(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記着色剤の総重量%に対して、C.I.ピグメントレッド254を30〜80重量%及びC.I.ピグメントレッド177を10〜50重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
前記光重合開始剤の総重量%に対して、前記化学式2または化学式3のフルオレン基を含むオキシムエステル系光開始剤を10〜100重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
前記着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して、着色剤を5〜60重量%含み、前記アルカリ可溶性樹脂と光重合性化合物の総重量%に対して、光重合開始剤を0.1〜40重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳しく説明する。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含み、前記着色剤は、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド242の中から選択される1種以上を含み、かつ下記化学式1で表現されるキサンテン系染料及び金属錯体構造のアゾ系染料の中から選択される1種以上を含む着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、下記化学式2または化学式3のフルオレン基を含むオキシムエステル系光開始剤を含む光重合開始剤及び溶剤を含むことができる。
【0016】
着色剤
前記着色剤は、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177及びC.I.ピグメントレッド242の中から選択される1種以上を含み、かつ下記化学式1で表現されるキサンテン系染料及び金属錯体構造のアゾ系染料の中から選択される1種以上を含む。
【0017】
顔料
本発明において顔料は、C.I.ピグメントレッド254(以下、R254という)、C.I.ピグメントレッド177(以下、R177という)及びC.I.ピグメントレッド242(以下、R242という)の中から選択される1種以上を含む。
【0018】
R254は、透過度に優れた長所があるが、明暗比が高くなく、モル吸光率が低いため、着色剤の含量を高めなければならない短所がある。したがって、R254は、着色剤の総重量%に対して30〜80重量%含まれることが好ましい。R254が前記範囲未満で使用される場合、輝度の上昇幅が高くなく、前記範囲を超過して使用すれば、明暗比が低くなり、着色感光性樹脂組成物中の着色剤の比率が上昇するため、好ましくない。
【0019】
R177は、信頼性に優れ、微粒化が容易で、明暗比を高めるのに容易であるが、透過度が高くない。したがって、R177は、着色剤の総重量%に対して10〜50重量%含まれることが好ましい。R177が前記範囲未満で含まれれば、明暗比の上昇が非常に小さく、着色剤のうち染料の比率が上昇し、信頼性が悪くなり、前記範囲を超過する場合には、透過度が減少する。
【0020】
R242は、前記R254に比べて明暗比及び信頼性に優れているが、モル吸光率が低いため、着色剤の総重量%に対して5〜20重量%含まれることが好ましい。R242が前記範囲未満で使用される場合、輝度及び明暗比の上昇が非常に小さく、前記範囲を超過すれば、着色感光性樹脂組成物中の着色剤の比率が上昇するため、好ましくない。
【0021】
前記顔料は、粒径が均一に分散した顔料分散液を使用することが好ましい。顔料の粒径を均一に分散させるための方法の一例として、顔料分散剤を含有させて分散処理する方法等が挙げられ、この方法によれば、顔料が溶液中に均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
【0022】
前記顔料分散剤は、顔料の脱凝集及び安定性維持のために添加されるものであって、当該分野において一般的に使用されるものを制限なしに使用できる。
【0023】
前記顔料分散剤の具体的な例としては、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系、陽性、ポリエステル系、ポリアミン系等の界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記顔料分散剤として、好ましくは、BMA(ブチルメタアクリレート)またはDMAEMA(N、N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート)を含むアクリレート系分散剤(以下、アクリル分散剤という)を含有することが好適である。
この際、前記アクリル分散剤は、韓国公開特許第10−2004−0014311号公報で提示されたようなリビング制御方法によって製造されたものを適用することが好ましく、前記リビング制御方法を通じて製造されたアクリレート系分散剤の市販品としては、DISPER BYK−2000、DISPER BYK−2001、DISPER BYK−2070、DISPER BYK−2150等が挙げられる。
【0024】
前記例示されたアクリル分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】
前記顔料分散剤は、前記アクリル分散剤以外に、他の樹脂タイプの顔料分散剤を使用することもできる。前記他の樹脂タイプの顔料分散剤としては、公知の樹脂タイプの顔料分散剤、特にポリウレタン、ポリアクリレートに代表されるポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の(部分的)アミン塩、ポリカルボン酸のアンモニウム塩、ポリカルボン酸のアルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアミドホスフェート塩、ヒドロキシル基−含ポリカルボン酸のエステル及びこれらの改質生成物、またはフリー(free)カルボキシル基を有するポリエステルとポリ(低級アルキレンイミン)の反応によって形成されたアミドまたはこれらの塩のような乳質の分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレンコポリマー、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレートエステルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンのような水溶性樹脂または水溶性ポリマー化合物;ポリエステル;改質ポリアクリレート;エチレンオキシド/プロピレンオキシドの付加生成物及びホスフェートエステル等が挙げられる。
【0026】
前記樹脂タイプの顔料分散剤の市販品としては、例えば、BYK(ビック)ケミー社の商品名:DISPER BYK−160、DISPER BYK−161、DISPER BYK−162、DISPER BYK−163、DISPER BYK−164、DISPER BYK−166、DISPER BYK−171、DISPER BYK−182、DISPER BYK−184;BASF社の商品名:EFKA−44、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−4010、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4020、EFKA−4015、EFKA−4060、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4400、EFKA−4406、EFKA−4510、EFKA−4800;Lubirzol社の商品名:SOLSPERS−24000、SOLSPERS−32550、NBZ−4204/10;川研ファインケミカル社の商品名:ヒノアクト(HINOACT)T−6000、ヒノアクトT−7000、ヒノアクトT−8000;味の素社の商品名:アジスパー(AJISPUR)PB−821、アジスパーPB−822、アジスパーPB−823;共栄社化学社の商品名:フローレン(FLORENE)DOPA−17HF、フローレンDOPA−15BHF、フローレンDOPA−33、フローレンDOPA−44等が挙げられる。前記アクリル分散剤以外に、他の樹脂タイプの顔料分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用でき、アクリル分散剤と併用して使用してもよい。
【0027】
前記顔料分散剤の含量は、使用される顔料の総重量%に対して、5〜60重量%含まれることが好ましく、15〜50重量%含まれることがより好ましい。前記顔料分散剤の含量が前記範囲を超過すれば、粘度が高くなることがあり、前記範囲未満で含まれる場合には、顔料の微粒化が難しかったり、分散後、ゲル化等の問題を引き起こしたりすることがある。
【0028】
染料
本発明で染料は、下記化学式1で表現されるキサンテン系染料及び金属錯体構造のアゾ系染料の中から選択される1種以上を含む。
キサンテン系染料は、下記化学式1で表示され得る。
【0030】
前記化学式1で、
R
1〜R
6は、それぞれ独立して、水素、C1〜C5のアルキル基、またはトリアルコキシシリルアルキル基、R
7及びR
8は、それぞれ独立して、水素、COOH、COO
−、SO
3−、SO
3H、SO
3Na、COOCH
3またはCOOCH
2CH
3である。
【0031】
前記化学式1のキサンテン系染料は、透過率及び耐熱性に優れていて好ましいが、溶剤に対する溶解度及び相溶性が不足し、十分な量を着色感光性樹脂組成物内で使用しにくい。したがって、前記着色剤の総重量%に対して、5〜15重量%含まれることが好ましい。
前記キサンテン系染料が前記範囲未満で含まれる場合には、透過度の上昇幅が非常に小さく、前記範囲を超過する場合には、塗膜内に析出が発生しやすくて、明暗比が低下し、着色感光性樹脂組成物の貯蔵安定性が劣ることがある。
【0032】
前記染料の具体的な例としては、Acid Red 52、Basic Red 1、Basic Violet 10、Basic Violet11、Rhodamine B、Rhodamine 6G、Rhodamine 123、Sulforhodamine B等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、これら染料は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0033】
また、金属錯体構造のアゾ系染料の場合、一般アゾ系染料に比べて耐熱性及び溶解度に優れていて、明暗比に優れ、着色感光性樹脂組成物内の染料の含量を高めることができ、高輝度の達成が可能であった。
【0034】
金属錯体構造のアゾ系染料は、前記着色剤の総重量%に対して、5〜15重量%含むことが好ましい。金属錯体構造のアゾ系染料が前記範囲未満で含まれる場合には、明暗比及び透過率の上昇が非常に小さく、前記範囲を超過して含まれる場合には、全体耐熱性及び耐溶剤性等の信頼性の問題が発生しやすい。
【0035】
前記染料の具体的な例としては、C.I.Solvent Yellow 13、C.I.Solvent Yellow 19、C.I.Solvent Yellow 21、C.I.Solvent Yellow 25、C.I.Solvent Yellow 25:1、C.I.Solvent Yellow 81、C.I.Solvent Yellow 82、C.I.Solvent Yellow 88、C.I.Solvent Yellow 89、C.I.Solvent Yellow 90、C.I.Solvent Orange 5、C.I.Solvent Orange 20、C.I.Solvent Orange 40:1、C.I.Solvent Orange 41、C.I.Solvent Orange 45、C.I.Solvent Orange 54、C.I.Solvent Orange 56、C.I.Solvent Orange 58、C.I.Solvent Orange 62、C.I.Solvent Orange 81、C.I.Solvent Orange 99、C.I.Solvent Red 8、C.I.Solvent Red 83:1、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 90、C.I.Solvent Red 90:1、C.I.Solvent Red 91、C.I.Solvent Red 118、C.I.Solvent Red 119、C.I.Solvent Red 122、C.I.Solvent Red 127、C.I.Solvent Red 130、C.I.Solvent Red 132、C.I.Solvent Red 160、C.I.Solvent Red 234、C.I.Solvent Red 243、C.I.Solvent Violet 21:1、C.I.Solvent Violet 58、C.I.Solvent Blue 137等がある。
【0036】
前記着色剤の含量は、着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して、5〜60重量%含むことが好ましく、10〜45重量%含むことがより好ましい。前記着色剤が前記範囲以内の場合には、薄膜を形成しても、画素の色濃度が十分であり、現像時に非画素部の脱落性が低下しないため、残渣が発生しにくいので、好ましい。
【0037】
本発明で着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%とは、着色感光性樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分の全体含量を意味する。
【0038】
アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を必須成分として共重合して製造することによって、パターンを形成するときの現像処理工程で利用されるアルカリ現像液に対して可溶性を有することができる。
【0039】
また、前記染料との相溶性及び着色感光性樹脂組成物の貯蔵安定性を確保するために、アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜150mgKOH/gであることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂の酸価が、30mgKOH/g未満の場合、着色感光性樹脂組成物が十分な現像速度を確保しにくく、150mgKOH/gを超過する場合、基板との密着性が減少し、パターンの短絡が発生しやすくて、染料との相溶性に問題が発生し、着色感光性樹脂組成物内の染料が析出されたり、着色感光性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下したりし、粘度が上昇しやすい。
【0040】
前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体は、具体的な例として、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;フマル酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;及びこれらジカルボン酸の無水物;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシル基と水酸基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタアクリル酸が好ましい。
【0041】
アルカリ可溶性樹脂に水酸基を付与するためには、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合して製造することができ、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体にグリシジル基を有する化合物を追加で反応させて製造することができる。また、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合体に追加でグリシジル基を有する化合物を反応させて製造することができる。
【0042】
前記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体の具体的な例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を有することができる。
【0043】
前記グリシジル基を有する化合物の具体的な例として、ブチルグリシジルエーテル、グリシジルプロピルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリシジルブチレート、グリシジルメチルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジル4−t−ブチルベンゾエート、グリシジルステアレート、アリールグリシジルエーテル、メタアクリル酸グリシジルエステル等があり、このうち、ブチルグリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル、メタアクリル酸グリシジルエステルが好ましく、2種以上を組み合わせて使用できる。
【0044】
前記アルカリ可溶性樹脂の製造時に、前記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体に水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、及びグリシジル基を有する化合物以外に共重合可能な不飽和単量体を追加して重合することができる。共重合可能な不飽和単量体は、下記に例示されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0045】
共重合が可能な不飽和結合を有する重合単量体の具体的な例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド系化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート類;3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフルオロメチルオキセタン等の不飽和オキセタン化合物等がある。
【0046】
前記共重合可能な不飽和単量体として例示した単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0047】
アルカリ可溶性樹脂は、着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して、10〜80重量%含まれることが好ましく、10〜70重量%含まれることがより好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の含量が前記範囲以内の場合には、現像液への溶解性が十分で、パターン形成が容易であり、現像時に露光部の画素部分において膜減少が防止され、非画素部分の脱落性が良好になるので、好ましい。
【0048】
光重合性化合物
前記光重合性化合物は、下記光重合開始剤の作用により重合できる化合物であって、単官能単量体、二官能単量体または多官能単量体を使用でき、好ましくは、二官能以上の多官能単量体を使用できる。
【0049】
前記単官能単量体の具体的な例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたはN−ビニルピロリドン等があるが、これに限定されるものではない。
【0050】
前記二官能単量体の具体的な例としては、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテルまたは3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等があるが、これに限定されるものではない。
【0051】
前記多官能単量体の具体的な例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレイティドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレイティドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシレイティドジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシレイティドジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等があるが、これに限定されるものではない。
【0052】
前記光重合性化合物の含量は、着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して、5〜45重量%含まれることが好ましく、7〜45重量%含まれることがより好ましい。前記光重合性化合物が前記範囲内に含まれる場合には、画素部の強度と信頼性を向上させることができる。
【0053】
光重合開始剤
前記光重合開始剤は、下記化学式2または化学式3のフルオレン基を含むオキシムエステル系光開始剤を含む。
【0055】
前記化学式2で、
R
9は、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基であり;
R
10は、メチル基、エチル基、またはプロピル基であり;
R
11は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、またはフェニル基であり;
R
12〜R
18は、水素である。
【0056】
前記化学式2の光重合開始剤は、染料による感度及び透過率の低下を防止し、着色剤として染料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物が効果的な光重合特性を発現するようにする。
前記化学式2の光重合開始剤の例としては、SPI−02、SPI−03等がある。
【0058】
前記化学式3で、
m及びnは、0または1を示し、但し、mが1である場合、nは1であり、
R
19は、m=0であり、n=0である場合、水素、ハロゲン原子、ニトロ基、ハロゲン原子で置換され得るC1〜C8のアルキル基で置換されるスルホニルオキシ基、置換可能なフェニルスルホニルオキシ基、ハロゲン原子で置換され得るC1〜C8のアルキル基で置換されるスルホニル基、置換され得るスルホニル基、置換可能な複素環式スルホニル基、または置換可能な縮合環式スルホニル基を示し;
m=0であり、n=1である場合、置換可能なフェニル基、置換可能な複素環基、または置換可能な縮合環基を示し;
m=1であり、n=1である場合、ハロゲン原子で置換され得るC1〜C8のアルキル基で置換されるスルホニルオキシ基、または置換可能なフェニルスルホニルオキシ基を示し、
より具体的には、R
19は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、または下記の化学式で表記されるスルホニルオキシ基を含む。
【0060】
前記化学式で、R
26は、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖状のハロゲン化アルキル基であり、
R
27は、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アリール基、またはニトロ基であり、
R
28は、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、またはC1〜C4の直鎖状のハロゲン化アルキル基である。
【0061】
前記複素環式スルホニル基の具体的な化合物は、下記の化学式で表記される。
【化10】
【0062】
前記化学式で、R
29は、水素原子またはハロゲン原子、R
30は、水素原子、水酸基、またはC1〜C4の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシ基である。
【0063】
R
20及びR
21は、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C22の直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルキル基、C1〜C10の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、1以上のエーテル結合あるいはチオエーテルで中断されるC1〜C15の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、置換可能なフェニル基、またはC7〜C11のフェニルアルキル基を示
すか、
R
20とR
21が
水素ではない場合一緒に環を形成し
;
R
22は、下記化学式4または化学式5で示す。
【0066】
前記化学式4及び前記化学式5で、
R
23及びR
23’は、C1〜C17の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、C2〜C5の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、1以上のエーテル結合あるいはチオエーテル結合で中断されるC2〜C7の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、置換可能なフェニル基、置換可能なC7〜C11のフェニルアルキル基、置換可能なC7〜C10のフェニルオキシアルキル基、置換可能な複素環基、または置換可能な縮合環基を示し、
前記化学式4で、
R
24は、C1〜C17の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基、C1〜C7の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数1以上のエーテル結合あるいはチオエーテル結合で中断されたC2〜C7の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、置換可能なC2〜C4の直鎖状あるいは分岐状のアミノアルキル基、置換可能なフェニル基、置換可能なC7〜C11のフェニルアルキル基、1以上のエーテル結合あるいはチオエーテル結合で中断される置換可能なC7〜C10のフェニルアルキル基、置換可能な縮合環基、または置換可能な複素環基を示し、
前記化学式5で、
R
25は、C1〜C16の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基、C1〜C6の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、置換可能なフェニル基、置換可能なC7〜C10のフェニルアルキル基、1以上のエーテル結合あるいはチオエーテル結合で中断される置換可能なC7〜C9のフェニルアルキル基、置換可能な縮合環基、または置換可能な複素環基を示す。
【0067】
化学式4の具体的な化合物は、下記のように表記される。
【化13】
【0068】
前記化学式で、R
31は、C1〜C17の直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。
【0069】
前記化学式5の具体的な化合物は、下記のように表記される。
【0070】
前記化学式のうちR
32は、単結合、またはC1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、1個以上のエーテル結合、R
33〜R
37は、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルコキシ基、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキルチオ基、C1〜C4の直鎖状または分岐状のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アリール基、またはベンジル基を含み、
R
38は、水素原子、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルキル基、C1〜C4の直鎖状または分岐状のアルコキシ基、または水酸基を含む。
【0071】
より好ましくは、R
23またはR
23’は、メチル基であり、
R
22は、化学式4で示される基であって、R
24は、C1〜C7の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基、C1〜C5の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、置換可能なC2〜C4の直鎖状または分岐状のアミノアルキル基、置換可能なフェニル基、置換可能なC7〜C11のフェニルアルキル基、1以上のエーテルあるいはチオエーテル結合で中断される置換可能なC7〜C10のフェニルアルキル基、置換可能な縮合環基、または置換可能な複素環基である。
【0072】
より好ましくは、R
22は、化学式5で示す基であって、R
25’は、C1〜C6の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基、C1〜C4の直鎖状あるいは分岐状のハロゲン化アルキル基、置換可能なフェニル基、置換可能なC7〜C10のフェニルアルキル基、1以上のエーテル結合あるいはチオエーテル結合で中断される置換可能なC7〜C9フェニルアルキル基、置換可能な縮合環基、または置換可能な複素環基である。
【0073】
前記化学式3の光重合開始剤は、染料による感度及び透過率の低下を防止し、着色剤として染料を含む本発明の着色感光性樹脂組成物が効果的な光重合特性を発現するようにする。
【0074】
前記化学式3の光重合開始剤の例としては、UPI−03、UPI−22等がある。
【0075】
また、本発明の効果を損傷しない範囲内で、前記以外の光重合開始剤を追加で併用することもできる。代表的には、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ビイミダゾール系化合物、及びチオキサントン系化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物を使用することが好ましい。
【0076】
前記アセトフェノン系化合物の具体的な例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
【0077】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、0−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、3、3’、4、4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2、4、6−トリメチルベンゾフェノン等がある。
【0078】
前記トリアジン系化合物の具体的な例としては、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−ピペロニル−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1、3、5−トリアジン、2、4−ビス(卜リクロロメチル)−6−[2−(3、4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1、3、5−トリアジン等が挙げられる。
【0079】
前記ビイミダゾール化合物の具体的な例としては、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2、2−ビス(2、6−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニル−1、2’−ビイミダゾールまたは4、4’、5、5’位置のフェニル基がカルボアルコキシ基によって置換されているイミダゾール化合物等が挙げられる。これらのうち2、2’−ビス(2−クロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニルビイミダゾール、2、2−ビス(2、6−ジクロロフェニル)−4、4’、5、5’−テトラフェニル−1、2’−ビイミダゾールが好ましく使用される。
【0080】
前記チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等がある。
【0081】
また、前記光重合開始剤は、光重合開始補助剤をさらに含むことができる。本発明による着色感光性樹脂組成物は、光重合開始補助剤を含有することによって、感度がさらに高くなって、生産性を向上させることができる。
【0082】
前記光重合開始補助剤は、例えば、アミン化合物、及びカルボン酸化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく使用され得る。
【0083】
前記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物を使用することが好ましく、具体的にトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N、N−ジメチルパラトルイジン、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を使用できる。
【0084】
前記カルボン酸化合物は、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的にフェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0085】
前記光重合開始剤は、前記アルカリ可溶性樹脂と光重合性化合物の総重量%に対して、0.1〜40重量%含むことが好ましく、1〜30重量%含むことがより好ましい。前記光重合開始剤が前記範囲内に含まれる場合には、着色感光性樹脂組成物が高感度化され、露光時間が短縮されるので、生産性が向上し、高い解像度を維持できる。のみならず、前記範囲内で含まれる場合には、画素部の強度と前記画素部の表面においての平滑性が良好となることができる。
【0086】
また、前記化学式2または化学式3の光重合開始剤は、全体光重合開始剤の総重量%に対して10〜100重量%含まれることが好ましく、20〜100重量%含むことがより好ましい。化学式2または化学式3の光重合開始剤が前記範囲未満である場合、染料による感度低下が克服できず、現像工程中にパターンの短絡が発生しやすい。
【0087】
また、前記光重合開始補助剤をさらに使用する場合、前記光重合開始補助剤は、アルカリ可溶性樹脂と光重合性化合物の総重量%に対して、0.1〜40重量%含まれることが好ましく、1〜30重量%含まれることがより好ましい。光重合開始補助剤が前記範囲内で含まれる場合には、着色感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、前記組成物を使用して形成されるカラーフィルターの生産性が向上する効果を提供できる。
【0088】
溶剤
本発明の溶剤は、着色感光性樹脂組成物に含まれる他の成分を溶解させるのに効果的なものであれば可能であり、塗布性及び乾燥性の観点から、沸点が100℃〜200℃である有機溶剤が好ましい。より好ましくは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、ブチルラクテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等を利用できる。
【0089】
また、本発明によれば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの混合溶剤を使用することが好ましい。
【0090】
前記混合溶剤の場合、着色感光性樹脂組成物中の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの含量は、15〜45重量%が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含量は、20〜70重量%であることがより好ましい。
【0091】
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンの含量が、前記範囲内に含まれれば、着色感光性樹脂組成物のうち染料の析出による異物の発生や明暗比の減少がなく、着色感光性樹脂組成物の分散性が適切で、粘度の安定性が確保され得る。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、前記範囲内に含まれる場合には、染料を含む着色感光性樹脂組成物の粘度安定性が確保され得る。
【0092】
本発明の溶剤として、前記混合溶剤とともに着色感光性樹脂組成物に含まれる他の成分を溶解させるのに効果的な通常の着色感光性樹脂組成物で使用される溶剤を追加で混用して使用可能である。特に、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類またはアミド類等が好ましい。
【0093】
前記溶剤は、具体的に、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。
【0094】
本発明の溶剤は、着色感光性樹脂組成物の総重量%に対して60〜90重量%含まれることが好ましく、70〜85重量%含まれることがより好ましい。前記溶剤が前記範囲内で含まれる場合には、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターとも言うことがある)、インクジェット等の塗布装置で塗布したとき、塗布性が良好になり得る。
【0095】
酸化防止剤
本発明による着色感光性樹脂組成物は、酸化防止剤をさらに含むことができる。
本発明の酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤1種以上とリン系酸化防止剤1種以上を含むことができ、フェノール系酸化防止剤の場合、150℃のオーブンで200時間以上劣化しないことが好ましい。
【0096】
本発明のフェノール系酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系が好ましく、具体的な例は、オクタデシル3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Octadecyl 3−(3、5−di−tert−butyl−4−hydroxyphenyl)propionate)(264時間)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(1、3、5−Trimethyl−2、4、6−tris(3、5−ditert−butyl−4−hydroxybenzyl)benzene)(240時間)、ペンダエリスリトールテトラキス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)(Pentaerythritoltetrakis(3、5−di−tert−butyl−4−hydroxyhydrocinnamate))(960時間)であることができる。
【0097】
また、前記リン系酸化防止剤の具体的な例は、トリフェニルホスフェート(Triphenyl phosphate)、イソデシルジフェニルホスフェート(Isodecyl diphenylphosphate)、トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート(Tris(2、4−di−tert−butylphenyl)phosphate)、3、9−ビス(オクタテシルオキシ)−2、4、8、10−テトラオキサ−3、9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(3、9−Bis(octadecyloxy)−2、4、8、10−tetraoxa−3、9−diphosphaspiro[5.5]undecane)、2、2’−メチレンビス(4、6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−2−エチルヘキシルホスフェート(2、2’−methylenebis(4、6−di−tert−butyl−phenyl)−2−ethylhexylphosphate);であることができる。
【0098】
前記酸化防止剤は、着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して、通常1〜100重量%、好ましくは2〜50重量%含まれることができる。前記酸化防止剤が前記範囲内で含まれる場合には、着色感光性樹脂組成物が感度の低下なしに透過率の向上を期待できるので好ましい。もし、酸化防止剤が前記範囲未満である場合には、透過率の向上を期待しにくく、前記範囲を超過する場合には、染料による感度の低下が克服されず、高感度となることができず、現像工程中にパターンの短絡が発生しやすい。
【0099】
添加剤
本発明の着色感光性樹脂組成物は、前記成分以外に、本発明の目的を害しない範囲で、当業者の必要に応じて充填剤、他の高分子化合物、硬化剤、顔料分散剤、密着促進剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等の添加剤を併用することも可能である。
【0100】
前記充填剤は、具体的に、ガラス、シリカ、アルミナ等を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0101】
前記他の高分子化合物は、具体的に、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂等の硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可焼性樹脂等を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0102】
前記硬化剤は、深部硬化及び機械的強度を高めるために使用され、具体的に、エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、オキセタン化合物等を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0103】
前記エポキシ化合物は、具体的に、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、その他芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、またはこのようなエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂及びその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族エポキシ化合物、ブタジエン(共)重合体エポキシ化物、イソプレン(共)重合体エポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0104】
前記オキセタン化合物は、具体的に、カルボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0105】
前記硬化剤は、硬化剤とともにエポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合できる硬化補助化合物を併用できる。
前記硬化補助化合物は、具体的に、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤等を使用できる。前記カルボン酸無水物類は、エポキシ樹脂硬化剤として市販されるものを利用できる。市販される前記エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名(アデカハードナーEH−700)(アデカ工業(株)製造)、商品名(リカシッドHH)(新日本理化(株)製造)、商品名(MH−700)(新日本理化(株)製造)等が挙げられる。
【0106】
前記で例示した硬化剤及び硬化補助化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上混合して利用できる。
【0107】
前記顔料分散剤は、市販される界面活性剤を使用でき、具体的に、シリコーン系、フッ素系、エステル系、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系及び陽性等の界面活性剤よりなる群から選択された単独またはこれらの混合物を使用できる。より具体的に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等を使用でき、他に、商品名としてKP(信越化学工業(株))、ポリフロー(POLYFLOW)(共栄社化学(株))、エフトップ(EFTOP)(トッププロダクツ社)、メガファック(MEGAFAC)(大日本インク化学工業(株))、フロラード(Fluorad)(住友スリーエム(株))、アサヒガード(Asahi guard)、サーフロン(Surflon)(以上、旭硝子(株))、ソルスパース(SOLSPERSE)(Lubrisol社)、EFKA(EFKAケミカルス社)、PB821(味の素(株))、DISPER BYK−series(BYK−chemi社)等を使用できる。
【0108】
前記密着促進剤は、具体的に、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランよりなる群から選択された単独またはこれらの混合物を使用できる。
【0109】
この際、密着促進剤は、着色感光性樹脂組成物の固形分の総重量%に対して0.01〜10重量%含まれることが好ましく、0.05〜2重量%含まれることがより好ましい。
【0110】
前記紫外線吸収剤は、具体的に、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等を使用できるが、これに制限されるものではない。
【0111】
前記凝集防止剤は、具体的にポリアクリル酸ナトリウム等を使用できるが、これに制限されるものではない。
【0112】
(カラーフィルター)
本発明のカラーフィルターは、画像表示装置に適用される場合に、表示装置光源の光によって発光するので、優れた光効率を具現できる。また、色相を有する光が放出されるので、色再現性に優れていて、光ルミネセンスにより全方向に光が放出されるので、視野角をも改善できる。
【0113】
カラーフィルターは、基板及び前記基板の上部に形成されたパターン層を含む。
基板は、カラーフィルター自体が基板であってもよく、または、ディスプレイ装置等にカラーフィルターが位置する部位であってもよく、特に制限されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)または高分子基板であることができ、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)またはポリカーボネート(polycarbonate、PC)等であることができる。
【0114】
パターン層は、本発明の着色感光性樹脂組成物を含む層であり、前記着色感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンで露光、現像及び熱硬化して形成された層であることができる。
前記着色感光性樹脂組成物で形成されたパターン層は、赤色量子ドット粒子を含有する赤色パターン層、緑色量子ドット粒子を含有する緑色パターン層、及び青色量子ドット粒子を含有する青色パターン層を具備することができる。光照射時に、赤色パターン層は赤色光を、緑色パターン層は緑色光を、青色パターン層は青色光を放出する。
【0115】
このような場合に、画像表示装置に適用するとき、光源の放出光が特に限定されないが、優れた色再現性の観点から、青色光を放出する光源を使用できる。
【0116】
本発明の他の実施例によれば、前記パターン層は、赤色パターン層、緑色パターン層及び青色パターン層のうち2種の色相のパターン層のみを具備することもできる。このような場合には、前記パターン層は、量子ドット粒子を含有しない透明パターン層をさらに具備する。
【0117】
2種の色相のパターン層のみを具備する場合には、含まれない残りの色相を示す波長の光を放出する光源を使用できる。例えば、赤色パターン層及び緑色パターン層を含む場合には、青色光を放出する光源を使用できる。このような場合に、赤色量子ドット粒子は、赤色光を放出し、緑色量子ドット粒子は、緑色光を放出し、透明パターン層は、青色光がそのまま透過して青色を示す。
【0118】
前記のような基板及びパターン層を含むカラーフィルターは、各パターンの間に形成された隔壁をさらに含むことができ、ブラックマトリックスをさらに含むこともできる。また、カラーフィルターのパターン層の上部に形成された保護膜をさらに含むこともできる。
【0119】
(画像表示装置)
また、本発明は、前記カラーフィルターを含む画像表示装置を提供する。
本発明のカラーフィルターは、通常の液晶表示装置だけでなく、電界発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置等、各種画像表示装置への適用が可能である。
【0120】
本発明の画像表示装置は、赤色量子ドット粒子を含有する赤色パターン層、緑色量子ドット粒子を含有する緑色パターン層、及び青色量子ドット粒子を含有する青色パターン層を含有するカラーフィルターを具備できる。このような場合に、画像表示装置に適用するとき、光源の放出光が特に限定されないが、優れた色再現性の観点から、好ましくは、青色光を放出する光源を使用できる。
【0121】
本発明の他の実施例によれば、本発明の画像表示装置は、赤色パターン層、緑色パターン層及び青色パターン層のうち2種の色相のパターン層のみを含むカラーフィルターを具備することもできる。このような場合には、前記カラーフィルターは、量子ドット粒子を含有しない透明パターン層をさらに具備する。
【0122】
2種の色相のパターン層のみを具備する場合には、含まれない残りの色相を示す波長の光を放出する光源を使用できる。例えば、赤色パターン層及び緑色パターン層を含む場合には、青色光を放出する光源を使用できる。このような場合に、赤色量子ドット粒子は、赤色光を放出し、緑色量子ドット粒子は、緑色光を放出し、透明パターン層は、青色光がそのまま透過して青色を示す。
【0123】
本発明の画像表示装置は、光効率に優れていて、高い輝度を示し、色再現性に優れ、且つ広い視野角を有することができる。
【実施例】
【0124】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、下記に開示される本発明の実施形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求範囲に表示され、また、特許請求範囲の記録と均等な意味及び範囲内でのすべての変更を含んでいる。また、以下の実施例、比較例において含有量を示す「%」及び「部」は、特に言及しない限り、質量基準である。
【0125】
顔料分散組成物の製造
顔料分散組成物M1
顔料としてC.I.ピグメントレッド254を12.0重量部、顔料分散剤としてDISPER BYK−2001(BYK社製造)5.0重量部、溶剤として4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン13.0重量部、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70.0重量部をビーズミルにより12時間混合/分散し、顔料分散組成物M1を製造した。
【0126】
顔料分散組成物M2
顔料としてC.I.ピグメントレッド177を12.0重量部、顔料分散剤としてDISPER BYK−2001(BYK社製造)5.0重量部、溶剤として4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン13.0重量部、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70.0重量部をビーズミルにより12時間混合/分散し、顔料分散組成物M2を製造した。
【0127】
顔料分散組成物M3
顔料としてC.I.ピグメントレッド242を12.0重量部、顔料分散剤としてDISPER BYK−2001(BYK社製造)5.0重量部、溶剤として4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン13.0重量部、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート70.0重量部をビーズミルにより12時間混合/分散し、顔料分散組成物M3を製造した。
【0128】
合成例1:アルカリ可溶性樹脂の合成
撹拌器、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を具備したフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル80重量部、AIBNを2重量部、アクリル酸13.0重量部、ベンジルメタアクリレート10重量部、スチレン57.0重量部、メチルメタアクリレート20重量部、及びn−ドデシルメルカプト3重量部を投入し、窒素置換した。その後、撹拌しつつ反応液の温度を110℃に上昇させ、6時間反応させた。合成されたアルカリ可溶性樹脂の固形分の酸価は、100.2mgKOH/gであり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは、約15110であった。
【0129】
着色感光性樹脂組成物の製造
実施例1
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、SPI−02(三洋社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0130】
実施例2
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、SPI−03(三洋社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0131】
実施例3
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、SPI−02(三洋社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0132】
実施例4
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、SPI−03(三洋社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0133】
実施例5
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、UPI−22(京仁洋行製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0134】
実施例6
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、UPI−22(京仁洋行製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0135】
比較例1
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、NCI−831(Adeka社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0136】
比較例2
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、OXE−01(BASF社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0137】
比較例3
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、Irgacure−369(BASF社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0138】
比較例4
前記顔料分散組成物M1を29.74重量部、顔料分散組成物M2を5.66重量部、アシッドレッド52(Acid Red 52、TCI America社製造)0.52重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.41重量部、合成例1の樹脂9.32重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)9.32重量部、Irgacure−907(BASF社製造)0.93重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート31.34重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0139】
比較例5
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、NCI−831(Adeka社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0140】
比較例6
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、OXE−01(Adeka社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0141】
比較例7
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、Irgacure−369(BASF社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0142】
比較例8
前記顔料分散組成物M1を16.31重量部、顔料分散組成物M2を21.90重量部、顔料分散組成物M3を4.66重量部、ソルベントレッド122(C.I.Solvent Red 122、BASF社製造)0.45重量部、合成例1の樹脂8.42重量部、KAYARAD DPHA(日本化薬社製造)8.42重量部、Irgacure−907(BASF社製造)0.84重量部、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン12.75重量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26.27重量部を混合し、着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0143】
実験例
前記実施例1〜6と比較例1〜8で製造された着色感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルターを製造した。
【0144】
具体的に、前記それぞれの着色感光性樹脂組成物をスピンコーティング法で2インチ角のガラス基板(コーニング社製造、「EAGLE XG」)上に塗布した後、加熱板上に配置し、100℃の温度で3分間維持し、薄膜を形成した。次いで、前記薄膜の上に1μm〜100μmのライン/スペースパターンを有する試験フォトマスクを載置し、試験フォトマスクとの間隔を300μmにして紫外線を照射した。
この際、紫外線光源は、g、h、i線をすべて含有する1kWの高圧水銀灯を使用して60mJ/cm
2で照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。前記紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液現像溶液に2分間浸して現像した。前記薄膜が塗布されたガラス基板を、蒸留水を使用して洗浄した後、窒素ガスを吹きつけて乾燥し、230℃の加熱オーブンで25分間加熱し、カラーフィルターを製造した。前記で製造されたカラーフィルターのフィルム厚さは、2.4μmであった。
【0145】
1.輝度測定
前記実験例1と、試験フォトマスクを使用しないこと以外は、同様にしてカラーフィルターを製造し、色度計(オリンパス社製造、OSP−200)を利用して輝度を測定し、下記表1に示した。
【0146】
2.密着性評価
生成されたパターンを、光学顕微鏡を用いて評価したとき、下記のようなパターン上の剥離程度で評価し、下記表1に示した。
○:パターン上に剥離無し
△:パターン上に剥離が1〜3個
×:パターン上に剥離が4個以上
【0147】
【表1】
【0148】
表1に示されたように、本発明による特定の着色剤及び光重合開始剤を含む実施例1〜6は、高い輝度とパターン剥離無しに密着性に優れた工程特性を確認できる。