【実施例】
【0011】
本実施例では、本発明に係る印字データ作成装置の一例としてノートブックタイプのPCについて説明する。
図1は、本発明に係る印字データ作成装置の印字システムの全体斜視図である。
図1において、PC2とプリンター3は、USBケーブル4で接続されて印字システム1が構成されている。PC2には、印字データを作成する印字データ作成プログラムがインストールされている。
図1では、PC2とプリンター3がUSBケーブル4で接続されているが、有線LANや無線LANやブルートゥース
(登録商標)などの無線通信で接続することもできる。
【0012】
PC2にインストールされた印字データ作成プログラムを実行することにより、印字データ作成アプリケーションが起動し印字データを作成することができる。PC2で作成された印字データがPC2とプリンター3を接続したUSBケーブル4を介して通信することによって、PC2上で作成された印字データがプリンター3に送信されて、プリンター3に装填されたライナーレスラベル5をオンライン発行する。
【0013】
PC2とプリンター3が接続したUSBケーブル4を介して通信することによって、印字データがプリンター3に保存され、スタンドアロンタイプとしてプリンター3を持ち歩いて店舗内などでライナーレスラベル5を発行することもできる。通常、スタンドアロンタイプとして使用されるプリンター3は、AC駆動の他に持ち運びできるようにバーテリー駆動でも印字できるような仕様になっている。また、PC2は、主として本体6、LCD7、キーボード8、CD−ROMドライブ9およびマウス10とで構成されている。
【0014】
図2は、本発明に係る印字データ作成装置の印字システムを構成するプリンターの概略断面図である。
図2において、プリンター3には、上流側(排出口と反対側)にロール状に巻回されたライナーレスラベル5が装填され、排出口から発行されたライナーレスラベル5がカッター11で所定の長さにカットされる。また、カッター11より排出側の近傍にライナーレスラベル5が取り除かれたかどうかを検出するライナーレスラベル検出センサー23が配設されている。
【0015】
プリンター3は、主としてカバー25と下部フレーム26とで構成され、下部フレーム26の後端に設けられたヒンジ24回りにカバー25が回動するようになっている。また、カッター11のやや上流側には、サーマルヘッド27にプラテンローラー28が弾接されて配設され、ライナーレスラベル5を挟持して印字しながら発行する。一方、サーマルヘッド27とプラテンローラー28とから構成されている印字部と巻回されて装填されたライナーレスラベル5との間に、テンションガイド29が上方からライナーレスラベル5が弛まないようにガイドしている。
【0016】
図3は、本発明に係る印字データ作成装置の一例としてのPCの制御部の構成を示すブロック図である。
図3において、制御部12は、主としてCPU13、ROM14、RAM15、CD−ROMドライブ9、HDD17、USBインターフェース18、インターフェース19、通信インターフェース22とで構成され、各部は、バスライン20を介してCPU13に接続されている。
【0017】
CPU13は、ROM14に記憶されたBIOSなどのプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。印字データ作成プログラムと印字データ作成プログラムを実行する時に使用される各種設定値や各種データが外部記憶媒体であるCD−ROM16に記憶され、このCD−ROM16がCD−ROMドライブ9に挿入されると、読み込みされてHDD17のそれぞれの記憶エリアに記憶される。このHDD17には、後述するレイアウトファイル107や商品ファイル109なども記憶される。また、RAM15は、CPU13が各種処理を行う上で必要となる各種データをHDD17から読み出して一時的に記憶する。
【0018】
モデム21が通信インターフェース22に接続され、モデム23からネットワークに接続される。PC2上で印字データ作成プログラムと印字データ作成プログラムが実行される時に使用される各種設定値や各種データをモデム21を介してネットワーク上からダウンロードすることもできる。
【0019】
プリンター3は、USBケーブル4でUSBインターフェース18に接続され、バスライン20を介してCPU13に接続されている。LCD7、キーボード8、マウス10は、インターフェース19に接続され、バスライン20を介してCPU13に接続されている。
【0020】
図4は、本発明に係る印字データ作成装置のLCDに表示される印字データ作成アプリケーションが起動した時のホーム画面であって、ワークエリアに呼出番号001の印字項目がレイアウトされたイメージ図である。
図4において、PC2のキーボード8を操作してHDD17に記憶された印字データ作成プログラムをCPU13が実行すると、印字データ作成アプリケーションが起動してライナーレスラベル5のフォーマットの選択画面が表示される。
【0021】
選択画面でライナーレスラベル5のフォーマットを選択すると、LCD7にホーム画面100が表示され、後述するワークエリア103にライナーレスラベル5の幅60mmが選択された場合のイメージが表示されている。ホーム画面100の上段には、ラベルサイズを定義したり各種設定などを行うメニューバー101が設けられ、その下には下位のメニューが配置されたツールバー102が設けられている。ホーム画面100の中央付近には、選択されたライナーレスラベル105のイメージに各種印字項目をレイアウトするワークエリア103が設けられている。
【0022】
ワークエリア103とツールバー102との間には、ライナーレスラベル5のイメージを幅ごとにレイアウトすることができるレイアウトタブ104が設けられている。
図4では、幅が60mmの場合のレイアウトタブが作成されている。また、ワークエリア103の左欄には、選択されたライナーレスラベル105のイメージにレイアウトされる各種印字項目、たとえば、文字項目、バーコード項目、価格項目、日時項目、直線項目、斜線項目、イメージ項目、リサイクルマーク項目などを作成するツールボックス105が設けられている。
図4では、ツールボックス105の文字項目を使って、商品名と原材料名の印字項目がワークエリア103にレイアウトされている。
【0023】
ワークエリア103の下段には、ワークエリア103にレイアウトされたそれぞれの印字項目に後述する
図7のようなレイアウトファイル107で設定されたフォーマットで印字データを入力する入力エリア106が設けられている。
図4では、ツールボックス105の文字項目から商品名と原材料名の印字項目がレイアウトされ、後述する
図7のように商品名の印字項目は、伸縮フラグが「0」と設定され、一方、原材料名の印字項目は、伸縮フラグが「1」と設定されている。
【0024】
それぞれの印字項目には、印字データとして「商品名:ロースかつ弁当」、「原材料名:ご飯、揚げ物」と入力され、それぞれの印字項目と関連付けられるように呼出番号に001と入力されている。また、最下段の印字項目である原材料項目の下辺からS2のスペースを置いてカットライン108が線引きされている。すなわち、ライナーレスラベル105のイメージの下辺がカットライン108として線引きされている。カットライン108は、カットライン108上にポインターを置いてドラッグすることにより任意の位置に移動させることができる。
【0025】
図5は、本発明に係る印字データ作成装置のLCDに表示される印字データ作成アプリケーションが起動した時のホーム画面のイメージ図であって、ワークエリアに呼出番号002の印字項目がさらにレイアウトされたイメージ図である。
図5は、
図4に対して原材料名の印字項目の印字データが2行になった場合で、その他は、
図4と同一である。すなわち、商品名と原材料名の印字項目の位置関係は同じで、原材料名の印字項目の高さが伸長したものである。
【0026】
図5において、原材料名の印字項目に印字データとして「原材料名:ご飯、揚げ物、△△△△△キャベツ」(△印は、スペースを示している。)と入力され、それぞれの印字項目と関連付けられるように呼出番号に002と入力されている。ここで、原材料名の印字項目が長手方向に伸長するとともに、カットライン108も所定のスペースS2を維持しながら連動して長手方向に移動している。
【0027】
図6は、本発明に係る印字データ作成装置のLCDに表示される印字データ作成アプリケーションが起動した時のホーム画面であって、ワークエリアに呼出番号003の印字項目がさらにレイアウトされたイメージ図である。
図6は、
図4および
図5に対して原材料名の印字項目に印字データが入力されていない場合で、その他は、
図4および
図5と同一である。すなわち、商品名の印字項目の位置関係は同じで、原材料名の印字項目がレイアウトされていないものである。
図6において、商品名の印字項目とが関連付けられるように呼出番号に003と入力されている。ここで、原材料名の印字項目がレイアウトされていないので、カットライン108も商品名の印字項目から所定のスペースS2を維持しながら連動して長手方向と反対方向に移動している。
【0028】
図7は、本発明に係る印字データ作成装置のLCDのワークエリアにレイアウトされる印字項目のレイアウトファイルのデータ構成図である。フォーマット記憶手段としてのレイアウトファイル107は、レイアウトタブで作成されたライナーレスラベル5のイメージを幅ごとにフォーマットされるとともに、レイアウトされる印字項目もフォーマットされている。
図7では、幅が60mmの場合についてのレイアウトファイル107が表示されている。
図4〜6において、商品名の印字項目をワークエリア103の任意の位置にレイアウトすると、商品名の印字項目の左上コーナーを基準として(0,0)からX1、Y1の長さがレイアウトファイル107の印字開始位置項目に記憶される。同様に、
図4および5において、原材料名の印字項目のX1、Y2が記憶される。
【0029】
レイアウトファイル107のそれぞれの印字項目の幅、フォント種類、フォントサイズは、それぞれの印字項目のプロパティで変更することができるようになっているとともに、印字開始位置、幅は、ワークエリア103にレイアウトされた印字項目のハンドルを移動することによっても変更することができる。
【0030】
伸縮フラグは、「0」と「1」に設定され、「0」に設定されると印字項目の幅、高さに設定された印字領域が形成され、その印字領域内に印字データを入力することができ、一方、「1」に設定されると、幅だけが設定され、高さは印字項目に入力される印字データ量に応じて自動的に長手方向に伸縮する。また、ワークエリア103上でレイアウトされた印字項目の伸縮フラグが「0」か「1」かに設定されているかは印字項目の枠内を色分けして区別されている。
図4および5においては、伸縮フラグが「1」に設定されている原材料名の印字項目内をカラーにして区別している。
【0031】
図8は、本発明に係る印字データ作成装置のLCDのワークエリアにレイアウトされる印字項目の商品ファイルのデータ構成図である。商品ファイル109は、レイアウトタブで作成されたライナーレスラベル5のイメージを幅ごとに作成される。
図4および5では、幅が60mmの場合についての商品ファイル109が表示されている。
図4および5では、入力エリア106からそれぞれの印字項目にレイアウトファイル107で設定されたフォーマットで印字データが入力されると、それらの印字データが商品ファイル109に記憶される。
【0032】
図9は、本発明に係る印字データ作成装置で印字データを作成する方法について説明するフローチャートである。
図9に基づいて、レイアウト設定手段について詳述する。印字データ作成アプリケーションを起動すると、ライナーレスラベル5のフォーマットを選択する画面が表示されるので、幅を選択する(ステップ1)。すると、ワークエリア103にライナーレスラベル5の幅が60mmのイメージが表示される。
【0033】
ツールボックス105の文字項目から商品名と原材料名の印字項目を任意の位置にレイアウトする(ステップ2)。入力エリア106から商品名と原材料名を印字データとして入力する(ステップ3)。続けて、それぞれの印字項目が関連付けられるように呼出番号を入力する(ステップ4)。
【0034】
次に、レイアウトファイル107で伸縮フラグが「0」に設定されると(ステップ5)、印字項目に入力される印字データ量に係わらず設定された幅と高さの印字領域が形成され、この印字領域内に印字データが表示される(ステップ6)。レイアウトファイル107で商品名の印字項目の伸縮フラグが「0」に設定されているので、
図4〜6のように商品名に入力される印字データ量に係わらず幅がW1、高さがH1の印字領域が形成されている。
【0035】
一方、伸縮フラグが「1」に設定され(ステップ5)、印字項目に印字データが入力されている場合は(ステップ7)、高さは印字項目に入力された印字データ量に応じて自動的に長手方向に伸縮する(ステップ8)。
図5において、原材料名の印字項目の伸縮フラグが「1」に設定され、
図4に対して印字データも多く入力されているので、印字データ量に応じて高さH2が自動的に長手方向に伸長している。このように伸縮フラグが「1」に設定されることによって、レイアウト設定手段として機能している。
【0036】
伸縮フラグが「1」に設定され(ステップ5)、印字項目に印字データが入力されていない場合は(ステップ7)、この印字項目がレイアウトされない(ステップ9)。
図6において、原材料名の印字項目に印字データが入力されていないので、原材料名の印字項目がレイアウトされていない。
【0037】
伸縮フラグが「1」に設定された印字項目に印字データが入力されない場合は、伸縮フレイアウトされることなく、以降の印字項目が詰められてレイアウトされる。
図6において、原材料名の印字項目の伸縮フラグが「1」に設定されているが印字データが入力されていないため、原材料名の印字項目がレイアウトされていない。そして、カットライン108の位置は、原材料名の印字項目がレイアウトされないので、商品名の印字項目が最下段の印字項目となって商品名の印字項目の下辺からS2のスペースをおいて線引きされる。
【0038】
本実施例では、印字データ作成装置の一例としてノートブックタイプのPC2について説明しているが、印字データ作成プログラムがインストールされて実行することにより、印字データ作成アプリケーションが起動するコンピューターであれば、デスクトックやモバイル機器などにも適用される。
【0039】
また、本実施例では、分かり易いように2つの印字項目がレイアウトされ、1つの印字項目の伸縮フラグが「1」と設定された場合について説明しているが、レイアウトされた印字項目の数が3つ以上の場合でも、伸縮フラグが「1」と設定された印字項目の数が2つ以上の場合でも同様に説明できる。また、レイアウトファイル107で設定された印字項目のフォーマットの設定を変更することによって、印字項目が長手方向に伸縮する場合も同様に説明できる。
【0040】
また、本実施例では、ツールボックス105の文字項目から商品名と原材料名の印字項目を作成した場合について説明しているが、入力される印字データによってバーコード項目など長手方向に伸縮する印字項目についても同様に説明できる。これらの場合でも、カットライン108の位置は、最下段の印字項目の移動に連動して最下段の印字項目の下辺から所定のスペースS2を維持しながら移動する。