【実施例】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
図1は本発明の表示機能付き自動ドア装置の一実施形態を示す全体構成図である。また、
図2は
図1におけるドア及び駆動機構の構成図、
図3〜
図6は
図1におけるドアコントローラの構成図である、また、
図7は表示機能付き自動ドア装置の制御に係る一実施形態を示すフローチャート、
図8は表示器の表示に係るフローチャートである。また、
図10〜
図18はドアコントローラの正面図、
図19は表示機能付き自動ドア装置の外観図である。
【0016】
<表示機能付き自動ドア装置1の構成について>
図1において、引用符号1は本発明の一実施形態に係る表示機能付き自動ドア装置を示す。表示機能付き自動ドア装置1は、ドア2と、このドア2を開閉するための駆動機構3と、駆動機構3を制御するドアコントローラ4と、図示しない電気錠とを備えて構成される。また、表示機能付き自動ドア装置1は、ドアコントローラ4に接続される構成として、ドア2の内側(例えば屋内側)及び外側(例えば屋外側)に設けられる人体検出センサ5と、ドア2の開閉動時において人が挟まれないようにするための安全光線スイッチ6と、例えば車両用の開放スイッチ7と、電源8(AC100V)からの電力供給ライン上(図中の波線が該当)に設けられる電源スイッチ9と、装置運転状態を見かけ上停止したりキャンセルしたりするために設けられる運転停止スイッチ10とを備えて構成される。
【0017】
先ず、上記各構成について説明をする。
【0018】
<駆動機構3について>
図1及び
図2において、駆動機構3は、モータ11及び伝達機構12を有する。ドア2は、伝達機構12を介し駆動力が伝達されて開閉動する。モータ11には、磁極位置センサ13が設けられる。この磁極位置センサ13は、モータ11の回転動作に基づきドア2の移動量に比例したパルス信号(位置速度パルス信号)を発生させるために用いられる。モータ11や磁極位置センサ13や上記電気錠には、ドアコントローラ4を介して電源8からの電力が供給される。
【0019】
伝達機構12は、第一ベルト機構14と、第二ベルト機構15と、減速機構(図示省略)とを備えて構成される。第一ベルト機構14及び第二ベルト機構15は、減速機構を介して連結される。第一ベルト機構14は、モータ11の出力軸に軸着された第一歯付主動プーリ16と、第一歯付従動プーリ17と、これらに巻き付く第一歯付ベルト18とを有する。また、第二ベルト機構15も同様に、第二歯付主動プーリ19と、第二歯付従動プーリ20と、これらに巻き付く第二歯付ベルト21とを有する。第二歯付ベルト21には、連結金具22を介してドア2が取り付けられる。図示しない電気錠は、施錠状態を形成するために第一歯付主動プーリ16に対し拘束ロッドを係合させることができるように取り付けられる(一例であるものとする)。
【0020】
<ドアコントローラ4について>
図1において、ドアコントローラ4は、モータ11に対しドア起動信号を出力してドア2の開閉を行うことができるように構成される。また、ドアコントローラ4は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を行うことができるように構成される。さらに、ドアコントローラ4は、運転停止スイッチ10のオン・オフ操作に基づき、装置運転状態を見かけ上停止したりキャンセルしたりすることができるように構成される。
【0021】
図1及び
図3において、ドアコントローラ4は、モータ11を正逆転方向に設定速度で駆動制御することが可能なモータ駆動制御手段23と、各種制御、演算、及び判断を行う制御演算手段24と、磁極位置センサ13からのパルス信号を合成してこれを制御演算手段24に対し出力するパルス合成回路部25と、制御演算手段24に接続されるメモリ26(数値記憶部)及び不揮発性メモリ27(数値記憶部)とを備えて構成される。また、ドアコントローラ4は、人体検出センサ5からの信号の入力先になる人体検出センサ入力部28(センサ入力部)と、安全光線スイッチ6からの信号の入力先になる安全光線スイッチ入力部29と、開放スイッチ7からの信号の入力先になる開放スイッチ入力部30(スイッチ信号入力部)とを備えて構成される。
【0022】
モータ駆動制御手段23及びパルス合成回路部25は、制御演算手段24に接続される。また、人体検出センサ入力部28、安全光線スイッチ入力部29、及び開放スイッチ入力部30も制御演算手段24に接続される。
【0023】
制御演算手段24は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を行うにあたり必要な制御、演算、及び判断を行うことができるように構成される。また、制御演算手段24は、装置運転状態を見かけ上停止したりキャンセルしたりするにあたり必要な制御、演算、及び判断を行うこともできるように構成される。尚、制御演算手段24の構成に関しては
図4を参照しながら後述するものとする。
【0024】
図1及び
図5において、ドアコントローラ4は、電源スイッチ9を介して電源8に接続される電源接続部31と、制御演算手段24の制御に基づき所定箇所への電力供給を遮断する電源遮断部32とを備えて構成される。また、
図1及び
図6に示す如く、ドアコントローラ4は、ドア2の開閉に係る設定値の入力・調整を行うための複数のボリューム33(33a〜33d)と、このボリューム33の接続先になり且つ制御演算手段24に対して上記設定値の信号を出力するためのA/Dコンバータ34と、ドアコントローラ4の外側から視認可能に設けられる表示器35とを備えて構成される。
【0025】
電源接続部31及び電源遮断部32は、制御演算手段24に接続される。また、A/Dコンバータ34及び表示器35も制御演算手段24に接続される。
【0026】
<ボリューム33及びその周辺部分について>
図1、
図6、及び
図9において、ボリューム33は、操作工具36(
図9参照)を用いて例えばドライバでねじ込むような回転操作をすることができるように形成される。また、ボリューム33は、抵抗値の変化により設定値の入力・調整を行うことができるように形成される。
【0027】
図9において、ボリューム33は、ドアコントローラ4のカバー外面37に形成された凹部38に横一列に並ぶように配設される。一番左側のボリューム33aは、「開放時間」を設定するために設けられる。また、左から二番目のボリューム33bは、「閉速度」を設定するために設けられる。また、左から三番目のボリューム33cは、「開速度」を設定するために設けられる。そして、一番右のボリューム33dは、「ブレーキ力」を設定するために設けられる。尚、ボリューム33の並びにおける引用符号39は開方向に係るスイッチ、引用符号40はテストボタンを示す。
【0028】
カバー外面37には、ボリューム33a〜37dの操作方法に関する目盛り(符号省略)等が表示される。尚、従来ではこの目盛り等を見ながらボリューム33の操作をしていたが、本発明ではこの他に表示器35を用いて操作することができ、そのため作業性が格段に向上するのは勿論である(表示器35を用いての操作及び効果については後述するものとする)。
【0029】
操作工具36は、
図9に示す如くの棒状の工具であって、この一端がプラス形状「+」、他端がマイナス形状「−」に形成される。操作工具36は、凹部38の側壁に形成される可撓性の保持アームにより着脱自在に取り付けられる(作業者は専用の工具を持ち歩く必要がないという利点を有する)。操作工具36は、作業性に配慮してボリューム33及び表示器35の近傍に配置される。作業員は、操作工具36を取り外しながら表示器35を見て、そして、該当するボリューム33を回すように操作すればよい。表示器35に数値で表示するようにすれば、見間違えなく確実に設定、調整(変更)、確認をすることができるようになるのは勿論である。
【0030】
尚、設定値は、A/Dコンバータ34及び制御演算手段24を介して数値記憶部であるメモリ26に記憶されるものとする(一例であり、不揮発性メモリ27に記憶されるような構成であってもよいものとする。この場合、仮にボリューム33が経年変化したとしても設定値が狂ってしまうことがないという利点を有する)。
【0031】
図1、
図6、及び
図9において、表示器35は、電力が供給されることにより数字及び文字を表示することが可能な機器であって、本実施例においては、数字ならば7桁まで表示が可能な液晶表示器が採用される(一例であるものとする)。表示器35には、ドア2の累積開閉数及びドア2の開閉に係る設定値が表示される。
【0032】
<制御演算手段24について>
図1及び
図4において、制御演算手段24は、ドア開閉信号出力部41と、累積開閉数カウント部42と、表示器制御部43と、表示選択部44と、ドアストローク測長部45と、全開位置検出部46と、全閉位置検出部47と、ドア位置検出部48と、運転停止部49と、図示しないドア開閉モード選択部とを備えて構成される。尚、このような構成の制御演算手段24と、数値記憶部であるメモリ26及び不揮発性メモリ27とを含めて、所謂「マイコン」と呼んでもよいものとする。
【0033】
制御演算手段24の上記構成について、以下説明をする。
【0034】
ドア開閉信号出力部41は、モータ駆動制御手段23に対しドア開閉信号を出力するために備えられる。ドア開閉信号としては、速度指令に係る信号、回転方向に係り信号、電流に係る信号が挙げられる。尚、モータ駆動制御手段23には、電流センサ50が設けられており、電流に関してのフィードバックがなされるように構成される。モータ駆動制御手段23には、パルス合成回路部25において合成されたパルス信号が入力されるものとする。この信号は、モータ11のコイルに通電するタイミングを計るために入力される。
【0035】
累積開閉数カウント部42は、ドア2の累積開閉数をカウントするために備えられる。カウントされた累積開閉数は、電源8がオフされても記憶を保持しておくことができる図示しない専用のメモリに記憶される。表示器制御部43は、表示器35を制御するために備えられる。
【0036】
表示選択部44は、上記累積開閉数及び設定値のいずれか一方を表示器35に表示させる信号を生成するために備えられる。また、この生成された信号を表示器制御部43に対し出力するためにも備えられる。表示選択部44は、上記いずれか一方を表示させるにあたり、ドア2の開閉状態に基づく判断を行うことができるように構成される。また、その判断にて信号の生成・出力をすることができるようにも構成される(表示に係る判断等は後述するものとする)。
【0037】
ドアストローク測長部45は、電源スイッチ9の投入後にモータ11を駆動させてドア2を低速走行させつつ、モータ11に設けられた磁極位置センサ13からの位置速度パルス信号をパルス合成回路部25を介して計数し、このパルス合成回路部25を介した計数値を基準ドアストローク値としてメモリ26に記憶することができるように構成される。本実施例では、このようなドアストローク測長部45が実行された後に、図示しないドア開閉モード選択部等が実行される。
【0038】
全開位置検出部46及び全閉位置検出部47は、ドアストローク測長部45の実行により得られた基準ドアストローク値と、モータ11の磁極位置センサ13からの位置速度パルス信号を計数した計数値とを比較演算してドア2の全開位置又は全閉位置を検出することができるように構成される。また、ドア位置検出部48は、モータ11の磁極位置センサ13からの位置速度パルス信号を計数した計数値に基づきドア2の現在位置を検出することができるように構成される。
【0039】
制御演算手段24は、ドアストローク測長部45、全開位置検出部46、全閉位置検出部47、及びドア位置検出部48を備えることから、基準ドアストローク値と上記計数値とを比較演算してドア2の開閉動作時のブレーキ位置、全開位置、全閉位置を検出することができる。これにより、ドア2に対して予め定められた設定値の高速動作、減速動作、低速動作をさせることが可能になる。
【0040】
図1、
図4、及び
図5において、運転停止部49は、運転停止スイッチ10のオン・オフ操作に基づき作動するように構成される(運転停止スイッチ10は、運転停止スイッチ入力部51を介して制御演算手段24に接続される)。具体的に説明をすると、運転停止部49は、運転停止スイッチ10のオン操作によりドアコントローラ4及び磁極位置センサ13への電力供給を維持しつつ、モータ11への電力供給を電源遮断部32の作動によって遮断(若しくはモータ11へのドア開閉信号の出力を停止)し、装置運転状態を見かけ上停止したりするとともに、運転停止スイッチ10のオンからオフへの操作により見かけ上停止している装置状態をキャンセルしたりすることができるように構成される。
【0041】
また、運転停止部49は、運転停止スイッチ10のオン操作があると、表示器35への電力供給を遮断して、数字、文字(累積開閉数、設定値)を無表示とするとともに、図示しないパイロットランプの点灯信号の送信を停止したり、電源遮断部32を作動させて人体検出センサ5や安全光線スイッチ6、開放スイッチ7への電力供給を遮断したり、人体検出センサ5や安全光線スイッチ6、開放スイッチ7からの入力受付を停止したりすることができるように構成される。
【0042】
さらに、運転停止部49は、運転停止スイッチ10のオンからオフへの操作があると、表示器35への電力供給を開始して、数字、文字(累積開閉数、設定値)の表示を再開するとともに、図示しないパイロットランプの点灯信号の出力を開始したり、電源遮断部32を作動させて人体検出センサ5や安全光線スイッチ6、開放スイッチ7への電力供給を再開したり、人体検出センサ5や安全光線スイッチ6、開放スイッチ7からの入力受付を開始したりすることができるように構成される。
【0043】
さらにまた、運転停止部49は、運転停止スイッチ10のオン操作があり、この時にドア2が自動開閉動作中の場合には、モータ駆動制御手段23を介してモータ11を制動し、ドア2を完全に停止させることができるように構成される。
【0044】
尚、以上のような運転停止部49に関しての作用効果は、本願出願人による特許第4372148号(特開2008−156958号)に詳細な記載があるので、ここでは省略するものとする。
【0045】
<ドアコントローラ4の作用(制御)について>
次に、上記構成に基づきドアコントローラ4の作用(制御)について説明をする。説明は、
図7及び
図8を参照しながら、また、必要に応じて
図1〜
図6、
図9〜
図18を参照しながらするものとする。
【0046】
図7において、制御演算手段24は、電源8の投入(電源スイッチ9のオン操作)があると、ボリューム33及びA/Dコンバータ34を介してドア2の開閉に係る各設定値の読み込み処理を行うようになる(ステップS1)。各設定値の読み込み処理では、予め操作されたボリューム33の数値を読み込んだり、電源8の投入後に初めてボリューム33を操作して入力を行った場合の数値を読み込んだりするようになる。尚、不揮発性メモリ27を用いて各設定値を記憶しているのであれば、この限りでないものとする。ステップS1の各設定値の読み込み処理が終わると、ステップS2のドアストローク測長処理に移行する。
【0047】
ステップS2のドアストローク測長処理では、上記基準ドアストローク値を求めたり、ドア2の全開位置や全閉位置を検出したりすることを行う。そして、ステップS3の処理では、運転停止スイッチ10のオン操作があったか否かの判断を行う。運転停止スイッチ10のオン操作がない場合には(ステップS3でNO)、ステップS4の通常開閉処理(ドア2に対する従来同様の処理であり、ここでは説明を省略するものとする)を行う。ステップS4の通常開閉処理の後は、ステップS3の処理に戻り、この処理を再度繰り返す。一方、ステップS3で運転停止スイッチ10のオン操作があった場合には(ステップS3でYES)、ステップS5の運転停止処理(本願出願人による特許第4372148号(特開2008−156958号)に詳細な記載があるので、ここでは省略するものとする)を行う。ステップS5の運転停止処理の後は、ステップS3の処理に戻り、この処理を再度繰り返す。
【0048】
制御演算手段24は、ステップS4の通常開閉処理において、表示器35への表示に係り、以下のような処理も含むものとする(ステップS5の運転停止処理でも含むことが可能であるものとする)。以下の処理では、表示器制御部43及び表示選択部44が中心になるような状態で制御演算手段24が作動する。
【0049】
図8において、ステップS11では、設定値の入力や変更があったか否かの判断を行う。設定値の入力や変更がない場合には(ステップS11でNO)、ステップS12の処理を行う。そして、ステップS12では、ドア2が全閉位置にあるか否かの判断を行う。ドア2が全閉位置にある場合には(ステップS11でYES)、ステップS13の処理、すなわちドア2の累積開閉数の表示処理を行う。尚、この時、表示選択部44がドア2の全閉状態を判断し、累積開閉数を表示させる旨の信号の生成してこれを表示器制御部43に出力する。ステップS13での累積開閉数の表示後は、ステップS11の処理に戻り、この処理を再度繰り返す。
【0050】
一方、ステップS11で設定値の入力や変更があった場合には(ステップS11でYES)、また、ステップS12でドア2が全閉位置にない場合には(ステップS12でNO)、ステップS14の処理、すなわち「該当する設定値の表示処理」を行う。尚、この時、表示選択部44がドア2の全閉状態でないことを判断し、該当する設定値を表示させる旨の信号の生成してこれを表示器制御部43に出力する。ステップS14の処理では、後述する内容で表示を行うものとする(一例であるものとする)。ステップS14での設定値の表示後は、ステップS11の処理に戻り、この処理を再度繰り返す。
【0051】
<ステップS14での該当する設定値の表示処理について>
以下、ステップS14での「該当する設定値の表示処理」について、
図9〜
図18を参照しながら説明をする。尚、必要に応じて
図1〜
図8も参照するものとする。
【0052】
先ず、ドア2の開閉状態に基づき該当する設定値が表示器35に表示される場合の例について、以下に幾つか挙げて説明をする。
【0053】
図9は、ドアコントローラ4の表示器35に開速度設定値「OPS 500」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、人体検出センサ5からの信号が入力されると(オンすると)、ドア2が500mm/sの開速度で速度制御されるということが分かる。
【0054】
図10は、ドアコントローラ4の表示器35にブレーキ力設定値「SCd 80」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、ドア2が開放側の減速位置に到達すると、ドア2が80%で減速制御されるということが分かる。
【0055】
図11は、ドアコントローラ4の表示器35に開放時間設定値「HLd 3.0」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、ドア2が全開位置に到達すると、ドア2が3秒間開放されるということが分かる。尚、人体検出センサ5からの信号がオフすると、開放時間が3秒から0.5秒毎に0秒までカウントダウンする。尚、カウントダウン後は、ドア2の閉動作が開始するようになる。
【0056】
図12は、ドアコントローラ4の表示器35に開放状態を維持する旨の「LACH」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、開放スイッチ7からのオン信号が入力されると開放状態になり、次のオン信号が入力されるまで開放状態が続くことが分かる。
【0057】
図13は、ドアコントローラ4の表示器35に閉速度設定値「CLS 200」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、ドア2が200mm/sの閉速度で速度制御されることが分かる。
【0058】
図10に戻り、この図は上述の如くドアコントローラ4の表示器35にブレーキ力設定値「SCd 80」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。ここでは、ドア2が閉鎖側の減速位置に到達すると、ドア2が80%で減速制御されるということが分かる。
【0059】
図14は、ドアコントローラ4の表示器35に累積開閉数、例えば「1234567」が表示される例である(表示は一例であるものとする)。この例では、ドア2が全閉位置に到達すると、ドア2の累積開閉数が表示されるということが分かる。
【0060】
次に、設定値を変更する場合の例について、以下に幾つか挙げて説明をする。
【0061】
図15は、例えばドア2が全閉位置にある時に設定値の変更がなされる例である(表示は一例であるものとする)。ボリューム33を時計回り又は反時計回りに操作すると、可変抵抗値が変化して、そして、所定の抵抗値以上に変化すると、表示器35には抵抗値の変化に見合った開放時間設定値が例えば「HLd 5.5」と表示される。具体的に本実施例では、開放時間設定値が0秒〜10秒、0.5秒単位で設定可能であり、それが表示されるものとする。
【0062】
尚、設定値の変更が行われ、ボリューム33の操作が所定時間なければ(例えば3秒間、抵抗値の変化がなければ)、これが変更後の設定値として数値記憶部であるメモリ26又は不揮発性メモリ27に記憶されるものとする。
【0063】
図16は、閉速度設定値の変更がなされる例である(表示は一例であるものとする)。ボリューム33を時計回り又は反時計回りに操作すると、可変抵抗値が変化して、そして、所定の抵抗値以上に変化すると、表示器35には抵抗値の変化に見合った閉速度設定値が「CLS 100」〜「CLS 500」の範囲で表示される。具体的に本実施例では、閉速度設定値が100mm/s〜500mm/s、25mm/s単位で設定可能であり、それが表示されるものとする。
【0064】
図17は、開速度設定値の変更がなされる例である(表示は一例であるものとする)。ボリューム33を時計回り又は反時計回りに操作すると、可変抵抗値が変化して、そして、所定の抵抗値以上に変化すると、表示器35には抵抗値の変化に見合った開速度設定値が「OPS 100」〜「OPS 500」の範囲で表示される。具体的に本実施例では、開速度設定値が100mm/s〜500mm/s、25mm/s単位で設定可能であり、それが表示されるものとする。
【0065】
図18は、ブレーキ力設定値の変更がなされる例である(表示は一例であるものとする)。ボリューム33を時計回り又は反時計回りに操作すると、可変抵抗値が変化して、そして、所定の抵抗値以上に変化すると、表示器35には抵抗値の変化に見合ったブレーキ力設定値が「SCd 0」〜「SCd 100」の範囲で表示される。具体的に本実施例では、ブレーキ力設定値が0%〜100%、5%単位で設定可能であり、それが表示されるものとする。
【0066】
<表示機能付き自動ドア装置1の効果について>
以上、
図1ないし
図18を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態に係る表示機能付き自動ドア装置1によれば、ドア2の累積開閉数を表示器35に表示させたり、ドア2の開閉状態に基づいてドア2の開閉に係る設定値を表示器35に表示させたりすることができる。
【0067】
表示機能付き自動ドア装置1は、上記表示をさせる制御演算手段24を有してドアコントローラ4を構成することから、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来よりも格段にし易くすることができる。
【0068】
<他の特徴及び効果について>
ここまでの説明は、
図19(a)に示すようなドアコントローラ4を一つ備えた場合の表示機能付き自動ドア装置1であるが、これに限らず
図19(b)に示す如く、ドアコントローラ4を二つ備えた場合であってもよいものとする。ドアコントローラ4を二つ備えた場合では、それぞれの表示器35に設定値を表示させることができるようになることから、設定値の調整や変更が左右でばらついてしまうということがないのは勿論である。ドアコントローラ4を二つ備える場合には、より効果的であると言える。尚、このことを特徴づけてみると以下のようになる。
【0069】
すなわち、表示機能付き自動ドア装置1は、
「ドア(2)と、該ドア(2)を開閉するための駆動機構(3)と、該駆動機構(3)を制御するためのドアコントローラ(4)とを備え、
前記駆動機構(3)は、モータ(11)と、該モータ(11)に連結する伝達機構(12)と、前記モータ(11)に取り付けられて前記ドア(2)の移動量に比例したパルス信号を発生する磁極位置センサ(13)とを備え、
前記ドアコントローラ(4)は、前記モータ(11)を正逆転方向に設定速度で駆動制御するモータ駆動制御手段(23)と、該モータ駆動制御手段(23)にドア開閉信号を出力するためのドア開閉信号出力部(41)と、該ドア開閉信号出力部(41)を構成に含む制御演算手段(24)と、前記パルス信号を合成してこれを前記制御演算手段(24)に対し出力するパルス合成回路部(25)と、前記ドア(2)の開閉に係る設定値の入力・調整を行うための複数のボリューム(33)と、該ボリューム(33)の接続先になり前記制御演算手段(24)に対し前記設定値の信号を出力するためのA/Dコンバータ(34)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記ドア(2)の累積開閉数をカウントする累積開閉数カウント部(42)と、前記設定値及び前記累積開閉数の記憶先になる一又は複数の数値記憶部(26(27))と、該数値記憶部(26)に記憶された前記累積開閉数の表示先になり前記ドアコントローラ(4)の外側から視認可能に設けられる表示器(35)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記表示器(35)を制御する表示器制御部(43)とを備える、
表示機能付き自動ドア装置(1)において、
当該表示機能付き自動ドア装置(1)は、前記ドア(2)、前記駆動機構(3)、及び前記ドアコントローラ(4)をそれぞれ二つ備える構成であり、
前記各ドアコントローラ(4)における前記制御演算手段(24)には、前記ドア(2)の開閉状態に基づき前記累積開閉数及び前記設定値のいずれか一方を前記表示器(35)に表示させる信号を生成し該信号を前記表示器制御部(43)に出力するための表示選択部(44)を設ける」
と特徴づけることができる。
【0070】
以上のような表示機能付き自動ドア装置1は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来の特に両引きタイプで、より格段にし易くすることができるという効果を奏する。
【0071】
<他の特徴及び効果について>
不揮発性メモリ27に設定値を記憶してもよい旨を上述したが、このことを特徴づけてみると以下のようになる。
【0072】
すなわち、表示機能付き自動ドア装置1は、
「…表示機能付き自動ドア装置(1)において、
前記数値記憶部(26)として不揮発性メモリ(27)を用い、該不揮発性メモリ(27)を前記設定値の記憶先とする一方、
前記制御演算手段(24)には、前記ドア(2)の開閉状態に基づき前記累積開閉数及び前記設定値のいずれか一方を前記表示器(35)に表示させる信号を生成し該信号を前記表示器制御部(43)に出力するための表示選択部(44)を設ける」
と特徴づけることができる。
【0073】
以上のような表示機能付き自動ドア装置1は、ボリューム33に仮に経年変化が生じても設定値が狂ってしまうことがないという効果や、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来よりも格段にし易くすることができるという効果を奏する。
【0074】
<他の特徴及び効果について>
ボリューム33、表示器35、及び操作工具36の配置について上述したが、このことを特徴づけてみると以下のようになる。
【0075】
すなわち、表示機能付き自動ドア装置1は、
「…表示機能付き自動ドア装置(1)において、
前記ボリューム(33)及び前記表示器(35)を横一列に並べるとともに、前記ボリューム(33)及び前記表示器(35)の近傍に前記ボリューム(33)の操作用の操作工具(36)を配置する一方、
前記制御演算手段(24)には、前記ドア(2)の開閉状態に基づき前記累積開閉数及び前記設定値のいずれか一方を前記表示器(35)に表示させる信号を生成し該信号を前記表示器制御部(43)に出力するための表示選択部(44)を設ける」
と特徴づけることができる。
【0076】
以上のような表示機能付き自動ドア装置1は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来よりも格段にし易く(作業性よく)することができるという効果を奏する。
【0077】
<他の特徴及び効果について>
表示機能付き自動ドア装置1は、ドア2の累積開閉数を表示器35に表示させたり、ドア2の開閉状態に基づいてドア2の開閉に係る設定値を表示器35に表示させたりすることができることから、このことを特徴づけてみると以下のようになる。
【0078】
すなわち、「表示機能付き自動ドア装置(1)におけるドア(2)の開閉に係る設定値の入力や調整、確認方法」は、
「表示機能付き自動ドア装置(1)として、ドア(2)と、該ドア(2)を開閉するための駆動機構(3)と、該駆動機構(3)を制御するためのドアコントローラ(4)とを備え、
前記駆動機構(3)は、モータ(11)と、該モータ(11)に連結する伝達機構(12)と、前記モータ(11)に取り付けられて前記ドア(2)の移動量に比例したパルス信号を発生する磁極位置センサ(13)とを備え、
前記ドアコントローラ(4)は、前記モータ(11)を正逆転方向に設定速度で駆動制御するモータ駆動制御手段(23)と、該モータ駆動制御手段(23)にドア開閉信号を出力するためのドア開閉信号出力部(41)と、該ドア開閉信号出力部(41)を構成に含む制御演算手段(24)と、前記パルス信号を合成してこれを前記制御演算手段(24)に対し出力するパルス合成回路部(25)と、前記ドア(2)の開閉に係る設定値の入力・調整を行うための複数のボリューム(33)と、該ボリューム(33)の接続先になり前記制御演算手段(24)に対し前記設定値の信号を出力するためのA/Dコンバータ(34)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記ドア(2)の累積開閉数をカウントする累積開閉数カウント部(42)と、前記設定値及び前記累積開閉数の記憶先になる一又は複数の数値記憶部(26(27))と、該数値記憶部(26)に記憶された前記累積開閉数の表示先になり前記ドアコントローラ(4)の外側から視認可能に設けられる表示器(35)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記表示器(35)を制御する表示器制御部(43)とを備え、
さらに、前記ドアコントローラ(4)は、前記制御演算手段(24)に設けられて前記表示器制御部(43)対し信号を出力する表示選択部(44)を備え、
前記表示機能付き自動ドア装置(1)における前記ドア(2)の開閉に係る設定値の入力や調整、確認にあたっては、前記表示選択部(44)にて、前記ドア(2)の開閉状態に基づき前記累積開閉数及び前記設定値のいずれか一方を前記表示器(35)に表示させる」
と特徴づけることができる。
【0079】
以上のような方法は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来よりも格段にし易く(作業性よく)することができるという効果を奏する。
【0080】
<他の特徴及び効果について>
表示機能付きドアコントローラ4について特徴づけてみると以下のようになる。
【0081】
すなわち、
「ドア(2)を開閉するための駆動機構(3)を制御するためのドアコントローラであって、
前記駆動機構(3)は、モータ(11)と、該モータ(11)に連結する伝達機構(12)と、前記モータ(11)に取り付けられて前記ドア(2)の移動量に比例したパルス信号を発生する磁極位置センサ(13)とを備え、
当該ドアコントローラ(4)は、前記モータ(11)を正逆転方向に設定速度で駆動制御するモータ駆動制御手段(23)と、該モータ駆動制御手段(23)にドア開閉信号を出力するためのドア開閉信号出力部(41)と、該ドア開閉信号出力部(41)を構成に含む制御演算手段(24)と、前記パルス信号を合成してこれを前記制御演算手段(24)に対し出力するパルス合成回路部(25)と、前記ドア(2)の開閉に係る設定値の入力・調整を行うための複数のボリューム(33)と、該ボリューム(33)の接続先になり前記制御演算手段(24)に対し前記設定値の信号を出力するためのA/Dコンバータ(34)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記ドア(2)の累積開閉数をカウントする累積開閉数カウント部(42)と、前記設定値及び前記累積開閉数の記憶先になる一又は複数の数値記憶部(26(27))と、該数値記憶部(26)に記憶された前記累積開閉数の表示先になり当該ドアコントローラ(4)の外側から視認可能に設けられる表示器(35)と、前記制御演算手段(24)に設けられて前記表示器(35)を制御する表示器制御部(43)とを備える、
表示機能付きドアコントローラ(4)において、
前記制御演算手段(24)には、前記ドア(2)の開閉状態に基づき前記累積開閉数及び前記設定値のいずれか一方を前記表示器(35)に表示させる信号を生成し該信号を前記表示器制御部(43)に出力するための表示選択部(44)を設ける」
と特徴づけることができる。
【0082】
以上のような表示機能付きドアコントローラ4は、ドア2の開閉に係る設定値の入力や調整、確認を従来よりも格段にし易く(作業性よく)することができるという効果を奏する。
【0083】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。