特許第6517269号(P6517269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6517269
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】有害生物防除配合物並びにその使用
(51)【国際特許分類】
   A01N 31/08 20060101AFI20190513BHJP
   A01N 65/26 20090101ALI20190513BHJP
   A01P 7/00 20060101ALI20190513BHJP
   A01N 65/24 20090101ALN20190513BHJP
   A01N 65/28 20090101ALN20190513BHJP
   A01N 65/44 20090101ALN20190513BHJP
   A01N 65/36 20090101ALN20190513BHJP
   A01N 65/42 20090101ALN20190513BHJP
【FI】
   A01N31/08
   A01N65/26
   A01P7/00
   !A01N65/24
   !A01N65/28
   !A01N65/44
   !A01N65/36
   !A01N65/42
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-95854(P2017-95854)
(22)【出願日】2017年5月12日
(62)【分割の表示】特願2014-534030(P2014-534030)の分割
【原出願日】2012年10月4日
(65)【公開番号】特開2017-193552(P2017-193552A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2017年5月23日
(31)【優先権主張番号】61/542,993
(32)【優先日】2011年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/622,893
(32)【優先日】2012年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/652,110
(32)【優先日】2012年5月25日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314004196
【氏名又は名称】0903608 ビー シー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】カラン マナス
(72)【発明者】
【氏名】アネット ロゼク
【審査官】 鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−513053(JP,A)
【文献】 特表2002−521406(JP,A)
【文献】 米国特許第06949587(US,B1)
【文献】 特開2000−281509(JP,A)
【文献】 特開2001−199807(JP,A)
【文献】 特表2010−515775(JP,A)
【文献】 特表2010−522236(JP,A)
【文献】 特開2000−247809(JP,A)
【文献】 特開平05−139907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 31/08
A01N 65/26
A01P 7/00
A01N 65/24
A01N 65/28
A01N 65/36
A01N 65/42
A01N 65/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.25〜75重量%の殺虫性天然油と、0.7〜75重量%の極性芳香族溶媒とを含み、
前記殺虫性天然油は、ニーム油を含み、
前記極性芳香族溶媒は、ベンジルアルコール、アルファ-4-ジメチルベンジルアルコール、2-フェニル-2-プロパノール、1-フェニルエタノール、もしくはフェノール又はこれらの組み合わせを含む、有害生物防除用殺虫性組成物。
【請求項2】
前記極性芳香族溶媒は、ベンジルアルコールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記極性芳香族溶媒は、アルファ-4-ジメチルベンジルアルコールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記極性芳香族溶媒は、2-フェニル-2-プロパノールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記極性芳香族溶媒は、1-フェニルエタノールを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
節足動物及び/又はその卵を請求項1ないしのいずれか1項に記載の殺虫性組成物に曝露することを含む、節足動物を防除する方法。
【請求項7】
前記節足動物は、昆虫、クモ、又は、ムカデを含む請求項の方法。
【請求項8】
前記節足動物は、トコジラミ、イエユウレイグモ、ネコノミ、ダニ、ヒアリ、シロアリ、トビイロシロアリ、ヤマアリ、アメイロケアリ、ヨーロッパアカヤマアリ、マダラシミ、コヌカアリ、オオアリ、ファラオアリ、アルゼンチンアリ、蚊、ワラジムシ、ダンゴムシ、ムカデ、クモ、セイヨウシミ、サソリ、ゴキブリ、コナジラミ、ハエ、アブラムシ、疥癬、シラミ、カメムシ、蛾、カブトムシ、グンバイムシ、ミカンキイロアザミウマ、リーフマイナー、バッタ、コロギ、イナゴ、ヨコバイ、ウンカ、オオヨコバイ、カイガラムシ、ユスリカ、イヤーワーム、蛾の幼虫、ヨトウムシ、アオムシ、イモムシ、ナガカメムシ、コナマイガラムシ、ゾウムシ、ウマバエ、ライスバグ、コーヒーバグ、ベジタブルバグ、マツマダラメイガ又はダニを含む請求項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1ないしのいずれか1項に記載の組成物に節足動物の卵を曝露することを含む節足動物の卵の羽化を抑制する方法。
【請求項10】
前記節足動物は、トコジラミを含む、請求項または請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のいくつかの実施形態は、種々の有害生物(pest)の防除(control)に使用されう
る組成物に関する。本発明のいくつかの実施形態は、昆虫及びクモを含む節足動物(arthr
opods)、並びに/又は他の有害生物の防除に使用されうる。本発明のいくつかの実施形態
は、例えば、トコジラミ(bed bug)、蚊(mosquitoes)、マダニ(ticks)、シラミ(lice)、カ
メムシ(stink bugs)、ハエ(flies)、ゴキブリ(cockroaches)及び蛾(moths)を含む、吸血
性(sucking)及び刺咬性(biting)の有害生物の防除に使用されうる。本発明のいくつかの
実施形態は、有害生物を防除する組成物の使用方法に関する。本発明の他の実施形態は、
有害生物を防除する組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
何世紀にもわたって行われている防除の物理的手段に加えて、最近数十年は、化学的に
開発された何百もの有害生物の防虫剤(repellents)、成長調整剤(growth regulators)及
び殺虫剤(insecticides)の出現及び広範な使用を目の当たりにしている。これらの製品は
しばしば、商業化の前に重度に精製された合成品種であり、そのリストには、ピレスロイ
ド(pyrethroids)(デルタメトリン(deltamethrins)、シルフトリン(cyfluthryns)等を含
む)、DEET及び他の芳香族アミド、有機リン酸塩、並びにカルバミン酸塩が含まれる。こ
れらの製品の実用性は、人間への若しくは環境への毒性、虫害抵抗性(insect resistance
)(特にはピレスロイド;Romero, et al.を参照)、制限された乾燥残留活性(dry residu
e activity)、忌避性(repellancy)、及び室内での利用を不適当にする物理的要因(臭気
、汚染)を含む要因によりしばしば制限される。これらの理由及び消費者の好みのあり方
(consumer preference paradigms)の変化のため、これらの制約を克服する天然由来の効
果的な有害生物防除製品の需要は常に増加している。
【0003】
いくつかの殺虫剤製品は、植物及び他の天然源に由来する。例えば、ピレトリン系殺虫
剤(pyrethrin classes of pesticides)は、除虫菊(pyrethrum daisy)、即ちシロバナムシ
ヨケギク(Chrysanthemum cinerariaefolium)に由来する。他の例には、デリス属(Derris)
ロンコカルプス属(Lonchocatpus)の根に由来するロテノン(rotenone)、リアニア属(Ryani
a speciosa)の茎由来のリアニア(ryania)、並びにインドセンダン(Azadirachta indica)
の葉、皮及び種に由来するニーム(neem)が含まれる。
【0004】
インドセンダンの木(「神木(Sacred Tree)」又は「自然の薬局(Nature's Pharmacy)」
と呼ばれることがある)は、幅広い種類で有用な生物活性化合物の源として長く認識され
ている。ニームの誘導体は、保湿剤(moisturizing agents)としての有効性を示し、ニー
ム油自体は、にきび(acne)、乾癬(psoriasis)及び水疱瘡(chicken pox)を含む種々の皮膚
状態の治療薬として使用される。また、歯磨き粉に、食材(cooking ingredient)として、
並びに発熱(fever)、耳痛(earache)、頭痛(headache)、及び糖尿病(diabetes)を含む重篤
な疾患を含む種々の症状を治療する薬剤として使用される(例えばBrachmachariを参照)
。農業部門では、ニーム油(neem oil)は、うどん粉病(mildew)、炭疸病(anthracnose)、
さび病(rust)、斑点病(leaf spot)、ボチリチス病(botrytis)、腐敗病(scab)及びアルテ
ルナリア(alternaria)の予防に有効な手段と考えられている。その誘導体はさらに、抗ウ
イルス剤(antiviral)、抗菌剤(antimicrobial)、抗真菌剤(antifungal)及び防腐剤(antis
eptic)として種々に記載されている。ニーム油及びその誘導体の多くは、昆虫防除剤及び
殺虫剤として認識され、使用されている。
【0005】
ニーム油は、昆虫を死滅(kill)又は忌避(repel)する多数の活性化合物を含有し、37
5以上の種類の昆虫に対して示された効能を有する。ニーム油は、多くの有害生物、特に
昆虫の忌避剤(repellent)として認識されている(例えばMishra, et alを参照)。高濃度
においてニーム油は、塗布後6ヶ月以上多くの昆虫に対する忌避活性を示すことが報告さ
れている(Daniel & Smith参照)。昆虫は、まさに殺虫剤であることを意図する製品への
曝露から忌避されるので、これらの忌避特性は、ニーム油の殺虫活性を著しく制限する。
ニーム油は、卵にニーム油を直接投与した場合、多くの昆虫の卵の羽化を抑制することが
知られている(Rahman & Talukder; Ahmed, et al参照)。ニーム油はまた、高濃度で限
定された一部の昆虫の多くの産卵の抑制を示す(コクゾウムシ(maize weevil)を含む。MK
Khattak参照)。
【0006】
現在の仮説は、ニーム油は、接触殺虫剤(contact killer)として、摂食阻害物質(antif
eedant)として、昆虫成長調整剤として、滅菌剤(sterilizing agent)として、腸運動阻害
剤(gut motility inhibitor)として、及び/又は、キチナーゼ阻害剤(chitin inhibitor)
として機能しうることを示唆する。ニーム油において重要な活性成分であるアザジラクチ
ン(azadirachtin)は、特定の状況下で摂食阻害性、忌避性(repellent)及び滅菌活性(s
terilization activities)を示すことが報告されており、これまでに有害生物防除化学
物質として使用されている(米国特許第4,556,562号参照)。
【0007】
ニーム油及びアザジラクチンは、昆虫ホルモン系の活性、摂食阻害活性、抗脱皮活性、
および多数の他の活性を含む複雑なメカニズムの昆虫毒性を示すと考えられる。殺虫剤と
してのニーム油は、生分解性であり、環境及び人間毒性が低く、合衆国環境保護庁の公差
要求から除外されている(合衆国連邦官報60巻,239号, 1995参照)。
【0008】
ニーム油には、殺虫剤としての欠点がある。いくつかの昆虫において脱皮の抑制に有効
であり、かつ、一定の忌避特性を表すものの、ニーム油のノックダウン能力は一貫性のな
いことが報告されており(Schumutter参照)、いくつかの研究では、成虫の殺虫において
同族の殺虫剤よりも効率性で劣ることが判明している(Pavela参照)。ニーム油は、ほと
んどの昆虫に対して乾燥残留殺虫活性が低いこと、並びにほとんどの種族の昆虫に対して
卵の羽化及び産卵の乾燥残留抑制が低いことが報告されている。ニーム油は、一部の人に
不快な臭気を有しており、この臭気は、急速には消散しない。
【0009】
以下に詳細に説明するように、殺虫又は他の有害生物の防除活性を示す他の天然油が報
告されている。
【0010】
有害生物は、かなりやっかいで、健康上のリスクがある。例えば近年、北米中でトコジ
ラミ(Cimexlectularius L.)の蔓延が再発した。トコジラミは、影響を受ける人に不眠
、不安、不快感をもたらす。トコジラミは、厄介な有害生物である。トコジラミは、隙間
(crevices)、継ぎ目(seams)及び他の狭い空間内に生息し及び潜んでいる。トコジラミは
、特定及び発見が難しく、摂食がなくとも数ヶ月又は数年以上休眠で生き延びうる。トコ
ジラミは、人があちこちに運ぶスーツケース、家具及び衣類への付着により拡散する。ト
コジラミを防除する現在の方法は高価であるとともに、種々の制限を有しており、詳細に
は影響を受ける人が近接して長時間の露出を受ける就寝領域で製品を使用しなければなら
ない。
【0011】
改良された天然源由来の殺虫剤、卵の羽化を防止しうる殺虫剤、並びに改良された乾燥
残留及び長期残留活性を有する殺虫剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明のいくつかの実施形態は、殺虫性天然油及び/若しくはこれらの成分並びに/又
はこれらの誘導体と、極性芳香族溶媒と、を含む殺虫性組成物を提供する。いくつかの実
施形態は、有害生物の死滅、摂食の抑制又は低減、産卵の抑制又は低減、有害生物の卵の
羽化の抑制又は低減等による有害生物の防除に使用されうる。いくつかの実施形態は、効
果的又はより早いノックダウン殺虫活性(knockdown pesticidal activity)、乾燥残留殺
虫活性(dry residue pesticidal activity)、及び/又は長期残留殺虫活性(prolonged re
sidual pesticidal activity)を示す。いくつかの実施形態は、昆虫及び/又はクモを含
む、例えばトコジラミのような節足動物を含む、有害生物の除去に使用されうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油は、ニーム油、クローブ油、ペパーミント油、
ミント油、シナモン油、タイム油、オレガノ油、及び/若しくはガーリック油、並びに/
又はこれらの誘導体若しくは抽出物である。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は
、アリールアルコール、アリール-アルキルアルコール、アリールアルデヒド、アリール
アルキルケトン、アリール-アリールケトン、アリールカルボン酸、アリールエステル、
アリール-アルキルエステル、アリール-アリールエステル、アリール-アルキルエーテル
、及びアリール-アリールエーテルからなる群より選択される。いくつかの実施形態では
、極性芳香族溶媒は、例えばアセトフェノンのようなアリールケトンである。いくつかの
実施形態では、極性芳香族溶媒は、アセトフェノン、ベンジルアルコール、エチルベンゾ
エート、及び/又は安息香酸である。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油はニーム油
であり、極性芳香族溶媒はアセトフェノンである。
【0014】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせは、相乗的な
レベルの殺虫活性を示す。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の
組み合わせは、殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒を単独で使用した場合に同様の殺虫活性
を示す濃度よりも低い濃度で、殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒が存在する殺虫剤として
有効である。このようないくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、アセトフェノンで
あり、殺虫性天然油は、ニーム油、クローブ油、シナモン油、タイム油、オレガノ油、及
び/又はガーリック油である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明の一実施形態の組成物による卵の羽化の抑制の試験例の結果を示す。
図2図2は本発明の一実施形態の組成物のピレスロイド耐性トコジラミを死滅する能力の試験例の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者により完全な理解を提供するために、以下に具体的な実施形態について詳細を述
べる。しかしながら、周知の要素は、不必要に開示が不明瞭となることを回避するために
、詳細な記載及び図示をしていない場合がある。従って、明細書及び図面は、それぞれ本
発明を限定するのではなく、本発明を説明するためのものであると見なされるべきである
【0017】
数値範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限の間の各々の値、文脈から別途
明確な指示がない限り、下限値の10分の1の位までの値、および任意の他の規定された
数値、又は、その規定された範囲内に介在する数値は、本発明の実施形態に包含されるも
のと理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立してより小さい範囲の
値とすることができ、これらのより小さな範囲は、記述された範囲で具体的に排除された
何らかの限界を条件として、本発明の実施形態内に含まれることを意図するものとして理
解されるべきである。
【0018】
他に定義がない限り、本明細書において使用する技術的な及び科学的な用語は全て、本
発明が属する技術分野の当業者よって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書
において説明する方法及び材料と類似する又は等価な方法及び材料は、本発明の実施形態
の実行又は検査に使用しうるものであるが、開示の不必要な不明瞭を避けるために好まし
い方法及び材料について説明する。
【0019】
本明細書において使用される場合、「備える」又は「備えている」は、オープンエンド
(open-ended)の意味として、即ち、言及されて明示された特徴、要素、ステップ又は成
分が存在するが、他の特徴、要素、ステップ又は成分の存在又は追加を排除しないものと
して解釈されるべきである。
【0020】
本明細書において使用される場合、単数形は、文脈から明らかにそうでないことが示さ
れない限り、複数の参照を含むものである。例えば、「真菌(a fungus)」は、「複数の
真菌(fungi)」を含むものである。
【0021】
本明細書において使用される場合、「有害生物(pest)」という用語は、コロニー形成
(colonizing)、損傷(damaging)、攻撃(attacking)、栄養(nutrients)の競合(competing)
若しくは感染(infcting)により、例えば植物又は哺乳類のような動物又は植物のようなホ
ストに悪影響を与える有機体を指す。これには、昆虫及びクモを含む節足動物が含まれ、
また例えばトコジラミ、ダニ(mites)、マダニ、アリ(ants)、シラミ及びゴキブリのよう
な吸血性及び刺咬性の有害生物が含まれる。
【0022】
本明細書において使用される場合、「殺虫剤(pesticide)」という用語は、有害生物の
防除及び/又は死滅に使用されうる薬剤(agent)を指す。この用語は、天然由来又は化
学合成の殺虫剤(幼虫駆除剤(larvicides)、成虫駆除剤(adulticides)、殺卵剤(ovicides
))、ダニ駆除剤(acaricides)(ダニ殺虫剤(miticides))、防カビ剤(fungicides)、抗線
虫剤(nematicides)、寄生虫駆除剤(parasiticides)、又は他の防除剤を含むが、これらに
限定されないものとして理解される。「殺虫活性」とは、殺虫剤として有効な薬剤を指す
【0023】
本明細書において使用される場合、「卵の羽化(egg emergence)」という用語は、羽化(
eclosion)、即ち、蛹からの成虫の羽化、又は昆虫の幼虫/若虫の卵からの孵化(hatching
)を意味するものである。「羽化の抑制(preventing eclosion)」又は「卵の羽化の抑制(p
reventing egg emergence)」とは、蛹からの成虫の羽化又は卵からの幼虫の孵化の抑制又
は遅延を意味するものである。
【0024】
本明細書において使用される場合、「防除(control)」又は「防除する(controlling)」
という用語は、死滅、成長調整、又は組成物が与えられた有害生物に対する組成物の殺虫
活性(有害生物の通常のライフサイクルでの妨害又は抑制)を含むことを意図するもので
あるが、これらに限定されない。これらの用語は、例えば精子又は卵子の死滅を引き起こ
すか、遺伝物質に重傷を引き起こす、精子又は卵子の生産を抑制する殺菌活性を含む。「
防除」又は「防除する」という用語の範囲に含まれることを意図する他の活性には、幼虫
が成熟した子孫に発展することの抑制、羽化の抑制を含む卵からの有害生物の羽化の調節
、卵材料の分解、窒息(suffocation)、腸運動性の低減、キチン(chitin)形成の抑制、交
尾又は性的伝達の破壊、及び摂食の阻止(摂食阻害)の活性が含まれる。
【0025】
本明細書において使用される場合、「忌避(repellent)」又は「忌避する(repelling
)」という用語は、組成物が塗布又は組み込まれる表面に有害生物が着陸又は上ることを
組成物が阻止すること、及び/又は組成物が塗布又は組み込まれる表面から有害生物が立
ち去ることを組成物が促進することを意味するものである。
【0026】
本明細書において使用される場合、「殺虫性天然油」とは、天然油又は例えば植物材料
由来の油であって、それ自体が又は溶媒との組み合わせのいずれかが殺虫活性を示すもの
である。本明細書において使用される場合、「殺虫性天然油」は、例えば粉末エキス等の
、天然源由来の、抽出された又は他で得られた他の材料を含むものである。「誘導体」と
は、天然油から得られうる化合物又は組成物である。「組成」又は「成分」とは、天然油
中に見られる化合物又は組成物である。
【0027】
本明細書において使用される場合、「ニーム油」は、インドセンダンの種、葉及び樹皮
由来の油を指すものである。ニーム油、アザジラクチンの抽出物又はニーム油から精製さ
れる他の誘導体を得る方法は、本技術分野において公知である。ニーム油を得る典型的な
一つの方法は、冷圧である。
【0028】
本明細書において使用される場合、「乾燥残留活性」とは、塗布から少なくとも2時間
組成物を乾燥した後、有害生物が乾燥残留物に露出する前の、殺虫活性及び/又は卵の羽
化の抑制を示す組成物を指すものである。
【0029】
本明細書において使用される場合、「長期残留活性」とは、標的表面に組成物を塗布し
た後数日間、殺虫活性及び/又は卵の羽化の抑制を示す組成物を指すものである。いくつ
かの実施形態では、「長期残留活性」とは、標的表面への塗布後、組成物を乾燥した後1
週間、2週間、3週間又はそれ以上まで、殺虫活性及び/又は卵の羽化の抑制を示す組成
物を指すものである。より長期の残留殺虫活性は、有害生物の防除の許容レベルの達成に
必要な標的表面の再処理の間隔を拡張しうる。いくつかの実施形態では、長期残留活性は
、処理後、少なくとも7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間
、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、又は21日間まで以上、殺虫活性及
び/又は卵の羽化の抑制示す組成物を指すものであり、少なくともこれらの期間について
有害生物又はこれらの卵が接触若しくは曝露される表面に組成物を再塗布する必要がない
ことを意味する。
【0030】
本明細書において使用される場合、「ノックダウン」活性とは、有害生物に直接塗布し
た場合の組成物の殺虫活性を指すものである。
【0031】
本明細書において使用される場合、「表面」又は「標的表面」は、殺虫剤が塗布される
又は塗布されるべき表面を含むものである。このような表面は、例えば、有害生物が塗布
された殺虫剤に接触又は曝露される若しくは有害生物が卵を産卵する可能性のある表面、
及び/又は有害生物により寄生された又は寄生が疑われる表面を含みうる。
【0032】
本明細書において使用される場合、「産卵の抑制」とは、組成物が、有害生物が産卵す
ることを抑制する、及び/又は有害生物によって一般的に産卵される卵の数を減少させる
ことを意味する。
【0033】
本明細書において使用される場合、「安定性」という用語は、殺虫剤で処理される表面
への塗布後に組成物が殺虫活性を維持する能力を意味するものである。
【0034】
本明細書において使用される「キャリア」という用語は、適用、貯蔵、輸送及び/又は
取り扱いを容易にするために、又は臭気のような種々の製品特性を改善するために活性成
分が混合又は配合されうる有機又は無機の不活性物質を指すものである。通常使用される
キャリアには、エタノール、イソプロパノール、他のアルコール、及び水が含まれるがこ
れらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態で使用されうる典型的なキャリアは、
最小リスクの不活性殺虫剤成分(4A)、不活性殺虫剤成分(4B)又はEPA regulation 40 CFR
180.950としてアメリカ合衆国環境保護庁によりリストとされた不活性キャリアを含む。
これらの各々は、引用することによって全体があらゆる目的で本明細書に組み入れられ、
例えばクエン酸、乳酸、グリセリン、キャスター油、安息香酸、炭酸、エトキシル化アル
コール、エトキシ化アミド、グリセリド、ベンゼン、ブタノール、1-プロパノール、ヘキ
サノール、他のアルコール、ジメチルエーテル、ポリエチレングリコールが含まれる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態は、種々の有害生物の防除に有用な組成物及び方法を提供
する。本発明のいくつかの実施形態は、例えば、トコジラミ、蚊、マダニ、シラミ、ノミ
(fleas)、カメムシ、ハエ、ゴキブリ、クモ及び/又は蛾を含む、吸血性及び刺咬性の有
害生物の防除に使用されうる。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物は、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせを
含む。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせは、有害
生物の防除に効果的である。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒
の組み合わせは、羽化の抑制に効果的である。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及
び極性芳香族溶媒の組み合わせは、産卵の抑制に効果的である。いくつかの実施形態では
、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせは、効果的なノックダウン殺虫活性を示
す。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせは、長期残
留殺虫活性を示す。
【0037】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせは、殺虫性天
然油又は極性芳香族溶媒が単独の場合と比較して、著しく改善された有害生物の防除能力
及び/又は拡張された範囲の殺虫活性を示す。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及
び極性芳香族溶媒の組み合わせを含む組成物は、殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒が単独
の場合と比較して、改善された乾燥残留殺虫活性を示す。いくつかの実施形態では、殺虫
性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせを含む組成物は、単独で使用される殺虫性天然
油又は極性芳香族溶媒が有意水準で羽化を抑制できない条件下で使用された場合に、羽化
を抑制するように作用する。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒
の組み合わせを含む組成物は、単独で使用される殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒が有意
水準で産卵を抑制できない条件下で使用された場合に、産卵を抑制するように作用する。
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒の組み合わせを含む組成物は
、単独で使用される殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒と比較して、改善された又はより早
い有害生物のノックダウンを示す。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香
族溶媒の組み合わせを含む組成物は、単独で使用される殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒
と比較して、長期残留殺虫活性を示す。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性
芳香族溶媒の組み合わせを含む組成物は、長期に残留する卵の羽化の抑制活性を示すが、
単独で使用される殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒は、このような活性を示さない。
【0038】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒と殺虫性天然油の組み合わせを含む組成物は
、単独で使用される殺虫性天然油の忌避性よりも低い度合いの忌避性(repellency)を示
す。本明細書に記載のいくつかの実験条件下では、極性芳香族溶媒と組み合わされたニー
ム油を有する典型的な組み合わせの乾燥残留物は、ニーム油単独の乾燥残留物よりも成虫
のトコジラミに対して十分に低い忌避性を示し、防除未処理の場合と比較して同レベルの
忌避性を示す。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒と殺虫性天然油の組み合わせは
、天然油の忌避性を緩和すると考えられる(即ち、この組み合わせで処理した標的表面の
忌避性は、未処理の標的表面の忌避性と同じである。)。いくつかの実施形態では、極性
芳香族溶媒と殺虫性天然油の組み合わせは、天然油の忌避性を緩和するとともに天然油の
誘因性(attractancy)を改善する(即ち、この組み合わせで処理した標的表面は、未処理
の標的表面よりも誘引し、及び/又は、この処理は有害生物を隠れ家及び割れ目から追い
出す。)。
【0039】
有害生物は、殺虫性天然油の忌避性のために、未処理領域に移動するよりも、組成物が
塗布された(又は隠れる領域から追い出される)領域に留まろうとすることになるので、
殺虫性天然油の忌避性(又は誘因剤としての機能)の低減は、殺虫剤としての組成物の有
効性を大きくし、殺虫剤の特性を回避するか又は影響をうけない。いくつかのケースでは
、度合いの高い忌避剤を塗布すると、忌避剤を塗布した位置から有害生物が立ち去るので
、有害生物の拡散を引き起こす。例えば、居住用住宅に有害生物の局所的な侵入があり、
侵入が局所的である領域に忌避性の製品を塗布した場合、有害生物は、単純に移動して居
住用住宅の他の領域に侵入しうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、殺虫性組成物は、2以上の天然油及び極性芳香族溶媒を含む
。いくつかの実施形態では、天然油の少なくとも1つは殺虫性天然油であり、天然油の少
なくとも1つは、組成物中の1又は複数の殺虫性天然油の忌避性を低減するように選択さ
れる油又は芳香(fragrance)である。いくつかの実施形態では、天然油は、殺虫性天然
油単独の臭気よりも人間により好ましい臭気を有する組成物を提供するように選択される
。即ち、天然油は殺虫性天然油の臭気をマスクする添加剤である。
【0041】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、ケトンである。いくつかの実施形態では
、極性芳香族溶媒は、単純なケトンである。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は
、アセトフェノンである。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、アルコール、ア
ルデヒド、エステル、又はカルボン酸である。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒
は、アリールアルコール、アリール-アルキルアルコール、アリールアルデヒド、アリー
ル-アルキルケトン、アリール-アリールケトン、アリールカルボン酸、アリール-アルキ
ルエステル、アリール-アリールエステル、アリール-アルキルエーテル、アリール-アリ
ールエーテル、及び/又はこれらの組み合わせである。
【0042】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、一般式
【化1】

を有する。
式中、Rは、
【化2】

でありうる。
式中、R2、R3、R4、R5及びR6は独立して水素、又は例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基若しくはペンチル基等を含むアルキル基、アルケニル基若
しくはアルキニル基、水酸基、ハロ官能基、又はアルコール、ハロ、若しくは他の極性官
能基を含むアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基である。R7及びR8は独立して
水素、又は例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基若しくは
ペンチル基等を含むアルキル基、又は芳香族基でありうる。いくつかの実施形態では、R7
及び/又はRは、他の置換基を有しうる。いくつかの実施形態では、R2、R3、R4、R5
び/又はR6は、他の置換基を有しうる。いくつかの実施形態では、他の極性芳香族溶媒を
使用しうる。
【0043】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、ベンジルアルコール、3,4-ジメチルベン
ジルアルコール、アルファ-4-ジメチルベンジルアルコール、2-フェニル-2-プロパノール
、1-フェニルエタノール、ベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド
、アセトフェノン、4'-メチルアセトフェノン、2'-ヒドロキシアセトフェノン、2',4'-ジ
メチルアセトフェノン、3',4'-ジメチルアセトフェノン、プロピオフェノン、4'-メチル
プロピオフェノン、ブチロフェノン、イソブチロフェノン、バレロフェノン、4'-ヒドロ
キシバレロフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ヘキサノフェノン、2,2',4,4'-テ
トラヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、安息香酸エチル、イ
ソブチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、プロピル-4-ヒドロキシベンゾエート、
フェノール、ブチルフェニルエーテル、トランス-アネトール、ジベンジルエーテル、ジ
フェニルエーテル、および/又はこれらの組み合わせである。
【0044】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、アルキルアルコールにより置換される。
いくつかの実施形態では、溶媒は、2-エチル-1-ヘキサノール、1-ノナノール、2-ブチル-
1-オクタノール、2-ヘキシル-1-デカノール、1-ドデカノール、2-オクタノール、1-デカ
ノール、及び/又はこれらの組み合わせである。
【0045】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒を含む組成物は、大きく改
善された安定性及び殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒が単独の乾燥残留殺虫活性と比較し
て、大きく改善された乾燥残留殺虫活性を示す。一実施形態では、アセトフェノン又は他
の極性芳香族溶媒の、ニーム油又はニーム油の成分若しくは誘導体への添加は、ニーム油
又はニーム油の成分若しくは誘導体の単独と比較して、及び溶媒単独の乾燥残留殺虫活性
と比較して、安定性及び乾燥残留物の殺虫活性が大きく改善された組成物を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒を含む組成物は、卵の羽化
を抑制する(即ち羽化を防止する)。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳
香族溶媒を含む組成物は、長期の卵の羽化抑制活性を示す。
【0047】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒を含む組成物は、殺虫性天
然油又は極性芳香族溶媒の単独と比較して、改善された産卵の抑制を示す。
【0048】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒を含む組成物は、殺虫性天
然油又は極性芳香族溶媒の単独と比較して、改善された又はより早い有害生物のノックダ
ウンを示す。
【0049】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒を含む組成物は、単独で使
用される殺虫性天然油又は極性芳香族溶媒と比較して、改善された又はより早い有害生物
のノックダウン及び長期的な残留殺虫活性の両方を示す。
【0050】
いくつかの実施形態では、殺虫性天然油は、ニーム油又はニーム油の成分若しくは誘導
体である。他の実施形態では、殺虫性天然油は、ニーム油、クローブ油、ペパーミント油
、シナモン油、タイム油、オレガノ油、ガーリック油、アニス油、ゼラニウム油、ライム
油、ラベンダー油、又はこれらの成分若しくは誘導体であり、例えばゼラニウム油由来の
ゲラニオール及びクローブ油由来のオイゲノールを含むもの、又はこれらの組み合わせで
ある。表1は、いくつかの殺虫性天然油の主要な化学組成(即ち成分)の要約を示す。い
くつかの実施形態では、殺虫性天然油は、表1に記載の2以上の殺虫性天然油(即ち、ニ
ーム油、クローブ油、ペパーミント油、シナモン油、タイム油、オレガノ油、ガーリック
油、アニス油、ゼラニウム油、ライム油、ラベンダー油)に共通する1又は複数の組成を
含む任意の油であって、(オレガノ油及びタイム油に見られる)チモール、(オレガノ油
及びタイム油に見られる)p-シメン、(タイム油及びペパーミント油に見られる)1,8-シ
ネオール、(クローブ油及びシナモン油に見られる)オイゲノール、(シナモン油、ペパ
ーミント油及びライム油に見られる)リモネン、(シナモン油、ゼラニウム油、ライム油
に見られる)アルファ-ピネン、(オレガノ油、タイム油及びクローブ油に見られる)カ
ルバクロール、(オレガノ油及びライム油に見られる)ガンマ-テルピネン、(タイム油
及びゼラニウム油に見られる)ゲラニオール、(タイム油及びアニス油に見られる)アル
ファ-テルピネオール、(クローブ油、シナモン油、及びペパーミント油に見られる)ベ
ータ-カリオフィレン及び(タイム油、シナモン油及びゼラニウム油、その他の中に見ら
れる)リナノールが含まれるがこれらに限定されない1又は複数の組成を含む任意の油で
ある。他の実施形態においては、殺虫性天然油は、以下の化合物の1つ又は以下の化合物
の組み合わせを成分として有する任意の油である。アザジラクチン、ニンビン、ニンビニ
ン、サランニン、ゲデュニン、ゲラニオール、ゲラニアール、ガンマ-テルピネン、アル
ファ-テルピネオール、ベータ-カリオフィレン、テルピネン-4-オール、ミルセノール-8
、ツヤノール-4、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、シンナミルアセテート、ア
ルファ-ピネン、ゲラニルアセテート、シトロネロール、シトロネリルフォーメート、イ
ソメントン、10-エピ-ガンマ-オイデスモール、1,5-ジメチル-1-ビニル-4-ヘキセニルブ
チレート、1,3,7-オクタトリエン、ユーカリプトール、カンフル、ジアリルジスルフィド
、メチルアリルトリスルフィド、3-ビニル-4H-1,2ジチイン、3-ビニル-1,2ジチオール-5-
シクロヘキサン、ジアリルトリスルフィド、アネトール、メチルカビコール、アニスアル
デヒド、エストラゴール、リナリルアセテート、ゲラニアール、ベータ-ピネン、チモー
ル、カルバクロール、p-シメン、ベータ-ミルセン、アルファ-ミルセン、1,8-シネオール
、オイゲノール、リモネン、アルファ-ピネン、メントール、メントン、及びリナノール

表1.殺虫性天然油の化学成分
【表1】
【0051】
表2は、いくつかの殺虫性天然油の成分の(殺虫、殺ダニ、殺卵、殺幼虫、成長率の減
少、及び蛹化阻害活性を含む)知られている殺虫活性の要約を表す。いくつかの実施形態
では、殺虫性天然油は、殺虫活性を有する一以上の成分の有意量(即ち、殺虫活性を有す
る天然油の提供に十分な量)を備える任意の油又は任意の成分である。いくつかの実施形
態では、殺虫性天然油は、表2に記載された1又は複数の成分の有意量(即ち、殺虫活性
を有する天然油の提供に十分な量の成分)、即ち、チモール、p-シメン、オイゲノール、
シンナムアルデヒド、リナロール、シンナミルアセテート、メントール、d-リモネン、ア
ネトール、カルバクロール、アルファ-ピネン、ゲラニオール、1,8-シネオール、ミルセ
ン、アニスアルデヒド、アルファ-テルピネオール、アルファ-テルピネン、ガンマ-テル
ピネン、テルピネン-4-オール、及びベータミルセンを備える任意の油である。いくつか
の実施形態では、殺虫活性を有する公知の成分は、テルペン、例えばアザジラクチンであ
る。いくつかの実施形態では、殺虫性天然油の成分は、重量で約0.1%以上、約0.5%以上、
約1%以上の量が天然油中に存在する。
表2.殺虫性天然油の化学成分の知られている殺虫活性
【表2】
【0052】
本発明のいくつかの実施形態の添加剤として、単独で又は組み合わせて使用されうる他
の油は、植物、動物若しくはミネラル源由来のもの、又は合成されたものとすることがで
きる。このような油は、キャリアとして、及び/又は、(例えば臭気マスク剤として作用
する)臭気特性の改善、活性成分として使用される他の油の性質の改善、忌避性の低減、
殺虫剤としての作用、及び/又は配合物の他の性質の改善を含むがこれらに限定されない
種々の他の目的で添加されうる。このような油には、キャスター油、オレンジ油、シトラ
ス油、シダー油、リンシード油、ソイビーン油、リコリス油、ミント油、スイートバーチ
油、カノーラ油、ホホバ油、ラバンジン油、マスタードシード油、ココナッツ油、エウエ
油、トゥルシー油、アーモンド油、コットンシード油、コーン油、ゼラニウム油、セサミ
油、トング油、ローズマリー油、バジル油、フェンネル油、ジンジャー油、グレープフル
ーツ油、マンダリン油、ペッパー油、ローズ油、タンジェリン油、ティーツリー油、ティ
ーシード油、パイン油、カルダモン油、カッシア油、セレリ油、コニャック油、ディルウ
ィード油、ジュニパー油、グアイアックウッド油、パルスレイ油、ピメントリーフ油、ア
プリコット油、オリガヌム油、ベテルリーフ油、アジョワン油、チリシード油、クベバ油
、カレー油、フランキンセンス油、ジンジャーグラス油、ヘング油、ジャムロサ油、カロ
ンジ油、シトロネラ油、リナロエベリー油、バンツラシ油、バーセラ油、レモンバーム油
、カランジャ油、ネペタラクトン油、ミンク油、リンバパイン油、リツェアクベバ油、ロ
ベージ油、マヌーカ油、マジョラム油、ミルフォイル油、ミルラ油、ミルテ油、ネロリ油
、ニアウリ油、クミンシード油、シペリオール油、ゲレニオール油、グレープシード油、
ヒノキ油、ローレルベリー油、ライケン油、メース油、マンゴージンジャー油、メンタピ
ペレタ油、パプリカ油、ベチバ油、ウィートジャーム油、マカッサル油、メンタシトレタ
油、マスクメロン油、ナーカチュア油、パルマローザ油、パチョリ油、ポメグラネート油
、パンプキン油、トマーシード油、カナンガ油、アボガド油、サフラワー油、アビエスア
ルバニードル油、アンブレットシード油、アミリス油、アンジェリカルート油、アルテミ
シア油、エストラゴン油、ファーニードル油、ガランガル油、ガルバヌム油、オリバナム
油、パルマローザ油、パチョリ油、バーチ油、カヤプト油、カラムス油、セダーウッド油
、ウィンターグリーン油、キャロット油、コスタス油、サイプレス油、ダバナ油、ドワー
フパインニードル油、エレミ油、グアヤク油、ホップ油、ヒソップ油、カモミール油、ジ
ャスミン油、ラーチ油、ローズウッド油、油、サッサフラス油、タゲテス油、チュジャ油
、ワレリアン油、バーベナ油、ベルベイン油、ベチバ油、ワームウッド油、イランイラン
油、オリーブ油、イブニングプロミス油、ヘーゼルナッツ油、グレープコア油、ピーチコ
ア油、ウォルナッツ油、サンフラワー油、サンダルウッド油、ターメリック油、ナツメグ
油、ソイ油、ベジタブル油、メントール油、ユーカリプトール油、カンファー油、セダー
リーフ油、ローレルリーフ油、バルサム油、ベイ油、カプシクム油、スペアミント油、キ
ャラウェイシード油、レモンユーカリ油、レモングラス油、セージ油、ペニローヤル油、
ベルガモット油、ミネラル油、他の天然油若しくは精油、又はこれらの組み合わせが含ま
れるがこれらに限定されない。
【0053】
いくつかの実施形態では、添加剤は、臭気マスキング剤又は化合物である。いくつかの
実施形態では、臭気マスキング剤は、バニラ抽出物、ウィンターグリーン油、スペアミン
ト油、クローブ油、レモングラス油、及び/又はこれらの組み合わせである。
【0054】
いくつかの実施形態では、添加剤は、例えばシナモン油、タイム油、クローブ油、クロ
ーブリーフ油、クローブバド油、オイゲノール、ライム油、オレガノ油、タイム油、ミン
ト油(スペアミントやペパーミント油を含む)等を含む第2の殺虫性天然油又は殺虫活性
を有する他の材料でありうる。
【0055】
いくつかの実施形態では、添加剤は、臭気中和剤でありうる。いくつかの実施形態では
、臭気中和剤は、臭気吸収材料でありうる。いくつかの実施形態では、添加剤は、ゼオラ
イト及び/又は他の天然若しくは合成臭気吸収材料である。
【0056】
本発明の実施形態において使用されうるニーム油の誘導体及び/又は成分には、ニーム
油、パルミトレイン酸、アルファ-リノレン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン
酸、リノール酸、カンペステロール、ベータ-シトステロール、スチグマステロール、ア
ザジラクチン、メリアントリオール、メリアノン、ゲデュニン、アモオラスチン、ベピニ
ン、マランギン、ビラシニン、ニンビン、ニンボリド、ニンボリニン、オーキノリド、ニ
ンボリニン、サランニン、メリアカルピン、メリアキナール、ニンバンジオール、ニンビ
ネン、ニンボシノン、クラクトン、リモシノール、リモシノン、ニモリノン、アザジラク
ノール、若しくは他のトリテルペノイド、アザジロン、アザジラジオン、アザジラクトー
ル、エポキシアザジラジオン、ニーム由来の他の化合物、ニームに関連する他の化合物、
これらの組み合わせ及びこれらの活性誘導体が含まれるがこれらに限定されない。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態で使用されうる他の殺虫性天然油の誘導体及び/又は成分
には、チモール、p-シメン、1,8-シネオール、オイゲノール、リモネン、カルバクロール
、メントール、アルファ-ピネン、リナロール、メントン、カルバクロール、ガンマ-テル
ピネン、ゲラニオール、アルファ-テルピネオール、ベータ-カリオフィレン、リナノール
、ゲデュニン、ゲラニオール、ゲラニアール、テルピネン-4-オール、ミルセノール-8、
ツヤノール-4、ベンジルアルコール、シンナムアルデヒド、酢酸シンナミル、酢酸ゲラニ
ル、シトロネロール、ギ酸シトロネリル、イソメントン、10-エピ-ガンマ-オイデスモー
ル、1,5-ジメチル-1-ビニル-4-ヘキセニルブチラート、1,3,7-オクタトリエン、ユーカリ
プトール、カンフル、ジアリルジスルフィド、メチルアリルトリスルフィド、3-ビニル-4
H-1,2ジチイン、3-ビニル-1,2ジチオール-5-シクロヘキサン、ジアリルトリスルフィド、
アネトール、メチルカビコール、アニスアルデヒド、エストラゴール、酢酸リナリル、ベ
ータ-ピネン、ベータ-ミルセン、アルファ-ミルセン、メントール及び殺虫性天然油由来
の他の化合物、これらの組み合わせ、並びにこれらの活性誘導体が含まれるがこれらに限
定されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、殺虫性組成物又は有害生物防除剤の調製に界面活性剤が使用
される。適切な界面活性剤は、当業者により選択されうる。本発明のいくつかの実施形態
で使用されうる界面活性剤の例には、エトキシ化キャスター油、ラウリル硫酸ナトリウム
、サポニン、エトキシ化アルコール、エトキシ化脂肪酸エステル、アルコキシル化グリコ
ール、エトキシ化脂肪酸、カルボキシル化アルコール、カルボン酸、脂肪酸、エトキシ化
アルキルフェノール、脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、他の脂肪酸ベースの界
面活性剤、他の天然又は合成界面活性剤、及びこれらの組み合わせが含まれるがこれらに
限定されない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、イオン性界面活性剤である。適切な界面活性剤
の選択は、関連する用途及び使用条件により決定され、適切な表面活性剤は当業者に公知
のものとすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、殺虫性組成物は、適切なキャリアを含む。適切なキャリアは
、当業者により、所望の特定用途及び組成物の使用条件に応じて選択されうる。一般的に
使用されるキャリアには、エタノール、イソプロパノール、他のアルコール、水又は他の
不活性キャリアであって、最小リスクの不活性殺虫剤成分(4A)、不活性殺虫剤成分(4B)又
はEPA regulation 40 CFR 180.950としてアメリカ合衆国環境保護庁によりリストとされ
たものを含む。これらの各々は、引用することによって全体があらゆる目的で本明細書に
組み入れられ、例えばクエン酸、乳酸、グリセリン、キャスター油、安息香酸、炭酸、エ
トキシル化アルコール、エトキシ化アミド、グリセリド、ベンゼン、ブタノール、1-プロ
パノール、ヘキサノール、他のアルコール、ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール
を含む。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態は、極性芳香族溶媒を有する殺虫性天然油(及び/若しく
はこれらの成分並びに/又は誘導体)並びに(植物、動物又は無機物由来の)1又は複数
の他の天然油、合成油、及び/又はこれらの任意の化学的誘導体の組み合わせを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、殺虫性組成物は、重量で0.25%ないし99.3%の間の任意の濃度
、例えば、重量で0.3%、0.4%,0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、5%、7.5%、10%、
15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、
95%、98%又は99%を含む重量で0.25%ないし99.3%の間の濃度の殺虫性天然油と、重量で0.7
%ないし99.75%の間の任意の濃度、例えば、重量で0.8%、0.9%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%
、1.8%、2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、
60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%を含む重量で0.7%ないし99.75%の
間の濃度の極性芳香族溶媒とを含む。いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒は、0.13
mol/kgないし8.3mol/kgの濃度で、又は0.13mol/kgないし8.3mol/kgの間の例えば0.2、0.4
、0.6、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5
又は8.0mol/kgのような任意の値で存在する。
【0062】
いくつかの実施形態では、極性芳香族溶媒の殺虫性天然油に対する重量比が1.5:1ない
し7:1の間、即ち例えば2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1又は6:1を含む1.5:1ないし7:1の間の
任意の範囲である殺虫性組成物が提供される。
【0063】
一実施形態の一例の組成物は、ニーム油又はその成分若しくは誘導体、アセトフェノン
又は他の極性芳香族溶媒を含み、界面活性剤、追加の昆虫防除組成物及び/若しくは追加
の天然油、又は香りを追加する、忌避性を低減する、若しくは組成物の影響を受ける昆虫
の範囲を広げる他の製品を任意に含む。一実施形態では、このような組成物は、重量で0.
1%ないし99%の間の濃度であって、0.1%ないし99%の間の任意の濃度を含む、例えば重量で
0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、5%、7.5%、10%、15
%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95
%、98%又は99%であるニーム油(又はその誘導体)と、重量で0.7%ないし99.75%の間の濃
度(0.13mol/kg及び8.3mol/kgの間、例えば、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5
、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5又は8.0mol/kgを含むこれらの間
の任意の値)であって、0.7%ないし99.75%の間の任意の濃度を含む、例えば、重量で0.8%
、0.9%、1.0%、1.2%、1.4%、1.6%、1.8%、2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、15%、20%、25%、
30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%
であるアセトフェノンとを含む。典型的な組成物は、1又は複数の界面活性剤、他の殺虫
成分、安定剤、キャリア、希釈剤、若しくは他の非殺虫成分、及び/又は他の天然油を任
意に含む。
【0064】
典型的な一実施形態においては、殺虫性組成物は、重量で5.5%の濃度のニーム油、重量
で15.5%の濃度のアセトフェノン、重量で8%又は3.4%の天然油(レモングラス油、スペア
ミント油、クローブ油、ウィンターグリーン油)、及び重量で5.0%の濃度の界面活性剤を
含む。典型的な一実施形態においては、殺虫性組成物は、重量で5.5%の濃度のニーム油、
重量で18.25%の濃度のアセトフェノン及び重量で1.25%のエトキシ化キャスター油の組み
合わせを含む。
【0065】
殺虫性天然油としてニーム油及び溶媒としてアセトフェノンを有する典型的な一実施形
態の典型的な配合物は、ニーム油及びアセトフェノンがそれぞれ重量で少なくとも0.55%
及び1.55%の濃度で存在する場合、ニーム油単独と比較して、改良された乾燥残留殺虫活
性を現すことが示されている。
【0066】
他の典型的な実施形態の配合物は、ニーム油及びアセトフェノンが重量で少なくとも0.
25%及び0.7%の濃度でそれぞれ存在している場合、ニーム油単独と比較して乾燥残留物の
卵の羽化の改良された抑制を示すことが認められた。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態は、例えば昆虫及びクモを含む節足動物のような有害生物
の防除に使用されうる。本発明の典型的な実施形態では、チャバネゴキブリ(ブラテラゲ
ルマニカ)、クロゴキブリ(ペリプラネタフリギノサ)、ワモンゴキブリ(ペリプラネタアメ
リカナ)、ネコノミ(cat flea)(クテノケファリデスフェリス)、アカヒアリ(ソレノプシス
インビクタ)、クロオオアリ(カンポノタスペンシルバニカス)、トビイロシロアリ(paveme
nt ant)(テトラモリウムセスピツム)、ヤマアリ(フォーミカ種)、アメイロケアリ(ラシウ
ス種)、ヨーロッパアカヤマアリ(ホルミカルファ)、イエバエ(ムスカドメスチカ)、クロ
バエ(ルシリアセリカタ)、オナガシミ(クテノレピスマロンギコーダータ)、マダラシミ
(テルモビアドメスティカ)、豆アブラムシ(アフィスファバエ)及びエンドウヒゲナガアブ
ラムシ(アシルソシフォンピスム)及びシロアリ(レチクリテルメスフラビペス)を含む昆虫
及びクモを含む節足動物に対する効果を有することが示されている。本発明のいくつかの
実施形態は、示す活性に基づいて有効であると期待されるコナジラミ、蚊、他の種のハエ
、他の種のアブラムシ、他の種のシミ、シラミ、カメムシ、蛾、カブトムシ、グンバイム
シ、コナジラミ、アカアブラムシ、ミカンキイロアザミウマ、コナガ、リーフマイナー、
バッタ、コロギ、イナゴ、ヨコバイ、ウンカ、オオヨコバイ、カイガラムシ、ユスリカ、
ミバエ、イヤーワーム、蛾の幼虫、ヨトウムシ、アオムシ、イモムシ、ナガカメムシ、コ
ナマイガラムシ、ゾウムシ、ウマバエ、イエバエ、ハバチ、ライスバグ、コーヒーバグ、
ベジタブルバグ、マツマダラメイガ、ツノサシバエ、クロバエ、ワラジムシ、ダンゴムシ
、及びムカデを含むがこれらに限定されない昆虫又は節足動物の防除に使用されうる。本
発明の例示的な実施形態は、ユウレイグモ及びダニを含むクモに対して効果的であること
を示す。本発明のいくつかの実施形態は、有効であると期待されるサソリ及び他の種類の
クモを含むがこれらに限定されない他のクモの防除に使用されうる。本明細書における開
示は、他の昆虫及びクモを含む他の有害生物並びに真菌、バクテリア、ウイルス及び線虫
を含む他の生体と同じく、上述の全てに対する使用を包含することを意図するものである
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の殺虫性組成物は、有害生物の死滅及び/若
しくは防除、並びに/又は産卵の抑制若しくは低減、並びに/又はこれらの卵の羽化の抑
制若しくは低減に効果的である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の殺虫性組成
物は、効果的なノックダウン殺虫活性を示し、効果的な乾燥残留殺虫活性を示し、及び/
又は効果的な長期残留殺虫活性を示す。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の殺虫性組成物は、殺虫性天然油及び極性芳
香族溶媒のそれぞれの濃度が単独で使用される殺虫性天然油及び極性芳香族溶媒が同じ機
能を達成するよりも低いレベルの場合にも、有害生物の死滅及び/又は防除並びに/又は
これらの卵の産卵の抑制及び/又は羽化の抑制に効果的であり、即ち、改善された有害生
物のノックダウン、乾燥残留物殺虫活性、及び/又は長期残留殺虫活性を示す。いくつか
の実施形態では、本明細書に記載の殺虫性組成物は、単独で使用される殺虫性天然油又は
極性芳香族溶媒の活性と比較して相乗的な殺虫効果を示す。いくつかの実施形態では、本
明細書に記載の殺虫性組成物は、同濃度で単独で使用される殺虫性天然油又は極性芳香族
溶媒の活性と比較して著しく改善された殺虫効果を示す。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態は、人間又は人間でない哺乳類に影響を与えるトコジラミ
、ゴキブリ、シラミ、ノミ、マダニ、ダニ、疥癬虫を含む有害生物の防除に使用されうる
。本発明のいくつかの実施形態は、例えばアブラムシ又は線虫のような植物又は農業に影
響を与える有害生物の防除に使用されうる。いくつかの実施形態では、上述の任意の組成
物は、ニーム油ベースの昆虫防除剤が現在使用されている任意の状況において使用されう
る。
【0071】
いくつかの実施形態では、上記した任意の組成物は、特定の用途に適した輸送可能な形
態で配合される。本発明の実施形態で使用されうる輸送可能な形態には、液体、エマルシ
ョン、固体、ワックス、粉末、燻蒸剤、水性懸濁液、油性分散物、ペースト、パウダー、
ダスト、乳剤、エアゾールスプレー、ウッドフィラー、ニス、木材処理油又は家具油、洗
剤、乾式壁混合物、いぶし型ローソク、コーキング組成物、亀裂及び隙間フィラー、シー
ル剤、並びにマットレス及びマットレスカバー処理剤が含まれるがこれらに限定されない
【0072】
本発明のいくつかの実施形態は、有害生物製品が一般に使用されるカーペット、マット
レス、木材及び繊維が含まれるがこれらに限定されない表面で有効な昆虫防除活性を示す
。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の組成物は、家(household)、住宅(re
sidence)又はビル(building)の内部の表面に塗布される。いくつかの実施形態では、本明
細書に記載の任意の組成物は、マットレス、シーツ、織物、旅行かばん/スーツケース、
カーペット、塗装された若しくは未塗装の硬質表面、木、フローリング、家具、及び/又
はビルに塗布される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の組成物は、屋外
で、又は植物に、又は農業地域で、及び/又は、内部若しくは外部構造物に塗布される。
【0073】
いくつかの実施形態は、ピレトリン(例えば除虫菊)及びピレスロイド(例えばデルタ
メトリン、ビフェントリン、λ-シロハトリン)に耐性を示す昆虫に対する昆虫防除剤と
して有効である。いくつかの実施形態では、ピレトリン耐性昆虫は、トコジラミ(ナンキ
ンムシL)である。
【0074】
いくつかの実施形態は、トコジラミ、及び/若しくは他の昆虫、クモ並びに/又は他の
節足動物の個体数を制御する上述の任意の組成物を使用する方法を提供する。いくつかの
実施形態は、本明細書に記載の任意の組成物を有害生物に、又は有害生物若しくはその卵
が組成物に接触しうる表面に直接塗布することにより、有害生物を死滅及び/若しくは防
除する、並びに/又はその卵の産卵及び/若しくは羽化を抑制する方法を提供する。いく
つかの実施形態では、有害生物は、昆虫及び/又はクモである。いくつかの実施形態では
、昆虫は、カメムシ目(hemiptera)、ハチ目(hymenoptera)、ゴキブリ目(blattodea)、シ
ロアリ目(isopteran)、ハエ目(diptera)、チョウ目(pidoptera)である。いくつかの実施
形態では、有害生物は、トコジラミである。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の組成物を使用する方法は、直接塗布
のための天然油との組み合わせ、すぐに使用できるスプレーとして運搬するための適切な
キャリアでの希釈、又は希釈及び塗布されるべき濃縮物の形成を含む。使用の他の方法に
は、木材処理又は家具油として、洗濯洗剤として、標的位置に塗布されうるゲル又はペー
ストとして、油性エマルションとして、粉剤として、乾式壁混合物の成分として、亀裂及
び隙間フィラー又は他のシール剤として、泡として、コーキング組成物の成分として、燻
し型ミスト又はローソクとして、エアゾール又はエアゾール噴霧器として、又はマットレ
ス若しくはマットレスカバーを処理に用いられる配合物中への使用が含まれるがこれらに
限定されない。いくつかの実施形態では、任意の上記組成物は、昆虫の範囲に対して分散
可能な形態において使用される屋内家庭用又は商業目的で使用される。本発明のいくつか
の実施形態は、分散可能な形態で農業又は有害生物を防除する他の屋外の設定で使用され
うる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、標的表面の再処理間隔を経過す
る一定期間とすることを可能とする長期残留殺虫活性示す。一実施形態では、本明細書に
記載の組成物を有害生物に又は有害生物若しくはその卵が組成物と接触する若しくは組成
物に露出する表面に直接塗布することにより、有害生物は死滅若しくは防除され、並びに
/又は、産卵及び/若しくは羽化は抑制される。約1週間より長い一定期間、例えば、7
日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、
若しくは21日又はそれ以上はより長い期間であれば経過を可能とする。そして本明細書に
記載の任意の組成物は、有害生物に又は有害生物若しくはその卵が組成物に接触若しくは
露出されうる表面に再塗布される。
【0077】
いくつかの実施形態の配合物は、任意の適切な態様で調製されうる。本発明のいくつか
の実施形態は、殺虫性天然油、並びに/又は、これらの成分及び/若しくは誘導体と、極
性芳香族溶媒との混合を有する殺虫性配合物の調製方法を提供する。いくつかの実施形態
では、殺虫性配合物は、配合物の他の任意の成分が加えられる前に、1又は複数の殺虫性
天然油(又はその成分若しくは誘導体)を水浴で加熱することにより調製される。界面活
性剤が殺虫性天然油に加えられ、次に1又は複数の溶媒が殺虫性天然油に加えられること
により、他の成分を加える前に油が溶媒に溶解和される。殺虫性天然油がニーム油である
いくつかの実施形態では、配合物は、配合物の他の任意の成分が加えられる前に、ニーム
油を25-30℃に加熱することにより調製される。次に溶媒が油に加えられることにより、
他の成分を加える前に油が溶媒に溶解和される。任意には、界面活性剤及び/又は(追加
の天然油又は他の殺虫剤を含みうる)他の成分が次に加えられる。いくつかの実施形態で
は、界面活性剤は、溶媒を加える前に加えられる。全ての成分が完全に溶媒和されると、
これらの成分は、適量の一般的な希釈剤及び/又は追加の溶媒(異なる種類の溶媒を含む
)と任意に組み合わされうる。他のキャリア、溶媒、界面活性剤、殺虫剤、芳香剤又は臭
気中和剤を任意に添加しうる。適切な保存料又は安定剤を任意に添加しうる。カプセルに
する、保持する、運搬する、放出を遅延させる、又は配送を改善する材料を任意に添加し
うる。
【実施例】
【0078】
本発明の実施形態について、以下の実施例を参照してさらに説明する。以下の実施例は
、例示を意図するものであり、限定を意図するものではない。
【0079】
以下の実施例においては、使用したニーム油は、冷圧されたニームシード油(「C.P.ニ
ーム油」)である。
【実施例1】
【0080】
乾燥残留殺虫活性
ニーム油5.5重量%、アセトフェノン15.5重量%、天然油(レモングラス油、スペアミン
ト油、クローブ油、及びウィンターグリーン油)8重量%、及びエトキシル化キャスター油
5.0重量%を含む「溶液A」を、キャリア希釈剤としてのイソプロピルアルコール(イソプ
ロパノール)を用いて調製した。100%の溶液A、イソプロパノール中で50%の溶液A、イ
ソプロパノール中で25%の溶液A、イソプロパノール中で10%の溶液Aとなるように、連続
希釈を行った。各溶液1.0mLをペトリ皿中で90ミリ濾紙基材に塗布した。基材を2時間空
気乾燥し、次いで成虫トコジラミ(約半分がオスで半分がメス)を寄生させた。各投与群
および陰性対照群の複製物を同時に試験した。死亡率は、寄生後特定の間隔で観察した。
刺激によって反応しなかった場合の成虫トコジラミを死んだものとしてカウントした。
【0081】
成虫トコジラミの死亡率を、寄生後1、2、4、8、12、24、48、72及び480時間の間隔で
計測し、対照群と比較した。収集したデータを表3にまとめた。ニーム油が0.55重量%で
ありアセトフェノンが1.55重量%である低いレベルの組み合わせでは、未投与対照群より
も改良された殺虫活性が示された。ニーム油が0.055重量%でありアセトフェノンが0.155
重量%の濃度では、対照群と比較して殺虫活性は観察されなかった。
表3.乾燥残留殺虫活性
【表3】
【実施例2】
【0082】
種々の殺虫性天然油の乾燥残留物殺虫活性
本実施例は、活性成分として種々の殺虫性天然油を含む配合物の乾燥残留殺虫活性を示
す。活性成分としての2.5重量%の殺虫性天然油、2.5重量%のラウリル硫酸ナトリウム、5.
0重量%の溶媒(上述のアセトフェノン又は乳酸エチル)、及び希釈剤としての適量の水を
混合して溶液を調製した。各溶液1.0mLをペトリ皿中で直径90ミリの濾紙の3つの複製に
塗布した(投与群)。投与群及び未投与対照群の3つの複製を、既知数の成虫トコジラミ
(ほぼ半分がオスであり半分がほぼメスである)の寄生の前に2時間乾燥した。
【0083】
トコジラミの死亡率は、寄生後直ちに及び寄生後2、4、8、12及び24時間の間隔で、そ
の後は24時間間隔で寄生後33日まで評価した。刺激によって反応しなかった場合の成
虫トコジラミを死んだものとしてカウントした。表4は、LT50(50%のトコジラミが死ん
だ時間の中央値)、95%信頼区間(C.I.)、及び各配合物で観察された最大死亡率の要約で
ある。
表4.殺虫性天然油を組み込んだ配合物のLT50及び最大死亡率
【表4】
*N/A:LT50及び95%C.I.は、最大死亡率100%に到達しなかった配合物について確実な計算が
できなかった。
**中断:95%C.I.は、LT50が2時間より低い場合、確実な計算ができなかった。
【実施例3】
【0084】
種々の溶媒の乾燥残留殺虫活性
本実施例は、ニーム油と、アルコール、ケトン、エステル及びカルボン酸を含む種々の
有機溶媒とを含む配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。溶液は、5.5重量%のニーム油、表5
に示す重量%の有機溶媒、及びキャリア希釈液としての適量のイソプロパノールを用いて
調製した。各溶媒の重量%は、各溶液において一定の溶媒のモル量を確保するために変更
した(最終濃度は1.5mol/kgである)。各溶液の投与群は、直径90ミリの濾紙に1.0mLの溶
液を投与し、4時間空気乾燥することにより調製した。既知数の成虫を、投与後4時間で
、投与した各ペトリ皿に加えた。トコジラミの死亡率は、寄生後直ちに及び寄生後1時間
、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間及び24時間の間隔で、その後は24時間間
隔で寄生後14日まで評価した。刺激によって反応しなかった場合の成虫トコジラミを死ん
だものとしてカウントした。表5は、全ての投与群の最大死亡率(%)及び最大死亡率の
到達に要した時間を示す。
【0085】
アルコール、ケトン、エステル、エーテル及びカルボン酸の試験した多数の有機溶媒は
、ニーム油との組み合わせに有効であることを示した。少なくとも一つのアリール基を含
む溶媒は、アルキル基のみを含む溶媒よりも一般的により有効であった。アルキルアリー
ルケトンは、常に有効な溶媒であり、少量のアリールアルコール、アリールアルキルアル
コール、アリールアリールケトン、アルキルアリールエステルもまた、ニーム油との組み
合わせが有効であることを示した。
表5.異なる有機溶媒を有する配合物の最大死亡率(%)
【表5】
【実施例4】
【0086】
種々の溶媒の乾燥残留殺虫活性
本実施例は、ニーム油と、アルコール、ケトン、エステル及びカルボン酸を含む種々の
有機溶媒とを含む配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。溶液は、5.5重量%のニーム油、1.5m
ol/kgの有機溶媒及びキャリア希釈液としての適量のイソプロパノールを用いて調製した
。各溶媒の重量%は、各溶液において一定の溶媒のモル量を確保するために変更した。各
溶液の投与群は、直径90ミリの濾紙に1.0mLの溶液を投与し、高換気室で4時間空気乾
燥することにより調製した。既知数の成虫を、投与後4時間で、投与した各ペトリ皿に加
えた。トコジラミの死亡率は、寄生後直ちに及び寄生後1時間、2時間、4時間、6時間、8
時間、10時間、12時間及び24時間の間隔で、その後は24時間の間隔で寄生後14日まで評
価した。刺激によって反応しなかった場合の成虫トコジラミを死んだものとしてカウント
した。表6は、全ての投与群の最大死亡率(%)及び最大死亡率の到達に要した時間を示
す。
【0087】
アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アルデヒド及びカルボン酸の試験した多数
の有機溶媒は、ニーム油との組み合わせが有効であることを示した。少なくとも一つのア
リール基を含む溶媒は、アルキル基のみを含む溶媒よりも一般的により有効であった。
表6.異なる有機溶媒を含む配合物の最大死亡率(%)
【表6】
*表中の他の溶媒とは別の研究で試験した溶媒(同じ実験条件下)
【実施例5】
【0088】
乾燥残留殺虫活性
キャリア希釈液としてイソプロパノールをそれぞれ含む3つの溶液を調製した。「溶液
A」は、5.5重量%のニーム油及び1.25重量%のキャスター油を含む。「溶液B」は、18.25
重量%のアセトフェノン及び1.25重量%のキャスター油を含む。「溶液C」は、5.5重量%の
ニーム油、18.25重量%のアセトフェノン及び1.25重量%のキャスター油を含む。各溶液1.0
mLをペトリ皿中で直径90ミリの濾紙の1つの複製に塗布した(投与群)。未投与の対照群
を同時に試験した。処理群は全て成虫のトコジラミの寄生前に4時間乾燥させた。
【0089】
トコジラミの死亡率は、寄生後直ちに及び寄生後2、4、8、10及び24時間の間隔で評価
した。刺激によって反応しなかった場合の成虫トコジラミを死んだものとしてカウントし
た。表7は、上記観察間隔における全ての配合物の平均死亡率のデータの要約である。
【0090】
溶液Cは、アセトフェノン単独の溶液(溶液B)又はニーム油単独の溶液(溶液A)よ
りも、著しく高い殺虫活性を全ての観察間隔で示した。
表7.4時間乾燥物の平均死亡率(%)
【表7】
【実施例6】
【0091】
乾燥残留殺虫活性
キャリア希釈液としてイソプロパノールをそれぞれ含む6つの溶液を調製した。「溶液
A」は、5.5重量%のニーム油、15.5重量%のアセトフェノン、1.8重量%の天然油(レモン
グラス油及びウィンターグリーン油)及び1.25重量%の界面活性剤を含む。「溶液B」は
、5.5重量%のニーム油、15.5重量%のアセトフェノン及び5.0重量%の界面活性剤を含む。
「溶液C」は、5.5重量%のニーム油のみを含む。「溶液D」は、15.5重量%のアセトフェ
ノンのみを含む。「溶液E」は、1.8重量%の天然油(レモングラス油及びウィンターグリ
ーン油)を含む。「溶液F」は、5.5重量%のニーム油及び15.5重量%のアセトフェノンを
含む。ペトリ皿に収容した直径90ミリメートルの濾紙に1.0mLの各溶液を塗布した(投与
群)。全ての溶液に使用した界面活性剤は、エトキシ化キャスター油である。各投与群の
2つの複製及び陰性対照群の2つの複製を同時に試験した。投与した表面をペトリ皿内で
、プラスチックパラフィンフィルムでシールし、8日間放置し、既知数の成虫のトコジラ
ミの寄生前に4時間空気に曝露した。
【0092】
寄生の直後、及び寄生後4、8、12、24、48、72、96、120及び144時間の間隔で、その間
隔の間に死んだトコジラミの数を評価した。刺激によって反応しなかった場合の成虫トコ
ジラミを死んだものとしてカウントした。成虫のトコジラミの平均死亡率を各間隔ごとに
計算し、有効性について他の全ての配合物からのデータと比較した。表8は、上記観察間
隔における全ての配合物の平均死亡率のデータの要約である。
【0093】
溶液A、B及びFは同様のレベルの活性を示し、特に12時間及び120時間の間の早い
時点でニーム油単独(溶液C)、アセトフェノン単独(溶液D)の両方及び精油単独(溶液
E)に対して全て著しく改善された殺虫活性を示した。
表8.8日間経過した残留物の平均死亡率(%)
【表8】
【実施例7】
【0094】
長期残留殺虫活性
本実施例は、ニーム油、アセトフェノン及び界面活性剤の組み合わせのトコジラミに対
する長期残留殺虫活性を示す。この実施例で使用される方法は、殺虫性組成物の再投与に
必要な間隔の評価を容易にする。ニーム油を5.5重量%、アセトフェノンを15.5重量%、天
然油(レモングラス油、スペアミント油、クローブ油、ウィンターグリーン油)を8重量%
及びエトキシ化キャスター油を5.0重量%有する溶液を調製し、キャリア希釈剤としての適
量のイソプロピルアルコールと組み合わせた。ペトリ皿に収容した直径90ミリメートルの
未塗層の合板表面に1.0mLの各溶液を塗布した。5つの複製を投与群として、及び5つの
複製を未投与陰性対照群として同時に試験を行った。全ての投与群基材に実験開始時に投
与し、寄生時まで空気乾燥した。1日目には、成虫のトコジラミを、投与直後又は投与後
2時間で寄生させた(基材は乾燥していた)。続く30日間、1日目に投与した基材の複
製に成虫のトコジラミを寄生させて、空気乾燥した。トコジラミの寄生後毎日の間隔で、
この間隔の間に死亡したトコジラミの数を数えた。刺激した場合に、反応しなかった成虫
トコジラミを数えた。
【0095】
成虫トコジラミの死亡率を、毎日の間隔で計測し、有効性について対照群のデータと比
較した。表9は、1日目の投与後27日まで、15日の観察間隔での投与群及び対照群の
平均死亡率のデータを表す。この実験における対照群が、(おそらく投与した基材の汚染
又はペトリ皿内の基材のシールに使用したエポキシ接着のため)通常よりも高い死亡率を
示す一方、投与群は、27日間経過まで投与したものについて対照群と比較した場合それ
でもなお著しく改善された殺虫活性を示した。
表9.長時間乾燥後の組成物を寄生後15日間観察した平均死亡率(%)
【表9】
N/A=データ使用不可
【実施例8】
【0096】
卵の羽化の抑制
本実施例は、ニーム油、アセトフェノン及び適切な界面活性剤を含む組成物による卵の
羽化の抑制を示す。トコジラミの卵の羽化の乾燥残留抑制を、組成物の塗布方法が異なる
ものと及び未投与対照群と比較した。ニーム油を5.5重量%、アセトフェノンを15.5重量%
、天然油(レモングラス油、スペアミント油、クローブ油及びウィンターグリーン油)を
8重量%及びエトキシ化キャスター油を5.0重量%有する溶液を調製し、キャリア希釈剤とし
ての適量のイソプロピルアルコールと組み合わせた。3つの異なる投与群を準備した。一
つは、溶液1.0mLを濾紙に投与し、濾紙を卵の導入前に空気乾燥した。一つは、卵が基材
の端部に加えられて溶液1.0mLを投与した濾紙を、卵の下でウィックした。一つは、卵を
直接スプレーした。各投与群の5つの複製及び陰性対照群の5つの複製を同時に試験した
【0097】
1日ごとに、シールしたペトリ皿中に存在する孵化した及び孵化していない卵の数を数
えて、他の投与群及び対照群と比較した。前の期間と比較したときにペトリ皿中に新たに
存在する全ての幼虫ごとに「孵化」として一つの卵を数えた。
【0098】
対照群の卵は、約7日の予測間隔で孵化する一方、いずれの投与群の卵も投与後試験終
了の16日まで孵化しなかった。スプレー投与、含水投与、乾燥残留物投与間で違いは観
察されなかった。図1は、未投与対照群と比較した(同一のデータセットを有する3つの
処理群の)所定の日ごとの処理群の卵の羽化のデータを示す。
【0099】
表10は、上記したのと同じ配合物の同様の研究からの長期乾燥残留卵羽化データの要
約である。1.0mLの組成物をトコジラミの卵の導入前に2時間乾燥したところ、濾紙の基
材への塗布後19日間は、卵の羽化を完全に抑制した。
表10.寄生後15日間観察したトコジラミの卵の平均羽化率(%)
【表10】
N/A=データ使用不可
【実施例9】
【0100】
産卵及び卵の羽化の抑制
本実施例は、ニーム油とアセトフェノンとの組み合わせによる卵の羽化の抑制を、ニー
ム油単独と比較して示す。
【0101】
25重量%のニーム油、70重量%のアセトフェノン及び5.0重量%のエトキシ化キャスター油
を含む濃縮溶液「溶液B」を調整した。この濃縮溶液の希釈液を調整して、キャリア希釈
剤としてエタノールを含ませた。15%の溶液Bを含む(最終濃度はニーム油3.75重量%及び
アセトフェノン10.5重量%)又はより濃度の高い希釈液では、投与表面に寄生した成虫は1
00%死滅し、卵は産み出されなかった。10%又はより低い溶液Bの希釈液(最終濃度はニー
ム油3.75重量%及びアセトフェノン10.5重量%)では、これらの群の投与した基材に卵が産
み出される前に成虫のトコジラミを死滅させるのに不十分であった。これらの希釈液を産
卵及び羽化について観察し、ニーム油単独(希釈剤での10%溶液)の陽性対象投与群及び
キャリア希釈剤のみが投与された陰性対照群と比較した。「配合物A」は、エタノールで
希釈された10重量%のニーム油を含む。「配合物B」は、エタノールで希釈された10容積%
の上記濃縮溶液Bを含む(最終濃度はニーム油2.5重量%及びアセトフェノン7重量%)。「
配合物C」は、1容量%の濃縮溶液Bを含む(最終濃度はニーム油0.25重量%及びアセトフ
ェノン0.7重量%)。「配合物D」は、0.1容量%の濃縮溶液Bを含む(最終濃度はニーム油
0.025重量%及びアセトフェノン0.07重量%)。
【0102】
表11は、試験した組成物及び対照群について卵の羽化及び産卵の観察結果の要約であ
る。産卵は、上記した全ての溶液及び対照群の10日経過した乾燥投与群で確認されたが
、溶液B(配合物B)の10%希釈液を投与した試料では著しく減少した。羽化は、陰性対
照群及び配合物A(ニーム油のみ)投与群の両方で、並びに濃縮溶液Bの0.1%希釈液(配合
物F)及びより低い濃度で観察された。卵の羽化は濃縮溶液Bの1.0%又はより高い希釈液(
配合物B及びC)では現れなかった。
表11.寄生後10-13日観察した実施例の組成物の連続希釈の羽化及び産卵について、対照
群及びニーム油単独と比較した観察結果
【表11】
【実施例10】
【0103】
種々の殺虫性天然油による卵の羽化の抑制
本実施例は、天然油及びアセトフェノンを含む配合物の卵の羽化の抑制を示す。以下の
表12に従って2.5重量%の活性油成分、5.0重量%の溶媒(乳酸エチル又はアセトフェノン
のいずれか)及びキャリア希釈剤として適量の水を含む溶液を調製した。各溶液の投与群
は、直径90ミリの濾紙に1.0mLの溶液を投与し、2時間空気乾燥することにより調製し
た。投与の2時間後に、5個のトコジラミの卵を投与した各ペトリ皿に加えた。寄生の直
後及び寄生後1,2及び3週間の間隔で、シールしたペトリ皿中に存在する孵化した及び孵化
していない卵の数を数え、他の投与群と比較した。前の期間と比較したときにペトリ皿中
に新たに存在する全ての幼虫ごとに「孵化」として一つの卵を数えた。表12は、寄生後3
週間での投与群の卵の平均羽化率(%)を比較している。上記した実施例2により得られる
最大死亡率は、比較の目的で各配合物に含められている。
【0104】
2.5重量%の天然油及び5.0重量%の乳酸エチルを投与した全てのペトリ皿は、週ごとの観
察間隔の全てでいくつかの羽化(乳酸エチルとクローブ油、タイム油、ガーリック油、ラ
ベンダー油及びライム油との組み合わせでは80%まで)が出現した。2.5重量%のシナモン
油、タイム油、ガーリック油、アニス油、ゲラニオール及びゼラニウム油と5.0重量%のア
セトフェノンとの組み合わせは、全ての観察間隔にわたって卵の羽化が完全に抑制された
。2.5重量%のクローブ油、オイゲノール及びオレガノ油との組み合わせでは、いくつかの
卵の孵化が観察されたものの、乳酸エチルの溶液と比較してある程度増大した卵の孵化の
抑制を示した。15.5重量%のアセトフェノンと組み合わせた場合、2.5重量%のクローブ油
、オイゲノール及びオレガノ油を有する溶液は全て、卵の孵化の完全な抑制を示した。こ
れらの試験の間、成虫トコジラミに強い殺虫活性を示した天然油はまた、概ね強い殺卵活
性及び卵の孵化の抑制を示した。
表12.種々の天然油を組み込んだ配合物の平均羽化率
【表12】
**N/A:試験を行っていない
【実施例11】
【0105】
種々の溶媒での卵の孵化の抑制
本実施例は、ニーム油と、アルコール、ケトン、エステル及びカルボン酸を含む種々の
有機溶媒とを有する配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。5.5重量%のニーム油、表13に記載
の重量%の有機溶媒及びキャリア希釈剤として適量の水を用いて溶液を調製した。各溶液
の投与群は、直径90ミリの濾紙に1.0mLの溶液を投与し、4時間空気乾燥することによ
り調製した。投与の4時間後に、5個のトコジラミの卵を投与した各ペトリ皿に加えた。
寄生の直後及び寄生後1,2及び3週間の間隔で、シールしたペトリ皿中に存在する孵化した
及び孵化していない卵の数を数え、他の投与群と比較した。前の期間と比較したときにペ
トリ皿中に新たに存在する全ての幼虫ごとに「孵化」として一つの卵を数えた。表13は、
3週間の観察間隔で投与群の卵の平均羽化率(%)を比較している。上記した実施例3によ
り得られる最大死亡率データは、比較の目的で含められている。
【0106】
アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類及びカルボン酸類の試験した多数の
有機溶媒は、ニーム油との組み合わせにおいて卵の孵化の抑制に有効であることを示した
。少なくとも一つのアリール基を含む溶媒は、卵の孵化の抑制においてアルキル基のみを
含む溶媒よりも一般的により有効であった。アルキルアリールケトンは、常に有効な溶媒
であり、少量のアリールアルコール、アリールアルキルアルコール、アリールアリールケ
トン、アルキルアリールエステルもまた、卵の孵化の抑制においてニーム油との組み合わ
せが有効であることを示した。これらの試験の間、成虫トコジラミに強い殺虫活性を示し
た有機溶媒はまた、概ね強い殺卵活性及び卵の孵化の抑制を示した。
表13.寄生後3週間観察したトコジラミの卵の羽化率
【表13】
【実施例12】
【0107】
殺虫ノックダウン活性
本実施例は、ニーム油単独又はアセトフェノン単独のノックダウン活性と比較した場合
の、ニーム油又はその誘導体と、アセトフェノンとの組み合わせのトコジラミに対する殺
虫ノックダウン活性を示す。6つの溶液を調製した。「溶液A」は、5.5重量%のニーム油
、1.25重量%のエトキシ化キャスター油、18.25重量%のアセトフェノン及びキャリア溶媒
としてのイソプロパノールを含む。「溶液B」は、5.5重量%のニーム油、1.25重量%のエト
キシ化キャスター油、18.25重量%のアセトフェノン及びキャリア溶媒としての水を含む。
「溶液C」は、5.5重量%のニーム油、1.25重量%のエトキシ化キャスター油及びキャリア溶
媒としての水を含む。「溶液D」は、18.25重量%のアセトフェノン、1.25重量%のエトキシ
化キャスター油及びキャリア溶媒としての水を含む。「溶液E」は、0.3重量%のアザジラ
チン、1.25重量%のエトキシ化キャスター油、18.25重量%のアセトフェノン及びキャリア
溶媒としての水を含む。「溶液F」は、0.3重量%のアザジラチン、1.25重量%のエトキシ化
キャスター油及びキャリア溶媒としての水を含む。成虫トコジラミを直径90ミリの濾紙
を含むペトリ皿に寄生させた。トコジラミは、腹側に5マイクロリットルの各溶液を塗布
することにより投与された。死亡率は、寄生後30分、及び1、2、4、6、8、10、24、100
及び342時間の間隔で評価した。刺激した場合、反応しなかったトコジラミを死んだもの
として数えた。成虫トコジラミの死亡率を計算し、他の全ての配合物のデータと比較した
。表14は、所定間隔での各配合物の死亡率データの要約である。
【0108】
ニーム/アセトフェノン(溶液A及びB)及びアザジラチン/アセトフェノン(溶液C)
の組み合わせは、ニーム単独(溶液D)、アセトフェノン単独(溶液E)及びアザジラチ
ン単独(溶液F)よりも良好なノックダウンキラーを示した。
表14.成虫トコジラミのノックダウンキラーとしてのニーム油及びアザジラチンの死亡

【表14】
【実施例13】
【0109】
広範囲殺虫活性
この実施例は、天然油及び溶媒の組み合わせの、トコジラミ以外の(昆虫を含む)節足
動物に対する乾燥残留殺虫活性を示す。試験した節足動物は、チャバネゴキブリ(ブラテ
ラゲルマニカ)、クロゴキブリ(ペリプラネタフリギノサ)、ワモンゴキブリ(ペリプラネタ
アメリカナ)、イエユウレイグモ(cellar spider)(フォルカスファランジオデス(Pholcus
phalangiodes))、ネコノミ(cat flea)(クテノケファリデスフェリス(Ctenocephalides fe
lis))、マダニ(イクソディダエファミリ(Ixodidea family))、アカヒアリ(ソレノプシス
インビクタ(Solenopsis Invicta))、シロアリ(レチクリテルメスフラビペス(Reticuliter
mes flavipes))、クロオオアリ(カンポノタスペンシルバニカス(Camponotus pennsylvani
cus))、トビイロシロアリ(pavement ant)(テトラモリウムセスピツム(Tetramorium caesp
itum))、ヤマアリ(field ant)(フォーミカ種)、アメイロケアリ(moisture ant)(ラシウス
種)、ヨーロッパアカヤマアリ(wood ant)(ホルミカルファ(Formica rufa))、イエバエ(ho
use fly)(ムスカドメスチカMusca domestica)、ヒロズキンバエ(bottle fly) (ルシリア
セリカタ(Lucilia sericata))、オナガシミ(giant silverfish)(クテノレピスマロンギコ
ーダータ(Ctenolepisma longicaudata))、マダラシミ(firebrat)(テルモビアドメスティ
カ(Thermobia domestica))、豆アブラムシ(bean aphid)(アフィスファバエ(Aphis fabae)
)及びエンドウヒゲナガアブラムシ(pea aphid)(アシルソ シフォンピスム(Acyrthosiphon
pisum)である。ニーム油5.5重量%、アセトフェノン15.5重量%、天然油(レモングラス油
、バニリン油及びウィンターグリーン油)2.65重量%、及びエトキシル化キャスター油1.2
5重量%の溶液Aを、キャリア希釈剤としてのイソプロピルアルコールと組み合わせた。1.
0mLの溶液をペトリ皿に収容された直径90ミリの濾紙表面に塗布した(投与群)。未投与
対照群の複製を同時に試験した。投与した基材は、既知数の成虫節足動物の寄生の前に2
時間空気乾燥させた。ペトリ皿には以下のスケジュールに従って寄生させた。ワモンゴキ
ブリ及びクロゴキブリについてそれぞれ3つの成虫の3つの複製を調製した。チャバネゴ
キブリについてそれぞれ5つの成虫の3つの複製を調製した。イエユウレイグモについて
それぞれ1つの成虫の9つの複製を調製した。マダニ、アリ、シロアリ、ハエ、アブラム
シ、セイヨウシミ、マダラシミ、及びネコノミについてそれぞれ10の成虫の3つの複製
を調製した。節足動物の追加後1,4及び24時間の間隔で、間隔中に死亡した節足動物の数
を観察した。成虫節足動物は、刺激によって反応しなかった場合の成虫節足動物を死んだ
ものとしてカウントした。
【0110】
寄生後1、4、及び24時間の間隔で成虫節足動物の死亡率を計算し、対照群の有効性のデ
ータと比較した。表15は、所定の間隔における各節足動物に対する投与の平均死亡データ
の要約を示す。試験した組成物は、24時間の観察で全ての節足動物を100%死滅させ、4時
間の観察ではいくつかの種に対して強い殺虫活性を示した。
表15.2時間乾燥した組成物の節足動物に対する平均死亡率
【表15】
【実施例14】
【0111】
殺虫剤抵抗性昆虫に対する乾燥残留殺虫活性
本実施例は、トコジラミの寄生の排除において認められる問題である(Romero参照)ピ
レスロイド殺虫剤に耐性を示すトコジラミに対する例示的な組成物の乾燥残留殺虫活性を
示す。ニーム油5.5重量%、アセトフェノン15.5重量%、天然油(レモングラス油、スペア
ミント油、クローブ油及びウィンターグリーン油)8重量%、及びエトキシル化キャスター
油5重量%の溶液を調整し、キャリア希釈剤としてのイソプロピルアルコールと組み合わせ
た(投与群)。ラベルで許容される最高(最強)率で希釈した4.75重量%のデルタメチリ
ンを含む共通のピレスロイド殺虫剤Suspend(登録商標)SCの濃縮配合物を陽性対照群と
して用いた。ペトリ皿に収容した直径90ミリメートルの濾紙に1.0mLの各溶液を塗布し、
2時間乾燥させた。投与群、陽性対照群、陰性対照群のそれぞれの5つの複製を同時に試
験した。野外で収集した種族の成虫トコジラミを各投与表面に加えた。基材に寄生させた
後、特定の間隔でトコジラミの死亡率を観察した。刺激によって反応しなかった場合の成
虫トコジラミを死んだものとしてカウントした。
【0112】
0、1、4、8、12、24及び72時間の間隔における投与群の成虫トコジラミの死亡率を、陽
性対照群(デルタメトリン投与)及び陰性対照群への寄生と比較した。図2は、濾紙での
試験結果の要約を示す。デルタメトリンに寄生させたトコジラミ(陽性対照群)は、72時
間間隔で10%の平均死亡率を示し、陰性対照群との比較で統計的に有意ではなかった。ニ
ーム油及びアセトフェノンを含む試験した配合物は、24時間間隔で100%の死亡率を示した
【実施例15】
【0113】
典型的な組成物の忌避性
本実施例は、一実施形態の例示的な組成物の忌避特性示す。成虫した昆虫、若虫及びこ
れらの卵が単に分散することよりも、死滅又は寿命の破壊による殺虫作用を有することが
所望される場合には、利用される組成物の忌避特性は、いくつかの実施形態では、低減又
は最小化されうる。
【0114】
本実施例では、避難場所として利用可能な未投与の割れ目を有する投与表面におけるト
コジラミの死亡率を評価し、未投与領域に退避するトコジラミの割合を計測し、試験した
組成物の忌避性を評価した。キャリア希釈液としてイソプロパノールをそれぞれ含む4つ
の溶液を調製した。「溶液A」は、5.5重量%のニーム油、15.5重量%のアセトフェノン、8
重量%の天然油(レモングラス油、スペアミント油及びウィンターグリーン油)及び5.0重
量%の界面活性剤を含む。「溶液B」は、5.5重量%のニーム油、15.5重量%のアセトフェノ
ン及び5.0重量%の界面活性剤を含む。「溶液C」は、5.5重量%のニーム油及び5.0重量%の
界面活性剤を含む。「溶液D」は、5.5重量%のニーム油のみを含む。全ての溶液に使用し
た界面活性剤は、エトキシ化キャスター油である。ペトリ皿に収容した直径90ミリメート
ルの濾紙に1.0mLの各溶液を塗布した(投与群)。全ての溶液に使用した界面活性剤は、
エトキシ化キャスター油である。各投与群の2つの複製及び陰性対照群の2つの複製を同
時に試験した。投与した表面をペトリ皿内で、プラスチックパラフィンフィルムでシール
し、8日間放置し、既知数の成虫のトコジラミの寄生前に4時間空気に曝露した。一方側
に切れ目を有する小さな木片がはり付けられた直径90ミリメートルの濾紙をペトリ皿内に
準備した。切れ目は、濾紙と接触せず、昆虫が退避可能な割れ目を形成する。投与群では
、ブロックの外面に1.0mLの各溶液を塗布し、割れ目は未投与のままとするとともに、濾
紙基材に直接1.0mLの各溶液を塗布した。5つの未投与群を陰性対照群と同時に試験した
。投与した表面を成虫トコジラミの寄生前に2時間空気乾燥した。
【0115】
各群へのトコジラミの寄生直後及び寄生後1、4及び8時間の間隔で、死亡率及びトコジ
ラミが投与した濾紙に留まることを好むか未投与の割れ目内にいることを好むかについて
トコジラミを観察した。表16は、寄生直後及び寄生後1、4及び8時間の間隔での各群の
観察結果の要約を示す。アセトフェノンと組み合わされたニーム油を含む組成物A及びBは
、界面活性剤を有する又は有さないニーム油のみを有する組成物(組成物C及びD)に比べ
て忌避性の程度が低いことを示した。
表16.平均忌避データ
【表16】
【実施例16】
【0116】
種々の基材の試験
本実施例は、種々の表面における例示的な実施形態の組成物の殺虫活性を示す。特に、
実施例は、トコジラミが生息する、巣を作る及び室内で繁殖ことが知られている種々の基
材における例示的な配合物の乾燥残留物の殺虫活性を示す。ニーム油5.5重量%、アセトフ
ェノン15.5重量%、天然油(レモングラス油、スペアミント油、クローブ油及びウィンタ
ーグリーン油)8重量%、及びエトキシル化キャスター油5重量%の溶液を調整し、キャリア
希釈剤としてのイソプロピルアルコールと組み合わせた。塗装した合板、100%綿布、マッ
トレススワッチ、ベルベルカーペットの4つの基材を準備した(投与領域を逃れるために
試験するトコジラミがカーペットの下から登ることを抑制するためにペトリ皿にくっつけ
た)。各基材の各投与群について5つの複製を構成し、未投与対照群について5つの複製
を構成した。1.0mLの配合物を各投与群に塗布し、2時間乾燥させた。成虫のトコジラミ
を投与後2時間で寄生させた。寄生直後並びに寄生後1、4、8、12、24及び72時間の間隔
で死亡率についてトコジラミを観察した。刺激によって反応しなかった場合のトコジラミ
を死んだものとしてカウントした。
【0117】
成虫トコジラミの死亡率を各間隔で測定し、全ての他の群のデータと比較した。表17は、
所定の間隔にわたる投与群及び対照群の平均死亡率のデータを示す。全ての処理群につい
て成虫トコジラミの死亡率は、24時間で100%、12時間では密着カーペット(80%の死亡率
)を除いて全ての処理表面で100%であった。このデータは、屋内表面の広い範囲における
試験した組成物の有効性を示す。
表17.種々の基板における投与後のトコジラミの平均死亡率
【表17】
【実施例17】
【0118】
溶媒/油の種々の組み合わせの残留活性
本実施例は、極性芳香族溶媒としてアセトフェノンを有する種々の殺虫性天然油(オレ
ガノ、クローブ及びシナモン油)を備える配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。本実施例は
、極性芳香族溶媒としてアセトフェノンを有する種々の殺虫性天然油(オレガノ、クロー
ブ及びシナモン油)を備える配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。溶液は、5.5重量%のニー
ム油、表18に示す重量%のアセトフェノン、及びキャリア希釈液としての適量のイソプ
ロパノールにより調製した。溶媒の重量での割合は、最終的な濃度が1.5mol/kgであった
。また、(キャリア希釈液としての適量のイソプロパノールを有する5.5重量%の)各天然
油単独のもの、及び(キャリア希釈液としての適量のイソプロパノールを有する表18に
示す重量%の)アセトフェノン単独の溶液をそれぞれ調製した。各溶液の投与群は、直径
90ミリの濾紙に1.0mLの溶液を投与し、4時間空気乾燥することにより調製した。既知
数の成虫(通常は10)を、処理後4時間で、投与したペトリ皿に加えた。トコジラミの
死亡率は、寄生後直ちに及び寄生後1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時
間及び24時間の間隔で、その後は24時間間隔で寄生後14日まで評価した。刺激によっ
て反応しなかった場合の成虫トコジラミを死んだものとしてカウントした。表18は、全
ての投与群の最大死亡率%及び最大死亡率の到達に要した時間を示す。殺虫性天然油及び
アセトフェノンの組み合わせは、殺虫性天然油又はアセトフェノン単独のそれぞれよりも
より効果的であった。
表18.種々の油の単独又はアセトフェノンとの組み合わせの最大死亡率%
【表18】
【実施例18】
【0119】
実施例18-アセトフェノンと組み合わせた各種油の残留活性
本実施例は、極性芳香族溶媒としてのアセトフェノンと殺虫性天然油(タイム油、ガー
リック油及びニーム油)をさらに備える配合物の乾燥残留殺虫活性を示す。溶液は、5.5
重量%のニーム油、重量で表19に示す%の有機溶媒、及びキャリア希釈液としての適量の
イソプロパノールにより調製した。溶媒は、最終的な濃度が1.5mol/kgとなるように加え
られた。溶液としてまた、各天然油単独(重量で5.5%でありキャリア希釈液としての適量
のイソプロパノールを有する)のもの、及び極性芳香族溶媒単独のもの(重量で表19に
示す%でありキャリア希釈液としての適量のイソプロパノールを有する)を調製した。各
溶液の投与群は、直径90ミリの濾紙に1.0mLの溶液を投与し、4時間空気乾燥すること
により調製した。既知数の成虫(通常は10)を、投与後4時間で、投与した各ペトリ皿
に加えた。トコジラミの死亡率は、寄生直後及び寄生後1時間、2時間、4時間、6時間、8
時間、10時間、12時間及び24時間の間隔で、その後は24時間間隔で寄生後14日まで評
価した。刺激によって反応しなかった場合の成虫トコジラミを死んだものとしてカウント
した。表19は、全ての投与群の最大死亡率%及び最大死亡率の到達に要した時間を示す
。殺虫性天然油及びアセトフェノンの組み合わせは、殺虫性天然油又はアセトフェノン単
独のそれぞれよりもより効果的であった。
表19.各種油の単独又はアセトフェノンとの組み合わせの最大死亡率
【表19】
種々の参考文献は以下の通り例については、参考文献を含めて、ここでの議論に言及又は
関連している。以下の参考文献のそれぞれの開示は、その全体が参考として援用される。
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【0120】
本明細書で開示した特定の態様は、本発明の種々の態様の説明を意図するものであるの
で、本明細書で説明した発明は、本明細書で開示したこれらの態様によってその範囲が限
定されるものではない。いかなる同等の態様は本発明の範囲内であることを意図するもの
である。本明細書に示し説明した実施形態に加えた本発明の実施形態の種々の変形が可能
であることは、上記説明から当業者にとって明らかとなる。このような変形もまた添付特
許請求の範囲及び今後導入されるいかなる請求の範囲の範囲に属することを意図するもの
である。
図1
図2