【文献】
Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Considerations on CSI feedback enhancements for high-priority antenna configurations,3GPP TSG-RAN WG1 #66 R1-112420,米国,2011年 8月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
MIMO(Multiple Input Multiple Output)を支援する無線接続システムにおいてUE(User Equipment)によってCSI(Channel State Information)を送信する方法であって、前記方法は、
前記CSIを生成するためのCSI設定情報をBS(Base Station)から受信することと、
複数の部分チャネル候補から1つの部分チャネルを選択することと、
前記CSI設定情報に基づいて、前記選択された部分チャネルに対する前記CSIを生成することと、
前記生成されたCSIに対応する前記選択された部分チャネルの識別情報を含む前記生成されたCSIを前記BSに送信することと
を含み、
前記識別情報は、RI(Rank Indicator)が送信されるサブフレームにおいて前記RIと共に送信される、方法。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)を支援する無線接続システムにおいてCSI(Channel State Information)を送信するUE(User Equipment)であって、前記UEは、
RF(Radio Frequency)送受信器と、
プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
前記CSIを生成するためのCSI設定情報をBS(Base Station)から受信するように前記RF送受信器を制御することと、
複数の部分チャネル候補から1つの部分チャネルを選択することと、
前記CSI設定情報に基づいて、前記選択された部分チャネルに対する前記CSIを生成することと、
前記生成されたCSIに対応する前記選択された部分チャネルの識別情報を含む前記生成されたCSIを前記BSに送信するように前記RF送受信器を制御することと
を実行するように構成され、
前記識別情報は、RI(Rank Indicator)が送信されるサブフレームにおいて前記RIと共に送信される、UE。
前記選択された部分チャネルは、前記システム内でチャネル変化が最も大きい部分チャネル、または、PMIをアップデートするときに得ることができるCQI(Channel Quality Information)を最大化する部分チャネルとして選択される、請求項1に記載の方法。
前記選択された部分チャネルは、前記システム内でチャネル変化が最も大きい部分チャネル、または、PMIをアップデートするときに得ることができるCQI(Channel Quality Information)を最大化する部分チャネルとして選択される、請求項6に記載のUE。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。
【0028】
本明細書において、本発明の実施例を、基地局と端末間のデータ送信及び受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と通信を直接行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を持つ。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
【0029】
すなわち、基地局を含めた複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、RN(Relay Node)、RS(Relay Station)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0030】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0031】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素については同一の図面符号を付して説明する。
【0032】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、並びに3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0033】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(longterm evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部で、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(Wireless MAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(Wireless MAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0034】
図1を参照して下りリンク無線フレームの構造について説明する。
【0035】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0036】
図1は、タイプ1無線フレーム構造を示す図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロットで構成される。1個のサブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってもよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)は、リソース割当単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0037】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合には、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
【0038】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0039】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0040】
図2は、1下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。これは、OFDMシンボルが一般CPで構成された場合である。
図2を参照すると、下りリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロックを含む。ここで、1下りリンクスロットは7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロックは12個の副搬送波を含むとしたが、これに制限されない。リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(RE)と呼ぶ。例えば、リソース要素a(k,l)は、k番目の副搬送波とl番目のOFDMシンボルに位置しているリソース要素となる。一般CPの場合、1つのリソースブロックは12×7リソース要素を含む(拡張CPの場合は、12×6リソース要素を含む)。各副搬送波の間隔は15kHzであるから、1リソースブロックは周波数領域で約180kHzを含む。N
DLは、下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。N
DLの値は、基地局のスケジューリングによって設定される下りリンク送信帯域幅(bandwidth)によって決定できる。
【0041】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第一のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。送信の基本単位は、1サブフレームとなる。すなわち、2個のスロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタすることもできる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0042】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0043】
(多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング)
【0044】
MIMO((Multiple Input Multiple Output)システムは、多重送信アンテナと多重受信アンテナを用いてデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術は、全体メッセージを受信する際に、単一アンテナ経路に依存せず、複数個のアンテナから受信される複数個のデータ断片を組み合わせて全体データを受信することができる。
【0045】
MIMO技術には、空間ダイバーシチ(Spatial diversity)技法と空間多重化(Spatial multiplexing)技法などがある。空間ダイバーシチ技法は、ダイバーシチ利得(gain)によって送信信頼度(reliability)を上げたりセル半径を広めたりすることができ、高速で移動する端末に対するデータ送信に適している。空間多重化技法は、互いに異なるデータを同時に送信することによって、システムの帯域幅を増加させることなくデータ送信率を増大させることができる。
【0046】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図5(a)に示すように、送信アンテナの数をN
T個、受信アンテナの数をN
R個と増やすと、送信機又は受信機のいずれか一方のみで複数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することから、伝送レートを、理論的に、単一アンテナ利用時の最大伝送レート(R
o)にレート増加率(R
i)を乗じた分だけ増加させることができる。
【0047】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを取得することができる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0048】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が行われている。
【0049】
多重アンテナシステムにおける通信方法を数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。当該システムには、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在するとする。
【0050】
送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はN
T個である。それぞれの送信情報は、送信電力が異なってもよい。
【0051】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシチ及び空間多重化)によって異なる方法で考慮されてもよい。空間多重化の場合、異なった信号が多重化され、多重化された信号が受信側に送信されるため、情報ベクトルの要素(element)がそれぞれ異なる値を有する。一方、空間ダイバーシチの場合は、同一の信号が複数個のチャネル経路を通して反復的に送信されるため、情報ベクトルの要素が同一の値を有する。勿論、空間多重化及び空間ダイバーシチ技法の組合せも考慮することができる。すなわち、同一の信号が、例えば、3個の送信アンテナを通して空間ダイバーシチ技法によって送信され、残りの信号は空間多重化されて受信側に送信されてもよい。
【0052】
多重アンテナ無線通信システムでチャネルをモデリングする場合、チャネルは、送受信アンテナインデックスによって区別できる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルを
【化1】
と表示するものとする。
【化2】
において、受信アンテナインデックスが前であり、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0053】
図5(b)に、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示している。これらのチャネルをまとめてベクトル及び行列の形態で表示することができる。
【0054】
実際チャネルにはチャネル行列を経た後に白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。
【0055】
行列のランク(rank)は、互いに独立している(independent)行又は列の個数のうちの最小の個数と定義される。そのため、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きいことがない。
【0056】
MIMO送信において、‘ランク(Rank)’は、独立して信号を送信できる経路の数を表し、‘レイヤ(layer)の個数’は、各経路を通して送信される信号ストリームの個数を表す。送信端は、信号の送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤを送信するのが一般的であるため、特別な言及がない限り、ランクはレイヤ個数と同じ意味を有する。
【0057】
(参照信号(Reference Signal;RS))
【0058】
無線通信システムでパケットを送信する際、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生しうる。歪まれた信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪みを補正しなければならない。チャネル情報を把握するために、送信側も受信側も知っている信号を送信し、該信号がチャネルを介して受信される際の歪み程度を用いてチャネル情報を得る方法を主に用いる。該信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0059】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合に、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル状況を知る必要がある。そのために、各送信アンテナ別に異なる参照信号が存在しなければならない。
【0060】
移動通信システムにおいて参照信号(RS)はその目的によって2種類に大別できる。その一つは、チャネル情報の取得のために用いられるRSであり、もう一つは、データ復調のために用いられるRSである。前者は、端末が下りチャネル情報を取得するためのRSであるため、広帯域に送信されなければならず、特定サブフレームで下りデータを受信しない端末であっても、当該RSを受信及び測定可能でなければならない。このようなRSは、ハンドオーバーなどのための測定などにも用いられる。後者は、基地局が下りデータを送る時、当該リソースで併せて送るRSであり、端末は当該RSを受信することによってチャネル推定ができ、データを復調することができる。このようなRSは、データの送信される領域で送信されなければならない。
【0061】
既存の3GPP LTE(例えば、3GPP LTEリリース−8)システムでは、ユニキャスト(unicast)サービスのために2種類の下りリンクRSを定義する。その一つは共用参照信号(Common RS;CRS)であり、もう一つは、専用参照信号(Dedicated RS;DRS)である。CRSは、チャネル状態に関する情報取得及びハンドオーバーなどのための測定などに用いられ、セル−特定(cell−specific)RSと呼ぶことができる。DRSは、データ復調のために用いられ、端末−特定(UE−specific)RSと呼ぶことができる。既存の3GPP LTEシステムで、DRSはデータ復調のみのために用いることができ、CRSは、チャネル情報取得のためにもデータ復調のためにも用いることができる。
【0062】
CRSは、セル−特定に送信されるRSであり、広帯域(wideband)に対して毎サブフレームごとに送信される。CRSは、基地局の送信アンテナ個数によって最大4個のアンテナポートに対して送信可能である。例えば、基地局の送信アンテナが2個である場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSを送信し、4個の場合は、0〜3番のアンテナポートに対するCRSをそれぞれ送信する。
【0063】
図6は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムで一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でCRS及びDRSのパターンを示す図である。
図6で、‘R0’、‘R1’、‘R2’及び‘R3’と表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を表す。一方、
図6で‘D’と表示されたリソース要素は、LTEシステムで定義されるDRSの位置を表す。
【0064】
LTEシステムの進展した形態のLTE−Aシステムでは、下りリンクで最大8個の送信アンテナを支援することができる。そのため、最大8個の送信アンテナに対するRSも支援されなければならない。LTEシステムにおける下りリンクRSは最大4個のアンテナポートのみに対して定義されているため、LTE−Aシステムにおいて基地局が4個以上8個以下の下りリンク送信アンテナを有する場合、それらのアンテナポートに対するRSがさらに定義されなければならない。最大8個の送信アンテナポートに対するRSとして、チャネル測定のためのRS、データ復調のためのRSの両方とも考慮されなければならない。
【0065】
LTE−Aシステムを設計する上で重要な考慮事項の一つは逆方向互換性(backward compatibility)である。逆方向互換性とは、既存のLTE端末がLTE−Aシステムでも正しく動作するように支援することを意味する。RS送信観点からは、LTE標準で定義されているCRSが全帯域で毎サブフレームごとに送信される時間−周波数領域に最大8個の送信アンテナポートに対するRSを追加すると、RSオーバーヘッドが過度に大きくなる。そのため、最大8個のアンテナポートに対するRSを新しく設計するに当たり、RSオーバーヘッドを減らすことを考慮しなければならない。
【0066】
LTE−Aシステムで新しく導入されるRSは、大きく、2種類に分類できる。その一つは、送信ランク、変調及びコーディング技法(Modulation and Coding Scheme;MCS)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI)などの選択のためのチャネル測定目的のRSであるチャネル状態情報−参照信号(Channel State Information RS;CSI−RS)であり、もう一つは、最大8個の送信アンテナを通して送信されるデータを復調するための目的のRSである復調−参照信号(DeModulation RS;DM RS)である。
【0067】
チャネル測定目的のCSI−RSは、既存のLTEシステムにおけるCRSがチャネル測定、ハンドオーバーなどの測定などの目的と同時にデータ復調のために用いられるのとは違い、チャネル測定中心の目的のために設計されることに特徴がある。勿論、CSI−RSは、ハンドオーバーなどの測定などの目的に用いられてもよい。CSI−RSがチャネル状態に関する情報を得る目的のみに送信されるため、既存のLTEシステムにおけるCRSとは違い、毎サブフレームごとに送信されなくてもよい。したがって、CSI−RSのオーバーヘッドを減らすために、CSI−RSは時間軸上で間欠的に(例えば、周期的に)送信されるように設計されてもよい。
【0068】
仮に、ある下りリンクサブフレーム上でデータが送信される場合には、データ送信がスケジューリングされた端末に専用で(dedicated)DM RSが送信される。特定端末専用のDM RSは、当該端末がスケジューリングされたリソース領域、すなわち、当該端末に対するデータが送信される時間−周波数領域でのみ送信されるように設計することができる。
【0069】
図7は、LTE−Aシステムで定義されるDM RSパターンの一例を示す図である。
図7では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でDM RSが送信されるリソース要素の位置を示している。DM RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される4個のアンテナポート(アンテナポートインデックス7、8、9及び10)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、異なる周波数リソース(副搬送波)及び/又は異る時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図7の例示で、DM RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)にはアンテナポート7及び8に対するDM RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。同様に、
図7の例示で、DM RSグループ2と表示されたリソース要素にはアンテナポート9及び10に対するDM RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
【0070】
図8は、LTE−Aシステムで定義されるCSI−RSパターンの例示を示す図である。
図8では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でCSI−RSが送信されるリソース要素の位置を示している。ある下りリンクサブフレームで、
図8(a)乃至8(e)のいずれか一つのCSI−RSパターンを用いることができる。CSI−RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される8個のアンテナポート(アンテナポートインデックス15、16、17、18、19、20、21及び22)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、異なった周波数リソース(副搬送波)及び/又は異なった時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)にはアンテナポート15及び16に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ2と表示されたリソース要素にはアンテナポート17及び18に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示でCSI−RS CDMグループ3と表示されたリソース要素にはアンテナポート19及び20に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ4と表示されたリソース要素にはアンテナポート21及び22に対するCSI−RSを位置させることができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
図8(a)を基準にして説明した同一原理を、
図8(b)乃至8(e)に適用することもできる。
【0071】
図6乃至
図8のRSパターンは単に例示的なものであり、本発明の様々な実施例を適用するにあって特定RSパターンに限定されるものではない。すなわち、
図6乃至
図8と異なるRSパターンが定義及び使用される場合にも、本発明の様々な実施例を同様に適用することができる。
【0072】
(CSI−RS設定(configuration))
【0073】
端末に設定された複数個のCSI−RSと複数個の干渉測定リソース(Interference Measurement Resource:IMR)のうち、信号測定のための一つのCSI−RSリソースと干渉測定のための一つのIMRとを関連付けて(association)一つのCSIプロセスを定義することができる。端末は、別個のCSIプロセスから誘導されたCSI情報は、独立した周期及びサブフレームオフセット(subframe offset)でネットワーク(例えば、基地局)にフィードバックする。
【0074】
すなわち、それぞれのCSIプロセスは、独立したCSIフィードバック設定を有する。このようなCSI−RSリソースとIMRリソースとの関連付け(association)情報及びCSIフィードバック設定などは、CSIプロセス別にRRCなどの上位層シグナリングで基地局が端末に知らせることができる。例えば、端末には表1のような3つのCSIプロセスが設定されると仮定する。
【0076】
表1で、CSI−RS0とCSI−RS1は、それぞれ、端末のサービングセルであるセル1から受信するCSI−RSと、協調に参加する隣接セルであるセル2から受信するCSI−RSを表す。仮に表1における各CSIプロセスに対して設定されたIMRに対して表2のように設定されたと仮定すれば、
【0078】
IMR 0でセル1はミューティング(muting)を、セル2はデータ送信を行い、端末は、IMR 0から、セル1を除いた他のセルからの干渉を測定するように設定される。同様に、IMR 1でセル2はミューティングを、セル1はデータ送信を行い、端末は、IMR 1から、セル2を除いた他のセルからの干渉を測定するように設定される。また、IMR 2でセル1もセル2もミューティングを行い、端末は、IMR 2から、セル1及びセル2を除いた他のセルからの干渉を測定するように設定される。
【0079】
したがって、表1及び表2に示すように、CSIプロセス0のCSI情報は、セル1からデータを受信する場合に最適のRI、PMI、CQI情報を表す。CSIプロセス1のCSI情報は、セル2からデータを受信する場合に最適のRI、PMI、CQI情報を示す。CSIプロセス2のCSI情報は、セル1からデータを受信し、セル2から干渉を一切受けない場合に、最適のRI、PMI、CQI情報を示す。
【0080】
一つの端末に設定された複数のCSIプロセスは互いに従属的な値を共有することが好ましい。例えば、セル1とセル2とのJT(joint transmission)の場合、セル1のチャネルをシグナルパート(signal part)として見なすCSIプロセス1と、セル2のチャネルをシグナルパート(signal part)として見なすCSIプロセス2とが一つの端末に設定された場合、容易なJTスケジューリングのためには、CSIプロセス1とCSIプロセス2のランク(rank)及び選択されたサブバンドインデックスが同一でなければならない。
【0081】
CSI−RSが送信される周期やパターンは基地局で設定(configuration)することができる。CSI−RSを測定するために、端末は必ず、自身の属したセルのそれぞれのCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS設定(configuration)を知っていなければならない。CSI−RS設定には、CSI−RSが送信される下りリンクサブフレームインデックス、送信サブフレームにおけるCSI−RSリソース要素(RE)の時間−周波数の位置(例えば、
図8(a)乃至
図8(e)のようなCSI−RSパターン)、及びCSI−RSシーケンス(CSI−RSの用途に用いられるシーケンスであって、スロット番号、セルID、CP長などに基づいて所定の規則によって類似−ランダム(pseudo−random)に生成される。)などを含めることができる。すなわち、任意の(given)基地局で複数個のCSI−RS設定(configuration)が用いられてもよく、基地局は、複数個のCSI−RS設定のうち、セル内の端末に使用されるCSI−RS設定を知らせることができる。
【0082】
また、それぞれのアンテナポートに対するCSI−RSは区別される必要があるため、各アンテナポートに対するCSI−RSが送信されるリソースは互いに直交(orthogonal)しなければならない。
図8で説明したように、各アンテナポートに対するCSI−RSは、直交する周波数リソース、直交する時間リソース及び/又は直交するコードリソースを用いてFDM、TDM及び/又はCDM方式で多重化することができる。
【0083】
CSI−RSに関する情報(CSI−RS設定(configuration))を基地局がセル内の端末に知らせるとき、まず、各アンテナポートに対するCSI−RSがマップされる時間−周波数に関する情報を知らせなければならない。具体的に、時間に関する情報には、CSI−RSが送信されるサブフレーム番号、CSI−RSが送信される周期、CSI−RSが送信されるサブフレームオフセット、特定アンテナのCSI−RSリソース要素(RE)が送信されるOFDMシンボル番号などを含めることができる。周波数に関する情報には、特定アンテナのCSI−RSリソース要素(RE)が送信される周波数間隔(spacing)、周波数軸におけるREのオフセット又はシフト値などを含めることができる。
【0084】
図9は、CSI−RSを周期的に送信する方式の一例を説明するための図である。CSI−RSは、1サブフレームの整数倍の周期(例えば、5サブフレーム周期、10サブフレーム周期、20サブフレーム周期、40サブフレーム周期又は80サブフレーム周期)で周期的に送信することができる。
【0085】
図9では、1個の無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0〜9)で構成される例を示す。
図9では、例えば、基地局のCSI−RSの送信周期が10ms(すなわち、10サブフレーム)であり、CSI−RS送信オフセット(Offset)は3である場合を示す。複数のセルのCSI−RSが時間上で均一に分布し得るように、上記オフセット値は基地局ごとに異なる値を有することができる。10msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜9のいずれか一つを有することができる。これと同様に、例えば、5msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜4のいずれか一つの値を有することができ、20msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜19のいずれか一つの値を有することができ、40msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜39のいずれか一つの値を有することができ、80msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜79のいずれか一つの値を有することができる。このオフセット値は、所定の周期でCSI−RSを送信する基地局がCSI−RS送信を開始するサブフレームの値を示す。基地局がCSI−RSの送信周期及びオフセット値を知らせると、端末はその値に基づいて該当のサブフレーム位置で基地局のCSI−RSを受信することができる。端末は、受信したCSI−RSからチャネルを測定し、その結果としてCQI、PMI及び/又はRI(Rank Indicator)のような情報を基地局に報告することができる。本文書では、CQI、PMI及びRIを区別して説明する場合を除けば、それらを総称してCQI(又はCSI)と呼ぶこともできる。また、CSI−RS送信周期及びオフセットは、CSI−RS設定(configuration)別に指定されてもよい。
【0086】
図10は、CSI−RSを非周期的に送信する方式の一例を説明するための図である。
図10では、1個の無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0〜9)で構成される場合を示す。
図10に示すように、CSI−RSが送信されるサブフレームは特定のパターンで表されてもよい。例えば、CSI−RS送信パターンが10サブフレーム単位で構成されてもよく、各サブフレームでCSI−RS送信を行うか否かを1ビット指示子で指定することができる。
図10の例示では、10個のサブフレーム(サブフレームインデックス0〜9)内のサブフレームインデックス3及び4で送信されるCSI−RSパターンを示している。上記指示子は、上位層シグナリングで端末に提供することができる。
【0087】
CSI−RS送信に対する設定(configuration)は前述のように様々に構成されてもよく、端末が正しくCSI−RSを受信してチャネル測定を行うようにするためには、基地局がCSI−RS設定を端末に知らせる必要がある。以下、CSI−RS設定を端末に知らせる本発明の実施例について説明する。
【0089】
一般に、基地局が端末にCSI−RS設定(configuration)を知らせる方式として次の2つの方式を考慮することができる。
【0090】
第一の方式は、動的ブロードキャストチャネル(Dynamic Broadcast Channel;DBCH)シグナリングを用いて、CSI−RS設定に関する情報を、基地局が端末にブロードキャストする方式である。
【0091】
既存のLTEシステムにおいて、システム情報に関する内容を基地局が端末に知らせるとき、通常、BCH(Broadcasting Channel)で該当の情報を送信することができる。仮に端末に知らせるシステム情報に関する内容が多すぎることからBCHだけでは全て送信できない場合に、基地局は一般の下りリンクデータと同様の方式でシステム情報を送信してもよい。ただし、このとき、基地局は、該当のデータのPDCCH CRCを特定端末識別子(例えば、C−RNTI)ではなくシステム情報識別子(SI−RNTI)でマスクしてシステム情報を送信することができる。この場合、実際にシステム情報は一般ユニキャストデータと共にPDSCH領域上で送信される。これによって、セル中の全端末がSI−RNTIを用いてPDCCHをデコードした後、当該PDCCHが示すPDSCHをデコードしてシステム情報を取得することができる。このような方式のブロードキャスティング方式を一般的なブロードキャスティング方式であるPBCH(Physical BCH)と区別してDBCH(Dynamic BCH)と呼ぶことができる。
【0092】
一方、既存のLTEシステムでブロードキャストされるシステム情報を2種類に大別することができる。その一つは、PBCHで送信されるMIB(Master Information Block)であり、もう一つはPDSCH領域上で一般ユニキャストデータと多重化して送信されるSIB(System Information Block)である。既存のLTEシステムにおいてSIBタイプ1乃至SIBタイプ8(SIB1乃至SIB8)として送信される情報を定義しているが、既存のSIBタイプに定義されていない新しいシステム情報であるCSI−RS設定に関する情報のために新しいSIBタイプを定義することができる。例えば、SIB9又はSIB10を定義し、これを用いてCSI−RS設定に関する情報を基地局がDBCH方式でセル内の端末に知らせることができる。
【0093】
第二の方式は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを用いてCSI−RS設定に関する情報を基地局が各端末に知らせる方式である。すなわち、専用(dedicated)のRRCシグナリングを用いて、CSI−RS設定に関する情報がセル内の端末にそれぞれに提供されるようにすることができる。例えば、端末が初期アクセス又はハンドオーバーによって基地局と接続(connection)を確立(establish)する過程で、基地局が該当の端末にRRCシグナリングでCSI−RS設定を知らせることができる。又は、基地局が端末にCSI−RS測定に基づくチャネル状態フィードバックを要求するRRCシグナリングメッセージを送信する際、該当のRRCシグナリングメッセージでCSI−RS設定を該当の端末に知らせることができる。
【0094】
(CSI−RS設定の指示(indication))
【0095】
任意の基地局で複数のCSI−RS設定が用いられてもよく、基地局は、それぞれのCSI−RS設定に従うCSI−RSを、あらかじめ定められたサブフレーム上で端末に送信することができる。この場合、基地局は端末に複数のCSI−RS設定を知らせ、それらのうち、CQI(Channel Quality Information)又はCSI(Channel State Information)フィードバックのためのチャネル状態測定に用いられるCSI−RSがどれかを、端末に知らせることができる。
【0096】
このように基地局が端末で用いられるCSI−RS設定及びチャネル測定に用いられるCSI−RSを指示(indication)することに関する実施例を以下に説明する。
【0097】
図11は、2個のCSI−RS設定が用いられる例を説明するための図である。
図11に、1個の無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0乃至9)で構成される例を示す。
図11で、第1CSI−RS設定、すなわち、CSI−RS1は、CSI−RSの送信周期が10msであり、CSI−RS送信オフセットが3である。
図11で、第2CSI−RS設定、すなわち、CSI−RS2は、CSI−RSの送信周期が10msであり、CSI−RS送信オフセットが4である。基地局は端末に2つのCSI−RS設定に関する情報を知らせ、そのうちどのCSI−RS設定をCQI(又はCSI)フィードバックのために用いるかを知らせることができる。
【0098】
端末は、特定CSI−RS設定に対するCQIフィードバックの要求を基地局から受けると、当該CSI−RS設定に属するCSI−RSだけを用いてチャネル状態測定を行うことができる。具体的に、チャネル状態は、CSI−RS受信品質、雑音/干渉の量及び相関係数の関数で決定されるが、CSI−RS受信品質の測定は、該当のCSI−RS設定に属するCSI−RSだけを用いて行われ、雑音/干渉の量と相関係数(例えば、干渉の方向を示す干渉共分散行列(Interference Covariance Matrix)など)を測定するためには、該当のCSI−RS送信サブフレームで又は指定されたサブフレームで測定を行うことができる。例えば、
図11の実施例で、基地局から端末に第1CSI−RS設定(CSI−RS1)に対するフィードバックが要求された場合、端末が1つの無線フレームの4番目のサブフレーム(サブフレームインデックス3)で送信されるCSI−RSを用いて受信品質の測定を行い、雑音/干渉の量と相関係数の測定のためには別途に奇数番目のサブフレームを用いるように指定することができる。又は、CSI−RS受信品質の測定と雑音/干渉の量及び相関係数の測定を特定の単一サブフレーム(例えば、サブフレームインデックス3)に限って測定するように指定されてもよい。
【0099】
例えば、CSI−RSを用いて測定された受信信号品質は、信号−対−干渉及び雑音比(Signal−to−Interference plus Noise Ratio;SINR)であって、簡略にS/(I+N)(ここで、Sは受信信号の強度、Iは干渉の量、Nはノイズの量)と表現することができる。Sは、該当の端末に送信される信号を含むサブフレームでCSI−RSを含むサブフレームでCSI−RSから測定することができる。I及びNは、周辺のセルからの干渉の量、周辺のセルからの信号の方向などによって変化するので、Sを測定するサブフレーム又は別に指定されるサブフレームで送信されるCRSなどから測定することができる。
【0100】
ここで、雑音/干渉の量及び相関係数の測定は、該当のサブフレーム内のCRS又はCSI−RSが送信されるリソース要素(Resource Element;RE)で行われてもよく、雑音/干渉の測定を容易にするために設定されたヌルリソース要素(Null RE)で行われてもよい。CRS又はCSI−RS REで雑音/干渉を測定するために、端末はまずCRS又はCSI−RSを復旧(recover)した後、その結果を受信信号から引いて(subtract)雑音及び干渉信号だけを残し、この雑音及び干渉信号から雑音/干渉の統計値を得ることができる。Null REは、該当の基地局がいかなる信号も送信しないで空にしておいた(すなわち、送信電力が0(zero)である)REを意味し、該当の基地局を除く他の基地局からの信号の測定を容易にさせる。雑音/干渉の量及び相関係数の測定のためにCRS RE、CSI−RS RE及びNull REを全て用いてもよいが、基地局は、これらのうちどのREを用いて雑音/干渉を測定すればよいかを端末に指定してもよい。これは、端末が測定を行うRE位置で送信される隣接セルの信号がデータ信号であるか又は制御信号であるかなどによって、該当の端末が測定するREを適宜指定することが必要なためであり、該当のRE位置で送信される隣接セルの信号は、セル間の同期が取れるか否か、CRS設定(configuration)及びCSI−RS設定などによって変わるので、基地局でそれを把握し、測定を行うREを端末に知らせることができる。すなわち、基地局はCRS RE、CSI−RS RE及びNull REの全て又は一部を用いて雑音/干渉を測定するように端末機に指定することができる。
【0101】
例えば、基地局は複数個のCSI−RS設定を用いることができ、基地局は端末に、一つ以上のCSI−RS設定を知らせながら、そのうち、CQIフィードバックに用いられるCSI−RS設定及びNull RE位置について知らせることができる。端末がCQIフィードバックに用いるCSI−RS設定は、0の送信電力で送信されるNull REと区別する側面で表現すると、0でない(non−zero)送信電力で送信されるCSI−RS設定ということができる。例えば、基地局は、端末がチャネル測定を行う一つのCSI−RS設定を知らせ、端末は当該一つのCSI−RS設定においてCSI−RSが0でない(non−zero)送信電力で送信されると仮定(assume)することができる。これに加えて、基地局は0の送信電力で送信されるCSI−RS設定について(すなわち、Null RE位置について)知らせ、端末は、当該CSI−RS設定のリソース要素(RE)位置に対して0の送信電力であることを仮定することができる。言い換えると、基地局は、0でない送信電力の一つのCSI−RS設定を端末に知らせながら、0の送信電力のCSI−RS設定が存在する場合には該当のNull RE位置を端末に知らせることができる。
【0102】
このようなCSI−RS設定を示す方案の変形例として、基地局は端末に複数のCSI−RS設定を知らせ、そのうち、CQIフィードバックに用いられる全て又は一部のCSI−RS設定について知らせることができる。これによって、複数のCSI−RS設定に対してCQIフィードバックをするように要求された端末は、それぞれのCSI−RS設定に該当するCSI−RSを用いてCQIを測定し、測定された複数のCQI情報を共に基地局に送信することができる。
【0103】
又は、端末が複数のCSI−RS設定のそれぞれに対するCQIを基地局に送信できるように、基地局は端末のCQI送信に必要な上りリンクリソースをそれぞれのCSI−RS設定別にあらかじめ指定してもよい。基地局はこのような上りリンクリソース指定に関する情報をRRCシグナリングであらかじめ端末に提供することができる。
【0104】
又は、基地局は、端末が複数のCSI−RS設定のそれぞれに対するCQIを基地局に送信するように動的にトリガ(trigger)してもよい。基地局はCQI送信の動的なトリガリングをPDCCHで行うことができる。どのCSI−RS設定に対するCQI測定を行うかをPDCCHで端末に知らせることができる。このようなPDCCHを受信した端末は、当該PDCCHで指定されたCSI−RS設定に対するCQI測定の結果を基地局にフィードバックすることができる。
【0105】
複数のCSI−RS設定のそれぞれに該当するCSI−RSの送信時点は、別個のサブフレームで送信されるように指定されてもよく、同一サブフレームで送信されるように指定されてもよい。同一サブフレームで別個のCSI−RS設定によるCSI−RSの送信が指定される場合、これらをそれぞれ区別する必要がある。別個のCSI−RS設定によるCSI−RSを区別するために、CSI−RS送信の時間リソース、周波数リソース及びコードリソースのうち一つ以上を異なるように適用することができる。例えば、該当のサブフレームでCSI−RSの送信RE位置がCSI−RS設定別に異なるように(例えば、一つのCSI−RS設定によるCSI−RSは
図8(a)のRE位置で送信され、他のCSI−RS設定によるCSI−RSは同一のサブフレームにおいて
図8(b)のRE位置で送信されるように)指定することができる(時間及び周波数リソースを用いた区別)。又は、別個のCSI−RS設定によるCSI−RSが同一のRE位置で送信される場合に、別個のCSI−RS設定で別個のCSI−RSスクランブリングコードを用いることによって互いに区別されるようにしてもよい(コードリソースを用いた区別)。
【0106】
(AAS(Active Antenna System))
【0107】
LTEリリース−12以降に、AASを活用したアンテナシステムの導入を試みている。AAS(Active Antenna System)は、各アンテナが能動回路を含む能動アンテナで構成されている。AASは状況に応じてアンテナパターンを変化させることによって、干渉を減らしたり、ビームフォーミングを一層効率的に行うものと期待されている。このようなAASを2次元構築(2D−AAS)にすると、アンテナパターンの側面でアンテナのメインローブ(main lobe)を3次元的に一層効率的に調節し、受信端の位置によって一層積極的に送信ビームを変化させることができる。
【0108】
図12に、64ポートの2D−AASアンテナ配列の一例を示す。
【0109】
図12を参照すると、2D−AASはアンテナを垂直方向及び水平方向に設置して多量のアンテナシステムを構築することができる。
【0110】
2D−AASが導入される場合、送信端から受信端までのチャネルを受信端に知らせるために、送信端は特定のRS(例えば、CSI−RS;以下、便宜上、特定のRSを“CSI−RS”と称する。)を送信なければならない。現在、LTEシステムではCSI−RSが1ポート、2ポート、4ポート、8ポートのCSI−RSとして設計されている。n>1である各n−ポートのCSI−RSは、1RBにn個のREを使用しなければならない。このため、仮に、2D−AASの場合、アンテナが垂直方向に8個、水平方向に8個が存在して合計64個のアンテナを有していると、既存の方式では1RBに64個のREをCSI−RSのために使用しなければならない。このため、アンテナの個数によるCSI−RSオーバーヘッドが問題になり得る。
【0111】
このような問題を解決するために、一部のCSI−RSポートだけを用いて残りのポートからのチャネルまでも類推する方法を利用することができる。そのための一方法として、2D−AASから受信端へのチャネルを次のようにクロネッカー積(kronecker product)で推定することができる。
【0113】
式1で、Hは、送信端から受信端までの全チャネルを意味し、H
T(j)は、送信端からj番目の受信アンテナまでのチャネルを意味する。H
v(j)とH
H(j)はそれぞれ、垂直方向と水平方向のアンテナエレメント(又はポート)から受信端のj番目のアンテナぺ送信されるチャネルを意味する。
図12で、H
v(j)は、Aブロックのアンテナのみが存在すると仮定し、Aブロックアンテナから受信端のj番目のアンテナに対するチャネルを意味する。H
H(j)は、Bブロックのアンテナのみが存在すると仮定し、Bブロックのアンテナから受信端のj番目のアンテナに対するチャネルを意味する。
【0114】
以下では、説明の便宜のために、任意の1個の受信アンテナの立場で説明し、全ての過程は他の受信アンテナにもすべて適用可能である。また、次のように、送信端で(j)インデックスを除去した任意の1個の受信アンテナまでのチャネルだけを用いて説明する。
【0116】
一方、式2は本発明の説明のための数式であり、実際にチャネルが式2と同一でなくても本発明を適用することができる。
【0117】
図12のAブロックのように垂直方向のアンテナポートNvを有する1個のCSI−RSと、Bブロックのように水平方向のアンテナポートN
Hを有する1個のCSI−RSを設定し、2個のCSI−RSを設定することができる。受信端は、受信した2個のCSI−RSを測定した後、2個のチャネルマトリクスを式2のようにクロネッカー積してチャネルを類推することができる。Nvは、垂直方向のアンテナの個数であり、N
Hは、水平方向のアンテナの個数である。この方法を用いると、既存の2ポート、4ポート、8ポートのCSI−RSだけを用いて、64ポートからのチャネルまでも受信端に知らせることができるという長所がある。
【0118】
図12のような共偏波AA(co−polarized antenna array)の代わりに、
図13のような交差偏波アンテナ配列(cross−polarized antenna array;以下、“X−pol AA”という。)を考慮することができる。この場合には、64ポートアンテナ配列を、
図13のように、8行/4列×2偏波(polarization)で構成することができる。
【0119】
図14は、X−pol AAでA/Bブロックの例示である。
【0120】
要するに、基地局が多数の送信アンテナを有するN−tx大規模MIMO環境では、CSIフィードバックのために、N−Tx CSI−RS及びN−Tx PMIを新しく定義しなければならないが、RSオーバーヘッド又はフィードバックオーバーヘッドを考慮すれば、N−Tx CSI−RS及びPMIを新しく定義し難い場合もあり得る。その代案として、既存M−Tx(M=8以下)アンテナCSI−RS及びM−Tx PMIを活用して大規模MIMOフィードバックを支援することができる。具体的に、大きく、下記2つのフィードバック方法を挙げることができる。
【0121】
第一のフィードバック方法として、複数CSIプロセスのそれぞれに大規模アンテナの一部をCSI−RSと設定し、UEがプロセス別CSIをフィードバックできるようにする。例えば、CSIプロセス1及び2を1つのUEに設定し、プロセス1には、
図14のAブロックに該当するCSI−RS1を、プロセス2には、
図14のBブロックに該当するCSI−RS2を設定(configure)する。UEは、これら2つのプロセス別に設定されたCSIフィードバックチェーンを用いてCSI−RS1及び2に対するフィードバックを行う。
【0122】
しかし、この場合に下記のような問題点がある。
【0123】
第一の問題点として、各CSIプロセスのCQIは、大規模アンテナの全体を用いた時に達成可能なCQIではなく、大規模アンテナの極めて一部のアンテナだけを用いた時に得られるMCSを指示(indication)する。この場合、基地局は、各CSIプロセスのCQIを受信して、大規模アンテナの全体を用いた時に達成可能なCQIを計算することは困難である。
【0124】
第二の問題点として、各CSIプロセスのRIは、大規模アンテナ全体を用いた時に達成可能なRIではなく、大規模アンテナの極めて一部のアンテナだけを用いた時に得られるRIを指示する。この場合、基地局が各CSIプロセスのRIを受信して、大規模アンテナ全体を用いた時に達成可能なRIを再計算したとしても、再計算されたRIに合うCQIが計算し難い。
【0125】
第三の問題点として、CSIプロセスのPMIは、大規模アンテナの全体を用いた時の最適PMIではなく、大規模アンテナの極めて一部のアンテナだけを用いた時に得られるPMIを指示する。
【0126】
このような問題点を解決するために、下記の第二のフィードバック方法を考慮することができる。
【0127】
第一のフィードバック方法の問題点を解決するための第二の大規模MIMOフィードバック方法として、UEに一つのCSIプロセスを設定(configure)し、このプロセスを用いてUEは大規模アンテナの全体を用いた時に達成可能なRI、PMI、CQIをフィードバックする方式がある。この時、1つのCSIプロセス内には、1個のIMR、及び大規模MIMOアンテナに該当するL個のCSI−RSを設定することができる。すなわち、次のようにCSIプロセス関連情報を構成することができる。
【0128】
CSIプロセス情報={IMR設定、1番目のCSI−RS設定、2番目のCSI−RS設定、…、L番目のCSI−RS設定}
【0129】
この方法において、UEはL個のCSI−RSから全ての大規模MIMOチャネルを推定することができ、K個のPMIで全体チャネルを分けてフィードバックするが、現在PUCCHフィードバックフォ−マットを考慮したとき、ペイロードサイズの限界から、全てのK個のPMIを一度でフィードバックすることができないという問題がある。すなわち、複数(multiple)CSI−RSのそれぞれに該当する複数(multiple)PMIを一度でフィードバックするにはオーバーヘッドが大きいという問題がある。
【0130】
そこで、このような問題を解決するために、下記のような本発明の実施例を適用することができる。
【0132】
本発明は、UEがCSIをフィードバックする時、当該CSIが基地局との全体チャネルのいずれの部分チャネルに関する情報であるかも共にフィードバックする方法に関する。多数の送信アンテナを有する大規模MIMO環境において基地局は1つのUEに複数のCSI−RS設定(configuration)を用いて送信アンテナの一部又は全てのチャネルを知らせることができる。この時、理想的にはUEが基地局との全体チャネル情報をPMIと量子化して一度でフィードバックすることが好ましいが、現実的なフィードバックオーバーヘッドを考慮すると、全体のチャネルを複数の部分チャネルに分けた後、それに該当するPMIを順次にフィードバックすることができる。本発明によれば、UEは最大の効果を持つPMIだけをアップデートしてフィードバックし、当該PMIがいずれの部分チャネルを基準に決定されたものかを基地局に知らせ、フィードバックオーバーヘッドを減少させることができる。
【0133】
具体的に、UEはK個の部分チャネルから一つを選択し、選択された部分チャネルに該当するPMIだけをフィードバックすることができる。この時、CSIフィードバック可能な部分チャネル候補は、基地局とUEとの間に約束される必要があり、そのために別の制御シグナルを設定することができる。部分チャネルAとBがそれぞれ別個のCSI−RSと一対一対応関係にある場合、CSIフィードバックのための部分チャネル選択は、CSI−RSの選択と同じ意味を持つ。
【0134】
例えば、基地局は、
図14のAブロックに該当するCSI−RS及びBブロックに該当するCSI−RSをUEに知らせ、UEは、Aブロックに該当するCSI−RSから垂直アンテナ(vertical antenna)に対する下りリンクチャネルを推定してPMIを計算し、Bブロックに該当するCSI−RSから水平アンテナ(horizontal antenna)に対する下りリンクチャネルを推定してPMIを計算する。前者を垂直PMI(vertical PMI)とし、後者を水平PMI(horizontal PMI)としたとき、結果的にUEが選択する部分チャネルAとBはそれぞれ垂直PMIと水平PMIを意味することができる。または、部分チャネルAとBは、CSI−RSと一対一対応関係でなくてもよい。一例として、部分チャネルAは、2つのCSI−RSから推定されたチャネルの複合チャネル(composite channel)を意味し、部分チャネルBは一つのCSI−RSから推定されたチャネルを意味してもよい。
【0135】
以下では、UEが部分チャネル情報を選択する方法、そして選択された部分チャネルのCSIをUEが基地局にフィードバックする具体的方法について説明する。
【0136】
(第1実施例(部分チャネル選択方法))
【0137】
本発明に係る第1実施例は、UEが部分チャネルを選択する方法に関する。
【0138】
具体的に、UEは、チャネル変化が最も大きい部分チャネル選択してPMIフィードバックをすることができる。これは、チャネル変化が大きくない部分チャネルでは過去に送ったPMIがある程度有効であり得るためであり、よって、チャネル変化が大きい部分チャネルのPMIをフィードバックすることが効果的である。
【0139】
または、UEはPMIをアップデートした時に得られるCQIが最大化するように部分チャネルを選択することができる。UEは選択可能な全ての部分チャネルを考慮して各場合に対するCQIを計算し、それらの中から最大のCQIを持つ部分チャネルを選択することができる。
【0140】
(第2実施例(選択された部分チャネルをフィードバックする方法))
【0141】
本発明に係る第2実施例は、UEが基地局に、選択された部分チャネルをフィードバックする方法に関する。
【0142】
UEは、全ての部分チャネル候補から一つの部分チャネルを選択し、それを基準にPMIを計算してフィードバックするが、この時、基地局は、UEのフィードバックしたPMIがどの部分チャネルに該当するかを知っていなければならない。この情報をフィードバックする最も簡単な方法は、PMIと共に、選択された部分チャネルに関する情報をフィードバックすることである。
【0143】
例えば、
図14のように、ブロックA、Bに該当する2つの部分チャネルが存在するとき、UEは、PMIフィードバックを行う度に、2つの部分チャネルから一つを選択し、その部分チャネルを基準に計算したPMI及び選択された部分チャネル候補を共にフィードバックする。
【0144】
図15は、本発明の実施例に係るフィードバック設定の一例である。
【0145】
図15のように、フィードバックモードが設定された場合、W1、W2がフィードバックされる全サブフレームに、さらにどの部分チャネルが選択されたか(例えば、PCI:Partial CSI Indicator)を共にフィードバックする。この場合、2つの部分チャネルを仮定したため、PCIは1ビットで表現され、PCIが0と1であるとき、それぞれ、第1列垂直アンテナ(1st column vertical antennas)と第1行水平アンテナ(1st row horizontal antennas)に該当する部分チャネルを意味する。
【0146】
基本的に、W1とW2がフィードバックされる全てのサブフレームで独立したPCIがフィードバックされるが、PCIをW1又はW2のいずれかのみと共にフィードバックする方式を用いることもできる。例えば、PCIはW1のみと共にフィードバックされ、W2のCSI−RSは最後にリポートされたPCI値によって決定される。一方、
図15などでW1、W2は、LTE8 Txコードブック又は進展した4Txコードブックのように、デュアルコードブック(dual codebook)においてそれぞれのコードブックを示し、RIはランク(rank)、CQIはチャネル品質指示子(channel quality indicator)を意味する。
【0147】
部分チャネルはそれぞれ異なるコードブック構造(例えば、デュアルコードブック又はシングルコードブック)を有することができる。例えば、
図14のAブロックは、ULA構造に適したシングルコードブック構造を利用し、Bブロックは、X−Pol構造に適したデュアルコードブック構造を利用する。そのために、各部分チャネル別にフィードバックに用いるコードブックを、基地局がUEにシグナルすることができる。この場合、CSIフィードバックフレームは相対的に複雑なデュアルコードブックに合わせて設定し、シングルコードブックPMIがフィードバックされる場合、UEはW1又はW2の代わりにシングルPMIをフィードバックする。より具体的な実施例を以下に説明する。
【0148】
仮に、
図15で、部分チャネル1に該当するコードブックは、W1及びW2からなるデュアル構造であるが、部分チャネル2に該当するコードブックはシングル構造(例えば、リリース−8 LTE 4Txコードブック)であれば、
図15のリポ−ト構造によって部分チャネル2のコードブックをフィードバックすることが曖昧である。この場合、RIと共に結合符号化(joint encoding)されるW1を常に部分チャネル1に該当するコードブックと仮定してPCI無しでフィードバックし、W2がフィードバックされる場合にのみ、PCIを共にフィードバックする。その結果、
図15に示したW2が、部分チャネル1のW2であるか、部分チャネル2のシングルPMIであるかを知らせることができる。
【0149】
または、上記のように異なるコードブック構造によって複雑になる問題を防止するために、UEが全ての部分チャネルに対して同一のコードブック構造を用いてCSIフィードバックを行うように制限をおくこともできる。
【0150】
図15で、CQIは、アップデートされたPMIと共にフィードバックされる。この時、CQIは、CQIがフィードバックされる時点を含めて最後のPMIを用いて基地局が大規模MIMOを行った時に達成可能な値である。RIは、複数CSI−RSのそれぞれに該当する個別のランクが結合符号化された値であってもよく、又は全ての複数CSI−RSのPMIに共通適用される単一の値(single value)であってもよい。
【0151】
また、
図15の実施例は、毎PMIフィードバックの瞬間にPCIを共にフィードバックする方式であるが、この場合、PCIをフィードバックする頻度が高く、フィードバックオーバーヘッドの側面で非効率的でありうる。例えば、
図14で、垂直アンテナと水平アンテナのそれぞれに該当する部分チャネル1と部分チャネル2のチャネル変化率が非対称的であれば、非効率性は増加する。このような場合、より長い周期でPCIをフィードバックすることができる。例えば、UEはPCIをRIと共にフィードバックし、次のPCI+RIがアップデートされるまで、同一の部分チャネルに該当するPMIをリポートする。
【0152】
または、PCIをRIと共にフィードバックする際、次のように動作することができる。PCI=0の場合、PCIリポート時点から一定時間では部分チャネル1に対するPMIをフィードバックし、その後には次のPCIがリポートされるまで部分チャネル2に対するPMIをフィードバックする。ここで、一定時間は、事前に基地局がUEにRRCシグナルした値であってもよく、固定した値であってもよい。PCI=1の場合、PCIリポート時点から次のPCIがリポートされるまで部分チャネル2に対するPMIをフィードバックする。
【0153】
このようなフィードバック方法の一例を
図16に示す。垂直アンテナのチャネルが水平アンテナのチャネルに比べてチャネル変化速度が遅い場合、部分チャネル1及び2をそれぞれ垂直アンテナ及び水平アンテナにマップして
図16のように設定すると、一層効果的なフィードバックを行うことができる。
【0154】
図16では、部分チャネル1に該当するPMIが一定期間で後に一度で送信されたが、他の方法として、PCI=0の場合、部分チャネル1に該当するPMIが部分チャネル2に該当するPMIと一定の比率を維持しつつ均等な時間間隔でフィードバックされてもよい。
図17で、部分チャネル1に該当するPMIと部分チャネル2に該当するPMIが1:2のフィードバック比率を維持しつつ等間隔でリポートされる。このようなフィードバック比率は、基地局がUEに知らせることができる。
【0155】
さらに他の方法として、PCI値によって、部分チャネル1に該当するPMIと部分チャネル2に該当するPMIとのフィードバック比率を別々に設定することもできる。
図18は、PCI=0の場合、2つのPMIが1:2の比率を維持しつつ等間隔でリポートされ、PCI=1の場合、2つのPMIが1:1の比率を維持しつつ等間隔でリポートされる例を示す。このようなフィードバック比率は、基地局がUEに知らせることができる。
【0156】
さらに他の方法として、PCI値によって、部分チャネル1に該当するPMIと部分チャネル2に該当するPMIとのフィードバック比率を互いに換えて設定することもできる。例えば、上記2つのPMIのフィードバック比率が1:2であると基地局及びUE間にシグナリングで約束し、PCIによって、1:2のフィードバック比率を2つのPMIにどのようにマップするかを選択することができる。
図19は、PCI=0の場合、部分チャネル1に該当するPMIと部分チャネル2に該当するPMIが1:2の比率を維持しつつ等間隔でリポートされ、PCI=1の場合、部分チャネル2に該当するPMIと部分チャネル1に該当するPMIが1:2の比率を維持しつつ等間隔でリポートされる例を示している。
【0157】
図19のようにPCI値を用いるとき(すなわち、各部分チャネルに該当するPMIのフィードバック比率を互いに換えて設定する用途にPCIを利用するとき)、既存のモード2−1を
図20乃至
図23のように変形することができる。
図20はPCI=1、PTI=0の場合の一例であり、
図21はPCI=0、PTI=1の場合の一例であり、
図22はPCI=1、PTI=1の場合の一例である。
【0158】
ここで、2つの部分チャネルのPMIフィードバック比率は1:3に設定されており、長期/広帯域(long−term/wideband)属性を有するWi1は、Wi2と比較して長い周期でフィードバックされるため、長い周期で送信される他の部分チャネルのPMIと共に送信する。すなわち、
図20及び
図21のサブフレーム1及び9で、一つの部分チャネルに対するPMIと他の部分チャネルに対する長期/広帯域PMIが共にリポートされる。
【0159】
図20乃至
図23で、部分チャネル1のコードブックがシングルコードブックである場合、W1−−1又はW1−−2のいずれか一方をアイデンティティプリコーダ(identity precoder)と仮定してリポートせず、W1−−1又はW1−−2のいずれか他方をシングルコードブックに置き換えてリポートすることができる。PMI部分チャネル2がシングルコードブックである場合にも同様の規則を適用する。
【0160】
上述した実施例においてPCIをPMIフィードバックにのみ適用したが、その他のCSIフィードバック(例えば、RI又はCQI)に拡張適用してもよい。
【0161】
例えば、RIにPCIの概念を適用すると、当該フィードバックされたRIは、PCIが示す部分チャネルのチャネルのランクを意味する。この場合、
図16乃至
図18でPCIは、共に送信されるRI値がどの部分チャネルのチャネルから計算されたものかを知らせる。
【0162】
仮に、CQIにPCIの概念を適用すると、当該フィードバックされたCQIは、PCIが示す部分チャネルのCQIを意味する。この場合、
図15でPCIは、共に送信されるCQI値がどの部分チャネルのチャネルから計算されたものかを知らせる。また、
図16乃至18でPCIによるPMIフィードバック運用と同じ方式でCQIフィードバックを適用することができる。
【0163】
図24は、本発明の実施例の一例を示すフローチャートである。
【0164】
まず、UEは、CSI報告のためのCSI設定情報を受信する(S2401)。次に、CSI設定情報に基づいてCSI及び大規模MIMOによる全体チャネルのうち、CSIに対応する部分チャネルに対する識別情報を送信する(S2403)。それに関する具体的な内容は、上述した第1及び第2実施例の内容と同一であり、その詳細な説明は省略する。
【0165】
図25には、本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する
【0166】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクでは通信が基地局とリレー間に行われ、アクセスリンクでは通信がリレーと端末間に行われる。したがって、同図に例示している基地局又は端末は、状況によってリレーに置き換えてもよい。
【0167】
図25を参照すると、無線通信システムは、基地局2510及び端末2520を含む。基地局2510は、プロセッサ2513、メモリ2514及び無線周波(Radio Frequency;RF)ユニット2511,2512を備える。プロセッサ2513は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリ2514は、プロセッサ2513と接続して、プロセッサ2513の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット2516は、プロセッサ2513と接続して、無線信号を送信及び/又は受信する。端末2520は、プロセッサ2523、メモリ2524及びRFユニット2521,2522を備える。プロセッサ2523は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成することができる。メモリ2524は、プロセッサ2523と接続して、プロセッサ2523の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット2521,2522は、プロセッサ2523と接続して、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局2510及び/又は端末2520は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0168】
以上に説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部の構成又は特徴は、他の実施例に含めてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換えてもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含め得ることは明らかである。
【0169】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)から構成されるネットワークで端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることが明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に言い換えてもよい。
【0170】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、1つ又はそれ以上のASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(programmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0171】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードをメモリユニットに記憶させてプロセッサによって駆動することができる。
【0172】
メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0173】
以上、開示した本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示した実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示した原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えようとするものである。
【0174】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化することもできる。このため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の同等範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示した実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示した原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。