(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6516719
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】エレベーターのプログラム書換えシステム及びプログラム書換え方法
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20190513BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20190513BHJP
B66B 5/02 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
B66B3/00 S
B66B5/00 G
B66B5/02 H
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-252171(P2016-252171)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-104136(P2018-104136A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 明彦
【審査官】
有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−273730(JP,A)
【文献】
特開2008−265926(JP,A)
【文献】
特開2016−190720(JP,A)
【文献】
特開2006−264877(JP,A)
【文献】
特開2007−001734(JP,A)
【文献】
特開平11−102294(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/057192(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00─ 3/02
B66B 5/00─ 5/28
B66B 1/00─ 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最新のプログラムが保存されたプログラム送信センターと、前記プログラム送信センターから公衆回線網を介して前記プログラムを受信して保存する遠隔監視装置と、前記遠隔監視装置から前記プログラムを受信して保存し、前記遠隔監視装置からのプログラム書換え指示に基づいて前記プログラムを書換えるエレベーターとを備え、
前記エレベーターは、前記エレベーターの電源オフを記憶する停電フラグを有しており、前記遠隔監視装置からの前記プログラム書換え指示があったとき、前記停電フラグの状況に基づいて前記プログラムの書換えを行うエレベーターのプログラム書換えシステムであって、
前記遠隔監視装置は、前記プログラム書換え指示の前に、前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認して、正常であると判断された場合、前記停電フラグをオフし、
前記エレベーターは、前記遠隔監視装置から前記プログラム書換え指示があり、前記停電フラグがオフである場合、前記プログラムの書換えを行う
ことを特徴とするエレベーターのプログラム書換えシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーターのプログラム書換えシステムであって、
前記遠隔監視装置は、
前記プログラム送信センターから前記プログラムを受信するときに、プログラム確認用の少なくとも一つのチェックデータを受信し、
前記プログラム書換え指示の前に、前記チェックデータに基づいて前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認する
ことを特徴とするエレベーターのプログラム書換えシステム。
【請求項3】
最新のプログラムが保存されたプログラム送信センターと、前記プログラム送信センターから公衆回線網を介して前記プログラムを受信して保存する遠隔監視装置と、前記遠隔監視装置から前記プログラムを受信して保存し、前記遠隔監視装置からのプログラム書換え指示に基づいて前記プログラムを書換えるエレベーターとを備えたエレベーターのプログラム書換えシステムのプログラム書換え方法であって、
前記遠隔監視装置は、前記プログラム書換え指示の前に、前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認して、正常であると判断された場合、前記エレベーターの電源オフを記憶する停電フラグをオフし、
前記エレベーターは、前記遠隔監視装置から前記プログラム書換え指示があり、前記停電フラグがオフである場合、前記プログラムの書換えを行う
ことを特徴とするプログラム書換え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターのプログラム書換えシステム及びプログラム書換え方法に関し、特に、遠隔地からエレベーターにプログラムを送信して、エレベーターにおいてプログラムの書換えを行うエレベーターのプログラム書換えシステム及びプログラム書換え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターでは、機能向上のために、エレベーターの動作を制御するプログラムの書換え、いわゆるプログラム更新が行われる。このプログラムの書換えは、遠隔地にある監視センターからの遠隔通信によりエレベーターにプログラムが送信されて行われる。
【0003】
プログラムを書き換える方式には、エレベーターへのプログラムの送信及びプログラムの書換えを一括して行うフルオート方式と、エレベーターにプログラムの送信のみを行い、プログラムの書換えを保守用端末からの指示において行うセミオート方式とがある。フルオート方式のプログラムの書換えに関しては、例えば、特許文献1、2に記載されている。
【0004】
特に、特許文献1には、遠隔通信によるプログラム更新中に何らかの異常が発生した場合、書き換えられるプログラムの内容を確認して、書換えが正常に行われているか確認することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5083890号公報
【特許文献2】特開2008−273730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フルオート方式では、夜間や、各種センサの検出結果により乗客の利用がない時間帯を判断してプログラムの書換えが自動的に行われる。しかし、遠隔地の監視センターから、エレベーターにおける利用状況を確実に判断することは困難である。
【0007】
一方、セミオート方式では、保守作業員がエレベーターの近傍に行って、エレベーターの利用状況の確認後、プログラムの書換えを行うのでフルオート方式に比べて安全性が高い。
【0008】
ところが、保守作業員がエレベーターにおいてプログラムの書換えを行う場合、エレベーターの停電フラグがオンしていると、プログラムの書換えを行うことができない。停電フラグとは、エレベーターの電源がオフされたことを記憶するものであり、例えば、停電発生や保守作業員が誤って電源オフした場合にオンして、電源オフされたことを記憶する。停電フラグがオンしていると、プログラムの受信中に停電が発生した可能性があり、この場合にはプログラムが正常に受信できていない可能性がある。このため、停電フラグがオンしている場合には、プログラムの書換えが行えないようになっている。
【0009】
そこで、本発明では、セミオート方式において停電フラグがオンしている場合でも、プログラムの書換えを行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のエレベーターのプログラム書換えシステムは、最新のプログラムが保存されたプログラム送信センターと、前記プログラム送信センターから公衆回線網を介して前記プログラムを受信して保存する遠隔監視装置と、前記遠隔監視装置から前記プログラムを受信して保存し、前記遠隔監視装置からのプログラム書換え指示に基づいて前記プログラムを書換えるエレベーターとを備え、前記エレベーターは、前記エレベーターの電源オフを記憶する停電フラグを有しており、前記遠隔監視装置からの前記プログラム書換え指示があったとき、前記停電フラグの状況に基づいて前記プログラムの書換えを行うエレベーターのプログラム書換えシステムであって、前記遠隔監視装置は、前記プログラム書換え指示の前に、前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認して、正常であると判断された場合、前記停電フラグをオフし、前記エレベーターは、前記遠隔監視装置から前記プログラム書換え指示があり、前記停電フラグがオフである場合、前記プログラムの書換えを行うことを特徴とする。
【0011】
また、前記遠隔監視装置は、前記プログラム送信センターから前記プログラムを受信するときに、プログラム確認用の少なくとも一つのチェックデータを受信し、前記プログラム書換え指示の前に、前記チェックデータに基づいて前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のエレベーターのプログラム書換え方法は、最新のプログラムが保存されたプログラム送信センターと、前記プログラム送信センターから公衆回線網を介して前記プログラムを受信して保存する遠隔監視装置と、前記遠隔監視装置から前記プログラムを受信して保存し、前記遠隔監視装置からのプログラム書換え指示に基づいて前記プログラムを書換えるエレベーターとを備えたエレベーターのプログラム書換えシステムのプログラム書換え方法であって、前記遠隔監視装置は、前記プログラム書換え指示の前に、前記エレベーターに保存されている前記プログラムが正常であるかを確認して、正常であると判断された場合、前記エレベーターの電源オフを記憶する停電フラグをオフし、前記エレベーターは、前記遠隔監視装置から前記プログラム書換え指示があり、前記停電フラグがオフである場合、前記プログラムの書換えを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、セミオート方式において停電フラグがオンしている場合でも、プログラムの書換えを行うことができる。このため、安全性を確保しつつ、プログラムの書換えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るエレベーターのプログラム書換えシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】プログラム書換えシステムにおけるプログラム送信シーケンス図である。
【
図3】遠隔監視装置における処理を示すフローチャートである。
【
図4】プログラム書換えシステムにおけるプログラム書換えシーケンス図である。
【
図5】エレベーターにおける処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、プログラム書換えシステム100は、エレベーター10と、エレベーター10に接続されている遠隔監視装置20と、遠隔監視装置20に公衆回線網Nを介して接続されており、エレベーター10の運転制御を行う最新のプログラムを有するプログラム送信センター30と、遠隔監視装置20に接続可能であり、遠隔監視装置20を介してエレベーター10のプログラムの書換え指示を行う保守用端末40とを備えている。プログラム書換えシステム100は、プログラム送信センター30が保存している最新のプログラムを遠隔監視装置20を介してエレベーター10に送信する。
【0016】
エレベーター10は、運転制御を行う制御装置11を備えており、この制御装置11は、遠隔監視装置20と通信を行う通信部12と、エレベーター10の運転を制御する制御部13と、プログラムや運転中の各種情報を保存する記憶部14とを備えている。さらに、記憶部14は、エレベーター運転時に使用するプログラムが保存される実行メモリ14aと、書換え用のプログラムを一時的に保存するための書換用メモリ14bと、プログラム書換え時に一時的にプログラムを保存するバックアップメモリ14cと、エレベーター10の電源オフを記憶する停電フラグ14dとを有している。
【0017】
遠隔監視装置20は、エレベーター10の制御装置11の近傍に配置されている。遠隔監視装置20は、エレベーター10及びプログラム送信センター30と通信を行う通信部21と、エレベーター10にプログラムの書換え指示を行うとともに、エレベーター10に保存されているプログラムが正常であるかを確認する制御部22と、プログラムが正常であるかを確認するための第1のチェックデータメモリ23a、第2のチェックデータメモリ23bを記憶する記憶部23とを備えている。
【0018】
プログラム送信センター30は、遠隔監視装置20と公衆回線網Nを介して通信を行う通信部31と、最新のプログラムを保存するプログラムメモリ32aを有する記憶部32とを備えている。また、プログラム送信センター30は、公衆回線網Nを介して複数のエレベーター10に接続している。
【0019】
保守用端末40は保守作業員が使用するものであり、遠隔監視装置20に接続される。保守作業員は、エレベーター10に行き、保守用端末40から遠隔監視装置20を介してエレベーター10にプログラムの書換えの指示を行う。
【0020】
次に、
図2、3を参照して、プログラム送信センター30からエレベーター10へのプログラムの送信について説明する。本実施形態では、セミオート方式により、プログラム送信センター30からエレベーター10にプログラムを送信している。すなわち、エレベーター10へのプログラムの送信は自動的に行い、エレベーター10へのプログラムの書換えは、保守作業員がエレベーター10に行き、保守用端末40から、エレベーター10に書換えを指示することによって行う。
【0021】
セミオート方式は、保守作業員がエレベーター10において安全性を確認した上で、プログラムの書換えを行うので、フルオート方式に比べて安全性が高い。なお、保守作業員がエレベーター10において、プログラムの書換えのほかにプログラムの書き込みも行うことが考えられるが、エレベーター10の書換用メモリ14bにプログラムを書き込むには、保守作業員がプログラムの書き込み作業を行う必要があり、この作業に手間がかかるので、プログラムの送信(書き込み)を遠隔地のプログラム送信センター30から行うことにより作業性を向上することができる。
【0022】
図2において、プログラム送信センター30においてエレベーター10の最新のプログラムが準備されると、プログラム送信センター30から遠隔監視装置20に対して、プログラムを送信することを伝える。遠隔監視装置20は、プログラム送信センター30に対して、プログラムの受信準備が整っていることを伝える。
【0023】
続いて、プログラム送信センター30から遠隔監視装置20に対してプログラムが送信される。このプログラムは、遠隔監視装置20を介してエレベーター10に転送されて、エレベーター10の書換用メモリ14bに保存される。
【0024】
また、プログラム送信センター30から遠隔監視装置20に対して、プログラムの内容が正常であるかを確認するための第1のチェックデータと第2のチェックデータが送信される。第1のチェックデータ及び第2のチェックデータは、遠隔監視装置20の第1のチェックデータメモリ23a及び第2のチェックデータメモリ23bにそれぞれ保存される。第1のチェックデータと第2のチェックデータとは同じ内容であり、いわゆる、チェックサムデータである。第1のチェックデータのみでもよいが、このチェックデータは複数使用することが好ましい。
【0025】
次に、
図3において、遠隔監視装置20の制御について説明する。
図3のフローチャートのステップS10において、プログラム送信センター30からのプログラム送信要求の受信の有無を確認する。プログラム送信センター30からのプログラム送信要求がある場合(Yes)、ステップS11に進み、プログラム送信要求がない場合(No)、フローチャートを終了する。
【0026】
ステップS11では、プログラム送信センター30にプログラム送信を了承することを返信して、プログラム送信センター30からプログラムを受信する。また、受信したプログラムをエレベーター10に転送してステップS12に進む。
【0027】
ステップS12では、エレベーター10へのプログラム転送後に、プログラム送信センター30から第1、2のチェックデータを受信して、第1のチェックデータメモリ23a及び第2のチェックデータメモリ23bにそれぞれ保存してステップS13に進む。
【0028】
ステップS13では、停電フラグがオンしているか確認する。停電フラグがオンしている場合(Yes)、ステップS14に進み、停電フラグがオンしていない場合(No)、フローチャートを終了する。
【0029】
ステップS14では、書換用メモリ14bにプログラムが保存されているか確認する。書換用メモリ14bにプログラムが保存されている場合(Yes)、ステップS15に進み、書換用メモリ14bにプログラムが保存されていない場合(No)、ステップS11に戻り、再度プログラムを受信して転送する。
【0030】
ステップS15では第1、2のチェックデータを比較してステップS16に進み、ステップS16では、第1、2のチェックデータが同一であるかを確認する。第1、2のチェックデータが同一である場合(Yes)、ステップS17に進み、第1、2のチェックデータが同一でない場合(No)、何らかの要因によりプログラム送信センター30から受信したプログラムや第1、2のチェックデータが破損している可能性があるため、ステップS11に戻り、再度プログラム第1、2のチェックデータを受信する。
【0031】
ステップS17では、第1のチェックデータに基づいて、書換用メモリ14bに保存されているプログラムが正常であるかを確認する。具体的には、ステップS18において、第1のチェックデータのチェックサムを用いて書換用メモリ14bのプログラムが正常であるかを確認し、書換用メモリ14bのプログラムが正常である場合(Yes)、ステップS19に進み、書換用メモリ14bのプログラムが正常でない場合(No)、何らかの要因によりプログラム送信センター30から受信したプログラムや第1、2のチェックデータが破損している可能性があるため、ステップS11に戻り、再度プログラムや第1、2のチェックデータを受信する。
【0032】
ステップS19では、停電フラグがオンしているが、プログラムが正常であることが確認されたので停電フラグをオフして、フローチャートを終了する。
【0033】
次に、
図4、5を参照して、エレベーター10におけるプログラムの書換えについて説明する。
図4において、エレベーター10のプログラム書換えを行う場合、保守作業員はエレベーター10に行き、保守用端末40から遠隔監視装置20を介してエレベーター10にプログラムの書換えを指示する。
【0034】
エレベーター10は、プログラムの書換え指示を受信すると、実行メモリ14aに保存されている現在使用のプログラムを、バックアップメモリ14cに保存する。次に、書換用メモリ14bに保存されているプログラムを、実行メモリ14aに保存する。そして、エレベーター10を再起動する。エレベーター10の再起動が正常に完了すると、書換用メモリ14bのプログラムを消去する。
【0035】
このプログラムの書換え制御を、
図5のフローチャートを参照して説明する。ステップS30において、エレベーター10にプログラムの書換えを指示する。この指示は、保守作業員が、保守用端末40を持ってエレベーター10において行う。保守作業員が保守用端末40を遠隔監視装置20に接続し、保守用端末40から遠隔監視装置20にプログラムの書換えを指示する。遠隔監視装置20は、この指示を受信すると、エレベーター10に対してプログラムの書換えを指示して、ステップS31に進む。
【0036】
ステップS31では、停電フラグの状態と、書換用メモリ14bにプログラムが保存されているかを確認する。停電フラグがオフであり、かつ、書換用メモリ14bにプログラムが保存されている場合(Yes)、ステップS32に進む。一方、何れか一方の条件を満たしていない場合(No)、ステップS30に戻り、プログラムが再転送されることや停電フラグがオフになることを待機する。
【0037】
ステップS32では、実行メモリ14aに保存されている現在使用のプログラムを、バックアップメモリ14cに保存(コピー)してステップS33に進む。
【0038】
ステップS33では、書換用メモリ14bに保存されているプログラムを、実行メモリ14aに保存(コピー)してステップS34に進む。
【0039】
ステップS34ではエレベーター10を再起動してステップS35に進む。ステップS35では、エレベーター10が正常に再起動したか確認する。エレベーター10が正常に再起動した場合(Yes)、ステップS36に進み、書換用メモリ14bに保存されているプログラムを消去してフローチャートを終了する。
【0040】
一方、エレベーター10が正常に再起動しない場合(No)、ステップS37に進み、バックアップメモリ14cに保存されているプログラムを実行メモリ14aに保存(コピー)してステップS34に戻る。
【0041】
このように、セミオート方式におけるプログラム書換え時において、停電フラグがオンしていても、書換用メモリ14bに保存されているプログラムが正常であると確認された場合には停電フラグをオフするので、プログラムの書換えを行うことができる。その結果、安全性を確保しつつ、プログラムの書換えを行うことができる。
【0042】
また、プログラムの保存中に停電が発生したとしても、プログラムの書換えを行う前に、プログラムが正常であるかを確認するので、プログラムの異常を防ぐことができる。
仮に、プログラムに異常が発生しても、バックアップメモリ14cに保存されている正常なプログラムを使用可能であるので、エレベーター10が起動できない状態を防ぐことができる。
【0043】
なお、プログラムが正常に保存されていることが確認された場合、プログラムをエレベーター10の書換用メモリ14bに保存するときに、停電フラグをオフしているが、プログラムの書換え時に停電フラグをオフしてもよい。このようにすることによって、例えば、保守作業員が、プログラムの書換え前に誤ってエレベーター10の電源をオフしても、書換え時には停電フラグはオフされるので、プログラムの書換えを行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
10 エレベーター、11 制御装置、12,21,31 通信部、13,22 制御部、14,23,32 記憶部、14a 実行メモリ、14b 書換用メモリ、14c バックアップメモリ、14d 停電フラグ、20 遠隔監視装置、23a 第1のチェックデータメモリ、23b 第2のチェックデータメモリ、30 プログラム送信センター、32a プログラムメモリ、40 保守用端末、100 プログラム書換えシステム、N 公衆回線網。