(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るフード付LED照明器具200の全体構成を示す側面視図である。
このフード付LED照明器具200は、被照射面を投光照明する器具であり、被照射面における照射範囲形状を被照射面の形状に合せて調整可能に構成されている。具体的には、
図1に示すように、フード付LED照明器具200は、LED照明器具1と、このLED照明器具1の照射開口3に着脱自在に取付けられるフード260とを備え、このフード260が照射範囲形状を可変にしている。
【0015】
図2は、LED照明器具1の全体像を示した図である。
LED照明器具1は、反射鏡ユニット5と、LED光源ユニット10とを備える。
反射鏡ユニット5は、反射鏡4と、反射鏡4の先端の照射開口3と、照射開口3に固定される前面ガラス(光透過部材)2とを備える。
前面ガラス2は照射開口3の周縁部に所謂かしめ結合されており、前面ガラス2の外周部と照射開口3の周縁部は防水された状態である。また、反射鏡ユニット5は、
図6に示すように、反射鏡4の後端に開口6と、開口6の周囲に備えられる光源ユニット接続部(取付けフランジ)7と、反射鏡4の後端部に備えられるアーム取付け片8と、アーム取付け片8に取付けられたアーム9とを備える。
上記LED光源ユニット10は、反射鏡4の後端の開口6に、取付けフランジ7を介して防水状態で取付けられている。
【0016】
図3、及び
図4は、LED光源ユニット10を示す。
LED光源ユニット10は、ベースプレート18と、ベースプレート18に連結されたヒートシンク19と、ヒートシンク19を覆う樹脂製カバー20とを備える。ベースプレート18の中央部には、COB型LED17が配置されている。COB型LED17は、多数のLEDをLED基板31の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部31Aを形成したチップオンボード(Chip On Board:COB)構造の発光デバイスである。COB型LED17は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量、及び高輝度なLED光源となる。本構成では、電源ボックス(不図示)が、LED光源ユニット10と別置である。したがって、電源値を変化させることで、複数の光学性能を包括可能なLED光源ユニット10を構成できる。
COB型LED17の上には、シリコンパッキン16と、絶縁シート15と、LED光源防水パッキン14と、が配置されている。
【0017】
LED光源防水パッキン14と密着して、相フランジ13が配置され、相フランジ13は、反射鏡ユニット5の取付けフランジ7に接合される。相フランジ13には取っ手13aが取付けられており、この取っ手13aを持ってLED照明器具へのリニューアルの作業を容易に行うことができる。相フランジ13の上には、LED押え金具12と、LED光源反射鏡11と、が配置されている。
なお
図5に示すように、LED光源反射鏡11の前面開口にアクリル板などの光透過性を有する保護カバー30を配置してもよい。
保護カバー30は、LED光源ユニット10を、例えば単体で使用する場合、LED光源の保護と安全性の観点から充電部保護のため設けられる。COB型LED17に直接手を触れさせないため、保護カバー30には手指が入らない大きさの通気孔29、29…を複数設ける構成としてもよい。この通気孔29、29…は充電部保護の効果と、保護カバー30を装着することによるLEDの温度上昇による光学性能(光出力)の低下を抑える効果を同時に奏する。また、通気孔29、29…は、
図5に示すように、保護カバー30のカバー面に同心的に配置されている。この通気孔29、29…は円弧状の長孔で形成され、保護カバー30の中心から外に向けて円環状に等間隔で配置される。この配置により、カバー面に通気孔29、29…の有る箇所と、無い箇所からの透過光による照射面での照度ムラを抑える効果を合わせて奏する。
【0018】
ベースプレート18は、COB型LED17が直接的に取付けられる基板取付け部材であり、高熱伝導材である。例えば金属であるアルミニウムから形成されている。ベースプレート18は、
図3に示すように、略円板状に形成され、その表面の中央にLED収容凹部40が設けられており、このLED収容凹部40に上記COB型LED17のLED基板31が収められ、その上面がシリコンパッキン16と絶縁シート15とにより覆われている。なお、COB型LED17からLED収容凹部40への伝熱を促進するために、両者の接触面に熱伝導グリス等を塗布し、或いは、熱伝導シートを介在させて両者間の熱抵抗を小さくしても良い。
【0019】
ベースプレート18の表面には、LED収容凹部40を囲む環状のLED押え金具12がネジ止め固定され、このLED押え金具12にLED光源反射鏡11が固定される。このLED押え金具12は、ベースプレート18へのネジ止め固定に伴い、COB型LED17のLED基板31、シリコンパッキン16、絶縁シート15、LED光源防水パッキン14、及び相フランジ13を上から押さえ付けるように構成されている。これにより、LED押え金具12の固定によってCOB型LED17の固定も兼ねられることとなり、ベースプレート18へのCOB型LED17のネジ止め固定等が不要となる。
【0020】
LED光源反射鏡11は、回転放物体や回転楕円体などの回転体形状であり、その内面に所定の配光制御に応じて決定された回転放物反射面や回転楕円反射面が形成された凹面鏡である。このLED光源反射鏡11は、樹脂材を母材とし、その表面に反射材をコーティングすることで構成されており、金属材から形成する場合に比べて軽量化が図られている。また、このLED光源反射鏡11は、ねじ込み式で上記LED押え金具12に取付け固定される。具体的には、LED光源反射鏡11の基端部35Aの縁部には、LED押え金具12の溝に係合する鍔部33が設けられている。LED押え金具12には係合溝42Aが設けられ、係合溝42Aに上記鍔部33が入り込み、LED光源反射鏡11の回転に伴って鍔部33が係合溝42Aに脱落不能に係合する。
LED光源反射鏡11の固定時には、この係合溝42Aに鍔部33をねじ込むことで、別途に工具を用いることなくLED光源反射鏡11を固定できる。また、LED光源反射鏡11の鍔部33も樹脂材で形成されており、係合溝42Aと鍔部33の間にバネ力(弾性力)が働き、両者の結合力が高められている。
【0021】
このLED光源ユニット10では、ベースプレート18とLED押え金具12の間が、絶縁シート15により絶縁され、LED押え金具12と相フランジ13の間が、LED光源防水パッキン14により絶縁される。
したがって、ベースプレート18に取付けられたCOB型LED17と、相フランジ13の間は絶縁される。これによれば、
図2に示すように、反射鏡ユニット5の取付けフランジ7と、LED光源ユニット10の相フランジ13とを接合する際に、COB型LED17と、反射鏡ユニット5の間は絶縁されており、COB型LED17のアース線の接続などが不要になる。
【0022】
ヒートシンク19は、COB型LED17からベースプレート18に伝えられた熱を放熱する放熱機構である。具体的には、ヒートシンク19は、複数枚の放熱フィン48と、ベースプレート18に伝えられたCOB型LED17の熱を放熱フィン48に伝える複数本のヒートパイプ49とを備えている。
放熱フィン48は、略矩形状の板材であり、熱伝導性に優れ軽量な金属材であるアルミニウム板で形成されている。多数枚の放熱フィン48を上記ヒートパイプ49のそれぞれが貫通し、これらの放熱フィン48が互いに所定間隔をあけるように積層して一体に束ねられている。これら放熱フィン48は、支持金具(不図示)によって、ベースプレート18の裏面から垂直に延びるように配置される。支持金具(不図示)は、放熱フィン48とベースプレート18の裏面との間に所定の隙間を設けて支持し、この隙間を通じてベースプレート18の裏面と放熱フィン48を空気が流通可能となり、ベースプレート18の裏面の熱溜まりが抑制される。
本構成では、ヒートシンク19を覆って樹脂製カバー20が設けられている。この樹脂製カバー20には、ヒートシンク19に対し、垂直に多数の空気の流通孔が設けられている。
【0023】
図6は、LED照明器具1の分解斜視図である。
反射鏡ユニット5において、反射鏡4の後端開口6の周囲には、円環状の取付けフランジ7が配置されている。取付けフランジ7は内周部に周溝(不図示)を備え、この周溝(不図示)にはOリング51が配置されている。
また、取付けフランジ7は、外周部に周方向に3等分に配置された止め具52を備えている。3つの止め具52は同じ構造であり、反射鏡4の後端に固定された一対の耳片53と、一対の耳片53の間に、一端が回動自在に支持されたボルト54と、ボルト54の他端に螺合した蝶ナット55とを備えている。
LED光源ユニット10において、反射鏡ユニット5の取付けフランジ7に接合される相フランジ13は、
図3に示すように、Oリング51に密着する密着面13bと、密着面13bの外周側で、止め具52と相対する係止片57とを備える。この係止片57には、取付けフランジ7に相フランジ13が接合されたとき、
図2に示すように、上記ボルト54が係合自在な溝部57aが形成されている。
上述した構成の取付けフランジ7と、相フランジ13とを接合させ、止め具52と係止片57とを連結させることにより、反射鏡ユニット5に対し、LED光源ユニット10が、Oリング51の機能と共に防水の状態で結合される。
【0024】
なお本構成において、LED光源ユニット10は、LED光源反射鏡11により光の配光を制御する。したがって、LED照明器具1では、反射鏡ユニット5の反射鏡4は、単に防水構造を提供するだけであり、光の配光の制御には寄与しない。
またLED光源反射鏡11は必須のものではない。例えば、COB型LED17を使用したとして、LED光源反射鏡11の代わりに配光用のレンズを用いてもよい。
【0025】
図7は、HID照明器具100の分解斜視図である。
HID照明器具100は、HIDランプユニット71と、上述した実施の形態の反射鏡ユニットと同じ構成を備えた反射鏡ユニット5と、を備えている。すなわち、この反射鏡ユニット5は、少なくとも、上述した構成の取付けフランジと共通の構造を有する取付けフランジ7を備えている。
HIDランプユニット71は、光源たるHIDランプ72と、このHIDランプ72やソケット(図示せず)等を収容する略筒状の光源筒73とを備え、この光源筒73の開口端73Aには、相フランジ113を備えている。
【0026】
上記相フランジ113は、HIDランプユニット71を反射鏡ユニット5に取り付けるために配置されている。
反射鏡ユニット5の取付けフランジ7は、上述したように、内周部に周溝(不図示)を備え、この周溝(不図示)にはOリング51が配置され、かつ、外周部には周方向に3等分に配置された止め具52を備えている。
3つの止め具52は同じ構造であり、反射鏡4の後端に固定された一対の耳片53と、一対の耳片53の間に、一端が回動自在に支持されたボルト54と、ボルト54の他端に螺合した蝶ナット55とを備えている。
【0027】
HIDランプユニット71において、反射鏡ユニット5の取付けフランジ7に接合される相フランジ113は、Oリング51に密着する密着面(不図示)と、密着面(不図示)の外周側で、止め具52と相対する係止片157とを備える。この係止片157には、取付けフランジ7に相フランジ113が接合されたとき、上記ボルト54が係合自在な溝部157aが形成されている。
上述した構成の取付けフランジ7と、相フランジ113とを接合させ、止め具52と係止片157とを連結させることにより、反射鏡ユニット5に対し、HIDランプユニット71が、Oリング51の機能と共に防水の状態で結合される。
【0028】
図8は、JIL 5004-2012 公共施設用照明器具(一般社団法人 日本照明工業会刊行)に規定されたHID照明器具100を示す。
公共施設用照明器具は、一般社団法人 日本照明工業会の公共施設用照明器具標準委員会が定める共通仕様であり、公共施設照明器具標準形名が同一ならば、メーカーを問わず同等の器具設計をされた器具となるため、器具を設置する施設に合わせた器具の選択をする際に有用となる。
ここに規定されたサイズのHID照明器具100の場合には、HIDランプユニット71の代わりにLED光源ユニット10を取付けたとき、反射鏡4の内側に籠る熱でCOB型LED17の性能が劣化せず、防水性も確保できることが判明している。
このHID照明器具100では、全長a、反射鏡4の先端の照射開口3の幅b、アーム9の下端からHIDランプ72のセンターまでの高さc、アーム9上端の回転中心とアーム9下端のボルト孔位置との距離dとする。
この実施の形態の適用は、全長aが、380〜470mmで、幅bが、350〜440mmで、高さcが、250〜360mmで、かつ、高さdが、180〜275mmにあるか、或いは、全長aが、490〜600mmで、幅bが、510〜590mmで、高さcが、290〜420mmで、かつ、距離dが、180〜325mmにある、HID照明器具100に、好適である。
【0029】
本実施の形態では、LED照明器具1の反射鏡ユニット5に対し、LED光源ユニット10を取り付ける際には、取付けフランジ7と、相フランジ13とを接合させ、止め具52と係止片57とを連結させることにより、反射鏡ユニット5に対し、LED光源ユニット10を、Oリング51の機能と共に防水の状態で結合できる。
また、HID照明器具100の反射鏡ユニット5に対し、HIDランプユニット71を取り付ける際には、取付けフランジ7と、相フランジ113とを接合させ、止め具52と係止片157とを連結させることにより、反射鏡ユニット5に対し、HIDランプユニット71を、Oリング51の機能と共に防水の状態で結合できる。
【0030】
したがって、例えば、一つの大空間を多数のHID照明器具100を用いて照明する現場において、HID照明器具100の一つ、または二つにランプ切れがあったとき、全体の照明デザインを崩すことなく、ランプ切れのHIDランプユニット71のみを、LED光源ユニット10に順次、置き換えが可能となる。
HIDランプユニット71を、現場状況に応じ、順々に、LED光源ユニット10に置き換えていくことが可能となるため、経済的負担を減らしつつ、全体の照明デザインを維持しながら、省エネルギー化を達成できる。
【0031】
なお、本実施形態の反射鏡ユニット5において、周方向に3等分に配置された止め具52を備える取付けフランジ7を説明したが、止め具の構成はこれに限定されない。例えば、パチン錠(スナップ・ファスナー式)などの止め具であってもよい。
【0032】
また
図1に示すように、このLED照明器具1には、反射鏡ユニット5の反射鏡4の内側に、LED光源反射鏡11の配光を変更する反射鏡290が設けられている。
【0033】
図9は
図1に示すフード260の拡大図であり、
図10はフード260の正面図である。また
図11はフード260の分解斜視図である。なお、
図9はフード260の内部構造を透視した断面図であり、
図10はフード260の正面左半分の内部構造を透視した半断面図である。
フード260は、LED照明器具1の前面に設けられ、被照射面における照射範囲形状を被照射面の形状に合せて調整可能にするユニットである。
図9〜
図11に示すように、フード260は、ケース体261と、マスクユニット262と、照射レンズ263と、遮蔽板264と、照射レンズ保持リング265と、を備えている。
【0034】
ケース体261は、フード260のユニット本体を構成するものであり、LED照明器具1の照射開口3と同一径、或いは照射開口3よりも大きな径を有した筒状体であり、周面261Aには、マスクユニット262を挿入して装着する挿入口267が設けられている。
【0035】
マスクユニット262は、ケース体261を通過する光、すなわちLED照明器具1の照射光を制限するユニットである。
照射レンズ263は、ケース体261の出射端261Bの側に設けられ、マスクユニット262を通過した光を被照射面に向けて集光して投射するレンズである。マスクユニット262の後述する開口268が、照射レンズ263のLED照明器具1の側の焦点に配置され、当該開口268の像が照射レンズ263によって被照射面に投射される。
【0036】
マスクユニット262は、
図10、及び
図11に示すように、中央に所定半径raの開口268が形成された遮光性のマスク板269を備え、また
図11に示すように、マスク板269の周縁に設けられた係止片270を備えている。
マスク板269はケース体261の上記挿入口267から、係止片270がケース体261の周面261Aに引っ掛かるまで挿入される。ケース体261はマスク板269が挿入されることで、その内部を光が通過不能にマスク板269によって遮断される。
【0037】
このマスクユニット262のマスク板269には、
図10、及び
図11に示すように、中央の開口268の開口形状(輪郭形状)を可変する形状可変手段としてのシャッター機構272を備えている。
シャッター機構272は、光を遮蔽する遮光板としての板状の可動片273と、可動片273の移動をガイドするガイド部274とを備えている。このガイド部274は、開口268の近傍から外周の側に向かって直線状に延びるようにマスク板269に形成された長孔によって構成され、このガイド部274にはスライドピン277がガイド部274に沿って移動可能に設けられ、このスライドピン277に可動片273が結合されている。
可動片273は、少なくとも開口268よりも大きな径の半円状の板材であり、直線部273Aを開口268に向けた姿勢でスライドピン277に結合されている。
この可動片273がガイド部274によってスライド移動し開口268の一部、又は全部を塞ぐことで、開口268の見かけの形状が可変される。
【0038】
マスク板269には、4つの上記シャッター機構272が開口268の周囲に等間隔に配置されており、それぞれのシャッター機構272の可動片273が開口268に進入することで、開口268の見かけの形状を、道路標識の標識板や広告表示板等の形状に合わせた矩形に変形し、各可動片273の移動量を調整して矩形の縦横比を調整できるようになっている。
なお、
図10、及び
図11では、図面が煩雑になるのを避けるために、4つのシャッター機構272の各可動片273のうちの2つを省略している。
【0039】
なお、マスク板269の開口268の形状を可変する形状可変手段としてシャッター機構272を例示したが、これに限らず、例えば所望の開口形状が定まっている場合には、当該開口形状が形成された板材を、マスク板269に重ね合わせて開口268の形状を可変することもできる。
【0040】
マスクユニット262が備える係止片270は、
図11に示すように、ケース体261の周面261Aに密着するように湾曲した帯状の板材であり、その周面270Aには、ケース体の周面261Aのネジ或いはピン止め用のマスク固定用長孔279が形成されている。このマスク固定用長孔279は、マスクユニット262がケース体261に装着された状態において当該ケース体261の前後方向に延びる形状の孔部(第1調整部)である。
すなわち、マスクユニット262をケース体261に装着した後、このマスク固定用長孔279の孔部の範囲で、マスクユニット262をケース体261の前後方向に移動し、マスクユニット262のマスク板269と照射レンズ263の間の距離を調整することができる。
【0041】
照射レンズ保持リング265は、照射レンズ263の周縁部263Aに係合して保持する枠状部材であり、ケース体261の出射端261Bの側に設けられたレンズ固定用長孔281に係止されたネジ又はピンによって固定される。このレンズ固定用長孔281は、ケース体261の前後方向に延びた形状の孔部(第2調整部)であり、このレンズ固定用長孔281の孔部の範囲で、照射レンズ263をケース体261の前後方向に移動し、マスクユニット262のマスク板269と照射レンズ263の間の距離を調整することができる。
【0042】
フード付LED照明器具200の設置現場では、これらマスク固定用長孔279、及びレンズ固定用長孔281の各々の孔部の範囲でマスクユニット262、及び照射レンズ263を移動し、両者の距離を可変して、被照射面の大きさに合わせて、当該被照射面における照射範囲の大きさを調整できる。また、照射レンズ263の焦点と被照射面のズレを抑える調整(いわゆるピント合わせ)が可能になるので、照射範囲の輪郭(エッジ)のボケを抑えることができる。
【0043】
遮蔽板264は、マスク板269と照射レンズ263の間に配置され、マスク板269の開口268の他の箇所(例えばシャッター機構272のガイド部274)を通過した光(すなわちマスク板269の漏れ光)が照射レンズ263に入射しないように遮蔽する遮光性の板材である。遮蔽板264には、
図11に示すように、その中央に、マスク板269の開口268を通過したのみ光を許容する大きさの開口264Aが形成され、マスク板269の漏れ光のみが遮蔽板264によって遮光される。
このように、マスク板269の漏れ光が遮蔽板264によって遮光されて照射レンズ263への入射が抑えられるため、照射範囲のボケが抑えられる。
【0044】
また
図11に示すように、ケース体261の光入射端261Cには、LED照明器具1の照射開口3の周縁部に引っ掛かる複数の爪部283が設けられている。
フード260をLED照明器具1に取付けるときには、ケース体261の爪部283をLED照明器具1の照射開口3の周縁部に引っ掛け、この周縁部を締め付けるリング状の締結バンド金具285(
図1)で爪部283ごと周縁部を締め付けてフード260を取付ける。これとは逆に、フード260を取り外す場合には、締結バンド金具285による締結を解くことで簡単に取り外すことができる。
【0045】
以上説明したように本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、マスク板269は、開口268の開口形状を可変するシャッター機構272を備え、ケース体261に着脱自在に設けられた構成とした。
これにより、被照射面の形状に合わせてシャッター機構272により開口形状を可変することができる。
また、当該マスク板269がケース体261に着脱自在に設けられているため、被照射対象が変るなどで被照射面の形状が変った場合でも、マスク板269をケース体261から取り出して飛翔射面の形状の変化に合せて開口268の形状を簡単に可変することができる。
【0046】
また本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、マスク板269を移動し、当該マスク板269、及び照射レンズ263の間の距離を調整する第1調整部としてのマスク固定用長孔279を備える構成とした。
これにより、フード付LED照明器具200の設置現場では、マスク固定用長孔279の孔部の範囲でマスクユニット262を移動し、マスク板269、及び照射レンズ263の間の距離を調整して、被照射面の大きさに合わせて、当該被照射面における照射範囲の大きさを調整できる。また、照射レンズ263の焦点と被照射面のズレを抑える調整(いわゆるピント合わせ)が可能になるので、照射範囲の輪郭(エッジ)のボケを抑えることができる。
【0047】
また本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、照射レンズ263を移動し、マスク板269、及び照射レンズ263の間の距離を調整する第2調整部としてのレンズ固定用長孔281を備える構成とした。
これにより、マスク固定用長孔279の孔部と同様の作用効果が得られるとともに、マスク固定用長孔279と併用することで、マスク板269、及び照射レンズ263の間の距離の調整範囲を大きく拡張できる。
【0048】
また本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、マスク板269の開口268の漏れ光遮蔽する遮蔽板264を、マスク板269と照射レンズ263の間に備える構成とした。
これにより、マスク板269の漏れ光による照射範囲のボケが抑えられる。
【0049】
また本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、フード260のケース体261は、LED照明器具1の照射開口3に着脱自在に設けられる構成とした。
これにより、既設のLED照明器具1に、必要に応じてフード260を後付けして、フード付LED照明器具200を簡単に構成できる。
【0050】
また本実施形態のフード付LED照明器具200によれば、マスク板269は、4枚の遮光板としての可動片273により形成され、被照射面を矩形形状に照射する。
これによれば、道路標識の標識板や広告表示板等の形状に合わせた矩形に変形し、被照射面の矩形の各辺に対応する可動片273を調整して矩形の縦横比を調整できる。
【0051】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0052】
例えば本発明に係るフード260が取付けられる照明器具は、LED照明器具1に限定されるものでなく、任意の照明投光用の照明器具に取付けて使用することができる。