特許第6517306号(P6517306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6517306
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】エレベータの制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/14 20060101AFI20190513BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20190513BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   B66B13/14 N
   B66B3/00 M
   B66B1/14 G
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-220363(P2017-220363)
(22)【出願日】2017年11月15日
【審査請求日】2017年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中務 匡
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−335875(JP,A)
【文献】 特開2004−010303(JP,A)
【文献】 特開2011−093649(JP,A)
【文献】 特開2006−347686(JP,A)
【文献】 特開2016−056010(JP,A)
【文献】 特開昭63−282090(JP,A)
【文献】 特開2017−001848(JP,A)
【文献】 特開2002−362841(JP,A)
【文献】 特開2017−124898(JP,A)
【文献】 特開2010−163271(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/066390(WO,A1)
【文献】 特開2005−126184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00 − 13/30
B66B 3/00 − 3/02
B66B 1/00 − 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の不自由な利用者を少なくともエレベータのドアまで案内する案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する入力部と、
前記ホールの階に、前記エレベータのかごが停止しかつ前記ドアが戸開している場合に、前記画像データから、前記案内識別情報上に存在し、かつ前記ドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する第1処理と、前記利用者が存在すると判定された場合に、前記画像データを用いて算出した前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する第2処理と、を実行する運転判定部と、
前記運転判定部によって、前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が前記残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ドアの戸開延長する制御を行う運転制御部と、
を備え
前記運転判定部は、前記運転制御部が戸開延長の指示を出力した後、前記第1処理で前記利用者が前記案内識別情報上から外れたか否かを判定し、
前記運転制御部は、前記運転判定部により、前記案内識別情報上から外れたと判定された場合に、前記ドアの戸開延長の中止制御を行う、
エレベータの制御装置。
【請求項2】
目の不自由な利用者を少なくともエレベータのドアまで案内する案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する入力部と、
前記ホールの階に、前記エレベータのかごが停止しかつ前記ドアが戸開している場合に、前記画像データから、前記案内識別情報上に存在し、かつ前記ドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する第1処理と、前記利用者が存在すると判定された場合に、前記画像データを用いて算出した前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する第2処理と、を実行する運転判定部と、
前記運転判定部によって、前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が前記残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ドアの戸開延長する制御を行う運転制御部と、
を備え、
前記運転判定部は、前記運転制御部が戸開延長の指示を出力した後、前記第1処理で前記利用者が前記ドアに向かって歩行していないか否かを判定し、
前記運転制御部は、前記運転判定部により、前記ドアに向かって歩行していないと判定された場合に、前記ドアの戸開延長の中止制御を行う
レベータの制御装置。
【請求項3】
前記運転制御部は、前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が前記残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ホール側または前記かご側の戸閉ボタンを無効化する請求項1または2に記載のエレベータの制御装置。
【請求項4】
前記ドアの戸開延長の制御は、前記ホール側または前記かご側の戸閉ボタンの操作を無効化する処理をさらに含み、
前記運転制御部は、前記ドアの戸開延長制御として、前記ホール側または前記かご側の前記戸閉ボタンを無効化した場合、前記ドアの戸開延長の中止制御として、前記戸閉ボタンを有効化する請求項またはに記載のエレベータの制御装置。
【請求項5】
前記運転判定部は、
前記第1処理では、第1画像データ中の前記案内識別情報上に前記利用者が存在するかを判定し、前記案内識別情報上に前記利用者が存在する場合に、前記第1画像データと、前記第1画像データから所定の時間経過後に撮像された第2画像データと、を用いて、前記利用者が前記ドアの方向に向かって歩行しているかを判定し、
前記第2処理では、前記第1画像データおよび前記第2画像データから求められる前記利用者の移動距離と、前記所定の時間と、から前記利用者の速度を求め、前記第2画像データでの前記利用者と前記ドアとの間の距離と前記速度とから前記到着予想時間を算出する請求項1からのいずれか1つに記載のエレベータの制御装置。
【請求項6】
目の不自由な利用者を少なくともエレベータのドアまで案内する案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する工程と、
前記ホールの階に、前記エレベータのかごが停止しかつ前記ドアが戸開している場合に、前記画像データから、前記案内識別情報上に存在し、かつ前記ドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する工程と、
前記利用者が存在すると判定された場合に、前記画像データを用いて算出した前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する工程と、
前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ドアの戸開延長する制御を行う工程と、
前記ドアの戸開延長した後、前記利用者が前記案内識別情報上から外れたか否かを判定する工程と、
前記利用者が前記案内識別情報上から外れたと判定された場合に、前記ドアの戸開延長の中止制御を行う工程と、
を含むエレベータの制御方法。
【請求項7】
目の不自由な利用者を少なくともエレベータのドアまで案内する案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する工程と、
前記ホールの階に、前記エレベータのかごが停止しかつ前記ドアが戸開している場合に、前記画像データから、前記案内識別情報上に存在し、かつ前記ドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する工程と、
前記利用者が存在すると判定された場合に、前記画像データを用いて算出した前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する工程と、
前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ドアの戸開延長する制御を行う工程と、
前記ドアの戸開延長した後、前記利用者が前記ドアに向かって歩行していないか否かを判定する工程と、
前記利用者が前記ドアに向かって歩行していないと判定された場合に、前記ドアの戸開延長の中止制御を行う工程と、
を含むエレベータの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータの制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータホールで、エレベータのかごに乗り込むエレベータ利用者が体の不自由な利用者であるか否かを判定し、エレベータ利用者が体の不自由な利用者である場合に体の不自由な利用者用の運転モードに切り替える技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−10303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ホールに設置された戸開ボタンを押せばかごに乗車できる状況下でも、目の不自由な利用者は戸開ボタンを押すことができず、かごに乗り込むことができない場合が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態によれば、エレベータの制御装置は、入力部と、運転判定部と、運転制御部と、を備える。前記入力部は、目の不自由な利用者を少なくともエレベータのドアまで案内する案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する。前記運転判定部は、前記ホールの階に、前記エレベータのかごが停止しかつ前記ドアが戸開している場合に、前記画像データから、前記案内識別情報上に存在し、かつ前記ドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する第1処理と、前記利用者が存在すると判定された場合に、前記画像データを用いて算出した前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する第2処理と、を実行する。前記運転制御部は、前記運転判定部によって、前記利用者の前記ドアへの到着予想時間が前記残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、前記ドアの戸開延長する制御を行う。前記運転判定部は、前記運転制御部が戸開延長の指示を出力した後、前記第1処理で前記利用者が前記案内識別情報上から外れたか否かを判定する。前記運転制御部は、前記運転判定部により、前記案内識別情報上から外れたと判定された場合に、前記ドアの戸開延長の中止制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態におけるエレベータの制御装置を含むエレベータ制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第3の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第6の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるエレベータの制御装置および制御方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。また、以下では第1の実施形態〜第6の実施形態について説明するが、第2の実施形態以降においては、それまでに説明した実施形態と同様の構成、作用、効果等については説明を適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるエレベータの制御装置を含むエレベータ制御システムの構成の一例を示すブロック図である。エレベータ制御システム1は、昇降路2と、かご3と、カウンタウェイト4と、メインロープ5と、シーブ6と、巻上機7と、異常検知センサ8と、ホール(乗り場)9と、制御装置10と、を備える。エレベータ制御システム1では、制御装置10によって各部の駆動が制御されてかご3が昇降路2内を昇降することで、任意の目的階のホール9に移動することができる。
【0009】
昇降路2は、建物などの施設の鉛直方向に沿って設けられる。昇降路2は、施設内の複数の階床にわたって設けられる。
【0010】
かご3は、利用者が乗ったり荷物を乗せたりするための構造物である。かご3は、昇降路2内に配置され、昇降路2を昇降可能である。かご3は、かご側ドア31と、ドアモータ32と、ドアモータ制御部33と、かご側ドア操作盤34と、行先呼登録装置35と、かご側カメラ36と、かご側スピーカ37と、を備える。
【0011】
かご側ドア31は、かご3のかご乗降口を閉塞、開放するものである。かご側ドア31は、かご3の昇降時は閉状態を維持し、かご3が着床した場合に、ドアモータ32により閉状態から開状態となる。ドアモータ32は、かご側ドア31の開閉を行う動力源である。ドアモータ制御部33は、制御装置10と伝送ライン60を介して接続され、制御装置10からのドア開閉信号に従って、かご側ドア31の開閉を制御する。ドア開閉信号は、後述するかご側ドア操作盤34からのドア操作信号に基づいて制御装置10によって生成される。
【0012】
かご側ドア操作盤34は、利用者によるかご側ドア31の開閉の操作を受け付けるドア操作装置であり、かご3内に設置され、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。かご側ドア操作盤34は、戸閉ボタン341および戸開ボタン342を有する。かご側ドア操作盤34は、利用者によって操作されると、かご側ドア31およびホール側ドア91の開閉を行うためのドア操作信号を生成し、伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0013】
行先呼登録装置35は、利用者によるかご3の行先階の登録操作を受け付ける装置であり、かご3内に設置され、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。行先呼登録装置35は、行先階ボタンを含む。行先呼登録装置35は、利用者によって操作されると、かご3の行先階に停止するための行先呼信号を生成し、生成した行先呼信号を、伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0014】
かご側カメラ36は、かご3内あるいはかご側ドア31が開放された場合にかご3内およびホール9を撮像する撮像装置であり、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。かご側カメラ36は、かご3内を含む領域を撮像し、所定の時間間隔で画像データを伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0015】
なお、かご側カメラ36は、かご側ドア31が開放された場合に、かご乗降口から外側のホール9の様子を撮像することができる位置に設けられる。たとえば、かご側カメラ36は、かご3内のかご側ドア31が設置される側面と対向する側面に設けられる。つまり、かご側カメラ36は、かご3内の他に、エレベータのドア31まで案内する案内ブロック97が床に設けられたホールを含む領域を撮像する。なお、案内ブロック97については後述する。
【0016】
かご側スピーカ37は、かご3内にアナウンス情報を出力する音声出力装置であり、かご3内に設置され、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。かご側スピーカ37は、複数のアナウンス情報を有しており、制御装置10からの指示に従ったアナウンス情報を出力する。
【0017】
カウンタウェイト4は、メインロープ5を介してかご3に連結されて昇降路2内に配置され、かご3と連動して昇降路2を昇降可能なつり合いおもりである。メインロープ5は、かご3とカウンタウェイト4とを連結するものである。ここでは、メインロープ5は、昇降路2の上部に設けられたシーブ6および巻上機7を介して、一端にかご3が接続され、他端にカウンタウェイト4が接続される。
【0018】
巻上機7は、かご3とカウンタウェイト4とを連結するメインロープ5の巻き上げを行うことで、かご3を昇降させる。巻上機7は、メインロープ5の巻き上げを行う動力源となるモータ71と、モータ71の回転数を検出するパルスジェネレータ(PG:Pulse Generator)72とを有している。モータ71は、パルスジェネレータ72を介して制御装置10に接続されている。巻上機7は、たとえば、昇降路2の上部に設置される。
【0019】
異常検知センサ8は、ドア故障検知センサ、加速度センサ、火災検知器など各種のエレベータ制御システム1の異常を検知するセンサである。異常検知センサ8は、信号線を介して、制御装置10に接続される。
【0020】
ホール9は、かご3が着床可能な施設の各エレベータ停止階床に設けられ、ホール側ドア91およびかご側ドア31が開放している状態で、利用者がかご3に対して乗降したり、荷物をかご3に対して積み下ろしたりするための場所である。施設は、ビルなどの建物のほか、地下街、駅などを含む。駅の場合には、一部の階床は野外となる場合もある。ホール9は、ホール側ドア91と、乗場呼登録装置92と、ホール側ドア操作盤93と、ホール側カメラ94と、ホール側スピーカ95と、を備える。
【0021】
ホール側ドア91は、ホール9と昇降路2との間の乗降口を閉塞、開放するものである。ホール側ドア91は、かご3の昇降時は閉状態を維持し、かご3が着床した場合に、図示しないドアモータにより閉状態から開状態となる。ホール側ドア91は、図示しないが制御装置10によって制御される。
【0022】
乗場呼登録装置92は、ホール9にエレベータのかご3を配車する乗場呼びを行うとともに、乗場呼びするかご3の行き先方向を登録する。乗場呼登録装置92は、行き先方向を登録する乗場呼ボタンを有している。乗場呼ボタンは、目的階が上階であるときに操作され、上方向の乗場呼びを登録する上ボタン921と、目的階が下階であるときに操作され、下方向の乗場呼びを登録する下ボタン922とを含む。乗場呼登録装置92は、伝送ライン60を介して制御装置10に接続され、上ボタン921および下ボタン922の操作による乗場呼び登録を実行している。乗場呼登録装置92は、利用者によって上ボタン921、下ボタン922が操作されると、かご3をホール9に配車するための乗場呼信号を生成し、生成した乗場呼信号を、伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0023】
ホール側ドア操作盤93は、利用者によるホール側ドア91の開閉の操作を受け付けるドア操作装置であり、ホール9のホール側ドア91の近傍に設置され、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。ホール側ドア操作盤93は、戸閉ボタン931および戸開ボタン932を有する。かご3が利用者によって操作される階床に停止中に、ホール側ドア操作盤93が利用者によって操作されると、かご側ドア31およびホール側ドア91の開閉を行うためのドア操作信号を生成し、伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0024】
ホール側カメラ94は、かご側ドア31を含むホール9を撮像する撮像装置であり、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。ホール側カメラ94は、ホール9と、ホール側ドア91およびかご側ドア31が開状態のときにかご3内と、を撮像することができる位置に設置されることが望ましい。たとえば、ホール側カメラ94は、ホール9の天井に設置される。ホール側カメラ94は、ホール9を含む領域を撮像し、所定の時間間隔で画像データを伝送ライン60を介して制御装置10に出力する。
【0025】
ホール側スピーカ95は、ホール9にアナウンス情報を出力する音声出力装置であり、たとえばホール9の天井に設置され、伝送ライン60を介して制御装置10に接続されている。ホール側スピーカ95は、複数のアナウンス情報を有しており、制御装置10からの指示に従ったアナウンス情報を出力する。
【0026】
また、ホール9の床面には、目の不自由な人を案内するための案内識別情報である案内ブロック97が設けられる。案内ブロック97には、たとえば移動の方向を示す誘導ブロック、注意喚起・警告を促す警告ブロックなどが含まれる。本実施形態の案内ブロック97は、少なくともホール側ドア91まで案内する。
【0027】
制御装置10は、ホール9の乗場呼登録装置92およびホール側ドア操作盤93からの情報、あるいはかご3内のかご側ドア操作盤34、行先呼登録装置35およびかご側カメラ36からの情報にしたがって、かご3の昇降、かご側ドア31およびホール側ドア91の開閉などを制御する。制御装置10は、信号入出力部11と、運転制御部12と、設計情報記憶部13と、案内ブロック利用者情報記憶部14と、案内ブロック利用者運転判定部15と、案内ブロック利用者運転制御部16と、を備える。
【0028】
信号入出力部11は、制御装置10に入力される入力信号を運転制御部12に出力したり、運転制御部12から入力される入力信号を、伝送ライン60を介してドアモータ制御部33に出力したり、かご側スピーカ37またはホール側スピーカ95に出力したりする。
【0029】
信号入出力部11は、かご側カメラ36およびホール側カメラ94から、撮像された画像データを入力する。そして、信号入出力部11は、入力された画像データを、案内ブロック利用者情報記憶部14に出力する。
【0030】
具体的に、信号入出力部11には、乗場呼登録装置92から出力された乗場呼信号、およびかご3内の行先呼登録装置35から出力された行先呼信号が、伝送ライン60を介して入力される。また、信号入出力部11には、ホール側ドア操作盤93およびかご側ドア操作盤34から出力されたドア操作信号が、伝送ライン60を介して入力される。さらに、信号入出力部11には、パルスジェネレータ72から出力されたパルス信号が、伝送ライン60を介して入力される。また、信号入出力部11には、かご側カメラ36およびホール側カメラ94からの画像データが、伝送ライン60を介して入力される。
【0031】
一方、信号入出力部11からは、運転制御部12からのドア開閉信号がドアモータ制御部33、および図示しないホール9側のドアモータ制御部へと伝送ライン60を介して出力される。また、信号入出力部11からは、運転制御部12からのアナウンス情報がホール側スピーカ95またはかご側スピーカ37へと出力される。
【0032】
運転制御部12は、信号入出力部11に接続され、信号入出力部11に入力された入力信号を取得し、取得した入力信号に基づいて、かご3の昇降動作と、かご側ドア31およびホール側ドア91の開閉動作と、を制御している。つまり、運転制御部12は、ドア31,91の開閉を制御するドア制御手段として機能している。
【0033】
具体的には、運転制御部12は、かご3の昇降動作を制御する場合、取得したパルス信号に基づいて、かご3の位置およびかご3の昇降速度の検出を行う。また、運転制御部12は、検出した結果、行先呼信号および乗場呼信号に基づいて、かご3を所定の位置に昇降させるためのパルス信号を生成する。そして、運転制御部12は、生成したパルス信号を、パルスジェネレータ72を介してモータ71へ出力し、モータ71を制御することで、かご3の昇降動作を制御する。なお、運転制御部12では、信号入出力部11に入力されたパルスジェネレータ72からのパルスデータによって、かご3の位置および昇降速度の検出も行っている。
【0034】
また、運転制御部12は、かご側ドア31およびホール側ドア91(以下、まとめてドア31,91という)の開閉動作を制御する場合、取得したドア操作信号に応じて、ドア開閉信号を生成する。ドア開閉信号は、ドア31,91を戸開する戸開信号、またはドア31,91を戸閉する戸閉信号を含む。そして、運転制御部12は、生成した戸開信号または戸閉信号を、信号入出力部11を介してドアモータ制御部33、および図示しないホール側ドア91のドア制御モータに出力し、ドアモータ32を制御することで、ドア31,91の開閉動作を制御する。
【0035】
さらに、第1の実施形態では、運転制御部12は、案内ブロック利用者運転制御部16から案内ブロック利用者向けのオペレーション処理(以下、案内ブロック利用者運転処理という)の実行の要求を受けると、通常の運転制御に優先して、案内ブロック利用者運転処理を実行する。案内ブロック利用者運転処理は、後述するように、戸開延長処理と、戸開延長に関するアナウンス情報の放送処理と、を含む。
【0036】
設計情報記憶部13は、施設の階ごとに設定された戸開時間を記憶する。戸開時間は、そのホール側ドア91が設置されている階、または呼の種類に応じて変えることができる。設計情報記憶部13は、たとえばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリによって構成される。
【0037】
案内ブロック利用者情報記憶部14は、かご側カメラ36で撮像され、伝送ライン60および信号入出力部11を介して受信した画像データを保存する。案内ブロック利用者情報記憶部14は、所定の数の画像データを記憶することができる記憶容量を有する。画像データは、撮像された順番が分かるように保存される。たとえば、画像データには、撮像した時間情報が含まれていてもよい。あるいは、画像データには、撮像された順に、識別番号が付加されてもよい。案内ブロック利用者情報記憶部14は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)などの揮発性メモリ、またはEEPROM、NAND型フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成される。
【0038】
案内ブロック利用者運転判定部15は、かご側カメラ36の画像データを用いて、エレベータを利用する可能性のある目の不自由な人がいるかを判定し、目の不自由な利用者がいる場合に、ドアの開状態を制御する案内ブロック利用者運転処理の実行の可否を判定する。そして、案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック利用者運転処理の実行の可否の判定結果を、案内ブロック利用者運転制御部16に出力する。
【0039】
具体的には、案内ブロック利用者運転判定部15は、かご3が停止しかつ、ドア31,91が戸開している場合に、かご側カメラ36の画像データを用いて、案内ブロック97上を歩き、かつエレベータのかご3に向かって歩いている人がいるかを判定する。案内ブロック97上を歩き、かつエレベータのかご3に向かって歩いている人がいる場合に、その人を目の不自由な利用者と判定する。また、案内ブロック利用者運転判定部15は、目の不自由な利用者がいると判定した場合に、目の不自由な利用者がかご3に到達するまでの時間がエレベータの残り戸開時間よりも長いかを判定する。かご3に到達するまでの時間が残り戸開時間よりも長い場合には、現在の状態のままでは、目の不自由な利用者がかご3に乗り込むことができないので、目の不自由な利用者がかご3に乗り込むことをサポートする案内ブロック利用者運転処理の実行が必要であると判定する。案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理、およびホール側スピーカ95への戸開延長に関するアナウンス情報の放送処理などを例示することができる。
【0040】
一方、案内ブロック利用者運転判定部15は、かご3に到達するまでの時間が残り戸開時間よりも短い場合には、現在の状態のままでも、目の不自由な利用者がかご3に乗り込むことができるので、通常の運転処理を継続する。さらに、案内ブロック利用者運転判定部15は、目の不自由な利用者がいないと判定した場合には、案内ブロック利用者運転処理を行う必要がないので、通常の運転処理を継続する。たとえば、案内ブロック利用者運転判定部15は、運転制御部12に対しては特に要求を出さない。
【0041】
ここで、目の不自由な利用者がいるか否かの判定について説明する。案内ブロック利用者運転判定部15は、たとえば時刻t1でかご側カメラ36で撮像された第1画像データと、時刻t1よりも後の時刻t2でかご側カメラ36で撮像された第2画像データと、を案内ブロック利用者情報記憶部14から取得する。まず、第1画像データから案内ブロック97上に人が存在するかを判定する。人が存在しない場合には目の不自由な利用者がいないと判定される。一方、人が存在する場合には、その人がかご3に向かって歩行しているかを判定する。ここで、かご3に向かって歩行しているとは、案内ブロック97上でかご3に向かっていることをいうものとする。案内ブロック97上をかご3に向かって歩行している人がいる場合には、その人を目の不自由な利用者と判定する。また、案内ブロック97上に居た人がかご3に向かって歩行していない場合には、その人は、目の不自由な利用者ではないと判定する。つまり、時刻t1では案内ブロック97上にいたが、時刻t2では案内ブロック97から外れている人は、目の不自由な利用者ではない。
【0042】
このとき、案内ブロック97上を一人で歩いている人が対象となり、案内ブロック97上を介助者とともに歩いている人は対象としないものとする。介助者は、案内ブロック97の上またはその近傍を歩いていて、かつ案内ブロック97上を歩いている人から所定の距離以内に存在する人のことである。また、案内ブロック97上の異なる位置に複数人が存在する場合には、エレベータのかご3に最も近い人を判定対象とし、その他の人については判定を行わないものとする。さらに、目の不自由な利用者とかご側カメラ36との間に別の人などが存在し、案内ブロック97上を歩いている人を確認することができない場合には、判定を行わないものとする。
【0043】
目の不自由な利用者がいると判定した場合には、第2画像データでの目の不自由な利用者の位置P2と、第1画像データでの目の不自由な利用者の位置P1と、の間の距離P2−P1を求め、距離と時間t2−t1から目の不自由な利用者の速度Vを求める。なお、ここで、位置P1,P2は、かご3を基準とした位置とする。また、かご3を基準としてたとえば案内ブロック97の各位置までの距離を求めておくことで、目の不自由な利用者が位置する案内ブロック97の位置を推定することが可能となる。さらに、時刻t2での位置P2からかご3までの距離(=P2)と、目の不自由な利用者の速度Vとから、目の不自由な利用者のかご3への到着予想時間T1が算出される。
【0044】
案内ブロック利用者運転判定部15は、設計情報記憶部13から現在のかご3の停止階に対応する戸開時間T0を取得し、また現在の停止階に停止し始めてからの経過時間ΔTを運転制御部12から取得し、残り戸開時間T0−ΔTを算出する。そして、案内ブロック利用者運転判定部15は、到着予想時間T1と残り戸開時間T0−ΔTとの大小を比較する。到着予想時間T1が残り戸開時間T0−ΔTよりも大きい場合には、案内ブロック利用者運転処理の実行を決定し、到着予想時間T1が残り戸開時間T0−ΔTよりも小さい場合には、案内ブロック利用者運転処理を実行せずに、通常の運転処理の継続を決定する。なお、到着予想時間T1が残り戸開時間T0−ΔTと等しい場合には、案内ブロック利用者運転処理の実行を決定してもよいし、通常の運転処理の継続を決定してもよい。
【0045】
案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転判定部15による案内ブロック利用者運転処理の実行の決定の判定結果を受けると、案内ブロック利用者運転処理の実行の要求を運転制御部12に出力する。案内ブロック利用者運転処理の実行の要求には、戸開延長の指示と、放送するアナウンス情報を特定する情報と、が含まれる。
【0046】
このように、運転制御部12は、案内ブロック利用者運転処理の実行の要求を受け付けた場合、換言すれば、利用者のドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、ドア31,91の戸開延長する制御を行うこととなる。
【0047】
つぎに、このような制御装置10によるエレベータの制御方法について説明する。図2は、第1の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。まず、運転制御部12は、信号入出力部11を介して異常検知センサ8からの入力信号の有無によって、エレベータ制御システム1全体が正常に運転できるかを判定する(ステップS11)。異常検知センサ8では、ドア31,91の故障の有無、加速度の異常の有無、火災発生の有無などについて検知し、その結果を制御装置10の信号入出力部11に出力する。運転制御部12は、信号入出力部11から入力した検知結果に基づいて、異常発生の有無を判定する。
【0048】
異常が発生している場合(ステップS11でNoの場合)には、運転制御部12は、そのまま処理を終了する。この場合には、たとえばエレベータ制御システム1を管理する管理者に異常箇所を通知し、異常個所の修理などが管理者によって行われる。
【0049】
また、異常が発生していない場合(ステップS11でYesの場合)には、運転制御部12は、現在、エレベータ制御システム1が戸開中であるかを判定する(ステップS12)。戸開中であるか否かの判定は、ドアモータ制御部33に戸開信号が出された後で、戸閉信号が出される前であるか否かによって判定することができる。戸開中でない場合(ステップS12でNoの場合)、すなわち戸閉中の場合には、戸開中処理が行われないため、処理が終了する。
【0050】
一方、戸開中である場合(ステップS12でYesの場合)には、案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック利用者情報記憶部14からかご側カメラ36で撮像された画像データを取得する(ステップS13)。その後、案内ブロック利用者運転判定部15は、取得した画像データから、目の不自由な人がエレベータを利用する可能性があるかを判定する(ステップS14)。ここでは、最新の画像データと、所定の時間だけ前に撮られた画像データと、を用いて、案内ブロック97上に存在し、かつかご3の乗降口に向かって歩行する人が存在するかを判定する。そして、案内ブロック97上に存在し、かつかご3の乗降口に向かって歩行する人を目の不自由な利用者とする。
【0051】
目の不自由な人がエレベータを利用する可能性がある場合(ステップS14でYesの場合)には、案内ブロック利用者運転判定部15は、上記した2つの画像データを用いて、目の不自由な利用者のかご3への到着予想時間を算出する(ステップS15)。上記したように、2つの画像データから、目の不自由な利用者の速度を算出し、現在のかご3までの距離と速度とからかご3への到着予想時間が算出される。
【0052】
ついで、案内ブロック利用者運転判定部15は、現在の停止階に対応する戸開時間を設計情報記憶部13から取得し、運転制御部12から戸開状態からの経過時間を取得して、残り戸開時間を算出する。そして、案内ブロック利用者運転判定部15は、算出したかご3への到着予想時間が残り戸開時間よりも長いかを判定する(ステップS16)。
【0053】
かご3への到着予想時間が残り戸開時間よりも長い場合(ステップS16でYesの場合)には、案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック利用者運転処理の実行を決定する(ステップS17)。これによって、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転処理の実行の要求を運転制御部12に出力する。第1の実施形態では、案内ブロック利用者運転制御部16は、戸開延長の指示と、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送の指示と、を含む要求を運転制御部12に出力する。
【0054】
運転制御部12は、要求を受けると、戸開時間の延長処理を行うとともに(ステップS18)、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示する(ステップS19)。これによって、ドアモータ制御部33は、戸開状態を継続し、ホール側スピーカ95は指示されたアナウンス情報を放送する。
【0055】
その後、ステップS14で目の不自由な人がエレベータを利用する可能性がない場合(ステップS14でNoの場合)、あるいは、ステップS16で到着予想時間が残り戸開時間よりも短い場合(ステップS16でNoの場合)には、運転制御部12は、戸閉時間になったかを判定する(ステップS20)。
【0056】
戸閉時間でない場合(ステップS20でNoの場合)には、ステップS11へと処理が戻る。つまり、戸閉時間となるまで、ステップS11〜S20の処理が繰り返し実行される。また、戸閉時間である場合(ステップS20でYesの場合)には、処理が終了する。
【0057】
第1の実施形態では、かご側カメラ36で撮像された画像データから案内ブロック97上に存在し、かつかご3に向かって歩行している人を、エレベータを利用する可能性のある目の不自由な利用者として抽出する。目の不自由な利用者のかご3への到着予想時間を画像データから算出し、到着予想時間が残りの戸開時間よりも長い場合に、案内ブロック利用者運転処理の実行を決定し、戸開延長処理を含む処理を行う。これによって、ホールにいる人がエレベータのかごに乗り込むか否かの判定の精度を上げることができ、ホール9のホール側ドア91の近傍に設置されたホール側ドア操作盤93の戸開ボタン932を押して、かご3に乗車したいが、戸開時間内にかご3に辿り着かないような状況でも、戸開延長がされることになる。その結果、目の不自由な利用者は、エレベータのかご3に乗り込むことができる。つまり、目の不自由な利用者は、戸開時間を気にせずに、エレベータを利用することができる。
【0058】
また、案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理のほかに、ホール側スピーカ95に戸開延長に関する音声情報を放送するようにした。これによって、目の不自由な利用者は、エレベータが戸開状態にあることを知り、急ぐことなくかご3に乗り込むことができる。また、目の不自由な利用者が、急ぐことで発生しやすくなる転倒などの事故の発生を抑制することができる。さらに、他の利用者にかご3の乗降に時間を要する目の不自由な利用者の存在を伝えられるので、他の利用者が目の不自由な利用者をエレベータへ誘導したり、介助したりすることが期待される。
【0059】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理とホール側スピーカに戸開延長に関するアナウンス情報を放送する処理と、を行っていた。第2の実施形態では、かご内に既に乗り込んでいる利用者に、何のために戸閉状態とならないかについてアナウンス情報を放送する処理について説明する。
【0060】
第2の実施形態によるエレベータの制御装置10は、第1の実施形態で説明したものとほぼ同様の構成を有する。ただし、案内ブロック利用者運転判定部15によって、案内ブロック利用者運転処理が決定された場合に、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理と、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報を放送する処理と、を行う点が第1の実施形態と異なる。
【0061】
第2の実施形態によるエレベータの制御方法の手順は、第1の実施形態の図2とほぼ同様とする。ただし、第1の実施形態においては、ステップS17において、案内ブロック利用者運転制御部16は、運転制御部12に出力する要求として、戸開延長の指示と共に、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示していたのに対して、第2の実施形態の案内ブロック利用者運転制御部16は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示している点で異なる。これにより、ステップS19において、運転制御部12は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示する点も変更される。これによって、ドアモータ制御部33は、戸開状態を継続し、かご側スピーカ37は指示されたアナウンス情報を放送する。
【0062】
第2の実施形態では、目の不自由な利用者がかご3に向かっており、かつ残り戸開時間内にかご3に乗り込むことができないと予想される場合に、戸開延長処理を行うとともに、かご側スピーカ37に戸開延長に関する音声情報を放送するようにした。これによって、かご3内に既に乗り込んでいる利用者に、目の不自由な利用者がこれからかご3に乗り込もうとしていることを通知することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、画像データの解析からかごに乗り込もうとしている目の不自由な利用者を抽出し、戸開延長処理を含む案内ブロック利用者運転処理を実行していた。しかし、目の不自由な利用者がその後かごに向かわなかった場合にも、戸開延長が継続されてしまう。そこで、第3の実施形態では、目の不自由な利用者が戸開延長された後にかごに向かわなかった場合に、案内ブロック利用者運転処理を中止する場合について説明する。
【0064】
第3の実施形態によるエレベータの制御装置10は、第1の実施形態で説明したものとほぼ同様の構成を有する。ただし、案内ブロック利用者運転判定部15、案内ブロック利用者運転制御部16および運転制御部12の機能が、第1の実施形態のものとは異なる。
【0065】
案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック利用者運転処理の実行の要求が出された後に、画像データの解析から案内ブロック利用者運転処理の対象となる目の不自由な利用者が、かご3に向かわなくなったことを検出すると、案内ブロック利用者運転処理の中止が必要であると判定する機能をさらに有する。かご3に向かわなくなった場合として、目の不自由な利用者が案内ブロック97から外れてしまった場合、案内ブロック97上で止まった場合、案内ブロック97上をかご3から遠ざかる方向に向かった場合、かご3内に入った場合、などを例示することができる。なお、第3の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理、およびホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送処理を行う場合を例に挙げる。
【0066】
また、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転判定部15によって案内ブロック利用者運転処理の中止が決定されると、案内ブロック利用者運転処理の中止の要求を運転制御部12に出力する機能をさらに有する。
【0067】
運転制御部12は、案内ブロック利用者運転制御部16から案内ブロック利用者運転処理の中止の要求を受けると、案内ブロック利用者運転処理を中止する処理をさらに有する。
【0068】
図3は、第3の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。以下では、第1の実施形態の図2とほぼ同じであるが、図2と異なる処理について説明する。
【0069】
図2のステップS14では、案内ブロック利用者運転判定部15は、取得した画像データから、目の不自由な人がエレベータを利用する可能性があるかを判定しているが、ここでは、つぎの2段階の処理を含んでいる。すなわち、案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック97上に人が存在しているかを判定する(ステップS41)。この案内ブロック97上に人が存在しているか否かの判定では、前回の判定時に目の不自由な利用者とされた人が、案内ブロック97上から外れたか否かを検知することが含まれる。これには、案内ブロック97上に障害物が載置されており、目の不自由な利用者が障害物を避けるために案内ブロック97を外れた場合も含まれる。また、目の不自由な利用者が、ホール側ドア91の前の案内ブロック97からかご3に向かって歩行した場合、すなわち目の不自由な利用者がかご3内に乗りこんだ場合も含まれる。
【0070】
案内ブロック97上に人が存在している場合(ステップS41でYesの場合)には、さらにその判定対象の人は案内ブロック97上でかご3に向かっているかを判定する(ステップS42)。判定対象の人がかご3に向かっているか否かの判定では、前回の判定時に目の不自由な利用者とされた人が、案内ブロック97上で止まったか否か、あるいは案内ブロック97上でかご3とは逆方向に歩行してしまったか否かを検知することが含まれる。判定対象の人がかご3に向かっている場合(ステップS42でYesの場合)には、ステップS15へと進む。
【0071】
案内ブロック97上に人が存在していない場合(ステップS41でNoの場合)、または判定対象の人が案内ブロック97上でかご3に向かっていない場合(ステップS42でNoの場合)、またはステップS16で目の不自由な利用者の到着予想時間が残り戸開時間よりも短い場合(ステップS16でNoの場合)には、案内ブロック利用者運転判定部15は戸開延長しているかを判定する(ステップS43)。ここで、戸開延長は、ステップS18で行われた戸開延長処理を含む。
【0072】
戸開延長していない場合(ステップS43でNoの場合)には、ステップS20へと処理が移る。また、戸開延長している場合(ステップS43でYesの場合)には、案内ブロック利用者運転判定部15は、案内ブロック利用者運転処理の中止を決定する(ステップS44)。これによって、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転処理の中止の要求を運転制御部12に出力する。第3の実施形態では、案内ブロック利用者運転制御部16は、戸開延長の中止の指示と、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送中止の指示と、を含む要求を運転制御部12に出力する。
【0073】
その後、運転制御部12は、他の要因で戸開延長していないかを判断する(ステップS45)。たとえば、ホール側ドア操作盤93またはかご側ドア操作盤34で戸開ボタン932,342(開延長ボタン)が利用者によって押されていないかが判定される。他の要因で戸開延長していない場合(ステップS45でYesの場合)には、運転制御部12は、戸開延長の中止を指示する(ステップS46)。これによって、ドアモータ制御部33は、戸開状態を中止する。その後、またはステップS45で他の要因で戸開延長している場合(ステップS45でNoの場合)には、運転制御部12は、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を中止する指示を送信する(ステップS47)。これによって、ホール側スピーカ95は指示されたアナウンス情報の放送を中止する。その後、ステップS20へと処理が移る。
【0074】
第3の実施形態では、目の不自由な利用者と判定された人が、案内ブロック97を外れたり、案内ブロック97上で止まったり、あるいはかご3とは逆方向に行ったりした場合に、戸開延長を含む案内ブロック利用者運転処理を中止するようにした。これによって、目の不自由な利用者がエレベータを利用しない意思を示している場合に、かご3内の利用者の利便性を高めることができる。また、目の不自由な利用者と判定された人がかご3内に乗り込んだ場合にも、案内ブロック利用者運転処理が中止されるので、その後、速やかにかご3の運転が再開される状況を作ることができる。
【0075】
(第4の実施形態)
第2の実施形態では、画像データの解析からかごに乗り込もうとしている目の不自由な利用者を抽出し、戸開延長処理を含む案内ブロック利用者運転処理を実行していた。しかし、目の不自由な利用者がその後かごに向かわなかった場合にも、戸開延長が継続されてしまう。そこで、第4の実施形態では、目の不自由な利用者が戸開延長された後にかごに向かわなかった場合に、案内ブロック利用者運転処理を中止する場合について説明する。
【0076】
第4の実施形態によるエレベータの制御装置10は、第2の実施形態の構成に、第3の実施形態で説明した機能を付加したものである。すなわち、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転判定部15によって案内ブロック利用者運転処理の中止が決定されると、戸開延長およびかご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を含む案内ブロック利用者運転処理を中止する要求を運転制御部12に出力する機能をさらに有する。
【0077】
第4の実施形態によるエレベータの制御方法の手順は、第3の実施形態の図3とほぼほぼ同様とする。ただし、第3の実施形態においては、ステップS17で、案内ブロック利用者運転処理の実行が決定された後、案内ブロック利用者運転制御部16は、運転制御部に出力する要求として、戸開延長の指示と共に、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示していたのに対して、第4の実施形態の案内ブロック利用者運転制御部16は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示している点で異なる。これにより、ステップS19において、運転制御部12は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示する点も変更される。また、ステップS44で案内ブロック利用者運転処理の中止が決定された後、案内ブロック利用者運転制御部16は、運転制御部に出力する要求として、戸開延長中止の指示と共に、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送中止を指示していたのに対して、第4の実施形態の案内ブロック利用者運転制御部16は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送中止を指示している点で異なる。これにより、ステップS47において、運転制御部12は、かご側スピーカ37に戸開延長に関するアナウンス情報の放送の中止を指示する点も変更される。
【0078】
第4の実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
(第5の実施形態)
第1の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理が行われているときに、たとえばかご内の目の不自由な利用者が乗車しようとしていることに気付かない利用者によって、かご側操作盤またはホール側ドア操作盤の戸閉ボタンが押されてしまう可能性があった。第5の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理が行われているときに、かご側操作盤またはホール側ドア操作盤の戸閉ボタンが押されても案内ブロック利用者運転処理が解除されない場合について説明する。
【0080】
第5の実施形態によるエレベータの制御装置10は、第1の実施形態で説明したものとほぼ同様の構成を有する。ただし、案内ブロック利用者運転判定部15によって、案内ブロック利用者運転処理が決定された場合に、案内ブロック利用者運転制御部16は、案内ブロック利用者運転処理として、戸開延長処理に加えて、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931の無効化処理を行う点が第1の実施形態と異なる。
【0081】
第5の実施形態によるエレベータの制御方法の手順は、第1の実施形態の図2とほぼ同様とする。ただし、第1の実施形態においては、ステップS17において、案内ブロック利用者運転制御部16は、運転制御部12に出力する要求として、戸開延長の指示と共に、ホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送を指示していたのに対して、第5の実施形態の案内ブロック利用者運転制御部16は、戸閉ボタンを無効化している点で異なる。これにより、ステップS19において、運転制御部12は、戸閉ボタンを無効化する点も変更される。これによって、ドアモータ制御部33は、戸開状態を継続し、運転制御部12は、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93からの戸閉ボタン341,931による信号入力を受け付けない。
【0082】
なお、第5の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理にホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送の指示が含まれていないが、図2と同様にホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送の指示が含まれていてもよい。また、ここでは、第1の実施形態の場合を例に挙げたが、第2〜第4の実施形態に同様の機能を持たせてもよい。
【0083】
第5の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理中に、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタンを無効化した。これによって、目の不自由な利用者がかご3内に乗り込もうとしている場合に、目の不自由な利用者の存在を知らない利用者による戸閉操作を無効化することができる。その結果、目の不自由な利用者が安全にエレベータを利用することができる。
【0084】
(第6の実施形態)
第3の実施形態では、目の不自由な利用者が案内ブロックから外れた場合、案内ブロック上で止まった場合、案内ブロック上をかごから遠ざかる方向に歩行した場合、あるいはかご内に乗り込んだ場合に、案内ブロック利用者運転処理を中止する場合を説明した。戸開延長が中止された後も所定の戸開時間までまだ時間が残っている場合もある。このとき、第5の実施形態のように、戸閉ボタンが無効化されたままでは、かご内の利用者の利便性を損なってしまう。そこで、第6の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理が中止された場合に、戸閉ボタンの無効化を解除する場合を説明する。
【0085】
第6の実施形態によるエレベータの制御装置10は、第1および第5の実施形態で説明したものとほぼ同様の構成を有する。ただし、案内ブロック利用者運転判定部15によって、案内ブロック利用者運転処理の中止が決定された場合に、案内ブロック利用者運転制御部16は、戸開延長処理、およびかご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931の無効化処理を含む案内ブロック利用者運転処理の中止を行う点が第1および第5の実施形態と異なる。すなわち、案内ブロック利用者運転制御部16は、戸開延長処理の中止と、戸閉ボタン341,931の有効化と、を運転制御部12に指示する。
【0086】
図4は、第6の実施形態によるエレベータの制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。第3の実施形態の図4とほぼ同じであるが、ステップS17で案内ブロック利用者運転判定部15が、案内ブロック利用者運転処理の実行を決定すると、案内ブロック利用者運転制御部16は、戸開延長の指示と、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931の無効化処理の指示と、を含む要求を運転制御部12に出力する。そして、運転制御部12は、戸開延長の指示を行うとともに(ステップS18)、戸閉ボタン341,931を無効化する(ステップS61)。これによって、ドアモータ制御部33は、戸開状態を継続し、運転制御部12は、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93からの戸閉ボタン341,931による信号入力を受け付けない。
【0087】
また、ステップS44で案内ブロック利用者運転処理の中止が決定されると、ステップS71でかご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931を有効化する。
【0088】
なお、図4の案内ブロック利用者運転処理では、ホール側スピーカ95への戸開延長に関するアナウンス情報の放送の指示が含まれていないが、図2と同様にホール側スピーカ95に戸開延長に関するアナウンス情報の放送の指示が含まれていてもよい。また、ここでは、第3の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせた場合に戸閉ボタン341,931を有効化する例を挙げたが、第4の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせた場合に戸閉ボタン341,931を有効化する機能を持たせてもよい。
【0089】
第6の実施形態では、案内ブロック利用者運転処理で、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931が無効化された後に、案内ブロック利用者運転処理が中止されると、かご側ドア操作盤34およびホール側ドア操作盤93の戸閉ボタン341,931が有効化されるようにした。これによって、戸開延長が中止された後で所定の戸開時間までまだ時間が残っている場合で、かご3に乗車しようとしている利用者がいない場合に、既定の戸閉時間よりも早くに戸閉処理を行うことができる。その結果、かご3内の利用者の利便性を高めることができる。
【0090】
なお、上記した説明では、案内ブロック97上に存在し、かつかご3に向かって歩いている人を、エレベータの目の不自由な利用者であると判定した。しかし、実施形態がこれに限定されるものではない。たとえば白杖を所持する目の不自由な人は、視覚が非常に弱いあるいはまったくないと考えられ、案内ブロック97に沿って歩くことが困難であることが想定されるため、画像データから白杖を持っており、かつかご3に向かって歩いている人を、目の不自由な利用者であると判定してもよい。また、目の不自由な人は、周囲の状況を視覚で確認することができず歩行速度が著しく遅いことが想定されるため、ホール9前が空いていて、かつ所定の速度(たとえば2km/h)以下の速度で歩行している場合に、目の不自由な利用者であると判定してもよい。
【0091】
また、ホール9が野天に設けられ、案内ブロック97が視覚によって確認できない場合には、上記した案内ブロック利用者運転処理は実行されないようにしてもよい。このような場合として、たとえば案内ブロック97上に雪が積もった場合などを例示することができる。
【0092】
さらに、上記した説明では、目の不自由な利用者の検出にかご側カメラ36を用いているが、かご側カメラ36ではなく、ホール側カメラ94を用いてもよい。また、カメラの用途が目の不自由な利用者の検出である場合には、かご側カメラ36のみを設置し、ホール側カメラ94を設置しない構成とすることもできる。この場合には、カメラの設置コストを削減することができる。
【0093】
上記した制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、入出力ポートと、を備えるハードウェア構成となっている。上記したエレベータの制御方法は、プログラムとして予めROMに組み込んで提供されてもよい。このようなエレベータの制御装置10で実行されるプログラムは、上述した各部(運転制御部12、案内ブロック利用者運転判定部15、案内ブロック利用者運転制御部16)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、運転制御部12、案内ブロック利用者運転判定部15、案内ブロック利用者運転制御部16がRAM上に生成されるようになっている。なお、ROMに代えて、EEPROM、NAND型フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが設けられてもよい。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1…エレベータ制御システム、2…昇降路、3…かご、4…カウンタウェイト、5…メインロープ、6…シーブ、7…巻上機、8…異常検知センサ、9…ホール、10…制御装置、11…信号入出力部(入力部)、12…運転制御部、13…設計情報記憶部、14…案内ブロック利用者情報記憶部、15…案内ブロック利用者運転判定部(運転判定部)、16…案内ブロック利用者運転制御部、31…かご側ドア、32…ドアモータ、33…ドアモータ制御部、34…かご側ドア操作盤、35…行先呼登録装置、36…かご側カメラ、37…かご側スピーカ、60…伝送ライン、71…モータ、72…パルスジェネレータ、91…ホール側ドア、92…乗場呼登録装置、93…ホール側ドア操作盤、94…ホール側カメラ、95…ホール側スピーカ、97…案内ブロック、341,931…戸閉ボタン、342,932…戸開ボタン。
【要約】
【課題】従来技術では、ホールに設置された戸開ボタンを押せばかごに乗車できる状況下でも、目の不自由な利用者は戸開ボタンを押すことができず、かごに乗り込むことができない場合が生じていた。
【解決手段】実施形態によれば、入力部は、案内識別情報が床に設けられたホールを含む領域を撮像する撮像部から、画像データを入力する。運転判定部は、ホールの階に、エレベータのかごが停止しかつドアが戸開している場合に、画像データから、案内識別情報上に存在し、かつドアに向かって歩行している利用者が存在するかを判定する第1処理と、利用者が存在すると判定された場合に、画像データを用いて算出した利用者のドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいかを判定する第2処理と、を実行する。運転制御部は、利用者のドアへの到着予想時間が残り戸開時間よりも大きいと判定された場合に、ドアの戸開延長する制御を行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4