(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムであって、
ONUの配下の制御局装置は、
通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成し、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するスケジューリング情報生成・送信部を備え、
ONUは、
OLTおよび制御局装置とそれぞれ通信を行う通信インタフェースと、
制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて、動的帯域割当により割り当てられたスロットまたは固定帯域割当により割り当てられたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信する信号伝送部と、を備えることを特徴とするPONシステム。
前記信号伝送部は、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔以下である場合は、前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、前記動的帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信することを特徴とする請求項1記載のPONシステム。
前記信号伝送部は、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔より大きい場合は、前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、前記固定帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信することを特徴とする請求項1記載のPONシステム。
前記信号伝送部は、前記スケジューリング情報そのもの、または前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、前記OLTから受信したGate信号に対応するReport信号にカプセリングして、前記OLTに送信することを特徴とする請求項1記載のPONシステム。
前記OLTは、前記ONUから受信したReport信号に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を読み出すことを特徴とする請求項4記載のPONシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、特定のONUに対して固定帯域を割り当てるので、実際に通信が行われていない状況においても、その帯域を他のONUが利用することができず、帯域利用効率が悪くなってしまう。また、固定帯域を割り振られていない他のONUにおいては、大きな遅延やパケットロスを発生してしまう可能性がある。このため、PONの帯域利用効率を落とさず、特定の無線基地局からのパケットを低遅延で伝送する技術が必要とされる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、PONの動的帯域割当に要する時間を削減し、上り伝送を低遅延化することができるPONシステムおよび通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のPONシステムは、OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムであって、ONUの配下の制御局装置は、通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成し、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するスケジューリング情報生成・送信部を備え、ONUは、OLTおよび制御局装置とそれぞれ通信を行う通信インタフェースと、制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信する信号伝送部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように、制御局装置は、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信し、ONUは、制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信するので、PONと基地局との連携を図り、PON側では動的帯域割当を早期に開始することが可能となる。その結果、上り伝送の低遅延化を図ることが可能となる。
【0011】
(2)また、本発明のPONシステムにおいて、前記信号伝送部は、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔以下である場合は、前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、動的帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信することを特徴とする。
【0012】
このように、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔以下である場合は、前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、動的帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信するので、PON側における動的帯域割当を早期に開始することが可能となり、上り伝送の低遅延化を図ることが可能となる。
【0013】
(3)また、本発明のPONシステムにおいて、前記信号伝送部は、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔より大きい場合は、前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、固定帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信することを特徴とする。
【0014】
このように、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔より大きい場合は、スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、固定帯域割当により割り当てられたスロットを用いてOLTに送信するので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速にOLTに送信することが可能となる。
【0015】
(4)また、本発明のPONシステムにおいて、前記信号伝送部は、前記スケジューリング情報そのもの、または前記スケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、前記OLTから受信したGate信号に対応するReport信号にカプセリングして、前記OLTに送信することを特徴とする。
【0016】
このように、スケジューリング情報そのもの、またはスケジューリング情報に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を、OLTから受信したGate信号に対応するReport信号にカプセリングして、OLTに送信するので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速にOLTに送信することが可能となる。
【0017】
(5)また、本発明のPONシステムにおいて、前記OLTは、前記ONUから受信したReport信号に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を読み出すことを特徴とする。
【0018】
このように、ONUから受信したReport信号に含まれる送信タイミング情報およびデータ量情報を読み出すので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速に取得することが可能となる。
【0019】
(6)また、本発明のPONシステムは、OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムであって、ONUの配下の制御局装置は、通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成し、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するスケジューリング情報生成・送信部を備え、OLTは、各ONUと通信を行う通信インタフェースと、ONUからスケジューリング情報を受信し、PONポーリング周期と各ONUから送信される端末装置のスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを各ONUの上り帯域に割り当てる帯域割当部と、を備えることを特徴とする。
【0020】
このように、OLTは、ONUからスケジューリング情報を受信し、PONポーリング周期と各ONUから送信される端末装置のスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを各ONUの上り帯域に割り当てるので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速に取得することが可能となる。
【0021】
(7)また、本発明のPONシステムは、前記通信インタフェースは、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔以下であれば、動的帯域割当により割り当てたスロットで前記スケジューリング情報を受信する一方、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔より大きければ、固定帯域割当により割り当てたスロットで前記スケジューリング情報を受信することを特徴とする。
【0022】
このように、OLTにおいて、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔以下であれば、動的帯域割当により割り当てたタイムスロットで前記スケジューリング情報を受信する一方、PONポーリング周期が、スケジューリング情報到達間隔より大きければ、固定帯域割当により割り当てたタイムスロットで前記スケジューリング情報を受信するので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速に取得することが可能となる。
【0023】
(8)また、本発明の通信方法は、OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムの通信方法であって、ONUの配下の制御局装置において、通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成するステップと、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するステップと、ONUにおいて、OLTおよび制御局装置とそれぞれ通信を行うステップと、制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0024】
このように、制御局装置は、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信し、ONUは、制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信するので、PONと基地局との連携を図り、PON側では動的帯域割当を早期に開始することが可能となる。その結果、上り伝送の低遅延化を図ることが可能となる。
【0025】
(9)また、本発明の通信方法は、OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムの通信方法であって、ONUの配下の制御局装置において、通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成するステップと、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するステップと、OLTにおいて、各ONUと通信を行うステップと、ONUからスケジューリング情報を受信し、PONポーリング周期と各ONUから送信される端末装置のスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを各ONUの上り帯域に割り当てるステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0026】
このように、OLTは、ONUからスケジューリング情報を受信し、PONポーリング周期と各ONUから送信される端末装置のスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを各ONUの上り帯域に割り当てるので、動的帯域割当を実行しつつ、送信タイミング情報およびデータ量情報を迅速に取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、PONの動的帯域割当に要する時間を削減し、上り伝送を低遅延化することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明者らは、TDMAベースのPONシステムでは、OLT−ONU間の動的帯域割当の制御により、最大で数ミリ秒オーダの遅延が生じる点に着目し、PONと基地局装置との連携を図り、基地局装置が移動局装置に送信する無線スケジューリング情報を、ONU側にも送信することにより、早期に動的帯域割当の手順を開始することができることを見出し、本発明をするに至った。
【0030】
すなわち、本発明のPONシステムは、OLT(Optical Line Terminal)と複数のONU(Optical Network Unit)との間で1対多(Point to Multi Point)接続の光ファイバ伝送を実現するPON(Passive Optical Network)システムであって、ONUの配下の制御局装置は、通信先の端末装置毎に送信タイミングを指示するためのスケジューリング情報を作成し、いずれかの端末装置から送信リクエストを受信した場合、前記送信リクエストを送信した端末装置およびONUに対し、前記送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を送信するスケジューリング情報生成・送信部を備え、ONUは、OLTおよび制御局装置とそれぞれ通信を行う通信インタフェースと、制御局装置から、送信リクエストを送信した端末装置に対応するスケジューリング情報を受信した場合、PONポーリング周期とスケジューリング情報到達間隔との大小関係に応じて選択したスロットまたは予め定められたスロットを用いて、前記受信したスケジューリング情報をOLTに送信する信号伝送部と、を備えることを特徴とする。
【0031】
これにより、本発明者らは、PONと基地局との連携を図り、PON側では動的帯域割当を早期に開始することを可能とし、その結果、上り伝送の低遅延化を図ることを可能とした。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係るPONシステムの概要を示す図である。このPONシステムは、インターネット11に接続されるOLT13に、光分岐器15を介して複数のONU17−1〜17−nが接続されている。ONU17−1は、HGW(Home Gateway)19に接続されており、UE27と通信を行う。また、ONU17−2〜17−nには、BBU(Base Band Unit)とRRH(Remote Radio Head)とから構成される基地局装置21−1〜21−5が接続され、配下のUE29−1〜29−3と無線通信を行う。
図1に示すように、基地局装置21−1〜21−5とUE29−1〜29−3との無線通信は、3G、4G、5Gなどの方式で行われる。ここで、基地局装置またはHGWは制御局装置を構成し、UE(移動局装置)は、端末装置を構成する。制御局装置と端末装置との通信は、本明細書では無線通信を例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定されるわけではなく、両者の通信は、有線通信であっても良い。
【0033】
図2は、ONUとOLTとの間の通信の一例を示すシーケンスチャートである。ここでは、いずれかのONUを17として示している。まず、ONU17にフレーム(データフレーム)が届くと(ステップS1)、そのフレームはONU17の送信タイミングまでバッファに蓄積される。OLT13は、送信許可を示すGATE信号をONU17に送信し(ステップS2)、ONU17が、GATE信号を受信すると、それに対応するREPORT信号をOLT13に送信し(ステップS3)、バッファ量を通知する。次に、OLT13は、送信タイミングを通知するためのGATE信号をONU17に送信し(ステップS4)、ONU17は、その応答としてREPORT信号を送信して(ステップS5)、バッファ量を通知する。次に、ONU17は、フレームを送信する(ステップS6)。
【0034】
図3は、PONシステムにおける従来の動作を示す図である。UE29が基地局装置21にDATAの送信をリクエストすると、基地局装置21のBBU23がスケジューリング情報としての「無線スケジューリング情報」をUE29に送信し、UE29からDATAがONU17まで送信される。ONU17は、OLT13からGATE信号を受信し、その応答としてREPORT信号を送信することで、PONにおける動的帯域割当が実行される。動的帯域割当がなされると、ONU17はバッファに蓄積していたDATAをOLT13に送信する。
図3において、無線スケジューリングの時間を(1)とし、ONUとOLT間の動的帯域割当の時間を(2)とし、UEからONUまでにDATAを送信する時間を(3)とし、ONUからOLTまでにDATAを送信する時間を(4)とすると、遅延時間は、「(1)+(2)+(3)+(4)」の大きさを有する。
【0035】
図4は、PONシステムにおける本実施形態の動作を示す図である。UE29が基地局装置21にDATAの送信をリクエストすると、基地局装置21のBBU23が無線スケジューリング情報をUE29に送信する。これと同時に、その無線スケジューリング情報をONU17にも送信する。ここで、BBU23は、UE29に無線スケジューリング情報を送信すると同時にONU17に無線スケジューリング情報を送信しても良いが、必ずしも同時でなくても良い。ONU17は、無線スケジューリング情報を受信すると、OLT13から受信した最初のGATE信号に対応するREPORT信号と共に、無線スケジューリング情報に含まれていた送信タイミング情報およびデータ量情報をOLT13に送信する。これにより、早期に動的帯域割当が開始され、ONU17に届くDATAを早期にOLT13に送信することができる。これにより、
図4において、無線スケジューリングの時間を(1)とし、ONUとOLT間の動的帯域割当の時間を(3)とし、ONUからOLTまでにDATAを送信する時間を(4)とすると、遅延時間を「(1)+(3)+(4)」に短縮することが可能となる。
【0036】
本実施形態に係るPONシステムが備える機能をまとめると、以下の通りとなる。
【0037】
BBU(Base Band Unit)とUE(User Equipment)間でやり取りされる無線スケジューリング情報を、BBUからUEへ送信する際に、ONU側にも送信する。なお、以下の説明では、BBUとRRHとを合わせて基地局装置とすることもある。
【0038】
ONU側へ送信する無線スケジューリング情報は、実際にONUで受信するタイミングに変換したタイミング情報(UEからの信号をBBUで受けるタイミングに調整したもの)と送信データ量を含む。ここで、BBUとONU間の遅延時間も必要に応じて考慮する。
【0039】
ONUまたはOLTで無線スケジューリング情報のみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、スケジューリング情報を読み込む機能。ここで、ONUで無線スケジューリング情報を把握する場合、ONUは、OLTに蓄積データ量を通知する際に、無線スケジューリング情報分を考慮したデータ量と、その無線スケジューリング情報とを通知する。一方、OLTで無線スケジューリング情報を把握する場合、通常データと同じ扱いとし、OLTへデータ量として通知する。
【0040】
OLTでONUの帯域(DBA)計算をする際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に反映させた後、同一のONUへの残り帯域割当を行うと共に、OLTに接続されている他のONUへの帯域割当を行う。
【0041】
複数のONUからOLTに無線スケジューリング情報が届く際に、OLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合がある。すなわち、各ONUでの送信タイミングが同じであっても、OLTまでの距離が異なれば、OLTでのパケット衝突は生じないが、OLTにパケットが到着するタイミングが同じ場合がある。このような場合に、1つを除き、時間軸上でタイミングを調整する(例えば、遅らせる)。または、その情報をトリガーにして、1つを除き、ONUの波長を別波長に変えさせる(衝突回避)。ここで、波長を変えさせる場合、OLT内に各波長のDBAを一括で管理する機能と、波長変更を通知する機能とを備える。
【0042】
PONポーリング周期が、無線スケジュール到達間隔よりも大きい場合、ONU帯域割当前に、UE(BBU)からのデータが届くのを防ぐために、対象とするONUにデータ量、無線スケジューリング情報通知のための短周期の固定帯域割当を行う。または、低遅延対象の全ONUに短周期の固定帯域割当を行う。低遅延対象の全ONUに短周期の固定帯域割当を行う場合、一定期間待ってOLTから送信許可が無い場合、衝突して情報がOLTに届かなかったと判断し、再度指定の固定帯域で送信する。
【0043】
次に、本発明の各実施例について説明する。なお、無線スケジューリング情報を、単に「スケジューリング情報」ということもある。
【実施例1】
【0044】
実施例1では、無線スケジューリング情報をONUで把握する。また、(PONポーリング周期)≦(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域要求があった場合は、時間軸で処理する。
【0045】
図5aは、実施例1におけるPONシステムのOLTの概略構成を示す図であり、
図5bは、実施例1におけるPONシステムのONUの概略構成を示す図であり、
図5cは、実施例1におけるPONシステムのBBU(基地局装置)の概略構成を示す図である。
図5aに示すように、OLT131は、上位ネットワーク側インタフェース131a、スケジューリング情報を優先して上り帯域の割り当てを行う上り帯域割当部131b、各ONUへの帯域割当情報を通知する帯域割当情報通知部131c、およびONU側インタフェース131dを備えている。
【0046】
また、
図5bに示すように、ONU171は、OLT側インタフェース171a、スケジューリング情報読み込み部171b、スケジューリング情報を考慮したOLTへのデータ量を通知するデータ量通知部171c、所定のBBUからの信号を伝送する信号伝送部171d、および下位ネットワーク側インタフェース171eを備えている。また、
図5cに示すように、BBU211は、上位ネットワーク側インタフェース211a、スケジューリング情報を生成して送信するスケジューリング情報生成・送信部211b、およびRRH側CPRIインタフェース211cを備えている。
【0047】
図6は、PONシステムにおいて、UEからOLTまでの信号の流れを示すシーケンスチャートである。BBU211では、(1)スケジューリング情報生成・送信部211bが、無線スケジューリング情報をUE29方向に伝送すると共に、ONU171側にも伝送する。但し、ONU171側への無線スケジューリング情報には、UE29の送信タイミングではなく、実際にONU171で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UE29からの信号をBBU211で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。(2)ONU171では、スケジューリング情報読み込み部171bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。(3)また、ONU171では、データ量通知部171cが、OLT131に蓄積データ量の通知をする際に、無線スケジューリング情報分を考慮したデータ量とそのスケジューリング情報も通知する。
【0048】
OLT131では、(4)上り帯域割当部131bが、ONU171の帯域計算する際に、
図6に示すように、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一のONU171への残り帯域割当を行うと共に、OLT131に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU171からOLT131にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、1つを除き、時間軸上でタイミングをずらす。これにより、衝突を回避する。また、OLT131では、(5)帯域割当情報通知部131cが、各ONU171に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。ONU171では、(6)信号伝送部171dが、所定のBBU211からの上り信号を確保された帯域で伝送する。
【0049】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、上記(1)でUE29側に送る無線スケジューリング情報をそのままONU171に送信して、スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。ONU171およびBBU211を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例2】
【0050】
実施例2では、無線スケジューリング情報をONU171で把握する。また、(PONポーリング周期)>(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域要求があった場合は、時間軸で処理する。装置の機能は
図5a〜cに示したものと同じであるが、一部の動作が異なる。
図7は、PONシステムにおいて、UEからOLTまでの信号の流れを示すシーケンスチャートである。
【0051】
BBU211では、(1)スケジューリング情報生成・送信部211bが、無線スケジューリング情報をUE29方向に伝送すると共に、ONU171側にも伝送する。但し、ONU171側へのスケジューリング情報には、UE29の送信タイミングでなく、実際にONU171で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UE29からの信号をBBU211で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。ONU171では、(2)スケジューリング情報読み込み部171bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。
【0052】
また、ONU171では、(3)データ量通知部171cが、OLT131に蓄積データ量の通知をする際に、スケジューリング情報分を考慮したデータ量とそのスケジューリング情報も通知する。ここで、ONU171への帯域割当前にUE29からデータが届くことを防ぐため、
図7に示すように、対象ONU171にデータ量、スケジューリング情報通知のための短周期の固定帯域割当を行う場合や、対象となった全ONU171に短周期の固定帯域割当を行う場合もある。後者の場合、一定期間待ってOLT131から送信許可が無い場合、衝突して情報がOLT131に届かなかったと判断して、再度固定帯域で送信する。
【0053】
OLT131では、(4)上り帯域割当部131bが、ONU171の帯域計算する際に、スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一ONU171への残り帯域割当を行うと共に、OLT131に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU171からOLT131にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、1つを除き、時間軸上でタイミングをずらす。これにより、衝突を回避する。また、OLT131では、(5)帯域割当情報通知部131cが、各ONU171に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。ONU171では、(6)信号伝送部171dが、所定の基地局装置からの上り信号を確保された帯域で伝送する。
【0054】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE29側に送る無線スケジューリング情報を、そのままONU171に送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。ONU171および基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例3】
【0055】
実施例3では、無線スケジューリング情報をONUで把握する。また、(PONポーリング周期)≦(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合は、波長軸で処理する。
【0056】
図8aは、実施例3におけるPONシステムのOLTの概略構成を示す図であり、
図8bは、実施例3におけるPONシステムのONUの概略構成を示す図であり、
図8cは、実施例3におけるPONシステムのBBU(基地局装置)概略構成を示す図である。
図8aに示すように、OLT133は、上位ネットワーク側インタフェース133a、スケジューリング情報を優先して上り帯域の割り当てを行う上り帯域割当部133b、各ONUの波長およびDBAを一括管理する波長・DBA一括管理部133c、各ONUへの帯域割当情報を通知する帯域割当情報通知部133d、およびWDM機能を有するONU側インタフェース133eを備えている。
【0057】
また、
図8bに示すように、ONU173は、WDM機能を有するOLT側インタフェース173a、スケジューリング情報読み込み部173b、スケジューリング情報を考慮したOLTへのデータ量を通知するデータ量通知部173c、所定のBBUからの信号を伝送する信号伝送部173d、および下位ネットワーク側インタフェース173eを備えている。また、
図8cに示すように、BBU213は、上位ネットワーク側インタフェース213a、スケジューリング情報を生成して送信するスケジューリング情報生成・送信部213b、およびRRH側CPRIインタフェース213cを備えている。
【0058】
BBU213では、(1)スケジューリング情報生成・送信部213bが、無線スケジューリング情報をUE方向に伝送すると共に、ONU173側にも伝送する。但し、ONU173側への無線スケジューリング情報には、UEの送信タイミングでなく、実際にONU173で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UEからの信号を基地局装置で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。ONU173では、(2)スケジューリング情報読み込み部173bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。
【0059】
また、ONU173では、(3)データ量通知部173cが、OLT133に蓄積データ量の通知をする際に、無線スケジューリング情報分を考慮したデータ量とそのスケジューリング情報も通知する。OLT133では、(4)上り帯域割当部133bが、ONU173の帯域計算する際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一のONU173への残り帯域割当を行うと共に、OLT133に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU173からOLT133に無線スケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、波長・DBA一括管理部133cが、それをトリガーとして、1つを除き、ONUの波長を別波長に変えさせる。これにより、衝突を回避する。ONU173は、波長可変光源を有し、OLT133は(4)DBAの際に、各波長のDBAを一括で管理する。なお、OLT133において、上り帯域割当部133bが動作するときは、波長・DBA一括管理部133cも同時に動作することが可能である。
【0060】
OLT133では、(5)帯域割当情報通知部133dが、各ONUに対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。また、一部のONU173に対しては波長変更の通知をする。ONU173では、(6)信号伝送部173dが、所定のBBU213からの上り信号を確保された帯域、波長で伝送する。
【0061】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE側に送る無線スケジューリング情報をそのままONU173に送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。また、複数の手法の組み合わせで、上り帯域を割り当てる方法もある。ONU173および基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例4】
【0062】
実施例4では、無線スケジューリング情報をONUで把握する。また、(PONポーリング周期>無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合は、波長軸で処理する。装置の機能は
図8a〜cに示したものと同じであるが、一部の動作が異なる。
【0063】
BBU213では、(1)スケジューリング情報生成・送信部213bが、無線スケジューリング情報をUE方向に伝送すると共に、ONU173側にも伝送する。但し、ONU173側への無線スケジューリング情報には、UEの送信タイミングでなく、実際にONU173で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UEからの信号を基地局装置で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。ONU173では、(2)スケジューリング情報読み込み部173bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、スケジューリング情報を読み込む。
【0064】
ONU173では、(3)データ量通知部173cが、OLT133に蓄積データ量の通知をする際に、無線スケジューリング情報分を考慮したデータ量とその無線スケジューリング情報も通知する。ONU173への帯域割当前にUEからデータが届くことを防ぐため、対象ONU173にデータ量、無線スケジューリング情報通知のための短周期の固定帯域割当を行う場合や、対象となった全ONU173に短周期の固定帯域割当を行う場合もある。後者の場合、一定期間待ってOLT133から送信許可が無い場合、衝突して情報がOLT133に届かなかったと判断して、再度固定帯域で送信する。
【0065】
OLT133では、(4)上り帯域割当部133bが、ONU173の帯域計算する際に、スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一ONU173への残り帯域割当を行うと共に、OLT133に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU173からOLT133にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、波長・DBA一括管理部133cが、それをトリガーとして、1つを除いてONU173の波長を別波長に変えさせる。これにより、衝突が回避される。ONU173は波長可変光源を有し、OLT133は(4)DBAの際に、各波長のDBAを一括で管理する機能を有する。なお、OLT133において、上り帯域割当部133bが動作するときは、波長・DBA一括管理部133cも同時に動作することが可能である。
【0066】
OLT133では、(5)帯域割当情報通知部133dが、各ONU173に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。また、一部のONU173に対しては波長変更の通知をする。ONU173では、(6)信号伝送部173dが、所定の基地局装置からの上り信号を確保された帯域、波長で伝送する。
【0067】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE側に送る無線スケジューリング情報をそのままONUに送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。複数の手法の組み合わせで、上り帯域を割り当てる方法もある。ONUおよび基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例5】
【0068】
実施例5では、無線スケジューリング情報をOLTで把握する。また、(PONポーリング周期)≦(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合、時間軸で処理する。
【0069】
図9aは、実施例5におけるPONシステムのOLTの概略構成を示す図であり、
図9bは、実施例5におけるPONシステムのONUの概略構成を示す図であり、
図9cは、実施例5におけるPONシステムのBBU(基地局装置)概略構成を示す図である。
図9aに示すように、OLT135は、上位ネットワーク側インタフェース133a、スケジューリング情報を読み込むスケジューリング情報読み込み部135b、スケジューリング情報を優先して上り帯域の割り当てを行う上り帯域割当部135c、各ONUへの帯域割当情報を通知する帯域割当情報通知部135d、およびONU側インタフェース135eを備えている。
【0070】
また、
図9bに示すように、ONU175は、OLT側インタフェース175a、OLTへのデータ量を通知するデータ量通知部175b、所定のBBUからの信号を伝送する信号伝送部175c、および下位ネットワーク側インタフェース175dを備えている。また、
図9cに示すように、BBU215は、上位ネットワーク側インタフェース215a、スケジューリング情報を生成して送信するスケジューリング情報生成・送信部215b、およびRRH側CPRIインタフェース215cを備えている。
【0071】
図10は、PONシステムにおいて、UEからOLTまでの信号の流れを示すシーケンスチャートである。BBU215では、(1)スケジューリング情報生成・送信部215bが、無線スケジューリング情報をUE29方向に伝送すると共に、ONU175側にも伝送する。但し、ONU175側へのスケジューリング情報には、UE29の送信タイミングでなく、実際にONU175で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UE29からの信号をBBU215で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。ONU175では、
図10に示すように、ONU175において、(2)データ量通知部175bが、送信タイミングにおいて、通常のデータと同扱いとしてOLT135へデータ量として通知する。
【0072】
OLT135では、(3)スケジューリング情報読み込み部135bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。また、OLT135では、(4)上り帯域割当部135cが、ONU175の帯域計算する際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一ONU175への残り帯域割当を行うと共に、OLT135に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU175からOLT135にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、1つを除き、時間軸上でタイミングをずらす。これにより、衝突を回避する。OLT135では、(5)帯域割当情報通知部135dが、各ONU175に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。ONU175では、(6)信号伝送部175cが、所定の基地局装置からの上り信号を確保された帯域で伝送する。
【0073】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE29側に送る無線スケジューリング情報をそのままONU175に送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。ONU175および基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例6】
【0074】
実施例6では、無線スケジューリング情報をOLTで把握する。また、(PONポーリング周期)>(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合、時間軸で処理する。装置の機能は
図9a〜cに示したものと同じであるが、一部の動作が異なる。
図11は、PONシステムにおいて、UEからOLTまでの信号の流れを示すシーケンスチャートである。BBU215は、(1)スケジューリング情報生成・送信部215bが、無線スケジューリング情報をUE29方向に伝送すると共に、ONU175側にも伝送する。但し、ONU175側への無線スケジューリング情報には、UE29の送信タイミングでなく、実際にONU175で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UE29からの信号をBBU215で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。
【0075】
ONU175では、(2)データ量通知部175bが、送信タイミングにおいて、通常のデータと同扱いとしてOLT135へデータ量として通知する。ここで、ONU帯域割当前にUE29からデータが届くことを防ぐため、
図11に示すように、対象ONUにデータ量、スケジューリング情報通知のための短周期の固定帯域割当を行う場合や対象となった全ONU175に短周期の固定帯域割当を行う場合もある。後者の場合、一定期間待ってOLT135から送信許可が無い場合、衝突して情報がOLT135に届かなかったと判断して、再度固定帯域で送信する。
【0076】
OLT135では、(3)スケジューリング情報読み込み部135bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。また、OLT135では、(4)上り帯域割当部135cが、ONU175の帯域計算する際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一ONU175への残り帯域割当を行うと共に、OLT135に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU175からOLT135にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、1つを除き、時間軸上でタイミングをずらす。これにより、衝突が回避される。
【0077】
OLT135は、(5)帯域割当情報通知部135dが、各ONU175に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。ONU175では、(6)信号伝送部175cが、所定の基地局装置からの上り信号を確保された帯域で伝送する。
【0078】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE29側に送るスケジューリング情報をそのままONU175に送信して、スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。ONU175および基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例7】
【0079】
実施例7では、無線スケジューリング情報をOLTで把握する。また、(PONポーリング周期)≦(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合、波長軸で処理する。
【0080】
図12aは、実施例7におけるPONシステムのOLTの概略構成を示す図であり、
図12bは、実施例7におけるPONシステムのONUの概略構成を示す図であり、
図12cは、実施例7におけるPONシステムのBBU(基地局装置)概略構成を示す図である。
図12aに示すように、OLT137は、上位ネットワーク側インタフェース137a、スケジューリング情報を読み込むスケジューリング情報読み込み部137b、スケジューリング情報を優先して上り帯域の割り当てを行う上り帯域割当部137c、各ONUの波長およびDBAを一括管理する波長・DBA一括管理部137d、各ONUへの帯域割当情報を通知する帯域割当情報通知部137e、およびWDM機能を有するONU側インタフェース137fを備えている。
【0081】
また、
図12bに示すように、ONU177は、WDM機能を有するOLT側インタフェース177a、OLTへのデータ量を通知するデータ量通知部177b、所定のBBUからの信号を伝送する信号伝送部177c、および下位ネットワーク側インタフェース177dを備えている。また、
図12cに示すように、BBU217は、上位ネットワーク側インタフェース217a、スケジューリング情報を生成して送信するスケジューリング情報生成・送信部217b、およびRRH側CPRIインタフェース217cを備えている。
【0082】
BBU217では、(1)スケジューリング情報生成・送信部217bが、無線スケジューリング情報をUE方向に伝送すると共に、ONU177側にも伝送する。但し、ONU177側への無線スケジューリング情報には、UEの送信タイミングでなく、実際にONU177で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UEからの信号をBBU217で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。
【0083】
ONU177では、(2)データ量通知部177bが、送信タイミングにおいて、通常のデータと同扱いとしてOLT137へデータ量として通知する。OLT137では、(3)スケジューリング情報読み込み部137bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。OLT137では、(4)上り帯域割当部137cが、ONU177の帯域計算する際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一のONU177への残り帯域割当を行うと共に、OLT137に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU177からOLT137にスケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、波長・DBA一括管理部137dが、それをトリガーとして、1つを除いてONU177の波長を別波長に変えさせる。これにより、衝突が回避される。ONU177では、波長可変光源を有し、OLT137はDBAの際に、各波長のDBAを一括で管理する機能を有する。なお、OLT137において、上り帯域割当部137cが動作するときは、波長・DBA一括管理部137dも同時に動作することが可能である。
【0084】
OLT137では、(5)帯域割当情報通知部137eが、各ONU177に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。また、一部のONU177に対しては波長変更の通知をする。ONU177では、(6)信号伝送部177cが、所定のBBU217からの上り信号を確保された帯域、波長で伝送する。
【0085】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE側に送る無線スケジューリング情報をそのままONUに送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。また、複数の手法の組み合わせで、上り帯域を割り当てる方法もある。ONUおよび基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースも考えられる。
【実施例8】
【0086】
実施例8では、無線スケジューリング情報をOLTで把握する。また、(PONポーリング周期)>(無線スケジューリング情報到達間隔)とする。また、複数の基地局装置から同時に帯域の要求があった場合、波長軸で処理する。装置の機能は
図12a〜cに示したものと同じであるが、一部の動作が異なる。
【0087】
BBU217では、(1)スケジューリング情報生成・送信部217bが、無線スケジューリング情報をUE方向に伝送すると共に、ONU177側にも伝送する。但し、ONU177側への無線スケジューリング情報には、UEの送信タイミングでなく、実際にONU177で受信するタイミングに変換したタイミング情報(UEからの信号をBBU217で受けるタイミング+α)、送信データ量を含む。
【0088】
ONU177では、(2)データ量通知部177bが、送信タイミングにおいて、通常のデータと同扱いとしてOLT137へデータ量として通知する。ONU帯域割当前にUEからデータが届くことを防ぐため、対象ONU177にデータ量、無線スケジューリング情報通知のための短周期の固定帯域割当を行う場合や対象となった全ONU177に短周期の固定帯域割当を行う場合もある。後者の場合、一定期間待ってOLT137から送信許可が無い場合、衝突して情報がOLT137に届かなかったと判断して、再度固定帯域で送信する。
【0089】
OLT137では、(3)スケジューリング情報読み込み部137bが、無線スケジューリング情報を含むパケットのみを分けて(VLAN, COS, TOS等で区別)、無線スケジューリング情報を読み込む。また、OLT137では、(4)上り帯域割当部137cが、ONU177の帯域計算する際に、無線スケジューリング情報から要求された送信タイミング、データ量を最初に考慮した後、同一のONU177への残り帯域割当を行うと共に、OLT137に接続されている他のONUへの帯域割当を行う。但し、複数のONU177からOLT137に無線スケジューリング情報が届き、それに基づくデータのOLTでの受信タイミングが同じになってしまう場合には、波長・DBA一括管理部137dが、それをトリガーとして、1つを除いてONU177の波長を別波長に変えさせる。これにより、衝突が回避される。ONU177では、波長可変光源を有し、OLT137はDBAの際に、各波長のDBAを一括で管理する機能を有する。なお、OLT137において、上り帯域割当部137cが動作するときは、波長・DBA一括管理部137dも同時に動作することが可能である。
【0090】
OLT137では、(5)帯域割当情報通知部137eが、各ONU177に対して、(4)で決めた送信タイミング、送信許可データ量を通知する。また、一部のONU177に対しては波長変更の通知をする。ONU177では、(6)信号伝送部177cが、所定のBBU217からの上り信号を確保された帯域、波長で伝送する。
【0091】
上記のレベルで低遅延化を図る必要が無い場合は、(1)でUE側に送る無線スケジューリング情報をそのままONUに送信して、無線スケジューリング情報を読み取る時に一定時間の遅延を考慮する方法もある。また、複数の手法の組み合わせで、上り帯域を割り当てる方法もある。ONUおよび基地局装置を一体型構成として更なる精度向上を図るケースもある。
【実施例9】
【0092】
図13は、PONシステムにおいて、UEからOLTまでの信号の流れを示すシーケンスチャートである。実施例9では、無線スケジューリング情報をONUおよびOLTで把握する。すなわち、ONUは、無線スケジューリング情報から送信タイミングおよびデータ量を切りだして、OLTから受信したGATE信号に対するREPORT信号にカプセリングして送信する。ここで、ONUは、無線スケジューリング情報から送信タイミングおよびデータ量を切りだすのではなく、無線スケジューリング情報そのものをカプセル化しても良い。OLTは、カプセリングされたREPORT信号から送信タイミングおよびデータ量を読み出す。
【0093】
なお、実施例9では、(PONポーリング周期)≦(無線スケジューリング情報到達間隔)としても良いし、(PONポーリング周期)>(無線スケジューリング情報到達間隔)としても良い。後者の場合、固定タイムスロットでカプセリングされたREPORT信号を送信しても良い。
【0094】
以上、説明したように、本実施形態によれば、基地局装置とUE間の無線スケジューリング情報を基地局装置からUEに送信する際に、ONUにも送信することで、PON区間のDBA処理時間の短縮が可能となり、低遅延が求められる無線システムにもTDMAベースPONが適用可能となる。