(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6516989
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】ヘッドマウント装置を介する表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20190513BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20190513BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20190513BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0484 120
G06F3/0346 421
G06F3/16 610
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-171971(P2014-171971)
(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2015-43209(P2015-43209A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2017年8月24日
(31)【優先権主張番号】13306172.1
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】アニタ オルハンド
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ ドアイヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−フランソワ バイアル
【審査官】
岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−006708(JP,A)
【文献】
特開2000−187553(JP,A)
【文献】
特開平10−333737(JP,A)
【文献】
特開2009−151419(JP,A)
【文献】
特開2006−155244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/033− 3/038
G06F 3/048− 3/0489
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象装置によって実施される制御操作を仮想制御インターフェースを介して有効化するための方法であって、前記仮想制御インターフェースはユーザーのヘッドマウント装置によって表示される、前記方法は、
前記仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリアを伝達することと、
前記ユーザーの視線の位置を検出し、前記検出された視線の位置によって定義される、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリアを伝達することであって、前記第2のエリアのサイズは、前記対象装置によって実施される制御操作の重要性の関数である、ことと、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアとが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリアに少なくとも部分的に重なるか検出することと、を有し、
前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、前記方法は、前記制御操作を有効化することをさらに含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する
ことを特徴とする、請求項1に記載の有効化するための方法。
【請求項3】
前記ジェスチャは、前記ユーザーの体の一部に関連付られる
ことを特徴とする、請求項2に記載の有効化するための方法。
【請求項4】
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる
ことを特徴とする、請求項1に記載の有効化するための方法。
【請求項5】
前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する
ことを特徴とする、請求項4に記載の有効化するための方法。
【請求項6】
前記対象装置をセンサーにより検出した場合に、前記仮想制御インターフェースを表示することを含む
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
【請求項7】
前記センサーは前記ヘッドマウント装置に含まれる
ことを特徴とする、請求項6に記載の有効化するための方法。
【請求項8】
前記センサーは前記ユーザーに装着される腕時計に含まれる
ことを特徴とする、請求項6に記載の有効化するための方法。
【請求項9】
前記センサーがカメラである
ことを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
【請求項10】
前記検出することは、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、前記同一の専用エリアに完全に重なるかどうかを検出し、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、完全に前記同一の専用エリアに重なる場合のみ前記有効化することが実行される
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
【請求項11】
前記有効化することの実行はまた、前記選択された第1のエリアおよび前記第2のエリアの重なりの検出により条件づけられる
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
【請求項12】
前記選択された第1のエリアは、前記仮想制御インターフェース内で移動するように表示される
ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
【請求項13】
対象装置に関連付けられた仮想制御インターフェースを表示する手段を有するヘッドマウント装置であって、前記ヘッドマウント装置は、
前記仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリアを伝達する手段と、
前記ヘッドマウント装置のユーザーの視線の位置を検出し、前記検出された視線の位置によって定義される、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリアを伝達する手段であって、前記第2のエリアのサイズは、前記対象装置によって実施される制御操作の重要性の関数である、第2のエリアを伝達する手段と、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアとが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリアに少なくとも部分的に重なるか検出する手段と、を有し、
前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、前記ヘッドマウント装置は、アクティベートされる前記制御操作を有効化する手段をさらに有する
ことを特徴とする、ヘッドマウント装置。
【請求項14】
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する
ことを特徴とする、請求項13に記載のヘッドマウント装置。
【請求項15】
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる
ことを特徴とする、請求項13に記載のヘッドマウント装置。
【請求項16】
前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する
ことを特徴とする、請求項15に記載のヘッドマウント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象装置とユーザーとのインタラクションに関する。より正確には、本発明は、人が、例えば、透過型眼鏡などの、ヘッドマウントディスプレイ(ヘッドディスプレイ装置とも称される)を含むウェアラブルコンピューターと称される装置を使用して、当該対象装置とインタラクションする状況において利用される。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、以下に説明および/または特許請求される本発明のさまざまな態様に関連する当該技術分野のさまざまな態様を読者に紹介することを意図している。この説明は、背景情報を読者に提供し、本発明のさまざまな態様のより良い理解を容易にする点において役立つと考えられる。したがって、これらの記述は、この観点から読まれるべきであって、従来技術の自認として読まれるべきではないことを理解されたい。
【0003】
今日では、ヘッドマウントディスプレイを有するウェアラブルコンピューターにより表示されたコントロールユーザーインターフェースを使用して、装置を制御することが可能である。例えば、当該可能な構成は、米国特許出願公開第2013/0069985号明細書の特に
図9および
図10に示されており、検知された動作に従って仮想制御インターフェースとインタラクションすることによりガレージのドアの開閉をする方法について説明されている(米国特許出願公開第2013/0069985号明細書の§0048および§104を参照のこと。)。当該検知される動作は、制御インターフェースに関連付けられた制御命令に対応する、頭部の動き、音声コマンド、または、あらゆるジェスチャであってもよい。
【0004】
このような有効化プロセスは、対象装置に対するインタラクションおよび制御するための、数ある中のうちの単に一つの方法に過ぎない。実際に、技術水準のいくつかの文書中で他の技術が開示されている。より正確には、米国特許出願公開第2003/0020707号明細書の技術は、実在するオブジェクト(または対象装置)のための制御命令を生成するために、動作(例えば、「読む」、「ストップ」コマンド)に関連付けられた(ヘッドマウント透過ディスプレイ(HMDとも称される)を通じて表示される)仮想オブジェクト表示を、実在するオブジェクト(または対象装置)に重畳させる。
【0005】
英国特許出願公開第2465280号明細書の技術は、制御対象となる注目オブジェクトを識別するために、ユーザーの指を検知することに基づく。当該技術は、米国特許出願公開第2013/0069985号明細書において開示されている技術と同一化することができる。
【0006】
米国特許出願公開第2012/0092300号明細書は同様に、仮想タッチを含む仮想キーボードを表示するヘッドマウント透過ディスプレイ装置について開示する。ここで、また、ヘッドマウント透過ディスプレイ装置に備えられたカメラが、ユーザーの指が、仮想タッチ上にあるように配置されたことを検知すると、仮想タッチに関連付けられる動作をアクティベートし、対象装置がその動作を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0069985号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0020707号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2465280号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/0092300号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの技術は共通の欠点を有する。現に、突発的な動作の場合(ハチが目の前に飛んできて、手を使用した突発的な動作により追い払うとすることを想定する)、表示インターフェースにおける、当該動作に関連付けられた制御操作を、意図せずとも有効化してしまうかもしれない。本発明はこのような問題を解決することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような問題を解決するために、最も関連する文書と考慮される米国特許出願公開第2013/0069985号明細書における示唆に基づき、そして、望まない有効化の発生の回避を試みて、当業者は、少なくとも2回、同じ動作(またはジェスチャ)または同じ音声コマンドを実施する、2重有効化技術(例えば、ダブルクリックのようなもの)を採用するであろう。
【0010】
本発明は、仮想制御インターフェースを介する対象装置によって実施される制御操作を有効化するための方法であって、当該仮想制御インターフェースはユーザーのヘッドマウント装置によって表示される。当該方法は、
仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリアを伝達するステップと、
前記ユーザーの視線の位置を検出し、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリアを伝達するステップと、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリアに少なくとも部分的に重なるか検出するステップと、を有し、前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、さらに、前記制御操作を有効化するステップを含む点において際立っている。そのようにして、当該方法により、ユーザーが特定の制御操作の実施を望んでいることの確認を可能とする。実際に、当該方法によれば、意図しない制御操作の有効化が発生する確率は非常に低い。それゆえ、当該方法は、ユーザーの意図を保証する技術を提供する。
【0011】
好ましい実施形態においては、当該有効化するための方法は、前記第1のエリアの選択命令が前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する点において際立っている。
【0012】
好ましい実施形態においては、当該ジェスチャは、前記ユーザーの体の一部に関連付けられる。
【0013】
好ましい実施形態においては、当該有効化するための方法は、第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる点において際立っている。
【0014】
好ましい実施形態においては、前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する。
【0015】
好ましい実施形態においては、当該有効化するための方法は、対象装置をセンサーにより検出した場合に、前記仮想制御インターフェースを表示するステップを含む点において際立っている。
【0016】
好ましい実施形態においては、上記センサーは、上記ヘッドマウント装置に含まれる。
【0017】
好ましい実施形態においては、上記センサーは、上記ユーザーによって装着される腕時計に含まれる。
【0018】
それゆえ、ユーザーは、仮想制御インターフェースが現れるために、対象装置を直接視認する必要はない。腕時計を、単に、対象装置の方向に向ければよい。この構成により、ユーザーに、動作のより高い自由度を提供する。
【0019】
好ましい実施形態においては、当該有効化するための方法は、前記センサーがカメラである点において際立っている。
【0020】
好ましい実施形態においては、有効化するための方法は、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、前記同一の専用エリアに完全に重なるかどうかを検出し、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、完全に前記同一の専用エリアに重なる場合のみ前記有効化のステップが実行される点において際立っている。
【0021】
好ましい実施形態においては、有効化するステップの実行はまた、前記選択された第1のエリアおよび前記第2のエリアの重なりの検出により条件づけられる点において際立っている。
【0022】
本発明の別の実施形態においては、対象装置に関連付けられた仮想制御インターフェースを表示する手段を有するヘッドマウント装置が提案される。当該ヘッドマウント装置は、
前記仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリアを伝達する手段と、
前記ヘッドマウント装置のユーザーの視線の位置を検出し、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリアを伝達する手段と、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリアに少なくとも部分的に重なることを検出する手段と、を有し、前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、前記ヘッドマウント装置はさらに、アクティベートされる前記制御操作を有効化する手段を有する点において際立っている。
【0023】
好ましい実施形態においては、当該ヘッドマウント装置は、前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する点において際立っている。
【0024】
好ましい実施形態においては、当該ヘッドマウント装置は、前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる点において際立っている。
【0025】
好ましい実施形態においては、当該ヘッドマウント装置は、前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する点において際立っている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
上記および本発明の他の態様は、添付図面についての言及を有する、以下の例示的な実施形態の詳細な説明により、より明確になる。
【
図1】本発明の一実施形態によるヘッドマウント装置を示す。
【
図2(a)】本発明の一実施形態による有効化がどのように行われるかを詳説する個別のシナリオを示す。
【
図2(b)】本発明の一実施形態による有効化がどのように行われるかを詳説する個別のシナリオを示す。
【
図2(c)】本発明の一実施形態による有効化がどのように行われるかを詳説する個別のシナリオを示す。
【
図3(a)】本発明の他の実施形態による有効化の他のシナリオを詳説する。
【
図3(b)】本発明の他の実施形態による有効化の他のシナリオを詳説する。
【
図3(c)】本発明の他の実施形態による有効化の他のシナリオを詳説する。
【
図4】本明細書において開示される方法の1または複数のステップを実施するために使用され得る装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるヘッドマウント装置を示す。
【0028】
より正確には、当該実施形態において、100で参照されるヘッドマウント装置は、2つのレンズと、ユーザーに表示される信号を生成または処理可能な、101で参照される電子装置(当該装置の例は
図4において詳説される)と、動作が行われる対象となる対象装置を検出可能な103で参照されるセンサーと、そして当該ヘッドマウント装置を装着するユーザーの視線を検出可能な107で参照される別のセンサーとを有する。一実施形態においては、表示される信号は使用者の網膜に直接投影される。他の実施形態においては、表示される信号は、2つのレンズのうちの1つに投影される。当該表示される信号は、104で参照される仮想制御インターフェースを表すことができ、仮想制御インターフェース104は、例えば、102で参照されるTVセットといった対象装置を制御することができる。
【0029】
ユーザーがユーザーの頭をTVセットの方向に動かしたときに、センサー103は(例えば認知手法により)TVセットの存在を検知する。その場合、検知された対象装置の特性に従い、専用の/個別化された仮想制御インターフェース104がヘッドマウント装置100を介して表示される。一実施形態においては、仮想制御インターフェース104の個別化のいくつかのパラメーターを、電子装置101に含まれるメモリユニットに保存することができる。
【0030】
表示された(本来のまたは個別化された)仮想制御インターフェース104は、対象装置102によって実行される制御操作に関連付けられるいくつかの専用エリア(105または106で参照される、例えばいくつかのボックスまたはタッチ)を有する。より正確には、各専用エリアは、例えば、専用エリアに含まれるテキスト(または色)を備えた幾何学的形態を示す。ゆえに、ユーザーは、当該専用エリアを認識し、選択されると、対応する制御操作が起動されることを認識することができる。例えば、ユーザーが、ガレージドア(すなわち、対象装置)の前にいるときに、ガレージドアの近くに配置された(例えば、ガレージドアのそばの壁に取り付けられた)センサー103によりQR(Quick Response)コードまたはマトリックスバーコードが検知されると、当該ガレージドアの制御のための仮想制御インターフェース104がヘッドマウント装置100を介して表示される。そのような場合、2つの専用エリアを表示してもよく、1つ目のエリア105はその中に、「ガレージドアを開けろ」というテキストを含み、2つ目のエリア106はその中に「ガレージドアを閉める」というテキストを含む。ユーザーが、2つの専用エリア(またはボックス)のうちの1の選択を有効化すると、対応する動作(または制御操作)が電子装置101に送られ解析され、その後、ガレージドアの動作を制御するモーターをアクティベートさせる。
【0031】
ゆえに、制御操作の有効化を望むユーザーはまず、第1のステップで仮想制御インターフェース104内の第1のエリアを定義する選択命令を与えなければならない。当該選択命令は、例えば、「スタート」、「ストップ」などのような音声コマンドであってもよい(その場合、電子装置は音声コンテンツを認識する手段を有する。)。そのような場合、ユーザーは、選択するためには単に仮想制御インターフェース104の専用エリアに含まれるテキストを読めばよい。別の実施形態においては、選択命令は、ジェスチャ(手の指の位置など)の位置/エリアや、ジェスチャの組合せであってもよい。当該選択命令はセンサー103によって検知され、電子装置101が後に、表示されている仮想制御インターフェース104内の専用エリアに少なくとも部分的に重なる位置に対応しているかどうかを判断する。その後、第2のステップにおいて、先の第1のステップに付随して、仮想制御インターフェース104内の専用エリア(またはボックス)106または105がユーザーによって見られたかどうかを判断するために、センサー107を介してユーザーの視線の位置が検出される。エリアが重なる場合、(すなわち、選択命令の検知により取得された第1のエリアと専用エリアとが(部分的または完全に)重なる場合、およびユーザーの視線の位置の検知により取得された第2のエリアと同一の専用エリアとが(部分的または完全に)重なる場合)、関連付けられたコマンドの有効化が実行される。
【0032】
例えば、ユーザーが、ボックス106に関連付けられた制御コマンドを有効化することを介してガレージドアを閉めることを望む場合、ユーザーは、次の文「ガレージドアを閉める」を発声し、この制御コマンドを有効化するために、ユーザーの視線が同様にチェックされる。ユーザーの視線が(部分的または完全に)エリア106と重なれば、制御コマンドがアクティベートされ、さもなければ、アクティベートされない。
【0033】
ヘッドマウント装置100は、(開示されていない)通信手段を介して、対象装置102で実行されるコマンド/操作を送信する。当該通信手段は、ヘッドマウント装置100と対象装置間で信号の送受信を可能とするアンテナを含む。一実施形態においては、当該アンテナは、NFC準拠のアンテナまたはRFID準拠のアンテナである。他の実施形態においては、当該通信手段はBluetooth(登録商標)準拠のユニットを含む。
【0034】
対象装置がTVセットの場合、制御操作は、ON/OFF操作、録画操作、ズームイン/アウト操作、輝度制御操作、音声制御操作、チャンネル変更操作などを含むグループに属する操作であってもよい。
【0035】
別の実施形態においては、センサー103はヘッドマウント装置100に含まれないが、ヘッドマウント装置と協働するための通信手段をさらに有する(開示されていない)腕時計内に含まれる。
【0036】
別の実施形態においては、腕時計とヘッドマウント装置は共に、センサー103を有する。
【0037】
センサー107は、電子装置101に接続される視線追跡ユニットであってもよい。別の実施形態においては、電子装置101の処理の一部を、(ヘッドマウント装置の利用を介して制御され得る複数の装置を含む物理的なエリアをカバーする)中央ユニットに任せてもよい。
【0038】
図2(a)から
図2(c)は、本発明の一実施形態による有効化がどのように行われるかを詳説する種々のシナリオを示す。
【0039】
図2(a)から
図2(c)において、ユーザーは、ヘッドマウント装置100を介して、2つの専用エリア(またはボックス)105および106を含む仮想制御インターフェース104を見る。別の実施形態において、専用エリア(制御操作に関連付けられている各専用エリア)の数は、2より少なくても多くてもよいことは明らかである。
【0040】
図2(a)において、センサー107によって検出されるユーザーの注視点は、第1のエリアを定義し、200で参照され、円で示される(別の実施形態においては、第1のエリアは、例えば、正方形、長方形などの他の形で示される)。
【0041】
センサー103は第2のエリアを定義する指の位置を検知し、201で参照され、円で示される(別の実施形態においては、第2のエリアは、例えば、正方形、長方形などの他の形で示される)。
【0042】
このような表現は、ヘッドマウント装置100を介して、表示してもされなくてもよい。一実施形態において、これらの表現は、電子装置101のみによって使用されるため、表示されない。当該表現は、有効化の方法の精度の範囲を定義する。これら(表現)がより狭ければ、よりシャープな精度が得られる。例えば、円200または201の直径が小さければ有効化がより正確になる。このようなサイズは、制御操作の重要性の関数とすることができる。例えば、制御操作の実行が重要な結果を有し得るとき、誤って有効化する確率を減らすためにサイズを小さくすべきである。
【0043】
一実施形態において、専用エリア105または106のいずれかにおいて検出された第1のエリア200または201は、制御操作を選択する。その後、第2のエリア200または201がその専用エリアに(部分的または完全に)重なれば、選択された制御操作は対象装置によって実行されても良いことを意味する。そのような場合、ヘッドマウント装置は、当該コマンド命令を対象装置に対して送信する。
【0044】
図2(a)は、ボックス/専用エリア106に関連付けられた制御コマンドの有効化の例を示す。実際に、エリア200および201は、専用エリア/ボックス106内に含まれるものとして、検出される。
【0045】
図2(b)は、ボックス/専用エリア106に関連付けられた制御コマンドの有効化の例を示す。実際に、エリア200および201は、(たとえ、エリア201の部分のみが専用エリア106に含まれるとしても)専用エリア/ボックス106内に含まれるものとして、検出される。
【0046】
図2(c)は、ボックス/専用エリア106に関連付けられた制御コマンドが有効化されない例を示す。実際に、エリア201は、専用エリア/ボックス106内に含まれるものとして、検出されない。エリアは専用エリア106に重ならない。
【0047】
(
図2(a)から
図2(c)により示されない)別の実施形態において、専用エリアに関連付けられたコマンドの有効化は、第1のエリア200および第2のエリア201が、参照エリア106において互いに接触した場合のみ実行される。別の実施形態において、ユーザーが指またはジェスチャを使用しないが、声を使用して第1のエリアを定義する場合、その選択される第1のエリアは、専用エリア105または106全体に対応する。別の実施形態において、それは上記専用エリアの一部であってもよい。それらの実施形態は、以下により詳細に説明される。
【0048】
図3(a)から(c)は、本発明の別の実施形態による有効化の別のシナリオを詳説する。
【0049】
図3(a)から(c)は、ユーザーがガレージドアを開けることを望むケースについて説明する。本実施形態において、ユーザーは、例えばエリア105に表示されたテキスト(すなわち、次のテキスト「ガレージドアを開けろ」。)を大きな声で読み上げ、そして、(例えば、電子装置101に含まれる)音声コンテンツを認識するための手段が、ユーザーの発声が表示されているテキストのうちの1つに対応するか検知する。音声コンテンツを認識するための手段が、ユーザーが、「ガレージドアを開けろ」と発声したことを検知すると、エリア105の1部分(301で参照され、斜線を有するエリアで示される)が選択される。その後、センサー107で検知されるユーザーの注視点が、300で参照され(
図2(a)から(c)におけるエリア200のように)円で示されるエリアを定義する。
図3(a)において、エリア301と300が重ならないことにより、コマンド「ガレージドアを開けろ」の有効化は実施されない。一方、
図3(b)は、エリア301と300が重なることから、コマンド(または制御操作)「ガレージドアを開けろ」の有効化がなされることを示している。この場合において、ヘッドマウント装置100は、意図された動作(例えば、ガレージドアを開くこと)を実行させるためにコマンドを送信する。
【0050】
最後に、
図3(c)は、別の実施形態であって、ユーザーが例えばエリア105内に表示されたテキスト(すなわち、次のテキスト「ガレージドアを開けろ」。)を大声で読み上げると、音声コンテンツを認識するための手段によりテキストが認識され、エリア105の一部分(301で参照されるエリア)が選択され、当該部分301がエリア105内で移動する、別の実施形態を描写する(別の実施形態においては、当該移動するエリア301は、エリア106に重ならなければ、エリア105の境域を超えてもよい。)。次に、コマンドの送信を有効化するためには、ユーザーの注視に従い定義されるエリア300がエリア301に重なる必要がある。エリア301が移動しているため、有効化のための技術は意図しない有効化を回避する。
【0051】
図4は、本明細書において開示される方法の1または複数のステップを実施するために使用され得る電子装置を示す。
【0052】
400で参照される当該装置は、401で参照される計算ユニット(例えば、中央処理装置としてのCPU)、402で参照される1または複数のメモリユニット(例えば、コンピュータープログラムの命令の実行中に中間処理結果を一時格納し得るRAM(ランダムアクセスメモリ)ブロック、とりわけコンピュータープログラムを格納するROM(Read Only Memory)ブロック、またはEEPROM(Electrically−Erasable Programmable Read−Only Memory)ブロック、または、フラッシュブロック)を含む。コンピュータープログラムは、計算ユニットによって実行され得る命令によって構成される。当該装置400は、装置400が他のデバイスと通信できるようにする入出力インターフェースを構成する、403で参照される専用ユニットを有してもよい。特に、この専用ユニット403は、(非接触で通信を実施するための)アンテナと、または、(接続して通信を実施する)シリアルポートと接続されてもよい。
図4中の矢印は、リンクされたユニットは、例えば互いにバスを介してデータを交換することができることを意味するものとする。
【0053】
代替的な実施形態において、上記説明された方法の一部またはすべてのステップは、プログラマブルFPGA(Field Programmable Gate Array)コンポーネントまたはASIC(Application−Specific Integrated Circuit)コンポーネントのハードウェアにおいて実装されてもよい。
【0054】
代替的な実施形態において、上記説明された方法の一部またはすべてのステップは、
図4において開示されたようなメモリユニットおよび処理ユニットを含む電子装置において実行されてもよい。
【0055】
一実施形態においては、当該電子装置400は、例えば、P. Bourke et alによる論文「A High−Performance Hardware Speech Recognition System for Mobile Applications」で示されるような、音声コンテンツを認識するための手段を有する。
[付記1]
対象装置によって実施される制御操作を仮想制御インターフェースを介して有効化するための方法であって、前記仮想制御インターフェースはユーザーのヘッドマウント装置によって表示される、前記方法は、
前記仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリア(201)を伝達するステップと、
前記ユーザーの視線の位置を検出し、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリア(200)を伝達するステップと、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアとが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリア(105、106)に少なくとも部分的に重なるか検出するステップと、を有し、
前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、前記方法は、前記制御操作を有効化するステップをさらに含む
ことを特徴とする、前記方法。
[付記2]
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する
ことを特徴とする、付記1に記載の有効化するための方法。
[付記3]
前記ジェスチャは、前記ユーザーの体の一部に関連付られる
ことを特徴とする、付記2に記載の有効化するための方法。
[付記4]
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる
ことを特徴とする、付記1に記載の有効化するための方法。
[付記5]
前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する
ことを特徴とする、付記4に記載の有効化するための方法。
[付記6]
前記対象装置をセンサーにより検出した場合に、前記仮想制御インターフェースを表示することを含む
ことを特徴とする、付記1から5のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
[付記7]
前記センサーは前記ヘッドマウント装置に含まれる
ことを特徴とする、付記6に記載の有効化するための方法。
[付記8]
前記センサーは前記ユーザーに装着される腕時計に含まれる
ことを特徴とする、付記6に記載の有効化するための方法。
[付記9]
前記センサーがカメラである
ことを特徴とする、付記6から8のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
[付記10]
前記検出するステップは、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、前記同一の専用エリアに完全に重なるかどうかを検出し、前記選択した第1のエリアおよび前記第2のエリアが、完全に前記同一の専用エリアに重なる場合のみ前記有効化するステップが実行される
ことを特徴とする、付記1から9のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
[付記11]
前記有効化するステップの実行はまた、前記選択された第1のエリアおよび前記第2のエリアの重なりの検出により条件づけられる
ことを特徴とする、付記1から10のいずれか一項に記載の有効化するための方法。
[付記12]
対象装置に関連付けられた仮想制御インターフェースを表示する手段を有するヘッドマウント装置であって、前記ヘッドマウント装置は、
前記仮想制御インターフェース内の第1のエリアの選択命令を検出し、選択された第1のエリアを伝達する手段と、
前記ヘッドマウント装置のユーザーの視線の位置を検出し、前記仮想制御インターフェース内の第2のエリアを伝達する手段と、
前記選択された第1のエリアと前記第2のエリアとが、前記対象装置によって実施される制御操作に関連付けられた同一の専用エリアに少なくとも部分的に重なるか検出する手段と、を有し、
前記少なくとも部分的に重なることを検出すると、前記ヘッドマウント装置は、アクティベートされる前記制御操作を有効化する手段をさらに有する
ことを特徴とする、前記ヘッドマウント装置。
[付記13]
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーのジェスチャの位置に対応する
ことを特徴とする、付記12に記載のヘッドマウント装置。
[付記14]
前記第1のエリアの選択命令は、前記ユーザーの音声コマンドに対応し、前記第1のエリアは前記専用エリアに含まれる
ことを特徴とする、付記12に記載のヘッドマウント装置。
[付記15]
前記第1のエリアは、前記専用エリアに対応する
ことを特徴とする、付記14に記載のヘッドマウント装置。