(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6519087
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】カロチノイド化合物の異性体比の維持のための新規方法
(51)【国際特許分類】
C07C 403/24 20060101AFI20190520BHJP
C07C 403/02 20060101ALI20190520BHJP
C07C 403/16 20060101ALI20190520BHJP
A23K 20/105 20160101ALI20190520BHJP
A23L 5/44 20160101ALI20190520BHJP
C07C 53/10 20060101ALN20190520BHJP
【FI】
C07C403/24
C07C403/02
C07C403/16
A23K20/105
A23L5/44
!C07C53/10
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-520467(P2016-520467)
(86)(22)【出願日】2014年6月18日
(65)【公表番号】特表2016-528182(P2016-528182A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】EP2014062842
(87)【国際公開番号】WO2014202677
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年6月1日
(31)【優先権主張番号】13173229.9
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ, ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】クライスジーク, フランチスカ
【審査官】
桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−264055(JP,A)
【文献】
特開2002−218940(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/010820(WO,A1)
【文献】
Chien-Sheng Chen et al.,Properties of Astaxanthin/Ca2+ Complex Formation in the Deceleration of Cis/Trans Isomerization,Organic Letters,2007年,9/16,2985-2988
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 403/24
A23K 20/105
A23L 5/44
C07C 403/02
C07C 403/08
C07C 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、R
1およびR
2は、互いに独立して、
【化2】
である)
のカロチノイド化合物の立体異性体比の維持のための方法であって、前記式(I)の化合物が、
前記式(I)の化合物の総重量に基づき0.0001wt%〜1wt%の少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩と混合され、
前記有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩が、式
R−COOMe
1または(R−COO)
2Me2
(式中、Rは、C
1〜C
4アルキル基であり、そして、
Me
1は、アルカリカチオンであり、そして、
Me
2は、アルカリ土類カチオンである)
の化合物であることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記カロチノイド化合物が、
【化3】
【化4】
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カロチノイド化合物が、
【化5】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カロチノイド化合物が、
【化6】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属カチオンおよび/またはアルカリ土類金属カチオンが、K+塩、Ca2+塩および/またはMg2+塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
CH3COOKが使用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種の式(I)
【化7】
(式中、R
1およびR
2は、互いに独立して、
【化8】
である)
のカロチノイド化合物と、前記式(I)の化合物の総重量に基づき0.0001〜1wt%の少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩とを含み、
前記アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩が、式
R−COOMe
1または(R−COO)
2Me2
(式中、Rは、C
1〜C
4アルキル基であり、そして、
Me
1は、アルカリカチオンであり、そして、
Me
2は、アルカリ土類カチオンである)
の有機酸由来の塩である、配合物。
【請求項8】
前記カロチノイド化合物が、
【化9】
【化10】
【化11】
から選択される、請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
前記カロチノイド化合物が、
【化12】
である、請求項7に記載の配合物。
【請求項10】
前記カロチノイド化合物が、
【化13】
である、請求項7に記載の配合物。
【請求項11】
前記有機酸アルカリ金属および/または有機酸アルカリ土類金属の前記アルカリ金属カチオンおよび/またはアルカリ土類金属カチオンが、K+、Ca2+および/またはMg2+である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項12】
CH3COOKが前記塩である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項13】
前記式(I)の化合物の総重量に基づき0.0001wt%〜1wt%の前記有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩が含まれる、請求項7〜12のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項14】
食品、飼料製品またはパーソナルケア製品における、請求項7〜13のいずれか一項に記載の少なくとも1種の配合物の使用。
【請求項15】
請求項7〜13のいずれか一項に記載の少なくとも1種の配合物を含む、食品、飼料製品またはパーソナルケア製品。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、カロチノイド化合物の立体異性体比の維持のための方法、特定の配合物、およびそのような特定の配合物の使用に関する。
【0002】
カロチノイド(本特許出願の文脈においてカロチノイド化合物とも呼ぶ)は、一般的に、交互の単結合および二重結合を含む、結合した炭化水素イソプレン単位からなる。カロチノイドは、特定の周波数の光エネルギーを吸収し、それを光合成における使用のためにクロロフィルに渡す。
【0003】
カロチノイドは、動物およびヒトにとって栄養学的に重要であり、抗酸化特性も有している。
【0004】
カロチノイドは、2つの群、すなわち、
・カロチン(H原子およびC原子のみを含有する)、および
・キサントフィル(O原子も含有する)
に分類される。
【0005】
カロチノイドは、自然界に存在する場合は、主として全トランス立体異性形で存在している。しかしながら、カロチノイドには、立体異性化(stereoisomerise)(これは他の立体異性形に変化することを意味する)する傾向がある。本発明の文脈において、立体異性形とは、E形、Z形、およびE/Z形の混合物を意味する。立体異性化は、通常、多くの異なる立体異性構造、例えば、
【化1】
の混合物を結果としてもたらす。
【0006】
「
*」(=アステリスク)は、末端基(R
1およびR
2)の位置である。
【0007】
カロチノイド化合物の全ての立体異性形は、通常、異なる特性を、すなわち、光吸収、バイオアベイラビリティなどについて有している。したがって、立体異性化が起こった場合、カロチノイド化合物を含む配合物の特性は変化し得る。
【0008】
したがって、本発明の目的は、カロチノイドを含む配合物の特性が変化していかないように、カロチノイド化合物の立体異性体比を維持する方法を見出すことであった。
【0009】
特定の鉱物塩がカロチノイド化合物の立体異性体比を安定化できることが、先行技術(国際公開第2013/010820号パンフレット)から知られている。
【0010】
そのような方法の重要性から、改善に対する恒常的な必要性が存在する。
【0011】
驚くべきことに、カロチノイド化合物の異性化が、少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類(earth alkali)金属塩の添加によって影響を受けることが見出された。この添加は、立体異性形(またはさらに2種以上の立体異性形の混合物)を安定化することを結果としてもたらす。立体異性化は、妨げられるか、またはその速度が弱められる。
【0012】
したがって、本発明は、式(I)
【化2】
(式中、R
1およびR
2は、互いに独立して、
【化3】
である)
のカロチノイド化合物の立体異性体比の維持のための方法であって、少なくとも1種の式(I)の化合物が、
式(I)の化合物の総重量に基づき1重量%(wt%)未満の少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩と混合される
ことを特徴とする方法に関する。
【0013】
アステリスクは、主鎖への結合を示す。通常、カロチノイド化合物は、溶液またはエマルジョンの形態で存在する。この溶液またはエマルジョンは、次いで、さらなる工程において、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥)され、他の配合物または成分と混合されたりなどされ得る。
【0014】
そのような配合物中のカロチノイド化合物の濃度は、そのような配合物の用途に応じて変わり得る。好適な溶媒は、カロチノイド化合物が可溶であるそのようなもの(例えば、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトンなど)である。
【0015】
エマルジョン系が使用される場合は、それは、通常、水中油エマルジョンである。そのようなエマルジョンには、任意の一般に知られ、使用されている油および乳化剤が使用される。油および乳化剤の選択は、配合物の用途によって決まる。食品または飼料製品が製造される場合は、これらの化合物は、食品または飼料グレードである必要がある。
【0016】
好適な油は、任意の起源のものであり得る。それらは、天然のもの、変性されたもの、または合成のものであり得る。油が天然のものである場合は、それらは、植物油または動物油であり得る。好適な油は、すなわち、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、キャノーラ油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、アーモンド油、カシュー油、マカダミア油、モンゴンゴナッツ油、プラカキシ(pracaxi)油、ペカン油、松果油、ピスタチオ油、サチャインチ(sacha Inchi)(プルケネティア・ボルビリス(Plukenetia volubilis))油、クルミ油、多価不飽和脂肪酸(例えば、トリグリセリドおよび/またはエチルエステル、(例えば、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびγ−リノレン酸および/またはエチルエステル)である。
【0017】
任意の一般に知られ、使用されている乳化剤が使用され得る。乳化剤は、その後の配合物の最終用途に応じて選択され得る。好適な乳化剤は、すなわち、変性(食品)デンプン、ペクチン、アルギネート、カラギーナン、フルセララン、キトサン、マルトデキストリン、デキストリン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、リグノスルホネート、多糖ガム(例えば、アカシアガム、アラビアガム、アマニガム、ガッチガム、タマリンドガムおよびアラビノガラクタン)、ゼラチン(ウシ科動物、魚類、ブタ、家禽)、植物タンパク質(例えば、エンドウ、ダイズ、ヒマの実、綿実、ジャガイモ、サツマイモ、マニオク、キャノーラ、ヒマワリ、ゴマ、アマニ、サフラワー、レンズマメ、堅果、コムギ、コメ、メイズ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、ルピナスおよびモロコシからの濃縮物、単離物、加水分解物など)、動物タンパク質(乳タンパク質またはホエータンパク質を含む)、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、ソルビタンエステル、PGエステルならびに糖エステル(ならびにそれらの誘導体)である。
【0018】
デンプンは、物理的および化学的に変性され得る。アルファ化(pregelatinized)デンプンは、物理的に変性されたデンプンの例である。
【0019】
酸変性された(acidic modified)、酸化された、OSA変性された、架橋された、デンプンエステル、デンプンエーテル、およびカチオン性デンプンは、化学的に変性されたデンプンの例である。
【0020】
配合物は、さらなる補助剤を含み得る。補助剤は、配合物がどの用途に使用されるかによって変わり得る。これらの補助剤は、配合物にとって、その特性(例えば、物理的安定性、貯蔵安定性、視覚など)をさらに改善することにより有用なものであり得る。助剤はまた、これらの組成物の特性、物理的安定性、貯蔵安定性、視覚、胃腸管での制御放出、pH制御、耐酸化性などを改善することにより、食品、飼料製品またはパーソナルケア製品における適用にも有用であり得る。これらの助剤の濃度は、これらの助剤の用途に応じて変わり得る。
【0021】
好ましいカロチノイド化合物は、以下のものである。
式(Ia)の化合物:
【化4】
式(Ib)の化合物:
【化5】
式(Ic)の化合物:
【化6】
式(Id)の化合物:
【化7】
式(Ie)の化合物:
【化8】
式(If)の化合物:
【化9】
式(Ig)の化合物:
【化10】
式(Ih)の化合物:
【化11】
式(Ii)の化合物:
【化12】
式(Ij)の化合物:
【化13】
【0022】
カロチノイド化合物の比を安定化するために、少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩が、カロチノイド化合物またはその混合物の総重量に基づき1wt%未満の量で添加される。好ましくは0.9wt%未満、より好ましくは0.8wt%未満。通常、カロチノイド化合物またはその混合物の総重量に基づき0.0001wt%〜1wt%の量の少なくとも1種の有機酸アルカリ金属および/または有機酸アルカリ土類金属が使用される。
【0023】
当該方法は、通常、15℃〜160℃、好ましくは20℃〜130℃、より好ましくは20℃〜110℃の温度で行われる。
【0024】
当該方法は、通常、1バール〜10バール、好ましくは1バール〜8バール、より好ましくは1バール〜5バールの圧力で行われる。
【0025】
その後、少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩を1wt%未満の量で含むカロチノイド化合物は、それ自体で使用されることもできるし、さらに配合されるために使用されることもできる。
【0026】
異性体比は、組成物それ自体(カロチノイド化合物ならびに有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩のみ)においても、そのような組成物を含む配合物においても、安定化される。
【0027】
有機酸は、好ましくは、R−COOH(式中、Rは、C
1〜C
4アルキル基である)である。
【0028】
有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩の好ましいアルカリ金属およびアルカリ土類金属は、K、CaおよびMgである。
【0029】
好ましい有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩は、以下の式
R−COOMe
1または(R−COO)
2Me
2
(式中、Rは、C
1〜C
4アルキル基であり、そして、
Me
1は、K
+であり、そして、
Me
2は、Ca
2+またはMg
2+である)
を有する。
【0030】
最も好ましい有機酸塩は、酢酸カリウム(=CH
3COOK)である。
【0031】
β−カロチン(化合物(Ia))の場合、立体異性化は、色合いの変化に繋がる。全Z形はより赤味がかっているのに対して、Z形は僅かに黄味がかっている。
【0032】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、式(Ia)
【化14】
の化合物の立体異性体比を維持するための方法であって、式(Ia)の化合物の総重量に基づき1wt%未満のCH
3COOKが添加されることを特徴とする方法に関する。
【0033】
アスタキサンチン(化合物Ie)の場合、立体異性化は、化合物の異なるバイオアベイラビリティに繋がる。アスタキサンチンの全(E)形が、最も好ましいバイオアベイラビリティを有する。したがって、この形態(または多量の全(E)、すなわち、少なくとも85%の全(E)を含む形態)は、安定化されるべきである。
【0034】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、式(Ie)
【化15】
の化合物の立体異性体比を維持するための方法であって、式(Ie)の化合物の総重量に基づき1wt%未満のCH
3COOKが添加されることを特徴とする方法に関する。
【0035】
有機酸アルカリ塩および/または有機酸アルカリ土類塩は、固体形態および溶液(またはその両方の組み合わせ)として添加され得る。
【0036】
さらに、本発明はまた、少なくとも1種の式(I)
【化16】
(式中、R
1およびR
2は、互いに独立して、
【化17】
である)
のカロチノイド化合物と、式(I)の化合物の総重量に基づき0.0001〜1wt%の少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩とを含む配合物に関する。
【0037】
方法についての全ての選好が、配合物についても適用される。
【0038】
上で述べたように、当該配合物、すなわち、少なくとも1種の有機酸アルカリ金属塩および/または有機酸アルカリ土類金属塩を1wt%未満の量で含むカロチノイド化合物は、それ自体で使用されることもできるし、さらに配合されるために使用されることもできる。
【0039】
上に記載した配合物は、食品、飼料製品またはパーソナルケア製品において使用され得る。
【0040】
食品、飼料製品またはパーソナルケア製品において使用される上に記載した配合物の量は、その食品、飼料製品またはパーソナルケア製品によって決まる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】9−シスおよび13−シスAXTの生成の濃度−時間図。
【
図2】光度計により測定された全トランスAXTの濃度−時間図。
【0042】
以下の実施例は、本発明を説明する役目をする。全ての百分率は重量に関して示され、温度は摂氏度で示される。
【0043】
[実施例1]
14.1mgのアスタキサンチンを、70mlのクロロホルムに溶解させた。この溶液に、13.7μgのCH
3COOKを(13.7mgのCH
3COOKを70mlのクロロホルム中に含む希釈溶液のアリコートを添加することにより)添加した。溶液を均質化し、配合物を40℃でテンパリング(temper)した。溶液を貯蔵し、定期的に試料を採取し、アスタキサンチンの濃度を分光測光法により478nmで測定した。
【0044】
[実施例2(比較)]
16.1mgのアスタキサンチンを、80mlのクロロホルムに溶解させた。この溶液に、16.2μgのK
2CO
3を(16.2mgのK
2CO
3を70mlのクロロホルム中に含む希釈溶液のアリコートを添加することにより)添加した。溶液を均質化し、配合物を40℃でテンパリングした。溶液を貯蔵し、定期的に試料を採取し、アスタキサンチンの濃度を分光測光法により478nmで測定した。
【0045】
[実施例3(比較)]
16.1mgのアスタキサンチンを、80mlのクロロホルムに溶解させた。溶液を均質化し、配合物を40℃でテンパリングした。溶液を貯蔵し、定期的に試料を採取し、アスタキサンチンの濃度を分光測光法により478nmで測定した。
【0046】
図1および
図2は、CH
3COOKの添加が、K
2CO
3よりも効果的に全E形を安定化することを示している。未処理のアスタキサンチン(いかなる塩も添加していない)は、比が通常どのように悪化していくかを示している。