特許第6517691号(P6517691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6517691少なくとも1つの第2の画像成分の参照ブロックに対して第1の画像成分の現在ブロックを符号化するための方法、符号化装置および対応するコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6517691
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの第2の画像成分の参照ブロックに対して第1の画像成分の現在ブロックを符号化するための方法、符号化装置および対応するコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/119 20140101AFI20190513BHJP
   H04N 19/96 20140101ALI20190513BHJP
   H04N 19/597 20140101ALI20190513BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20190513BHJP
【FI】
   H04N19/119
   H04N19/96
   H04N19/597
   H04N19/176
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-519291(P2015-519291)
(86)(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公表番号】特表2015-526008(P2015-526008A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(86)【国際出願番号】FR2013051474
(87)【国際公開番号】WO2014001703
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】1256129
(32)【優先日】2012年6月27日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】カルティク・ヴィスワナタン
【審査官】 長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/127966(WO,A1)
【文献】 Dmytro Rusanovskyy(外1名),Suggestion for a depth-enhanced multiview video coding extension to H.264 Annex A: Nokia 3DV Test Model (3DV-TM) Codec Description and Simulation Results,ITU-Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group (VCEG) VCEG-AR14-AnnexA,米国,ITU-T,2012年 2月10日,p.1-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00−19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイナリシーケンスを生成するための方法であって、
少なくとも1つの第2の画像成分(CI21)の参照ブロック(CTBr)に対して第1の画像成分(CI11)の少なくとも1つの現在ブロック(CTB;CTB’)を符号化するステップであって、前記第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものであり、前記参照ブロックは、予め分割により符号化され、次に復号され、前記参照ブロックの前記分割は、決定された分割深度レベル(k)(k≧0)が得られるまで複数回実行され
前記第1の画像成分が第2のタイプの画像であるとともに前記第2の画像成分が第1のタイプの画像である場合、前記参照ブロックの前記分割深度レベル(k)に応じた分割深度レベル(k’)まで予め初期化された(C33b))分割深度レベルに基づいて前記現在ブロックを分割すること(C34b)
含む、ステップを含み、
前記生成されたバイナリシーケンスは、前記現在ブロックの前記分割を表現するものである、バイナリシーケンスを生成するための方法。
【請求項2】
予め初期化された分割深度レベルに基づいて前記現在ブロックを分割する前記ステップは、前記第1のタイプの画像が深度画像であり、前記第2のタイプの画像が前記深度画像と関連付けられたテクスチャ画像である際に実装され、前記現在ブロックおよび前記参照ブロックはそれぞれ、前記第1の画像成分および前記第2の画像成分において同一の場所を有する、請求項1に記載のバイナリシーケンスを生成するための方法。
【請求項3】
バイナリシーケンスを生成するための装置であって、
少なくとも1つの第2の画像成分(CI21)の参照ブロック(CTBr)に対して第1の画像成分(CI11)の少なくとも1つの現在ブロック(CTB;CTB’)を符号化するための手段であって、前記第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものであり、前記参照ブロックは、予め分割により符号化され、次に復号され、前記参照ブロックの前記分割は、決定された分割深度レベル(k)(k≧0)が得られるまで複数回実行され
前記第1の画像成分が第2のタイプの画像であるとともに前記第2の画像成分が第1のタイプの画像である場合、前記参照ブロックの前記分割深度レベル(k)に応じた分割深度レベル(k’)まで予め初期化された前記現在ブロックの分割深度レベルに基づいて前記現在ブロックを分割するように適合される前記現在ブロックを分割するための手段(MP2
備える、手段を備え、
前記生成されたバイナリシーケンスは、前記現在ブロックの前記分割を表現するものである、バイナリシーケンスを生成するための装置。
【請求項4】
前記分割するための手段は、前記第1のタイプの画像が深度画像であり、前記第2のタイプの画像が前記深度画像と関連付けられたテクスチャ画像である際に実施され、前記現在ブロックおよび前記参照ブロックはそれぞれ、前記第1の画像成分および前記第2の画像成分において同一の場所を有する、請求項に記載のバイナリシーケンスを生成するための装置。
【請求項5】
プログラムがプロセッサによって実行される際、請求項1〜のいずれか一項に記載のバイナリシーケンスを生成するための方法を実装するための命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項6】
プログラムがプロセッサによって実行される際、請求項1〜のいずれか一項に記載のバイナリシーケンスを生成するための方法のステップを実行するための命令を含むコンピュータプログラムが記録されたコンピュータによって読み取ることができる記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、画像処理の分野に関し、より正確には、デジタル画像およびデジタル画像シーケンスの符号化に関する。
【背景技術】
【0002】
したがって、本発明は、具体的には、将来において現映像コーダで実装される映像符号化(ITU−T/ISO MPEG HEVC)およびそれらの拡張機能に適用することができる。
【0003】
現在起草され、文献(非特許文献1)で説明されているHEVC規格は、映像シーケンスのブロック分割を使用するという意味で、これまでのH.264規格と同様である。しかし、HEVC規格は、実装される分割が「四分木」と呼ばれる木のような構造に適合するという点で、H.264規格とは区別される。このため、図1Aに示されるように、現在画像Iは、最初は、サイズ64×64画素(1≦i≦L)の複数の正方形のブロックCTB、CTB、・・・、CTB、・・・、CTBに分割される。所定のブロックCTBに対し、このブロックは、符号化ツリーのルートを構成すると見なされ、
− ルート配下の第1のレベルのリーフは、ブロックCTBが1回目に複数の符号化ブロックに分割される、ブロックCTBの第1のレベルの分割深度に相当し、
− 第1のレベルのリーフ配下の第2のレベルのリーフは、1回目に分割されたブロックCTBが2回目に複数の符号化ブロックに分割される、ブロックCTBの第2のレベルの分割深度に相当し、
− 第k−1のレベルのリーフ配下の第kのレベルのリーフは、k−1回目に分割されたブロックCTBが最後にもう1回複数の符号化ブロックに分割される、ブロックCTBの第kのレベルの分割深度に相当する。
【0004】
HEVC対応コーダでは、ブロックCTBの分割の反復は、既定のレベルの分割深度まで実行される。
【0005】
ブロックCTBの前述の連続分割の完了時に、図1Aに示されるように、ブロックCTBは、最後は、CB、CB、・・・、CB、・・・、CB(1≦j≦M)で示される複数の符号化ブロックに分割される。
【0006】
前記符号化ブロックのサイズは、「四分木」タイプのツリーに適合するブロックの分割を用いて、適応性のある方法で選択することができ、四分木では、前記ツリーのリーフはそれぞれ、様々なレベルの分割深度で得られる符号化ブロックCB、CB、・・・、CB、・・・、CBを表す。
【0007】
図1Aを参照すると、所定のブロックCBに対し、このブロックは、前記ブロックに対する予測および変換ツリーのルートを構成すると見なされる(例えば、離散コサイン変換(DCT)タイプ)。所定のブロックCBに対する予測ツリーは、ブロックCBが複数のブロックPB、PB、・・・、PB、・・・、PB(1≦t≦P)に分割される方法を表現するものであり、これらの複数のブロックは、予測ブロックと呼ばれる。考慮対象の予測ブロックPBに対し、予測パラメータ(例えば、符号化モード、動きベクトルなど)は、予測単位で指定される。
【0008】
考慮対象の符号化ブロックCBに対し、様々な分割モードが存在する。図1Aは、例えば、考慮対象の符号化ブロックCBに対するインター予測の場合の、考慮対象の符号化ブロックCBの様々な分割モードを示す。4つの前記分割モードが存在する。
− PART_2N×2Nモードは、考慮対象の符号化ブロックCBの分割無しに相当し、したがって、このブロックは単一の予測ブロックPBに相当し、
− PART_2N×Nモードは、2つの長方形の予測ブロックPBおよびPBへの考慮対象の符号化ブロックCBの水平分割に相当し、
− PART_N×2Nモードは、2つの長方形の予測ブロックPBおよびPBへの考慮対象の符号化ブロックCBの垂直分割に相当し、
− PART_N×Nモードは、すべてが同じサイズを有する4つの正方形の予測ブロックのPB、PB、PB、PBへの考慮対象の符号化ブロックCBの分割に相当する。
【0009】
考慮対象の符号化ブロックCBの予測符号化後、考慮対象の符号化ブロックCBは、複数のより小さなブロックTB、TB、・・・、TB、・・・、TB(1≦v≦Q)に再び分割することができ、これらの複数のより小さなブロックは、変換ブロックと呼ばれる。そのような分割は、「残余四分木(residual quadtree)」と呼ばれる「四分木」タイプのツリーに適合し、残余四分木では、前記ツリーのリーフはそれぞれ、様々なレベルの分割深度で得られる符号化ブロックTB、TB、・・・、TB、・・・、TBを表す。
【0010】
図1Aは、PART_N×N分割を用いて予測された符号化ブロックCBの例示的な分割を示す。示される例では、符号化ブロックCBのブロックPBおよびPBは各々、例えば、すべてが同じサイズを有する4つのより小さな正方形のブロックTB、TB、TB、TBおよびTB、TB、TB、TBのそれぞれに分割される。図1Aでは、そのような分割は破線で表される。
【0011】
図1Bは、前記ブロックの予測符号化および変換符号化後に得られた考慮対象のブロックCTBの例示的な分割ならびに対応する分割ツリーを示す。示される例では、
− 符号化ツリーのルートと見なされるブロックCTBは、太い実線で表され、
− 一方では符号化ツリーのリーフを構成し、他方では「残余四分木」ツリーのルートを構成する符号化ブロックCB〜CB16は、細い実線で表され、
− 「残余四分木」ツリーのリーフを構成する変換ブロックTB〜TB16は、破線で表される。
【0012】
このように構成されたツリー的構造には、
− 単にブロックCB〜CBなどの符号化ブロックを含む、第1のレベルの分割深度NP1と、
− 第2のレベルの分割深度NP2であって、
− ブロックCBの分割の完了時に得られるブロックCB〜CBおよびブロックCBの分割の完了時に得られるブロックCB〜CB12などの符号化ブロック、
− ブロックCBの分割の完了時に得られるブロックTB〜TBなどの変換ブロック
を含む、第2のレベルの分割深度NP2と、
− 第3のレベルの分割深度NP3であって、
− ブロックCB10の分割の完了時に得られるブロックCB13〜CB16などの符号化ブロック、
− ブロックCBの分割の完了時に得られるブロックTB〜TB、ブロックTBの分割の完了時に得られるブロックTB〜TB12、ブロックCB12の分割の完了時に得られるブロックTB12〜TB16などの変換ブロック
を含む、第3のレベルの分割深度NP3と
が存在する。
【0013】
HEVC対応コーダでは、考慮対象のブロックCTBに対し、最善の分割、すなわち、当業者には既知の基準である既定の符号化性能基準(例えば、レート/歪みコストまたはそうでなければ効率/複雑性の妥協)に従って、考慮対象のブロックCTBの符号化を最適化する分割、を選択する目的で、前記ブロックのいくつかの異なる分割をコーダで競争させる、すなわち、分割反復の異なるそれぞれの組合せを競争させる。
【0014】
考慮対象のブロックCTBの最適な分割が行われた時点で、例えば、この最適な分割を表現するビット列などのデジタル情報シーケンスは、映像デコーダによって読み取られることを意図して、ストリームで送信される。
【0015】
そのようなストリームは、
− 量子化された残余ブロックの係数である残余データ、および、任意選択により、インターモードで符号化する際は、動きベクトルの残余データ、
− 使用される符号化モードを表現する符号化パラメータ、具体的には、
− 予測モード(イントラ予測、インター予測、デフォルト予測(デコーダに情報が送信されない予測を行う、すなわち、「スキッピング」))、
− 予測タイプを指定する情報(向き、参照画像成分など)、
− 変換タイプ(例えば、4×4DCT、8×8DCTなど)、
− 必要ならば、動き情報、
− その他
も含む。
【0016】
より具体的には、3D HEVC技術では、既に符号化され、次に復号された少なくとも1つの第2の画像成分に対して第1の画像成分を符号化することが提案されており、前記第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものである。
【0017】
前述の第1および第2の画像成分はそれぞれ、現開発の対象であるMVD(「多視点映像+深度」)と呼ばれる新しい映像符号化形式で実装されるような、例えば、テクスチャ成分およびその関連深度成分である。
【0018】
あるいは、前述の第1および第2の画像成分はそれぞれ、深度成分およびその関連テクスチャ成分であり得る。
【0019】
3D HEVC技術によれば、第1および第2の成分は各々、複数のブロックに分割され、その後、上記で説明されるように分割される。そのような分割処理は、その全体をまずは第2の成分上で実行し、次いで、第1の成分上で実行しなければならないため、コーダでの計算面において非常にコストがかかることが判明している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】B.Bross,W.−J.Han,J.−R.Ohm,G.J.Sullivan,and T.Wiegand,“High efficiency video coding(HEVC)text specification draft 6,”document JCTVC−H1003 of JCT−VC,San Jose CA,USA,February 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的の1つは、前述の先行技術の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このため、本発明の対象は、少なくとも1つの第2の画像成分の参照ブロックに対して第1の画像成分の少なくとも1つの現在ブロックを符号化するための方法であって、第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものであり、参照ブロックは、予め分割により符号化され、次に復号され、参照ブロックの分割は、決定された分割深度レベルが得られるまで複数回実行される、方法に関する。
【0023】
そのような符号化方法は、第1および第2の画像成分のタイプの関数として、
− 参照ブロックの分割レベルに応じた分割深度レベルが得られるまで、現在ブロックを複数回分割すること、
− または、参照ブロックの分割深度レベルに応じた分割深度レベルまで予め初期化された分割深度レベルに基づいて現在ブロックを分割すること
を含むステップを含むことを特徴とする。
【0024】
したがって、そのような規定により、第1および第2の画像成分の性質に従って、
− 既定の符号化性能基準(例えば、レート/歪みコストなど)に適合するため、十分と見なされる分割深度レベルで、現在ブロックの分割についての一連の処理を停止すること、
− または、参照ブロックの分割深度レベルのものに近い既に確立された分割深度レベルに基づいて現在ブロックを直接分割すること
が可能になる。
【0025】
この結果、コーダでの計算の複雑性において無視できないほどの低減をもたらし、これは、第1および第2の画像成分が全く同じ場面を表すものであるということにより可能になる。
【0026】
第1および第2の画像成分は画像の一部分ではなく、全く同じ場面を表す完全な画像の2つの異なる視点を表すことに留意されたい。
【0027】
1つの特定の実施形態によれば、複数回、現在ブロックを分割するステップは、第1の画像成分が深度画像であり、第2の画像成分が深度画像と関連付けられたテクスチャ画像である際に実装され、現在ブロックおよび参照ブロックはそれぞれ、第1の画像成分および第2の画像成分において同一の場所を有する。
【0028】
そのような規定により、テクスチャ画像に対して深度画像が符号化される際、コーダでの計算面における複雑性の低減が可能になる。
【0029】
別の特定の実施形態によれば、予め初期化された分割深度レベルに基づいて現在ブロックを分割するステップは、第1の画像成分がテクスチャ画像であり、第2の画像成分がテクスチャ画像と関連付けられた深度画像である際に実装され、現在ブロックおよび参照ブロックはそれぞれ、第1の画像成分および第2の画像成分において同一の場所を有する。
【0030】
そのような規定により、深度画像に対してテクスチャ画像が符号化される際、コーダでの計算面における複雑性の低減が可能になる。
【0031】
当然ながら、他のタイプの第1および第2の画像成分を想定することもできる。
【0032】
したがって、第1および第2の画像成分はそれぞれ、
− 全く同じ多視点画像の2つの視点であって、同じ瞬間または異なる瞬間の同じ場面を表す、2つの視点、
− 輝度成分およびクロマ成分、あるいはそうでなければ、
− スケーラブル映像符号化の間の2つの異なる層であって、現在ブロックおよび参照ブロックはそれぞれ、第1の画像成分および第2の画像成分において同一の場所を有する、2つの異なる層
であり得る。
【0033】
また、第2の画像成分および第3の画像成分に対する第1の画像成分の符号化を想定することも可能である。この場合、例えば、
− 第1の画像成分はY成分であり得る、
− 第2の画像成分はU成分であり得る、
− 第3の画像成分はV成分であり得る。
【0034】
また、本発明は、少なくとも1つの第2の画像成分の参照ブロックに対して第1の画像成分の少なくとも1つの現在ブロックを符号化するための装置であって、第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものであり、参照ブロックは、予め分割により符号化され、次に復号され、参照ブロックの分割は、決定された分割深度レベルが得られるまで複数回実行される、装置にも関する。
【0035】
そのような符号化装置は、
− 参照ブロックの分割レベルに応じた分割深度レベルが得られるまで、現在ブロックを複数回分割するように適合される現在ブロックを分割するための第1の手段、
− 参照ブロックの分割深度レベルに応じた分割深度レベルまで予め初期化された現在ブロックの分割深度レベルに基づいて現在ブロックを分割するように適合される現在ブロックを分割するための第2の手段
を備え、第1および第2の分割手段は、第1および第2の画像成分のタイプの関数として選択的に実施されるという点に関して注目すべきものである。
【0036】
1つの特定の実施形態によれば、第1の分割手段は、第1の画像成分が深度画像であり、第2の画像成分が深度画像と関連付けられたテクスチャ画像である際に実施され、現在ブロックおよび参照ブロックはそれぞれ、第1の画像成分および第2の画像成分において同一の場所を有する。
【0037】
別の特定の実施形態によれば、第2の分割手段は、第1の画像成分がテクスチャ画像であり、第2の画像成分がテクスチャ画像と関連付けられた深度画像である際に実施され、現在ブロックおよび参照ブロックはそれぞれ、第1の画像成分および第2の画像成分において同一の場所を有する。
【0038】
本発明は、さらに、コンピュータ上で実行される際、本発明による符号化方法を実装するための命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0039】
このプログラムは、いかなるプログラミング言語も使用することができ、ソースコード、オブジェクトコードまたはソースコードとオブジェクトコードの中間のコードの形式(部分的にコンパイルされた形式または他の任意の望ましい形式など)であり得る。
【0040】
また、本発明は、コンピュータプログラムが記録されたコンピュータによって読み取ることができる記録媒体であって、このプログラムは、上記で説明されるような、本発明による符号化方法の実装に適した命令を含む、記録媒体も目的とする。
【0041】
情報媒体は、プログラムの格納が可能ないかなる実体または装置でもあり得る。例えば、媒体は、ROM(例えば、CD−ROMまたは超小型電子回路ROM)またはそうでなければ磁気記録手段(例えば、USBキーまたはハードディスク)などの格納手段を備え得る。
【0042】
その上、情報媒体は、電気または光信号などの伝送媒体であり得、電気または光ケーブルを介して、電波によって、または、他の手段によって搬送することができる。本発明によるプログラムは、具体的には、インターネットタイプのネットワークにアップロードすることができる。
【0043】
あるいは、情報媒体は、プログラムが組み込まれる集積回路であり得、回路は、本方法を実行するかまたは本方法の実行に使用されるように適合される。
【0044】
前述の符号化装置および対応するコンピュータプログラムは、本発明による符号化方法によって与えられるものと少なくとも同じ利点を呈する。
【0045】
他の特性および利点については、図面を参照して説明される好ましい実施形態を読み進めると同時に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1A】HEVC技術によるブロックの分割についての一連の処理を示す。
図1B】前記ブロックの予測および変換後に得られた符号化ブロックの例示的な分割、ならびに、対応する予測および変換ツリーを示す。
図2A】本発明による符号化方法のステップを示す。
図2B】本発明による符号化方法のステップを示す。
図3】本発明による符号化装置の一実施形態を示す。
図4A】既に符号化され、次に復号された画像成分の参照ブロックの例示的な分割、および、実行された分割を表現するツリーを示す。
図4B図4Aに示される参照ブロックの分割に対して符号化すべき画像成分の現在ブロックの例示的な分割、および、実行された分割を表現するツリーを示す。
図4C図4Aに示される参照ブロックの分割に対して符号化すべき画像成分の現在ブロックの別の例示的な分割、および、実行された分割を表現するツリーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここでは、起草されている3D HEVC規格に従って符号化することによって得られるものに近いバイナリストリームに従って画像シーケンスを符号化するために本発明による符号化方法が使用される本発明の一実施形態について説明する。この実施形態では、本発明による符号化方法は、例えば、最初は3D HEVC規格に準拠するコーダに対する変更によって、ソフトウェアまたはハードウェアを使用して実装される。本発明による符号化方法は、図2Aおよび2Bに示されるように、ステップC1〜C4a)またはそうでなければC1〜C4b)を含むアルゴリズムの形態で表される。
【0048】
本発明の実施形態によれば、本発明による符号化方法は、図3に示される符号化装置COにおいて実装される。
【0049】
上記の記述で説明されるように、図2および3を参照すると、本発明による符号化方法は、より具体的には、符号化すべき画像のシーケンスの参照画像成分である(すなわち、予め符号化され、次に復号された)少なくとも1つの第2の画像成分CI21に対して、符号化すべき画像のシーケンスSの現成分(CI11、CI21)、・・・、(CI1W、CI2W)である第1の画像成分CI11を符号化するステップを含む。第1の画像成分CI11は、第2の画像成分CI21と関連付けて取得され、第1および第2の画像成分は、全く同じ場面を表現するものである。
【0050】
今まさに符号化された画像成分CI21がテクスチャ画像であり、画像成分CI21と関連付けられた符号化すべき画像成分CI11が深度画像である場合、本来既知の方法において、シーケンスSの成分CI21、・・・、CI2Wが最初に符号化され、次に復号される。次に、シーケンスSの成分CI11、・・・、CI1Wがそれらの成分の処理時に次々と符号化される。
【0051】
様々なSVC層またはYUV成分などの他のタイプの成分の場合、処理は、本来既知の方法において、成分CI21の符号化/復号、次いで、成分CI21に対する成分CI11の符号化など(成分CI2Wの符号化/復号、次いで、成分CI2Wに対する成分CI1Wの符号化まで)を伴う。
【0052】
図2Aに示されるステップC1の間、処理は、本来既知の方法において、画像成分CI21の分割による符号化を伴う。
【0053】
図2Aに示されるサブステップC11の間、画像成分CI21は、サイズ64×64画素(1≦i≦L)の複数のブロックCTBr、CTBr、・・・、CTBr、・・・、CTBrに分割される。そのような分割は、図3に示される分割ソフトウェアモジュールMPCIによって実行される。
【0054】
本発明の意義の範囲内では、用語「ブロック」は、符号化単位を意味することに留意されたい。「ブロック」という用語は、具体的には、HEVC規格で、例えば、文献“B.Bross,W.−J.Han,J.−R.Ohm,G.J.Sullivan,and T.Wiegand,“High efficiency video coding(HEVC)text specification draft 6,”document JCTVC−H1003 of JCT−VC,San Jose CA,USA,February 2012”で使用される。
【0055】
具体的には、そのような符号化単位は、ブロック、マクロブロックとも呼ばれる長方形もしくは正方形状の画素セット、またはそうでなければ、他の幾何学的形状を呈する画素セットを一緒に分類する。
【0056】
図2Aに示されるサブステップC12の間、画像成分CI21のブロックCTBrが選択される。
【0057】
図2Aに示されるサブステップC13の間、選択されたブロックCTBrは、複数の符号化ブロックBr、Br、・・・、Br、・・・、Br(1≦j≦M)に分類される。
【0058】
前述の分割は、決定された分割深度レベルk(k≧0)が得られるまで複数回実行されるように適合され、選択されたブロックCTBrに対して得られた最終的な分割は、符号化性能基準(例えば、具体的には、レート/歪みコスト)を最適化する。
【0059】
前記分割は、図3に示される分割ソフトウェアモジュールMP1によって実装される。
【0060】
図2Aに示されるサブステップC14の間、選択されたブロックCTBrの分割深度レベルは、値kに初期化される。
【0061】
ステップC12〜C14は、ブロックセットCTBr、CTBr、・・・、CTBrに対して繰り返される。
【0062】
図4Aでは、ブロックCTBrの例示的な分割が示される。
【0063】
示される例では、実行される分割は、上記の記述で説明されるような「四分木」タイプのツリーに適合し、分割深度レベルkは、3に初期化される。
【0064】
当然ながら、他のタイプのツリーを想定することもできる。
【0065】
図4Aを参照すると、所定のブロックCTBrに対し、このブロックは、符号化ツリーACrのルートを構成すると見なされ、
− ルート配下の第1のレベルのリーフは、ブロックCTBrが1回目に複数の符号化ブロック(例えば、4つの符号化ブロックBr、Br、Br、Br)に分割される、ブロックCTBrの第1のレベルの分割深度に相当し、
− 第1のレベルのリーフ配下の第2のレベルのリーフは、1回目に分割されたブロックCTBrが2回目に複数の符号化ブロック(例えば、ブロックBrの分割から生じる4つの符号化ブロックBr、Br、Br、Br)に分割される、ブロックCTBrの第2のレベルの分割深度に相当し、
− 第2のレベルのリーフ配下の第3のレベルのリーフは、2回目に分割されたブロックCTBrが3回目に複数の符号化ブロック(例えば、ブロックBrの分割から生じる4つの符号化ブロックBr、Br10、Br11、Br12)に分割される、ブロックCTBrの第3のレベルの分割深度に相当する。
【0066】
図2Aに示されるステップC2の間、処理は、ブロックCTBr、CTBr、・・・、CTBr、・・・、CTBrのそれぞれで実行された分割を表現するものであるビットSr、Sr、・・・、Sr、・・・、SrのL個のシーケンスの生成を伴う。また、処理は、ブロックCTBr、CTBr、・・・、CTBr、・・・、CTBrの復号バージョンの生成も伴い、それらは、図2および3では、CTBDr、CTBDr、・・・、CTBDr、・・・、CTBDrで示される。そのような復号ブロックは、具体的には、成分CI11などの後続の画像成分を符号化するためにコーダCOで再利用することが意図される。
【0067】
バイナリシーケンスを生成するそのようなステップは、図3に示されるエントロピコーダCEによって実装される。
【0068】
前述の復号ステップは、その一部が、図3に同様に示される復号モジュールMDによって実装される。
【0069】
図2Bを参照すると、本発明によれば、第1および第2の画像成分CI11およびCI21のタイプの関数として、分割による符号化に対し、2つの代替手段C3a)およびC3b)が想定される。
【0070】
例えば、今まさに符号化された画像成分CI21がテクスチャ画像であり、画像成分CI21と関連付けられた符号化すべき画像成分CI11が深度画像である場合、以下の符号化代替手段C3a)が選択される。
【0071】
図2Bに示されるサブステップC31a)の間、画像成分CI11は、サイズ64×64画素(1≦u≦S)の複数のブロックCTB、CTB、・・・、CTB、・・・、CTBに分割される。そのような分割ステップは、図3に示される分割モジュールMPCIによって実装される。
【0072】
図2Bに示されるサブステップC32a)の間、予め符号化され、次に復号された画像成分CI21のブロックCTBr、CTBr、・・・、CTBr、・・・、CTBrの中から選択された少なくとも1つの符号化され、次に復号された参照ブロックに対して、符号化すべき現在ブロックとして画像成分CI11のブロックCTBが選択される。以下に続く記述では、選択された参照ブロックは、例えば、ブロックCTBrであると考えられ、現在ブロックCTBおよび参照ブロックCTBrはそれぞれ、第1の画像成分CI11および第2の画像成分CI21において同一の場所を有する。
【0073】
図2Bに示されるサブステップC33a)の間、選択されたブロックCTBは、複数のブロックB、B、・・・、B、・・・、B(1≦f≦G)に分割される。
【0074】
本発明によれば、ブロックCTBの分割は、参照ブロックCTBrの分割深度レベルkに応じたレベルk’(k’≧0)が得られるまで複数回実行される。
【0075】
そのような依存関係は、方程式k’=ak+bで表現され、式中、aおよびbは、コーダで事前に決定される相対整数である。
【0076】
したがって、そのような依存関係は、符号化におけるブロックCTBの過剰回数の再分割を回避することを可能にし、この過剰回数の再分割は、依然として符号化性能基準(例えば、レート/歪みコストなど)に従ったままの状態のブロックCTBの分割を得ることに成功する一方で、複雑性の面で。
【0077】
前記分割は、図3に示される前記第1の分割ソフトウェアモジュールMP1によって実装される。
【0078】
ステップC32a)〜C33a)は、ブロックCTB、CTB、・・・、CTBの全セットに対して繰り返される。
【0079】
ブロックCTBの例示的な分割は、図4Bに示される。
【0080】
示される例では、現在ブロックCTBの分割は、深度レベルk’=2で実行され、深度レベルk’=2は、参照ブロックCTBrの分割深度レベルkより低い。このため、関係k’=ak+bでは、aおよびbは、コーダにおいて、次のように、すなわち、a=1およびb=−1であるように、あらかじめ固定されている。
【0081】
当然ながら、想定される符号化コンテキスト(例えば、画像成分CI11およびCI21のコンテンツなど)に従って、分割深度レベルk’は、2つ以上の分割深度レベル分、分割深度レベルkより低いことも、高いこともあり得る。依存関係k’=ak+bは、符号化の間に遭遇する状況に従って分割深度レベルk’への適合におけるある程度の柔軟性を可能にするため、この意味で特に有利である。
【0082】
図4Bを参照すると、所定の現在ブロックCTBに対し、このブロックは、符号化ツリーACのルートを構成すると見なされ、
− ルート配下の第1のレベルのリーフは、ブロックCTBが1回目に複数の符号化ブロック(例えば、4つの符号化ブロックB、B、B、B)に分割される、ブロックCTBの第1のレベルの分割深度に相当し、
− 第1のレベルのリーフ配下の第2のレベルのリーフは、1回目に分割されたブロックCTBが2回目に複数の符号化ブロック(例えば、Bの分割から生じる4つの符号化ブロックB、B、B、B)に分割される、ブロックCTBの第2のレベルの分割深度に相当する。
【0083】
したがって、示される例では、ブロックBは、参照ブロックCTBrのブロックBrのように4つのブロックには再分割されていない。
【0084】
図2Bに示されるステップC4a)の間、処理は、ブロックCTB、CTB、・・・、CTB、・・・、CTBのそれぞれで実行された分割を表現するものであるビットS、S、・・・、S、・・・、SのS個のシーケンスの生成を伴う。また、処理は、ブロックCTB、CTB、・・・、CTB、・・・、CTBの復号バージョンの生成も伴い、それらは、図2Bでは、CTBD、CTBD、・・・、CTBD、・・・、CTBDで示される。そのような復号ブロックは、後続の画像成分を符号化するためにコーダCOで再利用することが意図される。
【0085】
バイナリシーケンスを生成するそのようなステップは、図3に示されるエントロピコーダCEによって実装される。
【0086】
前述の復号ステップは、その一部が、図3に同様に示される復号モジュールMDによって実装される。
【0087】
ここでは、本発明に従って想定される分割による符号化のための第2の代替手段C3b)について、図2Bを参照して説明する。
【0088】
そのような代替手段は、例えば、今まさに符号化された画像成分CI21が深度画像であり、画像成分CI21と関連付けられた符号化すべき画像成分CI11がテクスチャ画像である場合に想定される。
【0089】
図2Bに示されるサブステップC31b)の間、画像成分CI11は、サイズ64×64画素(1≦u≦S)の複数のブロックCTB’、CTB’、・・・、CTB’、・・・、CTB’に分割される。そのような分割ステップは、図3に示される分割モジュールMPCIによって実装される。
【0090】
図2Bに示されるサブステップC32b)の間、予め符号化された画像成分CI21のブロックCTBr、CTBr、・・・、CTBr、・・・、CTBrの中から選択された少なくとも1つの符号化され、次に復号された参照ブロックに対して、符号化すべき現在ブロックとして画像成分CI11のブロックCTB’が選択される。以下に続く記述では、選択された参照ブロックは、例えば、ブロックCTBrであると考えられ、現在ブロックCTB’および参照ブロックCTBrはそれぞれ、第1の画像成分CI11および第2の画像成分CI21において同一の場所を有する。
【0091】
図2Bに示されるサブステップC33b)の間、処理は、分割深度レベルk’=ak+bに基づく、ブロックCTB’の分割深度レベルの初期化を伴う。
【0092】
このため、図2Bに示されるサブステップC34b)の間、ブロックCTB’は、予め初期化された分割深度レベルk’に基づいて、複数の符号化ブロックB’、B’、・・・、B’、・・・、B’(1≦g≦H)に直接分割される。ブロックCTB’の分割の中間のステップはこうして回避され、それにより、符号化の間、計算面における複雑性が著しく低減される。
【0093】
ブロックCTB’の分割のステップC34b)に続いて、ブロックCTB’は、再び、コーダで既定の分割深度レベルが得られるまで複数回分割することができる。
【0094】
前記分割は、図3に示される第2の分割ソフトウェアモジュールMP2によって実装される。
【0095】
ステップC32b)〜C34b)は、ブロックCTB’、CTB’、・・・、CTB’の全セットに対して繰り返される。
【0096】
ブロックCTB’の例示的な分割は、図4Cに示される。
【0097】
この例では、現在ブロックCTB’を符号化するために使用された参照ブロックCTBrは、図4Aに示されるように分割されているものと考えられる。
【0098】
図4Cに示される例では、現在ブロックCTB’の分割は、深度レベルk’=4に基づいて実行され、深度レベルk’=4は、参照ブロックCTBrの分割深度レベルkより高い。このため、関係k’=ak+bでは、aおよびbは、コーダにおいて、次のように、すなわち、a=1およびb=1であるように、あらかじめ固定されている。上記の記述で説明してきたように、分割深度レベルk’の他の選択は、映像コンテキストに従って可能である。具体的には、分割深度レベルk’は、2つ以上の分割深度レベル分、分割深度レベルkより低いことも、高いこともあり得る。
【0099】
図4Cを参照すると、所定の現在ブロックCTB’に対し、このブロックは、符号化ツリーAC’のルートを構成すると見なされ、
− ルート配下の第1のレベルのリーフは、ブロックCTB’が1回目に複数の符号化ブロック(例えば、4つの符号化ブロックB’、B’、B’、B’)に分割される、ブロックCTB’の第1のレベルの分割深度に相当し、
− 第1のレベルのリーフ配下の第2のレベルのリーフは、1回目に分割されたブロックCTB’が2回目に複数の符号化ブロック(例えば、ブロックB’の分割から生じる4つの符号化ブロックB’、B’、B’、B’)に分割される、ブロックCTB’の第2のレベルの分割深度に相当し、
− 第2のレベルのリーフ配下の第3のレベルのリーフは、2回目に分割されたブロックCTB’が3回目に複数の符号化ブロック(例えば、ブロックB’の分割から生じる4つの符号化ブロックB’、B’10、B’11、B’12)に分割される、ブロックCTB’の第3のレベルの分割深度に相当し、
− 第3のレベルのリーフ配下の第4のレベルのリーフは、3回目に分割されたブロックCTB’が4回目に複数の符号化ブロック(例えば、ブロックB’11の分割から生じる4つの符号化ブロックB’13、B’14、B’15、B’16)に分割される、ブロックCTB’の第4のレベルの分割深度に相当する。
【0100】
したがって、示される例では、ブロックB’11は、参照ブロックCTBrのブロックBr11とは対照的に、4つのブロックに分割されている。
【0101】
図2Bに示されるステップC4b)の間、処理は、ブロックCTB’、CTB’、・・・、CTB’、・・・、CTB’のそれぞれで実行された分割を表現するものであるビットS’、S’、・・・、S’、・・・、S’のS個のシーケンスの生成を伴う。また、処理は、ブロックCTB’、CTB’、・・・、CTB’、・・・、CTB’の復号バージョンの生成も伴い、それらは、図2Bでは、CTBD’、CTBD’、・・・、CTBD’、・・・、CTBD’で示される。そのような復号ブロックは、後続の画像成分を符号化するためにコーダCOで再利用することが意図される。
【0102】
バイナリシーケンスを生成するそのようなステップは、図3に示されるエントロピコーダCEによって実装される。
【0103】
前述の復号ステップは、その一部が、図3に同様に示される復号モジュールMDによって実装される。
【0104】
上記で説明してきた実施形態は、単に完全に非限定的なものを示すものとして与えているものであり、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者が多くの変更形態を容易に導入できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0105】
CTB ブロック
CB 符号化ブロック
CI 画像成分
S 分割を表現するビット
CTBD 復号ブロック
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C