(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置検出ステップは、所定の実装位置撮像装置により、前記実装ステージに載置された前記ベースのうち前記レンズアレイ及び前記基板を含む範囲を撮像して実装位置画像を生成し、
前記基準位置決定ステップは、前記実装位置画像から得られる前記レンズアレイの位置を基に、前記レンズアレイの一部分を基準位置として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のプリンタとして構成されており、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。
【0014】
画像形成装置1は、略箱型に形成されたプリンタ筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、
図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0015】
画像形成装置1は、制御部3により全体を統括制御するようになっている。この制御部3は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部3は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に当該カラー画像の印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
【0016】
プリンタ筐体2内の最下部には、用紙Pを収容する用紙収容カセット4と、用紙収容カセット4に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部5とが設けられている。給紙部5は、用紙収容カセット4の前端上側に位置しており、一点鎖線で示す搬送経路Wに沿って用紙Pを進行させる。この給紙部5には、用紙収容カセット4の前端上側に設けられ中心軸を左右方向に向けたホッピングローラ6や、互いに対向するレジストローラ7及びピンチローラ8のような複数のローラに加え、用紙Pを案内するガイド等が設けられている。
【0017】
給紙部5は、制御部3の制御によりホッピングローラ6等を回転させ、用紙収容カセット4に収容されている用紙Pを1枚ずつに分離して取り込むと共に、取り込んだ用紙Pを搬送経路Wに沿って前上方へ進行させた後、プリンタ筐体2内の前端近傍における上下ほぼ中央となる位置において、後方へ折り返すように進行させる。
【0018】
用紙Pは、給紙部5を経た後、プリンタ筐体2内を後側から前側へ大きく横切るように形成された中搬送部10により搬送される。この中搬送部10の上側、すなわちプリンタ筐体2における中央よりも上寄りには、4個のプロセスユニット15C、15M、15Y及び15K(以下、これらをまとめてプロセスユニット15と呼ぶ)が後側から前側へ向かって順に配置されている。すなわち各色のプロセスユニット15は、いわゆるタンデム方式で配置されている。
【0019】
因みにプロセスユニット15C、15M、15Y及び15Kは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色にそれぞれ対応している。またプロセスユニット15C、15M、15Y及び15Kは、互いに同様に構成されており、対応するトナーの色のみがそれぞれ相違する。このプロセスユニット15は、用紙Pの左右幅に対応するべく、左右方向に比較的長い略箱状に形成されている。
【0020】
またプリンタ筐体2内には、各プロセスユニット15C、15M、15Y及び15Kとそれぞれ対応するように、光プリントヘッド16C、16M、16Y及び16K(以下、これらをまとめて光プリントヘッド16と呼ぶ)が設けられている。この光プリントヘッド16は、左右方向に細長い直方体状に構成されると共に、その内部にLED(Light Emitting Diode)でなる複数の発光素子が左右方向に沿って並ぶように配置されている。この光プリントヘッド16は、制御部3から供給される画像データに応じた発光パターンで各発光素子を発光させる。プロセスユニット15は、プリンタ筐体2に装着された際、この光プリントヘッド16と極めて近接するようになっており、当該光プリントヘッド16からの光により露光処理が行われる。
【0021】
また各プロセスユニット15C、15M、15Y及び15Kは、それぞれ上方にトナーカートリッジ18C、18M、18Y及び18K(以下、これらをまとめてトナーカートリッジ18と呼ぶ)が接続されている。トナーカートリッジ18は、粉末状でなる各色のトナーがそれぞれ収容されると共に、所定の撹拌機構が組み込まれている。
【0022】
因みに、各プロセスユニット15の真下となり搬送経路Wを挟む箇所には、それぞれ転写ローラ13C、13M、13Y及び13K(以下、これらをまとめて転写ローラ13と呼ぶ)が設けられている。すなわち中搬送部10において搬送経路Wに沿って搬送される用紙Pは、各プロセスユニット15及び各転写ローラ13の間に挟まれることになる。
【0023】
制御部3は、トナーカートリッジ18からトナーをプロセスユニット15へ供給させる。これと共に制御部3は、上位装置(図示せず)から供給された画像データに応じた発光パターンを形成するように光プリントヘッド16を発光させる。これに応じて各プロセスユニット15は、トナーカートリッジ18から供給されるトナーを用い、光プリントヘッド16の発光パターンに応じたトナー画像を形成し、このトナー画像を用紙Pにそれぞれ転写する。これにより、搬送経路Wに沿って搬送されている用紙P上には、画像データに応じた4色のトナー画像が順次転写されていく。
【0024】
また中搬送部10の後端近傍には、定着ユニット20が設けられている。定着ユニット20は、加熱ローラ21及び加圧ローラ22により構成されている。加熱ローラ21は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ22は、加熱ローラ21と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ21における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。
【0025】
この定着ユニット20は、制御部3の制御に基づき、加熱ローラ21を加熱すると共に当該加熱ローラ21及び加圧ローラ22をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着ユニット20は、プロセスユニット15から受け渡された用紙P、すなわち4色のトナー画像が重ねられた用紙Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後上方へ受け渡す。
【0026】
定着ユニット20の後上方には、排紙部24が配置されている。排紙部24は、複数の排出ローラや用紙を案内するガイド等の組み合わせにより構成されている。この排紙部24は、制御部3の制御に従って各排出ローラを適宜回転させることにより、定着ユニット20から受け渡される用紙Pを後上方へ搬送してから前方へ向けて折り返し、プリンタ筐体2の上面に形成された排出トレイ2Tへ排出する。
【0027】
このように画像形成装置1は、印刷処理を実行する際、光プリントヘッド16を発光させることにより、各色のプロセスユニット15によってトナー画像をそれぞれ形成し、これを用紙Pに順次転写するようになっている。
【0028】
[1−2.プロセスユニットの構成]
次に、画像形成部としてのプロセスユニット15の構成について説明する。
図2に模式的な断面図を示すように、プロセスユニット15は、その外周における大部分をフレーム31により閉塞すると共に、その内部に比較的大きな空間を形成している。
【0029】
プロセスユニット15内の中央下寄りには、感光体ドラム33が設けられている。感光体ドラム33は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、フレーム31によりこの中心軸を中心として回転可能に支持されている。因みに感光体ドラム33は、図示しないモータから駆動力が伝達されることにより、矢印R1方向へ回転する。
【0030】
フレーム31における感光体ドラム33の下面となる部分は、比較的広い範囲に渡って開放されている。このためプロセスユニット15は、プリンタ筐体2(
図1)に装着された際に、中搬送部10により搬送される用紙Pに感光体ドラム33の下面を接触させることができる。またフレーム31における感光体ドラム33の真上となる部分には、左右方向に細長い露光孔が穿設されている。
【0031】
感光体ドラム33の後上方には、当該感光体ドラム33よりも径が小さい円筒状でなる帯電ローラ34が設けられている。帯電ローラ34は、その周側面を感光体ドラム33の周側面33Sに当接させており、当該周側面33Sの当接箇所を一様に帯電させる。
【0032】
感光体ドラム33の前上方には、当該感光体ドラム33よりも径が小さい円筒状でなる現像ローラ36が設けられている。現像ローラ36は、後側においてその周側面を感光体ドラム33の周側面33Sに当接させると共に、前側において当該現像ローラ36よりも僅かに径が小さい円筒状でなる供給ローラ37にその周側面を当接させている。
【0033】
現像ローラ36の前上方には、薄板状の現像ブレード38が設けられている。この現像ブレード38は、後上端がフレーム31内に固定されており、その前下端と現像ローラ36の周側面との間に僅かな隙間を形成している。
【0034】
かかる構成においてプロセスユニット15は、用紙Pに画像を印刷する際、制御部3の制御に基づき、感光体ドラム33を矢印R1方向へ回転させると共に、帯電ローラ34、現像ローラ36及び供給ローラ37を矢印R2方向へ回転させ、さらに帯電ローラ34及び現像ローラ36を帯電させる。因みにプロセスユニット15は、感光体ドラム33、帯電ローラ34及び現像ローラ36を互いに滑らせることなく回転させる。
【0035】
感光体ドラム33は、まず周側面33Sの後上側部分が帯電ローラ34により一様に帯電され、矢印R1方向への回転によりこの帯電した箇所を上端近傍に到達させて光プリントヘッド16の照射面16Aと対向させる。このとき感光体ドラム33の周側面33Sは、光プリントヘッド16の照射面16Aから画像データに応じた発光パターンの光が照射されることにより露光され、当該画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0036】
一方、矢印R2方向へ回転する現像ローラ36は、トナーカートリッジ18から供給されるトナーが供給ローラ37によって周側面に付着し、次に現像ブレード38により余分なトナーが削ぎ落とされるため、周側面に均一な薄膜状にトナーが付着される。
【0037】
感光体ドラム33は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、現像ローラ36と当接する前端近傍において、当該現像ローラ36の周側面に薄膜状に形成されているトナーを、静電潜像に応じた箇所のみ周側面33Sに付着させる。これにより感光体ドラム33の周側面33Sには、画像データに応じたトナー画像を形成する。因みにこのとき周側面33Sに形成されるトナー画像は、最終的に印刷すべき画像のうち、このプロセスユニット15が担当する1色(すなわちシアン、マゼンタ、イエロー又はブラックの何れか)の成分のみを表した画像となっている。
【0038】
その後感光体ドラム33は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、トナー画像を下端近傍へ到達させる。このとき制御部3は、中搬送部10(
図1)により用紙Pをプロセスユニット15の下側に到達させると共に、転写ローラ13をトナーと逆の特性に帯電させている。このためプロセスユニット15は、感光体ドラム33のうちトナー画像が形成された部分と帯電された転写ローラ13との間に用紙Pを挟持することになり、このトナー画像を用紙Pに転写する。
【0039】
かくしてプロセスユニット15は、光プリントヘッド16を感光体ドラム33の近傍に対向させ、当該光プリントヘッド16の露光作用によりトナー画像を当該周側面33S上に形成することができる。
【0040】
[1−3.光プリントヘッドの構成]
次に、光プリントヘッド16の構成について説明する。発光装置としての光プリントヘッド16は、
図3に模式的な断面図を示すように、ベース41に各種部品が取り付けられた構成となっている。
【0041】
因みに光プリントヘッド16は、画像形成装置1に取り付けられる場合には、
図2に示したように、照射面16Aを下方に向けた姿勢となる一方、その製造時において、
図3に示したように、この姿勢から90度回転させて、照射面16Aを横方向に向けた姿勢となる。そこで以下では、
図3に示したように、製造時の姿勢に合わせて、照射面16Aの方向及びその反対方向をそれぞれ前方向及び後方向とし、
図3における上方向及び下方向をそのまま上方向及び下方向と定義した上で説明する。
【0042】
ベース41は、前後方向に長く上下方向に薄い直方体状ないし板状に形成されており、上側に種々の部品が載置されている。また
図5(A)に示すように、ベース41の上面には、周囲よりも上方へ突出した突起41A及び突起41Bが設けられている。ベース41の上面における後寄りの部分には、基板42が取り付けられている。基板42は、上方向から見た場合にベース41の内側に収まるような大きさとなっており、具体的にベース41と比較して、前後方向の大きさが約半分であり、左右方向に僅かに短く、上下方向に薄い板状となっている。この基板42は、いわゆるプリント配線基板となっており、種々の回路パターンが形成されている。
【0043】
基板42の上面における前寄りの箇所には、複数の発光素子アレイチップ43が左右方向に整列するように実装されている。発光素子アレイチップ43は、小さな直方体状に形成されており、基板42と比較して、前後方向に十分に短く、また左右方向にも十分に短くなっている。
【0044】
この発光素子アレイチップ43は、内部にLEDや発光サイリスタ等でなる発光素子を左右方向に複数並べるように配置しており、光を発光する発光点43Eを前端近傍の上寄りに位置させている。各発光素子の発光点43Eは、光軸を前方向へ向けた発散光でなる光L1を出射するようになっている。また発光素子アレイチップ43は、その上面後寄りに形成された電極部分と、基板42上に形成された回路パターンとの間がボンディングワイヤ44によって電気的に接続されている。また基板42には、図示しないコネクタを介して、図示しないケーブルが接続されている。このケーブルは、制御部3(
図1)と接続されており、発光素子アレイチップ43に対して電力や信号を供給するようになっている。
【0045】
さらに発光素子アレイチップ43は、
図5(B)に示すように、その上面に位置合わせマークM1が設けられている。この位置合わせマークM1は、発光点43Eに対する相対的な位置が高精度に調整されている。
【0046】
ベース41の上面における前端近傍には、ロッドレンズアレイ45が取り付けられている。ロッドレンズアレイ45は、左右方向に長い直方体状に形成されており、基板42と比較して、前後方向にやや短く、左右方向にほぼ同等であり、上下方向にやや厚くなっている。因みにロッドレンズアレイ45は、前端近傍部分をベース41の前端よりも前側にはみ出させるようにして、当該ベース41に固定される。
【0047】
このロッドレンズアレイ45の内部には、中心軸を前後方向に向けた円筒状の微小なレンズ(屈折率分布型レンズ)が左右方向に沿って多数配置されている。光プリントヘッド16では、ロッドレンズアレイ45内の各レンズにおける後側の焦点と発光素子アレイチップ43の発光点43Eとを一致させるよう、各部品の位置が調整される(詳しくは後述する)。さらにベース41の上側には、基板42及び発光素子アレイチップ43とロッドレンズアレイ45の後側部分とを覆うようにして、カバー46が取り付けられる。
【0048】
[1−4.光プリントヘッドの基本的な製造工程]
次に、光プリントヘッド16の基本的な製造工程について説明する。まず、
図4(A)及び
図5(A)に示すように、ベース41の上面に基板42が取り付けられる。基板42は、ベース41の突起41Aに当接した状態で取り付けられることにより、当該ベース41に対し、ある程度の精度で所定の位置に合わせられる。
【0049】
続いて、
図4(B)及び
図5(A)に示したように、ベース41の上面にロッドレンズアレイ45が取り付けられる。ロッドレンズアレイ45は、基板42と同様、ベース41の突起41Bに当接した状態で取り付けられることにより、当該ベース41に対し、ある程度の精度で所定の位置に合わせられる。因みに、ベース41に対する基板42及びロッドレンズアレイ45の取付位置の誤差は、何れも0.1[mm]程度となる。以下、この状態のベース41を未実装ベース41Yとも呼ぶ。
【0050】
今度は、
図4(C)に示すように、ベース41に取り付けられている基板42の上面に対し、複数の発光素子アレイチップ43が実装される。このとき発光素子アレイチップ43は、後述するダイボンダを使用して実装されることにより、ロッドレンズアレイ45や他の発光素子アレイチップ43に対する取付位置の誤差が、例えば5[μm]のように極めて小さくなる(詳しくは後述する)。
【0051】
次に、
図4(D)に示すように、図示しないボンディングマシンにより、ボンディングワイヤ44が基板42及び発光素子アレイチップ43の間に接続される。その後、ベース41の上面にカバー46(
図3)が取り付けられることにより、光プリントヘッド16が完成する。
【0052】
[1−5.ダイボンダの構成]
次に、発光素子アレイチップ43(以下、単にチップとも呼ぶ)の実装に用いられるダイボンダの構成について説明する。
図6に示すようにダイボンダ50は、全体を統括制御する統括制御ユニット51や作業者の操作指示を受け付ける操作ユニット52の他、種々のユニットを有している。
【0053】
またダイボンダ50には、ウェハトレイユニット53、位置補正ステージ54、実装ステージ55及びベーストレイ56が設けられている。ウェハトレイユニット53は、多数の発光素子アレイチップ43を載置する。位置補正ステージ54は、発光素子アレイチップ43を載置して水平方向の位置を補正するためのステージとして構成されている。
【0054】
実装ステージ55は、未実装ベース41Y(
図4(B)及び
図5(A))が載置され、当該未実装ベース41Yの基板42に発光素子アレイチップ43が実装される。ベーストレイ56は、複数の未実装ベース41Y、及び発光素子アレイチップ43が実装されたベース41(
図4(C)、以下これを実装済ベース41Fとも呼ぶ)を載置する。
【0055】
統括制御ユニット51は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有している。また統括制御ユニット51は、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等により構成され、各種プログラムや各種データを記憶する記憶部(図示せず)も有している。この統括制御ユニット51は、ROMやフラッシュメモリ等から実装プログラムを読み出して実行することにより、発光素子アレイチップ43を基板42に実装する実装処理を行う。
【0056】
操作ユニット52は、図示しない操作キーや表示画面等を有しており、作業者からの入力指示を受け付け、これを統括制御ユニット51へ通知する。搬送ユニット61は、統括制御ユニット51の制御に基づき、ベーストレイ56上に載置されている未実装ベース41Yを実装ステージ55へ搬送し、また実装ステージ55において発光素子アレイチップ43が実装された実装済ベース41Fをベーストレイ56へ搬送する。
【0057】
チップ認識ユニット62は、撮像素子を有しており、統括制御ユニット51の制御に基づき、この撮像素子によりウェハトレイユニット53上に載置された発光素子アレイチップ43を撮像し、ウェハトレイ画像を生成する。またチップ認識ユニット62は、このウェハトレイ画像を基に所定の画像解析処理を実行することにより、発光素子アレイチップ43の位置を認識する。
【0058】
さらにチップ認識ユニット62は、ピックアップユニット63に対し、認識した発光素子アレイチップ43の位置に関する情報と共に、当該発光素子アレイチップ43を位置補正ステージ54へ搬送する指示を供給する。ピックアップユニット63は、チップ認識ユニット62からの指示に基づき、ウェハトレイユニット53から1個の発光素子アレイチップ43をピックアップして位置補正ステージ54へ搬送し、当該位置補正ステージ54上に載置させる。
【0059】
位置補正ユニット64は、統括制御ユニット51の制御に基づき、位置補正ステージ54上で、当該位置補正ステージ54に載置されている発光素子アレイチップ43を適切な位置へ移動させることにより、その位置を補正する。このとき位置補正ユニット64は、例えば誤差が5[μm]程度の範囲に収まるような、極めて高い精度で発光素子アレイチップ43の位置を補正することができる。
【0060】
実装位置認識ユニット65は、チップ認識ユニット62と同様に撮像素子を有しており、統括制御ユニット51の制御に基づき、この撮像素子により実装ステージ55上に載置されたベース41(すなわち未実装ベース41Y)を撮像し、実装位置画像を生成する。続いて実装位置認識ユニット65は、実装位置画像を基に所定の画像解析処理を行うことにより基準位置を決定し、この基準位置を基に、基板42上で発光素子アレイチップ43を実装すべき位置(以下これを実装位置とも呼ぶ)を決定する。
【0061】
また実装位置認識ユニット65は、決定した実装位置を接着剤転写ユニット66へ通知する。接着剤転写ユニット66は、実装位置認識ユニット65から指示を受け取ると、基板42上の実装位置に接着剤を転写する。さらに実装位置認識ユニット65は、ボンディングユニット67に対し、発光素子アレイチップ43を実装位置に実装する指示を供給する。
【0062】
ボンディングユニット67は、実装位置認識ユニット65から指示を受け取ると、位置補正ステージ54上で位置補正された発光素子アレイチップ43を所定のアーム(図示せず)によりピックアップし、実装ステージ55上に載置されている未実装ベース41Yの基板42上における実装位置に実装する。このときボンディングユニット67は、実装位置に対し、例えば誤差が5[μm]程度の範囲に収まるような、極めて高い精度で発光素子アレイチップ43を実装することができる。基板42上に実装された発光素子アレイチップ43は、接着剤の硬化により当該基板42に固定される。
【0063】
[1−6.発光素子アレイチップの実装]
次に、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50により未実装ベース41Yに発光素子アレイチップ43を実装する場合の実装処理手順について説明する。
【0064】
ダイボンダ50の統括制御ユニット51は、操作ユニット52を介して未実装ベース41Yに対して発光素子アレイチップ43を実装する操作指示を受け付けると、
図7に示す実装処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。因みにこのとき統括制御ユニット51は、実装済みの発光素子アレイチップ43を計数するための実装カウンタの値を「0」に初期化する。また統括制御ユニット51は、1個の未実装ベース41Yに実装すべき発光素子アレイチップ43の個数を表す実装個数を予め記憶している。
【0065】
ステップSP1において統括制御ユニット51は、搬送ユニット61により、ベーストレイ56上に載置されている未実装ベース41Y(
図4(B)及び
図5(A))を実装ステージ55へ搬送させ、次のステップSP2へ移る。このとき未実装ベース41Yは、実装ステージ55上において、標準的な載置位置からある程度の誤差を含む範囲内に載置される。換言すれば、この段階における実装ステージ55上における未実装ベース41Yの位置精度は、比較的低くなっている。
【0066】
ステップSP2において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、実装ステージ55を撮像して実装位置画像を生成させる。そのうえで統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、ロッドレンズアレイ45(以下、単にレンズとも呼ぶ)における左後側の頂点P1の位置を検出させて、次のステップSP3へ移る。
【0067】
ステップSP3において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65を介して接着剤転写ユニット66を制御することにより、頂点P1を基準とし、実装カウンタの値を参酌して、未実装ベース41Yの基板42において次に発光素子アレイチップ43が実装されるおおよその位置に接着剤を転写させ、次のステップSP4へ移る。
【0068】
ステップSP4において統括制御ユニット51は、チップ認識ユニット62により、ウェハトレイユニット53上の発光素子アレイチップ43を撮像させてウェハトレイ画像を生成させ、各発光素子アレイチップ43の位置を認識させる。さらに統括制御ユニット51は、チップ認識ユニット62により、位置を認識した発光素子アレイチップ43のなかから未実装ベース41Yに実装するチップを選択させ(以下これを選択チップと呼ぶ)、次のステップSP5へ移る。
【0069】
ステップSP5において統括制御ユニット51は、チップ認識ユニット62を介してピックアップユニット63を制御することにより、ウェハトレイユニット53から選択チップをピップアップさせ、これを位置補正ステージ54上へ搬送して載置させ、次のステップSP6へ移る。ステップSP6において統括制御ユニット51は、位置補正ユニット64を制御することにより、位置補正ステージ54上に載置されている選択チップの位置を調整させ、次のステップSP7へ移る。
【0070】
ステップSP7において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65を介してボンディングユニット67を制御することにより、位置補正ステージ54上に載置されている選択チップをアーム(図示せず)によりピックアップさせ、次のステップSP8へ移る。このときボンディングユニット67は、アームに対する選択チップの位置精度が極めて高い状態となる。
【0071】
ステップSP8において統括制御ユニット51は、実装カウンタの値を参照することにより、未実装ベース41Yに実装するチップ(発光素子アレイチップ43)として1チップ目であるか否か、すなわち実装カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは未だに未実装ベース41Yに他の発光素子アレイチップ43が実装されていないため、他の発光素子アレイチップ43を基準として実装位置を決定できないことを表している。このとき統括制御ユニット51は、次のステップSP9へ移る。
【0072】
ステップSP9において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、ステップSP2で検出したロッドレンズアレイ45における頂点P1の位置を基準位置として、選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP10へ移る。因みに統括制御ユニット51は、頂点P1を基準位置とした場合の、当該基準位置に対するチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置までの相対的な距離を予め記憶している。
【0073】
ステップSP10において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65を介してボンディングユニット67を制御することにより、
図5(B)に示すように、選択チップを実装位置にボンディング(実装)させて、次のステップSP11へ移る。このとき統括制御ユニット51は、頂点P1が基準位置であるロッドレンズアレイ45に対し極めて高い位置精度となるように、基板42上に選択チップ(発光素子アレイチップ43)を実装することができる。またこのとき統括制御ユニット51は、実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0074】
ステップSP11において統括制御ユニット51は、実装カウンタの値を参照し、これを予め記憶している実装個数と比較することにより、予定していた全てのチップ(発光素子アレイチップ43)の実装を完了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、統括制御ユニット51は、再度ステップSP3へ戻って一連の処理を繰り返すことにより、次の発光素子アレイチップ43を実装する。
【0075】
一方、ステップSP8において否定結果が得られると、このことは、直前に実装された発光素子アレイチップ43(以下これを直前チップとも呼ぶ)の位置を基準として実装位置を決定すべきことを表している。このとき統括制御ユニット51は、次のステップSP12へ移る。
【0076】
ステップSP12において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップが実装された後の実装ステージ55を撮像して新たな実装位置画像を生成させる。続いて統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、直前チップ(発光素子アレイチップ43)に付された位置合わせマークM1(
図5(B))を検出させて、次のステップSP13へ移る。
【0077】
ステップSP13において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップの位置合わせマークM1を基準位置として、選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP10へ移る。因みに統括制御ユニット51は、直前チップの位置合わせマークM1を基準位置とした場合の、当該基準位置に対するチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置までの相対的な距離を予め記憶している。
【0078】
このとき統括制御ユニット51は、ステップSP10において、1チップ目の場合と同様に実装位置認識ユニット65を介してボンディングユニット67を制御することにより、
図5(C)に示すように、選択チップを実装位置にボンディング(実装)させて、次のステップSP11へ移る。このとき統括制御ユニット51は、位置合わせマークM1が基準位置となっている直前チップ(発光素子アレイチップ43)に対し極めて高い位置精度となるように、基板42上に選択チップを実装することができる。またこのとき統括制御ユニット51は、やはり実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0079】
また、ステップSP11において肯定結果が得られると、このことは未実装ベース41Yに実装すべき全てのチップ(発光素子アレイチップ43)を実装し終えたこと、すなわち実装済ベース41F(
図4(C))が完成したことを表している。このとき統括制御ユニット51は、次のステップSP14へ移る。
【0080】
ステップSP14において統括制御ユニット51は、搬送ユニット61により、実装ステージ55上に載置されている実装済ベース41Fをベーストレイ56へ搬送させた後、次のステップSP15へ移って実装処理手順RT1を終了する。
【0081】
[1−7.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50を利用し、基板42及びロッドレンズアレイ45が取り付けられた未実装ベース41Yの基板42上に、発光素子アレイチップ43を実装するようにした。
【0082】
ダイボンダ50(
図6)は、実装ステージ55上を撮像した実装位置画像を基に、基準位置を定め、且つ当該基準位置からの相対的な位置を実装位置として設定することにより、当該基準位置に対して例えば誤差が5[μm]程度のように極めて高い位置精度でチップを実装することができる。
【0083】
そこでダイボンダ50は、1番目のチップ(発光素子アレイチップ43)を実装する場合には、ロッドレンズアレイ45の頂点P1(
図5(A))を基準位置に設定して実装位置を決定し、この実装位置に発光素子アレイチップ43を実装する。このためダイボンダ50は、極めて高い精度でロッドレンズアレイ45と1番目の発光素子アレイチップ43との相対的な位置を定めること、すなわちロッドレンズアレイ45の焦点に1番目の発光素子アレイチップ43の発光点43Eを一致させることができる。
【0084】
またダイボンダ50は、2番目以降のチップ(選択チップ)を実装する場合には、直前チップの位置合わせマークM1(
図5(B))を基準位置に設定して実装位置を設定し、この実装位置に選択チップを実装する。このためダイボンダ50は、極めて高い精度で直前チップと選択チップとの相対的な位置を定めること、すなわち直前チップと同様にロッドレンズアレイ45の焦点に選択チップ(発光素子アレイチップ43)の発光点43Eを一致させることができる。
【0085】
この結果、光プリントヘッド16が搭載される画像形成装置1では、感光体ドラム33の表面に光の焦点を合わせて高精度な静電潜像を形成でき、その結果として用紙Pに対し高精度な画像を形成すること、すなわち印刷することができる。
【0086】
他の観点から見れば、従来の光プリントヘッド16の製造工程では、ダイボンダ50の実装ステージ55上に、単体の基板42又は当該基板42が取り付けられたベース41を、すなわちロッドレンズアレイ45に対する位置が定まる前の基板42を載置していた。ダイボンダ50は、基板42や既に基板42に実装された他のチップを基に基準位置を定めて、この基準位置に対して高い位置精度でチップを実装していた。
【0087】
このため従来の製造工程では、基板42にチップ(発光素子アレイチップ43)の実装が完了した段階で、チップ同士の位置については極めて精度が高いものの、チップとロッドレンズアレイ45との相対的な位置を改めて調整する必要があった。すなわち従来の光プリントヘッド16の製造工程では、基板42上に各チップを実装した後、改めて基板42上の各チップとロッドレンズアレイ45との相対的な位置を高精度に調整しながら、ベース41に取り付ける必要があった。
【0088】
これに対し第1の実施の形態では、ベース41上で基板42とロッドレンズアレイ45との相対的な位置が既に定まった未実装ベース41Yをダイボンダ50の実装ステージ55上に載置するようにした。そのうえで第1の実施の形態では、実装位置画像上でロッドレンズアレイ45の頂点P1の位置を検出し、これを基準位置として実装位置を定めるようにした。このため第1の実施の形態では、1番目のチップを実装する際に、単純に基板42上の所望の位置に合わせるだけで無く、ロッドレンズアレイ45に対する相対的な位置が高精度に調整された状態で、実装することができる。これにより第1の実施の形態では、基板42上の各チップとロッドレンズアレイ45との相対的な位置を改めて調整する必要が無い。
【0089】
また、ダイボンダ50では、従来と比較して、実装ステージ55に載置するものを単体の基板42からロッドレンズアレイ45が取り付けられた未実装ベース41Yに変更した。これに加えてダイボンダ50では、1番目のチップを実装する際の基準位置を基板42に基づいた位置からロッドレンズアレイ45に基づいた位置に変更し、これに合わせて1番目のチップを実装する際の基準位置から実装位置までの距離を適切に設定した。
【0090】
すなわち第1の実施の形態では、従来から使用されているダイボンダ50をほぼそのまま使用しながら、実装ステージ55に載置する部品や設定内容を一部変更するだけで良く、新たな製造装置の作成や従来の製造装置の大幅な改造等が必要無い。また第1の実施の形態では、2番目以降のチップに関しては、従来と同様に、直前チップを基準位置とすれば良く、この点においてもダイボンダ50をそのまま使用することができる。このため第1の実施の形態では、従来と比較して、製造工程の変更に伴って部品の変更や設定の変更に伴う費用の発生を必要最小限に抑えることができる。
【0091】
以上の構成によれば、第1の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50を利用し、ロッドレンズアレイ45を含む実装位置画像から定めた基準位置を基に実装位置を決定した上で、発光素子アレイチップ43を基板42上に実装する。このときダイボンダ50は、1番目のチップについてはロッドレンズアレイ45の頂点P1を基準位置とし、2番目以降のチップについては直前チップの位置合わせマークM1を基準位置として、実装位置を決定する。これにより第1の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45と発光素子アレイチップ43との相対的な位置が極めて高い精度で定められた光プリントヘッド16を製造することができる。
【0092】
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、画像形成装置1や光プリントヘッド16については同様に構成されているものの、当該光プリントヘッド16の製造工程が一部相違している。この第2の実施の形態では、ダイボンダ50(
図6)により2番目以降の発光素子アレイチップ43を実装する場合に、直前チップの位置合わせマークM1に加えてロッドレンズアレイ45のエッジE1を基に基準位置を決定するようになっている(
図5(B))。
【0093】
具体的に第2の実施の形態では、ダイボンダ50の統括制御ユニット51が、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)に代えて、
図8に示す実装処理手順RT2を実行するようになっている。すなわち統括制御ユニット51は、操作ユニット52を介して未実装ベース41Yに発光素子アレイチップ43を実装する操作指示を受け付けると、実装処理手順RT2を開始してステップSP21へ移る。
【0094】
統括制御ユニット51は、ステップSP21からステップSP31において、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP1からステップSP11と同様の処理を行い、1番目のチップ(発光素子アレイチップ43)を実装位置に実装する。
【0095】
統括制御ユニット51は、ステップSP28において否定結果が得られると、次のステップSP32へ移る。ステップSP32において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップが実装された後の実装ステージ55を撮像して新たな実装位置画像を生成させる。続いて統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、直前チップ(発光素子アレイチップ43)に付された位置合わせマークM1及びロッドレンズアレイ45における後側のエッジE1(
図5(B))を検出させて、次のステップSP33へ移る。ここでエッジE1は、ロッドレンズアレイ45における後端を表す部分のうち、直前チップの前側に位置する部分及びその右側、すなわち実装位置の前側に位置する部分を含む範囲が概ね検出される。
【0096】
ステップSP33において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップの位置合わせマークM1及びエッジE1を基準位置として、選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP30へ移る。このとき実装位置認識ユニット65は、例えば左右方向に関しては位置合わせマークM1を基準位置として、前後方向に関してはエッジE1を基準位置として、実装位置を決定する。また統括制御ユニット51は、直前チップの位置合わせマークM1及びロッドレンズアレイ45のエッジE1を基準位置とした場合の、各基準位置に対するチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置までの相対的な距離を予め記憶している。
【0097】
次のステップSP30において統括制御ユニット51は、基板42上に選択チップを実装させる(
図5(C))。これにより統括制御ユニット51は、位置合わせマークM1が左右方向の基準位置となっている直前チップ(発光素子アレイチップ43)、及びエッジE1が前後方向の基準位置となっているロッドレンズアレイ45に対して、それぞれ位置精度を格段に高めることができる。
【0098】
また統括制御ユニット51は、ステップSP34においても、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP14と同様の処理を行い、次のステップSP35へ移って実装処理手順RT2を終了する。
【0099】
このように第2の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、2番目以降のチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置を決定する場合に、直前チップの位置合わせマークM1に加えてロッドレンズアレイ45のエッジE1も基準位置とするようにした。
【0100】
第1の実施の形態では、2番目以降のチップについては、直前チップの位置合わせマークM1のみを基準位置として実装位置を決定していた。このため、仮にベース41に対しロッドレンズアレイ45が傾いて取り付けられていた場合、2番目以降のチップとロッドレンズアレイ45との間の距離は、理想的な距離から徐々に外れていく恐れがあった。
【0101】
これに対し第2の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45のエッジE1も基準位置とするため、2番目以降のチップとロッドレンズアレイ45との前後方向に関する距離を、常に理想的な距離に修正しながら実装位置を決定して実装することができる。これにより第2の実施の形態では、2番目以降のチップについて、ロッドレンズアレイ45の焦点に発光素子アレイチップ43の発光点43Eをそれぞれ高精度に合わせながら、実装することができる。
【0102】
その他の点においても、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0103】
以上の構成によれば、第2の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50を利用し、ロッドレンズアレイ45を含む実装位置画像から定めた基準位置を基に実装位置を決定した上で、発光素子アレイチップ43を基板42上に実装する。このときダイボンダ50は、1番目のチップについてはロッドレンズアレイ45の頂点P1を基準位置とし、2番目以降のチップについては直前チップの位置合わせマークM1及びロッドレンズアレイ45のエッジE1を基準位置として、実装位置を決定する。これにより第2の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45と発光素子アレイチップ43との相対的な位置が極めて高い精度で定められた光プリントヘッド16を製造することができる。
【0104】
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、画像形成装置1や光プリントヘッド16については同様に構成されているものの、当該光プリントヘッド16の製造工程において一部相違している。この第3の実施の形態では、
図5(C)と対応する
図9に示すように、光プリントヘッド16に組み込まれるロッドレンズアレイ45に、複数の位置合わせマークM2が設けられている。この位置合わせマークM2は、ロッドレンズアレイ45における、各チップ(発光素子アレイチップ43)と対応する位置に、それぞれ配置されている。因みに位置合わせマークM2は、ロッドレンズアレイ45の内部に設けられている各レンズと精度良く対応する位置に、それぞれ形成されている。
【0105】
そこでダイボンダ50は、実装位置を決定する場合に、ロッドレンズアレイ45の頂点P1に代えて、位置合わせマークM2を基準位置とするようになっている。具体的に第3の実施の形態では、ダイボンダ50の統括制御ユニット51が、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)に代えて、
図10に示す実装処理手順RT3を実行するようになっている。すなわち統括制御ユニット51は、操作ユニット52を介して未実装ベース41Yに対して発光素子アレイチップ43を実装する操作指示を受け付けると、実装処理手順RT3を開始してステップSP41へ移る。
【0106】
統括制御ユニット51は、ステップSP41においてステップSP1と同様の処理を行い、次のステップSP42へ移って、実装位置認識ユニット65により、実装ステージ55を撮像して実装位置画像を生成させる。そのうえで統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、レンズ(ロッドレンズアレイ45)に設けられた複数の位置合わせマークM2をそれぞれ検出させて、次のステップSP43へ移る。
【0107】
ステップSP43において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65を介して接着剤転写ユニット66を制御することにより、未実装ベース41Yの基板42において次に発光素子アレイチップ43が実装されるおおよその位置に接着剤を転写させ、次のステップSP44へ移る。このとき実装位置認識ユニット65は、検出した位置合わせマークM2のうち、左からの順番が実装カウンタの値と対応するものを基準として、接着剤を転写する位置を定める。例えば実装カウンタの値が「0」であり、1番目のチップを実装する場合には、左から1番目の位置合わせマークM2を基準とする。
【0108】
その後、統括制御ユニット51は、ステップSP44からステップSP48において、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP4からステップSP8と同様の処理を行う。ステップSP48において肯定結果が得られると、統括制御ユニット51は次のステップSP49へ移る。
【0109】
ステップSP49において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、ステップSP42で検出したロッドレンズアレイ45における位置合わせマークM2のうち最も左側のものを基準位置として、選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP50へ移る。因みに統括制御ユニット51は、最も左側の位置合わせマークM2を基準位置とした場合の、当該基準位置に対するチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置までの相対的な距離を予め記憶している。
【0110】
ステップSP50において統括制御ユニット51は、ステップSP10と同様、実装位置認識ユニット65を介してボンディングユニット67を制御することにより、
図9に示したように、選択チップを実装位置にボンディング(実装)させて、次のステップSP51へ移る。このとき統括制御ユニット51は、位置合わせマークM2が基準位置となっているロッドレンズアレイ45に対し極めて高い位置精度となるように、基板42上に選択チップ(発光素子アレイチップ43)を実装することができる。またこのとき統括制御ユニット51は、実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0111】
ステップSP51において統括制御ユニット51は、ステップSP11と同様、予定していた全てのチップ(発光素子アレイチップ43)の実装を完了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、統括制御ユニット51は、再度ステップSP43へ戻って一連の処理を繰り返すことにより、次の発光素子アレイチップ43を実装する。
【0112】
一方、ステップSP48において否定結果が得られると、統括制御ユニット51は、次のステップSP52へ移り、実装位置認識ユニット65により、直前チップが実装された後の実装ステージ55を撮像して新たな実装位置画像を生成させる。続いて統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、直前チップに付された位置合わせマークM1及びロッドレンズアレイ45に設けられた位置合わせマークM2を検出させて、次のステップSP53へ移る。
【0113】
ステップSP53において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップの位置合わせマークM1と、複数の位置合わせマークM2のうち実装カウンタの値に対応したものを基準位置として、選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP50へ移る。
【0114】
このとき実装位置認識ユニット65は、例えば左右方向に関しては位置合わせマークM1を基準位置として、複数の位置合わせマークM2のうち実装カウンタの値に対応したものを基準位置として、実装位置を決定する。また統括制御ユニット51は、直前チップの位置合わせマークM1及び位置合わせマークM2を基準位置とした場合の、各基準位置に対するチップ(発光素子アレイチップ43)の実装位置までの相対的な距離を予め記憶している。
【0115】
ステップSP50において統括制御ユニット51は、基板42上に選択チップを実装させ(
図9)、次のステップSP51へ移る。これにより統括制御ユニット51は、位置合わせマークM1が左右方向の基準位置となっている直前チップ(発光素子アレイチップ43)及び、位置合わせマークM2が前後方向の基準位置となっているロッドレンズアレイ45に対して、それぞれ極めて高い位置精度とすることができる。またこのとき統括制御ユニット51は、やはり実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0116】
また統括制御ユニット51は、ステップSP54においても、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP14と同様の処理を行い、次のステップSP55へ移って実装処理手順RT3を終了する。
【0117】
このように第3の実施の形態では、基板42上に実装するチップと同数の位置合わせマークM2をロッドレンズアレイ45の上面に設け、光プリントヘッド16の製造工程において、この位置合わせマークM2を基準位置として各チップの実装位置を決定するようにした。
【0118】
このため第3の実施の形態では、各チップに個別に対応付けられた位置合わせマークM2をそれぞれの基準位置として用いることにより、ロッドレンズアレイ45の頂点P1やエッジE1を基準位置とする場合よりも、この基準位置を基に決定する実装位置の精度を高めることができる。
【0119】
その他の点においても、第3の実施の形態では、第1及び第2の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0120】
以上の構成によれば、第3の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50を利用し、ロッドレンズアレイ45を含む実装位置画像から定めた基準位置を基に実装位置を決定した上で、発光素子アレイチップ43を基板42上に実装する。このときダイボンダ50は、1番目のチップについてはロッドレンズアレイ45の位置合わせマークM2を基準位置とし、2番目以降のチップについては直前チップの位置合わせマークM1及び実装するチップと対応する位置合わせマークM2を基準位置として、実装位置を決定する。これにより第3の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45と発光素子アレイチップ43との相対的な位置が極めて高い精度で定められた光プリントヘッド16を製造することができる。
【0121】
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、画像形成装置1や光プリントヘッド16については同様に構成されているものの、当該光プリントヘッド16の製造工程において一部相違している。この第4の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45に基づいて基準位置を決定する場合に、当該ロッドレンズアレイ45の外形を検出し、この外形を基に実装位置を補正するようになっている。
【0122】
具体的に第4の実施の形態では、ダイボンダ50の統括制御ユニット51が、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)に代えて、
図11に示す実装処理手順RT4を実行するようになっている。すなわち統括制御ユニット51は、操作ユニット52を介して未実装ベース41Yに対して発光素子アレイチップ43を実装する操作指示を受け付けると、実装処理手順RT4を開始してステップSP61へ移る。
【0123】
統括制御ユニット51は、ステップSP61においてステップSP1と同様の処理を行い、次のステップSP62へ移って、実装位置認識ユニット65により、実装ステージ55を撮像して実装位置画像を生成させる。そのうえで統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、レンズ(ロッドレンズアレイ45)の外形を検出させて、次のステップSP43へ移る。
【0124】
このとき実装位置認識ユニット65は、レンズの外形として、第1の実施の形態と同様の手法により、その上面の四隅にそれぞれ位置する4個の頂点を検出する。続いて実装位置認識ユニット65は、検出した4個の頂点の距離から前後及び左右の各辺の長さを算出し、さらにレンズに対する各チップの実装位置を補正する。
【0125】
具体的に実装位置認識ユニット65は、実装位置画像におけるレンズの各辺の標準的な長さと、このレンズの頂点P1からの、1番目のチップの実装位置までの距離と、2番目以降の各チップの実装位置から直前に実装されたチップまでの標準的な距離とを予め記憶している。そこで実装位置認識ユニット65は、予め記憶しているレンズの各辺の長さと、実装位置画像から算出した各辺の長さとの比率を算出することにより、いわば実装位置画像の拡大率を算出する。続いて実装位置認識ユニット65は、レンズの頂点P1からの1番目のチップの実装位置までの標準的な距離と、2番目以降のチップ及びその直前チップの標準的な距離とにこの比率を適用することにより、各基準位置から各チップの実装位置までの距離をそれぞれ補正する。
【0126】
ステップSP63において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65を介して接着剤転写ユニット66を制御することにより、未実装ベース41Yの基板42において次に発光素子アレイチップ43が実装されるおおよその位置に接着剤を転写させ、次のステップSP64へ移る。このとき実装位置認識ユニット65は、ステップSP62において補正された実装位置に合わせて、接着剤を転写させる。
【0127】
その後、統括制御ユニット51は、ステップSP64からステップSP68において、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP4からステップSP8と同様の処理を行う。ステップSP48において肯定結果が得られると、統括制御ユニット51は次のステップSP69へ移る。
【0128】
ステップSP69において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、レンズの外形のうち頂点P1を基準位置として、ステップSP62で補正された実装位置までの距離を基に選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP70へ移る。
【0129】
ステップSP70において統括制御ユニット51は、ステップSP10と同様、実装位置認識ユニット65を介してボンディングユニット67を制御することにより、選択チップを実装位置にボンディング(実装)させて、次のステップSP71へ移る。このとき統括制御ユニット51は、実装位置画像の拡大率に応じて補正した実装位置に合わせて、選択チップ(発光素子アレイチップ43)を実装することより、当該選択チップのロッドレンズアレイ45に対する位置精度を格段に高めることができる。またこのとき統括制御ユニット51は、実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0130】
ステップSP71において統括制御ユニット51は、ステップSP11と同様、予定していた全てのチップ(発光素子アレイチップ43)の実装を完了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、統括制御ユニット51は、再度ステップSP63へ戻って一連の処理を繰り返すことにより、次の発光素子アレイチップ43を実装する。
【0131】
一方、ステップSP68において否定結果が得られると、統括制御ユニット51は、次のステップSP72へ移り、実装位置認識ユニット65により、直前チップが実装された後の実装ステージ55を撮像して新たな実装位置画像を生成させる。続いて統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により画像解析処理を実行させ、直前チップに付された位置合わせマークM1を検出させて、次のステップSP53へ移る。
【0132】
ステップSP73において統括制御ユニット51は、実装位置認識ユニット65により、直前チップの位置合わせマークM1を基準位置として、ステップSP62において補正された実装位置までの距離を基に選択チップの実装位置を決定し、次のステップSP50へ移る。
【0133】
ステップSP50において統括制御ユニット51は、基板42上に選択チップを実装させ(
図9)、次のステップSP51へ移る。このとき統括制御ユニット51は、実装位置画像の拡大率に応じて補正した実装位置に合わせて、選択チップ(発光素子アレイチップ43)を実装することより、当該選択チップの直前チップに対する位置精度を格段に高めることができる。またこのとき統括制御ユニット51は、実装カウンタの値に「1」を加算する。
【0134】
また統括制御ユニット51は、ステップSP74においても、第1の実施の形態による実装処理手順RT1(
図7)のステップSP14と同様の処理を行い、次のステップSP75へ移って実装処理手順RT4を終了する。
【0135】
このように第4の実施の形態では、実装位置画像から算出したレンズの各辺の長さと、予め記憶している標準的長さとの比率を算出し、この比率を用いて基準位置から各チップの実装位置までの距離を補正するようにした。
【0136】
これにより第4の実施の形態では、種々の要因により実装位置画像の拡大率が変動したとしても、その拡大率に合わせて各チップの実装位置を適切に補正することができるので、第1の実施の形態と比較して、レンズに対する各チップの位置精度をさらに高めることができる。
【0137】
その他の点においても、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0138】
以上の構成によれば、第4の実施の形態では、光プリントヘッド16の製造工程において、ダイボンダ50を利用し、ロッドレンズアレイ45を含む実装位置画像から定めた基準位置を基に実装位置を決定した上で、発光素子アレイチップ43を基板42上に実装する。このときダイボンダ50は、ロッドレンズアレイ45の外形を基に基準位置から実装位置までの距離を補正した上で、1番目のチップについてはロッドレンズアレイ45の頂点P1を基準位置とし、2番目以降のチップについては直前チップの位置合わせマークM1を基準位置として、実装位置を決定する。これにより第4の実施の形態では、ロッドレンズアレイ45と発光素子アレイチップ43との相対的な位置が極めて高い精度で定められた光プリントヘッド16を製造することができる。
【0139】
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、ロッドレンズアレイ45における左後の頂点P1を基準位置とする場合について述べた。また第3の実施の形態においては、ロッドレンズアレイ45に設けた位置合わせマークM2を基準位置とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロッドレンズアレイ45における左前の頂点や左辺の中点等、種々の箇所を基準位置としても良い。要は、ダイボンダ50の実装位置認識ユニットにより撮像する実装位置画像に対して画像処理を施すことで得られるロッドレンズアレイ45の特徴的な箇所や、複数の特徴的な箇所を基に定められる箇所等を基準位置とすれば良い。第2及び第4の実施の形態についても同様である。
【0140】
また上述した第1の実施の形態においては、ダイボンダ50(
図6)における実装位置認識ユニット65の撮像素子により実装ステージ55上に載置されたベース41(すなわち未実装ベース41Y)を撮像して実装位置画像を生成し、この実装位置画像に所定の画像解析処理を施すことにより基準位置を決定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば周知の位置センサによりロッドレンズアレイ45の位置を検出し、得られた検出結果を基に当該ロッドレンズアレイ45の頂点P1(
図5)を基準位置として決定する等、種々の手法により基準位置を決定しても良い。具体的には、例えば位置センサとして周知の発光素子及び受光素子を有するものを利用し、発光素子から所定の検出光を出射させ、ベース41において反射された検出光を受光素子により受光させて、得られた受光結果を基にロッドレンズアレイ45の頂点P1を検出することができる。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0141】
さらに上述した第1の実施の形態においては、直前チップ(発光素子アレイチップ43)に設けた位置合わせマークM1を2番目以降に実装するチップの基準位置とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば直前チップの頂点など、実装位置画像を基に検出可能な直前チップの種々の特徴的な箇所を基準位置としても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0142】
さらに上述した第2の実施の形態においては、2番目以降に実装するチップの前後方向に関する基準位置をロッドレンズアレイ45のエッジE1とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、2番目以降に実装するチップの前後方向に関する基準位置を例えばロッドレンズアレイ45の上面における前側の辺(エッジ)など、当該ロッドレンズアレイ45における種々の箇所としても良い。
【0143】
さらに上述した第3の実施の形態においては、実装処理手順RT3(
図10)のステップSP53において、直前チップの位置合わせマークM1を左右方向の基準位置とし、複数の位置合わせマークM2のうち実装カウンタの値に対応したものを前後方向の基準位置として、選択チップの実装位置を決定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば位置合わせマークM1からの距離を表す仮想的な円周と、位置合わせマークM2からの距離を表す仮想的な円周との交点を実装位置としても良い。或いは、複数の位置合わせマークM2のうち実装カウンタの値に対応したものを、前後方向及び左右方向の基準位置としても良い。
【0144】
さらに上述した第3の実施の形態においては、ロッドレンズアレイ45の上面における、各発光素子アレイチップ43(チップ)とそれぞれ対応する箇所に、すなわち基板42上に実装するチップと同数の位置合わせマークM2を設ける場合について述べた(
図9)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロッドレンズアレイ45の上面における、1個おきのチップと対応する箇所や、左右両端のチップと対応する2箇所等、種々の数の位置合わせマークM2を設けるようにしても良い。この場合、例えば位置合わせマークM2と対応する位置に実装するチップはこの位置合わせマークM2を基準位置とし、それ以外のチップは直前チップの位置合わせマークM1を基準位置とすることができる。また、例えば画像上で2箇所の位置合わせマークM2を結ぶ仮想的な直線を生成し、この直線を前後方向に関する基準位置として取り扱っても良い。
【0145】
さらに上述した第4の実施の形態においては、実装位置画像を基に、ロッドレンズアレイ45の上面における4個の頂点を検出し、これらの距離から前後及び左右の各辺の長さを算出した上で、実装位置画像の拡大率(比率)を算出する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロッドレンズアレイ45の上面における4辺を検出し、それぞれの長さを算出した上で、実装位置画像の拡大率を算出する等、種々の手法により実装位置画像の拡大率を算出しても良い。
【0146】
さらに上述した第4の実施の形態においては、実装位置画像を基に拡大率を算出し、この拡大率を用いて基準位置から実装位置までの距離を補正する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば実装位置画像を基にロッドレンズアレイ45の傾きを検出し、この傾きに応じて基準位置から実装位置までの距離を補正しても良い。さらには、拡大率及び傾きの双方に応じて、基準位置から実装位置までの距離を補正しても良い。
【0147】
さらに上述した第4の実施の形態においては、2番目以降のチップの基準位置を、第1の実施の形態と同様に直前チップの位置合わせマークM1のみとする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態と同様に、ロッドレンズアレイ45のエッジE1を前後方向の基準位置とし、直前チップの位置合わせマークM1を左右方向の基準位置としても良い。或いは、第3の実施の形態と同様に、ロッドレンズアレイ45の位置合わせマークM2を基準位置としても良い。
【0148】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ダイボンダ50(
図6)の位置補正ステージ54を固定し、位置補正ユニット64を移動させることにより発光素子アレイチップ43の位置を補正する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば
位置補正ステージ54側を移動させることにより発光素子アレイチップ43の位置を補正しても良い。或いは、例えばウェハトレイユニット53における発光素子アレイチップ43の位置精度が比較的高い場合に、ボンディングユニット67により当該ウェハトレイユニット53から当該発光素子アレイチップ43を直接ピックアップして実装ステージ55に載置された基板42上の実装位置に実装させても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0149】
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板42上に複数の発光素子アレイチップ43を実装する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば左右方向に長い1個の発光素子アレイチップ43を基板42上に実装しても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0150】
さらに上述した第1の実施の形態においては、発光素子アレイチップ43の発光点43Eを前端近傍の上寄りに位置させる場合について述べた(
図3)。しかしながら本発明はこれに限らず、発光点43Eを前端近傍の下寄りや中央寄り等、種々の箇所に位置させても良い。要は、発光点43Eから出射される光の光軸が前方向を向き、且つロッドレンズアレイ45内に配置された微小なレンズの中心軸と一致若しくは極めて近接していれば良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0151】
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板42と比較してロッドレンズアレイ45を前後方向にやや短く、左右方向にほぼ同等に構成し、また当該ロッドレンズアレイ45の前端近傍部分をベース41の前端よりも前側にはみ出させるように配置する場合について述べた(
図3、
図5)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばロッドレンズアレイ45を基板42に対し種々の大きさとなるように構成しても良く、またロッドレンズアレイ45の前端近傍部分をベース41の前端よりも後側に位置させても良い。さらに、ロッドレンズアレイに限らず、種々のレンズアレイを用いても良い。要は、プロセスユニット15(
図2)として組み立てられた場合に、ロッドレンズアレイ45から見て、発光点43Eと感光体ドラム33の周側面33Sとが互いに共役な位置にあれば良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0152】
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準位置から実装位置までの距離を予め統括制御ユニット51に記憶させておく場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば実装処理手順RT1の開始後に、操作ユニット52(
図6)を介して作業者に数値を入力させても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0153】
さらに上述した第1の実施の形態においては、電子写真式のプリンタである画像形成装置1の光プリントヘッド16を製造する場合に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばMFP(Multi Function Printer:プリンタ複合機)や複写装置等のように、感光体ドラムの露光を利用して画像印刷する機能を有する種々の電子機器に搭載する光プリントヘッドを製造する場合に適用しても良い。
【0154】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0155】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ベース載置ステップとしてのステップSP1と、位置検出ステップとしてのステップSP2と、基準位置決定ステップとしてのステップSP2と、実装位置決定ステップとしてのステップSP9と、実装ステップとしてのステップSP10とによって発光装置製造方法としての実装処理手順RT1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるベース載置ステップと、位置検出ステップと、基準位置決定ステップと、実装位置決定ステップと、実装ステップとによって発光装置製造方法を構成しても良い。