(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6517765
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】低床介護用ベッドの無段階昇降機構
(51)【国際特許分類】
A61G 7/012 20060101AFI20190513BHJP
【FI】
A61G7/012
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-172274(P2016-172274)
(22)【出願日】2016年8月17日
(65)【公開番号】特開2018-27283(P2018-27283A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】515007235
【氏名又は名称】金城 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】金城 哲夫
【審査官】
小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0038360(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第2292124(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/002−7/018
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低床介護用ベッドに関し、センター支柱を基台に固定しそれにスライドする中シャフト及び外シャフトを差し込み、上下基台に設けられたレール上を移動する台車に接続されたXバーを、上基台に水平に設置された左右逆スクリュのスクリュシャフトを有するライナーリニアアクチュエーターでXバーを作動させ、Xバーの作動によって上基台に固定された床を吊る外シャフトが上下することによってベッド床が上下する低床介護用ベッドの昇降機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、閉塞感のない低床介護用ベッドの昇降機構に関する
【背景技術】
【0002】
従来の介護用ベッドはベッド床下に昇降機構を設けるために、昇降用アクチュエーターのスペースが必要でその分低床には限界があった。従って介護用ベッドを低床にするには昇降機構を別の場所に設置する必要があり、頭側及び足側に設置するような機構が取り入れられている。それらはアクチュエーターを垂直に設置し、直接ベッド床を昇降させる仕組みになっている為ボードが高くなって閉塞感が生じる。
図4参照。又ワイヤーを介して昇降する機構もあるが、ワイヤーの切断トラブルも生じる。
【0003】
市販品の図と説明
図4に示すようにアクチュエーターを垂直に設置しているためベッド床の高さはアクチュエーターのストロークによって制約される。ベッド床を高く上げるにはアクチュエーターのストロークも長くなり、従ってボードも高くなる。通常ベッド床を60cm以上に上げるのにはアクチュエーターの長さは75cm以上なければならない。従ってボードの高さも高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上述べたように、これには次のような欠陥があった。介助される患者はベッドの上での生活がほとんどであるので出来るだけ開放的な住環境が望まれる。各ボードが高いと視界が遮られて閉塞感を与えてしまう。これはアクチュエーターを垂直に設置するとどうしても避けることが出来ない。
【0005】
このような従来の低床介護用ベッドのボードが高くなるのは、支柱が二重だけであるのにも原因がある。ベッド床を介助に必要なベッド丈を最高位にした時、固定支柱とベッド床を吊るすスライド支柱の合わせ目に十数センチの重なりが必要になるため、その分支柱の高さが高くなり、介助に必要な高さを確保するにはアクチュエーターのストロークも長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記の目的を達成するために頭側及び足側に昇降機構を設置することを基本に、センター支柱と二重のスライドシャフトとXバーを配したライナースクリュアクチュエーターを利用した昇降機構を設ける。
【0007】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわちライナースクリュアクチュエーターを水平に配することで昇降機構をコンパクトにすることができ、それを覆うボードを低くすることができる。
【0008】
また、センター支柱及び二重のスライドシャフトの構造を摂ることで低床化することができる。
【発明の効果】
【0009】
従来は垂直式アクチュエーターのストロークとベッド床の最高位は比例する。最低の高さから介助に無理のない高さにするにはストロークも長くなり、それを覆うボードも高く閉塞感があったが、本発明はライナースクリュアクチュエーターを水平に配し、Xバーを取り入れることによりストロークを短くすることでコンパクトに昇降機構を納められ、昇降機構を覆うボードも低くすることが出来て閉塞感を緩和することができる。
【0010】
センター支柱及び二重のスライドシャフトを配し支柱を三重にすることで介助に必要な低床から高床まで無段階昇降することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】 本発明の実施形態による下降時の昇降機の正面断面図
【
図3】 本発明の実施形態による昇高時の昇降機の正面断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明実施の形態を
図1〜
図3に基づいて説明する
【0013】
上記の目的を達成するために基台(4)の両端に
図1に示すようにセンター支柱(1)を固定し、それに上下にスライドする中シャフト(2)を挿入し、外シャフト(3)の上部を上基台(8)に固定し、その上基台(8)に上レール(9)を取り付けそれにスクリュナット内蔵台車(13)を取り付ける。更に上基台(8)の中心にライナースクリュアクチュエーター(12)を設置し、その両端から出ている左右スクリュシャフト(10)(11)をスクリュナット内蔵台車(13)に通し、Xバー(7)の上部をそのスクリュナット内蔵台車(13)に固定し、またXバー(7)の下端を下台車(14)に固定する。更に上基台(8)に固定された外シャフト(3)の外側にあるベッド床吊フック(15)にベッド床(19)をベッド床掛け金具(18)で吊るされる。
【0014】
ライナースクリュアクチュエーターから左右に出ているスクリュシャフトは左巻きの左スクリュシャフト((10)と右巻きの右スクリュシャフト(11)になっている。
【符号の説明】
【0015】
1 センター支柱
2 中シャフト
3 外シャフト
4 基台
5 下基台
6 下レール
7 Xバー
8 上基台
9 上レール
10 左スクリュシャフト
11 右スクリュシャフト
12 ライナースクリュアクチュエーター
13 スクリュナット内蔵台車
14 下台車
15 ベッド床吊りフック
16 ベッド固定台
17 フロアー
18 ベッド床掛け金具
19 ベッド床
20 アクチュエーター
21 支柱
22 ボード