(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0013】
[停止スイッチユニット]
本実施形態の停止スイッチユニット10(10A,10B)は、
図1〜
図7に示すように、停止操作を受け付け可能に可動する複数の停止スイッチ10a〜10cが一体化されたユニット構造を有し、各停止スイッチ10a〜10cを介して操作態様のそれぞれ異なる通常操作と特別操作を個別に受け付けるとともに、特別操作を常に受け付け可能としながら通常操作を制限可能に構成され、操作性を損なうことなく任意のタイミングでの停止操作(特別操作)を受け付け可能としつつ、遊技者に最適な操作タイミングでの操作を促すようになっている。
【0014】
具体的には、特別操作を受け付けたときに、これに対応した特別動作を停止スイッチ10a〜10cが行い、通常操作を受け付けたときに、特別動作を伴う複合動作を停止スイッチ10a〜10cが行い、少なくとも特別動作を停止スイッチ10a〜10cが行いながら、受け付ける操作ごとに停止スイッチ10a〜10cの動作態様が変化するようになっている。
ところが、複合動作は制限可能に構成され、この制限により、特別操作のみの受け付けが可能となり、この受け付けにより、停止スイッチ10a〜10cは特別動作を行う。
さらに、特別動作を検出するセンサ50を備えることにより、通常操作又は特別操作のいずれの操作も検出することができるようになっている。
【0015】
停止スイッチユニット10Aは、
図1〜3に示すように、押下操作の受け付けにより、操作方向に沿って可動する独立した二つのボタン部11,12を備えている。
このユニット10Aでは、通常操作は一方のボタン部11への押下操作を意味し、特別操作は他方のボタン部12への押下操作を意味し、ボタン部12が押下操作されると、当該ボタン部12単独で押下操作方向に沿った単独直線動作を行い、ボタン部11が押下操作されると、ボタン部12を従動させて押下操作方向に沿った並行直線動作を行うようになっている。
ところが、ボタン部11の可動(並行直線動作)を制限可能に構成することで、この制限により、ボタン部12のみ押下操作可能となり、操作性を損なうことなく任意のタイミングでの停止操作を受け付け可能としてある。
さらに、ボタン部12の単独直線動作を検出するセンサ50を備えることにより、いずれのボタン部11、12の受け付ける押下操作も検出することができるようになっている。
【0016】
一方、停止スイッチユニット10Bは、
図4〜7に示すように、通常操作はボタン部11への押下操作を意味し、特別操作はボタン部11への回転操作を意味し、ボタン部11は、回転操作されると、回転操作方向に沿った回転動作を行い、押下操作されると、押下操作方向に沿った直線動作と、回転動作とが複合した螺旋動作を行うようになっている。
ところが、ボタン部11の直線動作を制限可能に構成することで、この制限により、回転操作のみ受け付け可能となり、操作性を損なうことなく任意のタイミングでの停止操作を受け付け可能としてある。
さらに、ボタン部11の回転動作を検出するセンサ50を備えることにより、押下操作及び回転操作のいずれの操作も検出することができるようになっている。
このような特徴的な動作を実現すべく、各停止スイッチユニット10は以下のように構成されている。
【0017】
停止スイッチユニット10Aは、
図1〜3に示すように、上ボタン部11、下ボタン部12、ガイド部15、ケース20、スペーサ25、ベース30、ソレノイド40、センサ50、ホルダ60など複数の部品から構成され、これらの部品が
図2に示す配置関係を有しながら組み付けられている。なお、各部品は、三つの停止スイッチ10a〜10cに対応した識別子(a,b,c)を有するものの、適宜省略して説明する。
【0018】
上ボタン部11は、通常操作を受け付け可能な一方の可動部であって、押下操作を受け付け可能な操作面と、操作面の背面から後方に向けて突出形成された軸部111を有し、押下操作によりZ2方向に移動するとともに、軸部111に挿入されるバネ17によりZ1方向に付勢されながらスペーサ25に取り付けられている。
【0019】
具体的には、上ボタン部11は、ボタン挿通孔201とガイド部15の内側に挿通可能に形成され、バネ17の挿入された軸部111がスペーサ25の上軸部挿通孔252に挿通された状態で、スペーサ25背面側から突出する軸部111後端部に止め輪26が圧入されることにより取り付けられ、Z1及びZ2方向に移動可能となっている。
これにより、上ボタン部11は、押下操作によりボタン挿通孔201とガイド部15に案内されながらZ2方向に移動し、上ボタン部11の背面側とスペーサ25の前面側との間で蓄勢された状態にあるバネ17によりZ1方向に付勢されることになる。
【0020】
下ボタン部12は、特別操作を受け付け可能な他方の可動部であって、押下操作を受け付け可能な操作面と、この操作面側に形成され上ボタン部11の背面側に当接する凹部121を有し、押下操作によりZ2方向に移動するとともに、一体的に組み合されるボタンホルダ16の軸部161に挿入されたバネ18によりZ1方向に付勢されながら、上ボタン部11の背面側とスペーサ25の前面側との間に挟み込まれた状態で取り付けられている。
【0021】
具体的には、下ボタン部12は、ボタン挿通孔201とガイド部15の内側に挿通可能に形成されたボタンホルダ16と嵌め合い係合されるとともに、バネ18の挿入された軸部161がスペーサ25の下軸部挿通穴253に係入された状態で、凹部121に当接する上ボタン部11の背面側と、スペーサ25の前面側との間に脱抜不能に取り付けられている。
これにより、下ボタン部12は、押下操作によりボタン挿通孔201とガイド部15に案内されながらZ2方向に移動し、下ボタン部12の背面側とスペーサ25の前面側との間で蓄勢された状態にあるバネ18によりZ1方向に付勢されることになる。
さらに、下ボタン部12は、上ボタン部11が押下操作されると、凹部121が下ボタン部12の背面に押されてZ2方向に移動することになる。
【0022】
このように、上ボタン部11と下ボタン部12の一部同士を押下操作方向に沿って接触可能に重ねて配置するとともに、重なる部分において上ボタン部11を下ボタン部12に対して押下操作方向手前側(Z1)に配置することにより(部品配置構造)、特別操作を受け付けた下ボタン部12は、操作方向(Z2)に沿って単独直線動作を行い、通常操作を受け付けた上ボタン部11は、下ボタン部12を従動させて単独直線動作を伴う操作方向(Z2)に沿った並行直線動作を行うことになる(動作態様可変手段)。
【0023】
また、センサ50は、下ボタン部12の単独直線動作を検出可能に構成されている。
具体的には、センサ50は、フォトインタラプタで構成された検出手段であって、ボタンホルダ16に形成された検出片162の進退動作(Z1及びZ2方向への動作)を、遮光/通光(非遮光)により検出可能な位置に固定されている(
図3参照)。
センサ50は、光を出射する発光部501と、この発光部501から出射された光を受光する受光部502とを有しており、これら発光部501と受光部502が検出片162の進退経路を挟むように互いに離間した位置に配置され、発光部501からの光が下ボタン部12の単独直線動作に伴う検出片162の進入動作により遮光されることで検出信号を出力し(
図3(b)参照)、退出動作で通光されることで検出信号の出力を停止するようになっている(
図3(a)参照)。
このように、センサ50を下ボタン部12の単独直線動作を検出可能に構成することにより、上ボタン部11又は下ボタン部12のいずれが押下操作されても下ボタン部12が単独直線動作を行うことから、受け付けた操作をすべて検出することができる。
【0024】
また、ソレノイド40は、駆動手段及び複合動作制限手段(可動制限手段)として動作し、上ボタン部11が行う並行直線動作を制限可能に構成されている。
具体的には、ソレノイド40は、電磁石で構成され、外部からの電力の供給を受けて励磁されることにより、挿入された鉄心部41をZ1側に吸引する。
鉄心部41の軸部411は、連結菅19を介して上ボタン部11の軸部111と接続されている(
図3参照)。これにより、ソレノイド40が励磁状態にあるときは、Z1側に吸引された鉄心部41により、上ボタン部11の行う並行直線動作が制限されることになる(複合動作制限手段)。すなわち、ソレノイド40の励磁状態では、上ボタン部11に対する押下操作が制限されることになる。
ところが、このような励磁状態でも、
図3(b)に示すように、下ボタン部12は単独直線動作が可能であることから、センサ50は下ボタン部12に対する押下操作を検出することができる。
【0025】
このような構成により、停止スイッチユニット10Aは、上ボタン部11が行う並行直線動作の制限の有無にかかわらず、下ボタン部12に対する特別操作を受け付け可能とし、制限が解除されているときは、上ボタン部11に対する通常操作と下ボタン部12に対する特別操作をそれぞれ受け付けるとともに、センサ50が通常操作又は特別操作のいずれの操作を受け付けても下ボタン部12の単独直線動作を検出するようになっている。
これにより、操作性を確保しながら任意のタイミングでの押下操作を下ボタン部12を介して受け付け可能とし、普段は遊技者に上ボタン部11を押下操作させることにより、並行直線動作の制限及び制限解除により、遊技者に最適な操作タイミングでの操作を促すことができる。
【0026】
停止スイッチユニット10Bは、
図4〜7に示すように、ボタン部11、ボタンホルダ13、ガイド部15、ケース20、ベース30、ソレノイド40、センサ50、ホルダ60など複数の部品から構成され、これらの部品が
図5に示す配置関係を有しながら組み付けられている。なお、各部品は、三つの停止スイッチ10a〜10cに対応した識別子(a,b,c)を有するものの、適宜省略して説明する。
【0027】
ボタン部11は、その内側に嵌め込まれるボタンホルダ13とともに押下操作と回転操作を受け付けて可動する可動部であって、押下操作を受け付ける前面と、回転操作を受け付ける側面とを有する有底筒状に形成され、押下操作によりZ2方向に移動するとともに、回転操作によりR2方向に回転するようになっている。
【0028】
具体的には、ボタン部11は、ボタンホルダ13と一体的に組み合された状態でボタン挿通孔201に挿通可能に形成され、その周面がボタン挿通孔201内側面に案内されながら、Z1及びZ2方向のみならずR1及びR2方向にも移動可能となっている。
また、ボタン部11は、図示しないバネによりZ1方向に付勢されるとともに、バネ14によりR1方向に付勢されている。
さらに、ボタン部11は、押下操作を受け付けると、Z2方向に沿った直線動作とR2方向に沿った回転動作とが複合した螺旋動作を行う。
この螺旋動作は、ベース30の取付部301に取り付けられるガイド部15と、ボタンホルダ13との以下のような構造的な関係により実現される
【0029】
ガイド部15は、螺旋ガイド部であって、螺旋状に形成されたガイド面151を有し、ボタン部11と一体となって可動するボタンホルダ13は、ガイド面151に対向可能な螺旋形状の被ガイド面131を有している。
このような構成により、被ガイド面131は、ボタン部11が押下操作を受け付けると、ガイド面151に摺接しながら案内されて、Z2方向に沿った直線動作とR2方向に沿った回転動作とが複合した螺旋動作を行うこととなる。
なお、被ガイド面131は、ボタン部11がR2方向に沿った回転操作を受け付けることにより、ガイド面151に係ることなくガイド面151から離間する。
つまり、ボタン部11は、回転操作(R2)を受け付けると、ガイド面151に係ることなく回転操作(R2)方向に沿った回転動作を行い、押下操作を受け付けると、ガイド面151に案内されることにより、押下操作(Z2)方向に沿った直線動作(Z2)と、回転動作(R2)とが複合した螺旋動作を行うことになる(動作態様可変手段)。
【0030】
また、センサ50は、ボタン部11の回転動作を検出可能に構成されている。
具体的には、センサ50は、
図6(i)〜(iii)に示すように、ボタンホルダ13に形成された検出片132の回転動作(R1及びR2方向への動作)を、遮光/通光(非遮光)により検出可能な位置であって、発光部501と受光部502とを結ぶ検出光路が押下操作方向とほぼ直交するように配置されている。
また、検出片132は、押下操作方向に沿って延出形成され、操作ボタン部11と同様な動作を行う。
【0031】
このような構成により、センサ50は、
図6(i)に示すような操作なしの状態で通光を検出し、ボタン部11が
図6(ii)に示すような回転操作を受け付けると、検出片132が回転動作を行いながら、発光部501と受光部502との間に進入することで、検出信号を出力することになる。
また、ボタン部11が
図6(iii)に示すような押下操作を受け付けると、検出片132が回転動作に直線動作を伴いながら発光部501と受光部502との間に進入することができ、この際には、検出光路が押下操作方向とほぼ直交するため、センサ50自体が検出片132の進退を妨げることはない。
このように、検出片132とセンサ50は、ボタン部11の直線動作によって緩衝しない配置関係を有している。
【0032】
また、ソレノイド40は、駆動手段及び複合動作制限手段(可動制限手段)として動作し、ボタン部11が行う螺旋動作を制限可能に構成されている。
具体的には、ソレノイド40は、励磁されると、挿入された鉄心部41をZ1側に吸引する。
鉄心部41の軸部411は、ソレノイド40が励磁状態にあるときは、ボタンホルダ13の背面に当接するようになっている。
これにより、ソレノイド40が励磁状態にあるときは、
図7(a)に示すように、Z1側に吸引された鉄心部41により、ボタン部11の行う螺旋動作が制限されることになる(複合動作制限手段)。すなわち、ソレノイド40の励磁状態では、ボタン部11に対する押下操作が制限されることになる。
ところが、ボタン部11は軸部411によりZ2方向への直線動作が制限されるものの回転動作可能であることから、センサ50はボタン部11に対する回転操作を検出することができる(
図6(ii)参照)。
一方、
図7(b)に示すように、ソレノイド40が非励磁状態にあるときは、センサ50は、ボタン部11に対する回転操作はもちろん押下操作も検出できる。
【0033】
このような構成により、停止スイッチユニット10Bは、ボタン部11が行う螺旋動作の制限の有無にかかわらず、ボタン部11に対する回転操作を受け付け可能とし、制限が解除されているときは、ボタン部11に対する押下操作と回転操作をそれぞれ受け付けるとともに、センサ50が押下操作又は回転操作のいずれの操作を受け付けてもボタン部11の回転動作を検出するようになっている。
これにより、操作性を確保しながら任意のタイミングでの回転操作を受け付け可能とし、普段は遊技者にボタン部11を押下操作させることにより、螺旋動作の制限及び制限解除により、遊技者に最適な操作タイミングでの操作を促すことができる。
【0034】
[スロットマシン]
次に、以上のような特徴的な構成を有する停止スイッチユニット10を搭載した遊技機について説明する。
変動する図柄を停止させるための停止操作を受け付け可能に可動する停止スイッチを備える遊技機には、スロットマシン、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0035】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されており、リールの回転を停止させる停止スイッチに本発明に係る停止スイッチユニット10を適用し、この停止スイッチユニット10により遊技者に最適な操作タイミングでの停止操作を促し、所望する図柄での停止を支援するようになっている。
以下、本実施形態に係るスロットマシン1について
図8〜
図26を参照しながら詳述する。
【0036】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数のリール31a(左),31b(中),31c(右)が内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された主制御部8、主制御部8からの指令により、スピーカ7a,表示器7bを制御する副制御部9、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0037】
前扉1aは、
図9に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0038】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール31a,31b,31cの回転を始動させる始動スイッチ4と、回転している各リール31a,31b,31cを停止させる3つの停止スイッチ10a(左),10b(中),10c(右)を備える停止スイッチユニット10などが設けられている。
【0039】
さらに、前扉1aには、各リール31a,31b,31cに表示された図柄を視認可能とする表示窓5が、各操作手段の上側に設けられ、各リール31に表される縦方向に隣接する3つの図柄をそれぞれ視認可能としている。
また、この表示窓5に対向する領域は、
図11に示すように、リール31が停止したときの9つの図柄の組合せを判定するための判定領域(上a〜下a,上b〜下b,上c〜下c)となっており、これらの判定領域において有効ライン1〜5に沿って並ぶ図柄の組合せに応じて付与される遊技価値が判定されるようになっている。
【0040】
また、前扉1a上部には、主制御部8からの指令を受けた副制御部9によって制御されるスピーカ7a、表示器7b(例えば、液晶テレビ)などの演出手段が設けられ(
図10参照)、それぞれの演出手段から、ゲームの進行に合わせた効果音、音声、所定の演出表示等が出力されるようになっている。
【0041】
筐体1bの中央には、
図9に示すように、それぞれ21の図柄が表されたリール31a,31b,31cと、各リール31a,31b,31cを回転させる図示しないモータ及び回転位置(原点位置)を検出するセンサ等を備えるドラムユニット3が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置6が設けられる。メダル払出装置6には、メダルを貯留するホッパー6aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー6aに誘導されるようになっている。
【0042】
[主制御部]
主制御部8は、メインCPU、メインROM、メインRAMなどが一体化された制御用チップの搭載された主基板、これを収容する基板ケース等から構成され、
図10に示すように、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、ドラムユニット3、メダル払出装置6などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技を進行させる。
【0043】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部8に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部8に入力される。主制御部8は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、始動スイッチ4からの始動操作の受け付けを監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、始動スイッチ4が操作されると、主制御部8は、ドラムユニット3を駆動して、各リール31a,31b,31cを回転させる制御を行う。
【0044】
リール31の回転制御では、リール31の原点位置を検出するセンサからのマーカー信号を検出しながら、モータを制御して各リール31を回転させる。
モータの制御は、モータに出力するパルスを1パルスずつカウントしながら、1図柄分ずつリール31を回転させ、例えば、
図12に示すように、図柄に応じたパルス数(19又は20パルス)をモータに出力して1図柄単位でリール31を回転制御するようになっている。
また、マーカー信号は、例えば、
図12に示す図柄番号「0」の図柄(左リール31aならば「ブドウ」)が判定領域(上a)を通過するごとに入力され、主制御部8は、各リール31が1回転するごとに各リール31の原点位置を確認する。
このように、主制御部8は、回転中の各リール31において判定領域(上a)を通過する図柄番号をリアルタイムに更新(認識)しながら、リール31の回転を制御する。
【0045】
このような図柄番号の更新は、主制御部8が
図21に示すような図柄番号更新処理を実行することで行われる。
【0046】
この図柄番号更新処理では、まず、各リール31の原点位置を示すマーカー信号の監視を行い(S1)、マーカー信号が検出されるまで監視を続ける(S1−No)。マーカー信号が検出されると(S1−Yes)、メインRAMにおける、図柄番号(0〜20)を更新する領域(図柄カウンタ)と、1図柄単位のパルス数(19又は20パルス)を更新する領域(パルスカウンタ)を初期化する(S2:例えば、ゼロに初期化)。
さらに、リール31が定速回転中か否かの判定を行う(S3)。未だ定速回転中でないと判定したときには(S3−No)、マーカー信号の監視を続け、一方、定速回転中であると判定したときには、停止スイッチ10a〜10cに対する操作が有効な状態となるため、回転中の各リール31において判定領域(上a)を通過する図柄番号を認識すべく、以下の処理を行う。
【0047】
具体的には、モータへのパルス出力の有無を監視し(S4)、1パルス出力しない限り(S4−No)、監視を続け、1パルス出力すると(S4−Yes)、パルスカウンタを+1更新する(S5)。
パルスカウンタを+1更新しながら、1図柄分のパルス数(19又は20パルス)に達したか否かの判定を行い(S6)、1図柄分のパルス数に達していないときには(S6−No)、1パルス出力ごとにパルスカウンタを+1更新する処理を続け(S4,S5)、1図柄分のパルス数に達したときには(S6−Yes)、パルスカウンタを初期化するとともに(S7)、図柄番号(0〜20)を更新すべく、図柄カウンタを+1更新する(S8)。
このとき、副制御部9に、図柄カウンタの値、すなわち判定領域(上a)を通過する図柄番号を示す図柄番号信号を送信する(S9)。
【0048】
さらに、+1更新した図柄カウンタが「20」に達したか否かの判定を行い(S10)、達していないときには(S10−No)、1パルス出力ごとにパルスカウンタを+1更新しながら、1図柄分のパルス数に達したときには、図柄カウンタを+1更新するとともに図柄番号信号を送信するという上記の処理を繰り返し行い(S4〜S9)、図柄カウンタが「20」に達したときには(S10−Yes)、その他の処理を実行し(S12)、その後、マーカー信号の監視を行う(S1)。
主制御部8は、以上のような図柄番号更新処理を実行することにより、回転中の各リール31において判定領域(上a)を通過する図柄番号をリアルタイムに認識しながら、リール31の回転を制御している。
【0049】
また、主制御部8は、始動スイッチ4が操作されたときに、複数の抽選対象の中からハズレを含む当選対象をゲームごとに抽選する内部抽選を行う。
この抽選対象には、例えば、
図13に示すように、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどのボーナスゲームに移行する権利を獲得するボーナス役(BB1,BB2、RB)、メダルを投入することなく次回ゲームが可能となるリプレイ役(リプレイ1〜6)、所定枚数のメダルが付与される小役(ブドウ1〜3、ベル、ピエロ、チェリー)、図示しないハズレなどがある。
内部抽選では、これらの抽選対象ごとに予め設定された当選値と、始動スイッチ4が操作されたタイミングで取得される乱数値とを比較し、乱数値と一致する当選値に対応する抽選対象を今回ゲームの当選対象(ハズレも含む)として決定するようになっている。
【0050】
その後、主制御部8は、各停止スイッチ10a,10b,10cが操作されると、この操作タイミングに基づき、当選対象に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール31a,31b,31cの停止制御を行う。
この停止制御では、操作されたタイミングにおいて判定領域(上a)を通過中の図柄番号を参照しつつ、このタイミングからリール31の回転をさらに進めることができるスベリコマ数(例えば、0〜4図柄)の範囲内に、当選対象に対応する図柄があるか否かを判定しながら行い、スベリコマ数の範囲内に当選対象に対応する図柄がある場合には、その図柄を判定領域内に引き込むようにリール31を回転制御し、その図柄がスベリコマ数の範囲内にないときには、その図柄と異なる図柄が判定領域に停止するようにリール31を回転制御する。
【0051】
例えば、内部抽選にて当選した当選対象をボーナス役(BB1)とした場合において、これに対応する図柄の組合せは、
図13に示すように、「7・7・7」であるが、「7」は、各リール31において最大スベリコマ数(4コマ)を超える間隔で配置されていることから(
図12参照)、停止スイッチ10a,10b,10cが操作されたタイミングで、判定領域内に「7」を引き込み可能な操作タイミングと、引き込み不可能な操作タイミングが存在することになる。
【0052】
具体的には、停止スイッチ10aが操作され、左リール31aを停止制御する場合で説明すると、
図14に示すように、判定領域内に「7」を引き込み可能な操作タイミングは、このタイミング、すなわち、停止スイッチ10aの停止操作時に判定領域(上a)を通過中の図柄(図柄番号)に応じて異なるようになっている。
この例では、図柄番号2〜8に対応するいずれかの図柄(ベル〜ブドウ)が判定領域(上a)を通過中に停止操作されると、左リール31aに対応するいずれかの判定領域(上a〜下a)に「7」(図柄番号4)を引き込んで停止するようにリール31を制御し、その他の図柄番号(0,1,9〜20)に対応する図柄が判定領域(上a)を通過中に停止操作されると、「7」を判定領域(上a〜下a)に引き込むことはできないので、「7」以外の図柄が判定領域(上a〜下a)に停止するようにリール31を回転制御する。
【0053】
また、主制御部8は、各停止スイッチ10a,10b,10cの操作されたタイミングのみならず、予め設定した操作順序に基づき、当選対象に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール31a,31b,31cの停止制御を行う。
具体的には、
図13に示すように、抽選対象ごとに操作順序が予め定められており、例えば、リプレイ役(リプレイ1〜6)、小役(ブドウ1〜3)では、対応する図柄の組合せはすべて同じ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」、「ブドウ・ブドウ・ブドウ」)であるものの、いずれか一のリプレイ役又は小役が当選対象となった場合、この当選対象に対して要求される操作順序で、停止スイッチ10a,10b,10cを操作しない限り、主制御部8は、対応する図柄の組合せで停止しないようにリールを制御する。
【0054】
例えば、内部抽選にて当選した当選対象を「リプレイ1」とした場合において、要求される操作順序「左停止スイッチ10a→中停止スイッチ10b→右停止スイッチ10c」の順に停止スイッチ10a,10b,10cを操作しない限り、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」で停止しないようにリールを制御する。
同様に、内部抽選にて当選した当選対象を「ブドウ1」とした場合において、要求される操作順序「左停止スイッチ10a→中停止スイッチ10b又は右停止スイッチ10c」の順に停止スイッチ10a,10b,10cを操作しない限り、「ブドウ・ブドウ・ブドウ」で停止しないようにリールを制御する。
なお、
図13に示す「−」は、操作順序の影響を受けない抽選対象を示すもので、これに該当する抽選対象が当選対象となった場合には、操作順序の影響を受けることなく、停止スイッチ10a,10b,10cが操作された操作タイミングに基づいて対応する図柄の組合せで停止するよう各リール31a,31b,31cが制御される。
【0055】
さらに、主制御部8は、各リール31a,31b,31cに停止表示される図柄の組合せを判定し、図柄の組合せに応じた遊技価値を遊技者に付与する。
この図柄の組合せの判定は、判定領域(上a〜下a,上b〜下b,上c〜下c)において(
図11参照)、有効ライン1〜5に沿って並ぶ図柄の組合せと、
図13に示す抽選対象ごとの図柄の組合せとの比較・照合に基づいて行われ、この図柄の組合せに応じた遊技価値を付与する。
【0056】
例えば、いずれかの有効ライン1〜5に沿って、「7・7・7」が停止したものと判定したときには、大量のメダルが獲得可能なビッグボーナスゲームに移行させ、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」が停止したものと判定したときには、メダルを投入することなく次回ゲーム可能な状態とし、「ブドウ・ブドウ・ブドウ」が停止したものと判定したときには、メダル払出装置6に対して所定数のメダルを払い出させる制御を行い、メダルをメダル払出口6bから払い出す。
なお、主制御部8は、当選対象がボーナス役(特定の抽選対象)の場合において、対応するボーナス図柄で停止しない限り、次回以降のゲームにその当選を持ち越す制御を行う。
【0057】
主制御部8は、以上のようなスロットマシン遊技を進行させる基本的な制御に加え、スロットマシン遊技の進行と、スピーカ7a,表示器7bなどの演出手段が行う遊技演出との同期を図るべく、副制御部9に対して、ゲームの進行状況を識別可能な制御信号(制御情報)を出力する。
例えば、メダルセレクタ2bが投入されたメダルを検出したこと又はベットボタン2aが操作されたことを示すベット信号(投入情報)、始動スイッチ4が受け付けた始動操作を識別可能なスタート信号(始動情報)、内部抽選にて当選した当選対象を識別可能な当選対象信号(当選対象情報)、停止操作の受け付けが有効となる開始タイミング(例えば、リール31が定速回転になったタイミングで出力されるリール定速回転信号など)を示す停止操作有効信号、回転中の各リール31の位置を示すリール位置情報(図柄位置情報)であって、回転中の各リール31において判定領域(上a,上b,上c)を通過する図柄番号を識別可能な図柄番号信号(変動図柄情報)、停止スイッチ10a,10b,10cが受け付けた停止操作をそれぞれ識別可能な停止信号、ボーナス図柄の停止を示すボーナス開始信号などの様々な制御信号を出力する。
【0058】
なお、これらの制御信号は、例えば、ベット信号はメダル検出時又はベットボタン2a操作時、スタート信号は始動操作時、当選対象信号は始動操作時、停止操作有効信号(リール定速回転信号)はリール31が定速回転に達したタイミング、図柄番号信号は各リール31がそれぞれ1図柄分回転するたび、停止信号は個々の停止スイッチ10a〜10cの停止操作時、ボーナス開始信号はボーナス図柄の組合せが停止したときなど、ほぼリアルタイムに副制御部9に送信される。
【0059】
[副制御部]
副制御部9は、主制御部8と同様にコンピュータとして構成され、
図10に示すように、主制御部8からの制御信号に基づいてスピーカ7a,表示器7bなどの演出手段を制御するとともに、停止スイッチユニット10の制御を行う。
具体的には、副制御部9は、サブCPU、サブROM、サブRAMなどの演出用チップの搭載された副基板、これを収容する基板ケース等から構成され、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、スピーカ7a,表示器7bを制御して所定の演出を行わせる。
【0060】
さらに、本発明の特徴的な動作として、停止スイッチユニット10に設けられたソレノイド40a〜40cを制御して、停止スイッチ10a,10b,10cが行う複合動作(可動)を制限又は制限解除により、遊技者に最適な操作タイミングでの停止操作を促すようになっている。
このような特徴的な動作を実現すべく、ソレノイド40a〜40cを制御する際に参照される複数の情報がサブROMに記憶されている。
【0061】
サブROMに記憶されている情報には、例えば、各リール31に表された図柄の種類と図柄番号との関係を示す図柄配列情報(
図12参照)、抽選対象とこれに対応する図柄の組合せとの対応関係を示す対応関係情報(
図13参照)、抽選対象に対応する操作順序を特定可能な操作順序情報(
図13参照)、抽選対象ごとのスベリコマ数情報(
図14参照)などがある。
副制御部9は、これらの情報と、主制御部8から送信される制御信号とに基づいて、ソレノイド40a〜40cを制御することにより、遊技者に最適な操作タイミングでの停止操作を促すようになっている。
【0062】
例えば、副制御部9は、主制御部8から送信されるベット信号、又はスタート信号の入力タイミングから停止操作有効信号が入力されるまでの間、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、停止スイッチ10a,10b,10cを通常操作受け付け不能とすることで(複合動作の制限)、停止操作の受け付けが有効でないこと、すなわち、停止操作無効期間中であることを遊技者に報知することもできる。
また、停止操作有効信号の入力後は、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)とし、通常操作受け付け可能とすることで、停止操作有効期間中であることを遊技者に報知することもできる。
【0063】
また、副制御部9は、停止操作を受け付け可能なタイミングであって(停止操作有効期間中)、リール31が当選対象に対応する図柄で停止可能又は停止不能となる少なくともいずれかの受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)とし、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け可能にする。
例えば、少なくとも遊技者に有利な抽選対象に当選したときには、当選対象に対応する図柄で停止可能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)として、通常操作を受け付け可能にするとともに、当選対象に対応する図柄で停止不能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)して、通常操作を受け付け不能にする。
【0064】
具体的には、主制御部8からボーナス役(BB1)の当選を示す当選対象信号が入力されたときの例では、
図15に示すように、判定領域内にボーナス図柄(「7」)を引き込み可能な操作タイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)とし、通常操作を受け付け可能とし、判定領域内にボーナス図柄(「7」)が停止不能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、通常操作を受け付け不能にする。
その結果、通常操作を受け付け可能なタイミングにおいて、遊技者が停止スイッチ10aを操作(通常操作)することにより、ボーナス図柄(「7」)が判定領域(上a〜下c)に停止することになり、有利な遊技状態であるボーナスゲームに移行することになる。
このような制御により、回転中のリール31において図柄を見分ける技量に左右されることなく、所望する図柄で停止するように、停止操作(目押し)を支援することができる。
【0065】
また、副制御部9は、それぞれの停止スイッチ10a〜10cが受け付けた停止操作を示す停止信号が主制御部8から入力されない限り、停止スイッチ10a〜10cのそれぞれのソレノイド40a〜40cに対して、励磁(ON)と非励磁(OFF)を上記のタイミングで繰り返すこともできる。
なお、上記の例において、ボーナス図柄の停止を示すボーナス開始信号の入力を監視しながら、ゲーム回数をカウントし(例えば、主制御部8から入力されるスタート信号の入力数をカウント)、ボーナス役の持ち越しゲーム回数が予め設定された回数に達してから、上記のタイミングでのソレノイド40a〜40cの制御を開始させることもできる。
これは、予め設定された回数に達する前にボーナス図柄を停止させることができる遊技者(熟練遊技者)に煩わしさを感じさせることなく、目押しに不慣れな遊技者を確実に救済するためである。
【0066】
また、上記のソレノイド制御において、当選対象に対応する図柄の特定及び引き込みの可否の判定は、以下のように行われる。
当選対象に対応する図柄(この例では、ボーナス図柄)は、当選対象信号と、サブROMに記憶されている、抽選対象とこれに対応する図柄の組合せとの対応関係を示す対応関係情報とから特定される。
また、当選対象に対応する図柄の引き込みの可否は、主制御部8から入力される、回転中の各リール31の位置を示すリール位置情報であって、回転中の各リール31において判定領域(上a,上b、上c)を通過する図柄番号を識別可能な図柄番号信号と、サブROMに記憶されている図柄配列情報(スベリコマ送り数情報を含む)とから求めることができる引き込み可否データ(
図14と同等のデータ)を参照して判定される。
【0067】
また、遊技者に不利な抽選対象に当選したときには、この当選対象に対応する図柄で停止可能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、通常操作を受け付け不能にするとともに、当選対象に対応する図柄で停止不能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)とし、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け可能にすることもできる。
【0068】
例えば、主制御部8から所定の当選対象を示す当選対象信号が入力され、これに対応する図柄の組合せで停止したときに、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態に遷移(転落)するような場合(例えば、リプレイ役に高確率で当選するリプレイタイム(RT)から、これより当選確率が低確率となる通常遊技状態に遷移するような場合)においては、
図15に示す例とは逆に、判定領域内にこの当選対象に対応する図柄を引き込み可能な操作タイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、通常操作を受け付け不可とし、判定領域内にこの図柄が停止不能な受け付けタイミングにおいて、ソレノイド40a〜40cを非励磁(OFF)とし、通常操作を受け付け可能とすることもできる。
これにより、この当選対象に対応する図柄の組合せでの停止が回避され、有利な遊技状態から不利な遊技状態への遷移を免れることができる。
なお、このような制御は、副制御部9が上記の制御を行うか否かを決定する抽選を行い、その抽選に当選したときに限り実行することもできる。
【0069】
さらに、副制御部8は、停止信号に基づいてソレノイド40a〜40cを順次制御し、所定の当選対象において要求される操作順序に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能にすることもできる。
【0070】
例えば、停止スイッチ10a〜10cのうちで操作順序において最初の停止操作が要求される停止スイッチ10に対応するソレノイド40を非励磁(OFF)とし、残るすべての停止スイッチ10に対応するソレノイド40を励磁(ON)し、最初の停止操作が要求される停止スイッチ10が操作されると、二番目の停止操作が要求される停止スイッチ10に対応するソレノイド40を非励磁(OFF)とする。このとき三番目の停止操作が要求される停止スイッチ10があるときには、その停止スイッチ10に対応するソレノイド40を励磁(ON)し、二番目の停止操作が要求される停止スイッチ10が操作されると、三番目の停止操作が要求される停止スイッチ10に対応するソレノイド40を非励磁(OFF)とすることで、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能にする。
【0071】
このような操作順序に応じたソレノイド40a〜40cの制御を、主制御部8からリプレイ役(リプレイ1)の当選を示す当選対象信号が入力されたときを例に挙げて説明する。
副制御部8は、
図16に示すように、まず、スタート信号(ベット信号でも可)の入力タイミング(ON)から停止操作有効信号(リール定速回転信号)が入力(ON)されるまでの間、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、すべての停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け不能とする。
その後は、当選対象において要求される操作順序に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能にする。
【0072】
具体的には、このリプレイ1では、複数(6通り)ある操作順序のうちで、「左停止スイッチ10a→中停止スイッチ10b→右停止スイッチ10c」の順に停止スイッチ10a〜10cを操作することが要求されていることから(
図13参照)、停止操作有効信号の入力(ON)後、最初に停止スイッチ10aに対応するソレノイド40aを非励磁(OFF)とし、残るすべての停止スイッチ10b,10cに対応するソレノイド40b,40cをそのまま励磁(ON)する。
次に、副制御部8は、停止スイッチ10aの停止操作に基づく停止信号が入力されると、二番目の停止操作が要求される停止スイッチ10bに対応するソレノイド40bを非励磁(OFF)とし、このとき三番目の停止操作が要求される停止スイッチ10cがあるので、この停止スイッチ10cに対応するソレノイド40cをそのまま励磁(ON)する。
さらに、二番目の停止操作が要求される停止スイッチ10bの停止操作に基づく停止信号が入力されると、三番目の停止操作が要求される停止スイッチ10cに対応するソレノイド40cを非励磁(OFF)とすることで、すべての停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能にする。
これにより、当選対象(リプレイ1)において要求される操作順序での停止操作を遊技者に促すことができ、判定領域に当選対象に対応する図柄の組合せ(「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止することになる。
【0073】
さらに、操作順序に応じたソレノイド40a〜40cの他の制御例を、主制御部8から小役(ブドウ1)の当選を示す当選対象信号が入力されたときを例に挙げて説明する。
副制御部8は、
図17に示すように、まず、リプレイ1の場合と同様、スタート信号の入力タイミング(ON)から停止操作有効信号(リール定速回転信号)が入力(ON)されるまでの間、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し、すべての停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け不能とし、その後は、当選対象において要求される操作順序に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能にする。
【0074】
このブドウ1では、複数(3通り)ある操作順序のうちで、「左停止スイッチ10a→中停止スイッチ10b又は右停止スイッチ10c」の順に停止スイッチ10a〜10cを操作することが要求されていることから(
図13参照)、停止操作有効信号の入力(ON)後、最初に停止スイッチ10aに対応するソレノイド40aを非励磁(OFF)とし、残るすべての停止スイッチ10b,10cに対応するソレノイド40b,40cをそのまま励磁(ON)する。
次に、副制御部8は、停止スイッチ10aの停止操作に基づく停止信号が入力されると、残るすべての停止スイッチ10b,10cに対応するソレノイド40b,40cを一斉に非励磁(OFF)とし、停止スイッチ10b又は停止スイッチ10cのいずれかの停止スイッチ10を先に操作するかの選択を遊技者に委ねる。
これにより、当選対象(ブドウ1)において要求される操作順序での停止操作を遊技者に促すことができ、判定領域に当選対象に対応する図柄の組合せ(「ブドウ・ブドウ・ブドウ」)が停止することになる。
【0075】
このように当選対象において要求される操作順序に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能とすることにより、操作順序を間違えるという単純なミスから遊技者を救済し、その要求を遊技者に確実に達成させることで、所望する図柄での停止を支援することができる。
【0076】
なお、当選対象において要求される操作順序は、当選対象信号と、これに対応する操作順序を特定可能な操作順序情報とから特定される(
図13参照)。
また、操作順序情報は、サブROMに記憶することなく、主制御部8から入力される制御信号(押し順信号)に含めることもできる。
また、当選対象において要求される操作順序は、スピーカ7a,表示器7bなどの演出手段を制御して画面表示(LED、7セグ等のその他の表示を含む)又は音出力により(例えば、操作順序「左→中→右」などを表示又は音声出力)、報知することも可能であり、副制御部8は、このような制御をソレノイド40の制御と同期して行うこともできる。
【0077】
さらに、上記のような所望する図柄での停止を支援する目的ではなく、遊技演出として、ソレノイド40の制御を行うこともできる。
例えば、副制御部9がソレノイド制御に係る遊技演出(例えば、通常操作を受け付け不能とするフリーズ演出)を行うか否かを決定する抽選を行い、その抽選結果に基づいて、一又は二以上の任意のタイミングから所定の時間(任意な時間も含む)に亘り、一又は二以上のソレノイド40を個別に又は一斉に励磁(ON)したり、停止スイッチ10a〜10cの操作順序に応じて各ソレノイド40を個別に励磁(ON)したりすることができる。
【0078】
ある任意のタイミングから所定の時間(例えば、10秒)に亘り、一又は二以上のソレノイド40を個別に又は一斉に励磁する例として、例えば、
図18に示すように、停止操作有効信号(リール定速回転信号)が入力されたタイミングからソレノイド40cのみを所定時間(T1)励磁(ON)し、右停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け不能とする遊技演出を行うこともできる。
また、
図19に示すように、停止操作有効信号(リール定速回転信号)が入力されたタイミングから一斉にソレノイド40a〜40cを所定時間(T2)励磁(ON)し、すべての停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け不能とする遊技演出を行うこともできる。
【0079】
また、停止スイッチ10a〜10cの操作順序に応じて各ソレノイド40を個別に励磁する例として、
図20に示すように、停止操作有効信号(リール定速回転信号)が入力されたタイミングでは、いずれのソレノイド40も非励磁(OFF)としながら、停止スイッチ10a〜10cの操作順序に応じて、例えば、最初に一の停止スイッチ10aが操作され、その後、二の停止スイッチ10bが操作されたタイミング(合計二つ停止信号が入力されたタイミング)から、停止操作を残す停止スイッチ10cに対応するソレノイド40cのみを所定時間(T3)励磁(ON)し、当該停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け不能とする遊技演出を行うこともできる。
この場合、停止スイッチ10cが操作される前からのみならず、停止スイッチ10cが操作されてからソレノイド40cを所定時間(T3)励磁(ON)してもよい(スイッチを押し戻すような演出)。
また、上記各遊技演出において、ソレノイド40を所定時間に亘って励磁するにあたり、励磁と非励磁とを繰り返すON/OFF制御を行い、遊技者に振動を伝達することもできる。
さらに、上記各遊技演出は、単独で行ってもよいし、演出手段(スピーカ7a、表示器7b)を介する所定の演出と同時に行ってもよい。
【0080】
このような遊技演出を、例えば、当選対象としてボーナス役の当選を示す当選対象信号が入力されたときのみ、又はこのときに加えてボーナス役以外の当選対象を示す当選対象信号(例えば、ハズレ)が入力されたときであって、これらの当選対象信号が入力されたときに実行される演出内容を決定するための抽選にて当選した場合に行うことで(フリーズ演出当選)、遊技者に対してボーナス当選の可能性を予告的に報知することができる。
【0081】
以上説明したような副制御部9が行うソレノイド40に対する制御は、
図22〜
図26に示すソレノイド制御処理1〜5において実行される。
例えば、遊技者に有利な抽選対象(例えば、ボーナス役)に当選したときに、この当選対象に対応する図柄で停止可能又は不能な受け付けタイミングにおいて、通常操作を受け付け可能又は不能にするソレノイド40の制御は、ソレノイド制御処理1において行われる。
図22に示すソレノイド制御処理1は、
図15に示したタイミングチャートを実現するためのフローチャートである。
【0082】
このソレノイド制御処理1では、
図22に示すように、まず、副制御部9は、主制御部8からの制御信号を監視し(S20)、制御信号が入力されない限り(S20−No)、監視を続け(S20)、制御信号が入力されると(S20−Yes)、制御信号に応じた処理を実行する。
制御信号としてスタート信号が入力されると(S21−Yes)、ボーナス役の当選を示す当選対象信号が既に入力されている否か判定され(S22)、ボーナス役に既に当選しているときには(S22−Yes)、さらに、ボーナス役の当選からスタート信号が入力されるたびに+1カウントされるゲーム回数を参照して、このカウント数が5ゲームに達しているか否かの判定を行う(S23)。5ゲームに達しているときには(S23−Yes)、ソレノイド40a〜40cをすべて励磁(ON)すべく、作動フラグをONし(S24)、図柄番号信号の入力を監視する(S25)。
【0083】
一方、スタート信号が入力されず(S21−No)、又はボーナス役に既に当選していないとき(S22−No)、又はカウント数が5ゲームに達していないときには(S23−No)、作動フラグをONすることなく(既にONしている場合も含む)、図柄番号信号の入力を監視する(S25)。
【0084】
図柄番号信号が入力されると(S25−Yes)、既に作動フラグがONされているか否かの判定を行い(S26)、作動フラグがONのときには(S26−Yes)、入力された図柄番号信号と、図柄引き込み可否データを参照し、当選対象に対応する図柄で停止可能又は不能な受け付けタイミングをリール31ごとに判定しながら、各ソレノイド40を以下のように並列的に制御する。
【0085】
具体的には、左リール31a(S27−Yes)、中リール31b(S27−No,S28−Yes)、右リール31c(S27−No,S28−No)ごとに、入力された図柄番号信号(リール31ごとに異なる)と、図柄引き込み可否データ(リール31ごとに異なる)を参照して(S29,S33,S37)、当該図柄番号信号の入力タイミングは左〜右ボーナス図柄で停止可能なタイミングか否かの判定を行い(S30,S34,S38)、ボーナス図柄で停止可能なタイミングならば(S30,S34,S38−Yes)、ソレノイド40を非励磁とし(S31,S35,S39)、ボーナス図柄で停止不能なタイミングならば(S30,S34,S38−No)、ソレノイド40をそのまま励磁し(S32,S36,S40)、三つの停止スイッチ10a〜10cがすべて操作されたことを示す第三停止信号を監視する(S41)。
【0086】
一方、図柄番号信号の入力がないとき(S25−No)、作動フラグがONされていないときは(S26−No)、第三停止信号を監視する(S41)。
第三停止信号が入力されると(S41−Yes)、作動フラグのON/OFFにかかわらず、作動フラグをOFFし(S42)、その他の処理を実行する(S43)。
第三停止信号の入力がないときは(S41−No)、その他の処理を実行する(S43)。
その後、制御信号に応じた処理を実行すべく、主制御部8からの制御信号の監視を続ける(S20)。
このようなソレノイド制御処理1を実行することにより、遊技者に有利な抽選対象(例えば、ボーナス役)に当選したときに、この当選対象に対応する図柄で停止可能又は不能な受け付けタイミングにおいて、通常操作を受け付け可能又は不能にすることができ、回転中のリール31において図柄を見分ける技量に左右されることなく、所望する図柄で停止するように、停止操作(目押し)を支援することができる。
【0087】
次に、
図23に示すソレノイド制御処理2は、所定の当選対象(例えば、リプレイ1)において要求される操作順序(6通りのうちの1通り)に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能とするために行われるソレノイド40の制御に関する処理であり、
図16に示したタイミングチャートを実現するためのフローチャートである。
【0088】
具体的には、このソレノイド制御処理2では、
図23に示すように、まず、副制御部9は、主制御部8からの制御信号を監視し(S50)、制御信号が入力されない限り(S50−No)、監視を続け(S50)、制御信号が入力されると(S50−Yes)、制御信号に応じた処理を実行する。
制御信号として要求される操作順序を示す押し順信号(当選対象信号でも可)が入力されると(S51−Yes)、演出手段(スピーカ7a,表示器7b)を介して行う押し順演出(要求される停止操作順序を報知)の設定を行うとともに(S52)、予めソレノイド40a〜40cを励磁(ON)し(S53)、リール31が定速回転に達したことを示すリール定速回転信号(停止操作有効信号)の入力を監視する(S54)。
【0089】
リール定速回転信号が入力されると(S54−Yes)、さらに停止信号の入力を監視し、未だ停止信号の入力がないときには(S55−Yes)、最初の停止操作が要求されるソレノイド40を非励磁とする(S56)。
このように、少なくともリール定速回転信号が入力されるまで、ソレノイド40a〜40cを励磁(ON)しておき、すべての停止スイッチ10に対応する通常操作を受け付け不能とすることで、停止操作の受け付けが有効でないこと、すなわち、停止操作無効期間中であることを遊技者に伝達できる。また、従来では、停止操作無効期間中に停止スイッチ10を操作した場合、その操作により要求される操作順序の一つの操作を完了したものと勘違して、操作順序を間違えることがあったが、このような押し順ミスの発生をなくすことができる。
既に停止信号が入力され(S55−No)、それが最初(一番目)の停止操作が要求される停止スイッチ10に対する操作に基づく停止信号であるときには(S57−Yes)、次の停止操作が要求される停止スイッチ10に対応するソレノイド40を非励磁とする(S58)。
さらに、既に停止信号が入力され(S55−No)、それが二番目の停止操作が要求される停止スイッチ10に対する操作に基づく停止信号であるときには(S57−No,S59−Yes)、その次の停止操作が要求される停止スイッチ10に対応するソレノイド40を非励磁とする(S60)。
これにより、要求される操作順序に応じてソレノイド40を順次非励磁とすることができる。
【0090】
その後、押し順信号の入力がないとき(S51−No)、リール定速回転信号の入力がないとき(S54−No)、三番目の停止操作を示す停止信号が入力されたとき(S59−No)を含め、その他の演出処理を実行し(S61)、主制御部8からの制御信号の監視を続ける(S50)。
このようなソレノイド制御処理2を実行することにより、当選対象において要求される操作順序に応じて停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を順次受け付け可能とすることにより、操作順序を間違えるという単純なミスから遊技者を救済し、その要求を遊技者に確実に達成させることで、所望する図柄での停止を支援することができる。
【0091】
次に、遊技演出を目的とするソレノイド制御処理3〜5について説明する。
最初に、
図24に示すソレノイド制御処理3は、
図18に示した遊技演出を実現するためのフローチャートである。
具体的には、このソレノイド制御処理3では、
図24に示すように、まず、副制御部9は、主制御部8からの制御信号を監視し(S70)、制御信号が入力されない限り(S70−No)、監視を続け(S70)、制御信号が入力されると(S70−Yes)、制御信号に応じた処理を実行する。
制御信号として当選対象信号が入力されると(S71−Yes)、ボーナス役の当選を示す当選対象か否かの判定を行い(S72)、ボーナス役の当選を示す当選対象信号であれば(S72−Yes)、フリーズ演出の当否を決定する抽選を行い(S73)、これに当選すると(S73−Yes)、例えば、ソレノイド40cを励磁(ON)し(S74)、右停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け不能とする。
一方、ボーナス役の当選を示す当選対象信号でないとき(S72−No)、又はフリーズ演出に当選しなかったときは(S73−No)、その他の演出を行う(S75)。
【0092】
制御信号として二番目の停止操作を示す第2停止信号が入力されると(S76−Yes)、予めセットされた所定時間のフリーズタイマを−1更新し(S77)、フリーズタイマがゼロ(0)になるまでタイマの更新を行う(S78−No)。
フリーズタイマがゼロ(0)になると(S78−Yes)、ソレノイド40cを非励磁(OFF)とし(S79)、右停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け可能とする。
その後、当選対象信号の入力がないとき(S71−No)、第2停止信号の入力がないとき(S76−No)を含め、その他の演出処理を実行し(S80)、主制御部8からの制御信号の監視を続ける(S70)。
このようなソレノイド制御処理3を実行することにより、右停止スイッチ10cを操作しようとしても操作できないことから、ボーナス図柄が停止する前にボーナス当選を予告的に報知することができる。
【0093】
図25に示すソレノイド制御処理4は、
図19に示した遊技演出を実現するためのフローチャートである。
具体的には、このソレノイド制御処理4では、
図25に示すように、まず、副制御部9は、主制御部8からの制御信号を監視し(S81)、制御信号が入力されない限り(S81−No)、監視を続け(S81)、制御信号が入力されると(S81−Yes)、制御信号に応じた処理を実行する。
制御信号として当選対象信号が入力されると(S82−Yes)、ボーナス役の当選を示す当選対象か否かの判定を行う(S83)。
【0094】
ボーナス役の当選を示す当選対象信号であれば(S83−Yes)、フリーズ演出の当否を決定する抽選を行い(S84)、これに当選すると(S84−Yes)、例えば、ソレノイド40a〜40cを一斉に励磁(ON)し(S85)、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け不能とする。
なお、ボーナス役の当選を示す当選対象信号でないときでも(S83−No)、フリーズ演出の当否を決定する抽選を行い(S87)、これに当選すると(S87−Yes)、同様にソレノイド40a〜40cを一斉に励磁(ON)し(S88)、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作を受け付け不能とする。
一方、フリーズ演出に当選しないときには(S84,S87−No)、その他の演出を行う(S86,S89)。
【0095】
制御信号としてリールが定速回転に達したことを示すリール定速回転信号が入力されると(S90−Yes)、フリーズ演出に当選しているときには、予めセットされたフリーズタイマを−1更新する(S91)。
その後、フリーズタイマがゼロ(0)か否かの判定を行い(S92)、ゼロ(0)になるまでタイマの更新を行う(S92−No)。一方、フリーズタイマがゼロ(0)になると(S92−Yes)、ソレノイド40a〜40cを一斉に非励磁(OFF)とし(S93)、停止スイッチ10a〜10cに対する通常操作をすべて受け付け可能とする。
その後、当選対象信号の入力がないとき(S82−No)、定速回転信号の入力がないとき(S90−No)を含め、その他の演出処理を実行し(S94)、主制御部8からの制御信号の監視を続ける(S81)。
このようなソレノイド制御処理4を実行することにより、停止操作が有効な期間であるにもかかわらず、停止スイッチ10を操作しようとしても操作できないことから、ボーナス当選の可能性(ボーナス役以外の当選対象でもフリーズ演出を行うため)を予告的に報知することができる。
【0096】
図26に示すソレノイド制御処理5は、
図20に示した遊技演出を実現するためのフローチャートである。
具体的には、このソレノイド制御処理5では、
図26に示すように、まず、副制御部9は、主制御部8からの制御信号を監視し(S100)、制御信号が入力されない限り(S100−No)、監視を続け(S100)、制御信号が入力されると(S100−Yes)、制御信号に応じた処理を実行する。
制御信号として既に当選対象信号が入力され、さらに、二番目の停止操作を示す第2停止信号が入力されると(S101−Yes)、既に入力された当選対象信号がボーナス役の当選を示す当選対象か否かの判定を行う(S102)。
ボーナス役の当選を示す当選対象信号であれば(S102−Yes)、フリーズ演出の当否を決定する抽選を行い(S103)、これに当選すると(S103−Yes)、例えば、ソレノイド40cを励磁(ON)し(S104)、右停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け不能とする。
【0097】
次いで、予めセットされたフリーズタイマを−1更新し(S105)、フリーズタイマがゼロ(0)になるまでタイマの更新を行う(S106−No)。
フリーズタイマがゼロ(0)になると(S106−Yes)、ソレノイド40cを非励磁(OFF)とすることで(S107)、右停止スイッチ10cに対する通常操作を受け付け可能とし、その後、その他の演出を行う(S108)。
一方、ボーナス役の当選を示す当選対象信号でないとき(S102−No)、又はフリーズ演出に当選しなかったときは(S103−No)、第2停止信号の入力がないとき(S101−No)を含め、その他の演出を行う(S108)。
【0098】
このようなソレノイド制御処理5を実行することにより、右停止スイッチ10cを操作しようとしても操作できないことから、ボーナス図柄が停止する前にボーナス当選を予告的に報知することができる。
また、ソレノイド制御処理5では、前述のソレノイド制御処理3とは異なり、事前にソレノイドが励磁されていないことから(ソレノイド制御処理3では、当選対象信号が入力されたタイミングから励磁)、停止操作の直前まで遊技者にボーナスの当選を事前に悟られることがない。
なお、上記の制御例では、二番目の停止操作を示す第2停止信号が入力されたタイミングからソレノイド40を励磁したが、三番目の停止操作を示す第3停止信号が入力されたタイミングからソレノイド40を励磁することもできる。
また、ソレノイド制御処理3〜5のフリーズタイマの更新中において、励磁と非励磁とを繰り返すON/OFF制御を行うこともできる。
【0099】
以上のように、本実施形態に係る停止スイッチユニット10を備える遊技機1によれば、操作性を損なうことなく任意のタイミングでの操作を許容しつつ、遊技者に最適な操作タイミングでの操作を促すことができる。
特に、回転中のリール31において図柄を見分ける技量に左右されることなく、所望する図柄で停止するように、停止操作(目押し)を支援したり、要求される操作順序に応じて停止操作を支援したりすることで、遊技に対する技量の格差を是正するとともに、本来得られるべき遊技利益を遊技者に確実に享受させ、すべての遊技者に受け入れられる親切な遊技機を提供することができる。
【0100】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用したが、パチンコ機などのその他の遊技機に適用することもできる。
また、本発明に係る停止スイッチは、ベットボタン2a、その他の演出用スイッチにも適用することもできる。