特許第6519072号(P6519072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6519072
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】ガスグリル
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20190520BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   F24C3/12 S
   A47J37/06 366
   F24C3/12 C
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-183387(P2014-183387)
(22)【出願日】2014年9月9日
(65)【公開番号】特開2016-56994(P2016-56994A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年8月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】石川 善克
(72)【発明者】
【氏名】平田 健
(72)【発明者】
【氏名】牛田 善久
(72)【発明者】
【氏名】宮藤 章
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
(72)【発明者】
【氏名】宇野 香奈
【審査官】 黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−083595(JP,A)
【文献】 特開2002−130662(JP,A)
【文献】 特開2005−164083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
A47J 37/00−37/07
F23N 5/00− 5/24
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を収容するグリル庫と、
前記調理物を上から加熱する上バーナと、
前記調理物を下から加熱する下バーナと、
前記上バーナおよび前記下バーナに通流させるガス量を調節するガス量調節手段と、
前記上バーナおよび前記下バーナにおいてスパークを発生させて点火させるスパーク発生手段と、
前記上バーナへの着火を検出する上バーナ用着火センサと、
前記下バーナへの着火を検出する下バーナ用着火センサと、
点火操作が行われることにより前記上バーナおよび前記下バーナへの点火を指令する点火指令操作部と、
前記点火指令操作部からの点火指令に基づいて、前記ガス量調節手段および前記スパーク発生手段を制御する制御手段とを備え、
前記点火指令操作部にて点火操作が行われた場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナに燃料ガスを通流すると共に、前記スパーク発生手段によりスパークを発生させて、前記上バーナおよび前記下バーナへの点火動作を開始し、
所定の点火動作用時間が経過した時点で、前記上バーナ用着火センサと前記下バーナ用着火センサのうちの少なくとも一方が着火を検出していない場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナへの燃料ガスの通流を停止すると共に、前記スパーク発生手段によるスパークを停止する点火ミス用制御を実行するガスグリルにおいて、
前記点火ミス用制御を実行しているときに、前記点火指令操作部にて点火操作が行われた場合に、前記制御手段が、前記点火ミス用制御を実行してから所定の待機時間の経過後に、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナに燃料ガスを通流すると共に、前記スパーク発生手段によりスパークを発生させて、前記上バーナおよび前記下バーナへの点火動作を開始するものであり、
前記点火動作を開始した後、前記所定の点火動作用時間を第1時間としたときの当該第1時間より短い第2の点火動作用時間が経過した時点で、前記上バーナ用着火センサおよび前記下バーナ用着火センサの何れも着火を検出していない場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して、前記上バーナおよび前記下バーナへの燃料ガスの通流を停止すると共に前記スパーク発生手段によるスパークを停止する前記点火ミス用制御を実行することを特徴とするガスグリル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器の一種であるガスグリルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスグリルとして、グリル庫と、グリルバーナと、グリルバーナへの着火を検出する着火センサと、を備え、着火センサが着火を検出しなかった場合に実行される点火ミス用制御中に、次の点火操作が行われた場合に、前回の点火動作の開始から所定の待機時間の経過後に、次の点火動作を開始するガスグリルが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−130662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のガスグリルの場合、前回の点火動作の開始から次の点火動作の開始までの待機時間が所定の待機時間となっているため、燃料ガスの滞留が始まってから次の点火動作までに、燃料ガスの滞留が解消される充分な時間が確保されずに、燃料ガスの滞留が充分に解消される前に次の点火動作が行われる惧れがあり、また、次の点火動作までに必要以上に待機して使い勝手が悪いものとなる惧れがあった。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、燃料ガスの滞留が充分に解消される前に次の点火動作が行われたり、次の点火動作までに必要以上に待機してしまうことを抑制するガスグリルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、調理物を収容するグリル庫と、前記調理物を上から加熱する上バーナと、前記調理物を下から加熱する下バーナと、前記上バーナおよび前記下バーナに通流させるガス量を調節するガス量調節手段と、前記上バーナおよび前記下バーナにおいてスパークを発生させて点火させるスパーク発生手段と、前記上バーナへの着火を検出する上バーナ用着火センサと、前記下バーナへの着火を検出する下バーナ用着火センサと、点火操作が行われることにより前記上バーナおよび前記下バーナへの点火を指令する点火指令操作部と、前記点火指令操作部からの点火指令に基づいて、前記ガス量調節手段および前記スパーク発生手段を制御する制御手段とを備え、前記点火指令操作部にて点火操作が行われた場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナに燃料ガスを通流すると共に、前記スパーク発生手段によりスパークを発生させて、前記上バーナおよび前記下バーナへの点火動作を開始し、所定の点火動作用時間が経過した時点で、前記上バーナ用着火センサと前記下バーナ用着火センサのうちの少なくとも一方が着火を検出していない場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナへの燃料ガスの通流を停止すると共に、前記スパーク発生手段によるスパークを停止する点火ミス用制御を実行するガスグリルにおいて、前記点火ミス用制御を実行しているときに、前記点火指令操作部にて点火操作が行われた場合に、前記制御手段が、前記点火ミス用制御を実行してから所定の待機時間の経過後に、前記ガス量調節手段を制御して前記上バーナおよび前記下バーナに燃料ガスを通流すると共に、前記スパーク発生手段によりスパークを発生させて、前記上バーナおよび前記下バーナへの点火動作を開始する。
【0007】
更に、前記点火動作を開始した後、前記所定の点火動作用時間を第1時間としたときの当該第1時間より短い第2の点火動作用時間が経過した時点で、前記上バーナ用着火センサおよび前記下バーナ用着火センサの何れも着火を検出していない場合に、前記制御手段が、前記ガス量調節手段を制御して、前記上バーナおよび前記下バーナへの燃料ガスの通流を停止すると共に前記スパーク発生手段によるスパークを停止する前記点火ミス用制御を実行する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明にあっては、点火ミス用制御を実行してから(すなわち点火ミスが発生した場合の燃料ガスの滞留が始まると考えられる時点から)、次の点火動作までに所定の待機時間が確実に確保されることになり、燃料ガスの滞留が充分に解消される前に次の点火動作が行われることが抑制されるとともに、次の点火動作までに長時間を要することもなく、必要以上に待機することが抑制され、使い勝手がよいものである。
【0009】
更に、所定の点火動作用時間より短い第2の点火動作用時間が経過した時点で、上バーナ用着火センサおよび下バーナ用着火センサの何れも着火を検出していない場合に、燃料ガスの通流を停止するので、安全性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態におけるグリル付きガスコンロの前斜め上方より見た斜視図である。
図2】一実施形態におけるグリルの正面断面図である。
図3】一実施形態のグリル操作部の前斜め上方より見た斜視図である。
図4】一実施形態のグリル皿の前斜め上方より見た斜視図である。
図5】一実施形態におけるグリル皿の引出し状態を説明するグリルの前斜め上方より見た斜視図である。
図6】一実施形態における下バーナを載置した配置用基板の前斜め上方より見た斜視図である。
図7】一実施形態におけるグリル庫の天井面を下方より見た図である。
図8】一実施形態におけるガス量調節手段およびその周辺機器の構成図である。
図9図9Aは第1時間の場合の再点火を示すタイムチャートであり、図9Bは第2時間の場合の再点火を示すタイムチャートである。
図10】グリル皿の他例の前斜め上方より見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のガスグリルの一実施形態について添付図面に基いて説明する。
【0012】
本実施形態のガスグリルは、グリル付きガスコンロにおけるガスグリルであるが、コンロを備えないガスグリル単体であってもよい。また、本実施形態のグリル付きガスコンロは、キッチンカウンターに形成された開口部に上方より挿入されて設置されるドロップインコンロであるが、特にドロップインコンロに限定されず、テーブルコンロであってもよい。
【0013】
図1に示すように、グリル付きガスコンロ1は、加熱手段と、加熱手段を制御する制御手段と、本体ケーシング10とを備える。グリル付きガスコンロ1は、加熱手段として、コンロバーナ11とグリルバーナ3(図2参照)とを備えている。加熱手段および制御手段は本体ケーシング10に収納される。本体ケーシング10は、上方に開口する略箱状をし、上開口を覆う天板12が設置される。天板12のコンロバーナ11が挿通される部分には、コンロバーナ挿通口13が形成されている。このコンロバーナ挿通口13を介して、ブンゼンバーナであるコンロバーナ11の略円形状をした上部が上方に露出する。
【0014】
天板12のコンロバーナ挿通口13の周囲には、調理容器を支持する五徳14が設置されている。なお、コンロ(コンロバーナ11、五徳14等)は本発明において任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0015】
本実施形態では、コンロバーナ11は、図1に示すように、五徳14に載置される調理容器の底部の温度を検出する温度センサー15を備えている。温度センサー15により検出された温度に基いて、制御手段が自動調理モード等を実行する。
【0016】
天板12の上面には、コンロバーナ11の点火/消火の切り替えや火力調節の制御指令を与える操作部16が設けられている。操作部16の操作を受けて、マイクロコンピュータからなる制御手段がコンロバーナ11の制御を行う。
【0017】
グリル付きガスコンロ1は、ガスグリル2を備えている。ガスグリル2は、図2に示すように、本体ケーシング10内に収納されるグリル庫20を有する。グリル庫20は、内部にグリルバーナ3を備え、内部空間を燃焼室とするものである。グリル庫20は、前開口を有しており、前開口を介して前方より調理物(被加熱物)を出入れ自在に収納可能である。前開口には、図1に示すように、グリル扉21が開閉自在に設けられる。ガスグリル2については後述する。なお、グリル付きガスコンロ1における前後方向は、便宜上、図1に示すように、設計上使用者が位置する方を前方Fとするとともにその反対を後方Bとし、左右方向は、後方Bを向いた時の左方Lおよび右方Rをいうものとする。
【0018】
グリル付きガスコンロ1の前面パネル17(図1参照)内には、図3に示すグリル操作部18が設けられる。グリル操作部18は、タッチパネル型のもので、メニュー切替スイッチ18a、調理モード切替スイッチ18b、火加減切替スイッチ18c、点消火スイッチ18d、タイマースイッチ18e、取り消しスイッチ18f等のスイッチに加え、メニュー表示部18g、調理モード表示部18h、火加減表示部18i、タイマー表示部18j等を備える。
【0019】
メニュー切替スイッチ18aを操作するごとに「魚:姿焼き」→「魚:切り身」→「ハンバーグ」→「グリルチキン」→「トースト」→「ごはん」→選択なし→「魚:姿焼き」の順にメニュー表示部18gの表示が切り変わる。このように、複数の調理メニューが実行可能となっている。
【0020】
メニュー切替スイッチ18aによって設定した調理メニューに対し、火加減切替スイッチ18cによって調理の仕上がりを調節することができる。なお、自動調理時における「火加減」は、たとえば焦げ目の強弱を意味しており、火力そのものは自動調理の制御項目の一つとして自動的に調節される。
【0021】
そして、メニュー選択手段としての調理モード切替スイッチ18bによって「焼く」を選択し、メニュー切替スイッチ18aによって「魚:姿焼き」「魚:切り身」「ハンバーグ」「グリルチキン」「トースト」「ごはん」のいずれかを選択して、点消火スイッチ18dを押し操作すると、マイクロコンピュータによって構成された制御部によって、後述のグリル自動制御が実行されて各調理メニューに応じた自動調理が行われる。
【0022】
以下、ガスグリル2について説明する。ガスグリル2は、図2に示すように、前開口を介して前後に出入れされるグリル皿4を有する。グリル皿4は、図4に示すように、底壁部40と、底壁部40の周縁より上方に向けて突出する前壁部41、後壁部42、左側の側壁部43、右側の側壁部44を有している。なお、前壁部41、後壁部42、左右の側壁部43、44の境界にて明確に区別されていなくてもよい。また、本実施形態では、グリル皿4は平面視において点対称となるように形成されているが、特に限定されない。
【0023】
グリル皿4は、底壁部40の上面に、被加熱物が直接載置されてもよいし、調理容器が載置されてもよいし、焼き網が載置されてこの上に被加熱物が載置されてもよく、特に利用形態は特に限定されない。
【0024】
グリル皿4は、図2図5に示すように、皿受け5に支持される。皿受け5は、本実施形態では、線材が屈曲されて平面視において概ね矩形状となる枠により構成されているが、枠状でなくてもよく、形状等も限定されない。
【0025】
なお、図10に示すように、図4図5のグリル皿4とは別のグリル皿4aが用いられてもよい。グリル皿4aは、周壁の高さがグリル皿4の前壁部41、後壁部42、左右の側壁部43、44と比較して高く、容器としての深さが深いものである。また、グリル皿4aの上開口部に載置される蓋4bが設けられてもよい。グリル皿4aは、図10に示すように皿受け5に載置される。
【0026】
皿受け5は、図2図5に示すように、可動レール22に固定されるグリル扉21に支持される。可動レール22は、グリル扉21の左右端部からそれぞれ後方に向けて突出して、前後方向を長手方向とするもので、外側の面に中間レール23が装着される。また、図2に示すように、グリル庫20の内側壁に、固定レール24が取付けられる。固定レール24は、前後方向を長手方向とするもので、内側の面に中間レール23が装着される。
【0027】
また、可動レール22には、図2に示すように、ビス等の固着具(不図示)によりレールカバー25が取り付けられる。グリル皿4がグリル庫20に収納されたときに、レールカバー25により、可動レール22と中間レール23と固定レール24の内側方および上方が覆われる。
【0028】
グリル皿4は、上面に被加熱物が直接載置される場合、被加熱物へ効率良く熱が伝達するように形成される。グリル皿4の底壁部40の上面は、その中央部からその周縁に向けて低くなる形態で傾斜する傾斜面にて構成される。本実施形態では、図4に示すように、底壁部40の上面の前後の端部、すなわち上面の前壁部41と後壁部42に沿った部分に、被加熱物より生じた油や煮汁やその他の液体(煮汁等)が溜まる貯留部40bが形成されている。底壁部40の上面の貯留部40bを除く中間部分が、被加熱物が載置される載置面40aとなる。貯留部40bの上面は載置面40aよりも低い。
【0029】
グリル皿4は、載置面40aが載置される被加熱物との密着を妨げない平坦性を有するため、載置された被加熱物への熱伝達が効率良く行われ、エネルギー効率がよいガスグリルとすることができる。
【0030】
また、載置面40aが上記平坦性を有するとともに中央部から周縁に向けて低くなる傾斜面にて構成されるため、被調理物からの煮汁等の流動を妨げることもなく、煮汁等は円滑に貯留部40bに流動して載置面40aから効率良く排除される。これにより、載置面40aに煮汁等が貯留してしまうことにより、被調理物が油っぽくなったりして煮汁等の影響を受けることが抑制され、被調理物の仕上がりが良好なガスグリルとなる。
【0031】
グリルバーナ3は、図2図5に示すように、グリル庫20に収納されたグリル皿4の下側に配置される下バーナ31を備える。本実施形態では、下バーナ31は、グリル庫20に収納されたグリル皿4の平面視における略中央部の下方に設けられる。また、下バーナ31は、コンロバーナ11と同様の略円形状をしたブンゼンバーナであるが、バーナの形態や形状は特に限定されない。下バーナ31は、図6に示すように、グリル庫20の底面にねじ止めにより固定される配置用基板34上に取り付けられている。下バーナ31は、配置用基板34上に軸方向を前後方向に向けた状態で取り付けられたバーナ本体31aと、このバーナ本体31aのバーナベース部31bに載置されるバーナキャップ31cと、このバーナキャップ31cの外周部とバーナベース部31bの上面との間にバーナキャップ31cの周方向に沿って所定間隔毎に形成される多数の炎孔よりなる炎口部31dと、この炎口部31dから噴出する燃料ガスに点火して火炎を形成する点火プラグ35とを有している。点火プラグ35(および後述する点火プラグ38)が、スパークを発生させて燃料ガスを点火させるスパーク発生手段を構成する。
【0032】
また、下バーナ31は、図2図6に示すように、付属のセンサとして、炎口部31dに形成される火炎の温度を検出して当該火炎の有無を検出する熱電対よりなる下バーナ用着火センサ36と、グリル皿4の皿本体40の温度を検出する温度センサ32とを有している。温度センサ32は、下バーナ31の中央部(詳しくはバーナキャップ31cの中心部)より上方に突出しており、グリル皿4がグリル庫20内に収納された状態でグリル皿4の皿本体40に当接するようになっている。そして、温度センサ32により検出された温度に基づいて、グリルバーナ用の燃料ガス制御手段6が自動調理モード等を実行する。
【0033】
グリルバーナ3は、図2に示すように、グリル庫20に収納されたグリル皿4の上側に配置される上バーナ33を備える。上バーナ33は、図7に示すように、グリル庫20の天井部20bに取り付けられている。上バーナ33は、グリル庫20の天井部20bに下面側がグリル庫20の内側に面して取り付けられた矩形袋状のバーナ本体33aと、このバーナ本体33a内に燃料ガスを導くガス管路部33bと、バーナ本体33aの下面に全体で概ね矩形枠状に形成された多数の小径の炎孔よりなる炎口部33cと、この炎口部33cから噴出する燃料ガスに点火して火炎を形成する点火プラグ38とを有している。また、上バーナ33は、付属のセンサとして、炎口部33cに形成される火炎の温度を検出して当該火炎の有無を検出することで着火したか否かを検出する、熱電対よりなる上バーナ用着火センサ39を有している。
【0034】
上バーナ33および下バーナ31により、グリル皿4の上下からの加熱(両面焼き)が可能となる。
【0035】
グリルバーナ3は、上バーナ33および下バーナ31に通流させるガス量を調節するガス量調節手段6を備える。ガス量調節手段6は、図8に示すように、グリルバーナ3の元供給管61に介設された開度調整機能付きのモータ駆動式元締め弁62と、グリルバーナ3の下バーナ用分岐供給管63に介設された電磁式の下バーナ用開閉弁64と、グリルバーナ3の上バーナ用分岐供給管65に介設された電磁式の上バーナ用開閉弁66と、これら3つの弁62、64、66の開閉切り替え等を制御するマイクロコンピュータからなる、制御手段としてのグリル制御部37とを備え、グリルバーナ3の下バーナ31及び上バーナ33への都市ガス等の燃料ガスの通流を調節するようになっている。
【0036】
グリル制御部37には、グリル操作部18からの各種の指令の信号が入力されるとともに、下バーナ用着火センサ36及び上バーナ用着火センサ39等の検出信号が入力されるようになっている。グリル制御部37は、入力信号に基づいて、前述した燃料ガスの通流制御の他、下バーナ31の点火プラグ35及び上バーナ33の点火プラグ38の点火動作を制御するようになっている。
【0037】
上バーナ33および下バーナ31への点火について説明する。
【0038】
先ず、消火状態において、点火指令操作部(点消火スイッチ18d)を押し操作することで点火操作を行う。点消火スイッチ18dは、点火操作が行われることにより、上バーナ33および下バーナ31への点火を指令するもので、点火指令は制御手段(グリル制御部37)に入力される。グリル制御部37は、点消火スイッチ18dからの点火指令に基づいて、ガス量調節手段6およびスパーク発生手段(点火プラグ35、38)を制御する。
【0039】
グリル制御部37は、点消火スイッチ18dにて点火操作が行われた場合、ガス量調節手段6を制御して上バーナ33および下バーナ31に燃料ガスを通流すると共に、点火プラグ35、38によりスパークを発生させて、上バーナ33および下バーナ31への点火動作を開始する。本実施形態では、グリル操作部18の操作信号としてグリルバーナ3の点火指令が入力された後、元締め弁62を強位置(火力の大きい位置)に開くとともに、下バーナ用開閉弁64および上バーナ用開閉弁66を開き、点火プラグ35、38のイグナイタをONして当該点火プラグ35、38をスパークさせて点火させ、下バーナ31および上バーナ33の点火動作を開始する。点火プラグ35、38のイグナイタをONは、所定の点火動作用時間(本実施形態では6秒間であるが特に限定されない。便宜上これを第1時間とする)の間、継続する。そして、点火動作の開始後、所定の点火動作用時間が経過した時点で、下バーナ用着火センサ36および上バーナ用着火センサ39の出力を読み込み、この出力が閾値(下バーナ用着火センサ36は2.0mV、上バーナ用着火センサ39は1.55mV)以上であるか否かを判定することで、着火を検出する。そして、上バーナ用着火センサ39と下バーナ用着火センサ36のうちの少なくとも一方が着火を検出していない場合に、グリル制御部37が、ガス量調節手段6を制御して上バーナ33および下バーナ31への燃料ガスの通流を停止すると共に、点火プラグ35、38によるスパークを停止する点火ミス用制御を実行する。本実施形態では、点火ミス用制御において、音声や表示により着火ミスが生じた旨をの報知を併せて行っているが、このような報知を行わなくてもよい。
【0040】
また、点火動作の開始後、第1時間が経過するまでに、上バーナ用着火センサ39が1.55mV以上を検出すると共に下バーナ用着火センサ36は2.0mV以上を検出して着火を検出した場合、グリル制御部37は、下バーナ31および上バーナ33への燃料ガスの通流を継続し、点火プラグ35、38によるスパークを停止して、点火動作を終了する。本実施形態では、点火動作の終了時に、下バーナ31および上バーナ33に正常に着火した旨が報知される。
【0041】
また本実施形態においては、点火動作を開始した後、所定の点火動作用時間(すなわち第1時間)より短い第2の点火動作用時間(本実施形態では3秒間であるが特に限定されない。便宜上これを第2時間とする)が経過した時点で、上バーナ用着火センサ39および下バーナ用着火センサ36の何れも着火を検出していない場合に、グリル制御部37が、ガス量調節手段6を制御して、下バーナ31および上バーナ33への燃料ガスの通流を停止すると共に点火プラグ35、38によるスパークを停止する前記点火ミス用制御を実行している。
【0042】
すなわち、点火動作の開始後、第2時間経過時に、上バーナ用着火センサ39および下バーナ用着火センサ36の両方が着火を検出している状態ではないときであっても、第2時間経過時に、上バーナ用着火センサ39が着火を検出するか、あるいは、下バーナ用着火センサ36が着火を検出した場合、グリル制御部37は、点火動作の開始後、第2時間より長い第1時間(本実施形態では例えば6秒間であるが、限定されない)が経過するまで、上バーナ33および下バーナ31への燃料ガスの通流、および、点火プラグ35、38のスパークを継続する延長点火制御を実行する。
【0043】
グリル制御部37は、延長点火制御を実行した場合、点火動作の開始後、第1時間経過時に、上バーナ用着火センサ39が着火を検出しない、あるいは、下バーナ用着火センサ36が着火を検出しない場合、グリル制御部37は、点火動作の開始後、第1時間が経過した時点で、上バーナ33および下バーナ31への燃料ガスの通流を停止すると共に、点火プラグ35、38によるスパークを停止する点火ミス用制御を実行して、着火ミスが生じた旨を報知する。
【0044】
また、点火動作の開始後、第1時間経過時に、上バーナ用着火センサ39が1.55mV以上を検出すると共に下バーナ用着火センサ36は2.0mV以上を検出して着火を検出した場合、グリル制御部37は、下バーナ31および上バーナ33への燃料ガスの通流を継続し、点火プラグ35、38によるスパークを停止して、点火動作を終了して、下バーナ31および上バーナ33に正常に着火した旨を報知する。
【0045】
このように、所定の点火動作用時間(第1時間)より短い第2の点火動作用時間(第2時間)が経過した時点で、上バーナ用着火センサ39および下バーナ用着火センサ36の何れも着火を検出していない場合に、燃料ガスの通流を停止するので、安全性が高い。
【0046】
次に、再点火制御について説明する。本発明においては、点火ミス用制御を実行しているときに、点消火スイッチ18dにて点火操作が行われた場合に、再点火制御として、グリル制御部37が、点火ミス用制御の実行を開始してから所定の待機時間の経過後に、ガス量調節手段6を制御して下バーナ31および上バーナ33に燃料ガスを通流すると共に、点火プラグ35、38によりスパークを発生させて、下バーナ31および上バーナ33への点火動作を開始することに特徴を有する。
【0047】
すなわち、図9に示すように、グリル制御部37が点火ミス用制御を実行しているときは、点消火スイッチ18dの点火操作が行われると、グリル制御部37は、点火操作を受け付けられるが、この点火操作によってなされた点火指令についての点火動作の実行は、点火ミス用制御の実行を開始してから所定の待機時間(本実施形態では、5秒間であるが、限定されない)が経過するまで保留され、点火ミス用制御の実行を開始してから所定の待機時間が経過した後、点火動作が実行される。なお、図9Aは、点火動作時間が第1時間の場合の再点火を示すタイムチャートであり、図9Bは、点火動作時間が第2時間の場合の再点火を示すタイムチャートである。また、図9中の「遅延時間」とは、点火ミス用制御の実行中に行われた次の点火操作の終了時点から、次の点火動作の開始時点までのタイムラグをいう。
【0048】
グリル制御部37が点火ミス用制御を実行しているとき、点消火スイッチ18dにて点火操作が行われた場合に、グリル制御部37が点火指令を受け付けるが、点火動作の実行は、点火ミス用制御の実行を開始してから所定の待機時間が経過するまで保留され、点火ミス用制御の実行を開始してから所定の待機時間が経過した後、点火動作が実行されることになる。
【0049】
これにより、点火ミス用制御を実行してから(点火ミスが発生した場合の燃料ガスの滞留が始まると考えられる時点から)、次の点火動作の開始までに所定の待機時間が確実に確保されることになり、燃料ガスの滞留が充分に解消される前に次の点火動作が行われることが抑制される。また、次の点火動作までに長時間を要することもなく、必要以上に待機することが抑制され、使い勝手がよいものである。
【0050】
特に、下バーナ31および上バーナ33をそれぞれ別個に備え、所定の点火動作用時間(第1時間)より短い第2の点火動作用時間(第2時間)を設定しておき、第2時間経過までに下バーナ31および上バーナ33のうち一方の点火が確認された場合に、燃料ガスの滞留が充分に解消される前に次の点火動作が行われることが抑制される。また、次の点火動作までに長時間を要することもなく、必要以上に待機することが抑制され、使い勝手がよいものである。
【符号の説明】
【0051】
1 ガスコンロ
10 本体ケーシング
18 グリル操作部
18d 点消火スイッチ
2 ガスグリル
20 グリル庫
21 グリル扉
22 可動レール
23 中間レール
24 固定レール
25 レールカバー
3 グリルバーナ
31 下バーナ
32 温度センサ
33 上バーナ
34 配置用基板
35 点火プラグ
36 下バーナ用着火センサ
37 グリル制御部
38 点火プラグ
39 上バーナ用着火センサ
4 グリル皿
5 皿受け
6 ガス量調節手段
図1
図2
図3
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図9
図10