(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記段階(2)が、前記第1組成物内のアンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、及び酸化ヨウ素の含有量を減少させることをさらに含む、請求項1に記載のポリチオール化合物の製造方法。
前記第2組成物内の前記金属多硫化物、前記アンモニウム塩、前記炭酸塩、前記硫酸塩、及び前記酸化ヨウ素の合計含有量が、5重量%以下である、請求項3に記載のポリチオール化合物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一実施態様によると、本発明に係るポリチオール化合物の製造方法は、(1)金属単硫化物を含有する第1組成物を準備する段階と、(2)前記第1組成物内の金属多硫化物の含有量を減少させて、第2組成物を得る段階と、(3)前記第2組成物をハロゲン化アルコールと反応させて、チオエーテル基を有するポリオールを合成する段階と、(4)前記ポリオールをチオ尿素と反応させた後に加水分解して、チオエーテル基を有するポリチオールを合成する段階とを含む。以下、各段階を具体的に説明する。
【0017】
前記段階(1)では、金属単硫化物を含有する第1組成物を準備する。
【0018】
下記反応式1で例示するように、前記第1組成物に含有されている金属単硫化物により、2つのハロゲン化物からチオエーテル基を有するポリチオール化合物を生成することができる。
[反応式1]
【化1】
【0019】
前記反応式1において、Xは、ハロゲンであり、Mは、1種以上の金属類であり、nは、前記Mの酸化数に応じて変更される整数値である。例えば、前記Xは、それぞれフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードであり、前記Mは、Na、K、Mn、Ca、又はMgBrであり、前記nは、前記Mの酸化数に応じて1又は2である。
【0020】
また、前記反応式1中、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、1つ以上のヒドロキシ基を有する直鎖又は分岐鎖のC1−C20アルキル基であり、アルキル鎖中に−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NH−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−O−、−NH−C(=O)−S−、−NH−C(=S)−S−、及びNH−C(=S)−NH−からなる群より選択される1種以上の基を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0021】
このような金属単硫化物を含有する組成物は、市販のものを購入するか、当分野において公知の方法により製造することができる。
【0022】
前記第1組成物は金属単硫化物を主に含有し、例えば、前記第1組成物内の金属単硫化物の含有量は、50重量%以上、70重量%以上、又は90重量%以上であり得る。
【0023】
前記金属単硫化物は、下記化学式1で表される。
[化学式1]
(M)
nS
【0024】
前記化学式1において、Mは、1種以上の金属類であり、nは、前記Mの酸化数に応じて変更される整数値である。例えば、前記Mは、Na、K、Mn、Ca、又はMgBrであり、前記nは、前記Mの酸化数に応じて1又は2である。
【0025】
前記金属単硫化物は、水和物(hydrate)の形態で存在し得る。例えば、Na
2Sの場合、5水和物(Na
2S・5H
2O)又は9水和物(Na
2S・9H
2O)の形態で存在し得る。
【0026】
具体例として、前記金属単硫化物は、Na
2S・5H
2O、Na
2S・9H
2O、K
2S、MnS、CaS、及び(MgBr)
2Sからなる群より選択される1種以上であり得る。
【0027】
前記金属単硫化物の合成過程では、さらに副反応物が生成されることがあり得る。また、金属単硫化物は潮解性(deliquescence)があるので保管又は使用中に変質しやすい。これにより、前記第1組成物は、金属単硫化物の他にも合成、保管、又は使用過程で生成した他の成分をさらに含有することができる。
【0028】
一般的に、前記金属単硫化物を含有する組成物には、硫黄原子を2個以上有する金属多硫化物が存在する。
【0029】
例えば、前記第1組成物内の金属多硫化物の含有量は、50重量%以下、30重量%以下、又は10重量%以下であり得る。
【0030】
一例として、前記金属多硫化物は、下記化学式2で表され得る。
[化学式2]
(M)
nS
m
【0031】
前記化学式2において、Mは、1種以上の金属類であり、nは、前記Mの酸化数に応じて変更される整数値であり、mは、2〜8の整数である。例えば、前記Mは、Na、K、Mn、Ca、又はMgBrであり、前記nは、前記Mの酸化数に応じて1又は2であり、前記mは、2〜8の整数である。
【0032】
前記金属多硫化物もまた水和物の形態で存在し得る。前記金属多硫化物の具体例として、Na
2S
2・5H
2O、Na
2S
2・9H
2O、K
2S
2、MnS
2、CaS
2、又は(MgBr)
2S
2を挙げることができる。
【0033】
また、前記金属単硫化物を含有する組成物は、微量のアンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化ヨウ素などをさらに含有してもよい。
【0034】
具体例として、前記第1組成物は、微量の炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)、チオ硫酸ジアンモニウム((NH
4)
2S
2O
3)、トリメチルスルホキソニウムヨージド((CH
3)
3S(I)O)などを含有することができる。
【0035】
例えば、前記第1組成物内のアンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、及び酸化ヨウ素の合計含有量は、10重量%以下、又は5重量%以下であり得る。
【0036】
前記段階(2)では、前記第1組成物内の金属多硫化物の含有量を減少させ、第2組成物を得る。
【0037】
このように、第1組成物内の成分を制御して、金属多硫化物の含有量を減らす一方、金属単硫化物の含有量がさらに高い第2組成物を得ることができる。
【0038】
これにより、前記第2組成物は、前記金属単硫化物を90重量%以上、95重量%以上、97重量%以上、又は99重量%以上含むことができる。好ましくは、前記第2組成物は、前記化学式1で表される金属単硫化物を95重量%以上含むことができる。
【0039】
また、前記第2組成物内の金属多硫化物の含有量は、5重量%以下であり得る。より具体的に、前記第2組成物内の金属多硫化物の含有量は、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下であり得る。好ましくは、前記第2組成物内の金属多硫化物の含有量は、0重量%、又はこれをわずかに超える極微量であり得る。
【0040】
また、前記第1組成物内には、微量のアンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化ヨウ素なども存在し得るので、前記段階(2)は、前記第1組成物内のアンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、及び酸化ヨウ素の含有量を減少させることをさらに含んでもよい。
【0041】
これにより、前記第2組成物内の前記アンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、及び酸化ヨウ素の合計含有量は、5重量%以下であってもよく、より具体的には、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下であり得る。
【0042】
また、前記第2組成物内の前記金属多硫化物、アンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、及び酸化ヨウ素の合計含有量は、5重量%以下であることが可能で、より具体的には、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下であることが可能である。
【0043】
好ましい一実施態様として、第2組成物が、ナトリウム単硫化物(Na
2S)を95重量%以上含み、前記第2組成物内のナトリウム多硫化物、アンモニウム塩、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、及び酸化ヨウ素の合計含有量が、5重量%以下であり得る。
【0044】
前記段階(2)で第1組成物の成分を制御する方法は、特に限定されない。例えば、前記段階(2)は、
(a)溶解度の差を利用して前記第1組成物を洗浄又は再結晶する工程、及び
(b)融点の差を利用して前記第1組成物を再結晶する工程
のうちの少なくとも1つの工程により行うことができる。
【0045】
前記例示的な2つの工程のうち、溶解度の差を利用する方法は、前記第1組成物内の金属単硫化物と金属多硫化物などの他の成分とが、水や有機溶媒(エーテル、アルコールなど)に対して温度に応じた異なる溶解度を有することを利用するものである。すなわち、前記方法によると、前記第1組成物を水又は水と有機溶媒との混合液で複数回洗浄して不溶物質をろ過するか、又は、温度による溶解度の差によって析出される物質を分離することができる。
【0046】
具体的に、金属多硫化物は、金属単硫化物に比べて溶解度が大きいことがあり、これにより、前記第1組成物を水又は水と有機溶媒との混合液で洗浄するか、又は、温度による溶解度の差により析出させて、金属単硫化物に比べて溶解度が大きい金属多硫化物の組成物内の含有量を減少させることができる。また、その逆の場合も可能である。
【0047】
前記例示的な2つの工程のうち、融点の差を利用する方法は、前記第1組成物内の金属単硫化物と金属多硫化物などの他の成分とが、それぞれ異なる融点を有する点を利用するものである。すなわち、前記方法によれば、前記第1組成物を加熱して溶解させた後、固相の物質をろ過して除去し、その他の残りの液状物質を冷却しながら、順次再結晶する物質を分離することができる。
【0048】
以上のように成分が制御された第2組成物は、チオエーテル基を導入するための反応に投入することができる。
【0049】
前記段階(3)では、先に得られた第2組成物をハロゲン化アルコールと反応させて、チオエーテル基を有するポリオールを合成する。ここで、ハロゲン化アルコールは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルコール(例えば、C1−C20アルコール)を意味する。
【0050】
具体例として、前記段階(3)において、前記第2組成物をクロロジオールと反応させて、チオエーテル基を有するテトラオールを製造することができる。この時、前記クロロジオールは、メルカプト基を有するアルコールをエピクロロヒドリンと反応させて調製することができる。
【0051】
この時、前記第2組成物は、一定期間保管した後に反応系に投入することができる。
【0052】
例えば、前記段階(3)におけるハロゲン化アルコールとの反応は、前記段階(2)で第2組成物を得た後、1日間以上、具体的に1日間〜12ヶ月間、1日間〜6ヶ月間、又は1日間〜3ヶ月間保管した後に行うことができる。
【0053】
ここで、前記保管は、光遮断条件で、0℃〜35℃の温度条件、0℃〜25℃の温度条件、又は0℃〜20℃の温度条件で行うことができる。前記保管温度を超えた場合、金属多硫化物などが生成されて、副反応を起こすことがあり得る。
【0054】
前記第2組成物が固形である場合は、固形状態のまま反応系に投入するか、固形の組成物を水に溶解させて水溶液の状態で反応系に投入することができる。
【0055】
前記第2組成物をハロゲン化アルコールと反応させる際に、反応温度が過度に上昇することがある。この場合、硫化物が生成され副反応を起こすことがあるので、注意が必要である。
【0056】
好ましくは、前記段階(3)におけるハロゲン化アルコールとの反応は、前記反応温度が0℃〜25℃の範囲又は0℃〜15℃の範囲を維持するように、前記第2組成物の投入量及び投入速度を調節して行う。
【0057】
前記段階(4)では、先に段階(3)で得られたポリオールをチオ尿素と反応させた後に加水分解して、チオエーテル基を有するポリチオールを合成する。
【0058】
具体的に前記段階(4)は、
(4a)前記ポリオールとチオ尿素とを反応させて、イソチオウロニウム塩を製造する段階と、
(4b)前記イソチオウロニウム塩を塩基条件下で加水分解して、ポリチオールを合成する段階と
を含んで行うことができる。
【0059】
前記段階(4a)において、前記ポリオールをチオ尿素と混合して、酸条件で還流させてイソチオウロニウム塩を得ることができる。この時、前記チオ尿素は、前記ポリオールのOH基1当量に対して1当量〜3当量、より具体的には1当量〜2当量となるようにして反応させることができる。また、前記還流時の温度は60℃〜130℃で、より好ましくは90℃〜120℃であり得る。また、前記還流の時間は2時間〜24時間で、より具体的には6時間〜12時間であり得る。
【0060】
また、前記段階(4b)において、前記塩基条件の形成のために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの塩基性化合物が用いられる。前記塩基性化合物は、前記イソチオウロニウム塩1当量に対して1.0当量〜2.5当量、より具体的には1.3当量〜1.8当量となるように反応させることができ、例えば、水溶液として添加して反応させることができる。前記塩基性化合物を添加する前に有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒の添加量は、イソチオウロニウム溶液に対して0.1倍量〜3.0倍量、より具体的には0.2倍量〜2.0倍量とすることができる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。副生成物の抑制効果のために、トルエンが好ましい。前記加水分解の反応温度は10℃〜130℃で、より具体的には30℃〜80℃であり得る。前記加水分解の時間は0.1時間〜6時間で、より具体的には0.5時間〜4時間であり得る。
【0061】
その結果、得られたポリチオール化合物は、洗浄、精製、脱水などの後工程をさらに経てもよい。
【0062】
以上の過程を経て合成されたポリチオール化合物は、分子内にチオエーテル基が導入された2官能以上のポリチオール化合物である。
【0063】
例えば、前記ポリチオール化合物は、分子内に2個以上、3個以上、又は4個以上のチオエーテル基を有し得る。
【0064】
具体的に、前記ポリチオール化合物は、分子内に2個〜10個、又は4個〜10個のチオエーテル基を有し得る。
【0065】
また、前記ポリチオール化合物は、チオール基が2個〜10個、2個〜8個、2個〜6個、又は2個〜4個のポリチオール化合物であり得る。
【0066】
好ましくは、前記ポリチオール化合物は、チオエーテル基を有する3官能又は4官能以上のポリチオール化合物であり得る。
【0067】
一例として、前記ポリチオール化合物は下記化学式3で表される。
[化学式3]
R
1−S−R
2
【0068】
前記化学式3において、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、チオール基、ヒドロキシ基、及びアミノ基からなる群より選択される1種以上で置換された直鎖又は分岐鎖のC1−C20アルキル基であり、前記R
1及びR
2に含まれるすべてのチオール基が、合計2個〜6個であり、前記R
1及びR
2は、それぞれ独立して、アルキル鎖中に−O−、−S−、−C(=O)−O−、−OC(=O)−O−、−NH−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−O−、−NH−C(=O)−S−、−NH−C(=S)−S−、及びNH−C(=S)−NH−からなる群より選択される1種以上の基を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0069】
前記一実施態様において製造されたポリチオール化合物は、高純度であり、色相に優れる。
【0070】
例えば、前記ポリチオール化合物は、70%以上、75%以上、80%以上、又は85%以上の純度を有し得る。
【0071】
また、前記ポリチオール化合物は、Lab色座標によるb
*値が、5以下、4以下、3以下、2以下、又は1以下であり得る。
【0072】
好ましくは、前記ポリチオール化合物は、0を超えて2以下のLab色座標によるb
*値を有し得る。
【0073】
一実施態様により、前記のように製造されたポリチオール化合物を用いて光学レンズを製造する方法が提供される。
【0074】
すなわち、一実施態様に係る光学レンズの製造方法は、
(1)金属単硫化物を含有する第1組成物を準備する段階と、
(2)前記第1組成物内の金属多硫化物の含有量を減少させて、第2組成物を得る段階と、
(3)前記第2組成物をハロゲン化アルコールと反応させて、チオエーテル基を有するポリオールを合成する段階と、
(4)前記ポリオールをチオ尿素と反応させた後に加水分解して、チオエーテル基を有するポリチオール化合物を合成する段階と、
(5)前記ポリチオール化合物をイソシアネートと混合して、金型で加熱硬化させる段階と
を含む。
【0075】
前記光学レンズの製造方法において、段階(1)〜(4)は、前記ポリチオール化合物の製造方法における段階(1)〜(4)で説明した条件及び手順と同様にして行うことができる。その結果、製造されたポリチオール化合物をイソシアネートと混合して、金型で加熱硬化させる。
【0076】
前記イソシアネートとして、ポリチオウレタンの合成に用いられる通常のものを使用することができる。
【0077】
具体的に、前記イソシアネートは、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメチルメタンジイソシアネート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアネートメチル−3−チアペンタン、2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリイソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ビスベンジル−4,4−ジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、X−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジフェニルスルフィド2,4−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアネート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソシアネート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィード−5,5−ジイソシアネート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアネート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィード−3,3−ジイソシアネートなどの、脂肪族、脂環族、芳香族などのイソシアネート系化合物、及びこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0078】
より具体的には、前記イソシアネートとして、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどを使用することができる。
【0079】
まず、前記ポリチオール化合物をイソシアネートと混合して重合性組成物を調製する。前記重合性組成物は、前記ポリチオール化合物及びイソシアネートを混合状態で含むか、又は分離された状態で含むことができる。すなわち、前記重合性組成物内で、前記ポリチオール化合物及びイソシアネートは、互いに接触して配合された状態であってもよく、互いに接触しないように分離された状態であってもよい。前記重合性組成物は、組成物内のSH基/NCO基(モル比)が0.5〜3.0で、より具体的には0.8〜1.3であり得る。
【0080】
前記重合性組成物は、そのほかにも必要に応じて、内部離型剤、紫外線吸収剤、重合開始剤、熱安定剤、色補正剤、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0081】
前記内部離形剤としては、パーフルオロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はリン酸エステル基を有するフッ素系非イオン界面活性剤と、ジメチルポリシロキサン基、ヒドロキシアルキル基、又はリン酸エステル基を有するシリコン系非イオン界面活性剤と、例えばトリメチルセチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、ジメチルエチルセチルアンモニウム塩、トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジエチルシクロヘキサドデシルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩と、酸性リン酸エステルとの中から選択された成分を、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用可能である。
【0082】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、オキサニルライド系などが使用可能である。
【0083】
前記重合開始剤としては、アミン系、リン系、有機スズ系、有機銅系、有機ガリウム、有機ジルコニウム、有機鉄系、有機亜鉛、有機アルミニウムなどが使用可能である。
【0084】
前記熱安定剤としては、金属脂肪酸塩系、リン系、鉛系、有機スズ系などを、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用可能である。
【0085】
次いで、前記重合性組成物を減圧下で脱気(degassing)した後、光学材料成形用の金型に注入する。このような脱気及び金型注入は、例えば20℃〜40℃の温度範囲で行うことができる。
【0086】
金型に注入した後は、通常、低温から高温に徐々に加熱して重合反応を行う。前記重合反応の温度は、例えば30℃〜150℃であり、より具体的には40℃〜130℃であり得る。また、反応速度を調節するために、ポリウレタンの製造に通常利用される硬化触媒が添加され得る。前記硬化触媒(重合開始剤)としては、スズ系触媒を使用することができ、例えば、ジブチルスズジクロリド、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジメチルスズジクロリドなどを使用することができる。
【0087】
その結果、得られたポリチオウレタン成形物を金型から分離して、最終的に光学レンズを得ることができる。
【0088】
このように製造された光学レンズは、無色透明で、屈折率、アッベ数などの光学特性に優れている。
【0089】
前記光学レンズは、屈折率が1.56〜1.78の範囲でよく、より限定すると、1.58〜1.76の範囲、1.60〜1.78の範囲、1.60〜1.76の範囲、1.65〜1.75の範囲、又は1.69〜1.75の範囲であり得る。
【0090】
前記光学レンズは、アッベ数が20以上であってよく、より具体的に30以上であり得る。例えば、前記光学レンズは、アッベ数が20〜50の範囲、25〜50の範囲、30〜45の範囲、又は30〜43の範囲であり得る。
【0091】
前記光学レンズは、光透過率、例えば、550nmの波長における光透過率が85.0%〜99.9%であってよく、より限定すると、87.0%〜99.0%、又は87.0%〜95.0%であり得る。
【0092】
前記光学レンズは、黄色度(YI)が25以下又は20以下であり、具体的には、1〜25の範囲、1〜20の範囲、3〜20の範囲、又は5〜15の範囲であり得る。
【0093】
前記光学レンズは、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上、80℃以上、又は90℃以上であってよく、具体的には、70℃〜130℃の範囲、80℃〜125℃の範囲、90℃〜120℃の範囲、又は95℃〜115℃の範囲であり得る。
【0094】
好ましい一実施態様によれば、前記光学レンズは、80℃〜125℃のガラス転移温度(Tg)及び5〜15の黄色度(YI)を有することができる。
【0095】
またこの際、前記光学レンズは、550nmの波長において85%〜99%の光透過率及び30〜45のアッベ数を有することができる。
【実施例】
【0096】
以下、より具体的な実施例を例示するが、これらの実施例において、詳細な構成を一部変更することも可能であり、本発明は、これらの実施例の範疇に限定されるものではない。
【0097】
<製造例1:ポリチオール化合物の製造>
【化2】
【0098】
反応器に2−メルカプトエタノール78.10g(2mol)とトリエチルアミン2.0gとの混合液を入れて35℃〜45℃に維持しながら、エピクロロヒドリン92.5g(1mol)を1時間かけて滴下した後、40℃で1時間反応させた。この反応器に、金属硫化物の組成物を水に溶解させた水溶液を徐々に滴下し、45℃で1時間反応させた。反応結果物に36%の塩酸303.8g(3.3mol)とチオ尿素190.3g(2.5mol)とを添加した。反応混合物を撹拌しながら110℃で9時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、トルエン400mLを加えた後、25%アンモニア水306.5g(4.5mol)を徐々に加え、加水分解した。得られた有機層を、36%塩酸水100mL、希釈アンモニア100mL、及び水100mLで2回洗浄した。ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、吸引ろ紙で分離して、ポリチオール化合物を得た。
【0099】
(比較例1〜5:ポリチオール化合物の製造(別途処理をしていない金属硫化物を利用))
別途処理をしていないNa
2S・9H
2O、K
2S、MnS、CaS、又は(MgBr)
2Sをそれぞれ用いて、すなわち、金属多硫化物の含有量を減少させていない金属単硫化物の組成物を用いて、前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0100】
(実施例1:ポリチオール化合物の製造(溶解度の差により成分が制御されたNa
2S・9H
2Oを利用))
Na
2S・9H
2Oを主成分とする組成物500gを容器に詰めて、水とメタノールとが7:3(体積比)の割合で混合された溶液500mLを20℃以下で投入した後、激しく撹拌した。次いで、フィルタを用いて洗浄することにより、前記組成物内に存在する金属多硫化物(Na
2S
2)などを除去した。前記過程を5回繰り返した後に組成物内の成分を分析し、目標に到達しない場合は、前記過程を2回〜3回さらに繰り返した。
【0101】
次に、成分が制御された組成物(Na
2S・9H
2Oが95重量%以上)を用いて、前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。このとき、前記成分が制御された組成物と水とを1:2(重量比)の割合で混合し、50℃で1時間以上撹拌して、充分に溶解させて得られた水溶液を、反応器に徐々に滴下した。また、前記水溶液の投入時に反応器内部の温度が10℃を維持し、最高15℃を超えないように、投入量及び投入速度を調節した。
【0102】
(実施例2:ポリチオール化合物の製造(溶解度の差により成分が制御されたK
2Sを利用))
K
2Sを主成分とする組成物について、実施例1と同様の方法で成分を制御した後、これを利用して前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0103】
(実施例3:ポリチオール化合物の製造(溶解度の差により成分が制御されたMnSを利用))
MnSを主成分とする組成物について、実施例1と同様の方法で成分を制御した後、これを利用して前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0104】
(実施例4:ポリチオール化合物の製造(溶解度の差により成分が制御されたCaSを利用))
CaSを主成分とする組成物について、実施例1と同様の方法で成分を制御した後、これを利用して前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0105】
(実施例5:ポリチオール化合物の製造(溶解度の差により成分が制御された(MgBr)
2Sを利用))
(MgBr)
2Sを主成分とする組成物について、実施例1と同様の方法で成分を制御した後、これを利用して前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0106】
(実施例6:ポリチオール化合物の製造(融点の差により成分が制御されたNa
2S・9H
2Oを利用))
Na
2S・9H
2Oを主成分とする組成物500gを容器に詰めて、温度を120℃まで上昇させて充分に溶解させた後、固相に析出した物質をフィルタでろ過した。次いで、液状の組成物の温度を60℃まで徐々に低下させながら、固相に析出される物質をさらにフィルタでろ過した。組成物の温度をNa
2S・9H
2Oの融点である50℃まで低下させて急激な固相化を行い、20℃までさらに温度を低下させた後、依然として液状で存在する物質を除去して、成分が制御された組成物(Na
2S・9H
2Oが95重量%以上)を得た。前記成分が制御された組成物を用いて前記製造例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。
【0107】
<製造例2:光学レンズの製造>
前記製造例1で得られたポリチオール化合物481.5g、キシレンジイソシアネート503.5g、硬化触媒としてジブチルスズジクロリド0.15g、及び内部離型剤としてZelec(登録商標)UN(Stepan社製)0.80gを均一に混合して、重合性組成物を調製した。
【0108】
前記重合性組成物について、窒素ガス雰囲気で30分間減圧撹拌を行い、気泡を除去して、孔径3μmのテフロン(登録商標)フィルタでろ過した。
【0109】
ろ過された重合性組成物を、粘着テープで組み立てられたガラス金型に、窒素ガス圧力を用いて注入した。重合性組成物が注入されたガラス金型を強制循環式オーブンに入れ、25℃から120℃まで5℃/分の速度で昇温させ、120℃で18時間重合させた。次いで、重合された樹脂を130℃で4時間さらに硬化し、ガラス金型から硬化物を離型させて、中心厚さが約1.2mmの光学レンズを得た。
【0110】
<試験方法>
以上で製造されたポリチオール化合物及び光学レンズについて、以下の方法で試験を行った。
【0111】
(1)金属硫化物組成物内の成分分析
前記比較例及び実施例で使用された金属硫化物組成物内の金属単硫化物の含有量をヨウ素滴定法により分析した。具体的には、1%組成物水溶液25mLに1%デンプン水溶液0.2mLを投入して、充分に撹拌した。その後、0.1N(0.05M)ヨウ素溶液を少量投入して色の変化を観察しながら、薄紫色に変化するところを終点とした。ここで、滴定に使用されたヨウ素溶液の量、組成物の重量、ブランク(blank)滴定に使用されたヨウ素溶液の量などを測定し、金属硫化物組成物内の金属単硫化物の含有量(重量%)を算出した。
【0112】
(2)ポリチオール化合物の純度
金属多硫化物と、アンモニウム塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化ヨウ素などとから生成される副反応物は、その分子量において差を有するので、ポリチオール化合物試料をゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で透過させる際、主成分であるポリチオール化合物よりも溶出時間が短い成分、又はポリチオール化合物よりも溶出時間が長い成分を除いた含有量から、ポリチオール化合物の純度(%)を算出した。
【0113】
(3)ポリチオール化合物の色相(b
*値)
UV−Vis分光光度計(Lambda−365、Perkin Elmer社製)を用い、ポリチオール化合物試料の色相を測定した。具体的には、石英セル(10mm×10mm)及び光源D65/10°を使用して、380nm〜780nmの波長範囲で、1nmの間隔で色相を測定し、b
*値を求めた。
【0114】
(4)ポリチオール化合物の粘度
粘度計(DV3T、Brookfeild社製)を用い、CP−51(cone type)及び10.0RPMの条件で、ポリチオール化合物試料の粘度(cP)を測定した。
【0115】
(5)屈折率及びアッベ数
アッベ屈折計(DR−M4モデル、Atago社製)を用い、20℃における、光学レンズの屈折率及びアッベ数を測定した。
【0116】
(6)黄色度(YI)
光学レンズについて、色彩色差計(Colormate、Scinco社)を用いて色度座標x及びyを測定した後、測定値x及びyを下記数式1に適用して、黄色度(YI)を算出した。
[数式1]
YI=(234x+106y+106)/y
【0117】
(7)ガラス転移温度(Tg)
熱機械分析装置(TMA Q400、TA instruments社製)を用いたペネトレーション法(荷重:50g、ピン端:0.5mmφ、加熱速度:10℃/min)にて、光学レンズのガラス転移温度(Tg(℃))を測定した。
【0118】
(8)脈理
光学レンズ100枚を水銀ランプ下において肉眼で観察し、不均一相が確認された光学レンズは脈理があるものとして分類して、そのパーセンテージ(脈理の発生率)を算出した。その結果、脈理の発生率が5%未満である場合を良好と判定し、5%以上の場合を不良と判定した。
【0119】
<試験例1:金属硫化物組成物の成分制御の有無によるポリチオール化合物の評価>
前記比較例1〜5及び実施例1〜5で使用された金属硫化物組成物内の成分を分析し、金属単硫化物の含有量を下記表1に示した。
【0120】
また、前記比較例1〜5及び実施例1〜5で製造されたポリチオール化合物の純度及び色相を求め、下記表1に併せて示した。
【0121】
【表1】
【0122】
前記表1に示すように、金属硫化物組成物を別途処理することなく使用した比較例1〜5に比べて、溶解度又は融点の差を利用して成分を制御した金属硫化物組成物を使用した実施例1〜5では、ポリチオール化合物の純度及び色相が大幅に改善された。
【0123】
<試験例2:金属硫化物組成物の成分制御の有無による光学レンズの評価>
前記比較例1及び実施例1で製造されたポリチオール化合物を用いて、前記製造例2の手順に従って光学レンズを製造した。
【0124】
次いで、製造された光学レンズについて、脈理、ガラス転移温度(Tg)、及び黄色度(YI)を評価し、下記表2に示した。
【0125】
【表2】
【0126】
前記表2に示すように、金属硫化物組成物を別途処理することなく使用した比較例1に比べて、溶解度の差を利用して成分を制御した金属硫化物組成物を使用した実施例1では、最終的光学レンズの脈理、ガラス転移温度、及び黄色度が大幅に改善された。
【0127】
<試験例3:金属硫化物組成物の投入温度によるポリチオール化合物及び光学レンズの評価>
金属硫化物組成物を反応器に投入する温度を、10℃、20℃、30℃、又は40℃に変化させた(実施例1A、1B、1C、又は1D)以外は、前記実施例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。次いで、これらポリチオール化合物の粘度、純度、及び色相を測定し、下記表3に示した。
【0128】
また、これら実施例1A〜1Dのポリチオール化合物を用いて、前記製造例2の手順に従って光学レンズを製造した。次いで、これら光学レンズの脈理、ガラス転移温度(Tg)、及び黄色度(YI)を評価し、下記表3に併せて示した。
【0129】
【表3】
【0130】
前記表3に示すように、金属硫化物組成物の投入温度を10℃に維持した場合に、製造されたポリチオール化合物の物性だけでなく、最終的光学レンズの物性も最も優れていた。
【0131】
<試験例4:金属硫化物組成物の保管温度によるポリチオール化合物及び光学レンズの評価>
成分が制御された金属硫化物組成物を、20℃、30℃、40℃、又は50℃の温度で1ヶ月間保管した後、反応器に投入した(実施例1E、1F、1G、又は1H)以外は、前記実施例1の手順に従ってポリチオール化合物を製造した。次いで、これらポリチオール化合物の粘度、純度、及び色相を測定し、下記表4に示した。
【0132】
また、これら実施例1E〜1Hのポリチオール化合物を用いて、前記製造例2の手順に従って光学レンズを製造した。次いで、これら光学レンズの脈理、ガラス転移温度(Tg)、及び黄色度(YI)を評価し、下記表4に併せて示した。
【0133】
【表4】
【0134】
前記表4に示すように、金属硫化物組成物の保管温度を20℃に維持した場合に、製造されたポリチオール化合物の物性だけでなく、最終的光学レンズの物性も最も優れていた。