(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。以下の実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0017】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0018】
レンズ系の実施形態として、第1レンズ群、開口絞り、第2レンズ群を一体で移動することで合焦を行うフロントフォーカスタイプのレンズ系が提供される。フロントフォーカスタイプは、他のフォーカスタイプと比較して、全長、および前玉径の小型化に有利であり、フォーカシングに伴う収差変動を抑制することができる。特に、実施形態のレンズ系により、Fナンバーの小さい光学系が提供される。
【0019】
図1、
図3、
図5、
図7、及び
図9に各実施例の具体的なレンズ構成が示されているように、レンズ系は、物体側より順に、正の第1レンズ群、開口絞り、正の第2レンズ群、第3レンズ群を備える。第1レンズ群は、少なくとも3枚の正レンズ、少なくとも1枚の負レンズを含む4枚以上のレンズを備える。第2レンズ群は、少なくとも1枚の接合レンズを含む4枚以上のレンズを備え、物体側に凹面を向けた負レンズが物体側に配置されている。第3レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズ、負レンズを含む3枚以上のレンズを備える。レンズ系において、無限遠被写体から近距離被写体へのフォーカシングの際に、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群とが一体で物体側へ移動し、第3レンズ群は像面に対して固定される。
【0020】
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2、無限遠被写体に合焦時のレンズ系の射出瞳距離をDex、無限遠被写体に合焦時のレンズ系の有効像円の半径をYとして、下記の条件式1及び条件式2を満足する。
1.1 < f1/f2 < 1.85 (条件式1)
−0.65 < Y/Dex < −0.33 (条件式2)
射出瞳距離とは、像面から射出瞳までの距離を表す。有効像円とは、光学的性能が確保できる像円の直径を表す。ここでの有効像円とは適用するセンサーの対角長をカバーした円で、少なくともセンサー対角位置の周辺光量が20%以上確保できているものとしている。
【0021】
条件式1は、第1レンズ群と第2レンズ群の屈折力を規定する。条件式1の上限を超えると、第2レンズ群の屈折力が相対的に強くなり、軸外収差の補正が難しくなる。一方、条件式1の下限を超えると、第2レンズ群の屈折力が相対的に弱くなり、レンズ系の大型化を招く。
【0022】
下記の条件式1−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
1.25< f1/f2 < 1.6 (条件式1−1)
【0023】
条件式2は、無限遠被写体に合焦時の射出瞳位置と有効像円の半径の関係を規定する。条件式2の上限を超えると、射出瞳位置が撮像面から遠くなるので、全長を小型化することが難しくなる。条件式2の下限を超えると有効像円の半径に対して射出瞳位置が撮像面から近くなり過ぎるため、軸外光線の入射角が大きくなる。そのため、軸外収差が発生しやすくなる。また、撮像素子の入射角制限から外れてしまうため、周辺の減光を招く。
【0024】
さらに、下記の条件式2−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
−0.58 < Y/Dex < −0.4 (条件式2−1)
【0025】
上記の構成を有するレンズ系によれば、レンズ系が有するレンズの各面での軸上収差及び軸外収差の補正を効率よく分担することができる。また、Fナンバーが小さいレンズ系を提供することが可能となる。
【0026】
なお、本実施形態で説明するYに最大像高を適用してもよい。
【0027】
第2レンズ群の最も物体側の面の曲率半径をR2f、全系の焦点距離fとして、下記の条件式3を満足することが好ましい。
−0.95 < R2f/f < −0.38 (条件式3)
【0028】
条件式3は第2レンズ群の最も物体側の面の曲率半径と全系の焦点距離の関係を規定する。条件式3の上限を超えると、軸外収差の補正が難しくなる。条件式3の下限を超えると、特に球面収差が発生し易くなり、偏芯時の軸上性能が劣化し易い。
【0029】
さらに、下記の条件式3−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
−0.85 < R2f /f < −0.45 (条件式3−1)
【0030】
第3レンズ群の焦点距離をf3として、下記の条件式4を満足することが好ましい。
4.0 < |f3/f| (条件式4)
【0031】
条件式4は、レンズ系の全系の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離の関係を規定する。条件式4の下限を超えると、第3レンズ群の屈折力が強くなり過ぎ、略対称系の構成が崩れ収差補正が難しくなる。また、被写体距離による収差変動を抑えることが難しくなる。
【0032】
第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離をf12として、下記の条件式5を満足することが好ましい。
0.85 < f12/f < 1.2 (条件式5)
【0033】
条件式5は、レンズ系の全系の焦点距離と可動群である第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離の関係を規定する。条件式5の上限を超えると、可動群の屈折力が弱くなり過ぎ、無限遠被写体から近距離被写体に合焦する時のストロークが長くなってしまう。そのため、全長の大型化を招く。一方、条件式5の下限を超えると、可動群の屈折力が強くなり過ぎ、収差補正が難しくなる。
【0034】
さらに、下記の条件式5−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
0.95 < f12/f < 1.15 (条件式5−1)
【0035】
第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径をR1rとして、下記の条件式6を満足することが好ましい。
R1r/f < −0.3 (条件式6)
【0036】
条件式6は、レンズ系の全系の焦点距離と第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径の関係を規定する。条件式6の上限を超えると略対称系が崩れ、該当面での球面収差、軸外収差の発生が大きくなり、収差補正が難しくなる。また、偏芯時の性能劣化が顕著となる。
【0037】
さらに、下記の条件式6−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
R1r/f < −0.5 (条件式6−1)
【0038】
物体側から第3番目の正レンズのアッベ数をvdp3として、下記の条件式7を満足することが好ましい。
60 < vdp3 (条件式7)
【0039】
条件式7は、第1レンズ群の第3番目の正レンズのアッベ数を規定する。条件式7の下限を超えると、軸上色収差、倍率色収差が大きく発生してしまい、高性能化が難しくなる。
【0040】
さらに、下記の条件式7−1を満足することで、上述の効果がより顕著となる。
65 < vdp3 (条件式7−1)
【0041】
なお、第1レンズ群の第3番目の正レンズのアッベ数を、第1レンズ群の第1番目の正レンズのアッベ数及び第1レンズ群の第2番目の正レンズのアッベ数より大きくすることによっても一定の効果を得ることができる。
【0042】
次に、レンズ系の実施形態に係る実施例のレンズ構成を説明する。
【0043】
図1は、第1実施例におけるレンズ系300のレンズ構成を、フィルタF及び撮像素子IMAともに示す。レンズ系300は、物体側より順に、第1レンズ群301、開口絞りS、第2レンズ群302、第3レンズ群303を備える。光学フィルタFは撮像素子IMAの物体側に設けられる。撮像素子IMAには、レンズ系300及びフィルタFを通過した光が入射する。
【0044】
なお、レンズ系の各実施例の説明において、「Ln」はレンズを示す。ここで、Lに続くnは、1以上の整数である。nは、物体側からn番目のレンズであることを示す。各実施例において、Lnは、物体側からn番目のレンズであることを示すために割り当てた記号である。各実施例の説明において記号Lnが割り当てられたレンズと、同じ記号Lnが割り当てられた他の実施例におけるレンズとが同じレンズであることを意味するものではない。
【0045】
レンズ系の各実施例の説明で用いられる記号等の意味を説明する。レンズ系が有する複数の面は、iを自然数として、面番号iで識別される。物体側からみてレンズの最初の面を第1面とし、以降、光線が面を通過する順に面番号をカウントアップする。面番号における「STO」は開口絞りSの開口面を表す。「Di」は、第i番目の面と第i+1番目の面との間の光軸上の間隔を示す。
【0046】
「f」は焦点距離を示す。「Fno」はFナンバーを示す。「ω」は半画角を示す。「Y」は有効像円の半径を示す。「Dex」は射出瞳距離を示す。「R」は曲率半径を示す。曲率半径において、「INF」は平面であることを示す。「n」は屈折率を示す。「v」は、アッベ数を示す。屈折率n及びアッベ数vは、d線(λ=587.6nm)における値である。
【0047】
表1は、レンズ系300が有するレンズのレンズデータを示す。表1において、Di、n及びvは面番号iに対応づけて示されている。
【表1】
【0048】
表2は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系300の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、有効像円の半径Y、及び射出瞳距離Dexを示す。
【表2】
【0049】
第1レンズ群301は、正の屈折力を有する。第2レンズ群302は、正の屈折力を有する。第3レンズ群303は、負の屈折力を有する。レンズ系300において、第1レンズ群301、開口絞りS、第2レンズ群302が一体で可動することによりフォーカシングを行う。
図1の矢印は、無限遠被写体から近距離被写体に合焦するときの可動群の軌跡を模式的に表す。
【0050】
第1レンズ群301は、負レンズL1と正メニスカスレンズL2の正の屈折力の接合レンズ、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL3、正レンズL4と負レンズL5の負の屈折力の接合レンズ、正レンズL6と負レンズL7の正の屈折力の接合レンズを備える。本構成により、Fナンバーの小さいレンズ系300において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、物体側から第3番目の正レンズL4、第4番目の正レンズL6にアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差及び軸外色収差を良好に補正することができる。
【0051】
第2レンズ群302は、両凹形状の負レンズL8と両凸形状の正レンズL9の負の屈折力の接合レンズ、両凸形状の正レンズL10、像側面が凸形状の正レンズL11を備える。第2レンズ群302に必要な屈折力を少なくとも4枚以上のレンズで分担することにより、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。
【0052】
第3レンズ群303は、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13の正の屈折力の接合レンズ、像側面が凸形状の負メニスカスレンズL14を備える。
【0053】
図2は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系300の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、破線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系300は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0054】
図3は、第2実施例におけるレンズ系400のレンズ構成を、フィルタF及び撮像素子IMAとともに示す。レンズ系400は、物体側から順に、第1レンズ群401、開口絞りS、第2レンズ群402、第3レンズ群403を備える。光学フィルタFは撮像素子IMAの物体側に設けられる。
【0055】
表3は、レンズ系400が有するレンズのレンズデータを示す。表3において、Di、n及びvは面番号iに対応づけて示されている。
【表3】
【0056】
表4は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系400の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、有効像円の半径Y、及び射出瞳距離Dexを示す。
【表4】
第1レンズ群401は、正の屈折力を有する。第2レンズ群402は、正の屈折力を有する。第3レンズ群403は、負の屈折力を有する。レンズ系400において、第1レンズ群401、開口絞りS、第2レンズ群402が一体で可動することによりフォーカシングを行う。
図3の矢印は、無限遠被写体から近距離被写体に合焦するときの可動群の軌跡を模式的に表す。
【0057】
第1レンズ群401は、負レンズL1と正メニスカスレンズL2の正の屈折力の接合レンズ、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL3、正レンズL4と負レンズL5の負の屈折力の接合レンズ、正レンズL6と負レンズL7の正の屈折力の接合レンズを備える。本構成により、Fナンバーの小さいレンズ系400において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、物体側から第3番目の正レンズL4、第4番目の正レンズL6にアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正することができる。
【0058】
第2レンズ群402は、両凹形状の負レンズL8と両凸形状の正レンズL9の正の屈折力の接合レンズ、両凹形状の負レンズL10と両凸形状の正レンズL11の正の屈折力の接合レンズ、両凸形状の正レンズL12を備える。第2レンズ群402に必要な屈折力を少なくとも4枚以上のレンズで分担することにより、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。
【0059】
第3レンズ群403は、両凸形状の正レンズL13と両凹形状の負レンズL14の正の屈折力の接合レンズ、像側面が凸形状の負メニスカスレンズL15を備える。
【0060】
図4は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系400の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、破線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系400は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0061】
図5は、第3実施例におけるレンズ系500のレンズ構成を、フィルタF及び撮像素子IMAとともに示す。レンズ系500は、物体側から順に、第1レンズ群501、開口絞りS、第2レンズ群502、第3レンズ群503を備える。光学フィルタFは撮像素子IMAの物体側に設けられる。
【0062】
表5は、レンズ系500が有するレンズのレンズデータを示す。表5において、Di、n及びvは面番号iに対応づけて示されている。
【表5】
【0063】
表6は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系500の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、有効像円の半径Y、及び射出瞳距離Dexを示す。
【表6】
第1レンズ群501は、正の屈折力を有する。第2レンズ群502は、正の屈折力を有する。第3レンズ群503は、負の屈折力を有する。レンズ系500において、第1レンズ群501、開口絞りS、第2レンズ群502が一体で可動することによりフォーカシングを行う。
図5の矢印は、無限遠被写体から近距離被写体に合焦するときの可動群の軌跡を模式的に表す。
【0064】
第1レンズ群501は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL2、正レンズL3と負レンズL4の負の屈折力の接合レンズ、正レンズL5と負レンズL6の正の屈折力の接合レンズを備える。本構成により、Fナンバーの小さいレンズ系500において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、物体側から第3番目の正レンズL3、第4番目の正レンズL5にアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正することができる。
【0065】
第2レンズ群502は、物体側面が凹形状の負レンズL7と正レンズL8の負の屈折力の接合レンズ、両凸形状の正レンズL9と両凹形状の負レンズL10の正の屈折力の接合レンズ、両凸形状の正レンズL11を備える。第2レンズ群502に必要な屈折力を少なくとも4枚以上のレンズで分担することにより、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。
【0066】
第3レンズ群503は、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13の正の屈折力の接合レンズ、像側面が像面側に凸形状の負メニスカスレンズL14を備える。
図6は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系500の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、破線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系500は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0067】
図7は、第4実施例におけるレンズ系600のレンズ構成を、フィルタF及び撮像素子IMAとともに示す。レンズ系600は、物体側から順に、第1レンズ群601、開口絞りS、第2レンズ群602、第3レンズ群603を備える。光学フィルタFは撮像素子IMAの物体側に設けられる。
【0068】
表7は、レンズ系600が有するレンズのレンズデータを示す。表7において、Di、n及びvは面番号iに対応づけて示されている。
【表7】
【0069】
表8は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系600の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、有効像円の半径Y、及び射出瞳距離Dexを示す。
【表8】
【0070】
第1レンズ群601は、正の屈折力を有する。第2レンズ群602は、正の屈折力を有する。第3レンズ群603は、負の屈折力を有する。レンズ系600において、第1レンズ群601、開口絞りS、第2レンズ群602が一体で可動することによりフォーカシングを行う。
図7の矢印は、無限遠被写体から近距離被写体に合焦するときの可動群の軌跡を模式的に表す。
【0071】
第1レンズ群601は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL2、正レンズL3と負レンズL4の負の屈折力の接合レンズ、正レンズL5と負レンズL6の正の屈折力の接合レンズを備える。本構成により、Fナンバーの小さいレンズ系600において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、物体側から第3番目の正レンズL3、第4番目の正レンズL5にアッベ数の大きい硝材を配置することにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正することができる。
【0072】
第2レンズ群602は、物体側面が凹形状の負レンズL7と正レンズL8の負の屈折力の接合レンズ、負レンズL9と正レンズL10の正の屈折力の接合レンズ、両凸形状の正レンズL11を備える。第2レンズ群602に必要な屈折力を少なくとも4枚以上のレンズで分担することにより、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。
【0073】
第3レンズ群603は、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13の正の屈折力の接合レンズ、像側面が凸形状の負メニスカスレンズL14を備える。
【0074】
図8は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系600の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、破線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系600は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0075】
図9は、第5実施例におけるレンズ系700のレンズ構成を、フィルタF及び撮像素子IMAとともに示す。レンズ系700は、物体側から順に、第1レンズ群701、開口絞りS、第2レンズ群702、第3レンズ群703を備える。光学フィルタFは撮像素子IMAの物体側に設けられる。
【0076】
表9は、レンズ系700が有するレンズのレンズデータを示す。表9において、Di、n及びvは面番号iに対応づけて示されている。
【0078】
表10は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系700の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、有効像円の半径Y、及び射出瞳距離Dexを示す。
【表10】
【0079】
第1レンズ群701は、正の屈折力を有する。第2レンズ群702は、正の屈折力を有する。第3レンズ群703は、負の屈折力を有する。レンズ系700において、第1レンズ群701、開口絞りS、第2レンズ群702が一体で可動することによりフォーカシングを行う。
図9の矢印は、無限遠被写体から近距離被写体に合焦するときの可動群の軌跡を模式的に表す。
【0080】
第1レンズ群701は、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL1、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL2、正レンズL3と負レンズL4の負の屈折力の接合レンズ、正レンズL5と負レンズL6の正の屈折力の接合レンズを備える。本構成により、Fナンバーの小さいレンズ系700において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、物体側から第3番目の正レンズL3、第4番目の正レンズL5にアッベ数の大きい硝材を配置することにより、軸上色収差及び軸外色収差を良好に補正することができる。
【0081】
第2レンズ群702は、両凹形状の負レンズL7と両凸形状の正レンズL8の正の屈折力の接合レンズ、負レンズL9と正レンズL10の負の屈折力の接合レンズ、像側面が凸形状の正レンズL11を備える。第2レンズ群702に必要な屈折力を少なくとも4枚以上のレンズで分担することにより、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。
【0082】
第3レンズ群703は、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13の正の屈折力の接合レンズ、像側面が凸形状の負メニスカスレンズL14を備える。
【0083】
図10は、無限遠被写体に合焦した状態のレンズ系700の球面収差、非点収差、及び歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、破線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系700は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0084】
表11は、第1実施例から第5実施例における各条件式に係る数値を示す。
【表11】
【0085】
表12は、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レンズ群のそれぞれの焦点距離と、第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離を示す。
【表12】
【0086】
本実施形態に係るレンズ系によれば、イメージサイズが比較的に大きく、Fナンバーが比較的に小さく、レンズ系の全長が比較的に短いレンズ系を提供することができる。例えば、Fナンバーが1.8〜2程度の大口径の小型のレンズ系を提供することができる。本実施形態に係るレンズ系は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置の撮像用のレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、特に、中判サイズ以上の撮像素子を持つ撮像装置に好適である。本実施形態に係るレンズ系は、レンズ非交換式の撮像装置が備える撮像レンズに適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式カメラの交換レンズに適用できる。
【0087】
次に、本実施形態に係るレンズ系を備えるシステムの一例としての移動体システムを説明する。
【0088】
図11は、無人航空機(UAV)100及びコントローラ50を備える移動体システム10の一例を概略的に示す。UAV100は、UAV本体101、ジンバル110、複数の撮像装置230、及び撮像装置220を備える。撮像装置220は、レンズ装置160及び撮像部140を備える。レンズ装置160は、上述したレンズ系を備える。UAV100は、上述したレンズ系を有する撮像装置を備えて移動する移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0089】
UAV本体101は、複数の回転翼を備える。UAV本体101は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV100を飛行させる。UAV本体101は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV100を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。UAV100は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0090】
撮像装置230は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。複数の撮像装置230は、UAV100の飛行を制御するためにUAV100の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。撮像装置230は、UAV本体101に固定されていてよい。
【0091】
2つの撮像装置230が、UAV100の機首である正面に設けられてよい。さらに他の2つの撮像装置230が、UAV100の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置230はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置230もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置230により撮像された画像に基づいて、UAV100の周囲の3次元空間データが生成されてよい。複数の撮像装置230により撮像された被写体までの距離は、複数の撮像装置230によるステレオカメラにより特定され得る。
【0092】
UAV100が備える撮像装置230の数は4つには限定されない。UAV100は、少なくとも1つの撮像装置230を備えていればよい。UAV100は、UAV100の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置230を備えてもよい。撮像装置230は、単焦点レンズ又は魚眼レンズを有してもよい。UAV100に係る説明において、複数の撮像装置230を、単に撮像装置230と総称する場合がある。
【0093】
コントローラ50は、表示部54と操作部52を備える。操作部52は、UAV100の姿勢を制御するための入力操作をユーザから受け付ける。コントローラ50は、操作部52が受け付けたユーザの操作に基づいて、UAV100を制御するための信号を送信する。例えば、操作部52は、レンズ装置160の合焦距離を変更する操作を受け付ける。コントローラ50は、合焦状態の変更を指示する信号をUAV100に送信する。
【0094】
コントローラ50は、撮像装置230及び撮像装置220の少なくとも一方が撮像した画像を受信する。表示部54は、コントローラ50が受信した画像を表示する。表示部54はタッチ式のパネルであってよい。コントローラ50は、表示部54を通じて、ユーザから入力操作を受け付けてよい。表示部54は、撮像装置220に撮像させるべき被写体の位置をユーザが指定するユーザ操作等を受け付けてよい。
【0095】
撮像部140は、レンズ装置160により結像された光学像の画像データを生成して記録する。レンズ装置160は、撮像部140と一体的に設けられてよい。レンズ装置160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置160は、撮像部140に対して着脱可能に設けられてよい。
【0096】
ジンバル110は、撮像装置220を可動に支持する支持機構を有する。撮像装置220は、ジンバル110を介してUAV本体101に取り付けられる。ジンバル110は、撮像装置220を、ピッチ軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル110は、撮像装置220を、ロール軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル110は、撮像装置220を、ヨー軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸の少なくとも1つの軸を中心に、撮像装置220を回転可能に支持してよい。ジンバル110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸のそれぞれを中心に、撮像装置220を回転可能に支持してよい。ジンバル110は、撮像部140を保持してもよい。ジンバル110は、レンズ装置160を保持してもよい。ジンバル110は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像部140及びレンズ装置160を回転させることで、撮像装置220の撮像方向を変更してよい。
【0097】
図12は、UAV100の機能ブロックの一例を示す。UAV100は、インタフェース102、制御部104、メモリ106、ジンバル110、撮像部140、及びレンズ装置160を備える。
【0098】
インタフェース102は、コントローラ50と通信する。インタフェース102は、コントローラ50から各種の命令を受信する。制御部104は、コントローラ50から受信した命令に従って、UAV100の飛行を制御する。制御部104は、ジンバル110、撮像部140、及びレンズ装置160を制御する。制御部104は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。メモリ106は、制御部104がジンバル110、撮像部140、及びレンズ装置160を制御するのに必要なプログラムなどを格納する。
【0099】
メモリ106は、コンピュータが可読な記録媒体でよい。メモリ106は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ106は、UAV100の筐体に設けられてよい。UAV100の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0100】
ジンバル110は、制御部112、ドライバ114、ドライバ116、ドライバ118、駆動部124、駆動部126、駆動部128、及び支持機構130を有する。駆動部124、駆動部126及び駆動部128は、モータであってよい。
【0101】
支持機構130は、撮像装置220を支持する。支持機構130は、撮像装置220の撮像方向を可動に支持する。支持機構130は、撮像部140及びレンズ装置160をヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸を中心に回転可能に支持する。支持機構130は、回転機構134、回転機構136、及び回転機構138を含む。回転機構134は、駆動部124を用いてヨー軸を中心に撮像部140及びレンズ装置160を回転させる。回転機構136は、駆動部126を用いてピッチ軸を中心に撮像部140及びレンズ装置160を回転させる。回転機構138は、駆動部128を用いてロール軸を中心に撮像部140及びレンズ装置160を回転させる。
【0102】
制御部112は、制御部104からのジンバル110の動作命令に応じて、ドライバ114、ドライバ116、及びドライバ118に対して、それぞれの回転角度を示す動作命令を出力する。ドライバ114、ドライバ116、及びドライバ118は、回転角度を示す動作命令に従って駆動部124、駆動部126、及び駆動部128を駆動させる。回転機構134、回転機構136、及び回転機構138は、駆動部124、駆動部126、及び駆動部128によりそれぞれ駆動されて回転し、撮像部140及びレンズ装置160の姿勢を変更する。
【0103】
撮像部140は、レンズ系168を通過した光により撮像する。撮像部140は、制御部222、撮像素子221及びメモリ223を備える。制御部222は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部222は、制御部104からの撮像部140及びレンズ装置160に対する動作命令に応じて、撮像部140及びレンズ装置160を制御する。制御部222は、コントローラ50から受信した信号に基づいて、レンズ装置160にフォーカス位置を移動させる指示する制御命令をレンズ装置160に出力する。
【0104】
メモリ223は、コンピュータが可読な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ223は、撮像部140の筐体の内部に設けられてよい。撮像部140の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0105】
撮像素子221は、撮像部140の筐体の内部に保持され、レンズ装置160を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部222に出力する。制御部222は、撮像素子221から出力された画像データをメモリ223に格納する。制御部222は、画像データを、制御部104を介してメモリ106に出力して格納してもよい。
【0106】
レンズ装置160は、制御部162、メモリ163、駆動機構161、及びレンズ系168を備える。レンズ系168として、上記の実施形態に係るレンズ系を適用できる。
【0107】
制御部162は、制御部222からの制御命令に従って、レンズ系168が備えるフォーカスレンズ群を光軸に沿って変位させて焦点調節を行う。フォーカスレンズ群は、上述した第1レンズ群及び第2レンズ群に対応する。レンズ装置160のレンズ系168により結像された像は、撮像部140により撮像される。
【0108】
駆動機構161は、レンズ系168が備えるフォーカスレンズ群を変位させる。駆動機構161は、例えばアクチュエータと、フォーカスレンズ群を保持する保持部材とを備える。アクチュエータには、制御部162から駆動用のパルスが供給される。アクチュエータは、供給されたパルスに応じた駆動量だけ変位する。アクチュエータの変位に応じて保持部材が変位することにより、フォーカスレンズ群が変位する。これにより、焦点調節が行われる。撮像装置220において、拡大撮影はいわゆる電子ズームにより行われる。例えば、拡大撮影は、撮像素子221により撮像された画像の一部を切り出すことにより行われる。
【0109】
レンズ装置160は、撮像部140と一体的に設けられてよい。レンズ装置160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置160は、撮像部140に対して着脱可能に設けられてよい。
【0110】
撮像装置230は、制御部232、制御部234、撮像素子231、メモリ233、及びレンズ235を備える。制御部232は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部232は、制御部104からの撮像素子231の動作命令に応じて、撮像素子231を制御する。
【0111】
制御部234は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部234は、レンズ235に対する動作命令に応じて、レンズ235の焦点を制御してよい。制御部234は、レンズ235に対する動作命令に応じて、レンズ235が有する開口絞りを制御してよい。
【0112】
メモリ233は、コンピュータが可読な記録媒体であってよい。メモリ233は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。
【0113】
撮像素子231は、レンズ235を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部232に出力する。制御部232は、撮像素子231から出力された画像データをメモリ233に格納する。
【0114】
本実施形態では、UAV100が、制御部104、制御部112、制御部222、制御部232、制御部234、及び制御部162を備える。しかし、制御部104、制御部112、制御部222、制御部232、制御部234、及び制御部162のうちの複数で実行される処理をいずれか1つの制御部が実行してよい。制御部104、制御部112、制御部222、制御部232、制御部234、及び制御部162で実行される処理を1つの制御部で実行してもよい。本実施形態では、UAV100が、メモリ106、メモリ223、及びメモリ233を備える。メモリ106、メモリ223、及びメモリ233のうちの少なくとも1つに記憶される情報は、メモリ106、メモリ223、及びメモリ233のうちの他の1つ又は複数のメモリに記憶してよい。
【0115】
次に、上記の実施形態に係るレンズ系を備えるシステムの一例としてのスタビライザを説明する。
【0116】
図13は、スタビライザ3000の一例を示す外観斜視図である。スタビライザ3000は、移動体の他の一例である。例えば、スタビライザ3000が備えるカメラユニット3013が、撮像装置220と同様の構成の撮像装置を備えてよい。カメラユニット3013が、レンズ装置160と同様の構成のレンズ装置を備えてよい。
【0117】
スタビライザ3000は、カメラユニット3013、ジンバル3020、及び持ち手部3003を備える。ジンバル3020は、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を有する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を中心に、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、支持機構の一例である。
【0118】
カメラユニット3013は、撮像装置の一例である。カメラユニット3013は、メモリを挿入するためのスロット3014を有する。ジンバル3020は、ホルダ3007を介して持ち手部3003に固定される。
【0119】
持ち手部3003は、ジンバル3020、カメラユニット3013を操作するための各種ボタンを有する。持ち手部3003は、シャッターボタン3004、録画ボタン3005、及び操作ボタン3006を含む。シャッターボタン3004が押下されることで、カメラユニット3013により静止画を記録することができる。録画ボタン3005が押下されることで、カメラユニット3013により動画を記録することができる。
【0120】
デバイスホルダ3001が持ち手部3003に固定されている。デバイスホルダ3001は、スマートフォンなどのモバイルデバイス3002を保持する。モバイルデバイス3002は、WiFiなどの無線ネットワークを介してスタビライザ3000と通信可能に接続される。これにより、カメラユニット3013により撮像された画像をモバイルデバイス3002の画面に表示させることができる。
【0121】
スタビライザ3000においても、カメラユニット3013が、上記の実施形態に係るレンズ系を備えることで、イメージサイズが比較的に大きく、明るい画像を得ることができる。また、カメラユニット3013を小型化することができる。
【0122】
以上、移動体の一例としてUAV100及びスタビライザ3000を取り上げて説明した。撮像装置220と同様の構成を有する撮像装置は、UAV100及びスタビライザ3000以外の移動体に取り付けられてよい。
【0123】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現可能である。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【解決手段】レンズ系は、物体側より、正の第1群、絞り、正の第2群、第3群を備え、第1群は、少なくとも3枚の正レンズ、少なくとも1枚の負レンズを含む4枚以上のレンズを備え、第2群は、少なくとも1枚の接合レンズを含む4枚以上のレンズを備え、物体側に凹面を向けた負レンズが物体側に配置され、第3群は、少なくとも1枚の正レンズ、負レンズを含む3枚以上のレンズを備え、無限遠被写体から近距離被写体へのフォーカシングの際に、第1群と、開口絞りと、第2群とが一体で物体側へ移動し、第3群は像面に対して固定され、第1群の焦点距離f1、第2群の焦点距離f2、無限遠被写体への合焦時の射出瞳距離Dex、有効像円の半径Yについて、1.1<f1/f2<1.85、−0.65<Y/Dex<−0.33を満たす。