特許第6517866号(P6517866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6517866
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20190513BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20190513BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   G03B17/02
   G02B7/02 E
   G02B7/02 Z
   H04N5/225 430
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-69424(P2017-69424)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-173434(P2018-173434A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−37752(JP,A)
【文献】 特開2009−182381(JP,A)
【文献】 実開昭60−56011(JP,U)
【文献】 特開2008−271504(JP,A)
【文献】 特開2017−003942(JP,A)
【文献】 特開2012−029114(JP,A)
【文献】 特開2008−096494(JP,A)
【文献】 特開2005−073130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G02B 7/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を搭載する基板と、
レンズを保持するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒と嵌合し、前記レンズ鏡筒の光軸方向後方に配置されたレンズフランジと、
前記基板の周囲を覆うシールドプレートと、
前記レンズ鏡筒、前記基板、及び前記シールドプレートを覆うよう配置されたケースと、を備え、
前記シールドプレートは、
前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジのいずれか一方の光軸方向後方に接する前面部と、
前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジのいずれか他方の光軸方向後方に接する付勢部と、を有し、
前記付勢部によって、前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジの一方に対して他方が光軸方向に付勢される、
撮像装置。
【請求項2】
前記シールドプレートは、前記基板の接地電位に接続されている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記シールドプレートを前記基板の接地電位に接続させ、かつ前記付勢部を前記レンズ鏡筒または前記レンズフランジに連結する連結具をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、撮像装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ鏡筒と、撮像素子が搭載された基板とがケースに収容された撮像装置では、ノイズ対策のため、撮像素子が搭載された基板の周囲を覆うシールドプレートを備える構成とすることがある。また、撮像装置では、レンズ鏡筒と撮像素子との距離とを安定させ、ピントがずれない構成とする必要がある。特許文献1には、フォーカス調整(ピント調整)の不良を防止するために、レンズ収容部材固定手段を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−77927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の構成では、撮像素子に対するレンズ鏡筒の位置を安定させるために、コイルバネなどの付勢部材を追加していたため、部品点数が増加し、高コストな構成となってしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題などを解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
電子部品を搭載する基板(6)と、
レンズを保持するレンズ鏡筒(3)と、
前記レンズ鏡筒と嵌合し、前記レンズ鏡筒の光軸方向後方に配置されたレンズフランジ(4)と、
前記基板の周囲を覆うシールドプレート(5)と、
前記レンズ鏡筒、前記基板、及び前記シールドプレートを覆うよう配置されたケース(1、9)と、を備え、
前記シールドプレート(5)は、
前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジのいずれか一方の光軸方向後方に接する前面部(5a)と、
前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジのいずれか他方の光軸方向後方に接する付勢部(5c)と、を有し、
前記付勢部によって、前記レンズ鏡筒及び前記レンズフランジの一方に対して他方が光軸方向に付勢される、
撮像装置である。
【0007】
上記構成の撮像装置では、レンズ鏡筒とレンズフランジとの間で光軸方向の付勢力が発生し、これによってレンズ鏡筒とレンズフランジとの間のがたつきを無くすことができる。これにより、レンズ鏡筒及びレンズフランジの一方に対する他方の位置を安定させることができる。レンズ鏡筒とレンズフランジとの相互の位置が安定することで、ピント調整における微調整が可能となる。また、当該構成において、シールドプレートの一部を付勢部としているため、コイルバネの部材を追加する必要がなく、コストの増加を抑えることが可能となる。
【0008】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記シールドプレートは、前記基板の接地電位に接続されている。
【0009】
上記構成の撮像装置によれば、シールドプレートが接地電位に接続されることで、周囲からの電磁ノイズに影響を受けづらい構成とすることができる。
【0010】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記シールドプレートを前記基板の接地電位に接続させ、かつ前記付勢部を前記レンズ鏡筒または前記レンズフランジに連結する連結具(72)をさらに備える。
【0011】
上記構成の撮像装置によれば、連結具によってレンズ鏡筒とレンズフランジとを連結しつつ、さらにシールドプレートを接地電位に接続しているため、比較的部品点数の増加を抑えた構成とすることができる。これによって、比較的低コストの撮像装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態の撮像装置の外観斜視図である。
図2図2は、実施形態の撮像装置の分解斜視図である。
図3図3は、実施形態の撮像装置において、フロントケース、リアケース、及び防止シールを取り外した状態の斜視図である。
図4図4は、図3の構成をフロント側から見た平面図である。
図5図5は、図3の構成をリア側から見た平面図である。
図6図6は、図3の構成を側方から見た平面図である。
図7図7は、図3の構成の分解斜視図である。
図8図8は、図3の構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の撮像装置は、ノイズ遮蔽機能を有するシールドプレートが付勢部を有することで、レンズ鏡筒とレンズフランジとの間で付勢力を発生させ、ばねなどの部材を追加することなく、レンズ鏡筒とレンズフランジとの相対位置を安定させる構成にしている点を特徴のひとつとする。
【0014】
なお、本明細書では、レンズの中心位置であって、撮像素子に入射する光の中心位置を「光軸」と称する。レンズに対して撮像素子とは反対側に位置する撮像対象を「被写体」と称する。撮像素子に対して被写体が位置する方向を「フロント側」または「光軸方向前方」と称し、被写体に対して撮像素子が位置する方向を「リア側」または「光軸方向後方」と称する。また、説明の便宜上、図中に記載したXYZの方向を適宜使用して説明することがある。Z方向は光軸方向である。X方向及びY方向はいずれも光軸に垂直な方向であって、X方向+側を上側と称し、X方向−側を下側と称する。Y方向を側面と称する。
【0015】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態
2.補足事項
【0016】
<1.実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の撮像装置をフロント側から見た外観斜視図である。図2は、本実施形態の撮像装置をフロント側から見た分解斜視図である。図3図8は、本実施形態の撮像装置において、フロントケース1、リアケース9、及び防水シール8を取り外した状態を示しており、図3はフロント側から見た斜視図、図4はフロント側から見た平面図、図5はリア側から見た平面図、図6は側方から見た平面図、図7はリア側から見た分解斜視図、図8は断面図である。
【0017】
図示されるように、本実施形態の撮像装置は、フロントケース1、防水シール2、レンズ鏡筒3、レンズフランジ4、シールドプレート5、基板6、防水シール8、リアケース9、及び連結具71〜73を含んで構成される。
【0018】
<フロントケース1>
フロントケース1は、リアケース9と共に撮像装置の筐体(ケース)を形成する部材であって、樹脂などで形成される。フロントケース1は、光軸方向前方に、光軸を中心とする開口部を有する。フロントケース1の光軸方向後方は、リアケース9と連結可能に開放されており、光軸を覆うように、光軸に垂直な方向における断面が略矩形状の側面を有している。フロントケース1は、連結具73によりリアケース9と連結されることで、レンズ鏡筒3、レンズフランジ4、シールドプレート5、及び基板6などを収容する空間が形成される。連結具73は、例えば、頭部と軸部を有するねじである。図1に示されるように、フロントケース1の光軸方向前方の開口部には、レンズ鏡筒3により保持されたレンズ3aが位置する。
【0019】
<リアケース9>
リアケース9は、上記のように、連結具73によりフロントケース1と連結されることで、レンズ鏡筒3、レンズフランジ4、シールドプレート5、及び基板6などを収容する空間を形成する。リアケース9は、光軸に対して略垂直な面を有する板状の面を有する部材である。
【0020】
<防水シール2>
防水シール2は、ゴムなどの弾性部材により形成された円環状の部材であって、フロントケース1とレンズ鏡筒3との間に配置されることで、フロントケース1とレンズ鏡筒3とを隙間無く連結させるよう作用する。防水シール2は、フロントケース1の開口部の外縁の位置に沿った円環状となっている。
【0021】
<レンズ鏡筒3>
レンズ鏡筒3は、光軸方向に伸びる円筒状の部材である。レンズ鏡筒3は、レンズ3aを含む1以上の光学部材を保持する。レンズ鏡筒3に保持される光学部材には、レンズ3aの他に、レンズ、スペーサ、口径板、及び光学フィルタなどが含まれる。レンズ3aを含むレンズは、ガラスまたはプラスチック等の透過性を有する素材で形成され、光軸方向前方からの光を屈折させながら光軸方向後方に透過させる。スペーサは、光軸方向に適度な厚みを有する板状で円環状の部材であり、各レンズの光軸方向の位置を調整する。スペーサは、光軸を含む中心部に開口部を有する。口径板は、通過する光の最外位置を決める。光学フィルタは、所定の波長の光を抑制または遮蔽する。光学フィルタは、例えば、通過する赤外線を抑制する赤外線カットフィルタなどが含まれる。これらの光学部材の数は、任意に変更可能である。
【0022】
レンズ鏡筒3の光軸方向後方は円筒状になっており、レンズフランジ4に形成された円状の開口部に挿入される。レンズ鏡筒3の光軸方向後方の面3bは、シールドプレート5の平面部5aの光軸方向前方の面と接する。レンズ鏡筒3の光軸方向後方の面3bには、開口部が形成されており、光軸方向前方からレンズ鏡筒3を透過し、この開口部を通過した光が、撮像素子6aに照射されることで露光が行われる。
【0023】
レンズ鏡筒3は、上記の面3b以外の光軸方向後方の部分が、レンズフランジ4の光軸方向前方の面に接する。
【0024】
<レンズフランジ4>
レンズフランジ4は、レンズ鏡筒3の光軸方向後方に配置され、レンズ鏡筒3と嵌合した矩形状で板状の部材である。レンズフランジ4は、開口部を有する。レンズフランジ4の開口部には、レンズ鏡筒3の光軸方向後方の円筒状の部分が挿入され、この位置で、レンズ鏡筒3とレンズフランジ4とが径嵌合する。レンズフランジ4の光軸方向前方の面は、レンズ鏡筒3の光軸方向後方に接する。
【0025】
レンズフランジ4の光軸方向後方の面には、光軸方向後方に突出する円筒状の円筒状連結溝4aが形成される。円筒状連結溝4aは、対角線上に2つ配置される。また、レンズフランジ4の光軸方向後方の面には、円筒状の軸部4bが形成される。軸部4bは、対角線上に2つ配置される。つまり、図7に示されるように、矩形状のレンズフランジ4の四隅には、それぞれ対角線上に、2つの円筒状連結溝4aと2つの軸部4bが配置される。
【0026】
円筒状連結溝4aには、連結具72の軸部が挿入される連結溝が形成されている。円筒状連結溝4aの光軸方向後方には、板ばね部5cを挟んで、基板6が位置する。つまり、円筒状連結溝4aは、板ばね部5cの光軸方向前方の面に接する。
【0027】
軸部4bは、シールドプレート5の貫通孔を通って、基板6の貫通孔に挿通される。これにより、レンズフランジ4、シールドプレート5、及び基板6が、光軸に垂直な方向にずれることを抑制する。
【0028】
<シールドプレート5>
シールドプレート5は、導電性を有する板状の部材により形成され、組み立てられた状態で、基板6を覆うように配置される。具体的には、シールドプレート5は、基板6の光軸方向後方以外の全体を覆う。
【0029】
シールドプレート5は、平面部5a、側面部5b、及び板ばね部5cを含んで構成される。平面部5aは、光軸に対して垂直な平面上に形成された矩形状で板状の部分である。平面部5aは、開口部5dを有している。レンズ鏡筒3から透過されてきた光は、この開口部5dを通過して、撮像素子6aに照射される。平面部5aの光軸方向前方の面は、レンズ鏡筒3の光軸方向後方の面3bに接する。
【0030】
シールドプレート5の側面部5bは、矩形状の平面部5aの四方の外縁部から、光軸方向前方に向かって延びる板状の部分である。側面部5bは、それぞれ矩形状である。側面部5bは、光軸に対して垂直な平面で見たときに、基板6の、光軸の中心から外側を覆うように位置する。
【0031】
シールドプレート5の板ばね部5cは、平面部5aから光軸方向後方に折り曲げられることで形成されている。板ばね部5cは、連結具72の軸部が挿入される貫通孔を有する。板ばね部5cの光軸方向前方の面は、レンズフランジ4の円筒状連結溝4aの光軸方向後方の面に接し、光軸方向後方の面は基板6に接する。後述するように、板ばね部5cは基板6の接地電位に接しており、これによってシールドプレート5が接地電位となる。
【0032】
<基板6>
基板6は、撮像素子6aを含む電子部品が搭載されたリジッド基板である。撮像素子6aに光が照射されることにより取得された電気信号は、基板6またはその他の基板などに搭載された電子部品により、所定の電気処理または信号処理が施された後、撮像装置の外部に画像データとして出力される。
【0033】
基板6は、角部近傍の4箇所に切欠きを有している。4つの切欠きのうちの対角線上の2つには、それぞれ連結具72が挿入される。連結具72は、例えば、頭部と軸部を有するねじである。2つの連結具72は、基板6の切欠きと、シールドプレート5の板ばね部5cの貫通孔とを通って、レンズフランジ4の円筒状連結溝4aの連結溝に挿入されることで、基板6、シールドプレート5、及びレンズフランジ4を連結する。連結具72が挿入された切欠きの位置には、接地電位となった導電部材で形成されたパターンが形成される。そのため、シールドプレート5の板ばね部5cは接地電位に接することとなり、シールドプレート5が接地電位となっている。
【0034】
基板6の4つの切欠きのうち、連結具72が挿入されない切欠きには、連結具71が挿入される。連結具71は、基板6、レンズフランジ4、及びフロントケース1を連結する。連結具71は、例えばねじである。
【0035】
基板6は、レンズフランジ4の2つの軸部4bが挿入される、2つの貫通孔を有する。
【0036】
撮像素子6aは、照射された光を電気信号に変換する光電変換素子であり、例えばC−MOSセンサやCCDなどであるが、これらに限定されるものではない。また、撮像装置においては、撮像素子6a以外の撮像機能を要する撮像部を採用してもよい。撮像素子は、本発明の「撮像部」の一例である。
【0037】
<防水シール8>
防水シール8は、防水シール2と同様にゴムなどの弾性部材により形成された部材であって、フロントケース1とリアケース9との間に配置されることで、フロントケース1とリアケース9とを隙間無く連結させるよう作用する。防水シール8は、フロントケース1とリアケース9との連結面に対応した形状となっており、本実施形態の防水シール8は、角部が切り欠かれた矩形状となっている。
【0038】
上記のような構成では、レンズフランジ4と基板6とが固定される。一方で、レンズ鏡筒3とシールドプレート5とは、光軸方向に接することで固定される。シールドプレート5の固定面である平面部5aはレンズ鏡筒3と接する一方で、シールドプレート5の板ばね部5cは、レンズフランジ4と基板6とに挟まれるよう配置されている(図8参照)。そのため、レンズ鏡筒3とレンズフランジ4との間に、シールドプレート5を介して互いに付勢力が与えられる。これによって、レンズ鏡筒3とレンズフランジ4との間に光軸方向の付勢力が発生し、レンズ鏡筒3とレンズフランジ4とが、がたつきなく、安定的に固定される。
【0039】
レンズ鏡筒3に対するレンズフランジ4の位置が安定すると、互いの距離を安定的に調整可能となり、これによってピント調整における微調整が可能となる。また、シールドプレート5の一部を板ばね部5cとすることで付勢力を与える構成としているため、コイルバネなどの部材を追加する必要がない。
【0040】
また、本実施形態の撮像装置では、シールドプレート5が基板6の接地電位に接続されているため、基板6に搭載された撮像素子及び電子部品などが、周囲からの電磁ノイズによって影響を受けることを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態の撮像装置では、連結具によってレンズ鏡筒3とレンズフランジ4とを連結しつつ、さらにシールドプレート5を接地電位に接続しているため、部品点数を抑えた構成にすることができる。これにより、比較的低コストの撮像装置を構成することができる。
【0042】
<2.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0043】
例えば、上記実施形態の撮像装置におけるシールドプレート5は、平面部5aがレンズ鏡筒3に接し、板ばね部5cがレンズフランジ4及び基板6により挟まれていたが、このような構成に限定されるものではない。すなわち、シールドプレート5によって、レンズ鏡筒3及びレンズフランジ4のいずれか一方の光軸方向の移動を規制し、いずれか他方を光軸方向に付勢する構成であれば、他の構成としてもよい。つまり、シールドプレート5の板ばね部がレンズ鏡筒3に接し、平面部がレンズフランジ4に接する構成としても良い。
【0044】
また、実施形態の撮像装置では、撮像素子6aを搭載した1つの基板6を有する構成を例示して説明したが、複数の基板を有する構成としても良い。この場合、一の基板が撮像素子を搭載し、他の基板が電子部品を搭載する構成となる。
【0045】
また、フロントケース1及びリアケース9は、実施形態のような構成に限定されるものではない。例えば、フロントケース1が光軸方向に略垂直な平面を形成する板状部材で、リアケース9が光軸方向に略垂直な平面を形成する板状部材と、板状部材の外縁部から光軸方向前方に突出した側面を有するなどの形状であっても良い。つまり、フロントケース1とリアケース9とは、連結されることで筐体(ケース)を形成する任意の形状を採用可能である。また、フロントケース1及びリアケース9は、樹脂以外の素材で形成されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、例えば車載用の撮像装置などとして好適に利用される。
【符号の説明】
【0047】
1…フロントケース
2…防水シール
3…レンズ鏡筒
3a…レンズ
4…レンズフランジ
4a…円筒状連結溝
4b…軸部
5…シールドプレート
5a…平面部
5b…側面部
5c…板ばね部
5d…開口部
6…基板
6a…撮像素子
71〜73…連結具
8…防水シール
9…リアケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8