(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の手段では、吸収体の幅方向の中央部にも折曲げられた吸収体の左側部と右側部が重合するので、表面シートにおける吸収体の幅方向の中央部に対向する部位に形成された多くの凸部が、吸収体の左側部と右側部の押圧によって形状を維持することができない恐れがある。なお、特許文献2には、パッドの折曲げ手段については開示されていない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、液の拡散性の低下を防止する表面シートに突出する多数の凸部の形状を維持する前後方向に3つ折り状態にするパッドについて提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した手段は次記のとおりである。
第1手段は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートの間に設けられた吸収体を備えるパッドにおいて、
前記表面シートに突出する凸部を形成し、前記吸収体を前後方向の前側に位置する前側部と、前後方向の中央部に位置する括れ部と、前後方向の後側に位置する後側部で形成し、平面視において、前記前側部の左前側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前記前側部の右前側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、平面視において、前記後側部の左後側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前記後側部の右後側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、前記左前側部と左後側部を、前記左側括れ辺の左側に近接して設けられた前後方向に延在する第1左側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、前記右前側部と右後側部を、前記左側括れ辺の右側に近接して設けられた前後方向に延在する第1右側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、平面視において、前記吸収体を前後方向に3分割する位置の前側に幅方向に延在する第2折曲げ線と、後側に幅方向に延在する第3折曲げ線を設け、前記左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、前記第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、前記左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、前記第3折曲げ線を中心として内側に折曲げた後に、前記左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、前記第3折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、前記左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、前記第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、前記前側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ矩形状の第1左前側重合部と第1右前側重合部を設け、前記後側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ前側に頂部を有する三角形状の第2左後側重合部と第2右後側重合部を設け、前記第2左後側重合部と第2右後側重合部を、それぞれ第3折曲げ線よりも前側に延在させたことを特徴とする。
【0008】
第2手段は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートの間に設けられた吸収体を備えるパッドにおいて、
前記表面シートに突出する凸部を形成し、前記吸収体を前後方向の前側に位置する前側部と、前後方向の中央部に位置する括れ部と、前後方向の後側に位置する後側部で形成し、平面視において、前記前側部の左前側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前記前側部の右前側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、平面視において、前記後側部の左後側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前記後側部の右後側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、前記左前側部と左後側部を、前記左側括れ辺の左側に近接して設けられた前後方向に延在する第1左側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、前記右前側部と右後側部を、前記左側括れ辺の右側に近接して設けられた前後方向に延在する第1右側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、平面視において、前記吸収体を前後方向に3分割する位置の前側に幅方向に延在する第2折曲げ線と、後側に幅方向に延在する第3折曲げ線を設け、前記左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、前記第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、前記左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、前記第3折曲げ線を中心として内側に折曲げた後に、前記左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、前記第3折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、前記左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、前記第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、前記括れ部の両側部における第2折曲げ線と重なる部位に、それぞれ矩形状の第3左中側重合部と第3右中側重合部を設け、前記後側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ前側に頂部を有する三角形状の第2左後側重合部と第2右後側重合部を設け、前記第2左
後側重合部と第2右
後側重合部を、それぞれ第3折曲げ線よりも前側に延在させたことを特徴とする。
【0009】
第3手段は、第1又は2の手段の構成において、前記第1左側折曲げ線を左側括れ辺上に位置させ、前記第1右側折曲げ線を右側括れ辺上に位置させたことを特徴とする。
【0010】
【0011】
【発明の効果】
【0012】
第1手段によれば、表面シートに突出する凸部を形成し、吸収体を前後方向の前側に位置する前側部と、前後方向の中央部に位置する括れ部と、前後方向の後側に位置する後側部で形成し、平面視において、前側部の左前側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前側部の右前側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、平面視において、後側部の左後側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、後側部の右後側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、左前側部と左後側部を、左側括れ辺の左側に近接して設けられた前後方向に延在する第1左側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、右前側部と右後側部を、左側括れ辺の右側に近接して設けられた前後方向に延在する第1右側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、平面視において、吸収体を前後方向に3分割する位置の前側に幅方向に延在する第2折曲げ線と、後側に幅方向に延在する第3折曲げ線を設け、左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、第3折曲げ線を中心として内側に折曲げた後に、左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、第3折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、第2折曲げ線を中心として内側に折曲げたので、括れ部の内面と外側部の内面の間と、外側部の外面と前側部の内面の間に空間が形成されて、前側部と、括れ部と、外側部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部の形状を維持し液の拡散性の低下を防止することができる。
前側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ矩形状の第1左前側重合部と第1右前側重合部を設け、後側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ前側に頂部を有する三角形状の第2左後側重合部と第2右後側重合部を設け、第2左後側重合部と第2右後側重合部を、それぞれ第3折曲げ線よりも前側に延在させたので、括れ部の内面と前側部の内面の間により大きな空間が形成される。従って、前側部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部が括れ部によって押圧されず、また、括れ部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部が前側部によって押圧されず、前側部と、括れ部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部の形状をより維持して、液の拡散性の低下をより防止することができる。
【0013】
第2手段によれば、表面シートに突出する凸部を形成し、吸収体を前後方向の前側に位置する前側部と、前後方向の中央部に位置する括れ部と、前後方向の後側に位置する後側部で形成し、平面視において、前側部の左前側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、前側部の右前側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、平面視において、後側部の左後側部を括れ部の最狭幅部の左側括れ辺よりも左側に延在させ、後側部の右後側部を括れ部の最狭幅部の右側括れ辺よりも右側に延在させ、左前側部と左後側部を、左側括れ辺の左側に近接して設けられた前後方向に延在する第1左側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、右前側部と右後側部を、左側括れ辺の右側に近接して設けられた前後方向に延在する第1右側折曲げ線を中心として内側に折曲げ、平面視において、吸収体を前後方向に3分割する位置の前側に幅方向に延在する第2折曲げ線と、後側に幅方向に延在する第3折曲げ線を設け、左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、第2折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、第3折曲げ線を中心として内側に折曲げた後に、左後側部と右後側部を折曲げた状態の後側部を、第3折曲げ線を中心として内側に折曲げ、又は、左前側部と右前側部を折曲げた状態の前側部を、第2折曲げ線を中心として内側に折曲げたので、括れ部の内面と外側部の内面の間と、外側部の外面と前側部の内面の間に空間が形成されて、前側部と、括れ部と、外側部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部の形状を維持し液の拡散性の低下を防止することができる。
括れ部の両側部における第2折曲げ線と重なる部位に、それぞれ矩形状の第3左中側重合部と第3右中側重合部を設け、後側部の前部における第1左側折曲げ線と第1右側折曲げ線に重なる部位に、それぞれ前側に頂部を有する三角形状の第2左後側重合部と第2右後側重合部を設け、第2左
後側重合部と第2右
後側重合部を、それぞれ第3折曲げ線よりも前側に延在させたので、括れ部の内面と前側部の内面の間により大きな空間が形成される。従って、前側部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部が括れ部によって押圧されず、また、括れ部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部が前側部によって押圧されず、前側部と、括れ部に対向する表面シートの内側に向かって突出する凸部の形状をより維持して、液の拡散性の低下をより防止することができる。
【0014】
第3手段によれば、第1又は2記載の手段による効果に加えて、第1左側折曲げ線を左側括れ辺上に位置させ、第1右側折曲げ線を右側括れ辺上に位置させたので、前側部の左前側部と後側部の左後側部を第1左側折曲げ線に沿って内側に効率良く折曲げ、前側部の右前側部と後側部の右後側部を第1右側折曲げ線に沿って内側に効率良く折曲げることができる。
【0015】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜4に示すように、第1実施形態のパッドは、股間部Cと、股間部Cの前側に延在する前身頃Fと、股間部Cの後側に延在する後身頃Bから形成されている。各部の寸法は、適宜定めることができ、例えば、パッドの前後方向の長さLを350〜700mm、幅方向の幅Wを130〜400mm、前身頃Fの前後方向の長さを50〜350mm、股間部Cの前後方向の長さを10〜150mm、後身頃Bの前後方向の長さを50〜350mm、股間部Cの最小幅を200〜260cmに形成することができる。
【0019】
パッドは、液不透過性の裏面シートト21と、透液性の表面シート22と、裏面シート21と表面シート22の間に配置された吸収体23と、表面シート22の幅方向の両側部に設けられた立体ギャザー24で形成されている。
【0020】
吸収体23の外側には、裏面シート21が吸収体23の外周縁から若干はみ出すように設けられている。裏面シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
【0021】
裏面シート21の外側には、不織布からなる外装シート27が裏面シート21の外周縁から若干はみ出すように設けられている。外装シート27としては、各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0022】
吸収体23の内側には、表面シート22が設けられている。第1実施形態においては、表面シート22の幅方向の幅は、吸収体23の幅方向の幅よりも狭く形成されているが、表面シート22の幅方向の幅を吸収体23の幅方向の幅よりも広く形成することもできる。表面シート22としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0023】
表面シート22と吸収体23の間には、中間シート25が設けられている。中間シート25としては、保水性が低く、かつ透液性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いることができる。
【0024】
表面シート22の幅方向の両側部には、立体ギャザー24が設けられ、立体ギャザー24は、外装シート27の幅方向の側部に固定された固定部と、固定部から吸収体23等の幅方向の側部を超えて表面シート22の内面の側部まで延在する本体部から形成されている。また、本体部の前後方向の前後端部は、表面シート22に固定され、本体部の前後方向の中央部は、表面シート22に固定されず内側に向かって起立する。なお、
図1に立体ギャザー24の固定部を斜線で示している。
【0025】
立体ギャザー24は、2重のギャザーシート24Aと前後方向に延在する細長状の弾性部材24Bから形成されている。ギャザーシート24Aの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理を用いることができる。また、弾性部材24Bとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。なお、
図4に示すように、弾性部材24Bは、その伸縮力によって立体ギャザー24を内側に向かって起立させる。
【0026】
パッドの前後方向の前後端部では、表面シート22と外装シート27が固定されてエンドフラップ部EFを形成し、パッドの幅方向の両側端部では、ギャザーシート24Aと外装シート27が固定されてサイドフラップ部SFを形成している。なお、エンドフラップ部EFとサイドフラップ部SFには、吸収体23は延在していない。
【0027】
吸収体23は、装着者の身体面側である内側に位置する内側吸収体23Aと、外側に位置する外側吸収体23Bから形成されている。また、内側吸収体23Aと外側吸収体23Bは、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマー粒子を混合、固着等してなるものを用いることができる。また、内側吸収体23Aと外側吸収体23Bは、高吸収性ポリマー粒子の脱落等を防止するために、クレープ紙等の包装シート26により包むのが好ましい。
【0028】
外側吸収体23Bは、パッドの前身頃Fに位置する前側部30と、パッドの股間部Cに位置する括れ部31と、パッドの後身頃Bに位置する後側部32で形成されている。括れ部31は、外側吸収体23Bの前側部30と後側部32に位置する幅方向の両側部を略台形形状に切欠いて形成されている。
【0029】
括れ部31の最小幅は、前側部30と後側部32の幅W1の50〜65%に形成されている。また、外側吸収体23Bの前端を0%とし外側吸収体23Bの後端を100%としたとき、括れ部31の前端を10〜25%に配置し、括れ部31の後端を40〜65%に配置し、括れ部31の最小幅となる部位を25〜30%に配置されている。
【0030】
内側吸収体23Aは、幅方向の所定の間隔を有して前後方向に延在する略長方形状に形成されている。内側吸収体23Aの前後方向の長さは、外側吸収体23Bの前後方向の長さL1の60〜90%に形成され、内側吸収体23Aの幅方向の幅は、外側吸収体23Bの幅方向の幅W1の60〜90%に形成されている。また、内側吸収体23Aの外側吸収体23Bの括れ部31に対向する部位には、幅方向に所定の間隔を隔てて、幅方向に所定の間隔を有して前後方向に長辺を有する略長方形状の一対のスリット40が形成されている。
【0031】
図5に示すように、表面シート22における内側吸収体23Aのスリット40に対向する部位には、内側に突出する多数の凸部41が前後方向と幅方向に所定の間隔を隔てて千鳥状に形成されている。
【0032】
これにより、
図6に示すように、表面シート21上の排尿位置Zに排尿された尿は、前後方向又は幅方向に流れるよりも表面シート21に突出する凸部41と隣接する凸部41の間を斜め方向に流れて、排尿位置Zに排尿された多くの尿は、排尿位置Zの両側部に形成されたスリット40に流れ込むので、吸収可能量の低下を抑えつつ、股間部Cのフィット性に優れ、かつ逆戻り防止性にも優れたものとなる。
【0033】
凸部41は、エンボス加工を用いて表面シート22を外側から内側に押出すことによって形成することができる。また、凸部41の形状は、円形状、楕円形状、多角形状に形成することができる。
【0034】
次に、表面シート22に突出する凸部41のつぶれを防止するパッドの折曲げ方法について説明する。なお、以下では、理解を容易にするためにパッドの立体ギャザー24、表面シート22、内側吸収体23A、裏面シート21等を除去した外側吸収体23Bの折曲げ方法について説明する。
【0035】
図7,8に示すように、外側吸収体23Bの括れ部31における最小幅の左側端部を形成する左側括れ辺31A上に位置する仮想の前後方向に延在する第1左側折曲げ線33Aを中心として、第1左側折曲げ線33Aよりも左側に位置する前側部30の左前側部30Aと後側部32の左後側部32Aを内側に向かって折曲げる。同様に、外側吸収体23Bの括れ部31における最小幅の右側端部を形成する右側括れ辺31B上に位置する仮想の前後方向に延在する第1右側折曲げ線33Bを中心として、第1右側折曲げ線33Bよりも右側に位置する前側部30の右前側部30Bと後側部32の右後側部32Bを内側に向かって折曲げる。なお、第1左側折曲げ線33Aと第1右側折曲げ線33Bを総称して第1折曲げ線33と言う。また、第1左側折曲げ線33Aは、括れ部31の左側括れ辺31Aから左前側部30Aの幅方向の左側括れ辺31Aに偏倚した位置に設定し、第1右側折曲げ線33Bは、括れ部31の右側括れ辺31Bから右前側部30Bの幅方向の右側括れ辺31Bに偏倚した位置に設定することができる。
【0036】
次に、
図8,9に示すように、外側吸収体23Bを前後方向に略3分割する幅方向に延在する第2,3折曲げ線34,35における前側に位置する第2折曲げ線34を中心として、左前側部30Aと右前側部30Bが折曲げられた状態の前側部30を内側に向かって折曲げる。
【0037】
これにより、左後側部32Aにおける第3折曲げ線35よりも前側に延在する第1左後側部36Aの外面に左前側部30Aの外面が重なり、右後側部32Bにおける第3折曲げ線35よりも前側に延在する第1右後側部36Bの外面に右前側部30Bの外面が重なり、
図11,12に示すように、幅方向の中央部の括れ部31の内面と前側部30の内面の間に大きな空間S1が形成される。従って、前側部30の幅方向の中央部に位置する表面シート22の突出した凸部41が括れ部31の内面によって押圧されず、また、シート22の幅方向の中央部に位置する表面シート22の突出した凸部41が前側部30の内面によって押圧されないので凸部41の形状を維持することができる。また、
図13に示すように、括れ部31の前側に偏倚した部位に空間S1を形成しているので、排尿位置Zの近傍の凸部41を維持することができので、吸収可能量の低下を抑え、股間部Cのフィット性に優れ、かつ逆戻り防止性に優れるパッドを維持することができる。
【0038】
次に、
図9,10に示すように、第3折曲げ線35を中心として、左後側部32Aと右後側部32Bが折曲げられた状態の後側部32を内側に向かって折曲げる。
【0039】
これにより、前側部30の外面に左後側部32Aにおける第3折曲げ線35よりも後側に延在する第2左後側部37Aの外面が重なり、前側部30の外面に右後側部32Bにおける第3折曲げ線35よりも後側に延在する第2右後側部37Bの外面の外面が重なり、
図11,12に示すように、幅方向の中央部の括れ部31の外面と後側部32の内面の間に空間S2が形成される。従って、後側部32の幅方向の中央部に位置する表面シート22の突出した凸部41が括れ部31の外面による押圧を抑制して、凸部41の形状を維持することができる。なお、空間S2の内外方向の高さは、空間S1の内外方向の高さの略半分であり凸部41の形状が維持される割合は少ない。
【0040】
第1実施形態においては、第3折曲げ線を中心として左後側部32Aと右後側部32Bを内側に折曲げられた後に、第2折曲げ線を中心として左前側部30Aと右前側部30Bを内側に折曲げることもできる。
【0041】
これにより、
図14に示すように、括れ部31の内面と外側部32の内面に空間S3が形成され、外側部32の外面と前側部30の内面の間に空間S4が形成される。従って、括れ部31と外側部32の内面の凸部41と、前側部30の内面の凸部41の形状を維持することができる。なお、空間S3,4の内外方向の高さは、空間S1の内外方向の高さの略半分であり凸部41の形状が維持される割合は少ない。
【0042】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のパッドについて説明する。なお、第1実施形態のバッドと同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、外側吸収体23Bの前後方向端部における第1左側折曲げ線33Aと第2右側折曲げ線33Bに対向する部位にそれぞれ幅方向に所定の間隔を有して前後方向に延在する矩形状の第1左前側重合部50Aと第1右前側重合部50B部を設けている。また、第1左前側重合部50Aと第1右前側重合部50B部は、外側吸収体23Bを形成するパルプ繊維の積繊体等の目付を高くして形成することができる。
【0043】
外側吸収体23Bの幅方向の両側部における第3折曲げ線35に対向する部位にそれぞれ略三角形上の第2左後側重合部51Aと第2右後側重合部51Bを設けている。また、第2左後側重合部51Aの前側部は、第3折曲げ線35の前側に延在し、第2左後側重合部51Aの後側部は、第3折曲げ線35の後側に延在している。同様に、第2右後側重合部51Bの前側部は、第3折曲げ線35の前側に延在し、第2右後側重合部51Bの後側部は、第3折曲げ線35の後側に延在している。また、第2左後側重合部51Aと第2右後側重合部51Aは、外側吸収体23Bを形成するパルプ繊維の積繊体等の目付を高くして形成することができる。
【0044】
これにより、第1折曲げ線33を中心として外側吸収体23Bを内側に向かって折り曲げ、第2折曲げ線34を中心として外側吸収体23Bの前側部30を内側に向かって折り曲げ、第3折曲げ線35を中心として外側吸収体23Bの後側部32を内側に向かって折り曲げた場合に形成される空間S1の内外高さをより高く形成して、前側部30の中央部に位置する表面シート22の凸部41と、括れ部31の中央部に位置する表面シート22の凸部41の形状をより維持することができる。
【0045】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態のパッドについて説明する。なお、第1実施形態のバッドと同一部品には同一符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、外側吸収体23Bの幅方向の両側部における第2折曲げ線34に対向する部位にそれぞれ幅方向に所定の間隔を有して前後方向に延在する矩形状の第3左中側重合部52Aと第3右中側重合部52Bを設けている。また、第3左中側重合部52Aの前側部は、第2折曲げ線34の前側に延在し、第3左中側重合部52Aの後側部は、第2折曲げ線34の後側に延在している。同様に、第3右中側重合部52Bの前側部は、第2折曲げ線34の前側に延在し、第3右中側重合部52Bの後側部は、第2折曲げ線34の後側に延在している。また、第3左中側重合部52Aと第3右中側重合部52Bは、外側吸収体23Bを形成するパルプ繊維の積繊体等の目付を高くして形成することができる。
【0046】
外側吸収体23Bの幅方向の両側部における第3折曲げ線35に対向する部位にそれぞれ略三角形上の第2左後側重合部51Aと第2右後側重合部51Bを設けている。また、第2左後側重合部51Aの前側部は、第3折曲げ線35の前側に延在し、第2左後側重合部51Aの後側部は、第3折曲げ線35の後側に延在している。同様に、第2右後側重合部51Bの前側部は、第3折曲げ線35の前側に延在し、第2右後側重合部51Bの後側部は、第3折曲げ線35の後側に延在している。また、第2左後側重合部51Aと第2右後側重合部51Aは、外側吸収体23Bを形成するパルプ繊維の積繊体等の目付を高くして形成することができる。
【0047】
これにより、第1折曲げ線33を中心として外側吸収体23Bを内側に向かって折り曲げ、第2折曲げ線34を中心として外側吸収体23Bの前側部30を内側に向かって折り曲げ、第3折曲げ線35を中心として外側吸収体23Bの後側部32を内側に向かって折り曲げた場合に形成される空間S1の内外高さをより高く形成して、前側部30の中央部に位置する表面シート22の凸部41と、括れ部31の中央部に位置する表面シート22の凸部41の形状をより維持することができる。