特許第6518744号(P6518744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6518744-経口用組成物 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6518744
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】経口用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/9068 20060101AFI20190513BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20190513BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20190513BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20190513BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20190513BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20190513BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20190513BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   A61K36/9068
   A61K31/355
   A61K9/08
   A61K9/20
   A61K9/48
   A61P17/18
   A61K8/9794
   A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-204152(P2017-204152)
(22)【出願日】2017年10月23日
(62)【分割の表示】特願2016-178928(P2016-178928)の分割
【原出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-9038(P2018-9038A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(72)【発明者】
【氏名】永峰 里花
【審査官】 鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/099449(WO,A2)
【文献】 特開2014−114216(JP,A)
【文献】 特開2009−051790(JP,A)
【文献】 特開平02−264720(JP,A)
【文献】 食品と開発,1982年,Vol.17, No.2,p.15-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
A61K 31/33−31/80
A61K 9/00−9/72
A61K 8/9794
A23L 33/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒生姜加工物及びビタミンEを含有することを特徴とするくすみの改善及び/又は予防用のカプセル剤、錠剤又は液剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化性物質を含有する経口用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内に取り込まれた酸素の一部が変化してできた活性酸素が、細胞や組織を傷害し(酸化ストレス)、動脈硬化、炎症反応、糖尿病等の様々な疾患の原因となることが、従来より知られていた。また、表皮においても、皮脂や油分の多いファンデーションを長時間肌に付けたままにしておくと、活性酸素と結び付き、酸化して過酸化脂質となりくすみの原因になるとも言われている。
【0003】
上記現象を引き起こす活性酸素について、生体が呼吸することによって取り込まれた酸素のうち、1〜2%ほどが体内で活性酸素となることが知られているが、呼吸以外にも、喫煙、ストレス、紫外線、排気ガス等が、活性酸素を発生させる要因として知られている。さらに、これに加え、農薬、ダイオキシン、薬剤等の経口摂取によっても、活性酸素が発生するといわれている。
【0004】
生体は、通常、このような活性酸素の有害反応を防御するために抗酸化活性を有する物質(抗酸化物質)を有するが、このような抗酸化活性は年齢やストレスによって大きく影響を受け、その活性が著しく低下することがある。そのため、近年、抗酸化活性の向上を目的として、抗酸化作用を有するサプリメント、飲料等の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1、2等)。また、化粧料が塗布された皮膚において、皮脂の過酸化を防止する役割を担う様々な外用剤が、乳液、美容液等の化粧料に配合されている(例えば、特許文献3等)。
【0005】
上記特許文献1及び特許文献2に示されるように活性酸素を除去することにより健康増進効果が期待される機能強化補助食品が種々研究されているが、常に安定した活性酸素の除去効果を発揮でき、しかも安価に提供できる機能強化補助食品等は未だ出現していない。そのため、少量で抗酸化活性効果の高い、経口用組成物が求められている。
【0006】
一方、単独の抗酸化物質の連続摂取は体内の抗酸化バランスを崩すため良くないとの認識があるのに加え、複数の抗酸化物質を組み合わせると好ましい効果が得られる場合のあることが報告されている(特許文献4、5)。
【0007】
しかしながら、具体的にどのような抗酸化物質同士を組み合わせれば活性酸素の消去を効率化できるかについては、有効な指針となるものは提案されていないし、組み合わせによっては、かえって体内への吸収性の低下を引き起こしたり、各々の成分の劣化の原因ともなることが指摘されている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平07−304666号公報
【特許文献2】特開平08−103245号公報
【特許文献3】特開2009−269919号公報
【特許文献4】特開2000−189102号公報
【特許文献5】特表2004−530407号公報
【特許文献6】特開2009−062331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、抗酸化作用をより効率よく発現できる経口用組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、黒生姜加工物とビタミンEを共に摂取することによって、それぞれ単独に摂取する場合に比して抗酸化作用が強く現れることを見い出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、黒生姜加工物とビタミンEとを含有する経口用組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、黒生姜加工物とビタミンEの有する抗酸化作用をより効率よく発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の経口用組成物の抗酸化作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0014】
本発明は、黒生姜加工物とビタミンEとを含有する経口用組成物である。
【0015】
本発明に使用される黒生姜は学名をケンプフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)といい、黒ウコンあるいはクラチャイダムの別名を有する。東南アジアに分布し、ショウガ科(Zingiberaceae)ケンプフェリア(Kaempferia)属の植物の一種である。タイやラオス等の伝承医学においては健康食品として知られており、精力増進、滋養強壮等の効果があると言われている。黒生姜に含まれる有効成分としては、セレン、アミノ酸のほか、例えば、クルクミンやポリフェノールがあり、これらが活性酸素を除去する抗酸化作用を有するため、動脈硬化等を抑制する効果があると言われている。
【0016】
本発明における黒生姜加工物とは、黒生姜に由来する成分を含む粒状物質のことを言い、黒生姜に由来する上記抗酸化作用を奏する成分を少なくとも含み、かつ、粉末化、粒子化、顆粒化等されていれば、黒生姜の加工方法について特に制限はない。例えば、黒生姜の乾燥粉末、黒生姜抽出物を粉末化したもの、黒生姜中の成分を任意の方法で分画して粉末化したもの等が該当する。また、この粒子は固体である必要は無く、リポソームやマイクロカプセル等液体であっても良い。
【0017】
上記黒生姜の乾燥粉末としては、例えば、洗浄後、スライスした黒生姜を天日、あるいは乾燥機を用いて乾燥後、そのままあるいは適当な形状や大きさに裁断して得た加工品を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものがひろく使用でき、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機及び製品ホルダー等から構成される粉砕機を用いることができる。
【0018】
上記黒生姜抽出物を粉末化したものとしては、例えば、黒生姜の抽出物をそのままあるいは濃縮して、液状物、濃縮物、ペースト状で、あるいは、さらにこれらを乾燥した乾燥物の形状で用いることが可能である。また、乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等の当業者が通常用いる方法により行われる。
【0019】
上記黒生姜の抽出物は、黒生姜又はその加工物を適切な溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール、酢酸エチル、酢酸メチル等の低級エステル、アセトン、及びこれらと水との混合物が挙げられる。中でも、本発明の組成物はヒトが摂取することを想定しているものであることから、エタノール単独又は水との混合物(いわゆる含水エタノール)、あるいは熱水を使用するのが好ましい。
【0020】
溶媒として混合物を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物等を用いることができる。エタノール/水の場合、黒生姜の根茎に対して、その質量の2〜20倍質量の溶媒を加え、室温又は加熱下で10分〜48時間程度抽出するのが好ましい。
【0021】
また、黒生姜を細切りしたものを95〜100℃の温度で熱水抽出し、最高濃度に達した抽出液を濾過した後、噴霧乾燥する等の方法で抽出物を得ることも可能である。
【0022】
これら用いる抽出方法に特に制限はないが、安全性及び利便性の観点から、できるだけ緩やかな条件で行うことが好ましい。例えば、原料植物部位又はその乾燥物を粉砕、破砕又は細断し、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で10分〜48時間、静置、振盪、撹拌あるいは還流等の任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、濾過、遠心分離等の分離操作を行い、不溶物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
【0023】
また、黒生姜成分を含有する粒子としては、上記の黒生姜の乾燥粉末、黒生姜抽出物を粉末化したもの、黒生姜中の成分を任意の方法で分画して粉末化したもの等をそのまま使用しても良いし、適切な結合剤や賦形剤等を添加の上、公知の湿式、乾式等の顆粒造粒法によって顆粒に成形したものを用いても良い。
【0024】
上記黒生姜中の成分を任意の方法で分画して得られるものとしては、例えば、クルクミン、メトキシフラボン類、アントシアニジン等がある。これらは、粉末化したいずれか1種を用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0025】
黒生姜成分を含有する粒子の粒子径としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて粉末、粒子、顆粒等を適宜選択することができる。また、黒生姜成分を含有する粒子の粒度としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて粉末、粒子、顆粒等を適宜選択することができる。
【0026】
上記した黒生姜成分を含有する粒子を得るための黒生姜の使用部位は樹皮、根、葉、又は枝等が使用し得る。なかでも、好ましいのは、根茎である。
【0027】
上記黒生姜成分を含有する粒子表面の一部又は全部を、油脂を含むコート剤にて被覆することにより、経口で摂取した場合において、特に黒生姜成分に含まれるポリフェノール類等の体内への吸収性が高まるので好ましい。上記油脂コートを行うことにより、ポリフェノール類を含め黒生姜成分の酸化を防止し、製品の保存安定性を高めることができる。また、黒生姜の成分は有機溶剤による抽出にも耐えられるほど丈夫で、胃液等への暴露によっても変性しにくいものであるが、油脂を用いてコートすることによって、より変性防止効果を得ることもできる。
【0028】
本発明で用いられるビタミンEとは、例えば、α型、β型、及びγ型等のトコフェロール及びその誘導体、又はこれらの混合物を指す。これらビタミンEは、脂溶性のビタミンの一種であり、オイル形態で通常得られる(例えば、「ビタミンEオイル」とする)。これらは古くから細胞膜等の脂質の酸化を防ぐ抗酸化作用で知られ、近年においては、抗酸化作用に基づく、血中脂質の酸化抑制作用や血行促進作用等の働きも知られてきている。
【0029】
本発明の用いられる適切なビタミンEは、上記働きを有すものであれば特に限定されず、α−トコフェロール又はその誘導体が広く使用できる。抗酸化作用の働きの点から、α−トコフェロール、あるいはα−トコフェロールのエステル化合物、例えば、α−トコフェロールアセテートの使用が好ましい。なかでも、α−トコフェロールの使用が、ビタミンEの最も活性な抗酸化生物学的形態であるため好ましい。
【0030】
経口用組成物中における、上記黒生姜加工物とビタミンEの配合比は、使用される黒生姜加工物中の抗酸化成分の含有量等によって異なるが、例えば、黒生姜の乾燥粉末や黒生姜抽出物を粉末化したエキスとビタミンEオイルの組み合わせにおいては、重量比で1:0.00001〜1:100000程度で使用するのが、両者を併用することによって得られる相乗効果の発現を、より高める点から好ましい。
【0031】
本発明の組成物の摂取方法、摂取量、摂取回数、摂取時期、及び摂取対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが可能である。剤の形態としては、例えば、黒生姜加工物とビタミンEを一剤中に含む一剤型経口用組成物としてもよいし、黒生姜加工物とビタミンEを別々に含む二剤型経口用組成物としてもよい。後者の場合、摂取の際に二剤を混合するか、あるいは二剤を同時に摂取するようにする。
【0032】
前記摂取量としては、摂取対象個体の年齢、体重、体質等、様々な要因を考慮して適宜選択できる。また、前記摂取対象となる動物種としては、主としてヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、フェレット、ウサギ、トリ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ブタ、サル、爬虫類等に対して適用することも可能である。
【0033】
本発明の組成物は、経口用として用いるが、その形態としては、飲食品、製剤等を適宜選択することができる。前記飲食品としては、前記組成物をそのまま使用してもよく、単に水(精製水等)で溶解乃至分散して用いてもよい。
【0034】
また、前記組成物の効果を損なわない範囲内で、種々の栄養成分を加えて、食用に適した形態、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、液状、ペースト状、クリーム状、タブレット状、カプセル状、カプレット状、ソフトカプセル状、棒状、板状、ブロック状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、飴状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等に成形して食品素材として提供することもできる。
【0035】
これらの適用飲食品の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康食品、栄養補助食品等が挙げられる。
【0036】
本発明の飲食品に含まれる前記組成物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0037】
さらに、製剤としては、薬理学的に許容される担体を含んでいてよく、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル等がある。カプセル化して、内臓にそのまま到達させる量を増やすことが好ましい。さらに、本発明の一剤は、錠剤、散剤、カプセル等の剤形状を有するもののほか、ドリンク剤、シロップ剤、ゼリーの形で供給され得る。
【0038】
カプセル剤の製造方法としては、内容物として本発明の組成物を用いること以外は、従来公知のソフトカプセルの製造方法に従えばよい。そのような製造法としては、カプセル皮膜シートを用いて、ロータリー式充填機で内容物を封入し、カプセル製剤を成型する方法、又は滴下法によりシームレスカプセルを製造する方法等が挙げられる。
【0039】
また、錠剤については、本発明の組成物に、適切な結合剤、賦形剤、崩壊剤及び必要に応じて滑沢剤を添加し、公知の打錠法により調製することができる。顆粒剤については、公知の各種湿式、乾式等の造粒法が適用でき、適切な結合剤及び賦形剤と共に成形する。さらに、ドリンク剤、シロップ剤、ゼリー等については、適切な糖、酸、香料等を添加して香味を調製し、公知の製法により調製することができる。
【実施例】
【0040】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
[抗酸化作用増進効果の確認]
酸化ストレス誘発剤として鉄ニトリロ三酢酸(Fe−NTA)を用いたラット酸化ストレスモデルを用いて、各被験物質を単回強制経口投与した際の血清中過酸化脂質量をチオバルビツール酸反応物(TBARS)量として定量することで各被験物質の抗酸化作用を調べた。
【0042】
具体的には、下記の要領にて、雄性Wistarラット(8週齢)に、各被験物質を10mL/kgで単回強制経口投与し、投与1時間後に、Fe−NTAを9mgFe/kgで腹腔内投与し、続いて、投与2時間後に採血して、血清を採取し、血清中過酸化脂質(TBARS)を測定した。
【0043】
<被験物質溶液の調製法>
被験物質として、黒生姜エキス及び/又はビタミンEを表1に示す配合比で混合し被験物質溶液を調製した。調製方法は、以下のとおりである。なお、本件等で使用される黒生姜エキス(黒生姜抽出物の精製粉末)及びビタミンEは市販品をそのまま使用した。
【0044】
1%Tween80水溶液を溶媒として上記被験物質を溶解又は懸濁して被験物質溶液とした。比較例1は、黒生姜エキスが10mg/mLとなるように、比較例2はビタミンEが10mg/mLとなるように調製した。実施例は、同溶液中に、黒生姜エキスとビタミンEがそれぞれ5mg/mL+5mg/mLとなるように調製した。
【0045】
【表1】
【0046】
<被験物質溶液の投与法>
(試験前日から)絶食したラットを試験日の体重値が各群でほぼ均一となるように各群に分け、試験に供した。試験日の体重値に基づき各被験物質溶液を単回強制経口投与した。対照例1と対照例2では、溶媒である1%Tween80水溶液を単回強制経口投与した。投与液量は、10mL/kgとした。
【0047】
<鉄ニトリロ三酢酸(Fe−NTA)溶液の調製法>
蒸留水を溶媒として、硝酸鉄(III)九水和物とニトリロ三酢酸二ナトリウム塩を、それぞれモル比として1:4となるように溶解し、炭酸水素ナトリウムを用いてpH7.4になるよう調整してFe−NTA溶液とした。
【0048】
<Fe−NTA溶液の投与法>
被験物質の投与1時間後に、試験日の体重値に基づきFe−NTA溶液を9mgFe/kg(10mL/kg)にて腹腔内投与した。対照例1は、Fe−NTA溶液の代わりに、生理食塩水を10mL/kgにて腹腔内投与した。
【0049】
<血液採取法及び血清採取法>
Fe−NTA投与2時間後に採血し、室温で30分間以上放置した後、遠心分離を行い、血清を採取した。採取した血清は−30℃下にて凍結保存を行った。
【0050】
<血清中過酸化脂質(TBARS)の測定>
得られた血清を用いて、TBARS Assay Kit(CaymanChemical Company)にて測定を行った。
【0051】
図1に、対照例1(正常対照)、対照例2(対照)、比較例1(黒生姜エキス)、比較例2(ビタミンE)、実施例1(黒生姜エキス+ビタミンE)の各群から採取した血清中のTBARS量を示す。
【0052】
黒生姜エキスやビタミンE単独摂取(比較例1、2)では、ほとんどTBARS量の低下が見られないが、両者を組み合わせての摂取(実施例1)において、その値が減少することが観察され、黒生姜エキスとビタミンE併用による抗酸化作用の増強効果を確認することができた。
【0053】
[経口用組成物の飲料、顆粒、ソフトカプセルへの適用]
さらに、上記の黒生姜エキス粉末及びビタミンE、並びに下記要領で得た黒生姜粉砕物を用い、下記表の処方で飲料、顆粒、ソフトカプセルを作成した。
【0054】
(黒生姜粉砕物の製造)
黒生姜の根茎を洗浄後、1〜10mm程度にスライスし、1日天日干しにした。その後、40〜100℃に設定したオーブン乾燥機で4〜6時間乾燥し、粗粉砕後、130〜200℃で5〜20秒間殺菌を行った。殺菌した粗粉砕物を粉砕機によって粉砕し、黒生姜粉砕物を得た。
【0055】
実施例2(液剤の製造)
表2の配合割合で各成分を配合し、液剤とした。
【0056】
【表2】
【0057】
実施例3(顆粒1の製造)
表3に従い、スクラロース0.3kg、クエン酸3kg、還元麦芽糖水飴36.9kg、難消化性デキストリン48kg、カンゾウ抽出物0.3kg、黒生姜粉砕物0.5kg、ビタミンE3kg、シクロデキストリン5kg、ショウヤク3kgをフローコーターNFLO−200型流動層造粒機(フロイント産業(株)製)に投入し、数分間気流で混合する。これに、水60Lを1分間に2000mL噴霧することにより造粒を行った。つづいて、得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒剤とした。
【0058】
【表3】
【0059】
実施例4(顆粒2の製造)
実施例3と同様にして、表4の成分を配合し顆粒剤とした。
【0060】
【表4】
【0061】
実施例5(ソフトカプセル1の製造)
表5の配合割合で配合した内容液を調整し、表6の配合割合で配合したカプセル皮膜に充填することでソフトカプセルとした。カプセル化は、カプセル皮膜液を流延しフィルム化すると共に、内部に内容液を充填しヒートシールし、成形されたソフトカプセルを乾燥させて行った。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
実施例6(ソフトカプセル2の製造)
表7の配合割合で配合した内容液を調整し、表8の配合割合で配合したカプセル皮膜に充填し、実施例5と同様にしてソフトカプセルとした。
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
実施例7(錠剤1の製造)
表9に示す配合割合で各成分を配合して均一に混合した後、打錠装置を用いて成形して錠剤1とした。
【0068】
【表9】
【0069】
実施例8(錠剤2の製造)
表10に示す配合割合で配合したほかは、実施例7と同様にして錠剤2とした。
【0070】
【表10】
図1