりも外周側にある場合。
【0039】
図8は、容器に接着させた状態の本発明の蓋材を示している。
図8(a)は、容器が剥離用タブ(20)側にずれた結果、第1の目印印刷(32)の少なくとも一部が容器のフランジ部(52)の内縁よりも内側に存在している状態で接着された、本発明の剥離部付き透明蓋材(200b)を示している。また、
図8(b)は、容器が剥離用タブ(20)と反対側にずれた結果、第2の目印印刷(34)全体が容器のフランジ部(52)の外縁よりも外側に存在している状態で接着された、本発明の剥離部付き透明蓋材(200c)を示している。
【0040】
図8(a)に示すように、第1の目印印刷(32)の少なくとも一部が、容器のフランジ部(52)の内縁よりも中心側にある場合、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)の少なくとも一部がフランジ部(52)の内縁よりも中心側に存在する可能性が生ずることとなり、このハーフカットラインを介して内容物が容器外部に漏れる可能性が生ずることとなるため、不合格品と判定することができる。
【0041】
これに対し、
図8(b)に示すように、第2の目印印刷(34)全体が容器のフランジ部(52)の外縁よりも外周側にある場合、剥離きっかけ用内層ハーフカットライン(42)が必ずしもフランジ部(52)の外縁付近に存在しないこととなり、外層の剥離が困難となる可能性が生ずることとなるため、不合格品と判定することができる。
【0042】
また、
図9に示すように、本発明の剥離部付き透明蓋材の第2の実施態様(300)においては、随意の開封用タブ(60)を有していてもよい。
【0043】
以下では、本発明の剥離部付き透明蓋材の各構成要素について説明する。
【0044】
〈本体部分〉
蓋材の本体部分は、蓋材の主たる部分である。
【0045】
蓋材の本体部分は、容器の少なくとも一部分と接合されて、容器の開口部を覆うことができる。例えば、剥離部付き蓋材で封をされた容器を製造するために、蓋材の本体部分の内層側を容器のフランジ部とシールすることができる。
【0046】
蓋材の本体部分と容器との接着は、例えば、熱溶融法、接着剤法、機械的結束法、好ましくは熱溶融法、特にヒートシール法によって行うことができる。
【0047】
内容物を含む容器と蓋材とを接合して蓋付容器を製造した後に、蓋付容器から内容物を取り出すために、蓋材の本体部分は、容器から取り外されることができる。
【0048】
蓋材の本体部分は、任意の形状であってよく、一般に容器の形状に合わせることができる。例えば、本体部分の形状としては、略円形、略四角形、楕円形、平行四辺形、角丸長方形、卵形、三角形、五角形以上の多角形などが挙げられ、一般に、ハンドリング性及び製造プロセスの簡易性を考慮して、円形、楕円形、正方形、長方形、角丸正方形、角丸長方形、卵形などが好ましい。
【0049】
〈剥離用タブ〉
剥離用タブは、本体部分において外層を内層から剥離するために、蓋材の少なくとも一部分を摘み易くするための要素であり、蓋材の本体部分の周縁から突出している。また、剥離用タブは、剥離用の、つまみ、摘み片、摘み部、突出部、突出片、ツメ、プルタブ、プルトップと呼ばれることもある。
【0050】
より詳細には、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインにより画定されている剥離用タブを摘まんで引き上げることによって、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインを境に、蓋材の外層を内層から剥離することができる。
【0051】
〈開封用タブ〉
開封用タブは、容器に接合されている内層を容器から剥離するために、蓋材の少なくとも一部分を摘み易くするための随意の要素であり、剥離用タブと同様に、蓋材の本体部分の周縁から突出している。開封用タブは、内層、又は内層及び外層の積層体で構成されている。また、開封用タブは、開封用の、つまみ、摘み片、摘み部、突出部、突出片、ツメ、プルタブ、プルトップと呼ばれることもある。
【0052】
〈積層体〉
本発明の剥離部付き透明蓋材を構成する積層体は、外層及び内層の積層体である。外層は、少なくとも本体部分において、内層から剥離可能である。外層と内層とを互いに剥離可能とするため、外層と内層との間に、易剥離性層を設けてもよい。
【0053】
また、この内層及び/又は外層は、印刷を有することができる。
【0054】
(印刷)
印刷としては、下記に示す第1及び第2の目印印刷に加え、例えば絵柄、ロゴ、バーコード等が挙げられる。
【0055】
(外層)
蓋材の外層は、蓋材が容器に取り付けられたときに、蓋付容器の最外層となる層である。また、外層は、蓋材の内層に積層接着され、その後に内層から剥離されることができる。
【0056】
例えば、外層は、内層に積層されることにより蓋付容器の最外層となる。また、剥離用タブを摘んで引き上げることにより、外層を内層から剥離させることができる。
【0057】
外層は、単層構造、又は複数の層が積層されている多層構造を有してよい。
【0058】
外層としては、透明なフィルムを使用することができ、例えば熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ナイロンフィルム(Ny)などを、単独で又は組み合わせて使用してよい。また、外層は、透明であれば上記以外の樹脂層、接着剤層、無機物蒸着フィルム層等を含んでもよい。更に、外層は、印刷層を含んでもよい。これらのフィルムには、表面を変性し又は表面を粗面化することによって接着性を向上させる目的で、コロナ処理をすることができる。
【0059】
所望により、外層にハーフカットラインを形成してもよい。その場合、ハーフカットラインが、外層及び内層の積層方向において、外層を直線状、点線状等に貫通するようにして、外層はハーフカットラインを形成するための刃を受け入れることができる。
【0060】
外層の厚さは、限定されるものではないが、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上で、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下とすることができる。
【0061】
(内層)
蓋材の内層は、蓋材が容器に取り付けられたときに、最内層となる層である。
【0062】
また、内層は、蓋材の外層と積層され、その後に外層を剥離させることができる。さらに、ハーフカットラインが、外層及び内層の積層方向において、内層の一部又は全体を貫通するようにして、内層はハーフカットラインを形成するための刃を受け入れることができる。
【0063】
特に、本発明の剥離部付き透明蓋材においては、内層は、下記に示す剥離きっかけ用内層ハーフカットライン、及び随意の開口用内層ハーフカットラインを有する。
【0064】
例えば、蓋材の内層は、容器のフランジ部と直接接合されることにより、蓋付容器の蓋材の最内層になる。
【0065】
内層は、単層構造、又は複数の層が積層されている多層構造を有してよい。
【0066】
内層としては、透明である限り、例えば市販のフィルム、押出し樹脂等を適宜用いることが可能である。例えば、フィルムであれば、熱可塑性樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ナイロンフィルム(Ny)等を、単独で又は組み合わせて使用してよい。押出し樹脂であれば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)等を、単独で又は組み合わせて使用してよい。
【0067】
また、内層は、透明であれば上記以外の樹脂層、接着剤層、無機物蒸着フィルム層等を含んでもよい。更に、内層は、印刷層を含んでもよい。これらのフィルムには、表面を変性し又は表面を粗面化することによって接着性を向上させる目的で、コロナ処理をすることができる。
【0068】
内層は、蓋材の最内層となる側にシーラント層を有していてもよい。シーラント層は、蓋材によって封止すべき容器と蓋材とをヒートシールするための層である。シーラント層の材料は、封止すべき容器の材質によって選択され、例えば、LDPE、LLDPE、PP、エチレン−メタクリル酸コポリマー(EMAA)、エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー等の樹脂でよい。これらの樹脂は、例えば、延伸又は無延伸フィルム、押出積層用の溶融樹脂、ホットメルト用の塗料等の形態で与えることができる。
【0069】
特に好ましいのは、組成の異なる樹脂を混合し、海−島構造を付与したシーラントや、シーラント層を複層にして開封時に層間剥離となるシーラントなど、易剥離性を付与したイージーピールシーラントである。
【0070】
内層の厚さは、例えば150μm以下、100μm以下、80μm以下、又は60μm以下とすることができ、また20μm以上、30μm、又は40μm以上とすることができる。
【0071】
(易剥離性層)
外層と内層とを互いに剥離可能とするため、外層と内層との間に設けられる随意の層である。
【0072】
易剥離性層は、易剥離性樹脂層であってもよく、外層と内層とを剥離する部分に剥離ニス等を塗布することで形成した層でもよく、これらを組み合わせた層でもよい。
【0073】
易剥離性樹脂層に用いる易剥離性樹脂としては、ポリオレフィンに、環状オレフィンコポリマー(COC)を所定の比率で混合した樹脂であることが好ましい。
【0074】
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプ口ピレン樹脂等が挙げられ、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。LDPEとしては、例えば、東ソー株式会社製の商品名「ペトロセン」、旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名「サンテック」等が挙げられる。
【0075】
ポリオレフィンのMFR(Melt Flow Rate)は、JIS K7210に準拠し、温度190℃/荷重2.16kgの条件の下で測定した場合、0.01g/10分以上、0.1g/10分以上、又は1.0g/10分以上であってよく、また60g/10分以下、20g/10分以下、又は10g/10分以下であってよい。
【0076】
ポリオレフィンの密度は、0.89g/cm
3以上であってよく、また、この密度は、0.94g/cm
3以下であってよい。
【0077】
環状オレフィンコポリマー(COC)とは、α−オレフィンと環状オレフィンとを、へキサン、へプタン、オクタン、シクロへキサン、べンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中で、いわゆるチーグラー触媒、メタロセン触媒などの触媒を調合することにより得ることができる共重合体をいう。このような共重合体としては、例えば、三井化学株式会社製の商品名「アペル」などが挙げられる。
【0078】
COCのMFRは、JIS K7210に準拠し、温度190℃/荷重2.16kgの条件の下で測定した場合、0.1g/10分以上、1.0g/10分以上、又は2.0g/10分以上であってよく、また、このMFRは、温度190℃のとき、40g/10分以下、20g/10分以下、又は10g/10分以下であってよい。
【0079】
易剥離性樹脂層は、LDPEとCOCとの混合比率を変えることにより、界面剥離強度を調整することができる。易剥離性樹脂中のCOCの含有量は、1質量%以上、又は3質量%以上であってよく、また、この含有量は、24質量%以下又は10質量%以下であってよい。このような範囲であれば、COCの含有により、内層又は外層と易剥離性樹脂層との界面剥離が容易になり、かつ両者の剥離強度の制御が容易になるため好ましい。
【0080】
易剥離性樹脂層の厚さは、剥離する層との接着性及び剥離性を両立させるために、例えば10μm以上、又は15μm以上であってよく、また40μm以下、又は25μm以下であってよい。
【0081】
また、易剥離性層は、ニトロセルロース樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、若しくはこれらの混合物、又は水性ニス、油性ニス、紫外線硬化型ニス等であってもよい。
【0082】
剥離ニスは、易剥離性樹脂とワックスの混合物であることがより好ましい。混合物中のワックスの含有率は、混合物の質量を基準として、20質量%以上であってよく、また85質量%以下であってよい。このような範囲である場合、剥離ニス層と隣接している他の層のピッキングを防ぐことができ、かつ剥離ニス層の層間剥離を防ぐことができるので好ましい。
【0083】
〈ハーフカットライン〉
ハーフカットラインは、蓋材の表面から蓋材の厚さ未満の深さで形成された切り込みである。
【0084】
例えば、ハーフカットラインは、蓋材の表面にカッターなどの切断機を入れることにより、形成されることができる。また、ハーフカットラインは、蓋材の内層側及び/又は外層側に形成されることができる。
【0085】
例えば、内層側のハーフカットラインは、蓋材の内層の表面から、内層の少なくとも一部分又は全てを貫通する深さまで刻設されている。
【0086】
内層側のハーフカットラインは、蓋材の内層の厚さ方向において、内層の少なくとも一部分又は全てを貫通する深さで刻設されている。したがって、内層ハーフカットラインの深さは、蓋材の内層の厚さと概ね等しい。
【0087】
例えば、蓋材の外層と内層の間に易剥離性樹脂層を配置するときには、内層側のハーフカットラインは、内層の表面から易剥離性樹脂層に達する深さまで形成することができる。この場合には、内層と易剥離性樹脂層との界面で外層を剥離することができる。また、内層側のハーフカットラインは、内層の表面から易剥離性樹脂層を貫通するまで形成することができる。この場合には、外層と易剥離性樹脂層との界面で外層を剥離することができる。
【0088】
例えば、蓋材の外層と内層の間に剥離ニス層を部分的に配置するときには、内層側のハーフカットラインは、内層の表面から剥離ニス層に達する深さまで形成されることができる。
【0089】
(剥離きっかけ用内層ハーフカットライン)
剥離きっかけ用内層ハーフカットラインは、剥離のきっかけとなるためのハーフカットラインである。特に、本発明の剥離部付き透明蓋材においては、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインは、内層の本体部分と剥離用タブとの間に、互いに略平行で複数本存在している。
【0090】
剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの間隔は、外層を容易に剥離する観点から、0.5mm以上、又は0.6mm以上であり、かつ1.0mm以下、又は0.9mm以下であることが好ましい。
【0091】
この複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが刻設されている領域の、ハーフカットラインと垂直な方向の幅は、容器のフランジ部の幅の70%以上、80%以上、又は90%以上であることができ、また容器のフランジ部の幅の130%以下、120%以下、又は110%以下であることができる。
【0092】
(開口用内層ハーフカットライン)
開口用内層ハーフカットラインは、開口を画定するための随意のハーフカットラインである。
【0093】
ここで、「開口」は、内部の液体を排出し、又は内部と外気を流通させること等ができる構成を意味するものであり、例えば孔であってもよく、開口用内層ハーフカットラインによって内層に画定された領域であってもよく、メッシュ状の部分であってもよく、気体透過性の高いフィルム等であってもよい。「開口」は、内部と外部との間に流通性を与えることができれば特に限定されない。
【0094】
〈目印印刷〉
目印印刷は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在する領域を示す目印印刷である。特に、本発明の剥離部付き透明蓋材は、第1及び/又は第2の目印印刷を有する。
【0095】
本発明の剥離部付き透明蓋材が、第1及び第2の目印印刷を有する場合、これらの目印印刷の間隔は、許容誤差の200%以上、210%以上、又は220%以上であることができ、また許容誤差の300%以下、270%以下、又は250%以下であることができる。また、この間隔は、フランジ部の幅の20%以上、25%以上、又は30%以上であることができ、またフランジ部の幅の90%以下、85%以下、又は80%以下であることができる。
【0096】
〈第1の目印印刷〉
第1の目印印刷は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域の外縁であって、蓋材の中心側の外縁を画定する目印印刷である。
【0097】
第1の目印印刷は、例えば直線状、点線状、又は破線状であることができる。
【0098】
第1の目印印刷が直線状である場合、この直線の幅は、視認性の観点から、0.10mm以上、0.15mm以上、又は0.20mm以上であることができ、また0.40mm以下、0.35mm以下、又は0.30mm以下であることができる。
【0099】
許容誤差を考慮したときに、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域の外縁と、第1の目印印刷との間隔は、1.0mm以下、0.7mm以下、又は0.5mm以下であることができる。
【0100】
〈第2の目印印刷〉
第2の目印印刷は、印刷に対する剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの相対位置の許容誤差を考慮したときに、互いに略平行である複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域の内縁であって、蓋材の中心側の内縁を画定する目印印刷である。
【0101】
第2の目印印刷は、例えば直線状、点線状、又は破線状であることができる。
【0102】
第2の目印印刷が直線状である場合、この直線の幅は、視認性の観点から、0.10mm以上、0.15mm以上、又は0.20mm以上であることができ、また0.40mm以下、0.35mm以下、又は0.30mm以下であることができる。
【0103】
許容誤差を考慮したときに、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域の内縁と、第2の目印印刷との間隔は、1.0mm以下、0.7mm以下、又は0.5mm以下であることができる。
【0104】
《透明蓋材形成用積層体》
本発明の透明蓋材形成用積層体(600)は、
図10に示すように、複数の上記の透明蓋材(400)、及びこれら複数の蓋材の間の余剰部(500)を有する。
【0105】
透明蓋材形成用積層体は、例えば複数の上記の透明蓋材を有するロール状、又はシート状の積層体であることができる。この積層体の層構成としては、剥離部付き透明蓋材に関して挙げた層構成であることができる。
【0106】
《剥離部付き透明蓋材の製造方法》
剥離部付き透明蓋材は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
外層又は内層に、第1の及び/又は第2の目印印刷を含む印刷を形成する印刷工程;
外層及び内層を積層して、積層体を得る積層工程;
積層体の内層側から剥離きっかけ用内層ハーフカットラインを含むハーフカットラインを刻設するハーフカットライン刻設工程;及び
積層体を蓋状にする成形工程。
【0107】
印刷工程は、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷等の印刷方法により行うことができる。
【0108】
積層工程は、例えば、サンドラミネートやバックラミネートなどの押出しラミネート、ドライラミネートなどにより行うことができる。
【0109】
積層工程では、外層及び内層を個別に形成してから、外層及び内層を積層してよい。この場合、外層と内層の間に、剥離ニスを部分的に塗布することによって、積層体を得ることが好ましい。
【0110】
また、積層工程では、複数の層を順次積層して、最終的に外層及び内層を含む層構成を得てもよい。
【0111】
ハーフカットライン刻設方法は、例えば、ロータリーダイカッター、レーザー光照射などが挙げられる。
【0112】
成形工程は、外層及び内層を含む積層体を蓋の形状に切断するか、又は打ち抜くことにより行うことができる。所望により、積層体をロール又はシートの形態で得るために、成形工程を省略してもよい。
【0113】
《蓋材付容器の検査方法》
本発明の蓋材付容器の検査方法は、上記の透明蓋材を容器に接着させた後に、容器のフランジ部と第1の及び/又は第2の目印印刷との位置関係を確認することによって、容器と剥離きっかけ用内層ハーフカットラインとの位置関係を判断することを含む。
【0114】
〈蓋材付容器〉
蓋材付容器は、上記の透明蓋材で封をされている。特に、蓋材付容器は、本発明の透明蓋材の本体部分と、容器のフランジ部とをシールすること、特にヒートシールすることにより得られる。
【0115】
蓋材付容器は、容器から透明蓋材の外層を剥離すること、及びその後、内層を含む透明蓋材の残部を容器から除去して、容器を完全に開封することができる。
【0116】
(容器)
容器は、開口部を有し、かつ開口部に物を入れることができる器である。また、容器の開口部は、蓋材により密封することができる。
【0117】
容器は、例えば、容器の開口部の周縁に、蓋材を結合させるために使用されるフランジ部分を有していてもよい。また、フランジ部には、蓋材との結合を促進するために、接着剤などの結合促進剤が配置されていてもよい。
【0118】
容器には、固体、液体、気体、ゲルなどの内容物を収納することができる。例えば、飲料、即席麺、やきそば、パスタ、みつ豆、くずきり、ところてん、杏仁豆腐などの食料品;化学薬品、化粧品、洗剤、芳香剤、医薬品などの物品;空気、酸素などのガス状物質を容器に収納することができる。
【0119】
容器の材料は、容器の内容物に応じて、任意に選択することができる。
【0120】
例えば、容器の内容物が容器から染み出さないようにするために、容器は、内容物に対して不透過性を有する材料で形成されることができる。より詳細には、容器は、ポリプロピレンなどの樹脂から形成されてよい。
【0121】
〈位置関係の確認〉
位置関係の確認は、例えば目視、コンピューターによる画像解析により行うことができる。
【0122】
この位置関係の判断においては、下記の場合に、蓋材と容器との接着の位置が許容不可であると判断することができる:
(i)第1の目印印刷の少なくとも一部が、フランジ部の内縁よりも中心側にある場合、及び/又は
(ii)第2の目印印刷の全体が、フランジ部の外縁よりも外周側にある場合。
【実施例】
【0123】
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0124】
以下に示される材料を用意した:
Nyフィルム(1)(厚さ:15μm): スーパーニールE、三菱樹脂株式会社
PETフィルム(厚さ:12μm): PTMB、ユニチカ株式会社
Nyフィルム(2)(厚さ:15μm): サントニールSNR−W、三菱樹脂株式会社
剥離ニス:ポリコートP−91、DICグラフィックス社製
Nyフィルム(3)(厚さ:15μm): サントニールSNR−W、三菱樹脂株式会社
シーラントフィルム(厚さ:30μm): E1901T、DIC株式会社
ドライラミネート接着剤: タケラックA−620/タケネートA−65、三井化学株式会社
【0125】
この実施例で得た積層体は、Nyフィルム(1)(厚さ:15μm)//PETフィルム(厚さ:12μm)//Nyフィルム(2)(厚さ:15μm)//(剥離ニス)Nyフィルム(3)(厚さ:15μm)(柄印刷)//シーラントフィルム(厚さ:30μm)という層構成(ただし、「//」はドライラミネート接着剤を表す)を有していた。この積層体のうち、Nyフィルム(1)(厚さ:15μm)//PETフィルム(厚さ:12μm)//Nyフィルム(2)(厚さ:15μm)が透明蓋材の外層を構成しており、かつ残りの層が積層体の内層を構成している。
【0126】
以下のようにして、
図5に示すような剥離部付き透明蓋材が接着された、蓋材付容器を製造した:
1.Nyフィルム(3)層の一方の面に、メッシュ状に剥離ニスを塗布し、他方の面に、第1及び第2の目印印刷を含んだ柄の印刷を施して、層aを作製した。第1及び第2の目印印刷は、剥離用タブの基部位置に、幅0.3mmの直線として印刷した。第1の目印印刷と第2の目印印刷との間隔は、2.1mmであった。
2.Nyフィルム(1)とPETフィルムとを、ドライラミネート接着剤を介して接着して、層bを作製した。接着剤の塗布量は、3g/m
2とした。
3.層bとNyフィルム(2)とを、ドライラミネート接着剤を介して接着して、層cを作製した。接着剤の塗布量は、3g/m
2とした。
4.層cと層aとをドライラミネート接着剤を介して接着して、層dを作製した。接着剤の塗布量は、3g/m
2として、層c側に塗布した。
5.層dとシーラントフィルムとをドライラミネート接着剤を介して接着して、透明蓋材形成用積層体eを作製した。接着剤の塗布量は、3g/m
2とした。
6.ロータリーダイカッターで、蓋材の全抜き刃の高さよりも低いハーフカット刃により、剥離ニス層を貫通するように、透明蓋材形成用積層体eのシーラント側をハーフカットして、互いに略平行な複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインを形成した。許容誤差は0.85mmとし、剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの刻設領域は6.4mmとした。
剥離きっかけ用内層ハーフカットラインの刻設間隔は0.80mmとした。
7.透明蓋材形成用積層体eのシーラント側と、容器のフランジ部とをヒートシールし、そして透明蓋材形成用積層体eを、剥離部付き透明蓋材の形状に打ち抜いた。剥離部付き透明蓋材の外径は、φ98であった。
【0127】
ここで、本実施例において用いた容器の詳細は以下のとおりであった:
容器材質:PP/EVOH/PP
容器高さ:52.8mm
容器内径:80.1mm
容器外径:93.5mm
容器フランジ幅:6.7mm
容器容量(満注充填時):160cc
【0128】
また、許容誤差を考慮したときに、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが存在し得る領域の外縁であって、蓋材の中心側の外縁と、第1の目印印刷との間隔は、0.2mmであった。更に、許容誤差を考慮したときに、複数の剥離きっかけ用内層ハーフカットラインが確実に存在する領域の内縁であって、蓋材の中心側の内縁と、第2の目印印刷との間隔は、0.2mmであった。
【0129】
ここまで種々の実施態様を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者は、特許請求の範囲に定義された特許の範囲から逸脱することなく、本発明を様々に変更して実施をすることができるということが当然に理解されよう。