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特許6518973義足に関する情報を提供するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6518973
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】義足に関する情報を提供するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20190520BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20190520BHJP
【FI】
   G06Q30/06 330
   G16H20/00
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-168769(P2018-168769)
(22)【出願日】2018年9月10日
【審査請求日】2018年9月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518322780
【氏名又は名称】ゲイトアシスト合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 文紀
(72)【発明者】
【氏名】富永 修一
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0255160(US,A1)
【文献】 国際公開第01/077910(WO,A1)
【文献】 特開2006−255199(JP,A)
【文献】 特開2002−297782(JP,A)
【文献】 特表2007−526028(JP,A)
【文献】 特開2013−210699(JP,A)
【文献】 特開2012−099078(JP,A)
【文献】 北村泰彦,“インターネットエージェント知的情報検索と自動情報配信”,bit,日本,共立出版株式会社,1999年 2月 1日,第31巻, 第2号,pp.7〜14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
義足に関する情報を提供するための装置であって、
複数の義足ユーザの各々に関する義足ユーザ情報であって、使用する義足に関する使用義足情報を含む前記義足ユーザ情報を少なくとも記憶する情報記憶部と、
特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報受付部と、
前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記情報記憶部に記憶されている他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を出力する推奨情報出力部と、を備え、
前記使用義足情報は、使用する義足を構成する複数の部品に関する義足部品情報を含み、
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに類似する前記他の義足ユーザである1又は複数の類似ユーザを特定し、特定した前記1又は複数の類似ユーザの少なくとも一部が使用する義足の前記義足部品情報を、前記推奨義足情報の少なくとも一部として出力するように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報受付部は、受け付けた前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を前記情報記憶部に登録するように構成されている、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記義足ユーザ情報は、前記使用義足情報に加えて、身体的な特徴に関する身体情報と、足の切断態様に関する切断情報と、運動習慣に関する行動情報と、を含み、
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報に含まれる前記身体情報、前記切断情報、及び、前記行動情報の各々に値が入力されていることを必要条件として、前記推奨義足情報を出力するように構成されている、
請求項1又は2の装置。
【請求項4】
前記義足ユーザ情報は、前記使用義足情報に加えて、身体的な特徴に関する身体情報と、足の切断態様に関する切断情報と、運動習慣に関する行動情報と、切断後の足の断端に関する断端情報と、を含み、
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報に含まれる前記身体情報、前記切断情報、前記行動情報、及び、前記断端情報の各々に値が入力されていることを必要条件として、前記推奨義足情報を出力するように構成されている、
請求項1又は2の装置。
【請求項5】
前記義足ユーザ情報は、複数のデータ項目によって構成されており、
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目のうち値が入力されているデータ項目の数が多いほど価値が高い前記推奨義足情報を出力するように構成されている、
請求項1ないし4何れかの装置。
【請求項6】
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目の第1の範囲に値が入力されている場合には第1の推奨義足情報を出力する一方、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目の前記第1の範囲よりも広い第2の範囲に値が入力されている場合には前記第1の推奨義足情報よりも情報量が多い第2の推奨義足情報を出力するように構成されている、
請求項5の装置。
【請求項7】
前記義足ユーザ情報は、使用する義足の製作に関する製作情報を含み、
前記推奨情報出力部は、特定した前記1又は複数の類似ユーザの少なくとも一部が使用する義足の前記製作情報を前記推奨義足情報の少なくとも一部として出力するように構成されている、
請求項1ないし6何れかの装置。
【請求項8】
前記義足ユーザ情報は、切断後の足の断端に関する断端情報を含み、
前記ユーザ情報受付部は、前記特定の義足ユーザの足の断端の画像の入力を受け付けて、前記断端の画像に基づいて前記断端情報の少なくとも一部を判定するように構成されている、
請求項1ないし何れかの装置。
【請求項9】
前記義足ユーザ情報は、運動習慣に関する行動情報を含み、
前記ユーザ情報受付部は、前記特定の義足ユーザの生体センサの出力データの入力を受け付けて、前記生体センサの出力データに基づいて前記行動情報の少なくとも一部を判定するように構成されている、
請求項1ないし何れかの装置。
【請求項10】
情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能な1又は複数のコンピュータによって実行され、義足に関する情報を提供するための方法であって、
前記情報記憶部は、複数の義足ユーザの各々に関する義足ユーザ情報であって、使用する義足に関する使用義足情報を含む前記義足ユーザ情報を少なくとも記憶するように構成されており、
前記方法は、
特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報の入力を受け付けるステップと、
前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記情報記憶部に記憶されている他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を出力するステップと、を備え、
前記使用義足情報は、使用する義足を構成する複数の部品に関する義足部品情報を含み、
前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに類似する前記他の義足ユーザである1又は複数の類似ユーザを特定し、特定した前記1又は複数の類似ユーザの少なくとも一部が使用する義足の前記義足部品情報を、前記推奨義足情報の少なくとも一部として出力するように構成されている、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、義足に関する情報を提供するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地域別に義肢製作所情報を紹介するウェブサイトが提供されている(例えば、下記非特許文献1を参照)。また、同様に、義足情報を紹介するウェブサイトも存在する。義足ユーザは、例えば、自身の居住エリアに存在する義肢製作所を検索し、検索した義肢製作所のスタッフに相談することによって、又は、ウェブサイトを介した情報収集によって、自身に適した義足に関する情報を収集している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"義肢製作所情報"、[online]、Association for Technical Aids, Inc.、[平成30年8月29日検索]、インターネット<URL: https://www4.techno-aids.or.jp/gishiidx.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のウェブサイトは、単なる情報提供に留まっているため、ユーザにとって使いやすいものとは言えなかった。例えば、従来のウェブサイトでは、ユーザが、義足に関するある程度の前提知識を保有していないと、自身にとって適切な義足に関する情報に辿り着くのが難しい。
【0005】
本発明は、義足に関する情報のユーザへの提供を支援することを目的の一つとする。本発明の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る装置は、義足に関する情報を提供するための装置であって、複数の義足ユーザの各々に関する義足ユーザ情報であって、使用する義足に関する使用義足情報を含む前記義足ユーザ情報を少なくとも記憶する情報記憶部と、特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報受付部と、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記情報記憶部に記憶されている他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を出力する推奨情報出力部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、他の義足ユーザが使用する義足に関する情報を含む義足ユーザ情報に基づいて特定の義足ユーザに対する推奨義足情報を出力することができ、この結果、義足ユーザに対する適切な情報提供が支援される。
【0008】
また、上記装置において、前記ユーザ情報受付部は、受け付けた前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を前記情報記憶部に登録するように構成されている、ようにしても良い。こうすれば、推奨義足情報を得るために入力された義足ユーザ情報を登録することができ、この結果、記憶される義足ユーザ情報が充実し、提供する情報の品質が向上し得る。
【0009】
また、上記装置において、前記義足ユーザ情報は、前記使用義足情報に加えて、身体的な特徴に関する身体情報と、足の切断態様に関する切断情報と、運動習慣に関する行動情報と、を含み、前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報に含まれる前記身体情報、前記切断情報、及び、前記行動情報の各々に値が入力されていることを必要条件として、前記推奨義足情報を出力するように構成されている、ようにしても良い。こうすれば、身体情報、切断情報、及び、行動情報を必須の入力項目として推奨義足情報を出力することができる。なお、身体情報、切断情報、及び、行動情報に加えて、切断後の足の断端に関する断端情報を必須の入力項目としても良い。
【0010】
また、上記装置において、前記義足ユーザ情報は、複数のデータ項目によって構成されており、前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目のうち値が入力されているデータ項目の数が多いほど価値が高い前記推奨義足情報を出力するように構成されている、ようにしても良い。例えば、前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目の第1の範囲に値が入力されている場合には第1の推奨義足情報を出力する一方、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報を構成する前記複数のデータ項目の前記第1の範囲よりも広い第2の範囲に値が入力されている場合には前記第1の推奨義足情報よりも情報量が多い第2の推奨義足情報を出力するように構成されている、ようにしても良い。こうすれば、義足ユーザ等に対して多くの情報の入力を促すことができ、この結果、義足ユーザ情報が充実し、提供する情報の品質が向上し得る。
【0011】
また、上記装置において、前記推奨情報出力部は、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに類似する前記他の義足ユーザである1又は複数の類似ユーザを特定し、特定した前記1又は複数の類似ユーザの少なくとも一部が使用する義足に関する情報を前記推奨義足情報の少なくとも一部として出力するように構成されている、ようにしても良い。こうすれば、特定の義足ユーザに類似する他の義足ユーザが使用する義足に関する情報を当該特定の義足ユーザに容易に提供することができる。
【0012】
この場合、前記義足ユーザ情報は、使用する義足の製作に関する製作情報を含み、前記推奨情報出力部は、特定した前記1又は複数の類似ユーザの少なくとも一部が使用する義足の前記製作情報を前記推奨義足情報の少なくとも一部として出力するように構成されている、ようにしても良い。製作情報は、例えば、義肢製作所に関する情報、及び、義肢装具士に関する情報を含む。こうすれば、特定の義足ユーザに類似する他の義足ユーザが使用する義足の製作に関する情報を当該特定の義足ユーザに容易に提供することができる。
【0013】
また、上記装置において、前記義足ユーザ情報は、切断後の足の断端に関する断端情報を含み、前記ユーザ情報受付部は、前記特定の義足ユーザの足の断端の画像の入力を受け付けて、前記断端の画像に基づいて前記断端情報の少なくとも一部を判定するように構成されている、ようにしても良い。足の断端の画像は、例えば、カメラ又は3Dスキャナ等を介して得られる。こうすれば、義足ユーザによる断端情報の入力負荷が軽減されると共に、当該断端情報の入力精度が向上し得る。
【0014】
また、上記装置において、前記義足ユーザ情報は、運動習慣に関する行動情報を含み、前記ユーザ情報受付部は、前記特定の義足ユーザの生体センサの出力データの入力を受け付けて、前記生体センサの出力データに基づいて前記行動情報の少なくとも一部を判定するように構成されている、ようにしても良い。生体センサは、例えば、モーションセンサ、血圧センサ、加速度センサ等の様々なセンサを含む。こうすれば、義足ユーザによる行動情報の入力負荷が軽減されると共に、当該行動情報の入力精度が向上し得る。
【0015】
本発明の一実施形態に係る方法は、情報を記憶する情報記憶部にアクセス可能な1又は複数のコンピュータによって実行され、義足に関する情報を提供するための方法であって、前記情報記憶部は、複数の義足ユーザの各々に関する義足ユーザ情報であって、使用する義足に関する使用義足情報を含む前記義足ユーザ情報を少なくとも記憶するように構成されており、前記方法は、特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報の入力を受け付けるステップと、前記特定の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、前記情報記憶部に記憶されている他の義足ユーザの前記義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、前記特定の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を出力するステップと、を備える。
【0016】
この構成によれば、他の義足ユーザが使用する義足に関する情報を含む義足ユーザ情報に基づいて特定の義足ユーザに対する推奨義足情報を出力することができ、この結果、義足ユーザに対する適切な情報提供が支援される。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、義足に関する情報のユーザへの提供を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る義足情報提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
図2】義足ユーザ管理テーブル151において管理される情報を例示する図。
図3】義肢製作所管理テーブル152において管理される情報を例示する図。
図4】義足部品管理テーブル153において管理される情報を例示する図。
図5】トップメニュー画面40を例示する図。
図6】身体情報入力画面50を例示する図。
図7】切断情報入力画面60を例示する図。
図8】行動情報入力画面70を例示する図。
図9】中間メニュー画面80を例示する図。
図10】断端情報(1)入力画面90Aを例示する図。
図11】断端情報(1)入力画面90Bを例示する図。
図12】断端情報(2)入力画面100Aを例示する図。
図13】断端情報(2)入力画面100Bを例示する図。
図14】断端情報(3)入力画面110を例示する図。
図15】義足情報提供サーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
図16】推奨義足情報出力画面120を例示する図。
図17】対象の義足ユーザの入力(登録)情報の範囲と推奨義足情報出力画面120において出力される情報の範囲との対応関係を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る義足情報提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワークNWを介してユーザ端末20と通信可能に接続されている。図1においては、1つのユーザ端末20のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末20と通信可能に接続されている。サーバ10は、ユーザ端末20のユーザ(義足ユーザ又は義肢製作所のスタッフ等)に対して義足情報提供サービス(義足情報プラットフォーム)を提供する。サーバ10は、本発明の装置の一部又は全部の実装例である。
【0021】
サーバ10は、一般的なコンピュータとしての構成を有する。具体的には、サーバ10は、図1に示すように、CPU及びGPU等として構成されるコンピュータプロセッサ11と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ12と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力インタフェース13と、有線又は無線の通信を制御する通信インタフェース14と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ(情報記憶部)15と、を備える。コンピュータプロセッサ11は、ストレージ15に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行する。
【0022】
入出力インタフェース13は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、及びディスプレイ等の画像出力装置を含む。通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0023】
ストレージ15は、義足情報提供サービスに関する様々な情報を記憶する。ストレージ15は、例えば、図1に示すように、義足を使用する義足ユーザに関する情報を管理する義足ユーザ管理テーブル151と、義足を製作する義肢製作所に関する情報を管理する義肢製作所管理テーブル152と、義足を構成する義足部品に関する情報を管理する義足部品管理テーブル153とを有する。なお、これらの情報は、サーバ10以外の他の装置において管理され得る。
【0024】
図2は、義足ユーザ管理テーブル151において管理される情報(情報分類及びデータ項目)を例示する。義足ユーザ管理テーブル151は、個別の義足ユーザに関する情報を管理し、図示するように、身体的な特徴に関する「身体情報」、足の切断態様に関する「切断情報」、切断後の足の断端に関する「断端情報」、運動習慣に関する「行動情報」、使用する義足に関する「使用義足情報」、使用する義足の製作に関する「製作情報」、及び「個人情報」等の情報を管理する。これらの情報は、義足ユーザ、又は、義肢製作所のスタッフ等によって提供される。
【0025】
身体情報は、「性別」、「身長」、「体重」等のデータ項目を含む。切断情報は、「切断(義足)種別」、「切断理由」、「切断年月日」、「利用保険制度」等のデータ項目を含む。断端情報は、「断端長」、「断端周径」、「断端形状」、「断端末の耐圧性」、「断端末の皮下組織」等のデータ項目を含む。行動情報は、「運動頻度」、「平均運動時間」、「平均歩行量」等のデータ項目を含む。使用義足情報は、「足部部品ID」、「ソケットタイプ」、「ライナー部品ID」、「継手部品ID」「足部部品満足度」、「ソケット満足度」、「ライナー部品満足度」、「継手部品満足度」等のデータ項目を含む。製作情報は、「製作日」、「義肢製作所ID」、「義肢装具士ID」、「義肢製作所満足度」、「義肢装具士満足度」等のデータ項目を含む。個人情報は、「ユーザID」、「パスワード」、「氏名」、「住所」等のデータ項目を含む。
【0026】
なお、使用義足情報における継手部品に関する情報は、義足の種別に応じて複数の部品(股継手、膝継手、及び、足継手)に関する情報が管理される。
【0027】
本実施形態では、義足ユーザ管理テーブル151は、1つの義足(例えば、メインで使用している義足)に関する使用義足情報を管理するが、本発明の他の実施形態では、義足ユーザ管理テーブル151は、複数の義足に対応する複数の使用義足情報を管理し得る。この場合、複数の義足に対応するように、同様に、複数の製作情報が管理される。
【0028】
図3は、義肢製作所管理テーブル152において管理される情報(情報分類及びデータ項目)を例示する。義肢製作所管理テーブル152は、個別の義肢製作所に関する情報を管理し、図示するように、「基本情報」、在籍する義肢装具士に関する情報である「義肢装具士情報」等の情報を管理する。これらの情報は、義肢製作所のスタッフ等によって提供される。基本情報は、「義肢製作所ID」、「製作所名」、「所在地住所」、「内外観情報」、「ニュース(トピックス)」等のデータ項目を含む。義肢装具士情報は、「義肢装具士ID」、「義肢装具士名」等のデータ項目を含む。
【0029】
図4は、義足部品管理テーブル153において管理される情報(情報分類及びデータ項目)を例示する。義足部品管理テーブル153は、個別の義足部品に関する情報を管理し、図示するように、「基本情報」等の情報を管理する。これらの情報は、義足部品のメーカー等によって提供される。基本情報は、「部品ID」、「部品名」、「部品種類」、「価格」、「活動性」等のデータ項目を含む。部品種類は、「足部部品」、「ライナー部品」、「継手部品」の何れかに対応する値が設定される。
【0030】
本実施形態において、サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0031】
このように構成されたサーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、ユーザ端末20にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーション(例えば、義足情報提供サービス用のアプリケーション)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ等)及び制御データ等をユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示される。
【0032】
ユーザ端末20は、一般的なコンピュータとしての構成を有する。具体的には、ユーザ端末20は、図1に示すように、CPU及びGPU等として構成されるコンピュータプロセッサ21と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ22と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力インタフェース23と、有線又は無線の通信を制御する通信インタフェース24と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ25とを備える。コンピュータプロセッサ21は、ストレージ25に記憶されているプログラムをメインメモリ22に読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行する。
【0033】
入出力インタフェース23は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。通信I/F24は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0034】
ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、又はウェアラブルデバイス等として構成される。ユーザ端末20は、ストレージ25等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーション(例えば、義足情報提供サービス用のアプリケーション)を介したサーバ10との間の通信を伴って各種の画面を表示する。ユーザ端末20のユーザは、当該画面を介して、サーバ10が提供する義足情報提供サービスを利用することができる。
【0035】
次に、本実施形態の義足情報提供サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10は、ストレージ15等に記憶されているプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって、図1に示すように、ユーザ情報受付部111、及び、推奨情報出力部112として機能する。これらの機能の一部又は全部は、サーバ10と、ユーザ端末20又はその他の装置とが協働することによって実現され得る。
【0036】
ユーザ情報受付部111は、義足ユーザ情報の受付に関する様々な処理を実行する。例えば、ユーザ情報受付部111は、義足ユーザ情報を入力するための画面の画面データ等をユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20のユーザ(義足ユーザ、又は、義肢製作所のスタッフ等)によって当該画面を介して入力された義足ユーザ情報を受け付けるように構成されている。
【0037】
推奨情報出力部112は、義足ユーザに対する推奨情報の出力に関する様々な処理を実行する。例えば、推奨情報出力部112は、対象の義足ユーザの義足ユーザ情報と、義足ユーザ管理テーブル151において管理されている他の義足ユーザの義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、当該対象の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を生成し、生成した推奨義足情報を含む画面の画面データ等を、当該対象の義足ユーザのユーザ端末20に送信するように構成されている。
【0038】
次に、本実施形態の義足情報提供サーバ10の具体的な動作例について説明する。図5は、ユーザ端末20において表示されるトップメニュー画面40を例示する。当該画面40は、図示するように、「ユーザ情報入力」と表示された第1メニューボタン42と、「推奨情報出力」と表示された第2メニューボタン44とを有する。
【0039】
第1メニューボタン42は、義足ユーザ情報を入力するためのオブジェクトである。推奨義足情報を得ようとするユーザ(対象の義足ユーザ自身、又は、当該対象の義足ユーザが義足の製作を依頼する義肢製作所のスタッフ(義肢装具士等)等)は、まず、対象の義足ユーザに関する情報を入力する必要がある。
【0040】
トップメニュー画面40の第1メニューボタン42が選択されると、図6に例示する身体情報入力画面50が表示される。当該画面50は、義足ユーザ管理テーブル151の身体情報に対応する情報を入力するための画面である。
【0041】
具体的には、身体情報入力画面50は、図6に示すように、義足ユーザの身長、体重、及び性別を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン52を有する。当該画面50において入力可能な身体情報は、推奨義足情報を得るために入力が必須な入力必須項目であり、続行ボタン52は、これらの情報の何れかが未入力の状態では選択不可能であり、これらの情報の全てが入力された状態で選択可能となるように構成されている。
【0042】
身体情報入力画面50の続行ボタン52が選択されると、図7に例示する切断情報入力画面60が表示される。当該画面60は、義足ユーザ管理テーブル151の切断情報に対応する情報を入力するための画面である。
【0043】
具体的には、切断情報入力画面60は、図7に示すように、切断(義足)種別、切断年月日、切断理由、利用保険制度を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン62を有する。切断(義足)種別は、「足部切断」、「サイム切断」、「下腿切断」、「膝関節離断」、「大腿切断」、「股関節離断」、及び「片側骨盤切断」の何れかが選択される。切断理由は、「事故」、「疾病」、「先天的、出産時要因」、「糖尿病」、「その他」の何れかが選択される。利用保険制度は、「労災保険」、「障害者総合支援法」の何れかが選択される。当該画面60において入力可能な切断情報は、上述した身体情報と同様に、推奨義足情報を得るために入力が必須な入力必須項目であり、続行ボタン62は、これらの情報の何れかが未入力の状態では選択不可能であり、これらの情報の全てが入力された状態で選択可能となるように構成されている。
【0044】
切断情報入力画面60の続行ボタン62が選択されると、図8に例示する行動情報入力画面70が表示される。当該画面70は、義足ユーザ管理テーブル151の行動情報に対応する情報を入力するための画面である。
【0045】
具体的には、行動情報入力画面70は、図8に示すように、運動頻度(週何回くらい運動するか)、平均運動時間(1回あたりの運動時間)、平均歩行量(1日あたりの平均歩行数)を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン72を有する。当該画面70において入力可能な行動情報は、上述した身体情報及び切断情報と同様に、推奨義足情報を得るために入力が必須な入力必須項目であり、続行ボタン72は、これらの情報の何れかが未入力の状態では選択不可能であり、これらの情報の全てが入力された状態で選択可能となるように構成されている。
【0046】
行動情報入力画面70の続行ボタン72が選択されると、図9に例示する中間メニュー画面80が表示される。当該画面80は、図示するように、「断端情報の入力」と表示された第1メニューボタン82と、「使用義足・製作情報の入力」と表示された第2メニューボタン84と、「推奨義足情報を出力する」と表示された第3メニューボタン86とを有する。
【0047】
第1メニューボタン82は、義足ユーザ管理テーブル151の断端情報に対応する情報を入力するためのオブジェクトであり、第2メニューボタン84は、義足ユーザ管理テーブル151の使用義足情報及び製作情報に対応する情報を入力するためのオブジェクトである。これらの情報は、推奨義足情報を得るために入力が任意である入力任意項目であるが、後述するように、これらの入力任意項目を入力すると、入力しない場合と比較して、出力される推奨義足情報の情報量が増加する。
【0048】
図10は、中間メニュー画面80の第1メニューボタン82の選択に応じて表示される断端情報(1)入力画面90Aを例示する。当該画面90Aは、切断(義足)種別が「下腿切断」である義足ユーザの断端長を入力するための画面である。
【0049】
断端情報(1)入力画面90Aは、図10に示すように、断端長を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン92Aを有する。また、当該画面90Aは、切断(義足)種別が下腿切断である義足ユーザに対応する画面であるから、断端長として、「膝皿の下から断端の先までの長さ」を入力すべき旨の説明がイラストと共に表示されている。
【0050】
図11は、図10に例示した断端情報(1)入力画面90Aと同様に、中間メニュー画面80の第1メニューボタン82の選択に応じて表示される断端情報(1)入力画面90Bを例示する。当該画面90Bは、切断(義足)種別が「大腿切断」である義足ユーザの断端長を入力するための画面であり、図示するように、断端長を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン92Bを有する。当該画面90Bは、切断(義足)種別が大腿切断である義足ユーザに対応する画面であるから、断端長として、「尻骨の下から断端の先までの長さ」を入力すべき旨の説明がイラストと共に表示されている。
【0051】
このように、断端長を入力するための断端情報(1)入力画面は、切断(義足)種別毎に異なるレイアウトの画面として構成されている。なお、下腿切断、及び、大腿切断以外の切断(義足)種別の値に対応する断端情報(1)入力画面についても、同様に、入力すべき断端長に関する説明がイラストと共に表示される。
【0052】
図12は、図10に例示した断端情報(1)入力画面90Aの続行ボタン92Aの選択に応じて表示される断端情報(2)入力画面100Aを例示する。当該画面100Aは、切断(義足)種別が「下腿切断」である義足ユーザの断端周径を入力するための画面である。
【0053】
断端情報(2)入力画面100Aは、図12に示すように、断端周径を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン102Aを有する。また、当該画面100Aは、切断(義足)種別が下腿切断である義足ユーザに対応する画面であるから、断端周径として、「膝皿の下から所定の長さ(この例では15cm)毎の断端周径」を入力すべき旨の説明がイラストと共に表示されている。
【0054】
図13は、図11に例示した断端情報(1)入力画面90Bの続行ボタン92Bの選択に応じて表示される断端情報(2)入力画面100Bを例示する。当該画面100Bは、切断(義足)種別が「大腿切断」である義足ユーザの断端周径を入力するための画面である。
【0055】
断端情報(2)入力画面100Bは、図13に示すように、断端周径を入力できるように構成されており、「次へ」と表示された続行ボタン102Bを有する。また、当該画面100Bは、切断(義足)種別が大腿切断である義足ユーザに対応する画面であるから、断端周径として、「尻骨の下から所定の長さ(この例では15cm)毎の断端周径」を入力すべき旨の説明がイラストと共に表示されている。
【0056】
このように、断端周径を入力するための断端情報(2)入力画面もまた、上述した断端情報(1)入力画面と同様に、切断(義足)種別毎に異なるレイアウトの画面として構成されている。なお、下腿切断、及び、大腿切断以外の切断(義足)種別の値に対応する断端情報(2)入力画面についても、同様に、入力すべき断端周径に関する説明がイラストと共に表示される。
【0057】
図14は、図12に例示した断端情報(2)入力画面100Aの続行ボタン102A、及び、図13に例示した断端情報(2)入力画面100Bの続行ボタン102B等の、断端周径を入力するための断端情報(2)入力画面の続行ボタンの選択に応じて表示される断端情報(3)入力画面110を例示する。当該画面110は、図示するように、断端形状、断端末の耐圧性、断端末の皮下組織を入力できるように構成されており、「次へ(中間メニューへ)」と表示された続行ボタン112を有する。これらの情報を入力するための断端情報(3)入力画面は、切断(義足)種別の値にかかわらず、同様の画面として構成されている。
【0058】
断端形状は、「円柱状」、「円錐状」、及び「球根状」の何れかが選択される。なお、これらの選択肢の下側には、対応するサンプル画像(写真又はイラスト)が配置されている。断端末の耐圧性(衝撃の吸収性)は、「良い」、「中」、及び「悪い」の何れかが選択される。断端末の皮下組織は、「厚い」、「中」、及び「薄い」の何れかが選択される。断端情報(3)入力画面110の続行ボタン112が選択されると、図9に例示した中間メニュー画面80が再び表示される。
【0059】
中間メニュー画面80の第2メニューボタン84が選択されると、義足ユーザ管理テーブル151の使用義足情報及び製作情報に対応する情報を入力するための画面が表示され、ユーザ端末20のユーザは、当該画面を介して、使用義足情報(足部部品ID、ソケットタイプ、ライナー部品ID、継手部品ID、足部部品満足度、ソケット満足度、ライナー部品満足度、継手部品満足度)及び製作情報(製作日、義肢製作所ID、義肢装具士情報、義肢製作所満足度、義肢装具士満足度)を入力することができる。
【0060】
中間メニュー画面80の第3メニューボタン86は、推奨義足情報を出力するためのオブジェクトである。図9に示すように、第3メニューボタン86の下側には、「会員登録して、次回から入力を省略する。」と付記されたチェックボックス861が配置されている。会員登録は、これまでに入力した情報の義足ユーザ管理テーブル151への登録を伴う。対象の義足ユーザ等は、会員登録を希望する場合、チェックボックス861をチェックした状態で第3メニューボタン86を選択する。
【0061】
図15は、第3メニューボタン86の選択に応じて、サーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。第3メニューボタン86が選択されると、サーバ10は、まず、図示するように、会員登録希望の有無(チェックボックス861のチェックの有無)を判定し(ステップS100)、会員登録希望がある場合には(ステップS100においてYES)、会員登録を実行する(ステップS105)。具体的には、個人情報(ユーザID、パスワード、氏名、住所)を入力するための画面が表示され、当該画面を介した個人情報の入力が行われると共に、当該個人情報以外の入力済みの義足ユーザ情報(身体情報、切断情報、断端情報、行動情報、義足情報、製作情報)が義足ユーザ管理テーブル151に登録される。
【0062】
会員登録が実行され、又は、ステップS100において会員登録希望がない場合には(ステップS100においてNO)、次に、サーバ10は、対象の義足ユーザに類似する他の義足ユーザを特定する(ステップS110)。具体的には、義足ユーザ情報を構成する各情報(具体的には、身体情報、切断情報、断端情報、行動情報、義足情報、製作情報)の比較に基づいて、対象の義足ユーザと、義足ユーザ管理テーブル151において義足ユーザ情報が管理されている複数の他の義足ユーザの各々との間の類似度を判定し、当該類似度の値が所定値以上である他の義足ユーザを、対象の義足ユーザに類似する他の義足ユーザ(以下、「類似ユーザ」と言うことがある。)として特定する。類似度の判定(演算)は、様々なルールを適用して実現され得る。
【0063】
こうして類似ユーザを特定すると、次に、サーバ10は、類似ユーザの使用義足情報及び製作情報に基づいて推奨義足情報を出力する(ステップS120)。具体的には、推奨義足情報を含む画面が、ユーザ端末20において表示される。
【0064】
図16は、推奨義足情報を含む推奨義足情報出力画面120を例示する。当該画面120は、図示するように、類似ユーザが使用する義足を一覧表示する一覧表示領域122と、類似ユーザが最も多く使用する義足の詳細を個別に表示する第1個別表示領域124と、類似ユーザの満足度が最も高い義足情報及び製作情報の詳細を個別に表示する第2個別表示領域126とを有する。
【0065】
一覧表示領域122は、図16に示すように、1又は複数の類似ユーザの使用義足情報、製作情報、及び、満足度情報を一覧表示する。一覧表示領域122における使用義足情報は、セットID、足部部品(部品名、活動性、価格)、継手部品(部品名、活動性、価格)、ライナー部品(部品名、活動性、価格)、ソケットタイプを含む。これらの情報は、義足ユーザ管理テーブル151の使用義足情報、及び、義足部品管理テーブル153の基本情報に基づいて表示される。なお、複数の継手部品が存在する場合には、複数の継手部品に関する情報が表示される。
【0066】
一覧表示領域122における製作情報は、図16に示すように、義肢製作所名、義肢装具士名を含む。これらの情報は、義足ユーザ管理テーブル151の製作情報、並びに、義肢製作所管理テーブル152の基本情報及び義肢装具士情報に基づいて表示される。
【0067】
一覧表示領域122における満足度情報は、図16に示すように、義足満足度、製作所満足度、義肢装具士満足度を含む。これらの情報は、義足ユーザ管理テーブル151の使用義足情報及び製作情報に基づいて表示される。義足満足度は、足部部品満足度、ソケット満足度、ライナー部品満足度、及び継手部品満足度に基づいて設定される。
【0068】
一覧表示領域122における各行は、1人の義足ユーザ(類似ユーザ)が対応している。従って、一覧表示領域122は、1又は複数の類似ユーザに関する情報を一覧表示していると言うこともできる(図16の例では、6名の類似ユーザに関する情報が一覧表示されている)。
【0069】
また、一覧表示領域122は、1又は複数の類似ユーザのうち、使用する義足セット(義足部品及びソケットタイプの組合せ)が同一である類似ユーザの数が多い類似ユーザを優先して上位に表示するように構成されている。使用義足情報に含まれるセットIDは、こうした個別の義足セットを識別する情報である。例えば、図16の例では、セットIDが「S1」である3名の類似ユーザが存在しており、対応する義足セットは、足部部品名「***A」、継手部品名「**S」、ライナー部品名「***X」、及びソケットタイプ「ピン式」である。
【0070】
第1個別表示領域124は、一覧表示領域122に一覧表示される類似ユーザが使用する義足セットのうち、使用する類似ユーザの数が最も多い義足セット(通常は、一覧表示領域122の最上位に表示される。)の詳細を表示する。具体的には、第1個別表示領域124は、こうした義足セットを構成する各義足部品の詳細(画像を含む。)、及び、ソケットタイプの詳細を表示する。
【0071】
第2個別表示領域126は、一覧表示領域122に一覧表示される類似ユーザのうち、満足度(義足満足度、義肢製作所満足度、及び、義肢装具士満足度の全てに基づく総合満足度)が最も高い類似ユーザの使用義足情報及び製作情報の詳細を表示する。具体的には、第2個別表示領域126、こうした類似ユーザが使用する義足セットを構成する各義足部品の詳細(画像を含む。)、及び、ソケットタイプの詳細を表示すると共に、この義足セットを製作した義肢製作所及び義肢装具士の詳細(所在地住所、内外観情報、ニュース(トピックス)、義肢装具士名等を含む。)を表示する。
【0072】
本実施形態では、対象の義足ユーザの入力(登録)情報の範囲に応じて推奨義足情報出力画面120において出力される情報の範囲(情報量)が変化する。図17は、対象の義足ユーザの入力(登録)情報の範囲と、推奨義足情報出力画面120において出力される情報の範囲との対応関係を説明するための図である。図示するように、対象の義足ユーザの入力(登録)情報が、入力必須項目である身体情報、切断情報、及び、行動情報のみである場合、推奨義足情報出力画面120において出力される情報は、一覧表示領域122の使用義足情報(義足部品)みであり、第1個別表示領域124及び第2個別表示領域126は表示されない。また、対象の義足ユーザの入力(登録)情報が、入力必須項目に加えて、断端情報(断端長、断端周径、断端形状)である場合、推奨義足情報出力画面120において出力される情報は、一覧表示領域122の使用義足情報(義足部品)に加えて、一覧表示領域122の使用義足情報(ソケットタイプ)となる。
【0073】
さらに、対象の義足ユーザの入力(登録)情報として、使用義足情報、及び、製作情報(満足度以外)が加わると、推奨義足情報出力画面120において出力される情報として、一覧表示領域122の製作情報及び満足度情報(義足)、並びに、第1個別表示領域124が加えられる。さらに、対象の義足ユーザの入力(登録)情報として、製作情報(満足度)が加えられると、推奨義足情報出力画面120において出力される情報として、一覧表示領域122の満足度情報(製作所、義肢装具士)、及び、第2個別表示領域126が加えられる。
【0074】
このように、本実施形態では、対象の義足ユーザの義足ユーザ情報として入力される情報(データ項目)が増加するほど、推奨義足情報出力画面120において出力される情報も増加し、言い換えると、出力される推奨義足情報の価値が高くなる。なお、本実施形態において、これに加えて、対象の義足ユーザの義足ユーザ情報として入力される情報が増加するほど、推奨義足情報出力画面120において使用可能な機能(例えば、一覧表示領域122における特定のデータ項目を用いたソート機能等)が増加するようにしても良い。
【0075】
また、本実施形態において、義肢製作所のスタッフ等のユーザ端末20において表示される推奨義足情報出力画面120において、義足セットを構成する各義足部品の発注機能を実装しても良い。
【0076】
以上説明した本実施形態の義足情報提供サーバ10は、他の義足ユーザが使用する義足に関する情報を含む義足ユーザ情報に基づいて対象の義足ユーザに対する推奨義足情報を出力することができ、この結果、義足ユーザに対する適切な情報提供が支援される。
【0077】
上述した実施形態では、ユーザ端末20において表示される画面を介して入力された断端情報を受け付けるように構成したが、本発明の他の実施形態では、断端情報の少なくとも一部が、対象の義足ユーザの足の断端の画像(カメラで撮影された画像、又は、3Dスキャナでスキャンされた画像等)に基づいて自動的に判定及び設定される。例えば、当該画像がユーザ端末20を介してサーバ10に提供されると、サーバ10は、当該画像を解析して、断端情報の少なくとも一部(例えば、断端形状)を自動的に判定及び設定する。
【0078】
上述した実施形態では、ユーザ端末20において表示される画面を介して入力された行動情報を受け付けるように構成したが、本発明の他の実施形態では、行動情報の少なくとも一部が、対象の義足ユーザの生体センサ(例えば、三軸加速度センサ)の出力データに基づいて自動的に判定及び設定される。例えば、当該出力データがユーザ端末20を介してサーバ10に提供されると、サーバ10は、当該出力データを解析して、行動情報の少なくとも一部(例えば、平均歩行量)を自動的に判定及び設定する。
【0079】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0080】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又はより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0081】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数の何れか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数の何れとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数の何れであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 義足情報提供サーバ
111 ユーザ情報受付部
112 推奨情報出力部
15 ストレージ(情報記憶部)
151 義足ユーザ管理テーブル
152 義肢製作所管理テーブル
153 義足部品管理テーブル
20 ユーザ端末
40 トップメニュー画面
50 身体情報入力画面
60 切断情報入力画面
70 行動情報入力画面
80 中間メニュー画面
90A、90B 断端情報(1)入力画面
100A、100B 断端情報(2)入力画面
110 断端情報(3)入力画面
120 推奨義足情報出力画面
【要約】      (修正有)
【課題】義足に関する情報のユーザへの提供を支援する。
【解決手段】義足情報提供サーバ10は、複数の義足ユーザの各々に関する義足ユーザ情報であって、使用する義足に関する使用義足情報を含む義足ユーザ情報を少なくとも記憶するストレージ15と、特定の義足ユーザの義足ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報受付部111と、特定の義足ユーザの義足ユーザ情報と、情報記憶部に記憶されている他の義足ユーザの義足ユーザ情報と、に少なくとも基づいて、特定の義足ユーザに対して推奨する義足に関する推奨義足情報を出力する推奨情報出力部112と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17