(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを混合して染毛剤として用いられる毛髪化粧料組成物において、下記(a)〜(e)成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
(a)セチルアルコール、ステアリルアルコールから選ばれる少なくとも1種 2〜6質量%
(b)パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる少なくとも1種 0.25〜1.5質量%
(c)リンゴ酸ナトリウム 0.5〜2質量%
(d)モノエタノールアミン 1.5〜4質量%
(e)ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 0.4〜0.8質量%
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の毛髪化粧料組成物は、現在広く利用されている染毛剤と同様に、酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤よりなる二剤型として提供される。これらの第1剤及び第2剤の剤型は、乳液状、クリーム状、ワックス状あるいは泡状等とすることができ、エアゾール形態とすることもできる。
【0010】
本発明における高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。中でもミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましい。これらは単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0011】
本発明の毛髪化粧料組成物における高級アルコールの含有量は特に限定されないが、好ましくは1〜10質量%であり、中でも2〜6質量%が好ましい。1質量%未満では染毛効果が弱くなり、また10質量%を超えて含有させても、大きな染毛効果の向上が見られず非経済的である。
【0012】
本発明における高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。中でもミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましい。これらは単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0013】
本発明の毛髪化粧料組成物における高級脂肪酸の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.05〜2.5質量%であり、中でも0.25〜1.5質量%が好ましい。0.05質量%未満では十分な刺激臭の低減効果が見込めず、また2.5質量%を超えて含有させても、大きな刺激臭の低減効果向上が見られず非経済的である。
【0014】
本発明における脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等のアルカリ金属塩が挙げられる。中でもリンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが好ましい。これらは単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0015】
本発明の毛髪化粧料組成物における脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩の含有量は、0.1〜4質量%であり、中でも0.5〜2質量%が好ましい。0.1質量%未満では十分な染毛効果の向上が見込めず、また4質量%を超えて含有させると、皮膚に与える刺激が高くなる恐れがある。
【0016】
本発明の毛髪化粧料組成物におけるモノエタノールアミンの含有量は、1〜5質量%であり、中でも1.5〜4質量%が好ましい。1質量%未満では十分な染毛効果が得られず、また5質量%を超えて含有させると、皮膚に与える刺激が高くなる。
【0017】
本発明の毛髪化粧料組成物におけるジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムの含有量は、0.2〜1.5質量%であり、中でも0.4〜0.8質量%が好ましい。0.2質量%未満では染毛効果の向上が見込めず、1.5質量%を超えて含有させると、皮膚に与える刺激が高くなる。
【0018】
本発明の毛髪化粧料組成物の第1剤には、染料として酸化染料が含有されている。
【0019】
酸化染料としては、パラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、5−アミノオルトクレゾール、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、N−メトキシエチル−パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2−(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、2,6−ジメチル-パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルアミン、1,3−ビス(N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−アミノフェニル)アミノ)−2−プロパノール、PEG−3,3,2′−パラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−アセタミドフェノール、3,4−ジアミノ安息香酸、5−アミノサリチル酸、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジン、4,5−ジアミノ−1−(4′−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−ヒドロキシエチルピラゾール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール、2,4−ジアミノ−5−(2−ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4−ジメトキシ−1,3−ジアミノベンゼン、2,6−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2−メチル−5−アミノフェノール、2−メチル−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、2−クロロ−3−アミノ−6−メチルフェノール、2−メチル−4−クロロ−5−アミノフェノール、N−シクロペンチル−メタアミノフェノール、2−メチル−4−メトキシ−5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2−メチル−4−フルオロ−5−アミノフェノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4−メチレンジオキシフェノール、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシフェノール、3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジン及びそれらの塩類が挙げられる。その他、「医薬部外品原料規格2006統合版」(2013年11月25日発行、薬事日報社)に収載されたものも適宜用いることができる。これらの染料は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0020】
さらに、第1剤には酸化染料以外の染料として直接染料を含有させてもよい。この直接染料としては、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール及びそれらの塩、並びに、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年厚生省告示)により定められた酸性染料や塩基性染料等が挙げられる。尚、前記酸性染料には、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色402号、だいだい色205号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号等がある。また、塩基性染料には、アンモニウム基、カルベニウム基等を有する染料が挙げられ、さらに具体的には、9−(ジメチルアミノ)−ベンゾ[a]フェノキサジ−7−イウム−クロライド(CI51175;ベーシック・ブルーNo.6)、ジ[4−(ジエチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI42595;ベーシック・ブルーNo.7)、3、7−ジ(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウム−クロライド(CI52015;ベーシック・ブルーNo.9)、ジ[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(フェニルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI44045;ベーシック・ブルーNo.26)、2−[(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)アゾ]−6−メトキシ−3−メチル−ベンゾチアゾリウム−硫酸メチル(CI11154;ベーシック・ブルーNo.41)、8−アミノ−2−ブロム−5−ヒドロキシ−4−イミノ−6−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アミノ]−1(4H)−ナフタリノン−クロライド(CI56059;ベーシック・ブルーNo.99)、ビス[4−(ジメチルアミノ)−フェニル][4−(メチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42535;ベーシック・バイオレットNo.1)、トリス(4−アミノ−3−メチルフェニル)−カルベニウム−クロライド(CI42520;ベーシック・バイオレットNo.2)、トリス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42555;ベーシック・バイオレットNo.3)、2−[3、6−(ジエチルアミノ)ジベンゾピラニウム−9−イル]−安息香酸−クロライド(CI45170;ベーシック・バイオレットNo.10)、ジ(4−アミノフェニル)(4−アミノ−3−メチルフェニル)カルベニウム−クロライド(CI42510;ベーシック・バイオレットNo.14)、1、3−ビス[(2、4−ジアミノ−5−メチルフェニル)アゾ]−3−メチルベンゼン(CI21010;ベーシック・ブラウンNo.4)、1−[(4−アミノフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12250;ベーシック・ブラウンNo.16)、1−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12251;ベーシック・ブラウンNo.17)、3、7−ジアミノ−2、8−ジメチル−5−フェニル−フェナジニウム−クロライド(CI50240;ベーシック・レッドNo.2)、1、4−ジメチル−5−[(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ]−1、2、4−トリアゾリウム−クロライド(CI11055;ベーシック・レッドNo.22)、2−ヒドロキシ−1−[(2−メトキシフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−ナフタリン−クロライド(CI12245;ベーシック・レッドNo.76)、2−[2((2、4−ジメトキシフェニル)アミノ)エテニル]−1、3、3−トリメチル−3H−インドール−1−イウム−クロライド(CI48055;ベーシック・イエローNo.11)、3−メチル−1−フェニル−4−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アゾ]−ピラゾール−5−オン−クロライド(CI12719;ベーシック・イエローNo.57)、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]フェニルカルベニウム−硫酸水素塩(1:1)(CI42040;ベーシック・グリーンNo.1)等が挙げられる。
これらの直接染料は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0021】
本発明の毛髪化粧料組成物の第1剤には、モノエタノールアミン以外にもアルカリ剤を含有させてもよい。
【0022】
アルカリ剤としては、アンモニア、アルカノールアミン類(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、有機アミン類(モルホリン、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられ、その中でもアンモニアが特に好ましい。これらのアルカリ剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0023】
本発明の毛髪化粧料組成物の第2剤には、酸化剤が含有されている。
【0024】
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウム等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これらの酸化剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0025】
本発明の毛髪化粧料組成物には、界面活性剤、油性成分、溶剤、増粘剤等を含有させることができる。
【0026】
界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びそれらの塩類が挙げられる。
【0028】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルエチルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0029】
非イオン界面活性剤の具体例としては、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POE脂肪酸類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも酸やアルカリ剤に強いことからPOEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル等が好ましく、POEアルキルエーテル類が特に好ましい。POEアルキルエーテル類の具体例としてはPOEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル及びPOEオレイルエーテル類が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイト−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0031】
これらの界面活性剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0032】
油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、エステル類、シリコーン類が挙げられる。
【0033】
炭化水素の具体例としては、α−オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、ポリエチレン末、オゾケライト、ポリブテン、セレシン等が挙げられる。
【0034】
油脂の具体例としては、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ツバキ油、アボガド油、ヒマシ油、ゴマ油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、月見草油、マカデミアナッツ油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、シア脂、ホホバ油等の植物油脂類;牛脂、乳脂、馬脂、ミンク油、ラノリン等の動物性油脂類等が挙げられる。
【0035】
ロウ類の具体例としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、カルナウバロウ等が挙げられる。
【0036】
エステル類の具体例としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリット脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
【0037】
シリコーン類の具体例としては、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0038】
これらの油性成分は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0039】
溶剤の具体例としては、水、エタノール、イソプロパノール、n―プロパノール、n―ブタノール、イソブタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドン、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が挙げられる。これらの溶剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0040】
増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン、フェラーセン、アラビアガム、ガッチガム、カラヤガム、トラガントガム、カンテン末、ベントナイト、架橋性ポリアルキル酸塩等の増粘剤等が挙げられる。これらの増粘剤は単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0041】
また、さらにその他の添加成分として、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆タンパク、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の保湿剤;パラベン等の防腐剤;リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤;チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、炭酸ガス等の噴射剤;その他、アミノ酸、植物抽出液、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。これらは単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【実施例】
【0042】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、表1〜4における各成分の含有量を示す数値の単位は質量%である。
【0043】
(実施例1〜16及び比較例1〜8)第1剤、第2剤ともクリームの二剤型の毛髪化粧料組成物としての実施例1〜16及び比較例1〜8において、表1〜4に示すように第1剤及び第2剤を調製した。
【0044】
表1〜4の各列の毛髪化粧料組成物について、第1剤と第2剤を質量比1:1で混合したベースを、毛束(株式会社ビューラックス社製 中国人黒髪毛、品番;BS−B−A)に質量比で1:1となるように塗布した。この毛束を、25℃の条件下において15分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。この毛束を20名のパネラーにより評価し、以下に示すように評価した。その結果を表1〜4に示す。
【0045】
<染毛効果>
染毛前の毛束を基準として、色の変化が非常に大きい(5点)、色の変化がやや大きい(4点)、色の変化がある(3点)、色の変化がやや少ない(2点)、色の変化が非常に少ない(1点)の5段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が4点以上を「非常に良い:◎」、3点以上4点未満を「良い:○」、2点以上3点未満を「やや良くない:△」、2点未満を「良くない:×」とし、評価結果とした。
【0046】
表1〜4の各列の毛髪化粧料組成物について、第1剤と第2剤の各20gをカップ中で混合した。この混合ベースの刺激臭について、20名のパネラーにより官能にて確認し、以下に示すように評価した。その結果を表1〜4に示す。
【0047】
<刺激臭>
刺激臭を感じない(5点)、刺激臭をあまり感じない(4点)、どちらともいえない(3点)、刺激臭をやや感じる(2点)、刺激臭をかなり感じる(1点)の5段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が4点以上を「非常に良い:◎」、3点以上4点未満を「良い:○」、2点以上3点未満を「やや良くない:△」、2点未満を「良くない:×」とし、評価結果とした。
【0048】
上記刺激臭の官能試験で使用した混合ベースを用い、皮膚への刺激について、20名のパネラーにより評価した。各混合物の1gを、額関節部付近に500円玉程度の大きさになるよう塗布し、以下に示すように評価した。その結果を表1〜4に示す。
【0049】
<皮膚への刺激>
10分経過しても全く刺激を感じない(5点)、6〜10分経過後に刺激を感じる(4点)、3〜6分経過後に刺激を感じる(3点)、1〜3分経過後に刺激を感じる(2点)、1分以内に刺激を感じる(5点)の5段階で評価した。各パネラーの結果について平均点を算出し、平均値が4点以上を「非常に良い:◎」、3点以上4点未満を「良い:○」、2点以上3点未満を「やや良くない:△」、2点未満を「良くない:×」とし、評価結果とした。
【0050】
上記染毛効果、刺激臭、皮膚への刺激についての結果を、表1〜4に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示すように、実施例1〜4と比較例1、2から、高級アルコール、高級脂肪酸を含有し、1質量%の脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、4質量%のモノエタノールアミン、0.5質量%のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムを含有する場合について、染毛効果、刺激臭、皮膚への刺激において良好な結果が得られている。
【0053】
【表2】
【0054】
表2に示すように、実施例5〜8と比較例3、4から、高級アルコール、高級脂肪酸を含有し、0.1〜4質量%の脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、4質量%のモノエタノールアミン、0.5質量%のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムを含有する場合について、染毛効果、刺激臭、皮膚への刺激において良好な結果が得られている。
【0055】
【表3】
【0056】
表3に示すように、実施例9〜12と比較例5、6から、高級アルコール、高級脂肪酸を含有し、1質量%の脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、1〜5質量%のモノエタノールアミン、0.5質量%のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムを含有する場合について、染毛効果、刺激臭、皮膚への刺激において良好な結果が得られている。
【0057】
【表4】
【0058】
表4に示すように、実施例13〜16と比較例7、8から、高級アルコール、高級脂肪酸を含有し、1質量%の脂肪族ヒドロキシ酸のアルカリ金属塩、4質量%のモノエタノールアミン、0.2〜1.5質量%のジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムを含有する場合について、染毛効果、刺激臭、皮膚への刺激において良好な結果が得られている。
【0059】
実施例17
<第1剤(クリーム状)> 質量%
セタノール 4.0
ステアリルアルコール 0.5
パルミチン酸 2.0
クエン酸ナトリウム 3.0
モノエタノールアミン 5.0
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 1.0
トルエン−2,5−ジアミン 2.0
レゾルシン 0.4
オルトアミノフェノール 0.2
パラアミノフェノール 0.6
メタアミノフェノール 0.1
5−アミノオルトクレゾール 0.1
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 4.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(70%) 1.0
L−アスコルビン酸 0.5
硫酸マグネシウム 1.0
アンモニア水(25%) 1.0
精製水で100にする。
<第2剤(乳液状)>
セタノール 1.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(70%) 0.5
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.3
プロピレングリコール 6.0
リン酸、リン酸一水素ナトリウム 適量(pH 3.3となる量)
過酸化水素(35%) 16.6
精製水で100にする。
【0060】
上記組成物は、第1剤がクリーム状、第2剤が液状で構成され、1剤:2剤の混合比を1:1〜1:2の割合で混合する。得られた乳液状の毛髪化粧料組成物は、実施例と同様に、いずれも良好な結果が得られている。