(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IEEE 802.11ax標準化では上りリンクOFDMA(UL OFDMA)送信方式及び上りリンク多重ユーザ(UL MU)送信方式が用いられる予定である。これによって、同じ送信機会にAPは複数のSTAからUL MUフレームを受信することができ、これに対して確認応答フレームを送信することが必要である。
【0005】
このとき、複数のSTAにブロック確認応答フレーム(Block Ack Frame)を用いて効率的に確認応答信号を送信することを考慮できるが、複数のSTAに対するMU BAフレーム又はM−BAフレームはサイズが増加するため、オーバーヘッドが問題になり得る。
【0006】
また、複数のSTAの一部はBAを要求し、一部は一般ACKを要求する場合、手順が複雑になり、確認応答過程が遅延されることがある。
【0007】
以下の説明では、上述したUL MU送信状況で効率的に確認応答信号を送信するための方法及び装置について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述したような課題を解決するための本発明の一側面では、無線LAN(WLAN)システムにおいてステーション(STA)がAP(Access Point)に多重ユーザ方式で接続する方法であって、上記APからトリガー(trigger)フレームを受信し、上記トリガーフレームに応答して上記APに多重ユーザ接続方式でデータを送信することを含み、上記STAは、上記トリガーフレームベースで送信されるデータのACK政策値を、ブロック確認応答要求(Block Ack Request)ベースで確認応答信号送信を要求する第1ACK政策値以外の値に設定することを特徴とする、確認応答信号送信方法を提案する。
【0009】
上記STAは、上記トリガーフレームベースで送信されるデータのACK政策値を、一般確認応答又は即時送信ブロック確認応答を要求する第2ACK政策値に設定することができる。
【0010】
上記方法は、上記第2ACK政策値に設定されたデータの送信後に、上記APから上記データに対する確認応答信号を受信することをさらに含むことができる。
【0011】
このとき、上記確認応答信号は、上記第2ACK政策値に設定されたデータを送信してからSIFS(short interframe space)後に受信されてもよい。
【0012】
上記APから多重ユーザ方式で下りリンクデータを受信する場合、上記下りリンクデータのACK政策値は、上記第1ACK政策値を含む複数のACK政策値のいずれか一つに設定されてもよい。
【0013】
上記複数のACK政策値は、一般確認応答又は即時送信ブロック確認応答を要求する‘00’、確認応答を要求しない‘01’、明示的な確認応答を要求しないか又はPSMP(power save multi−poll)確認応答を要求する‘10’、及びブロック確認応答要求(Block Ack Request)ベースで確認応答信号送信を要求する‘11’を含むことができる。
【0014】
ここで、上記第1ACK政策値は‘11’であり、上記第2ACK政策値は‘00’であってもよい。
【0015】
一方、本発明の他の側面では、無線LAN(WLAN)システムにおいてAP(Access Point)に多重ユーザ方式で接続するステーション(STA)であって、上記APからトリガー(trigger)フレームを受信し、上記トリガーフレームに応答して上記APに多重ユーザ接続方式でデータを送信するように構成される送受信器と、上記送受信器に接続して、上記送受信器に上記データを提供するように構成されるプロセッサとを備え、上記プロセッサは、上記トリガーフレームベースで送信されるデータのACK政策値を、ブロック確認応答要求(Block Ack Request)ベースで確認応答信号送信を要求する第1ACK政策値以外の値に設定するように構成されることを特徴とするステーションを提案する。
【0016】
上記プロセッサは、上記トリガーフレームベースで送信されるデータのACK政策値を、一般確認応答又は即時送信ブロック確認応答を要求する第2ACK政策値に設定するように構成されてもよい。
【0017】
上記送受信器が上記APから多重ユーザ方式で下りリンクデータを受信する場合、上記プロセッサは、上記第1ACK政策値を含む複数のACK政策値のいずれか一つに設定される上記下りリンクデータのACK政策値を確認するように構成されてもよい。
【0018】
一方、本発明の更に他の側面では、無線LAN(WLAN)システムにおいてAP(Access Point)が多重ユーザ方式で複数のステーション(STA)からデータを受信する方法であって、上記複数のSTAにトリガー(trigger)フレームを送信し、上記複数のSTAから多重ユーザ接続方式でデータを受信することを含み、上記トリガーフレーム送信後に受信されるデータのACK政策値は、ブロック確認応答要求(Block Ack Request)ベースで確認応答信号送信を要求する第1ACK政策値以外の値に設定されることを特徴とする、多重ユーザデータ受信方法を提案する。
【0019】
上記トリガーフレーム送信後に受信されるデータのACK政策値は一般確認応答又は即時送信ブロック確認応答を要求する第2ACK政策値に設定されてもよい。
【0020】
上記APが多重ユーザ方式で上記複数のSTAに下りリンクデータを送信する場合、上記APは、上記下りリンクデータのACK政策値を、上記第1ACK政策値を含む複数のACK政策値のいずれか一つに設定することができる。
【0021】
また、本発明の更に他の側面では、無線LAN(WLAN)システムにおいて多重ユーザ方式で複数のステーション(STA)からデータを受信するAP(Access Point)装置であって、上記複数のSTAにトリガー(trigger)フレームを送信し、上記複数のSTAから多重ユーザ接続方式でデータを受信するように構成される送受信器と、上記送受信器に接続して上記データを処理するように構成されるプロセッサとを備え、上記プロセッサは、上記データのACK政策値がブロック確認応答要求(Block Ack Request)ベースで確認応答信号送信を要求する第1ACK政策値以外の値に設定されていることに対応して動作するように構成される、AP装置を提案する。
【0022】
このとき、上記トリガーフレーム送信後に受信されるデータのACK政策値は、一般確認応答又は即時送信ブロック確認応答を要求する第2ACK政策値に設定されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
上述したような本発明によれば、UL MU送信状況でAPが複数のSTAに対する確認応答信号を遅延無しで送信することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのものであり、本発明が実施され得る唯一の実施の形態を表すものではない。
【0026】
以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、このような具体的な細部事項無しにも本発明が実施され得るということが当業者には理解できる。いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。
【0027】
上述したように、以下の説明は、無線LANシステムにおいて広い帯域を有するチャネルを効率的に活用するための方法及びそのための装置に関する。そのために、まず、本発明が適用される無線LANシステムについて具体的に説明する。
【0028】
図1は無線LANシステムの構成の一例を示した図である。
【0029】
図1に示したように、無線LANシステムは一つ以上の基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)を含む。BSSは成功的に同期化して互いに通信することができるステーション(Station、STA)の集合である。
【0030】
STAは媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理階層(Physical Layer)インターフェースを含む論理個体であって、アクセスポイント(access point、AP)と非AP STA(Non−AP Station)を含む。STAのうち、使用者が操作する携帯用端末はNon−AP STAであって、単にSTAと言うときはNon−AP STAを示すこともある。Non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit、WTRU)、使用者装備(User Equipment、UE)、移動局(Mobile Station、MS)、携帯用端末(Mobile Terminal)、又は移動加入者ユニット(Mobile Subscriber Unit)などの他の名称とも呼ばれることができる。
【0031】
そして、APは自分に結合されたSTA(Associated Station)に無線媒体を介して分配システム(Distribution System、DS)への接続を提供する個体である。APは、集中制御器、基地局(Base Station、BS)、Node−B、BTS(Base Transceiver System)、又はサイト制御器などと呼ばれることもできる。
【0032】
BSSはインフラストラクチャー(infrastructure)BSSと独立的(Independent)BSS(IBSS)に区分することができる。
【0033】
図1に示したBBSはIBSSである。IBSSはAPを含んでいないBSSを意味し、APを含んでいないので、DSへの接続が許されなくて自己完結的ネットワーク(self−contained network)を成す。
【0034】
図2は無線LANシステムの構成の他の例を示した図である。
【0035】
図2に示したBSSはインフラストラクチャーBSSである。インフラストラクチャーBSSは一つ以上のSTA及びAPを含む。インフラストラクチャーBSSにおいて、非AP STAの間の通信はAPを介してなされることが原則であるが、非AP STAの間に直接リンク(link)が設定された場合には、非AP STAの間で直接通信も可能である。
【0036】
図2に示したように、複数のインフラストラクチャーBSSはDSを介して互いに連結されることができる。DSを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)と言う。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、同じESS内で非AP STAは切れなしに通信しながら一つのBSSから他のBSSに移動することができる。
【0037】
DSは複数のAPを連結するメカニズム(mechanism)であって、必ずしもネットワークである必要はなく、所定の分配サービスを提供することができる限り、その形態に対しては何らの制限がない。例えば、DSはメッシュ(mesh)ネットワークのような無線ネットワークであってもよく、APを互いに連結する物理的な構造物であってもよい。
【0038】
以上に基づいて無線LANシステムにおけるブロック確認応答(Block Ack)方式について説明する。
【0039】
Block Ackメカニズムは、一つのフレームに複数の確認応答を含めて送信することによってチャネル効率性を増大させる方式である。Block Ackメカニズムには即時応答方式及び遅延応答方式の2種類の方式がある。即時応答方式は、広い帯域幅と低い遅延トラフィック送信に有利であり、遅延応答方式は、遅延に敏感でないアプリケーションに適合する。以下の説明において特別な規定がない限り、Block Ackメカニズムを用いてデータを送るSTAを発信者(originator)と、このようなデータを受信するSTAを受信者(recipient)と表現する。
【0040】
図3は、無線LANシステムにおいて活用されるBlock Ackメカニズムを説明するための図である。
【0041】
Block Ackメカニズムを
図3に示すようにADDBA(add Block Acknowledgment)要求/応答フレームの交換によって開始することができる((a)Setup段階)。このような開始後に、QoSデータフレームブロックを発信者から受信者に送信することができる。これらのブロックは、ボールされたTXOP内又はEDCA競合で勝つことによって開始することができる。上記ブロック内フレームの数は制限されてもよい。このようなフレームブロック内MPDUは、BlockAckReqフレームによる要求に応じて受信されるBlockAckフレームによって受信確認することができる((b)Data & Block Ack段階)。
【0042】
発信者にとってそれ以上送信するデータがなく、最終Block Ack交換が完了する場合、発信者は受信者にDELBA(delete Block Acknowledgment)フレームを送信してBlock Ackメカニズムを終了することができる。このようなDELBAフレームを受信した受信者は、Block Ack送信のために割り当てられた全てのリソースを解除することができる((c)Tear Down段階)。
【0043】
図4は、ブロック確認応答フレームの基本構成を示す図である。
【0044】
ブロック確認応答フレームは、
図4に示すように、MACヘッダーフィールド、BA制御(BA Control)フィールド及びBA情報(BA information)フィールドを含むことができる。また、MACヘッダーフィールドはフレーム制御フィールド、Duration/IDフィールド、RAフィールド及びTAフィールドを含むことができる。ここで、RAフィールドは受信STAのアドレスを、TAフィールドは発信STAのアドレスを示す。
【0045】
図5は、
図4に示したBA制御フィールドの具体的構成を示す図である。
【0046】
BA制御フィールド内BA Ack政策サブフィールドの値は次表1のような意味を伝達することができる。
【0048】
一方、BA制御フィールド内Multi−TID、Compressed Bitmap及びGCRサブフィールドは、可能なBlockAckフレーム変形を次のような規定によって決定することができる。
【0050】
図6は、
図4に示したBA情報フィールドの具体的構成を示す図であり、
図7は、Block Ack開始シーケンス制御サブフィールドの構成を示す図である。
【0051】
図6に示すように、BA情報フィールドはBlock Ack開始シーケンス制御(SSC)サブフィールド及びBlock Ackビットマップサブフィールドを含むことができる。
【0052】
図6に示すように、Block Ackビットマップサブフィールドは128オクテット長を有し、これによって、64個のMSDUの受信状態を示すことができる。Block Ackビットマップフィールドのビット位置nは、仮に1に設定される場合、(SSC+n)に対応するMPDUシーケンス制御値を有するMPDUの受信成功を示すことができ、ここで、SSCはBlock Ack開始シーケンス制御サブフィールドの値を表す。一方、Block Ackビットマップフィールドのビット位置nが0に設定される場合、(SSC+n)に対応するMPDUシーケンス制御値を有するMPDUが受信されなかったことを示すことができる。MPDUシーケンス制御フィールド及びBlock Ack開始シーケンス制御サブフィールド値はそれぞれ、16ビットの符号なし整数(unsigned integer)と取り扱うことができる。MSDUの未使用フラグメント番号(fragment number)に対して、ビットマップにおける対応するビットは、0に設定することができる。
【0053】
図8は、圧縮されたBlock AckフレームのBA情報フィールド構成を示す図である。
【0054】
圧縮されたBlock AckフレームのBS情報フィールドのBlock Ackビットマップは、
図8に示すように、8オクテット長を有することができ、64個のMSDU及びA−MSDUの受信状態を示すことができる。ビットマップの最初のビットは開始シーケンス番号サブフィールドの値に対応するMSDU又はA−MSDUに対応し、各ビットは上記MSDU又はA−MSDU後のMSDU又はA−MSDUに順次に対応し得る。
【0055】
図9は、Multi−TID Block AckフレームのBA情報フィールドを示す図である。
【0056】
Multi−TID BlockAckフレームのBA制御フィールドのTID_INFOサブフィールドは、BA情報フィールドでいくつのTIDに対する情報を伝達するかを示す。具体的に、TID_INFOサブフィールドの値は、BA情報フィールドの情報に対応するTIDの数−1を示す。例えば、TID_INFO値が2である場合、BA情報フィールドは3個のTIDに対する情報を含むことを示すことができる。
【0057】
一方、Multi−TID BlockAckフレームの場合、
図9に示すように、Block Ack開始シーケンス制御サブフィールド及びBlock Ackビットマップサブフィールドに加えてPer TID Infoサブフィールドをさらに含むことができる。最初に登場するPer TID Info、block Ack開始シーケンス制御、Block Ackビットマップサブフィールドは、最も低いTID値に対応して送信することができ、次の繰り返されるサブフィールドは次のTIDに対応し得る。これら三つ揃いのサブフィールドはTIDごとに繰り返され得る。
【0058】
図10及び
図11は、Block Ackメカニズムが下りリンクMU−MIMO方式に適用される場合を説明するための図である。
【0059】
図10及び
図11に示すように、APは複数のSTA(STA1〜3)にMU−MIMOデータフレームを送信することができる。
【0060】
図10は、MU PPDUを送信してからSIFS後にフレーム交換がなされることを仮定している。
図10の場合、STA1に対しては暗黙的Block Ack要求がAck政策として設定され、STA2及びSTA3に対してはBlock ACKがAck政策として設定されたことを仮定している。このため、STA1の場合、BAに対する要求無しにも直ちに下りリンクMU PPDU受信後にBAフレームを送信することができる。これに対し、STA2及びSTA3にはAPがBAR(BA Request)フレームを送信してポーリングを行うことができ、これに応じてSTA2及びSTA3はBAフレームを送信することができる。
【0061】
一方、
図11は、MU PPDU後にSIFS無しでフレーム交換がなされる例であり、全STAにAck政策としてBlock Ackが設定された場合を仮定する。これによって、APは全STAにBARフレームを送信してポールすることができる。
【0062】
図12は、本発明が適用される上りリンク多重ユーザ送信状況を説明するための図である。
【0063】
上述したように、802.11axシステムではUL MU送信方式を用いることができ、これは、
図12に示すようにAPが複数のSTA(例えば、STA1〜STA4)にトリガーフレーム(Trigger Frame)を送信することによって開始することができる。トリガーフレームはUL MU割り当て情報(例えば、リソース位置及びサイズ、STA ID、MCS、MUタイプ(MIMO、OFDMAなど))を含むことができる。具体的にトリガーフレームで送信し得る情報の一例として次のものを挙げることができ。
【0065】
一方、
図12に示すように、APは媒体に接続するために競合過程を経てトリガーフレームを送信するTXOPを取得することができる。これによって、STAはトリガーフレームのSIFS後に、APの示すフォーマットでULデータフレームを送信することができる。これに対応して本発明に係るAPはBA(Block ACK)フレームでUL MUデータフレームに対して確認応答を行うことを仮定する。
【0066】
一方、上りリンク多重接続方式においてAPの送信する確認応答信号送信方式を柔軟にするためにSTA別ACK政策値を柔軟に適用することを考慮することができる。
【0067】
UL MUフレームのQoS制御フィールドは次のような構成を有しており、特にQoS制御フィールドはビット5〜6にACK政策を示す2ビットのフィールドを有する。
【0070】
上記の表4及び表5に示したACK政策フィールドの値は次のように設定されている。
【0075】
すなわち、上述したAck政策フィールドは2ビット情報を用いて4つの異なる値を示すことができ、それぞれの値に対する定義は、上記表6〜表9に定義された通りである。以下の説明では、このようなAck政策フィールドを上りリンクMU状況にも適用して、APがより柔軟に複数のSTAに対して確認応答信号を送信する方法を提案しようとする。以下の説明で使用するACK政策値は、上記の表6〜表9に示した意味の他にも次のような意味をさらに有することができるが、特別に規定しない限り、上記の表6〜表9の定義を借用するものとする。
【0076】
図13は、本発明の一実施例によってAck政策を活用して複数のSTAに確認応答信号を送信する方法を説明するための図である。
【0077】
図13の例のように、APはSTA1〜4にトリガーフレームを送信してUL MUフレーム送信を誘導することができる。これに応じてSTA1〜4がUL MUフレームを送信する時、MPDUにACK政策を含めて送信することができる。
図13ではSTA1及び3はACK政策値を00に設定し、STA2及び4はACK政策値を11に設定することを仮定した。
【0078】
UL MUフレームのACK政策値が00である場合、本実施の形態では単一MPDUに対する暗黙的BA/ACKを要求すると仮定し、APは該当のSTAのUL MUフレームを受信してからSIFS時間後に、ACK政策==00(暗黙的BA/ACK)を示すUL MUフレームを送信したSTAにBAを同時に直ちに送信(すなわち、M−BA送信)することができる。M−BAは複数のSTAに対するACK/BAを含むと仮定する。すなわち、ACK政策==00を有するUL MUフレームを一つ以上受信すると、SIFS後にM−BAを送信し、その後、Ack政策がBA11に設定されたUL MUフレームを送信したSTAからはBARを受信した後、Block ACKを、BARを送信したSTAに送信することができる。
【0079】
図13でSTA1、STA3のACK政策が00(暗黙的BA又は単一MPDUに対するACK(ACK for single MPDU))であるので、APはUL MUフレームを受信してSIFS後に、STA1、STA3にBA/ACKを一度に送信(すなわち、M−BAで送信)する。このとき、複数STA(Multiple STA)に対するBA/ACK情報を含むBlock ACK(Multi−STA BA)をAPが送信することもできる。
【0080】
その後、APは、ACK政策がBA11であるULフレームを送信したSTA2及びSTA4からBARを受けるために待つことができる。STA2がBARを競合ベースで送信し、APは応答としてSTA2にBAを送信することができる。その後、STA4がBARを競合ベースで送信し、APは応答としてSTA4にBAを送信することができる。
【0081】
ただし、
図13のように複数のSTA別にACK政策値を柔軟に運用する場合、UL MU動作が複雑になることがあり、特に、ACK政策値‘11’を使用するSTAの場合、APは当該STAからのBAR受信を待った後にACKを送信するしかなく、手順が遅れてしまう。
【0082】
このことから、本発明の好適な一実施の形態ではUL MU状況でACK政策値‘11’を使用しないように設定することを提案する。これによって、STAはUL MU形態でデータを送信し、これに対するACK政策値は‘11’以外の値(例えば、‘00’、‘01’及び‘10’)に設定することを仮定する。これによって、STAは確認応答を要求する場合、ACK政策値を‘00’に設定して動作することが好ましい。
【0083】
このようなUL MUの状況は上述したDL MUの状況とは異なり得る。DL MUの場合、APが複数のSTAに対するACK政策値を一括的に決定できるため、APの状況に応じて一部のSTAにBARベースで動作するACK政策を選択することができる。
【0084】
図14は、本発明の一実施の形態によってブロック確認応答要求に基づくACK政策値を使用しない場合を説明するための図である。
【0085】
図14に示すように、APはトリガーフレームを送信して複数のSTAのUL MU方式フレーム送信を誘導することができる。これに応じて各STAはUL MUフレームを送信するが、
図14の例においてSTA1〜STA4が当該フレームに対する確認応答の受信を要求することを仮定する。したがって、STA1〜4はいずれもACK政策値を‘00’に設定して送信し、これによって、SIFS以降にAPから確認応答信号を受信するようになる。
【0086】
一方、
図14の例ではAPがM−BAで確認応答信号を送信する場合を示している。したがって、APはM−BAを用いてSTA1〜STA4に対する確認応答信号を全て含んで送信することができる。
【0087】
図15及び
図16は、本発明が適用される上りリンク多重接続状況についてさらに説明するための図である。
【0088】
図15は、上述した説明のように、APの送信したトリガーフレームに応答してSTA1〜STA4がUL MU PPDUを送信する状況を示す図である。
図15で、STA1〜STA3は、送信したUL MU PPDUに対する確認応答信号を要求しているので、上述したように、ACK政策値を‘00’に設定して送信することが好ましい。ただし、
図15でSTA4は送信したUL MU PPDUに対して確認応答信号を要求せず、これによってACK政策値を‘01’に設定して送信することができる。
【0089】
これによって、APは、ACK政策値を‘00’に設定したSTA1〜STA3に対してDL OFDMA BA又はM−BAで確認応答信号を送信することができる。
【0090】
一方、
図16に示すように、APがDL MU PPDUを送信する時、トリガーフレーム(Trigger frame)を共に送信し、これによってSTAがUL MU PPDU又はUL Ackを送信した後に、Ackを必要とするUL MU PPDUに対してDL Ackを送信することもできる。このとき、DL MU PPDUに対するAckを送信するためのトリガー情報は含まれてもよく、暗黙的(implicit)にしてもよい。
【0091】
この時、DL Ack frameはOFDMA形態で送信されてもよく、M−BA形態で送信されてもよい。すなわち、各STAに送信されるAck情報が各OFDMAフレームとして構成されて送信されてもよく、全てのSTAに送信されるAck情報が1つのフレーム内に併合(Aggregation)され、1つのフレームとして構成されて送信されてもよい。20MHz内でのみM−BAを使用し、それ以上のBWに対してはOFDMA形態で送信するなどの2種類の方式のハイブリッド(Hybrid)方式も可能である。
【0092】
上述したように、UL MU状況ではDL MU状況と違い、ACK政策値をSTA別に異なるように設定する場合、手順が複雑となり、不要な遅延が発生することがあるので、ACK政策値‘11’を使用しないことが好ましい。
【0093】
ただし、本発明の他の実施の形態では、上述したようなUL MU状況でSTA別に異なるACK政策値を選択する問題を解決し、且つ、STA別状況によってACK政策を柔軟に運用するためにAPがトリガーフレームを用いてSTA別ACK政策を設定することを提案する。
【0094】
図17及び
図18は、本発明の他の実施例であって、APがトリガーフレーム送信時にACK政策値を説明する場合を示している。
【0095】
このとき、APはトリガーフレームでACK政策を全STAに対して同一に又はSTA別に異なるように設定することができる。
図17は、全STAに対して同じACK政策==00(暗黙的BA)を設定した例を示し、
図18はSTA別にACK政策を設定した例を示している。
【0096】
図18の例で、STA1、STA3のACK政策(A_P)は00(暗黙的BA/単一MPDUに対するACK)に設定され、STA2、STA4に対するACK政策(A_P)は11(Block ACK)に設定されているため、APはUL MUフレームを受信し、M−BAでSTA1、STA3に対するBA/ACKを送信し、その後、STA2、STA4に対するMU BAR送信のためのリソースをトリガーフレームを用いて割り当てることができる。
【0097】
図19は、上述したような方法を具現するための装置を説明するための図である。
【0098】
図19で、無線装置800は上述の説明における特定STAに、無線装置850は上述の説明におけるAPに対応し得る。
【0099】
STA800はプロセッサ810、メモリ820、送受信部830を備えることができ、AP850はプロセッサ860、メモリ870及び送受信部880を含むことができる。送受信部830,880は無線信号を送信/受信し、IEEE 802.11/3GPPなどの物理層で実行され得る。プロセッサ810,860は物理層及び/又はMAC層で実行され、送受信部830,880に接続している。プロセッサ810,860は上述のUL MUスケジューリング手順を行うことができる。
【0100】
プロセッサ810,860及び/又は送受信部830,880は、特定集積回路(application−specific integrated circuit;ASIC)、他のチップセット、論理回路及び/又はデータプロセッサを含むことができる。メモリ820,870は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体及び/又は他の記憶ユニットを含むことができる。一実施例がソフトウェアによって実行されるとき、上述の方法は上述の機能を実行するモジュール(例えば、プロセス、機能)として実行されてもよい。上記モジュールはメモリ820,870に記憶され、プロセッサ810,860によって実行され得る。上記メモリ820,870は上記プロセス810,860の内部又は外部に配置され、周知の手段によって上記プロセス810,860に接続し得る。
【0101】
以上開示された本発明の好適な実施の形態に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。上記では本発明の好適な実施の形態を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者は上述の説明から本発明を様々に修正及び変更させ得ることが理解できるであろう。したがって、本発明は、ここに現れた実施の形態に制限されものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えようとするものである。