特許第6516757号(P6516757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6516757
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】一体型バッテリを備えたワークピース
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20190513BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190513BHJP
   A61N 1/30 20060101ALI20190513BHJP
   A61N 2/00 20060101ALI20190513BHJP
   A46B 13/02 20060101ALI20190513BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20190513BHJP
【FI】
   A61N5/06 Z
   H01M2/10 U
   A61N1/30
   A61N2/00
   A46B13/02
   H01M8/12
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-544093(P2016-544093)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公表番号】特表2017-503582(P2017-503582A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】US2014063221
(87)【国際公開番号】WO2015102744
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2017年7月18日
(31)【優先権主張番号】14/144,035
(32)【優先日】2013年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】グレッツ, ジョセフ, ダブリュー
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−223717(JP,A)
【文献】 特表2008−539882(JP,A)
【文献】 特表2010−509900(JP,A)
【文献】 特開平06−315413(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0262581(US,A1)
【文献】 特開2005−124893(JP,A)
【文献】 米国特許第06879818(US,B2)
【文献】 特開2006−081842(JP,A)
【文献】 特表2015−518748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/30
A61N 2/00
A61N 5/06
A46B 13/02
H01M 2/10
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無動力器具とともに使用されるワークピースであって、
ハウジングと、
当該ハウジングに備えられるバッテリと、
処置アプリケータと、
前記ハウジングに備えられる電気的接続部とを有し、
当該電気的接続部は、前記無動力器具と電気的に接続され、前記バッテリから前記無動力器具に電力を供給するように構成される、ワークピース。
【請求項2】
前記ハウジングに対して移動可能な処置デバイスをさらに備え、当該処置デバイスが処置アプリケータを備える、請求項1に記載のワークピース。
【請求項3】
前記処置アプリケータが1以上の毛束を有する、請求項1に記載のワークピース。
【請求項4】
前記ワークピースが、光処置、音処置、熱処置、磁気処置、高周波処置、イオントフォレーシス、フォノフォレシスからなる群より選択される処置を施すよう構成される、請求項3に記載のワークピース。
【請求項5】
前記処置アプリケータが、光処置、音処置、熱処置、磁気処置、高周波処置、イオントフォレーシス、フォノフォレシスからなる群より選択される処置を施すよう構成される、請求項1に記載のワークピース。
【請求項6】
前記ハウジングに備えられる発熱装置をさらに備え、当該発熱装置はバッテリとは別個のものである、請求項1に記載のワークピース。
【請求項7】
前記バッテリは、燃料電池、キャパシタ、コンデンサ、1以上のリチウムイオン(Li−ion)電池、1以上のアルカリ電池、1以上のニッケルカドミウム(NiCd)電池、1以上のニッケル水素(NiMH)電池、1以上の鉛蓄電池からなる群から選択されるものである、請求項1に記載のワークピース。
【請求項8】
前記バッテリは、前記処置アプリケータによる少なくとも1つの処置のための電力容量で構成される、請求項1に記載のワークピース。
【請求項9】
前記バッテリは、前記ワークピースの推奨交換時期に依存する電力容量で構成される、請求項1に記載のワークピース。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のスキンケア機器は、典型的には、パーソナルケア器具に取り付けられる処置ワークピースを有している。パーソナルケア器具は、複数回の処置にわたって装置に電力を供給する一体型の充電式バッテリを有する。このバッテリは、常に器具のハンドルに内蔵され、恒久的に密閉されている。そのため、充電式バッテリが消耗した場合、充電器等による充電が必要であった。
【発明の概要】
【0002】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する概念の選択を、簡略化した形態として紹介するために提供される。本概要は、特許請求する発明の要旨の主要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定する補助として使用することを意図するものでもない。
【0003】
本願の一態様によれば、無動力器具とともに使用されるワークピースが提供される。ワークピースは、ハウジングと、ハウジングに備えられるバッテリと、処置アプリケータと、ハウジングに備えられる電気的接続部とを有する。いくつかの実施形態において、電気的接続部は無動力器具と電気的に接続され、無動力器具に電力を供給する。
【0004】
本願の他の一態様によれば、装置が提供される。装置は、駆動モータと電気的ワークピース接続部を有する無動力器具と、当該無動力器具に選択的に取り付けられるワークピースとを備える。いくつかの実施形態において、ワークピースは、処置アプリケータと、バッテリと、電気的接続部とを有しており、バッテリから駆動モータに電力を供給するためワークピースが無動力器具に取り付けられた際に、電気的接続部が電気的ワークピース接続部と接続されるよう構成される。
【0005】
本願の他の一態様によれば、システムが提供される。システムは充電器を有しており、充電器は、ワークピースを選択的に取り付けるワークピース接続部と、コンセントから電力を受け取るコンセント接続部と、当該コンセント接続部に接続される電気的ワークピース接続部とを有する。また、システムは充電器に選択的に取り付けられるワークピースを有する。いくつかの実施形態において、ワークピースは、処置アプリケータと、バッテリと、当該バッテリと接続される電気的接続部とを有する。電気的接続部は、充電器により充電するためワークピースが充電器に取り付けられた際に、充電器の電気的ワークピース接続部と接続されるよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
上述の態様及び本願の技術的特徴に付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて参照することによって一層理解されるであろう。
【0007】
図1】パーソナルケア器具の一例と、このパーソナルケア器具から分離されたワークピースの一例を示す斜視図であり、共に本願の態様に従って形成されたものである。
図2A図1のワークピースの正面図である。
図2B図1のワークピースの背面図である。
図3図2A及び図2Bのワークピースの電気的構成要素の一例を示すブロック図である。
図4図1のパーソナルケア器具の一例を示すブロック図である。
図5図1のワークピースを充電するのに適した、本願の態様に係る充電器の一例を示す斜視図である。
図6図5の充電器の電気的構成要素の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願において開示される発明の主題の様々な実施形態の説明として、添付の図面を参照して、以下に詳細な説明を示す。図面において、同一の符号は同一の要素であることを意味する。なお、以下の説明は、唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。本願で説明する各実施形態は、実施例又は例示としてのみ提供され、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。また、本明細書で提供される例示的な実施例は、網羅的であることを意図するものではなく、特許請求の範囲を開示された厳密な形態に限定するものでもない。
【0009】
以下の説明は、パーソナルケアに関連する装置、より具体的には、バッテリなどの電源を組み込んだ処置ワークピースの例を示す。この処置ワークピースの例は、モータを備えたパーソナルケア器具に選択的に取り付けられるよう構成されるが、パーソナルケア器具自体は無動力とされる(以下、無動力器具と呼ぶ)。以下でより詳細に説明するように、本願の処置ワークピースは、無動力器具を取り付けることで、無動力器具に電力を供給する。また、処置ワークピース及び無動力器具の実施形態は、皮膚洗浄、マッサージ、又は被処置者の皮膚の角質除去などの処置のために、例えば振動、往復運動動及び/又は回転運動を提供することを目的とする。処置ワークピース及び無動力器具の他の実施形態は、例えば、光、音、熱、磁気又は高周波処置、イオントフォレーシス、フォノフォレシスを追加的又は代替的に提供することを目的とするが、これは少数を例示するにすぎない。
【0010】
処置ワークピースに関連して、本願のいくつかの例を以下に説明するが、本願の態様は幅広い用途を有し、したがって、処置を行わないタイプのワークピースを含む他の多くのワークピースとの使用に適している。そのため、以下に示す説明及び図面は、本質的に例示とみなすべきであり、本願で請求される発明の主題の範囲を限定するものではない。
【0011】
以下において詳細に説明するように、本願で開示されるワークピースの例では、電源がパーソナルケア器具内に設けられる代わりに、ワークピースのハウジングと一体化された充電式又は非充電式バッテリが提供される。いくつかの実施形態において、ワークピースは、バッテリが取り外し可能でも交換可能でもないように構成される。いくつかの実施形態において、バッテリは、ワークピースが少なくとも1回使用できるだけの容量を有し、急速充電(例えば、3分以内)が可能である。これらの実施形態及び他の実施形態では、ワークピースはバッテリの充電サイクルが寿命を迎えた際に簡単に交換できるようになっている。他の実施形態では、バッテリは非充電式かつ大容量とされ、その容量はワークピースの推奨交換時期に対応する容量(例えば、90日)とされる。
【0012】
本明細書中で使用される場合、バッテリは電気エネルギーを蓄積する装置、蓄積されたエネルギーを電気エネルギーに変換する装置、電気エネルギーを発生させる装置の少なくとも1つを含むが、これらに限定されるものではない。他の例において、バッテリの用語は、従来のアルカリ電池、ニッケル - カドミウム(NiCd)電池、ニッケル水素(NiMH)電池、又はリチウムイオン(Li−ion)電池等の乾電池や、従来の鉛蓄電池等の湿電池を含み、これらは、蓄えられる化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。また、他の例では、バッテリの用語は、燃料(例えば、水素)と酸化剤との化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池を含む。さらに、バッテリの用語は、単一セルのみではなく複数セルの電池を含み、これは、同一のハウジングに配置されるか別々のハウジングに配置されるかにかかわらない。
【0013】
これも以下において詳細に説明するが、本願の実施形態は、ワークピースのバッテリを充電するため、ワークピース及び壁コンセント等の主電源と接続される充電器を含む。いくつかの実施形態において、充電器は電気コンセントに直接接続される。また、バッテリ充電のために、主電源の電力をワークピースに送り、ワークピースを充電器に物理的に取り付けるため、充電器は、ソケット又は他の適当な機械的及び電気的接続部を備える。以下にさらに詳細に説明するように、バッテリの充電に伴ってワークピースの乾燥を行うことも可能である。
【0014】
以下の説明においては、多数の具体的な詳細が、本願の1つ又は複数の実施形態の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、当業者にとって、具体的な詳細の一部全てが記載されていなくとも、本願の多くの実施形態が実施可能であることは明らかである。また、本発明の実施形態は、本明細書に記載の特徴と任意に組み合わせることができる。
【0015】
図1には、一般的な符号20として、本願の態様に係る処置ワークピースの一例が示されている。ワークピース20は、器具68のような無動力器具とともに使用するのに適している。図1図2A及び図2Bに示すように、ワークピース20は外部ハウジング24を有し、外部ハウジング24はバッテリ28及び処置デバイス30を有する。処置デバイス30は、第一端(つまり内側端)32が直接又は間接的に器具68と面するよう構成され、また、いくつかの実施形態では、器具68に対して移動可能に構成される。これらの実施形態における処置デバイス30の動作としては、振動、往復運動、回転運動、楕円運動又は軌道運動が挙げられるが、これらに限定されるものではない。図示の実施形態では、処置デバイス30は一般的な円筒形の本体を有しているが、その形状は、例えば三角形、楕円形、耳たぶのような形状、正方形等の他の形状であっても良い。ハウジング24及び処置デバイス30の1つ以上の構成要素は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンなどのプラスチックから構成することができるが、アルミニウム、チタンなどの軽量金属等、他の材料を利用することも可能である。
【0016】
処置デバイス30はまた、第一端(つまり内側端)32とは反対側に配置された処置アプリケータ40を有する。本実施形態では、処置アプリケータ40は複数の毛束44により形成される。毛束44は互いに離間し、複数(例えば、40本〜180本)の毛46を有する。言うまでもなく、処置タイプ及び処置を行わないタイプの他の装置やアプリケータも本願の特許請求の範囲に含まれる。処置デバイスは、バッテリ28から供給される電力により、1以上の処置、例えば、光、音、熱、磁気又は高周波処置、イオントフォレーシス、フォノフォレシス等、さらにこれらの組み合わせた処置を施すよう構成される。いくつかの実施形態において、処置デバイスは、1以上の処置機能を有する複数の毛束を組み合わせることもできる。処置機能としては例えば、光、音、熱、磁気又は高周波処置、イオントフォレーシス、フォノフォレシス等が挙げられるが、これらに限られるものではない。他の実施形態では、アプリケータは複数の毛束を含み、ハウジングは、バッテリ28から供給される電力により上述した処置のうちの1つ以上を提供できる1以上の処置デバイスを備える。
【0017】
また、図1に示すように、ワークピース20は、モータを備えた無動力器具(例えば、器具68)へ電力を適切に供給するためのバッテリ28を有している。いくつかの実施形態では、バッテリ28は、ワークピース20及びこれに付属する器具68が少なくとも1回最後まで使用できるだけの十分なエネルギーを提供するよう構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ワークピース20はブラシヘッドであり、バッテリ28は少なくとも2分以上のブラシ時間のあいだ1.5アンペアの平均電流を供給できるよう構成される。そのため、このような実施形態のバッテリ28は、約50mAh以上の容量を有する。バッテリ28はまた、急速充電(例えば180秒以内)ができるよう構成される。本願の実施形態で実施可能なバッテリの一例は、ターニジー社(Turnigy)のリチウムイオンバッテリN130.1S.25V1である。このバッテリは、130mAhの容量を有し、放電率は最大25C、充電率は最大15Cである。
【0018】
バッテリ28の特性(例えば、容量、放電率、充電率等)は、ワークピースの用途に応じて選択することができることが理解されよう。したがって、例えば使用時間の長いものに対しては大容量のバッテリ、高トルクが必要なものに対しては高放電率のバッテリが用いられる。
【0019】
本願の一態様によれば、ワークピース20は、例えば90回以上の処置を行うことの可能な容量のバッテリを備える。このような実施形態では、バッテリ28は固体酸化物形燃料電池(SOFC)のような燃料電池とされる。ワークピースに使用することができる燃料電池の一例は、リリピュシャンシステムズ社(Lilliputian Systems, Inc)から市販されている。いくつかの実施形態では、燃料電池は、非充電式であっても良い。これらの実施形態及び他の実施形態では、燃料電池の容量は処置アプリケータの交換時期と対応するものが選択される。例えば、汚れやメイクの蓄積、ブラシ毛の傷みなどにより、ブラシ毛を有するワークピースの推奨交換時期は約90日とされる。したがって、燃料電池の容量は、90回×2分の使用に耐えるものが選択される。燃料電池のエネルギーがなくなった後は、ワークピース20は、容量が満タン又はそれに近い燃料電池を有する新しいワークピースと交換することができる。
【0020】
ワークピース20は、図2Bに示すように、ハウジング24の背面側に電気的接続部52をさらに有する。いくつかの実施形態では、電気的接続部52は、第1導電性接触子80A及び第2導電性接触子80Bをさらに有する。他の実施形態では、電気的接続部52は電磁結合を有する。いずれの形態においても、電気的接続部52は、ワークピース20が協働する器具又は充電器に取り付けられた際に、これらが備える電気的ワークピース接続部と結合するよう構成される。他の適当な電気的接続部も、本願の実施形態において実施できることを理解されたい。
【0021】
ワークピース20は、器具68と物理的に結合するための機械的接続部60をさらに有する。本願の実施形態においては、器具68のようなパーソナルケア器具にワークピース20を選択的に取り付けるため、任意の適当な機械的接続部が選択される。このような機械的接続部は、工具あり又は工具なしの方法によりワークピース20をパーソナルケア器具に取り付け、(1)処置デバイス30に動きを与え、(2)処置デバイス30とモータ駆動アセンブリ84(図4参照)の接続を維持する。ワークピース例えば、いくつかの実施形態では、処置デバイス30は、対応する駆動アセンブリの駆動ボス90(図1参照)と協働してこれと接続するよう構成された連結部材64を有しており、これにより、処置デバイス30が強固に固定され且つ動作が処置デバイス30に伝達されるようになっている。他の実施形態では、機械的接続部60は、処置デバイス30に設けられる連結部材64と、ハウジング24に形成された連結部材とを有し、ハウジング24を器具68に選択的に固定できるようになっている。図1に示す例では、ハウジング24の連結部材は、対応する器具68のソケット76と摩擦係合する外周形状を有する。いずれの場合であっても、機械的接続部によりワークピース20がパーソナルケア器具68に取り付けられた際には、電気的接続部52がパーソナルケア器具68の対応する電気的ワークピース接続部と電気的に結合することを理解されたい。
【0022】
簡単に説明したように、ワークピース20は選択的にモータを備えた無動力のパーソナルケア器具68に取り付け可能に構成される。上記のいくつかの例で詳細に説明したように、本実施形態のワークピース20に適用可能なモータを備えた無動力のパーソナルケア器具は、いかなる電力源も有していない。この点、図1及び図4を参照して、ワークピース20を選択的に取り付けることで処置デバイス30に運動を与える、モータを備えた無動力のパーソナルケア器具22の一例を、以下においてやや詳細に説明する。モータを備えた無動力のパーソナルケア器具68は、本願の実施形態で実施可能な器具の一種であるが、ワークピース20は、無動力の振動、回転及び往復運動を生成する広範囲の装置に好適に使用されることが理解されよう。
【0023】
図1及び図4には、モータを備えた無動力器具68が示されている。図1に示すように、器具68は、ハンドル部72及びワークピース取付部74を備えた本体70を有する。ワークピース取付部74は、ワークピース20を器具68に選択的に取り付けるため、ハウジング24と接するソケット76を備えるよう構成される。ワークピース取付部74は、ワークピース20が選択的に取り付けられた際にワークピース20の電気的接続部52と電気的に接続するよう構成された電気的ワークピース接続部78を備える。いくつかの実施形態では、電気的ワークピース接続部78は電気接点80A、80B又は電磁結合等とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
器具本体70は、器具の動作機構を収容する。図4のブロック図に示すように、一実施形態の動作機構は、モータ駆動アセンブリ84と、オン/オフボタン88(図1参照)を有する駆動コントローラ86とを備える。オン/オフボタン88は、ワークピース20が器具68に取り付けられた際に、ワークピース20のバッテリ28から器具68のモータ駆動アセンブリ84に電力を選択的に供給するよう構成(配置)される。いくつかの実施形態では、モータ駆動アセンブリ84は電気駆動モータ92を有する。電気駆動モータ92は、駆動シャフト又は電機子94を介してワークピース20を駆動する。
【0025】
モータ駆動アセンブリ84は、ワークピース20がワークピース取付部74に取り付けられた際に、ワークピース20に運動を与えるよう構成される。いくつかの実施形態では、モータ駆動アセンブリ84はワークピース20を音波周波数で作動させるように構成される。音波周波数は一般的に40Hz〜350Hzの範囲とされ、3°〜45°の角度の範囲でワークピース20を振動させる。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するが、ワークピース20は、負荷状態又は無負荷状態において約80Hz〜約220Hzの周波数、約6°〜約20°の角度の範囲で作動する。当然のことながら、モータ駆動アセンブリ84によりワークピース20に与えられる作動周波数及び振動振幅は、ワークピース20の用途及び/又は特性(例えば、慣性特性等)に応じて変化させることができる。
【0026】
本願の他の一態様によれば、いくつかの実施形態に記載の1又は複数のバッテリ28を充電するために、一般に符号100として示される充電器が用いられる。この点、図5及び図6には、本願の態様に係る充電器100の一例が示されている。本実施形態において壁面設置型充電器として示される充電器100は、図5の斜視図及び図6のブロック図に示すように、充電回路104、コンセント接続部108、電気的ワークピース接続部112及び機械的ワークピース接続部116を有する。
【0027】
機械的ワークピース接続部116は、ワークピース20と物理的に結合可能に構成される。任意の適当な機械的ワークピース接続部116が本願の実施形態において実施可能である。図示の実施形態では、機械的ワークピース接続部116はソケット120を備えており、ソケット120はワークピース20の後端を支持し、任意の摩擦係合により収容するよう協働的に構成される。他の構成もまた、用いることができる。ソケット120内に電気的ワークピース接続部112を設けることである。他の実施形態では、電気的ワークピース接続部112は電磁結合を有する。さらに他の構成を用いることも可能である。いずれの場合でも、電気的ワークピース接続部112は、ワークピース20がソケット120に挿入された時に、協働するワークピースの電気的接続部52(図5では隠れている)と電気的に接続されるよう配置される。
【0028】
充電回路104は、コンセント接続部108と電気的ワークピース接続部112との間を電気的に接続する。充電回路104は、充電器100がコンセント接続部108を介して主電源(壁コンセント、電源タップのコンセントなど)と電気的に接続され、ワークピース20が接続部112及び接続部116を介して充電器100と電気的に接続された場合に、バッテリ28の充電を制御するよう構成される。いくつかの実施形態では、充電回路104は、少なくとも1.5アンペア以上の充電電流をバッテリ28へ供給するよう構成される。他の充電電流を使用することもできる。
【0029】
主電源の電力をバッテリに蓄えられる電力に変換するプロセスの効率は、100%未満になることが知られている。この点、損失エネルギーの少なくとも一部は熱として現れる。本願の実施形態では、このような発生した熱は、ワークピース20の一部を乾燥を助けるために用いられる。例えば、いくつかの実施形態では、ワークピースの処置アプリケータ40は洗顔などの濡れた状態で使用される。濡れたワークピースは腐食、フローラ(菌)、ファウナなどの温床となる。この点、バッテリ28の充電時に発生する熱は、アプリケータ40を乾燥させるため伝導させることができる。
【0030】
図6に示すように、他の実施形態では、充電器100は必要に応じて発熱装置130を含むことができる。いくつかの実施形態では、発熱装置130は、ワークピース20が充電器100に取り付けられた場合に限り電力が供給されるよう、充電回路104に接続される。この点、充電回路104は、この機能を実行する近接センサのような自動検出回路又は、押圧スイッチのような単純なスイッチを含むことができ、ワークピースが充電器100に装着された時に作動させることができる。発熱装置130は、電力が供給されると熱を発生する、抵抗加熱素子又は他のタイプの熱発生手段を含むことができる。発熱装置130は、例えば充電器100の外部ハウジング表面と接触するよう配置することができ、この場合、外部ハウジング表面はワークピース20が充電器100に取り付けられた際にワークピース20と接触する。図3に示すように、発熱装置130は、付加的又は代替的に、ワークピース20内に配置され得ることが理解されよう。
【0031】
使用時、発熱装置130は、ワークピース20が充電器100に取り付けられ、充電器が主電源に接続されると、熱を発生させる。発熱装置130の配置及び、充電器の材質とワークピースのハウジングの材質により、熱がワークピース20へと伝達される。その結果、アプリケータ40の乾燥時間の短縮が実現される。いくつかの実施形態では、予め選択された時間が経過すると発熱装置130をオフにするタイミング回路等を使用することができる
【0032】
本願の開示の目的のため、「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「内向き」、「外向き」、「内側」、「外側」、「前方」、「後方」等の用語は説明のためのものと解釈されるべきであり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。また、本明細書中の「含む」、「備える」、「有する」との記載及びこれらの変形は、その後に列挙される項目及びその均等物だけでなく、追加の項目を包含させることを意図している。特に限定しないかぎり、本命細書中の「接続」、「結合」、「取り付け」との記載及びこれらの変形は、広義に用いられ、直接的及び間接的な接続、結合、取り付けを包含する。
【0033】
本願の原理、代表的な実施形態及び動作方法を上記の説明で述べた。しかしながら、保護を受けることを意図する本願の態様は、開示した特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の実施形態は例示的とみなすべきであり、限定的に捉えるべきではない。本発明の精神から逸脱することなく、変形及び変更がなされうること、また、均等物が用いられることが理解されよう。したがって、そのような変形、変更及び均等物が、本発明の精神及び特許請求の範囲に含まれることが明確に意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6