【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の態様によれば、本発明は、皮膚、好ましくは顔の皮膚をメイクアップするための方法であって、皮膚に塗布されたファンデーション組成物の堆積物の上に、補正用組成物の複数の島状部(islet)の不連続堆積物、および/または不均質な外観を与える複数の可視物質を含んだ補正用組成物の堆積物を形成するステップを含む方法に関し、
前記補正用組成物は、皮膚の起伏および/または色の不均一の外観を再現するパターンを生成するためにメイクアップの外観を局所的に変更する複数の光学的性質を有する。
【0023】
本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明は、皮膚をメイクアップするための方法であって、
a)ファンデーション組成物を皮膚に塗布するステップと、
b)皮膚の起伏および/または色の不均一の外観を再現するパターンを作製するために、ステップa)で塗布されたファンデーションを局所的に除去および/または移動するステップと
を含む方法に関する。
【0024】
本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明は、周囲表面内に不均一に配置された複数の島状部を含む周辺表面を有する化粧用のデバイスであって、前記複数の島状部は各々、少なくとも0.8mmの最大寸法を有し、外観が周辺表面上の複数の島状部の配置構成に関連しているパターンの皮膚上での生成をもたらすために、周囲表面の形状および/または性質と異なる、皮膚上に存在する製品を取る(take up)ための、および/または解放するための、または皮膚に塗布するための形状および/または性質を有する、化粧デバイスに関する。
【0025】
本発明は、有利には、ファンデーションが存在しているにもかかわらず、メイクアップされた表面の上で、皮膚の自然な外観または理想的な外観、を再現することを可能にする。
【0026】
デバイスは、有利には、自然な皮膚の外観または理想的な皮膚の外観を皮膚の上で再現することを可能にする。
【0027】
したがって、被覆性が比較的高くなり得るファンデーションを使用するメイクアップは、有利には、メイクアップされた表面上でデバイスを使用した後でも、あまり人工的に見えない。
【0028】
本発明は、有利には、転写(transfer)の比較的小さい、比較的セットされたメイクアップを行うことを可能にする。
【0029】
本発明の1つの好ましいモードによれば、ファンデーション組成物は、揮発性溶剤および/または高濃度の固体の使用を介して、および/または薄膜を形成する化合物の使用を介して、皮膚上でたとえば20分未満ですばやく乾燥する。
【0030】
例を挙げると、ファンデーション組成物および/または補正用組成物は、有利には、溶剤相の50%よりも多い、または80重量%よりもさらに多い、または90重量%よりもさらに多くを示す、揮発性化合物(炭化水素系溶剤、炭化水素系油、またはシリコーンオイル)を含む。揮発性溶剤がこのように高い割合を占めることによって、顔での前記組成物のすばやい乾燥および転写の低下を得ることが可能になり得る。とはいえ、乾燥時間が長くなると、補正用組成物を塗布することによって、または、以下で詳細に説明するように、乾燥の前にファンデーション組成物を取る、かつ/または移動することによって、ファンデーション組成物を機能させることが可能であるように、ファンデーション組成物に求められることがある。
【0031】
ファンデーション組成物の低い転写性は、たとえば、ステップb)の後に、メイクアップの固定を改善する中間化合物の塗布によって促進することができ、前記化合物は、特に固定ラッカーである。
【0032】
ファンデーション組成物および/または保護組成物はまた、有利には、皮膚の上での前記組成物の耐久力を改善するために、したがって、より良い転写抵抗を付与するために、少なくとも1つの薄膜形成化合物(たとえば、シリコーン樹脂、ポリアクリレート、ラテックス、アクリレートデンドリマーシリコーン、または反応性シリコーン)を含むことができる。
【0033】
作製されるパターンは、好ましくは、使用者の自然な皮膚のきめまたはあらかじめ定義された皮膚のきめの外観を再現する。「皮膚のきめ」という表現は、皮膚の起伏の凸凹によってもたらされる、裸眼で見える外観を意味すると理解されたい。作製されるパターンは、使用者の自然なそばかす、またはあらかじめ定義されたそばかすの外観を再現することがある。
【0034】
一変形形態では、作製されるパターンは黒子のパターンと異なる。一変形形態では、作製されるパターンは光干渉現象によって作製されない。
【0035】
本発明によるデバイスは、所望のメイクアップ効果を比較的簡単にもたらすことを可能にする。
【0036】
「化粧デバイス」という用語は、このデバイスは、ヒト角質材料と接触させて使用することに適合していることを意味する。
【0037】
デバイスは、前記ファンデーション堆積物上で所望のパターンを作製するために皮膚上に存在するファンデーション組成物の堆積物と接触することを意図することが可能である。
【0038】
「ファンデーション組成物」という表現は、被覆性の高いメイクアップ生成物を意味すると理解されたい。
【0039】
被覆機能は、典型的には、数百ナノメートルから数十μmの大きさである、凝集した粒子によって与えられても、または凝集していない粒子によって与えられてもよい。したがって、被覆性の高いメイクアップ製品は、概して、賦形剤または粉状色素(たとえば、顔料、真珠層、干渉粒子、およびこれらの混合物)などの、無機粒子状材料または有機粒子状材料を少なくとも含むことができる。
【0040】
これらの粒子は、最初はファンデーション組成物内に含まれても、または変換によって、たとえば溶剤の蒸発に続く結晶化によって(塩の場合)、温度の変化によって(ワックスまたは半結晶性ポリマーの場合)、または化成処理によって(たとえば炭酸塩と二価イオンとの間の反応)即時に得られてもよい。たとえば、溶剤を蒸発させるまたは皮膚によって吸収させると結晶化が生じる溶解限界で塩のように結晶化する製品の使用が行われ得る。蒸発時に白くなる結晶性ポリマーを使用することも可能である。
【0041】
より具体的には、本発明との関係において使用されるファンデーション組成物は、好ましくは、顔料、特に好ましくは酸化鉄を含む。
【0042】
「不均質な外観を与える複数の可視物質」という表現は、可視物質が、光学特性、たとえば色、光沢、または屈折率によって、拡大鏡などの拡大デバイスを用いずに裸眼に見える不均質な外観を付与することを意味すると理解されたい。
【0043】
物質は、好ましくは繊維、特に好ましくは色のついた繊維である。
【0044】
物質は、互いに分離された物体であって、前記分離された物体が目に見える、物体のアセンブリの形態であっても、または物体の凝集物であって、目に見える凝集物を含んでもよい。
【0045】
物質は、所望の外観をもたらすために、たとえば濃度および/または色の関数として、補正用組成物の堆積物の局所的外観を慎重に変更する。
【0046】
ファンデーション組成物の堆積物上で形成された、可視物質を含んだ補正用組成物の堆積物は、連続しても(すなわち、一体的な堆積物の形態をしている)、または不連続であってもよい。
【0047】
補正用組成物は、好ましくは色がついており、特に好ましくは、赤色の染料を含む。
【0048】
好ましくは、本発明による方法は、
a)ファンデーション組成物を皮膚に塗布するステップと、
b)島状部の不連続堆積物および/または不均質な外観を与える複数の可視物質を含んだ補正用組成物の堆積物を形成するために、ファンデーション組成物に補正用組成物を塗布するステップと
を含む。
【0049】
したがって、補正用組成物は、好ましくは、皮膚の上にすでに存在するファンデーション組成物の堆積物の上に塗布される。
【0050】
一変形形態として、ファンデーション組成物および補正用組成物は、所望のメイクアップを形成するために皮膚に同時に塗布される。
【0051】
さらなる一変形形態として、補正用組成物を皮膚に最初に塗布し、次いで、事前に生成された補正用組成物の堆積物を完全にまたは部分的に覆うように第2の段階で、ファンデーションを皮膚に塗布する。この場合、補正用組成物は、所望のメイクアップを形成するように、ファンデーション被膜を通して拡散するようにされ得る。補正用組成物の塗布は、たとえば、ステップb)中に、メイクアップされるべき表面、特にファンデーション堆積物と接触する塗布表面を備える塗布具によって実行することができ、
i)塗布具は、補正用組成物を解放する性質を有する網状の区域を備えることができ、得られる島状部の不連続堆積物は、塗布表面上での区域の配置構成に関連しており、この区域は、特に異なる物理化学的性質をもつ網状の起伏および/もしくは穴および/もしくは領域からなる塗布具の塗布表面上に存在し、かつ/または
ii)塗布具は、補正用組成物の島状部の不連続堆積物を得るように、メイクアップされるべき表面、特にファンデーションと空間的に不均一に接触することができる。
【0052】
補正用組成物はまた、島状部の不連続堆積物を得るように、メイクアップされるべき表面の上に、特にファンデーション堆積物の上に噴霧することができる。この場合、方法は、たとえばステップb)の前に、メイクアップされるべき表面、特にファンデーション組成物の堆積物に刷込み型(stencil)を形成する穴をもつ遮蔽物を当てるように配置するステップを含むことができ、塗布具、特に噴霧器は、特にステップb)中に、前記遮蔽物を通して補正用組成物を噴霧することができ、得られる不連続堆積物は、前記遮蔽物内の穴の配置構成に関連している。
【0053】
一実装形態では、本発明は、
- 皮膚の起伏および/または色の不均一の外観を再現するあらかじめ定義されたパターンを得ることを可能にする塗布具および/または穴をもつ遮蔽物を選ぶステップであって、一組の塗布具および/または穴をもつ遮蔽物の中から行われた選定をユーザに提案する、ステップと、
- ファンデーション組成物上で、選択された塗布具および/または穴をもつ遮蔽物を使用して、上記で定義された方法を使用することによって前記パターンを得るステップと
を含む方法に関する。
【0054】
ユーザに提案される一組の塗布具および/または穴をもつ遮蔽物は、最初は、同じメイクアップアセンブリ内に、たとえばその異なる区画に、存在してもよい。
【0055】
一実装形態では、本発明は、
- 得られるべき皮膚の起伏および/または色の不均一の外観を再現するパターンを選択するステップであって、一組のあらかじめ定義されたパターンから行われるパターンの選定はユーザに提案される、ステップと、
- 前のステップで行われた選定に応じて、得られるべき前記パターンの生成をファンデーション組成物上で可能にする塗布具および/または穴をもつ遮蔽物を製造するステップと、
- ファンデーション組成物上で、選択された塗布具および/または穴をもつ遮蔽物を使用して、上記で定義された方法を使用することによって得られるべきパターンを得るステップと
を含む方法に関する。
【0056】
一連のあらかじめ定義されたパターンは、たとえば、ソフトウェアによってユーザに提案されてもよい。ユニットは、この場合、ディスプレイデバイスに表示されてもよい。
【0057】
塗布具の塗布表面は、その鋳型の3D印刷、それに続く鋳造ステップによって製造することができる。
【0058】
塗布具の塗布表面は、シート材料のレーザ切断によって製造することができる。
【0059】
本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明はまた、上記の方法を実行するためのアセンブリであって、
a)ファンデーション組成物と、
b)補正用組成物と、
c)メイクアップされるべき表面上への、特にファンデーション組成物の堆積物上への、補正用組成物の塗布のための塗布具と、
d)任意選択の、穴をもつ遮蔽物と
を備えるアセンブリに関する。塗布具は、メイクアップされた表面上への、特にファンデーション組成物上への塗布中に、皮膚の色および/または起伏の不均一の外観を再現するパターンを形成するように構成された補正用組成物を解放する性質を有する網状の区域を含む塗布表面を備えることができる。一変形形態として、または上記に加えて、塗布具は、島状部の不連続堆積物を形成するように補正用組成物を噴霧することができる。遮蔽物内の穴の配置構成は、有利には、得られるべき皮膚の色および/または起伏の不均一の外観を再現するパターンに関連している。
【0060】
本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明は、上記の方法を実行するためのアセンブリであって、
a)ファンデーション組成物と、
b)不均質な外観を与える複数の可視物質を含んだ補正用組成物であって、前記複数の可視物質が好ましくは色のついた繊維である、補正用組成物と
を備えるアセンブリに関する。
【0061】
一実装形態では、ファンデーションの除去および/または移動は、ファンデーション組成物の堆積物と接触する表面を備えるデバイスによって実行され、
a)このデバイスは、ファンデーションを除去および/または移動させるための区域のアセンブリを備え、得られるパターン、特に不連続網が、表面上での前記区域の配置構成に関連しており、デバイスの表面上に存在するこれらの区域は、特に異なるファンデーション組成物を保持する性質を有する1組の要素および/もしくはファンデーションを出す穴および/もしくはファンデーションを局所的に移動させるための起伏からなる、ならびに/または
b)このデバイスは、パターン、特に島状部の不連続網を得るように、ファンデーションと空間的に不均一に接触するように配置される。
【0062】
一実装形態では、ファンデーションは、パターン、特に島状部の不連続網を得るように材料を噴霧することによって除去される。方法は、材料の噴霧の前に、穴をもつ遮蔽物をファンデーション組成物の堆積物に当たるように配置するステップを含み、噴霧デバイスは、前記遮蔽物を通して材料を噴霧する。得られるパターン、特に島状部の不連続網は、前記遮蔽物内の穴の配置構成に関連している。
【0063】
本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明は、特に上記で定義された方法を実行するためのアセンブリに関し、アセンブリは、
a)ファンデーション組成物と、
b)皮膚上に堆積されたファンデーションを局所的に除去および/または移動するためのデバイスと、
c)任意選択の、穴をもつ遮蔽物と、
d)任意選択の、材料を噴霧するためのシステムと
を備え、
デバイスは、皮膚の色および/または起伏の不均一の外観を再現するパターンを形成するようにファンデーションを除去および/または移動するための網状の区域を含む表面、ならびに/または局所的にファンデーションを移動させるように、およびパターンを形成するように、材料をファンデーション上に噴霧するための噴霧システムを備え、かつ/または遮蔽物内の穴の配置構成は、得られるべき皮膚の色および/または起伏の不均一の外観を再現するパターンに関連している。
【0064】
本発明の主題は、上記で定義されたデバイスと、皮膚に塗布されるべき製品をデバイスに充填するための一塊の製品とを備えるメイクアップキットでもある。
【0065】
このアセンブリは、デバイスと、表面上に島状部を作製するためのマスター表面、特に製品を充填したいくつかの区域および製品を充填していない他の区域を有するマスター表面とを備える。
【0066】
本発明の主題は、
- 周辺表面内の島状部の配置が異なる、上記で定義された複数のデバイスと、
- 前記デバイスのうち少なくとも1つに、皮膚に塗布されるべき製品を充填するための一塊の製品と
を備えるメイクアップキットでもある。
【0067】
したがって、本発明は、有利には、ユーザが、そのようなキット内の特定のデバイスを選択することによって自分の皮膚の上で作製したいと望むパターンを選ぶことを可能にすることができる。
【0068】
本発明の主題は、皮膚をメイクアップするための方法であって、皮膚の上に存在する製品を移動する、かつ/もしくは取るステップ、および/または分布が周辺表面上での島状部の分布に対応する可視区域を作製するために上記で定義したデバイスを使用して製品を皮膚に塗布するステップを含む方法でもある。
【0069】
本発明によるデバイスの使用は、好ましくは、所望のパターンを作製するように、可視区域の不連続網を形成することを可能にすることができる。
【0070】
可視区域は、好ましくは赤色の染料を含む製品を皮膚に転写することによって作製することができる。
【0071】
可視区域はまた、皮膚の上の製品を取ることによって作製することができ、皮膚は、あらかじめ、製品、好ましくはファンデーションの塗布を受け入れている。
【0072】
方法は、皮膚へのファンデーションの予備的な塗布を含むことができる。次いで、ファンデーションの被膜を堆積させた後で、皮膚の粒状体および/またはそばかすの外観をメイクアップされた表面上で再現するために、デバイスを使用することができる。
【0073】
デバイスを使用した処置は、好ましくは任意選択でメイクアップされた皮膚の上で周辺表面を摺動させることなく、特に好ましくはこの任意選択でメイクアップされた皮膚の上で周辺表面を転がすことによって、実行される。
【0074】
デバイスは、好ましくは、皮膚の上に存在するファンデーション堆積物と接触し、局所的にファンデーションを取るため、およびパターン、特に可視区域の所望の不連続網を得るために、この堆積物に対して移動させられる。
【0075】
この場合、周辺表面は、特に好ましくは、皮膚の上に存在するファンデーションを取るための性質をもつ島状部を含み、これらの性質は、周囲表面の性質と異なる。
【0076】
好ましい一変形形態では、デバイスは、皮膚の上に存在するファンデーション堆積物と接触するように配置され、前記ファンデーションを局所的に移動させるように、この堆積物に対して移動させられる。
【0077】
この場合、デバイスの島状部は起伏しており、パターン、特に可視区域の所望の不連続網を得る目的で、島状部とファンデーションとの接触によって、このファンデーションを移動させることを局所的に可能にするために、周囲表面に対して突き出ている。
【0078】
これらの起伏は、たとえば1mmから5mmの間の高さと、0.3mmから5mmの間の、先端で測定される直径とを有する。
【0079】
好ましい一変形形態では、デバイスは、皮膚の上に存在するファンデーション堆積物と接触するように配置され、可視区域の不連続堆積物を形成するように、および/または不均質な外観を与える可視物質を含んだ生成物製品をファンデーションに塗布するように、製品をファンデーションに塗布するために、この堆積物に対して移動させられ、
前記製品は、皮膚の起伏および/または色の不均一の外観を再現するパターンを生成するようにメイクアップの外観を局所的に変更する光学的性質を有する。
【0080】
被覆性の測定
液体組成物(25℃)の場合
「液体組成物」という用語は、粘度が測定可能な組成物を意味する。液体組成物は、自重の影響下で流れることができる。
【0081】
液体組成物の被覆性は、液体組成物に対する50μmの仕上げ厚さで測定される。
【0082】
組成物は、つや消しの黒色のコントラストカードおよびつや消しの白色のコントラストカード、たとえばつや消しの黒色に関してはLeneta Form WP1ブランドのカード、およびつや消しの白色に関してはLeneta 1Aブランドのカードの上に拡散される。
【0083】
塗布は、自動スプレッダを用いて実行可能である。
【0084】
測定は、このようにして拡散された組成物上で行われる。
【0085】
固体組成物(25℃)
固体組成物とは、粘度が測定できない組成物である。
【0086】
固体組成物は、スティック形態または粉状組成物として成型された組成物であっても、ルース(loose)粉末または圧縮された粉末の形態として成型された組成物であってもよい。
【0087】
a)粉末状固体組成物、ルース固体組成物、または圧縮された固体組成物については、組成物は、上記と同じコントラストカードを使用して塗布され、若干粗い透明な接着テープ、たとえば3M社の、参照番号15025のBlenderm(登録商標)ブランドの接着テープで覆われ、この接着テープは接着面を介してコントラストカードに結合される。
【0088】
組成物は、0.5mg/cm
2±0.02mg/cm
2の均一な堆積を得るように、接着テープ上に堆積される。
【0089】
堆積を実行するため、組成物で満たされ、あらかじめ定義された運動をスポンジに加える腐食機上に取り付けられたスポンジが使用されてもよい。たとえば、スポンジは、ピンク色側で使用される、Lancome-Photogenicタイプの単回使用スポンジである。
【0090】
b)スティック形態の組成物は、たとえば90℃で融解し、次いで、たとえば上記と同じ参照番号のつや消しの黒色コントラストカードおよびつや消しの白色のコントラストカード上に形成された液体形態中に拡散されるが、Blenderm(登録商標)で覆われない。拡散棒は、熱ショックを回避するように、組成物と同じ温度で維持される。
【0091】
したがって、スティック形態の組成物は、融解すると50μmの厚さで堆積される。
【0092】
測定および計算
反射スペクトルは、ミノルタ3700-d分光測色計(拡散測定形状(diffuse measuring geometry)/8°および観測(observation)D65/10°、鏡面成分排除(excluded specular component)モード、小アパーチャ(Creiss))を使用して黒色背景と白色背景の上で取得し、コントラストカードは、任意選択で、上述のBlenderm(登録商標)で覆われる。
【0093】
スペクトルは、勧告15:2004に従って、国際照明委員会のCIELab7空間の測色座標として表される。
【0094】
コントラスト比、または被覆性は、黒色背景上でのYの算術平均を取得し、白色背景上でのYの平均値で除算して、100を乗算することによって計算される。
【0095】
1つの特定のモードによれば、本発明との関係において使用されるファンデーション組成物は、30以上の、特に50以上の、さらに優先的には60から95の範囲に及ぶ被覆率値を有する。
【0096】
補正用組成物
上述のように、補正用組成物は、島状部の不連続な堆積を得ることを可能にすることができる。一変形形態として、補正用組成物は、目に見える物質が存在することにより、不均質な外観を有する。
【0097】
粒子状補正用組成物
補正用組成物は、粒子状、特に繊維状の組成物であってもよい。
【0098】
粒子状補正用組成物は、色素、たとえば色のついた粉末および/または染料および/または色のついた繊維を含むことができる。
【0099】
一変形形態として、粒子状補正用組成物は、色のついていない材料、たとえば粉末および/またはワックスおよび/またはポリマーおよび/または塩を含むことができる。
【0100】
この場合、粒子状補正用組成物は、起伏および/または美白(whiteness)および/または光沢効果をもたらすことができる。
【0101】
たとえば、たとえば補正用組成物をブラシで塗布することによって、補正用組成物をいくつかの異なる箇所に堆積させることが可能である。ブラシは、その先端に粒子を載せることができるので、補正用組成物は、ファンデーション組成物が堆積されている表面にブラシの端を軽く通過させることによって、塗布可能である。
【0102】
この場合、ユーザは、補正用組成物をファンデーション組成物の堆積物の上に空間的に不均質に塗布することができる。
【0103】
以下で詳細に説明するように、他の種類の塗布具も、粒子状補正用組成物を塗布するために使用されてもよい。
【0104】
流体形態の補正用組成物
一変形形態として、補正用組成物は、それをファンデーション組成物の堆積物に塗布する間、流体形態であってもよい。
【0105】
この場合、補正用組成物は、連続媒体、たとえば目に見える物質が存在する媒体を含むことができる。
【0106】
その塗布中に流体形態である補正用組成物は、一実装形態では、
a)目に見える物質、特に繊維を含む、かつ/あるいは
b)揮発性溶剤、特にエタノール、アセトン、イソプロパノール、プロパノール、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテルなどの炭化水素系揮発性溶剤、および/または直鎖C
8〜C
16アルカンもしくは分岐C
8〜C
16アルカン(たとえば、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン;デカン、ドデカン、もしくはテトラデカン、またはウンデカン/トリデカン混合物)から選ばれた炭化水素系揮発性油、および/または特に8センチストーク(cSt)(8×10
-6m
2/s)以下の粘度を有するシリコーン揮発性油、特に2〜10個のシリコーン原子(たとえば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、またはポリジメチルシロキサン、ならびにこれらの混合物)を含む、直鎖シリコーン揮発性油もしくは環状シリコーン揮発性油を含む、かつ/あるいは
c)特に相のうち1つは透明である、多相組成物、特に2相組成物の形態である
ことができる。
【0107】
好ましくは、目に見える物質は、0.2mmから2.5mmの間の平均長さおよび/または50μmから200μmの間の平均直径を有する色のついた繊維を含み、特にこれからなる。
【0108】
これらの繊維は、天然であっても、または合成であってもよく、かつ無機であっても、または有機であってもよい。
【0109】
「繊維」という用語は、LがDよりもはるかに長いような、長さLおよび直径Dの物体を意味するように理解されるべきであり、Dは、繊維の断面が内接し得る円の直径である。
【0110】
繊維は、一般に、100μmから1000μmに及ぶ長さLを有するが、これより短くても、または長くてもよい。
【0111】
繊維は、特に繊維がごく微細である、たとえば5μm未満の直径Dを有する場合、上記より長くてもよい。この場合、大きさは、最大3000μmに及ぶことがある。
【0112】
繊維は、特に繊維が若干太い、たとえば30μmを越えた直径Dを有する場合、上記より短くてもよい。この場合、大きさの範囲の下限は、50μmであることがある。
【0113】
特に、L/Dの比は、3.5から2500の間、好ましくは5から500の間、特に好ましくは5から150の間であってもよい。
【0114】
特に、織物、特に絹繊維、綿繊維、ウール繊維、亜麻繊維、特に木から、植物から、または藻から抽出されたセルロース繊維、レーヨン繊維、ポリアミド(Nylon(登録商標))繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、特にレーヨンアセテート繊維、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(またはアラミド)繊維、特にKevlar(登録商標)繊維、アクリルポリマー繊維、特にポリメチルメタクリレート繊維またはポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)繊維、ポリオレフィン繊維、特にポリエチレン繊維またはポリプロピレン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、特にガラス状炭素形態の炭素繊維、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標)など)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維またはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、および以前に言及したポリマーなどのポリマーの混合物から形成される繊維、たとえばポリアミド/ポリエステル繊維の製造で使用される繊維の使用が行われ得る。
【0115】
繊維は、本質的に、または色を与えることが可能な薬剤で前記繊維を覆うおよび/または処理することによって、色がついていなくても、または色がついていてもよい。そのような薬剤は、陽イオン染料、陰イオン染料、および非イオン染料、たとえばニトロ染料またはアントラキノン染料から、または毛髪染色で使用される酸化前駆体から、またはグラフト可能な(graftable)染料から、特に選ばれてもよい。好ましくは、使用される着色剤は陰イオン染料、特にスルホン官能基を有する染料であり、また、織物加工で使用される染料などのグラフト可能な染料である。
【0116】
繊維の直径は、その最大の横断寸法に対応する。
【0117】
特に好ましい方法では、目に見える物質は、赤色のついた繊維または紫色のついた繊維を含み、特にこれらからなる。
【0118】
たとえば、文献JP2007210894、JP2007077098、JP2006052203、およびJP2006052202で使用される繊維の使用が行われ得る。
【0119】
一実装形態では、補正用組成物は、媒体中に分散した色のついた粒状体を含み、この粒状体は、控え目に色がついていても、または色がついていなくてもよい。
【0120】
そのような組成物は、以下で説明する塗布具を使用する転写によって、皮膚に塗布され得る。
【0121】
色のついた粒状体は、0.3mmから2mmの間、特に0.5mmから2mmの間の大きさを有することができる。
【0122】
粒状体は、ガラス、酸化ジルコニウム、タングステンカーバイド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、またはポリプロピレンなどのプラスチック、鋼、銅、真鍮、またはクロムなどの金属、大理石、オニキス、翡翠、天然真珠層、および宝石(ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、またはサファイア、アメジスト、またはアクアマリン)から選ばれた材料から作製されてもよい。有利には、ガラスビーズが使用される。たとえば、Sigmund Lindner社によって基準Silibeads(登録商標)の名称で販売されている製品の使用が行われてもよく、これらのビーズは、メイクアップに光沢効果を与えるという利点を有する。色のついた粒状体は、変形可能であっても、または変形不可能であってもよく、中実であっても、または中空であってもよく、かつ被覆されていても、または被覆されていなくてもよい。
【0123】
これらの粒子は、最初から色がついており、または、たとえば着色組成物中の含浸によって、粒子に色を与えるまたは粒子の色を変更するように事後に処理される。
【0124】
媒体は、カルボポール(carbopol)ゲルであっても、グアーガムゲルであっても、または乳濁液であってもよい。
【0125】
補正用組成物が、その塗布中に液体形態であるとき、この補正用組成物は、塗布具を用いたファンデーション組成物上への転写によって塗布され得る。一変形形態として、適切な組成物が、本明細書において以下で詳細に説明するように、ファンデーション堆積物に噴霧され得る。
【0126】
小滴の形態の塗布
補正用組成物が液体形態であるとき、この補正用組成物は、小滴の形態でファンデーション組成物に塗布され得る。
【0127】
この場合、補正用組成物は、0.01%から100%に及ぶ質量含有率の固体を含むことができる。この場合、補正用組成物は噴霧されてもよく、任意選択で、溶剤、典型的にはエタノールまたはシリコーン系もしくは炭素系の溶剤を含んでもよい。
【0128】
そのような溶剤の使用は、有利には、迅速に乾燥する滴の生成を可能にすることがある。
【0129】
補正用組成物は、表面と、その表面上での拡散を最小にすることができる乾燥性質とを有することができる。
【0130】
表面張力現象
この場合、連続堆積物の形態をした補正用組成物を塗布することが可能であり、島状部の不連続堆積物は、表面張力現象によって得ることができる。
【0131】
この場合、表面張力が表面の表面張力よりも高い補正用組成物が使用されてもよい。優先的には、差は少なくとも3点、好ましくは10点である(表面張力はmN/m単位で表される)。たとえば、ファンデーション組成物の表面は、イソドデカン(表面張力=約25mN/m)などの脂肪物質が存在することにより、やや疎水性であるので、補正用組成物は、少なくとも28、優先的には35mN/mよりも大きい表面張力を有する。優先的に、補正用組成物は、50よりも大きい表面張力を有し、たとえば、水系または主に水系の組成物である。
【0132】
この場合、固体の質量含有率は、0.01%から90%に及ぶことがある。
【0133】
不連続堆積物が表面張力現象によって形成され、かつ補正用組成物が色素を含むとき、補正用組成物内の固体の質量含有率は0.01%から100%に及ぶことがある。
【0134】
不連続堆積物が表面張力現象によって形成され、かつ補正用組成物が色素を含まないとき、補正用組成物内の固体の質量含有率は1%から100%に及ぶことがある。そのような補正用組成物は、手によって塗布されても、または噴霧によって塗布されてもよい。
【0135】
多相補正用組成物
本明細書において上記で述べたように、補正用組成物は、多相組成物、特に2相組成物の形態であることができる。
【0136】
この場合、相のうち1つは、色素を含んでも、または色のついていない材料(粉末またはワックスまたはポリマーまたは塩または他の材料)であってもよい。たとえば、補正用組成物は、2つの不混和性液体を含むことができ、そのうち1つは染料またはポリマーを含む。
【0137】
優先的に、相のうち1つは透明である。
【0138】
この場合、固体の質量含有率は、0.01%から90%に及ぶことがある。
【0139】
補正用組成物が多相であり、色素を含むとき、固体の質量含有率は、0.01%から90%に及ぶことがある。
【0140】
補正用組成物が多相であり、色素を含まないとき、固体の質量含有率は、1%から90%に及ぶことがある。
【0141】
色のついた材料が使用されているか色のついていない材料が使用されていないかに応じて、0.01%から90%に及ぶ固体濃度が使用される。
【0142】
多相補正用組成物は、手によって塗布されても、または噴霧によって塗布されてもよい。
【0143】
補正用組成物のガレヌス製剤形態とは無関係に、補正用組成物中に存在する繊維は、有利には、以下の特徴、すなわち
a)繊維は、1μmから10mmの間、好ましくは0.5から5mmの間の長さを有する、かつ/または
b)繊維は、10μmから1000μmの間の直径をもつ円に内接する断面を有する、かつ/または
c)繊維は、少なくとも1つの光学効果、特に色および/もしくは光沢および/もしくは起伏をもたらす
のうちすべてまたはいくつかを有することができる。
【0144】
一般に、補正用組成物は、手で、噴霧によって、エアブラシを用いて、またはメイクアップされるべき表面上への転写によって補正用組成物、特にファンデーション組成物を堆積することを目的とした塗布具を用いて、塗布され得る。
【0145】
島状部の不連続堆積物
島状部の不連続堆積物は、接触している島状部と、分離している島状部とを含むことができる。一変形形態として、島状部の不連続堆積物は、1組の分離した島状部からなることができる。
【0146】
島状部の不連続堆積物は、好ましくは、以下の特徴、すなわち
a)島状部は、0.05mmから3mmの間、好ましくは0.1mmから1.5mmの間、特に好ましくは0.3mmから0.9mmの間の平均サイズを有する、かつ/または
b)2つの隣接する島状部の平均離間距離が、0.25mmから20mmの間、好ましくは0.5mmから5mmの間、特に好ましくは1.5mmから2.5mmの間である、かつ/または
c)不連続堆積物が、少なくとも5つ、好ましくは少なくとも10、好ましくは少なくとも30、特に好ましくは少なくとも100の島状部を含む
のうちすべてまたはいくつかを有する。
【0147】
島状部の大きさは、その最大寸法に対応する。
【0148】
島状部の平均的大きさは、前記島状部の大きさの算術平均に対応する。2つの島状部間の距離は、前記島状部の重心の離間距離に対応する。
【0149】
2つの隣接する島状部間の平均距離は、2つの隣接する島状部の離間距離の隣接する島状部の対の数に関する算術平均に対応する。
【0150】
別段の言及がない限り、島状部の大きさおよび2つの島状部の離間距離は、補正用組成物の塗布の時点で測定される。
【0151】
不連続堆積物中の島状部の密度は、好ましくは、ファンデーションで覆われる皮膚の表面積1cm
2あたり5島状部よりも大きく、1cm
2あたり1000よりも小さい。
【0152】
- 0.4から4mmの間の平均的大きさをもつ島状部、
- 1から5mmの間の2つの隣接する島状部の平均離間距離、
- 1cm
2あたり1よりも多い島状部の数
を有する島状部の不連続堆積物は、好ましくは、そばかすの外観を再現するパターンを形成するように得られる。
【0153】
島状部は、好ましくは、無反射である。島状部の不連続堆積物は、好ましくは、ファンデーション上のきらきら光る薄片の堆積物からなるものではない。
【0154】
島状部は、好ましくは、本明細書において以下で詳細に説明するあらかじめ定義されたパターンに従って塗布される。
【0155】
たとえば、そばかすに関連する外観は、有利には、島状部が外観特性のうち少なくとも1つの点で異なる少なくとも2つの領域を有する島状部の不連続堆積物を生成することによって再現され得る。
【0156】
したがって、不連続堆積物は、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度および/または形状および/または光沢の点で異なる。
【0157】
好ましくは、不連続堆積物は、第1の領域と第2の領域とを備え、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度の点で異なる。
【0158】
一実装形態では、特に異なる色の、2つの異なる補正用組成物は、第1の領域および第2の領域に存在する。
【0159】
不連続堆積物はまた、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、CIELab空間内の少なくとも比色差ΔΕの点で、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色と異なる。注意として、ΔΕは、以下の関係によって定義される。
【0160】
【数1】
【0161】
ここで、L
1、a
1、b
1は比較されるべき第1の色の測色空間内の座標であり、L
2、a
2、b
2はCIELabシステム内の第2の色の測色空間内の座標である(指標Lは輝度、指標aは赤色、指標bは黄色)。
【0162】
島状部をほとんどまたはまったく備えない顔の第1の領域とこれより多くの島状部を含む顔の第2の領域との間のΔΕのこの測定は、彩度球(Chromasphere)を使用して実行され得る。以下のプロトコルが使用可能である。100mgのファンデーションを計量し、裸の指を用いて顔に塗布する。次いで、補正用組成物を塗布する。15分の乾燥時間の後、それぞれ第1の領域上および第2の領域上のメイクアップした頬の画像を、彩度球を使用して取得する。ΔΕに対応する測定差は、所望の不均一性を反映する。
【0163】
島状部の外観特性におけるそのような変化は、有利には、自然な効果を再現することを可能にすることができる。
【0164】
有利には、第1の領域は第2の領域の島状部密度よりも大きい島状部密度を有する島状部の不連続堆積物を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域は眼周囲エリアまたは額にある。
【0165】
特に、第1の領域は第2の領域および第3の領域の島状部密度よりも大きい島状部密度を有する島状部の不連続堆積物を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域および第3の領域はそれぞれ、眼周囲エリアおよび額にある。
【0166】
得られる島状部は、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色に対して、1以上、特に3以上であるCIELab空間内の色差ΔΕがあることができる。
【0167】
不連続堆積物はまた、メイクアップされるべき表面に、特にファンデーション堆積物に補正用組成物を塗布した後、電場および/または磁場および/または過剰圧力を加えることによって、得ることができる。
【0168】
この場合、近傍に加えられる磁場の強度は1mTから2Tの間であってもよく、補正用組成物は、たとえば鉄または希土類金属を主成分とした、ゼロでない磁化率の粒子を含むことができる。
【0169】
ステップb)で実行されるファンデーションの除去および/または移動
ステップb)で実行されるファンデーションの除去および/または移動は、好ましくは、所望のパターンを生成するようにメイクアップの外観を局所的に変更する島状部の不連続網を形成することを可能にする。
【0170】
ファンデーションは、ステップb)中に、異なる物理化学的性質をもつ複数の領域を有する表面と接触するように配置されることによって除去され得る。
【0171】
この場合、表面は、特に好ましくは、ファンデーション堆積物と接触するように配置され、局所的にファンデーションを除去するように、およびパターン、特に島状部の所望の不連続網を得るように、ファンデーション堆積物に対して除去される。
【0172】
表面は、特に好ましくは、ファンデーション組成物に関する異なる保持性質をもつ複数の領域を含む。表面は、たとえば、ファンデーションと接触するとファンデーションを除去することを可能にする、特に吸収性組成物および/または接着性組成物の堆積物の、複数の吸収性区域および/または接着性区域を含む。
【0173】
以下の材料、すなわち、任意選択で2Pa.sから200Pa.sの間の粘度を有する、油性の、特に厚い、堆積物、ポリマーまたはポリマーとTgが10℃よりも小さい、任意選択で4℃よりも小さい可塑剤とを結合する材料、および/または感圧接着剤(PSA)のうち少なくとも1つは、接着性区域を構成する材料として使用されてもよい。
【0174】
より具体的には、接着性区域を構成する材料として、エラストマーの使用が行われてもよく、それに対して、Tgを低下させることが可能な可塑剤または溶剤が追加され得る。
【0175】
これらのエラストマーは、アクリルポリマーもしくはメタクリル酸ポリマーであっても、またはアクリルコポリマーもしくはメタクリル酸コポリマーであっても、まれに架橋されたもしくは架橋されていないゴムであっても、またはスチレン系、ブタジエン系、ブチレン系、およびイソプレン系のコポリマーであってもよい。特に、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン(SEP)、およびスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)の使用が行われ得る。
【0176】
濃厚な油の使用および感圧接着剤の使用は、ファンデーションが比較的乾燥しているまたは粉末状である場合、材料を除去するのに有利となり得る。「比較的乾燥している」という用語は、被覆は油っぽい感触をもたないことを意味する。
【0177】
吸収性区域は、好ましくは、毛管作用によってファンデーションを除去することを可能にする。この場合、ファブリック(繊維間のファンデーションを取る繊維のアセンブリ)、厚紙、フロック加工された支持具、1つもしくは複数の穴、または1つもしくは複数の小孔(alveoli)を備える、特にこれからなる、吸収性区域を使用することが可能である。
【0178】
フロック加工された支持具は、一端に保持された繊維のアセンブリを備えることができる。これらの繊維は、好ましくは、2μmから200μmの間の直径と、0.2mmから5mmの間の長さとを有する。
【0179】
これらの繊維は、好ましくは、ポリマー、好ましくはポリアミド、好ましくはポリアミド6-6(Nylon(登録商標))を含む、特に、これからなることができることができる。異なる大きさの繊維の混合物、たとえば直径が200μmと10μmの繊維の混合物が使用されてもよい。
【0180】
吸収性区域が1つまたは複数の穴または小孔を備えるとき、これらの穴または小孔の直径および深さは0.3mmから5mmの間であってもよい。
【0181】
吸収性区域は、特に100MPa以下のヤング率をもつ厚紙またはエラストマー材料から作製された、起伏も備えることができる。これらの起伏は、たとえば1mmから5mmの間の高さと、0.3mmから5mmの間の、先端で測定される大きさとを有する。2つの隣接する起伏間の平均空間は、0.1mmから1mmの間であってもよい。
【0182】
好ましくは、表面張力効果によってファンデーションを取る吸収性区域を使用することも可能である。この場合、吸収性区域は、たとえば40mN/mよりも大きい、高い表面張力を有することができる。
【0183】
表面張力効果によってファンデーションを取ることが可能な吸収性区域は、たとえば、金属から、特に鉄から、金属酸化物もしくはセラミックから、またはポリマーから作成されてもよく、その表面張力は、皮膚の表面張力よりも高く、ファンデーション組成物の表面張力よりも高くてもよい。
【0184】
毛管作用または表面張力による吸収性を有する区域は、有利には、使用の後、洗浄するのに比較的容易であってもよい。
【0185】
一変形形態として、親水性材料たとえばマグネシア粉末、または中空材料たとえばポゾラン粉末、またはセラミックもしくは焼結材料などの吸収性賦形剤の使用が行われ得る。
【0186】
特に言及され得る吸油賦形剤としては、
- 多孔性シリカ微小球、ポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカ微小球、シリル化シリカ粉末、特にDow Corning社によってDow Corning VM-2270 Aerogel Fine Particlesという名称で販売されている粉末、およびCabot社によってEnova Aerogel MT1100という名称で販売されている粉末、非晶質中空シリカ粒子、およびミネラルワックスで表面処理された沈降シリカ粉末などのシリカ粉末、
- ポリメチルメタクリレート/ジメタクリル酸エチレングリコール多孔性球、ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー粉末などのアクリルポリマー粉末、
- ナイロン-6粉末などのポリアミド粉末、
- 真珠岩粉末または炭酸マグネシウム粉末、
ならびにこれらの混合物
が挙げられる。
【0187】
一変形形態として、ファンデーションは、ステップb)中に、吸引によって取られる。
【0188】
この場合、穴をもつ吸引面は、ファンデーション堆積物の近くに、特にこれと接触して、配置されてもよく、ファンデーションは、ステップb)中に、前記穴を通る吸引によって取られ得る。
【0189】
吸引は、好ましくは、10Wから1000Wの間、好ましくは20Wから200Wの間の吸引力を生成する吸引デバイスを用いて実行される。しかしながら、特に、比較的小さい表面積、たとえば4cm
2未満の区域で吸引が行われるとき、10W未満の吸引力が使用され得る。
【0190】
たとえば、上述の力のタービン吸引を含むアセンブリの使用が行われる。
【0191】
吸引デバイスは、穴をもつ吸引面がたとえばカチッと音を立てて固定すること(click-fastening)によって取り付けられた吸引ノズルを装備することができる。
【0192】
吸引面は、穴をもつシート形態の要素の形態とすることができる。穴が存在する区域の面積(穴の面積も含まれる)は、たとえば、10cm
2から150cm
2の間、たとえば50cm
2から80cm
2の間である。
【0193】
穴をもつ吸引面は、たとえば、2mm以下、好ましくは1mm未満の大きさをもつ、たとえば300μmから500μmの間の大きさをもつ穴を備える。穴をもつ吸引面は、好ましくは、少なくとも50の穴、たとえば50から150の間の穴を備える。
【0194】
吸引を実行するため、吸引デバイスおよび穴をもつ吸引面は、ファンデーション堆積物の近くに配置されてもよく、次いで、移動することなく、吸引が数秒間オンにされる。
【0195】
局所的に、液体ファンデーション、脂肪性ファンデーション、もしくは水性ファンデーション、または粉末ファンデーションを取るために、吸引を使用することは、特に有利である。
【0196】
一実施形態例では、ファンデーションは、ステップb)の間、道具の表面によって支持される複数の起伏と接触するように配置されることによって移動される。
【0197】
これらの起伏は、たとえば1mmから5mmの間の高さと、0.3mmから5mmの間の、先端で測定される直径とを有する。
【0198】
一実施形態例では、ファンデーションは、ステップb)中に、材料を噴霧することによって移動される。
【0199】
これを行うために、10Wから1000Wの間、好ましくは20Wから200Wの間の噴霧力を生成する噴霧デバイスの使用が行われ得る。しかしながら、特に、比較的小さい表面積、たとえば4cm
2未満の区域で噴霧が行われるとき、10W未満の推進力が使用され得る。
【0200】
たとえば、前述の力のタービンまたはファンを備えた送風機が使用される。
【0201】
噴霧デバイスは、穴をもつ吸引面がたとえばカチッと音を立てて固定することによって取り付けられた噴霧ノズルを装備することができる。穴をもつこの面は、上記で説明した穴をもつ吸引面と同じ特性を有することができる。
【0202】
噴霧を実行するため、噴霧デバイスおよび穴をもつ面は、ファンデーション堆積物の近くに配置されてもよく、次いで、移動することなく、噴霧が数秒間オンにされる。
【0203】
局所的に、液体ファンデーション、脂肪性ファンデーション、もしくは水性ファンデーション、乳化配合物のファンデーション、または粉末ファンデーションを移動させるために、材料の噴霧を使用することは、特に有利である。
【0204】
この場合、ファンデーションは、気体の流れ、特に圧縮空気の噴霧によって移動され得る。
【0205】
一変形形態として、ファンデーションは、粉状組成物を噴霧することおよび/または液体を噴霧することによって移動される。この場合、ファンデーション組成物を溶解させることが可能な溶剤は、ファンデーション堆積物上に噴霧され得る。
【0206】
ファンデーション組成物を溶解させるために使用され得る溶剤として、アルカン、特にヘキサン、イソドデカンまたはオクタン、シリコーン、特にPDMS、エーテル、アセトン、エタノール、水、およびこれらの混合物が挙げられ得る。
【0207】
一実施形態例では、ファンデーションは、ステップb)中に、電磁場を加えることによって移動され、ファンデーションは、好ましくは、ゼロでない磁化率の粒子を含み、磁場がこれらの粒子を移動させるように、ファンデーション堆積物の近くに加えられる。この場合、ファンデーションは、鉄を主成分としたまたは希土類金属を主成分とした粒子を含むことができ、加えられる磁場の強度は、1mテスラから2テスラの間であってもよい。
【0208】
島状部の不連続網
上述のように、ステップb)で実行されるファンデーションの除去および/または移動は、好ましくは、島状部の不連続網を得ることを可能にする。
【0209】
島状部の不連続網は、接触している島状部と、分離している島状部とを含むことができる。一変形形態として、島状部の不連続網は、1組の分離した島状部からなることができる。
【0210】
島状部の不連続網は、好ましくは、以下の特性、すなわち
a)島状部は、0.05mmから3mmの間、好ましくは0.1mmから1.5mmの間、特に好ましくは0.3mmから0.9mmの間の平均サイズを有する、かつ/または
b)2つの隣接する島状部の平均離間距離が、0.25mmから20mmの間、好ましくは0.5mmから5mmの間、特に好ましくは1.5mmから2.5mmの間である、かつ/または
c)不連続網が、少なくとも5つ、好ましくは少なくとも10、好ましくは少なくとも30、特に好ましくは少なくとも100の島状部を含む
のうちすべてまたはいくつかを有することができる。
【0211】
島状部の大きさは、その最大寸法に対応する。
【0212】
島状部の平均的大きさは、前記島状部の大きさの算術平均に対応する。
【0213】
2つの島状部間の距離は、前記島状部で覆われたファンデーション区域の重心の離間距離に対応する。
【0214】
2つの隣接する島状部間の平均距離は、2つの隣接する島状部の離間距離の隣接する島状部の対の数に関する算術平均に対応する。
【0215】
島状部の大きさおよび2つの島状部の離間距離は、別段の言及がない限り、ファンデーションの除去および/または移動が実行された直後に測定される。
【0216】
不連続網中の島状部の密度は、好ましくは、ファンデーションで覆われる皮膚の表面積1cm
2あたり5島状部よりも大きく、1cm
2あたり1000島状部よりも小さい。
【0217】
- 0.4mmから4mmの間の平均的大きさをもつ島状部、
- 1mmから5mmの間の2つの隣接する島状部の平均離間距離、
- 1cm
2あたり1よりも多い島状部の数
を有する島状部の不連続網は、好ましくは、そばかすの外観を再現するパターンを形成するように得られる。
【0218】
島状部は、好ましくは、本明細書において以下で詳細に説明するあらかじめ定義されたパターンに従って形成される。
【0219】
たとえば、そばかすに関連する外観は、有利には、島状部が外観特性のうち少なくとも1つの点で異なる少なくとも2つの領域を有する島状部の不連続網を生成することによって再現され得る。
【0220】
したがって、不連続網は、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度および/または形状および/または光沢の点で異なる。
【0221】
好ましくは、不連続網は、第1の領域と第2の領域とを備え、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度の点で異なる。
【0222】
不連続網はまた、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する島状部および第2の領域に存在する島状部は、CIELab空間内の少なくとも測色差ΔΕの点で、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色と異なる。
【0223】
注意として、ΔΕは、以下の関係によって定義される。
【0224】
【数2】
【0225】
ここで、L
1、a
1、b
1は比較されるべき第1の色の測色空間内の座標であり、L
2、a
2、b
2はCIELabシステム内の第2の色の測色空間内の座標である(指標Lは輝度、指標aは赤色、指標bは黄色)。
【0226】
島状部をほとんどまたはまったく備えない顔の第1の領域とこれより多くの島状部を含む顔の第2の領域との間のΔΕのこの測定は、彩度球(Chromasphere)を使用して実行され得る。以下のプロトコルが使用可能である。100mgのファンデーションを計量し、裸の指を用いて顔に塗布する。次いで、ファンデーションを局所的に移動する、かつ/または除去することができる。15分の乾燥時間の後、それぞれ第1の領域上および第2の領域上のメイクアップした頬の画像を、彩度球を使用して取得する。
【0227】
ΔΕに対応する測定差は、所望の不均一性を反映する。
【0228】
島状部の外観特性におけるそのような変化は、有利には、自然な効果を再現することを可能にすることができる。
【0229】
有利には、第1の領域は第2の領域の島状部密度よりも大きい島状部密度を有する島状部の不連続網を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域は眼周囲エリアまたは額にある。
【0230】
特に、第1の領域は第2の領域および第3の領域の島状部密度よりも大きい島状部密度を有する島状部の不連続網を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域および第3の領域はそれぞれ、眼周囲エリアおよび額にある。
【0231】
得られる島状部は、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色に対して、1以上、特に3以上であるCIELab空間内の色差ΔΕがあることができる。
【0232】
本発明による化粧デバイスの性質
上述のように、本発明の態様のうち別の態様によれば、本発明は、周囲表面内に不均一に配置された島状部を含む周辺表面を有する化粧デバイスであって、島状部は各々、少なくとも0.8mmの最大寸法を有し、外観が表面上の島状部の配置構成に関連しているパターンの皮膚上での生成をもたらすように、周囲表面の形状および/または性質と異なる、皮膚上に存在す
る製品を取るかつ/または
皮膚に塗布されるべき製品を解放するための形状および/または性質を有する、化粧デバイスに関する。
【0233】
島状部は、起伏しており、周囲表面に対して突き出てもよい。この場合、本明細書において以下で詳細に説明するように、島状部は、皮膚に塗布されたメイクアップ組成物と接触するように配置されることによって、所望のパターンを得るために前記メイクアップ組成物を移動することを局所的に可能にすることができる。
【0234】
この場合、製品の解放または取り込みは、島状部に対するこの製品の親和性から生じることができる。
【0235】
一実施形態例では、島状部は、周囲表面の物理化学的性質と異なる物理化学的性質を有する。
【0236】
好ましくは、島状部は、特に接着性組成物および/または吸収性組成物の堆積物の、接着性島状部および/または吸収性島状部を含み、特にこれらからなる。
【0237】
以下の生成物、すなわち、任意選択で2Pa.sから200Pa.sの間の粘度を有する、油性の、特に厚い、堆積物、ポリマーもしくはポリマーとTgが10℃よりも小さい、任意選択で4℃よりも小さい可塑剤とを結合する材料、および/または感圧接着剤(PSA)のうち少なくとも1つは、接着性組成物として使用されてもよい。
【0238】
より具体的には、接着性組成物の堆積物を構成する材料として、エラストマーの使用が行われてもよく、それに対して、Tgを低下させることが可能な可塑剤または溶剤が追加され得る。
【0239】
これらのエラストマーは、アクリルポリマーもしくはメタクリル酸ポリマーであっても、またはアクリルコポリマーもしくはメタクリル酸コポリマーであっても、まれに架橋されたもしくは架橋されていないゴムであっても、またはスチレン系、ブタジエン系、ブチレン系、およびイソプレン系のコポリマーであってもよい。特に、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン(SEP)、およびスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)の使用が行われ得る。
【0240】
濃厚な油の使用および感圧接着剤の使用は、ファンデーションが比較的乾燥しているまたは粉末状である場合、材料を除去するのに有利となり得る。「比較的乾燥している」という用語は、被覆が油っぽい感触をもたないことを意味する。
【0241】
吸収性組成物の堆積物は、好ましくは、毛管作用によってファンデーションを除去することを可能にする。この場合、ファブリック(繊維間のファンデーションを取る繊維のアセンブリ)、厚紙、フロック加工された支持具、1つもしくは複数の穴、または1つもしくは複数の小孔(alveoli)を備える、特にこれからなる、吸収性組成物を使用することが可能である。1つもしくは複数の穴または1つもしくは複数の小孔の形態をした吸収性島状部を使用することによって、ファンデーションを局所的に吸収することも可能である。
【0242】
フロック加工された支持具は、一端に保持された繊維のアセンブリを備えることができる。これらの繊維は、好ましくは、2μmから200μmの間の直径と、0.2mmから5mmの間の長さとを有する。
【0243】
これらの繊維は、好ましくは、ポリマー、好ましくはポリアミド、好ましくはポリアミド6-6(Nylon(登録商標))を含む、特に、これからなることができることができる。異なる大きさの繊維の混合物、たとえば直径が200μmと10μmの繊維の混合物が使用されてもよい。
【0244】
吸収性島状部が1つまたは複数の穴または小孔を備えるとき、これらの穴または小孔の直径および深さは0.3mmから5mmの間であってもよい。
【0245】
吸収組成物の堆積物は、特に100MPa以下のヤング率をもつ厚紙またはエラストマー材料から作製された、起伏も備えることができる。これらの起伏は、たとえば1mmから5mmの間の高さと、0.3mmから5mmの間の、先端で測定される大きさとを有する。2つの隣接する起伏間の平均空間は、0.1mmから1mmの間であってもよい。
【0246】
好ましくは、表面張力効果によってファンデーションを取る吸収性島状部を使用することも可能である。この場合、吸収性島状部は、たとえば40mN/mよりも大きい、高い表面張力を有することができる。
【0247】
表面張力効果によってファンデーションを取ることが可能な吸収性島状部は、たとえば、金属から、特に鉄から、金属酸化物もしくはセラミックから、またはポリマーから作成されてもよく、それらの表面張力は、皮膚の表面張力よりも高く、ファンデーション組成物の表面張力よりも高くてもよい。
【0248】
毛管作用または表面張力による吸収性を有する島状部は、有利には、使用の後、洗浄するのに比較的容易であってもよい。
【0249】
一変形形態として、親水性材料たとえばマグネシア粉末、または中空材料たとえばポゾラン粉末、またはセラミックもしくは焼結材料などの吸収性賦形剤の使用が行われ得る。
【0250】
特に言及され得る吸油賦形剤としては、
- 多孔性シリカ微小球、ポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカ微小球、シリル化シリカ粉末、特にDow Corning社によってDow Corning VM-2270 Aerogel Fine Particlesという名称で販売されている粉末、およびCabot社によってEnova Aerogel MT1100という名称で販売されている粉末、非晶質中空シリカ粒子、およびミネラルワックスで表面処理された沈降シリカ粉末などのシリカ粉末、
- ポリメチルメタクリレート/ジメタクリル酸エチレングリコール多孔性球、ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー粉末などのアクリルポリマー粉末、
- ナイロン-6粉末などのポリアミド粉末、
- 真珠岩粉末または炭酸マグネシウム粉末、
ならびにこれらの混合物
が挙げられる。
【0251】
好ましい一変形形態では、島状部の親水性は、周囲表面の親水性と異なってもよい。
【0252】
したがって、島状部は、それと接触して配置される間に皮膚に塗布された製品、特にファンデーションの除去を可能にするように構成され得る。製品をこのように除去することによって、有利には、所望のパターンを得ることが可能になる。
【0253】
島状部は、周囲表面に対して移動可能なピンによって画定され得る。これらのピンは、たとえば、電気制御のアクチュエータによって画定される。
【0254】
周囲表面に対して移動可能なピンの使用は、有利には、島状部の分布を変更することを可能にする。本発明との関係においては、ユーザは、したがって、ユーザが選んだパターン、たとえば特定の所望の皮膚粒状体および/またはそばかすを皮膚の上で得るようにデバイス内での島状部の配置を個人化することができる。
【0255】
一実装形態では、島状部は、皮膚上に転写できる製品の粒状体によって、および/または液体によって画定され得る。この場合、その製品は、有利には、色がつけられ得る。液体は、次いで皮膚上に転写される製品を特定の表面上で取ることを可能にすることができる。一変形形態として、液体は皮膚上に転写され、液体は、この場合、好ましくは色がついている。
【0256】
デバイスは、2mm以上の最大寸法を有する島状部および/または3mm以上の最大寸法を有する島状部を含むことができる。
【0257】
デバイスは、0.8mmから2mmの間の最大寸法を有する島状部と、2mm(限度を除外する)から3mmの間最大寸法を有する島状部と、また、3mm(限度を除外する)からまた5mmの間の最大寸法を有する島状部とを含むことができる。
【0258】
0.8mmから2mmの間の最大寸法を有する島状部の数は、2mm(限度を除外する)から3mmの間の最大寸法を有する島状部の数よりも、および3mm(限度を除外する)から5mmの間の最大寸法を有する島状部の数よりも多くすることができる。
【0259】
デバイスは、円形輪郭の島状部および/または非円形輪郭の島状部を含むことができる。デバイスは、接触している島状部と、分離している島状部とを含むことができる。
【0260】
デバイスは、非円形輪郭の島状部の数よりも多い数の円形輪郭の島状部を含むことができる。
【0261】
デバイスは、間隔が2mm以上である隣接する島状部を含むことができる。
【0262】
可視区域の不連続網
本明細書において上記で述べたように、本発明によるデバイスの使用は、有利には、可視区域の不連続網を得ることを可能にすることができる。
【0263】
可視区域の不連続網は、好ましくは、以下の特性、すなわち、
a)可視区域は、0.05mmから3mmの間、好ましくは0.1mmから1.5mmの間、特に好ましくは0.3mmから0.9mmの間の平均サイズを有する、かつ/または
b)2つの隣接する可視区域の平均離間距離が、0.25mmから20mmの間、好ましくは0.5mmから5mmの間、特に好ましくは1.5mmから2.5mmの間である、かつ/または
c)不連続網が、少なくとも5つ、好ましくは少なくとも10、好ましくは少なくとも30、特に好ましくは少なくとも100の可視区域を備える
のうちすべてまたはいくつかを有する。
【0264】
可視区域の大きさは、その最大寸法に対応する。
【0265】
可視区域の平均的大きさは、前記可視区域の大きさの算術平均に対応する。
【0266】
2つの可視区域間の距離は、前記可視区域の重心の離間距離に対応する。
【0267】
皮膚上に存在するファンデーションの除去および/または移動による可視区域の形成の特定の場合には、2つの可視区域間の距離は、前記可視区域で覆われるファンデーションの区域の重心の離間距離に対応する。
【0268】
2つの隣接する可視区域間の平均距離は、2つの隣接する可視区域の離間距離の隣接する可視区域の対の数に関する算術平均に対応する。
【0269】
可視区域の大きさおよび2つの可視区域の離間距離は、別段の言及がない限り、本発明によるデバイスの使用の終了直後に測定される。
【0270】
不連続網中の可視区域の密度は、好ましくは、処理される皮膚の表面積1cm
2あたり5つの可視区域よりも大きく、1cm
2あたり1000の可視区域よりも小さい。
【0271】
- 0.4mmから4mmの間の平均的大きさをもつ可視区域、
- 1mmから5mmの間の2つの隣接する可視区域の平均離間距離、
- 1cm
2あたり1よりも多い可視区域の数
を有する可視区域の不連続網は、好ましくは、そばかすの外観を再現するパターンを形成するように得られる。
【0272】
たとえば、そばかすに関連する外観は、有利には、可視区域が外観特性のうち少なくとも1つの点で異なる少なくとも2つの領域を有する可視区域の不連続網を生成することによって再現され得る。
【0273】
したがって、不連続網は、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する可視区域および第2の領域に存在する可視区域は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度および/または形状および/または光沢の点で異なる。
【0274】
好ましくは、不連続網は、第1の領域と第2の領域とを備え、第1の領域に存在する可視区域および第2の領域に存在する可視区域は、少なくとも色および/または平均的大きさおよび/または密度の点で異なる。
【0275】
不連続網はまた、第1の領域と第2の領域とを含むことができ、第1の領域に存在する可視区域および第2の領域に存在する可視区域は、CIELab空間内の少なくとも測色差ΔΕの点で、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色と異なる。
【0276】
注意として、ΔΕは、以下の関係によって定義される。
【0277】
【数3】
【0278】
ここで、L
1、a
1、b
1は比較されるべき第1の色の測色空間内の座標であり、L
2、a
2、b
2はCIELabシステム内の第2の色の測色空間内の座標である(指標Lは輝度、指標aは赤色、指標bは黄色)。
【0279】
可視区域をほとんどまたはまったく備えない顔の第1の領域とこれより多くの可視区域を備える顔の第2の領域との間のΔΕのこの測定は、彩度球を使用して実行され得る。以下のプロトコルが使用可能である。100mgのファンデーションを計量し、裸の指を用いて顔に塗布する。次いで、本発明による方法を実行することによって、網状の可視区域が形成される。15分の乾燥時間の後、それぞれ第1の領域上および第2の領域上のメイクアップした頬の画像を、彩度球を使用して取得する。
【0280】
ΔΕに対応する測定差は、所望の不均一性を反映する。
【0281】
可視区域の外観特性におけるそのような変化は、有利には、自然な効果を再現することを可能にすることができる。
【0282】
有利には、第1の領域は第2の領域の可視区域密度よりも大きい可視区域密度を有する可視区域の不連続網を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域は眼周囲エリアまたは額にある。
【0283】
特に、第1の領域は第2の領域および第3の領域の可視区域密度よりも大きい島状部密度を有する可視区域の不連続網を得ることが可能であり、この第1の領域は頬にあり、第2の領域および第3の領域はそれぞれ、眼周囲エリアおよび額にある。
【0284】
得られる可視区域は、ファンデーション組成物の堆積物のすべてまたは一部の色に対して、1以上、特に3以上であるCIELab空間内の色差ΔΕがあることができる。
【0285】
本発明は、添付の図面を検討すると、より明確に理解することができる。