(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0012]以下の詳細な説明では、実施形態は当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明される。本発明の範囲から逸脱せずに他の実施形態が利用され得ることを理解されたい。以下の詳細な説明はしたがって、限定的な意味において解釈されるべきではない。
【0008】
[0013]センサ測定誤差のトリミングおよび自己補正を可能にするためにイオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET)技術を磁気的刺激と併せて利用するイオンセンサ装置が提供される。一実施形態では、イオンセンサ装置は液体用のpHセンサとして実装され得る。
【0009】
[0014]イオンセンサ装置は、少なくとも1つのパッケージングされたISFETダイと、参照電極と、任意選択の対電極と、ISFETダイに電力を提供するための電圧/電流供給部と、を全体的に含む。プロセッサはpH測定を行うためにISFETダイと電極とを接続する。イオンセンサ装置は、ISFETダイに磁気的刺激を適用するための磁石をさらに含む。磁気的刺激に基づいてセンサ誤差に関する補正を適用するための誤差補正ソフトウェアが、プロセッサによって実装される。
【0010】
[0015]一実施形態では、磁石は少なくとも1つの線材コイルを有する電磁石である。ISFETダイが曝される電磁場を作り出すための線材コイルを駆動するための、電力供給部が設けられ得る。
【0011】
[0016]別の実施形態では、磁場を発生させるための1つまたは複数の永久磁石が採用される。磁場のオンおよびオフを行うことが可能な「チョッパー」効果を生成するために、およびISFETダイの反応を測定するために、磁場の大きさを変動させるように、永久磁石はISFETダイのより近くにまたはそれから離れてより遠くに移動され得るか、あるいは磁石とISFETダイとの間に磁気シールドが周期的に配置され得る。永久磁石は制御可能性に劣るが、電気エネルギーを消費せず、このことは制限された電力しか利用できない応用例では有益である。
【0012】
[0017]加えて、磁場の大きさ/状態についてのフィードバックを提供するための、密封された磁場センサ(たとえば、液体または圧力に曝されていない)が採用され得る。磁気的刺激の適用によって、本質的に一定のレベルのpHが測定され得、また、温度、圧力、および機械的変化のようなISFETダイに悪影響を与えるものを、トリミングして除くことができる。
【0013】
[0018]半導体分野の当業者には、電子および正孔が半導体を通って移動する速度が半導体材料のキャリア移動度に比例することが知られている。異なる半導体は異なる固有のレベルの移動度を有する。半導体の導電率/電気抵抗率がその半導体の移動度に比例することも知られている。機械的応力および温度を変化させることがキャリアの移動度に影響を与え、抵抗に変化をもたらす場合があり、このことは測定されるpHの変化をもたらす。
【0014】
[0019]磁場が材料および特に半導体を通るキャリアの流れに影響を与えることも知られている。この効果はホール効果センサを作り出すために活用される。ホール効果は、ある軸に沿ったキャリアの流れとこの第1の軸に直交する軸の周りに適用される磁場とが与えられると、このキャリアは第3の直交軸に向かって流れ始めるという現象に依拠する。このキャリアの流れの曲がりによって、この第3の軸に沿って測定され得るホール電位電圧がもたらされる。キャリアが元から優勢に流れていた軸において、キャリアの流れの曲がりは、この軸に沿って抵抗の明らかな増加を生じさせる。
【0015】
[0020]本発明の技法は軸外で発生されるホール電位については関与せず、キャリアがゲート接続を介してソースからドレインへと(すなわち、キャリアの通常の流れの方向)、ISFETデバイスを通って流れる際に生じる抵抗の変化に関与する。電圧の変化は、ISFETデバイスのソースからドレインへの抵抗の変化によって測定され得る。
【0016】
[0021]本発明の手法では、調整された磁場が適用されて、ISFETデバイスの抵抗における対応する調整された出力を生成し、また報告されるpH値の調整をもたらす。適用される磁場は、予想される出力を生成することになる、知られている入力励起を提供するための「チョッパー」信号として使用され得る。実際の出力と予想される出力との間に差がある場合、補正が適用されてこの差を時間の経過とともにゼロにすることができ、このことによってセンサの安定性を維持し得る。
【0017】
[0022]磁気的刺激の1つの特徴は、それがISFETダイにおいて発生させる信号が、信号調節構成要素(たとえば、マイクロプロセッサ、アナログ−デジタル変換器、増幅器、等)上に渡されることである。加えて、経年変化によるこれらの構成要素の時間に伴う性能の変化は、ISFETチャネルでのpH検知における誤差の中に取り込まれる。したがって、本発明の手法はまた、通常は補正可能でないこれらの他のドリフト項をトリミングするためにも使用され得る。
【0018】
[0023]一実装形態では、イオンセンサ装置は深海/海洋計測研究用のpHセンサとして採用され得る。この実装形態では、pHセンサは、優れた安定性とセンサ精度を維持しながら、約6000mの深さにおいて最長約5年間動作するのに十分な強固さを有するものとなされ得る。
【0019】
[0024]本発明のイオンセンサ装置のさらなる詳細は、図面を参照して以下に説明される。
[0025]
図1は、一実施形態による、液体中のイオンを検知するためのセンサ装置100を示す。センサ装置100は、液体に曝されるように構成された少なくとも1つのISFETデバイス110と、液体と接触するように構成された参照電極112と、少なくとも1つの磁石120と、ISFETデバイス110および参照電極112に作動的に接続されたプロセッサ130と、を全体的に含む。磁石120は、ISFETデバイス110を磁場に間欠的に曝すように構成される。
【0020】
[0026]一実施形態では、ISFETデバイス110は、矢印150によって指定された流れる液体を受容するように構成されたフロー管140の内部に配設される。参照電極112もまた、フロー管140の内側の液体と連絡している。
【0021】
[0027]プロセッサ130は磁場を調整して、ISFETデバイス110の抵抗における対応する調整された出力を生成し、またセンサ装置100の報告される出力値の調整をもたらす。
【0022】
[0028]例示的な実装形態では、イオンセンサ装置100は、深海pH検知のためなど、海水中に沈められるように構成される。したがって、イオンセンサ装置100の様々な構成要素が、深海条件に耐えることのできる水密筐体構造150内にパッケージングされ得る。センサ装置100の他の例示的な実装形態は、地下水、工業化学物質、精製された化学物質、原油などのイオン検知を含む。
【0023】
[0029]センサ装置100におけるイオンセンサの測定誤差を補正する方法では、ISFETデバイス110は、液体と接触しつつ、磁石120からの磁場に曝される。このことは、ISFETデバイス110の抵抗における対応する出力を生成する。ISFETデバイス110のこの実際の出力は、実際の出力と磁場に基づいて予想される出力との間に差があるかを判定するためにプロセッサ130によって監視され、出力の差が検出される場合に誤差補正値が決定される。次いで誤差補正値が適用されてある時間期間の経過とともに実際の出力と予想される出力との間の差をゼロにして、イオンセンサ測定の安定性を維持する。
【0024】
[0030]
図2は別の実施形態によるイオンセンサ装置200を示す。センサ装置200は、液体に曝されるように構成されたISFETダイ210と、ISFETダイ210を磁場に曝すように構成された電磁石220と、ISFETダイ210および電磁石220に作動的に接続されたプロセッサユニット230と、を全体的に含む。
【0025】
[0031]ISFETダイ210は、シリコン基板などの半導体基板211を含む。ソース212、ドレイン214、およびイオン感応型ゲートチャネル216が、従来の技法を用いて半導体基板211に形成される。ソース212は、基準電圧源218に電気的に接続され、基準電圧源218は、プロセッサユニット230に結合される。ドレイン214はプロセッサユニット230に電気的に接続される。ISFETダイ210は、センサ装置200の動作中に、
図2に示されるように、理論上のキャリア方向が第1の方向にあり、磁場が第1の方向に直交する第2の方向にあり、ホール効果が第1および第2の方向に直交する第3の方向にあるように構成される。
【0026】
[0032]別の実施形態では、ISFETダイ上のドレインの接続およびソースの接続は、スイッチを用いて逆転され得、その結果キャリアが流れる理論上の方向は逆転され得る。このことを磁場ベクトルの符号を変化させるための様々な戦略と組み合わせることが、センサ出力におけるバイアスを取り消すために使用され得る。エッチングスハウゼン効果による誤差、ペルチェ効果による誤差、ジュール加熱よる誤差などのいくつかの誤差は、この方法によって低減され得る。
【0027】
[0033]電磁石220は、電力が適用されると電磁場を発生させる、少なくとも1つの線材コイル222を含む。一実施形態では、線材コイルは電磁場を生成するようにISFETダイ210の周りに配置され得る。線材コイル222を駆動するための安定的な交流または直流電力供給部が提供され得、また線材コイル222全体にわたる電流または電力を測定するための高精度の電流計または電圧計が実装され得る。一実施形態では、電圧制御信号線224は、プロセッサユニット230を線材コイル222に結合された電圧計226に接続する。電磁石220は、電磁石216によって生成される電磁場にISFETダイ210を間欠的に曝すように、プロセッサユニット230によって選択的に作動される。
【0028】
[0034]別の実施形態では、電磁石220は2つ以上のコイルを含み得る。たとえば、同軸の平行にずらされた2つのコイルが、均一な強い磁場を作り出すために使用され得る。直交する軸に位置合わせされたこれらのコイルの対は、空間中で任意の磁気ベクトル配向を有する磁場が発生されることを可能にする、多軸のヘルムホルツコイルを作り出すことができる。このことは、ISFETダイ210中のキャリアが曲げられる方向およびこのことが抵抗に対して有する影響を制御することを可能にする。
【0029】
[0035]交流で発生された磁場の特徴は、ISFETの出力において発生される刺激もまた交流であることである。高周波信号ではこれらの回路において発生するフリッカノイズまたは1/fノイズによって影響されることがより少なくなり、このことはより高い信号対ノイズ比をもたらす。周波数の手法はまた、直流測定値と比較して良好な信号対ノイズ比を提供する復調技法にも適用できる。
【0030】
[0036]プロセッサユニット230は、信号調節器、増幅器、アナログ−デジタル(A/D)変換器、マイクロプロセッサのアルゴリズムなどのような、ISFET210から受信された信号を処理してpH測定値を生成するための様々な構成要素を含む。
【0031】
[0037]センサ装置200は、参照電極232および対電極234をさらに含み、これらはISFETダイ210が曝される液体に接触するように構成される。参照電極232および対電極234の両方がプロセッサユニット230に電気的に接続される。対電極234は、寄生効果を接地することおよびセンサ測定値に干渉し得るノイズをフィルタリングして除去することを提供する。
【0032】
[0038]ホールセンサまたは他の種類の磁力計などの密封された磁場センサ236が、電磁石220に隣接して配置されプロセッサユニット230に電気的に接続され得る。磁場センサ236は、電磁石220によって生成される電磁場の大きさまたは状態についてのフィードバックをプロセッサユニット230に提供する。
【0033】
[0039]動作中にISFETダイ210に全体にわたって液体を流すためのポンプが採用され得る。ISFETダイ210は、矢印240によって指定された流れる液体を受容するように構成されたフロー管の内部に配置され得る。
【0034】
[0040]例示的な実装形態では、イオンセンサ装置200は、深海pH検知のためなど、海水中に沈められるように構成される。したがって、イオンセンサ装置200の様々な構成要素が、深海の圧力および温度条件に耐えることのできる密封された筐体構造内にパッケージングされ得る。センサ装置200の他の例示的な実装形態は、地下水、工業化学物質、精製された化学物質、原油などのイオン検知を含む。
【0035】
[0041]センサ装置200におけるイオンセンサの測定誤差を補正する方法では、ISFETダイ210は、海水などの液体と接触しつつ、電磁石220からの磁場に曝される。このことはISFETダイ210の抵抗における対応する出力を生成し、この出力は、この実際の出力と磁場に基づいて予想される出力との間に差があるかを判定するためにプロセッサユニット230によって監視され、出力の差が検出される場合に誤差補正値が決定される。次いで誤差補正値が適用されて、実際の出力と予想される出力との間の差をゼロにする。
【0036】
[0042]
図3は別の実施形態によるイオンセンサ装置300を示す。センサ装置300は、液体に曝されるように構成されたISFETダイ310と、ISFETダイ310を磁場に曝すように構成された少なくとも1つの永久磁石320と、ISFETダイ310に作動的に接続されたプロセッサユニット330と、を全体的に含む。
【0037】
[0043]ISFETダイ310は、シリコン基板などの半導体基板311を含む。ソース312、ドレイン314、およびイオン感応型ゲートチャネル316が、従来の技法を用いて半導体基板311に形成される。ソース312は、基準電圧源318に電気的に接続され、基準電圧源318は、プロセッサユニット330に結合される。ドレイン314も、プロセッサユニット330に電気的に接続される。ISFETダイ310は、矢印350によって指定された、流れる液体を受容するように構成されたフロー管340の内部に配置される。
【0038】
[0044]永久磁石320はフロー管340の外側に配置されるが、ISFETダイ310が永久磁石320の磁場に曝され得るように位置決めされる。磁気シールド342が、ISFETダイ310が配置されるフロー管340の外側を取り囲む。磁気シールド342は、ISFETダイ310を永久磁石320の磁場に間欠的に曝すように構成される。
【0039】
[0045]一実施形態では、磁気シールド342は、ISFETダイ310を永久磁石320の磁場に曝すための穴344を有する、円盤形状の構造を有する。磁場を遮断する閉じられた位置から、穴344が南北の磁極(NおよびS)と位置合わせされたときISFETダイ310が永久磁石320の磁場に曝されることを可能にする開いた位置への、磁気シールド342の回転を提供するためのロータリーアクチュエータ346が、磁気シールド342に結合され得る。ロータリーアクチュエータ346の動作は、プロセッサユニット330によって従来技法を用いて制御され得る。
【0040】
[0046]別の実施形態では、永久磁石の対が、ISFETダイ310が各磁石の対向する極に曝されるように、センサ装置300において実装され得る。たとえば、ISFETダイ310は、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間で生成された磁場に曝され得る。
【0041】
[0047]プロセッサユニット330は、信号調節器、増幅器、A/D変換器、アルゴリズムなどのような、ISFETダイ310から受信された信号を処理してpH測定値を生成するための様々な構成要素を含む。
【0042】
[0048]センサ装置300は、参照電極332および対電極334をさらに含み、これらはフロー管340内の液体と連絡している。参照電極332および対電極334の両方が、A/D変換器を通してプロセッサユニット330に電気的に接続される。
【0043】
[0049]磁場センサ336が、永久磁石320の磁場に一致して配置され、プロセッサユニット330に電気的に接続される。磁場センサ336は、永久磁石320の磁場の大きさまたは状態についてのフィードバックをプロセッサユニット330に提供する。
【0044】
[0050]ISFETダイ310上を流れる液体に関して、磁気的刺激の間は流れが止まることが望ましい場合がある。たとえば、流れる導電性の水(たとえば、海水)と磁場との組み合わせは、付近の電極またはISFETダイ310上に磁気流体力学的作用により電流の流れまたは電位を発生させ得る。したがって、流量制御弁348は、ISFETダイ310の磁気的刺激の間、水の流れを止めるように、フロー管340の開口部の近くに位置付けられ得る。流量制御弁348は、必要に応じて弁を開閉するようにコントローラ349によって操作され得る。
【0045】
[0051]センサ装置300はまた、フロー管340内の液体と連絡する、少なくとも1つの温度センサ352および圧力センサ354も含み得る。温度センサ352および圧力センサ354の両方は、A/D変換器を通してプロセッサユニット330に電気的に接続される。一実施形態では、熱勾配を判定できるようにISFETダイ310の周りに2つ以上の温度センサが空間的に配置され得、熱勾配は誤差補正のために使用され得る。
【0046】
[0052]一実装形態では、イオンセンサ装置300は、深海pH検知のためなど、海水中に沈められるように構成される。したがって、イオンセンサ装置300の様々な構成要素が、深海の圧力および温度条件に耐えることのできる密封された筐体構造内にパッケージングされ得る。センサ装置300の他の例示的な実装形態は、地下水、工業化学物質、精製された化学物質、原油などのイオン検知を含む。
【0047】
[0053]センサ装置300におけるイオンセンサの測定誤差を補正する方法では、ISFETダイ310は、海水などの液体と接触しつつ、電磁石320からの磁場に曝される。このことはISFETダイ310の抵抗における対応する出力を生成し、この出力は、この実際の出力と磁場に基づいて予想される出力との間に差があるかを判定するためにプロセッサユニット330によって監視され、出力の差が検出された場合に誤差補正値が決定される。次いで誤差補正値が適用されて、実際の出力と予想される出力との間の差をゼロにする。
【0048】
[0054]
図4Aおよび4Bは、本発明のイオンセンサ装置におけるISFETダイとして実装され得る、代替実施形態による半導体デバイス400を示す。デバイス400は、上側表面408を有する、シリコン基板などの半導体基板404を含む。ソース412およびドレイン414が、上側表面408の下の基板404の対向する側方部分に配置される。別個の電気的ホール接点420および422の対が、上側表面408の下の基板404の対向する側方部分に、ソース412およびドレイン414が配置された側方部分に隣接して配置される。液体中のイオンに感応するゲートチャネル426が、基板404の上側中央部分においてソース412とドレイン414との間かつホール接点420、422の間に配置される。デバイス400は、従来の半導体加工技法を使用して製造され得る。
【0049】
[0055]ソース412、ドレイン414、およびホール接点420、422は、互いとは別個であり、かつ、イオンセンサ装置におけるデバイス410の動作中に液体媒体との接触を回避するように、基板411の上側表面408の下に配置される。デバイス410は2つの電圧の測定を可能にし、一方の電圧測定値はホール接点420、422からであり、他方の電圧測定値はソース412およびドレイン414からである。
【0050】
[0056]
図5は、本発明のイオンセンサ装置において実装され得る、代替実施形態による半導体デバイス500を示す。デバイス500は、上側表面506を有する、シリコン基板などの半導体基板504を備えるイオン感応型ダイ502を含む。接点508a〜508dなどの複数の接点が、上側表面506の下の基板504の対向する側方部分に配置される。イオン感応型チャネル510は、基板504の上側中央部分において接点同士の間に配置される。接点は互いとは別個であり、かつ、イオンセンサ装置におけるデバイス500の動作中に液体に触れることを回避するように、基板504の上側表面506の下に配置される。基板504は円形形状を有するものとして描かれているが、基板504は他の幾何学形状を有するように製造され得る。ダイ502は、従来の半導体加工技法を使用して製造され得る。
【0051】
[0057]接点508a〜508dのそれぞれは、ロータリースイッチ514の一部である接点パッド512a〜512dにそれぞれ結合される。接点パッド512a〜512dのそれぞれは、基準電圧源(Vref)516にまたはプロセッサユニット520に切り替え可能に接続することができ、プロセッサユニット520はISFETのpH処理を行うように構成され得る。
【0052】
[0058]動作中、イオン感応型ダイ502の異なる接点は、ソースおよびドレインとして働くように、ロータリースイッチ514を通して選択的に接続され得る。たとえば、Vref516がロータリースイッチ514を通してパッド512aに結合されるとき、接点508aはVref516に電気的に接続されソースとして働く。また、プロセッサユニット520がロータリースイッチ514を通してパッド512cに結合されるとき、接点508cはプロセッサユニット520に電気的に接続されドレインとして働く。別の構成では、Vref516がロータリースイッチ514を通してパッド512bに結合されるとき、接点508bはVref516に電気的に接続され、ソースとして働く。この構成では、プロセッサユニット520がロータリースイッチ514を通してパッド512dに結合されるとき、接点508dはプロセッサユニット520に電気的に接続され、ドレインとして働く。
【0053】
[0059]
図6は、本発明のイオンセンサ装置において実装され得る、別の代替実施形態による半導体デバイス600を示す。デバイス600は、ダイ502(
図5)と同様の特徴を有するイオン感応型ダイ602を含む。したがって、ダイ602は、上側表面606を有する半導体基板604を含む。接点608a〜608dなどの複数の接点が、上側表面606の下の基板604の対向する側方部分に配置される。イオン感応型チャネル610は、基板604の上側中央部分において接点同士の間に配置される。接点は互いとは別個であり、かつ、試験されている液体に触れることを回避するように、基板604の上側表面606の下に配置される。
【0054】
[0060]接点608a〜608dのそれぞれは、ロータリースイッチ614の一部である接点パッド612a〜612dにそれぞれ結合される。接点パッド612a〜612dのそれぞれは、Vref616にまたはプロセッサユニット620に切り替え可能に接続することができ、プロセッサユニット620はISFETのpH処理を行うように構成され得る。加えて、接点608a〜608dのそれぞれは、ロータリースイッチ624の一部である接点パッド622a〜622dにそれぞれ結合され、ロータリースイッチ624はホール効果電位の測定を行うように構成される。
【0055】
[0061]デバイス600の動作中、pH測定および/またはホール電位測定を行うときに、対向する直交する接点が接続される。したがって、イオン感応型ダイ602の異なる接点は、ソースおよびドレインとして働くように、ロータリースイッチ614を通して選択的に接続され得る。たとえば、Vref616がロータリースイッチ614を通してパッド612aに結合されるとき、接点608aはVref616に電気的に接続されソースとして働く。また、プロセッサユニット620がロータリースイッチ614を通してパッド612cに結合されるとき、接点608cはプロセッサユニット620に電気的に接続され、ドレインとして働く。
【0056】
[0062]加えて、ソースおよびドレインとして使用されないダイ602の接点は、ホール効果電位を測定できるようにロータリースイッチ624によって電圧計に選択的に接続され得る。たとえば、電圧計がロータリースイッチ624を通してパッド622bに結合されるとき、接点608bは電圧計に電気的に接続されホール接点として働く。同様に、電圧計がロータリースイッチ624を通してパッド622dに結合されるとき、接点608dは電圧計に電気的に接続され、やはりホール接点として働く。
【0057】
[0063]
図5および6の実施形態におけるダイは4つの接点を備えて描かれているが、pH測定および/またはホール電位測定を行うときに対向する直交する接点が接続される限りは、より多くの接点がダイに追加され得る。
【0058】
[0064]
図5および6のダイは、採用されると、様々な誤差緩和の利益を提供し得る。たとえば、これらのダイは、ダイ中の材料の異質物によって導入される誤差を緩和し得る。加えて、これらのダイは、製造中にダイの特徴部をパターニングするときの、シリコンウエハと半導体加工用マスクとの間の意図されない位置合わせ不良ならびに沈着物によって導入される誤差を、緩和し得る。さらに、これらのダイは、ピエゾ抵抗効果、ピエゾ・ホール効果、および熱電効果に対する、熱勾配または機械的勾配の効果ならびに関連付けられる影響を緩和し得るとともに、1/周波数ノイズを低減し得る。
【0059】
[0065]本発明のセンサ装置および方法において使用されるプロセッサは、当業者に知られているような、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの任意の適切な組み合わせを使用して実装され得る。これらは、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)によって補足されるか、あるいはそれに組み込まれ得る。本発明の方法は、プロセッサによって実行されるプログラムモジュールなどの、コンピュータ実行可能命令によって実施され得る。全体的に、プログラムモジュールは、ルーチン、オブジェクト、データコンポーネント、データ構造、アルゴリズムなどを含む。
【0060】
[0066]様々な処理タスク、計算、および本明細書で説明された方法の動作において使用される他のデータの生成を実行するための命令は、ソフトウェア、ファームウェア、または他のコンピュータもしくはプロセッサ可読命令において実施され得る。これらの命令は典型的には、コンピュータもしくはプロセッサ可読命令またはデータ構造の格納のために使用される任意の適切な機械可読媒体上に格納される。
【0061】
[0067]適当なプロセッサ可読媒体は、ストレージまたは磁気媒体もしくは光学媒体などの記憶媒体を含み得る。たとえば、ストレージまたは記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリなどの揮発性もしくは不揮発性媒体、あるいは、コンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形態の所望されるプログラムコードを搬送または格納するために使用され得る任意の他の媒体を含み得る。
【0062】
[0068]実施例1は、液体に曝されるように構成された少なくとも1つのイオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET)デバイスと、ISFETデバイスが曝される液体と接触するように構成された参照電極と、ISFETデバイスを磁場に間欠的に曝すように構成された少なくとも1つの磁石と、ISFETデバイスおよび参照電極に作動的に接続されたプロセッサと、を備えるイオンセンサ装置を含み、プロセッサは磁場を調整して、ISFETデバイスの抵抗における対応する調整された出力を生成し、またイオンセンサ装置の報告される出力値の調整をもたらす。
【0063】
[0069]実施例2は、実施例1のセンサ装置を含み、少なくとも1つの磁石は電磁石を備える。
[0070]実施例3は、実施例2のセンサ装置を含み、電磁石は、電磁石によって生成される磁場にISFETデバイスを間欠的に曝すように、プロセッサによって選択的に作動される。
【0064】
[0071]実施例4は、実施例1のセンサ装置を含み、少なくとも1つの磁石は永久磁石を備える。
[0072]実施例5は、実施例4のセンサ装置を含み、永久磁石によって生成された磁場にISFETデバイスを間欠的に曝すように構成された磁気シールドをさらに備える。
【0065】
[0073]実施例6は、実施例1〜5のいずれかのセンサ装置を含み、磁石に隣接しかつ磁場の大きさまたは状態を測定するように構成された、磁場センサをさらに備える。
[0074]実施例7は、実施例1〜6のいずれかのセンサ装置を含み、ISFETデバイスが曝される液体に接触するように構成された対電極をさらに備え、プロセッサは対電極に作動的に接続される。
【0066】
[0075]実施例8は、実施例1〜7のいずれかのセンサ装置を含み、少なくとも1つの温度センサおよび圧力センサをさらに備え、温度センサおよび圧力センサはISFETデバイスが曝される液体に接触するように構成される。
【0067】
[0076]実施例9は、実施例1〜8のいずれかのセンサ装置を含み、液体を受容するように構成されたフロー管をさらに備え、ISFETデバイスはこのフロー管の内部に配設される。
【0068】
[0077]実施例10は、実施例9のセンサ装置を含み、フロー管に入る液体の流れを制御するフロー弁をさらに備える。
[0078]実施例11は、実施例1〜10のいずれかのセンサ装置を含み、ISFETデバイスは、上側表面を有する半導体基板と、半導体基板の対向する側方部分に配置されたソースおよびドレインと、ソースおよびドレインが配置された側方部分に隣接する、半導体基板の対向する側方部分にそれぞれ配置された電気的ホール接点の対と、半導体基板の上側中央部分においてソースとドレインとの間かつ電気的ホール接点の対の間に配置された、液体中のイオンに感応するゲートチャネルと、を備え、ソース、ドレイン、および電気的ホール接点は互いとは別個であり、かつ半導体基板の上側表面の下に配置される。
【0069】
[0079]実施例12は、実施例1〜11のいずれかのセンサ装置を含み、報告される出力値は液体のpH測定値である。
[0080]実施例13は、イオンセンサの測定誤差を補正する方法を含み、方法は、液体をISFETデバイスの一部と接触させることと、ISFETデバイスを調整された磁場に曝してISFETデバイスの抵抗における対応する調整された出力を生成することと、調整された出力と調整された磁場に基づいて予想される出力との間に差があるかを判定するために調整された出力を監視することと、調整された出力と予想される出力との間に差がある場合に誤差補正値を決定することと、誤差補正値を適用してある時間期間の経過とともに調整された出力と予想される出力との間の差をゼロにすることでイオンセンサ測定の安定性を維持することと、を含む。
【0070】
[0081]実施例14は、実施例13の方法を含み、調整された磁場は電磁石からのものである。
[0082]実施例15は、実施例14の方法を含み、電磁石はISFETデバイスを調整された磁場に曝すようにプロセッサによって選択的に作動される。
【0071】
[0083]実施例16は、実施例13の方法を含み、調整された磁場は少なくとも1つの永久磁石からのものである。
[0084]実施例17は、実施例13〜16のいずれかの方法を含み、液体は海水、地下水、工業化学物質、精製された化学物質、または原油を含む。
【0072】
[0085]実施例18は、実施例13〜17のいずれかの方法を含み、ISFETデバイスは液体のpHを測定するように構成される。
[0086]実施例19は、上側表面を有する半導体基板と、半導体基板の対向する側方部分に配置された複数の接点と、半導体基板の上側中央部分において接点同士の間に配置されたイオン感応型チャネルと、を備える半導体デバイスを含み、接点は互いとは別箇でありかつ半導体基板の上側表面の下に配置される。
【0073】
[0087]実施例20は、実施例19のデバイスを含み、また、半導体デバイスがイオンセンサ装置において採用される場合に接点がpH測定またはホール効果電位の測定を行うよう電気的に構成されるように、接点を1つもしくは複数の電圧源に選択的に結合する1つまたは複数のロータリースイッチをさらに備える。
【0074】
[0088]本発明は、その本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態において具現化され得る。説明された実施形態は、あらゆる点において単に例示的なものと見なされるべきであり、制限的なものと見なされるべきではない。本発明の範囲はしたがって、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価な意味および領域内にあるあらゆる変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。