【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年9月9日に、SICE Annual Conference 2014の予稿集、1460頁−1465頁にて公開 平成26年9月26日に、生体医工学シンポジウム2014の講演予稿集、100頁にて公開 平成26年10月11日に、9th Asian−Pacific Conference on Medical and Biological Engineering(APCMBE 2014)にて公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、生体に多数の電極を隙間なく配置して測定する必要があるため、生体への負担が大きい。また、電極数が少なければ、生体への負担は軽減されるが、解像度の低い電位分布しか得ることができない。
【0006】
本願出願人は、このような課題を解決するために、少ない数の電極を用いて、生体内の信号源の位置を検出することができる方法を、特許文献2及びPCT/JP2014/005732の出願明細書に開示している。ここで開示した方法は、生体表面に配置した電極とグランド電位との間に複数の抵抗を切り替えて接続し、各抵抗に接続したときに電極に生じる電圧を測定することによって、生体内の信号源の位置を検出するものである。
【0007】
しかしながら、上記の検出方法では、各抵抗に接続したときに電極に生じる電圧を測定する際、抵抗を切り替える時間を要するため、電圧の測定時刻に時間差が生じてしまう。この場合、生体内の信号源からの電圧変化が大きいと、生体内の信号源の位置検出に誤差が生じてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、少ない数の電極を用いて、生体内の信号源の位置を精度よく検出することができる生体内信号源位置検出装置、及び生体内信号源位置検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る生体内信号源位置検出装置は、生体表面に配置される電極に生じる電圧によって、生体内の信号源の位置を検出する生体内信号源位置検出装置であって、
生体表面に配置するm個の電極と、
各電極とグランド電位との間に、n個の外部抵抗をそれぞれ並列接続する接続手段と、
各電極を生体表面に配置した状態で、接続手段により、各電極に各外部抵抗を並列接続したときに各電極に生じるm×n個の出力電圧V
i(iは1〜m×nの整数)を測定する測定手段と、
m×n個の出力電圧V
iの測定を1サイクルとして、繰り返し行い、各出力電圧V
iの時系列な測定データから、各出力電圧V
iの時間変化を近似する近似波形を取得する近似手段と、
各サイクルにおいて、測定時刻に時間差を有する各出力電圧V
iに対して、近似手段で取得した近似波形を用いて、同一の測定時刻における各出力電圧V
iの補正値Vc
i(iは1〜m×nの整数)を算出する算出手段と、
サイクル毎に、算出された各補正値Vc
iに基づいて、生体内の信号源の位置を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る生体内信号源位置検出方法は、生体表面に配置される電極に生じる電圧によって、生体内の信号源の位置を検出する生体内信号源位置検出方法であって、
生体表面にm個の電極を配置する配置工程と、
各電極とグランド電位との間に、n個の外部抵抗を、それぞれ並列接続する接続工程と、
各電極を生体表面に配置した状態で、各電極に各外部抵抗を並列接続したときに各電極に生じるm×n個の出力電圧V
i(iは1〜m×nの整数)を測定する測定工程と、
m×n個の出力電圧V
iの測定を1サイクルとして、繰り返し行い、各出力電圧V
iの時系列な測定データから、各出力電圧V
iの時間変化を近似する近似波形を取得する取得工程と、
各サイクルにおいて、測定時刻に時間差を有する各出力電圧V
iに対して、近似波形を用いて、同一の測定時刻における各出力電圧V
iの補正値Vc
i(iは1〜m×nの整数)を算出する算出工程と、
サイクル毎に、算出された各補正値Vc
iに基づいて、生体内の信号源の位置を検出する検出工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少ない数の電極を用いて、生体内の信号源の位置を精度よく検出することができる生体内信号源位置検出装置、及び生体内信号源位置検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を説明する前に、本願出願人が、特許文献2に開示した、生体内の信号源の位置を検出する方法の概要を、
図1を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、生体10の表面に、測定電極21と接地電極20とが配置されている。測定電極21に生じる電圧は、アンプ40で増幅されて、出力電圧Voutとして測定される。測定電極21と接地電極20との間には、インピーダンス切替手段30が配置されている。ここでは、複数の抵抗素子Z1〜Znが並列に配置され、スイッチSWによって、抵抗素子Z1〜Znのうち1つが選択される。そして、測定電極21に選択された抵抗素子が並列接続されたときに、測定電極21に生じる電圧Voutが測定される。
【0015】
このような方法により、スイッチSWで、n個の抵抗素子Z1〜Znを切り替えることによって、時刻tにおけるn個の測定データが得られる。なお、測定電極21は、1個に限らず、複数であってもよい。その場合は、m個の測定電極21と、n個の抵抗素子との組み合わせにより、m×n個の測定データが得られる。これにより、比較的少ない測定電極を用いて、生体10内の信号源の位置検出に必要な数の測定データを得ることができる。
【0016】
生体10内の信号源の位置は、抵抗素子Z1〜Znを切り替えることによって得られた時刻tにおける測定データを用いて、例えば、以下の方法により検出することができる。
【0017】
測定電極21を配置した位置を含む生体10の断層画像を取得し、この断層画像を格子状に分割して、各格子点の周りに、該当する組織に対するアドミッタンスを配置し、インピーダンス切替手段30で切り替えたインピーダンスを含む回路網を生成する。そして、この回路網の何れかの格子点と接地との間に信号源を配置した条件で、生体10内の信号源の位置を求めることができる。さらに、時系列に測定した測定データを用いることによって、生体10内の信号源の時間変化を検出することができる。
【0018】
図2〜
図5は、本願出願人が、PCT/JP2014/005732の出願明細書に開示した、生体内の信号源の位置を検出する方法を説明した図である。
【0019】
図2に示すように、生体10の表面に、3つの電極21、22、23を配置する。また、各電極21、22、23とグランド電極20との間に、相互に切り替え可能な第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を並列接続する。ここでは、第1の外部抵抗の抵抗値を無限大とし、第2の外部抵抗の抵抗値をRgとしている。これにより、各電極21、22、23とグランド電極20との間は、切り替えスイッチSWによって、外部抵抗が接続されていない場合と、外部抵抗Rgが接続されている場合とに切り替えられる。ここでは、生体10の表面に、グランド電極20を配置し、これをグランド電位にしているが、必ずしも、生体10の表面に、グランド電極20を配置する必要はない。
【0020】
生体10の表面に配置した各電極21、22、23には、生体10内の信号源Vsからの電圧が発生し、その電圧をアンプ40で増幅して、出力電圧Voutが出力される。各電極21、22、23とアンプ40との間には、スイッチS
1、S
2、S
3がそれぞれ配置され、各スイッチS
1、S
2、S
3を順次、導通させることにより、各電極21、22、23に生じた電圧が出力電圧Voutとして測定される。
【0021】
図3に示すように、ステップ1〜ステップ6で、切り替えスイッチSW、及びスイッチS
1、S
2、S
3を、それぞれ切り替えることにより、各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗が接続されていないときに各電極21、22、23に生じる第1の電圧V
1、V
2、V
3、及び各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗Rgが接続されているときに各電極21、22、23に生じる第2の電圧V’
1、V’
2、V’
3が測定される。なお、
図3では、各電極21、22、23を、それぞれ、チャネルch
1、ch
2、ch
3と表示している。
【0022】
詳細な説明は省略するが、生体10内の信号源Vsと、各電極21、22、23との距離L
1、L
2、L
3は、それぞれ、第1の電圧と第2の電圧との比V
1/V’
1、V
2/V’
2、V
3/V’
3を用いて、式(1)、(2)、(3)で表される。
【0026】
ここで、βは、生体10の導電率等で定まる定数である。また、R
b1、R
b2、R
b3は、それぞれ、生体10内の信号源Vsと、電極21、22、23との間の内部抵抗の抵抗値を表す。
【0027】
信号源Vsは、
図4(a)、(b)に示すように、各電極21、22、23を中心とする半径L
1、L
2、L
3の球体Q
1、Q
2、Q
3の交点に存在すると考えられる。従って、信号源Vsの3次元的な位置座標(x、y、z)は、3つの球体Q
1、Q
2、Q
3の式(4)、(5)、(6)を解くことによって求めることができる。ここで、各電極21、22、23の位置座標を、(a
1、b
1、c
1)、(a
2、b
2、c
2)、(a
3、b
3、c
3)としている。
【0031】
このように、生体10の表面に配置した3つの電極21、22、23と、グランド電位との間に外部抵抗を並列接続し、その接続状態を切り替えて、各電極21、22、23に生じる電圧の比V
i/V’
i(i=1,2,3)を測定することによって、生体10内の信号源Vsの3次元位置を検出することができる。これにより、少ない数の電極を用いて、生体内の信号源Vsの3次元位置を精度よく検出することができる。
【0032】
また、電圧比V
i/V’
i(i=1,2,3)の測定を1サイクルとして、繰り返し行うことにより、各サイクルにおける電圧比の時系列な測定データから、生体内の信号源Vsの3次元位置の移動軌跡をリアルタイムに検出することができる。
【0033】
図5(a)、(b)は、上記の方法を用いて、心臓の電位を測定した結果のイメージ図である。
図5(a)は、各電極で測定された信号源の電圧波形(心電図)を示す。また、
図5(b)は、各電極での電圧比V
i/V’
i(i=1,2,3)に基づいて算出された信号源の3次元位置の移動軌跡を破線で示したものである。
図5(b)の破線で示した移動軌跡において、ポイントP
1、P
2、P
3、R、S、Tは、それぞれ、
図5(a)に示した電圧波形のP
1、P
2、P
3、R、S、Tに対応する信号源の3次元位置を示している。
図5(b)に示すように、心臓の電気活動における信号源が、心房から心室へと移動している様子をリアルタイムに検出することができる。
【0034】
ところで、上記の方法では、切り替えスイッチSW、及びスイッチS1、S2、S3を切り替えて、各電極21、22、23における第1の電圧V
1、V
2、V
3、及び第2の電圧V’
1、V’
2、V’
3を順次測定している。従って、これらの切り替え時間内に、信号源Vsの電位が変化すると、信号源Vsの位置検出に誤差が生じるおそれがある。例えば、
図5(a)に示した心電図において、QRS波のように、信号源Vsの電位が急激に変化する場合、QRS波が発生する信号源Vsの位置を精度よく検出することが難しくなる。
【0035】
本発明は、各抵抗に接続したときに電極に生じる出力電圧の測定時刻に時間差が生じた場合でも、生体内の信号源の位置を精度よく検出することができる生体内信号源位置検出装置、及び生体内信号源位置検出方法を提供するものである。
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。なお、以下の説明において、特に断らない限り、「電極」は、生体表面に取り付ける部材をいい、「電位」は、電気的レベルをいい、「電圧」は、測定された電気的レベルをいう。
【0037】
図6は、本発明の一実施形態における生体内信号源位置検出装置の構成を模式的に示した図である。
【0038】
図6に示すように、本実施形態における生体内信号源位置検出装置は、生体10の表面に配置する3つの電極21、22、23と、各電極21、22、23とグランド電極20との間に、相互に切り替え可能な第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を並列接続する切替手段(接続手段)30とを有している。ここでは、第1の外部抵抗の抵抗値を無限大とし、第2の外部抵抗の抵抗値をRgとしている。これにより、各電極21、22、23とグランド電極20との間は、切り替えスイッチSWによって、外部抵抗が接続されていない場合と、外部抵抗Rgが接続されている場合とに切り替えられる。ここでは、生体10の表面に、グランド電極20を配置し、これをグランド電位にしているが、必ずしも、生体10の表面に、グランド電極20を配置する必要はない。
【0039】
生体10の表面に配置した各電極21、22、23には、生体10内の信号源Vsからの電圧が発生し、その電圧をアンプ(測定手段)40で増幅して、出力電圧Voutが出力される。各電極21、22、23とアンプ40との間には、スイッチS
1、S
2、S
3がそれぞれ配置され、各スイッチS
1、S
2、S
3を順次、導通させることにより、各電極21、22、23に生じた電圧が出力電圧Voutとして測定される。
【0040】
図7は、各電極21、22、23と外部抵抗との接続状態の切り替えステップを示した表である。
【0041】
図7に示すように、ステップ1〜ステップ6で、切り替えスイッチSW、及びスイッチS
1、S
2、S
3を、それぞれ切り替えることにより、各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗が接続されていないときに各電極21、22、23に生じる第1の出力電圧V
1、V
2、V
3、及び各電極21、22、23とグランド電位との間に、外部抵抗Rgが接続されているときに各電極21、22、23に生じる第2の出力電圧V’
1、V’
2、V’
3が測定される。なお、
図7では、各電極21、22、23を、それぞれ、チャネルch
1、ch
2、ch
3と表示している。
【0042】
図7には、各ステップにおける切り替え時間を示している。切り替え時間は、切り替え手段40の切り替え特性によって決まるが、ここでは、0.5msを例示している。この場合、各電極21、22、23に外部抵抗を接続したときに得られる電圧V
1、V
2、V
3、及びV’
1、V’
2、V’
3の測定時刻は、それぞれ、0.5msの時間差がある。すなわち、ステップ1〜6で測定データを得る1サイクルの時間は、3ms(333Hz)となる。
【0043】
このように、各抵抗に接続したときに各電極21、22、23に生じる出力電圧の測定時刻に時間差が生じた場合でも、信号源Vsの位置検出に誤差が生じないようにするためには、各出力電圧を、同一の測定時刻におけるデータに補正する必要がある。
【0044】
図8及び
図9は、各抵抗に接続したときに各電極21、22、23に生じる出力電圧を、同一の測定時刻におけるデータに補正する方法を説明した図である。
【0045】
図8は、外部抵抗が接続されていないときに各電極21、22、23(チャネルch
1、ch
2、ch
3)に生じた第1の出力電圧V
1、V
2、V
3の測定データを示している。各チャネルch
1、ch
2、ch
3において、代表する3つの黒丸で示した点が、3サイクルの測定で得られた時系列な測定データを示す。なお、チャネルch
1、ch
2、ch
3に生じた第2の出力電圧V’
1、V’
2、V’
3の測定データは省略している。
【0046】
図8に示すように、1サイクルの測定で、チャネルch
1、ch
2、ch
3で得られた測定データは、V
1(t)、V
2(t+Δt
2)、V
3(t+Δt
3)と表される。ここで、Δt
2は、チャネルch
1とch
2との測定時間差、Δt
3は、チャネルch
1とch
3との測定時間差を表す。
【0047】
図9は、チャネルch
3において、V
3の時系列な測定データから、V
3の時間変化を近似するフィッティングカーブ(近似波形)Cを描いた図である。
図9に示すように、このフィッティングカーブCを用いることによって、切り替え時間(Δt
3)に応じたチャネルch
1の測定データV
1(t)と同一の測定時刻tにおけるチャネルch
3の測定データV
3(t+Δt
3)の補正値Vc
3(t)(図中の白丸の点)を得ることができる。
【0048】
同様の方法で、チャネルch
2の測定データV
2(t+Δt
2)についても、V
2の時系列な測定データから求めたフィッティングカーブを用いて、切り替え時間(Δt
2)に応じた補正値Vc
2(t)を得ることができる。さらに、チャネルch
1、ch
2、ch
3に生じた第2の出力電圧V’
1、V’
2、V’
3の測定データについても、同様の方法で、チャネルch
1の測定データV
1(t)と同一の測定時刻tにおける補正値Vc’
1(t)、Vc’
2(t)、Vc’
3(t)を得ることができる。
【0049】
このようにして、サイクル毎に、V
i(i=1,2,3)及びV’
i(i=1,2,3)の時系列な測定データから得られたフィッティングカーブ(近似波形)を用いて、同一の測定時刻における補正値Vc
i及びVc’
iを得ることができる。
【0050】
このようにして得られた補正値Vc
i及びVc’
iから、比Vc
i/Vc’
i(i=1,2,3)を求めることによって、式(1)〜(3)、及び式(4)〜(5)を用いて、生体内の信号源Vsの位置を精度よく検出することができる。
【0051】
なお、フィッティングカーブ(近似波形)を求める方法は、特に限定されず、例えば、多次元補完だけでなく、線形補間でもよい。
【0052】
本実施形態における生体内信号源位置検出装置は、
図6に示すように、
図2に示した構成に対して、近似手段50、算出手段60、及び検出手段をさらに備えたものである。
【0053】
アンプ(測定手段)40に接続された近似手段50では、第1の出力電圧V
i(i=1,2,3)及び第2の出力電圧V’
i(i=1,2,3)の測定を1サイクルとして、繰り返し行い、第1の出力電圧V
i及び第2の出力電圧V’
iの時系列な測定データから、第1の出力電圧V
i及び第2の出力電圧V’
iの時間変化を近似するフィッティングカーブ(近似波形)を取得する。
【0054】
また、近似手段50に接続された算出手段60では、各サイクルにおいて、測定時刻に時間差を有する第1の出力電圧V
i及び第2の出力電圧V’
iに対して、近似手段50で取得したフィッティングカーブを用いて、同一の測定時刻における第1の出力電圧V
i及び第2の出力電圧V’
iの補正値Vc
i及びVc’
iを算出する。
【0055】
また、算出手段60に接続された検出手段70では、サイクル毎に算出された補正値Vc
i及びVc’
iの比Vc
i/Vc’
i(i=1,2,3)を求め、これら3つの比Vc
i/Vc’
iに基づいて、生体内の信号源Vsの位置を検出する。
【0056】
本実施形態によれば、近似手段50で取得したフィッティングカーブ(近似波形)を用いて、同一の測定時刻における出力電圧V
i及びV’
i(i=1,2,3)の補正値Vc
i及びVc’
i(i=1,2,3)を算出し、算出した補正値Vc
i及びVc’
iに基づいて、生体内の信号源Vsの位置を検出することによって、各抵抗に接続したときに各電極21、22、23に生じる出力電圧V
i及びV’
iの測定時刻に時間差が生じた場合でも、信号源Vsの位置を精度よく検出することができる。
【0057】
本実施形態において、各抵抗に接続したときに各電極21、22、23に生じる出力電圧V
i及びV’
iの測定時刻の時間差は、切替手段30で、電極21、22、23及び外部抵抗を切り替えるときの切り替え時間によって生じる。この場合、切り替え時間(例えば0.5ms)が、測定時間差になるため、
図9に示したように、フィッティングカーブ(近似波形)を用いて、測定時間差の分だけ時刻をずらすことによって、出力電圧V
i及びV’
iの補正値Vc
i及びVc’
iを、容易に算出することができる。
【0058】
ところで、信号源Vsと、各電極21、22、23から構成されるそれぞれの回路は生体のコンデンサ成分の影響を受ける。そのため、信号源Vsで発生した電圧が、各電極21、22、23に伝わる時間に差が生じることもある。
【0059】
この時間差が無視できない場合には、各電極21、22、23に生じる出力電圧V
i及びV’
i(i=1,2,3)の測定時刻に時間差は、外部抵抗を切り替えるときの切り替え時間の他に、生体のコンデンサ成分の影響による時間差が加わることになる。
【0060】
この場合、外部抵抗を切り替えるときの切り替え時間は知ることができるが、信号源Vsで発生した電圧から生体のコンデンサ成分の影響を知ることは難しい。従って、
図9に示したような方法では、出力電圧V
i及びV’
i(i=1,2,3)の補正値Vc
i及びVc’
i(i=1,2,3)を求めることは難しい。
【0061】
図10及び
図11は、各電極21、22、23に生じる出力電圧V
i及びV’
i(i=1,2,3)の測定時刻に時間差を知ることが難しい場合に、出力電圧V
i及びV’
iの補正値Vc
i及びVc’
i(i=1,2,3)を求める方法を説明した図である。
【0062】
図10は、外部抵抗が接続されていないときに各電極21、23(チャネルch
1、ch
3)に生じた第1の電圧V
1、V
3の測定データを示している。各チャネルch
1、ch
3において、代表する2つの黒丸で示した点が、2サイクルの測定で得られた時系列な測定データを示す。
【0063】
図10に示すように、1サイクルの測定で、チャネルch
1、ch
3で得られた測定データは、V
1(t)、V
3(t+Δt
3)と表される。ここで、Δt
3は、チャネルch
1とch
3との測定時間差を表す。
【0064】
図11は、チャネルch
1、ch
3において、V
1及びV
3の時系列な測定データから、V
1及びV
3の時間変化を近似するフィッティングカーブ(近似波形)C
1及びC
3を描いた図である。ここで、フィッティングカーブC
3は、
図11に示すように、フィッティングカーブC
1、C
3の特徴ポイント、例えば、フィッティングカーブC
1、C
3のピークK
1、K
3が合うように時間軸をずらしてある。
【0065】
ここで、同一の測定時刻tにおいて、チャネルch
1、ch
3で測定される出力電圧の変化は、信号源Vsでの電圧変化と近似すると考えられる。従って、フィッティングカーブC
3において、V
1(t)と同じ時刻tに対する点(図中の白丸の点)が、同一の測定時刻tにおけるチャネルch
3の測定データV
3(t+Δt
3)の補正値Vc
3(t)とすることができる。
【0066】
同様の方法で、チャネルch
2の測定データV
2(t+Δt
2)についても、V
2の時系列な測定データから得られたフィッティングカーブの特徴ポイントを、V
1のフィッティングカーブの特徴ポイントと合わせることによって、測定データV
1(t)と同一の測定時刻tにおける補正値Vc
2(t)を得ることができる。さらに、チャネルch
1、ch
2、ch
3に生じた第2の出力電圧V’
1、V’
2、V’
3の測定データについても、同様の方法で、チャネルch
1の測定データV
1(t)と同一の測定時刻tにおける補正値Vc’
1(t)、Vc’
2(t)、Vc’
3(t)を得ることができる。
【0067】
このようにして、サイクル毎に、V
i(i=1,2,3)及びV’
i(i=1,2,3)の時系列な測定データから得られたフィッティングカーブ(近似波形)の特徴ポイントを合わせることによって、同一の測定時刻における補正値Vc
i及びVc’
iを得ることができる。
【0068】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、生体10表面に配置する電極が3個で、外部抵抗が2個の場合を例に説明したが、勿論、これに限定されず、電極及び外部抵抗は、任意の個数であってもよい。
【0070】
すなわち、生体表面に配置する電極の個数をm個、各電極とグランド電位との間に並列接続する外部抵抗の個数をn個としたとき、本発明における生体内信号源位置検出装置は、各電極に各外部抵抗を並列接続したときに各電極に生じるm×n個の出力電圧V
i(iは1〜m×nの整数)を測定する測定手段と、m×n個の出力電圧V
iの測定を1サイクルとして、繰り返し行い、各出力電圧V
iの時系列な測定データから、各出力電圧V
iの時間変化を近似する近似波形を取得する近似手段と、各サイクルにおいて、測定時刻に時間差を有する各出力電圧V
iに対して、近似手段で取得した近似波形を用いて、同一の測定時刻における各出力電圧V
iの補正値Vc
i(iは1〜m×nの整数)を算出する算出手段と、サイクル毎に、算出された各補正値Vc
iに基づいて、生体内の信号源の位置を検出する検出手段とを備える。
【0071】
また、上記実施形態では、各電極21、22、23とグランド電極20との間に、第1の外部抵抗及び第2の外部抵抗を、切替手段30により、相互に切り替えて並列接続したが、必ずしも、切替手段30を用いなくてもよい。
【0072】
すなわち、各電極21、22、23は、隣接した電極21a、21bと、電極22a、22bと、電極23a、23bとで構成されており、一方側の電極21a、22a、23aに、第1の外部抵抗Rg1を接続することによって、1つの回路を形成し、他方側の電極21b、22b、23bに、第2の外部抵抗Rg2を接続することによって、別の回路を形成する。
【0073】
これにより、各電極21,22,23に生じる第1及び第2の電圧を測定し、生体内の信号源Vsの位置を検出することができる。
【0074】
図12は、切り替え手段30を用いない場合の生体内信号源位置検出装置の構成を例示した図である。なお、図中において、信号源Vs、並びに信号源Vsと各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)及びグランド電極20との間の内部抵抗R
b1、R
b2、R
b3、R
b0は、省略している。
【0075】
図12に示すように、生体10の表面に配置された3つの電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)と、グランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1及び第2の外部抵抗Rg2が、それぞれ並列接続されている。そして、電極21aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の出力電圧V
1、及び電極21bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の出力電圧V’
1が、それぞれアンプ40A
1、40B
1で増幅されて測定される。同様に、電極22aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の出力電圧V
2、及び電極22bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の出力電圧V’
2が、それぞれアンプ40A
2、40B
2で増幅されて測定され、電極23aとグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1を並列接続したときに生じる第1の出力電圧V
3、及び電極23bとグランド電極20との間に、第2の外部抵抗Rg2を並列接続したときに生じる第2の出力電圧V’
3が、それぞれアンプ40A
3、40B
3で増幅されて測定される。なお、この場合、各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)とグランド電極20との間に、第1の外部抵抗Rg1及び第2の外部抵抗Rg2を、それぞれ並列接続する接続手段としては、配線等により行うことができる。
【0076】
なお、この場合、各抵抗に接続したときに各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)に生じる出力電圧V
i及びV’
iの測定時刻の時間差は、外部抵抗を切り替えるときの切り替え時間によるものはなく、信号源Vsから各電極21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)までの距離の違いによる時間差となる。従って、この場合は、
図10、11に示した方法で、出力電圧V
i及びV’
iの補正値Vc
i及びVc’
i(i=1,2,3)を求めることができる。