(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る端末試験装置について詳細に説明する。
【0013】
図1において、本発明の一実施形態に係る端末試験装置1は、例えばLTE規格に対応しており、擬似基地局として同軸ケーブル等の有線で、端末2と無線信号を送受信するようになっている。なお、端末試験装置1は、アンテナを介して無線で端末2と信号を送受信するようにしてもよい。
【0014】
端末試験装置1は、無線信号処理部10と、無線ハードウェア制御部11と、コールプロセッシング部12と、無線信号測定部13と、ユーザインターフェース部14と、制御部15とを含んで構成されている。
【0015】
無線信号処理部10は、端末2との間で無線信号を送受信するものである。無線信号処理部10は、コールプロセッシング部12及び無線信号測定部13の送信データを、符号化や、変調、周波数変換などして無線信号を生成して送信する。また、無線信号処理部10は、端末2から受信した無線信号を、周波数変換や、復調、復号などしてコールプロセッシング部12及び無線信号測定部13に出力する。
【0016】
無線ハードウェア制御部11は、無線信号処理部10を制御して、無線信号の送受信レベルや周波数などを制御するものである。
【0017】
コールプロセッシング部12は、無線信号処理部10及び無線ハードウェア制御部11と接続され、試験条件に応じて設定された周波数や多重化方式などのコンポーネントキャリアのパラメータに従って無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して、無線信号処理部10に試験条件に適合した無線信号を送信させる。また、コールプロセッシング部12は、無線信号処理部10を介して、端末2との間で無線信号を送受信して、コンポーネントキャリアとしての試験条件に適合した呼接続を端末2との間で行なったり、試験条件に対応したコンポーネントキャリアとしての呼制御を行なったりするものである。また、コールプロセッシング部12は、設定された多重化方式などのパラメータに従って無線信号処理部10に設定信号を送信して、無線信号処理部10に試験条件に適合した無線信号を送信させる。
【0018】
無線信号測定部13は、無線信号処理部10と接続され、無線信号処理部10の送受信する無線信号の送受信レベルやスループットなどを測定し、測定結果を制御部15に出力するようになっている。制御部15は、無線信号測定部13からの測定結果を時刻情報などと関連付けてハードディスク等に記憶しておき、ユーザの要求によりユーザインターフェース部14に表示出力させたり、ログとしてファイルに出力したりするようになっている。
【0019】
ユーザインターフェース部14は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部141と、コンポーネントキャリアのパラメータの設定画面や無線信号測定部13の測定結果などを表示する表示部142とを備えている。入力部141は、タッチパッドやキーボードやプッシュボタンなどによって構成される。表示部142は、液晶表示装置などによって構成される。
【0020】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0021】
このコンピュータユニットのROM及びハードディスク装置には、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部15として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROM及びハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部15として機能する。
【0022】
制御部15の入出力ポートには、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12、無線信号測定部13、ユーザインターフェース部14が接続されている。
【0023】
なお、本実施形態において、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12、無線信号測定部13は、各処理を実行するようにプログラミングされたDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによってそれぞれ構成されている。また、無線信号処理部10は、通信モジュールによって構成されている。
【0024】
制御部15は、表示部142に表示させたパラメータ設定画面に従って入力部141による入力操作により設定されたパラメータに基づいて、無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して無線信号処理部10が送受信する無線信号の周波数や多重化方式を制御して、無線信号測定部13に測定を行なわせる。また、制御部15は、設定されたパラメータをコールプロセッシング部12に通知して、設定されたパラメータに適合したコンポーネントキャリアの通信を確立させる。
【0025】
また、制御部15は、入力部141に入力された指示に従って、無線ハードウェア制御部11及びコールプロセッシング部12に信号を送信して、試験用の呼制御などを行なわせるようになっている。
【0026】
端末2は、端末試験装置1や他の装置と無線通信可能な装置であり、スマートフォンや携帯電話の様な移動する人が携帯する携帯端末や、車両等の移動体に設置された移動端末のみならず、固定端末をも含む。端末2の他の例として、電気メータ、ガスメータ等の各種のスマートメータ、道路、水道等各種のインフラに搭載されるセンサー、チップ等が挙げられるが、その種類や用途は限定されない。通常の利用において、端末2はLTEによりLTE基地局等と通信するが、端末2の通信動作の試験においては、疑似通信局として動作する端末試験装置1と通信可能である。
【0027】
昨今、電子機器、チップ、センサーなどあらゆるモノをインターネットなどの通信網に接続し、情報交換を促すことによりモノを相互に制御する「モノのインターネット」、いわゆるIoT実現に向けての動きが活発化している。このような動きを受け、3GPPでは、第3世代移動体通信規格(3G)を更に高速化させたいわゆるLTEをベースに、IoT向けに特化した要素技術、ネットワーク技術等の拡張を検討している。
【0028】
各種のIoTサービスを対象とした端末(UE)について、様々な団体で検討がされている。本実施形態における端末2は、そのような端末としての利用を意図したものである。そして、LTEにおいては、そのリリース12の後継のリリース13において、さらなる低価格化、カバレッジの拡張などを実現すべく、2つのUEカテゴリがサポートされている。一つはカテゴリM1、もう一つはNB−IoTカテゴリである。特にカテゴリM1は、端末の送受信帯域幅を1.08MHzに制限し、UEチップのコストの低減効果を狙っている。
【0029】
カテゴリM1は、LTE送受信帯域の一部の1.08MHzを使用して信号の送受信を行う。これに対応して、カテゴリM1の端末は1.08MHzに相当する6PRB(Physical Resource Block)のデータしか受信することができないため、LTEバンドで6PRBよりも広い帯域で送信される下り信号を受信することができない。具体的には、データや、端末の位置番号等を含む報知情報(SIB;System Information Block)がマッピングされた下り共有チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を割り当てるための下り制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を受信することができないため、LTEの報知情報を取得することができない。
【0030】
このため、カテゴリM1では、カテゴリM1の端末向けに、6PRB内にマッピングされた報知情報等を割り当てるためのMTC(Machine Type Communication)向け下り物理制御チャネル(MPDCCH;MTC−PDCCH)と、カテゴリM1に特化した報知情報が新たに規定されている。MPDCCHは下り制御情報(DCI;Downlink Control Information)を送信するチャネルである。
【0031】
周知の様に、LTEにおいては、利用する周波数帯域幅は、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの中から選択可能である。ここで、カテゴリM1に利用する周波数帯域幅として1.4MHzを選択した場合、
図2に示すように、6PRB(=1.08MHz)で通信するカテゴリM1に関し、割り当て可能な周波数帯域は、一つのみに限定される。
図2では当該一つの周波数帯域にインデックス0が付与されている。
【0032】
図3は、周波数帯域幅が1.4MHzの場合において、LTEの信号伝送を行う無線フレームの1フレーム、すなわち10ミリ秒(ms)の区間における、端末試験装置(基地局)と端末間におけるデータのやり取りを行うスケジューリングを示す図である。端末試験装置が3回分割り当てられたMPDCCH(DCI)により下りデータ(ダウンリンクデータ)を送信する。この後1msの間隔をおいて、端末が端末試験装置からのMPDCCHに対して返信するため、3回分割り当てられた上り共有チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)により上りデータ(アップリンクデータ)を送信する。このスケジューリングは、カテゴリM1について規定した3GPP 36.521の表A.2.2.1.1−1bに従ったものである。
【0033】
図4は、上述の基礎となるスケジューリングに基づく、端末試験装置(基地局)と端末間においてなされるダウンリンクデータとアップリンクデータのやり取りを示すスケジューリングのタイミングチャートである。拡大部分Aのシグナルが、
図3の1フレームの前半に相当し、端末試験装置が割り当てられたMPDCCH(DCI)によりデータを送信(ダウンロード)する。一方、拡大部分Bが
図3の1フレームの後半に相当し、端末が割り当てられたPUSCHによりデータを送信(アップロード)する。
【0034】
さらにカテゴリM1について規定した3GPP 36.508によれば、端末試験装置(基地局)が、80msの周期で、報知情報(SIB)を40msの時間の間に2回(10ms×2)、端末に送信することが規定されている。ここで、各々10msの長さを持つ二つの報知情報は、それぞれ3GPP 36.508のSi-WindowLength-BR-r13と、Si-RepetitionPattern-r13, Si-periodicityに相当する。個別の端末に送られるMPDCCH(DCI)とは異なり、報知情報は複数の端末に一斉送信(ブロードキャスト)される情報である。報知情報は端末の位置番号、周辺セル情報、発信規制制御を行うための情報など等を含み、従来のLTEから用いられているが、カテゴリM1に特化したものが新たに規定されている。
【0035】
端末試験装置からの報知情報の送信に伴い、端末は80msの周期で、所定のモニタリング時間に渡って報知情報を受信し、モニタリングする。よって、
図4のようなスケジューリングにおいては、端末が報知情報を受信しモニタリングすることに専念し、アップロードデータを何ら送信しないモニタリング時間Tが必然的に、かつ周期的に発生することになる。各報知情報が10msの長さ、すなわち1フレーム相当の長さを有しているため、このモニタリング時間Tも少なくとも1フレームの長さを持つ。
【0036】
尚、周波数帯域幅が3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの場合は、割り当てられる周波数帯域は二つ以上存在するため(
図2に示す様に例えば5MHzではインデックス0、1、2、3が付与された四つの周波数帯域が存在)、MPDCCH(DCI)とPUSCHによるデータのやり取りと、報知情報の送受信を、それぞれ異なる周波数帯域に割り当てることができるため、上述した様な端末からのアップロードデータが送信されない時間Tは発生しない。
【0037】
ここで端末試験の場面を想定すると、従来より端末試験装置は、一般的に特定数のフレーム数(又はサブフレーム数)ごとに、端末がデータを送信(アップロード)できているかどうか(3GPPの規則に則っているか否か)の判定を含めて、アップロードされたデータの信号を受信し、測定・解析する。一般的には、端末試験装置は、LTEデータの1フレーム(=10ms)毎にデータ信号を受信して測定・解析している。通常、LTEのデータでは、1フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム長は1ms)からなっており、端末試験装置は10個のサブフレーム毎に、端末からのデータを受信していることになる。
【0038】
そして、上述した様に、端末は10ms(1フレーム)の長さの報知情報を受信するため、
図4のモニタリング時間Tで示す様に、少なくとも10msは、アップロードデータが発生しない状況が周期的に発生する。このSIBのモニタリング時間T(=10ms;1フレーム)は、端末試験装置における測定間隔の1フレーム(=10ms)と少なくとも同じ長さを持つ。よって、たとえ端末が正常であっても、モニタリング時間Tに丁度合致した端末試験装置での測定タイミングでは、アップリングデータは端末から送信されず、端末試験装置は、応答信号なしの判定をしてしまう。すなわち、端末試験装置は、特に異常がない正常な端末に対しても、応答信号なしとして非正常である旨の判定をしてしまうおそれがある。
【0039】
また、従来の端末試験装置は、所定以上の閾値強度のデータを受信して、その測定を行っている。このような測定をパワートリガー測定と呼ぶ。この方法によれば、PUSCH(アップリンクデータ)の様に特定以上の強度を有するデータが存在する区間を常に測定することはできるが、数ある中で特定のサブフレームにおいて端末がアップリンクデータを送信できているか否かや、端末が送信に失敗したサブフレームのタイミングの測定をすることが困難であり、結果的に3GPPのスケジューリング通りに端末が動作しているか否かを判定することが困難である。また、端末から送信するデータの強度が、最小値付近に設定されているような場合において、アップリンクデータの測定時には、ノイズレベルとデータのパワー差が十分でないケースが多く、測定開始のトリガがかからずに信号を測定できないといった問題が生じ得る。
【0040】
図5および
図6は、本発明の一実施形態の端末試験装置1が実施する端末試験方法の概要図であり、上述した様な課題の解消を実現するものである。本実施形態の端末試験方法においては、
図5に示す様に、端末試験装置1は一測定間隔における時間を、従来の1フレーム分(=10ms)から、例えば2フレーム分(10ms×2=20ms)まで増加させることにする。この測定間隔は、本実施形態の測定における最小の時間単位であり、
図4の報知情報(SIB)のモニタリング時間T(=10ms)より長い時間に相当する。すなわち、端末2は所定のモニタリング時間Tに渡って報知情報をモニタリングするが、端末試験装置1は、少なくともこのモニタリング時間Tより長く連続した時間間隔である連続時間間隔T1(=20ms)をもって、端末2から送信されるデータを受信する。
【0041】
この結果、
図6に示すように、端末試験装置1は、端末2からの信号(PUSCH)を2フレーム分の測定間隔(連続時間間隔T1)で受信し、端末2の問題なしまたは問題あり(3GPPのスケジューリング通りか否か)を判定する。特に端末試験装置1の無線信号測定部13は、対応した結果を表示する信号(PUSCH)のパターンに基づき、問題なしまたは問題ありを判定し、制御部15に結果を出力する。制御部15は、無線信号測定部13からの測定結果を表示部142に表示出力させる。
【0042】
図6(a)〜(c)の例では、端末試験装置1は、報知情報のモニタリング時間T以外のタイミングで端末2からPUSCHを得ており、端末2に問題がなく(PASS)、正常なケースを示している。
図6(a)の例では、端末試験装置1は、SIBのモニタリング時間Tとは全く重ならないタイミングの連続時間間隔で、端末2からPUSCHを得ている。
図6(b)、(c)の例では、端末試験装置1は、SIBのモニタリング時間Tと1フレーム分のみ重なったタイミングの連続時間間隔で、端末2からPUSCHを得ている。
【0043】
上記のパターンが得られた場合、無線信号測定部13は、端末2から3GPPのスケジューリング通りの信号が得られている(問題なし)と判定し、制御部15はこの判定結果を表示部142に出力し、表示部142が対応した結果を表示する。
【0044】
一方、
図6(d)の例では、端末試験装置1は、報知情報のモニタリング時間T以外のタイミングで端末2からPUSCHを得ておらず、端末2に問題があり(FAIL)、非正常なケースを示している。すなわち、端末2が、報知情報のモニタリング時間T以外のタイミングでもデータを送信(アップロード)しておらず、端末2に何かしらの異常が発生している(3GPPのスケジューリング通りに端末が動作していない)ことを示している。
【0045】
すなわち、端末試験装置1は、端末2における報知情報のモニタリング時間Tより長く連続した時間間隔である連続時間間隔T1をもって、端末2から送信されるデータ(PUSCH)を受信する。これにより、端末試験装置1は、特定の連続時間間隔T1が報知情報のモニタリング時間Tと重複してもしなくても、報知情報以外のデータが第2の端末から送信されているか否かを正しく把握することができる。
【0046】
尚、上記の実施形態では、連続時間間隔T1は、データの1フレーム長の倍数nによって規定される(例えば3倍、4倍、・・・n倍等)。ただし、連続時間間隔T1は、データのサブフレーム長の倍数によって規定してもよく(例えばサブフレーム長の25倍、30倍、・・・等)、連続時間間隔T1の決定の具体的な方法は特に限定されない。
【0047】
図7は、本発明の他の実施形態の端末試験装置1が実施する端末試験方法の概要図である。
図7(a)のケースでは、先の実施形態の
図6(c)と
図6(b)のパターンが連続しており、二つの連続時間間隔T1を個別に見た場合、端末2は正常である。よって、端末試験装置1は、端末2が正常であると判定する。
【0048】
しかしながら、
図6(c)のパターンの如き最初の連続時間間隔T1において、障害が実際に端末2に生じたため、最後のPUSCHを受信することができない場合があり得る。このような場合、本来は端末に異常ありと判定しなくてはいけないが、端末試験装置1は、端末2が正常であると判定してしまう不具合が生じ得る。
【0049】
そこで
図7(b)に示すように本実施形態においては、端末試験装置1は、連続時間間隔T1のフレーム数を2フレームからさらに増加させ、例えば3フレームまで拡張して測定する。この上で端末試験装置1は、信号が存在しない区間が2フレーム長以上存在するか否かに基づき、端末が正常か否かを判定する。
【0050】
図8は、先の実施形態についての
図5と同様の図であり、端末試験装置1は一測定間隔における時間を、従来の1フレーム分(=10ms)から、3フレーム分(10ms×3=30ms)まで増加させることにする。
図9(a)〜(e)は、本実施形態において、端末試験装置1が、報知情報のモニタリング時間T以外のタイミングで端末2からPUSCHを得ており、端末2に問題がなく(PASS)、正常なケースを示している。
図10(a)〜(c)は、本実施形態において、端末試験装置1が、報知情報のモニタリング時間T以外のタイミングで端末2からPUSCHを得ておらず、端末2に問題があり(FAIL)、非正常なケースを示している。
【0051】
信号が存在しない区間が2フレーム長以上存在することは、本来正常な端末2であり得る報知情報のモニタリング時間Tとは別に、端末2から信号が得られていないことを示している。これにより、端末試験装置1は、端末2が正常であるか否かをより正確に判定することが可能となる。ただし、本実施形態は、先の実施形態を否定するものではなく、状況に応じて使い分けることが可能である。例えば、結果表示までの測定時間を最小限に抑えたい場合は2フレームで測定し、測定結果の信頼性を向上させたい場合は、さらにフレーム数を増やすといった使い分けをすることが可能である。
【0052】
尚、上述の実施形態を総括すると、端末2でのモニタリング時間が、1フレーム長の倍数であるX*1フレーム長(Xは正の整数)であることを前提として、端末試験装置1は、(X+Y)*1フレーム長の連続時間間隔T1(T2)を設定する(Yは正の整数)。特に端末2でのモニタリング時間が、実施形態の様に1フレーム長である場合、端末試験装置1は、nフレーム長(nは2以上の正の整数)の連続時間間隔T1(T2)を設定する。ユーザは、状況に応じて、端末試験装置1の連続時間間隔T1(T2)を自由に設定することができる。例えば、上述した二つの報知情報の各々を規定するSi-WindowlengthとSi-repetitionPatternの組み合わせによって定まるモニタリング時間にも対応することができる。
【0053】
また、端末試験装置1が、上述したフレーム長による単位とは別に、連続時間間隔を、ms単位(例えば1サブフレーム長の1mS単位)で変更可能なように構成してもよい。
【0054】
ただし、連続時間間隔を長くしすぎると端末試験装置1がデータの受信を失敗する確率も高くなったり、測定処理の時間も増大したりするため、連続時間間隔は状況に応じて適切な値に設定するのが望ましい。例えば、連続時間間隔は、3GPP 36.508における報知情報の送信周期である80ms以下に設定することが考えられる。
【0055】
端末試験装置1の表示部142は、無線信号測定部13の解析による端末2の良否の判定結果を、種々の表現形式で表示することができる。
【0056】
本発明によれば、特にカテゴリM1を利用する端末の試験にあたって、端末試験装置が適切な測定間隔をもって、端末からのデータを受信し解析する。これにより、報知情報に起因する端末の誤判定を抑制することが可能となり、判定の正確性を向上させることができる。
【0057】
尚、上述した試験を行うための試験プログラムも本発明に含まれる。このような試験プログラムは、端末試験装置1の制御部15のROMやハードディスク装置や、他の記憶装置に記憶され、CPUが読み出して実行する。
【0058】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。