(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムS1の全体構成を示す図である。ナビゲーションシステムS1は、タクシー等の自動車において、ディスプレイ上に地図及びルートを表示して目的地までナビゲーション(ルート案内)するシステムである。同図に示すように、ナビゲーションシステムS1は、車載装置1とサーバ装置2とを備えて構成される。車載装置1とサーバ装置2とは、WAN(Wide Area Network)回線Nを介して通信する。なお、同図においては、車載装置1を1台のみ示しているが、これに限らず、車載装置1は複数台備えられていてもよい。
【0014】
車載装置1は、タクシー等の自動車に設置され、目的地までのナビゲーションや運賃の決済等をする装置である。車載装置1は、ベースユニット11と、ピンパッド12と、目的地決定装置13と、メータシステム14と、通信モジュール15とを備える。ベースユニット11は、車載装置1全体を制御する装置である。ピンパッド12は、クレジットカードやデビットカード等からカードに関するカード情報を読み取るための装置である。目的地決定装置13は、乗客の目的地(行先)を決定するための装置である。メータシステム14は、タクシーのメータの計測や、ナビゲーションをする装置である。通信モジュール15は、サーバ装置2と通信する通信部である。サーバ装置2は、データセンタに設置され、ナビゲーションシステムS1を統括して制御するサーバ装置である。
【0015】
図2は、本実施形態における車載装置1の構成を示すブロック図である。図示するように、ベースユニット11は、決済制御部111と、通信制御部112と、ハードウェア制御部113と、OS114と、目的地決定制御部115とを備える。決済制御部111は、メータシステム14及びピンパッド12を制御して運賃の決済に関する処理を実行する。通信制御部112は、通信モジュール15を制御してサーバ装置2との通信に関する処理を実行する。ハードウェア制御部113は、カード処理手段1131と、キー処理手段1132と、表示処理手段1133と、音声処理手段1134とを備え、各ハードウェアを制御する。カード処理手段1131は、ピンパッド12のカードリーダ122を制御する。キー処理手段1132は、ピンパッド12のキーボード121を制御する。表示処理手段1133は、目的地決定装置13の表示部131の表示を制御する。音声処理手段1134は、目的地決定装置13の音声出力部133が出力する音声を制御する。
【0016】
OS114は、オペレーションシステムである。目的地決定制御部115は、目的地決定装置13が入力を受けた情報に基づいてサーバ装置2と通信して目的地を決定する。目的地決定制御部115は、固有情報送信部1151と、表示制御部1152と、決定制御部1153とを備える。固有情報送信部1151は、通信モジュール15を介して、乗車時固有情報及び降車時固有情報をサーバ装置2に送信する。乗車時固有情報は、乗車エリア(GPS機能部141が検出する位置情報)と、乗車日時(計時部143が計時する日時)と、乗客の国籍(使用言語)と、乗客の性別と、乗客の年齢と、乗客の目的とを含む情報である。また、乗客の国籍(使用言語)と、乗客の性別と、乗客の年齢と、乗客の目的となど乗客に関する情報が乗客固有情報である。降車時固有情報は、降車エリア(目的地)と、降車日時と、運賃とを含む情報である。表示制御部1152は、目的地決定装置13の表示部131の表示を制御する。例えば、表示制御部1152は、固有情報送信部1151が送信した乗車時固有情報に基づく目的地の候補をサーバ装置2から受信すると、受信した目的地の候補を表示部131に表示する。決定制御部1153は、目的地決定装置13から入力された情報に基づいて目的地を決定する。具体的には、決定制御部1153は、表示部131に表示された目的地の候補から目的地を選択する入力をタッチパネル132から受け付けて目的地を決定する。
【0017】
ピンパッド12は、キーボード121と、カードリーダ122とを備える。キーボード121は、暗証番号等の入力を受け付ける入力部である。カードリーダ122は、カードからカード情報を読み取るカードリーダである。
【0018】
目的地決定装置13は、表示部131と、タッチパネル132と、音声出力部133とを備える。表示部131は、乗客に向けて後部座席に設置される液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等であり、情報を表示する表示部である。タッチパネル132は、表示部131上に設置されたタッチパネルであり、入力を受け付ける入力部である。音声出力部133は、音声を出力するスピーカである。
【0019】
メータシステム14は、GPS機能部141と、ナビゲーション機能部142と、計時部143と、入力部144とを備える。GPS機能部141は、GPS(Global Positioning System)により現在位置情報を検出する位置情報検出部である。ナビゲーション機能部142は、表示画面上に地図とルートを表示して目的地までのナビゲーション(ルート案内)をするナビゲーションシステムである。計時部143は、現在の日時を計時する。入力部144は、乗客の乗車や降車、メータの計測開始等の入力を受け付ける。
【0020】
図3は、本実施形態におけるサーバ装置2の構成を示すブロック図である。図示するように、サーバ装置2は、通信部21と、目的地情報照合部22と、目的地情報登録部23と、データベース24とを備える。通信部21は、車載装置1と通信する。目的地情報照合部22は、車載装置1から乗客の乗車時固有情報を受信すると、受信した乗車時固有情報に基づいてデータベース24から目的地の候補を抽出し、抽出した目的地の候補とその位置情報とを車載装置1に送信する。このとき、目的地情報照合部22は、各目的地の候補までの予想到着時間及び予想運賃を算出し、算出した予想到着時間及び予想運賃を各目的地の候補に付加する。目的地情報登録部23は、車載装置1から目的地を含む降車時固有情報を受信すると、受信した降車時固有情報と乗車時固有情報とを対応付けてデータベース24に登録する。データベース24は、乗車時固有情報と、目的地(降車エリア)を含む降車時固有情報とを対応付けて記憶する記憶部である。また、データベース24は、各目的地の位置情報を記憶している。
【0021】
次に、本実施形態におけるナビゲーションシステムS1における動作を説明する。以下、タクシーにおいて乗客から目的地を告げられたが、運転手が目的地を理解できなかった場合における動作を説明する。まず、ベースユニット11の目的地決定制御部115の表示制御部1152は、目的地決定装置13の表示部131に国籍選択画面300を表示する。なお、本実施形態におけるナビゲーションシステムS1は、上記の場合に限られず、例えば、運転手がはじめから乗客に目的地決定装置13の操作を促して動作させることも可能である。
【0022】
図4は、本実施形態における目的地決定装置13が表示する国籍選択画面300の一例を示すイメージ図である。国籍選択画面300には、国籍を選択するよう促すメッセージ「Please select your nationality.」301と、国籍選択欄302とが表示されている。国籍選択欄302には、複数の国籍が一覧表示されている。国籍選択欄302に表示された国籍は、タッチパネル132により選択可能である。乗客は、タッチパネル132からタッチ入力することにより自身の国籍を選択する。図示する例では、「American」3021が選択されている。また、国籍選択欄302には、過去に選択された回数の多い国籍から順に上から表示される。表示制御部1152は、国籍選択画面300において国籍が選択されると、情報入力画面400を表示部131に表示する。なお、以降に表示する画面のガイダンス及び音声ガイダンスは、国籍選択画面300において選択された国籍に基づく言語により行われる。
【0023】
図5は、本実施形態における目的地決定装置13が表示する情報入力画面400の一例を示すイメージ図である。情報入力画面400には、性別を入力する性別入力欄401と、年齢を入力する年齢入力欄402と、目的を入力する目的入力欄403と、決定ボタン404とが表示されている。性別入力欄401には、性別が選択可能に表示されている。また、目的入力欄403には、複数の目的が選択可能に表示されている。各項目は、タッチパネル132により入力可能である。乗客は、タッチパネル132からタッチ入力することにより、各項目を入力する。図示する例では、性別「Man」と、年齢「38」と、目的「Sightseeing」とが入力されている。乗客は、各項目の入力を完了すると、決定ボタン404を押下する。表示制御部1152は、決定ボタン404が入力を受け付けると、支払方法選択画面500を表示部131に表示する。
【0024】
図6は、本実施形態における目的地決定装置13が表示する支払方法選択画面500の一例を示すイメージ図である。支払方法選択画面500には、支払方法を選択するよう促すメッセージ「Please select the terms of payment.」501と、支払方法選択欄502とが表示されている。支払方法選択欄502には、複数の支払方法が一覧表示されている。支払方法選択欄502に表示された支払方法は、タッチパネル132により選択可能である。乗客は、タッチパネル132からタッチ入力することにより支払方法を選択する。図示する例では、「Credit card」5021が選択されている。また、支払方法選択欄502には、過去に選択された回数の多い支払方法から順に上から表示される。
【0025】
固有情報送信部1151は、支払方法選択画面500において支払方法が選択されると、乗車時固有情報を生成し、生成した乗車時固有情報をサーバ装置2に送信する。乗車時固有情報には、GPS機能部141が検出する現在位置情報(乗車エリア)と、計時部143が計時する現在日時(乗車日時)と、国籍選択画面300において入力された乗客の国籍(使用言語)と、情報入力画面400において入力された乗客の性別と、情報入力画面400において入力された乗客の年齢と、情報入力画面400において入力された乗客の目的とが含まれる。
【0026】
サーバ装置2の目的地情報照合部22は、車載装置1から受信した乗車時固有情報を目的地抽出条件として、データベース24に蓄積されているデータから目的地の候補(以下、目的地候補とする)をランキング形式で抽出する。例えば、目的地情報照合部22は、受信した乗車時固有情報に合致する数の多い目的地をランキングの上位とする。そして、目的地情報照合部22は、通信部21を介して、抽出した目的地候補とその位置情報とを車載装置1に送信する。このとき、目的地情報照合部22は、各目的地候補までの予想乗車時間と予想運賃とを算出し、各目的地候補に付加して車載装置1に送信する。目的地情報照合部22は、データベース24に蓄積されている過去の実績の平均値を算出することにより、予想乗車時間と予想運賃とを算出する。車載装置1の表示制御部1152は、サーバ装置2から目的地候補を受信すると、受信した目的地候補から目的地を選択するための目的地選択画面600を表示部131に表示する。
【0027】
図7は、本実施形態における目的地決定装置13が表示する目的地選択画面600の一例を示すイメージ図である。目的地選択画面600には、地
図601と、目的地選択欄602とが表示されている。地
図601には、各目的地候補の位置がピンにより示されている。また、目的地選択欄602には、目的地候補がランキング順に上から一覧表示されている。目的地選択欄602に表示された目的地候補は、タッチパネル132により選択可能である。乗客は、タッチパネル132からタッチ入力することにより目的地を選択する。図示する例では、「Skytree」6021が選択されている。表示制御部1152は、目的地選択画面600において目的地が選択されると、情報表示画面700を表示部131に表示する。
【0028】
図8は、本実施形態における目的地決定装置13が表示する情報表示画面700の一例を示すイメージ図である。目的地選択画面600には、現在時刻(Current time)「10:18」701と、予想到着時刻(Estimated time of arrival)「10:45」702と、予想運賃(Estimated taxi fare)「$10(¥1,170)」703とが表示されている。予想運賃703には、国籍選択画面300において選択された国籍の通貨単位も合わせて表示されている。また、表示制御部1152は、現在時刻とサーバ装置2から受信した予想乗車時間とに基づいて予想到着時刻を算出して目的地選択画面600に表示する。
【0029】
決定制御部1153は、目的地選択画面600において目的地が決定すると、メータシステム14に目的地を示す情報を送信する。メータシステム14は、入力された目的地を行先としてナビゲーションを開始する。乗務員は運行を開始する。目的地に到着すると、支払方法選択画面500において入力された支払方法による支払いが促され、乗客は指定の金種で決済を行う。乗客が降車し、空車状態になると、ベースユニット11の固有情報送信部1151は、メータシステム14から降車エリア、運賃及び降車時間の情報を取得し、取得した降車エリア、運賃及び降車時間を含む降車時固有情報をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2の目的地情報登録部23は、車載装置1から降車時固有情報を受信すると、受信した降車時固有情報と乗車時固有情報とを対応付けてデータベース24に書き込んで登録する。登録したデータは、以降の目的地候補抽出のためのデータとして利用される。
【0030】
なお、乗車時固有情報は、少なくとも乗車エリアと乗車日時とを含んでいればよい。例えば、乗車時固有情報が、乗客固有情報を除く、乗車エリア及び乗車日時を有する情報であってもよい。例えば、この場合には、乗客が自身の情報を設定することなく、乗客が目的地候補から目的地を決定することができる。そのため、乗客の乗車から目的地決定までの時間を短縮することができる。また、乗客固有情報は、乗客に関する情報であれば乗客の国籍(使用言語)と、乗客の性別と、乗客の年齢と、乗客の目的だけに限られず、例えば乗客の職業などの情報も含んでもよい。
【0031】
図9は、本実施形態におけるナビゲーションシステムS1の動作を示すシーケンス図である。
(ステップS101)ベースユニット11の表示制御部1152が、国籍選択画面300の画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。
【0032】
(ステップS102)目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、国籍選択画面300を表示部131に表示し、国籍の選択入力をタッチパネル132から受け付ける。乗客は、タッチパネル132から自身の国籍を選択する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)目的地決定装置13は、選択された国籍を示す国籍情報をベースユニット11に送信する。
【0033】
(ステップS104)ベースユニット11の表示制御部1152は、国籍情報を受信すると、情報入力画面400の画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。
(ステップS105)目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、情報入力画面400を表示部131に表示し、その他固有情報(性別、年齢、目的)の入力をタッチパネル132から受け付ける。乗客は、タッチパネル132からその他固有情報を入力する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)目的地決定装置13は、入力されたその他固有情報をベースユニット11に送信する。
【0034】
(ステップS107)ベースユニット11の表示制御部1152は、その他固有情報を受信すると、支払方法選択画面500の画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。
(ステップS108)目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、支払方法選択画面500を表示部131に表示し、支払方法の選択入力をタッチパネル132から受け付ける。乗客は、タッチパネル132から支払方法を選択する。その後、ステップS109の処理に進む。
(ステップS109)目的地決定装置13は、入力された支払方法をベースユニット11に送信する。
【0035】
(ステップS110)ベースユニット11の固有情報送信部1151は、乗車時固有情報を生成し、生成した乗車時固有情報をサーバ装置2に送信する。
(ステップS111)サーバ装置2の目的地情報照合部22は、乗車時固有情報を受信すると、受信した乗車時固有情報を検索条件として、データベース24から目的地を検索して目的地候補を抽出する。また、目的地情報照合部22は、受信した乗車時固有情報をデータベース24に書き込んで登録する。その後、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)サーバ装置2の目的地情報照合部22は、抽出した目的地候補を示す目的地候補情報をベースユニット11に送信する。
【0036】
(ステップS113)ベースユニット11の表示制御部1152は、目的地候補情報を受信すると、受信した目的地候補情報に基づいて目的地選択画面600の画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。
(ステップS114)目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、目的地選択画面600を表示部131に表示し、目的地の選択入力をタッチパネル132から受け付ける。乗客は、タッチパネル132から目的地を選択する。その後、ステップS115の処理に進む。
(ステップS115)目的地決定装置13は、選択された目的地を示す目的地選択結果をベースユニット11に送信する。
【0037】
(ステップS116)ベースユニット11の決定制御部1153は、目的地選択結果を受信すると、受信した目的地選択結果が示す目的地情報をメータシステム14に送信する。その後、ステップS117の処理に進む。
(ステップS117)ベースユニット11の表示制御部1152は、情報表示画面700の画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、情報表示画面700を表示部131に表示する。
【0038】
(ステップS118)メータシステム14は、目的地情報を受信すると、目的地情報が示す目的地を行先としてナビゲーションを開始する。その後、ステップS119の処理に進む。
(ステップS119)メータシステム14は、目的地に到着すると、運賃を算出し、算出した運賃を含む支払処理通知をベースユニット11に送信する。
【0039】
(ステップS120)ベースユニット11の表示制御部1152は、運賃の表示を含む支払ガイドの画面描画指示を目的地決定装置13に送信する。目的地決定装置13は、画面描画指示を受信すると、支払ガイドを表示部131に表示する。その後、ステップS121の処理に進む。
(ステップS121)ベースユニット11の決済制御部111は、運賃の支払操作の入力を受け付ける。その後、ステップS122の処理に進む。
【0040】
(ステップS122)ベースユニット11の決済制御部111は、支払処理が終了すると、支払に関する支払処理情報をサーバ装置2に送信する。
(ステップS123)サーバ装置2は、支払処理情報を受信すると、支払処理結果情報をベースユニット11に送信する。
(ステップS124)ベースユニット11の決済制御部111は、支払処理結果情報を受信すると、受信した支払処理結果情報が示す支払処理結果をメータシステム14に送信する。
【0041】
(ステップS125)メータシステム14は、支払処理結果を受信すると、乗客の降車処理をする。その後、ステップS126の処理に進む。
(ステップS126)メータシステム14は、空車になったことを示す空車処理通知をベースユニット11に送信する。
(ステップS127)ベースユニット11の固有情報送信部1151は、空車処理通知を受信すると、降車時固有情報を生成し、生成した降車時固有情報をサーバ装置2に送信する。
(ステップS128)サーバ装置2の目的地情報登録部23は、降車時固有情報を受信すると、受信した降車時固有情報と乗車時固有情報とを対応付けてデータベース24に書き込んで登録する。
【0042】
図10は、本実施形態における車載装置1が実行する情報処理の処理手順を示したフローチャートである。車載装置1は、乗客がタクシーに乗車すると、本図に示す処理を実行する。
(ステップS201)メータシステム14の入力部144は、乗客が乗車したことの入力を受け付ける。メータシステム14は、入力部144が乗車したことの入力を受け付けると、乗客が乗車したことをベースユニット11に通知する。その後、ステップS202の処理に進む。
【0043】
(ステップS202)ベースユニット11の表示制御部1152は、国籍選択画面300及び情報入力画面400を目的地決定装置13の表示部131に表示して、乗客に関する固有情報の入力を受け付ける。乗客は国籍選択画面300及び情報入力画面400において乗客に関する固有情報を入力する。その後、ステップS203の処理に進む。
(ステップS203)ベースユニット11の表示制御部1152は、支払方法選択画面500を表示して、運賃の支払方法の選択入力を受け付ける。乗客は、支払方法選択画面500から支払方法を選択する。その後、ステップS204の処理に進む。
【0044】
(ステップS204)ベースユニット11の固有情報送信部1151は、乗車時固有情報をサーバ装置2に送信する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)ベースユニット11の固有情報送信部1151は、ステップS204において送信した乗車時固有情報に対する検索結果をサーバ装置2から受信したか否かを判定する。検索結果を受信したと固有情報送信部1151が判定した場合にはステップS206の処理に進む。また、検索結果を受信していないと固有情報送信部1151が判定した場合にはステップS205の処理を再度実行する。
【0045】
(ステップS206)ベースユニット11の表示制御部1152は、受信した検索結果に目的地候補が含まれているか否かを判定する。目的地候補が含まれていると表示制御部1152が判定した場合にはステップS207の処理に進む。また、目的地候補が含まれていないと表示制御部1152が判定した場合にはステップS212の処理に進む。
【0046】
(ステップS207)ベースユニット11の表示制御部1152は、受信した目的地候補に基づく目的地選択画面600を目的地決定装置13の表示部131に表示して目的地の選択入力を受け付ける。
(ステップS208)ベースユニット11の決定制御部1153は、目的地選択画面600に表示した目的地候補に乗客の目的地がない旨の入力を受け付けたか否かを判定する。目的地がない旨の入力を受け付けたと決定制御部1153が判定した場合にはステップS212の処理に進む。また、目的地がない旨の入力を受け付けていないと決定制御部1153が判定した場合にはステップS209の処理に進む。
【0047】
(ステップS209)ベースユニット11の決定制御部1153は、目的地選択画面600において目的地の選択入力を受け付ける。乗客は目的地選択画面600に表示されている目的地候補から目的地を選択する。その後、ステップS210の処理に進む。
(ステップS210)メータシステム14のナビゲーション機能部142は、選択された目的地を行先としてナビゲーションを開始する。その後、ステップS211の処理に進む。
(ステップS211)ベースユニット11の表示制御部1152は、情報表示画面700を目的地決定装置13の表示部131に表示する。
【0048】
(ステップS212)メータシステム14は、運賃を算出するためのメータの計測を開始する。乗務員は、乗客から口頭で目的地を伝達してもらい、運行を開始する。その後、ステップS213の処理に進む。
(ステップS213)メータシステム14の入力部144は、目的地に到着したことを示す入力を受け付ける。乗務員は、目的地に到着すると、その旨メータシステム14の入力部144に入力する。その後、ステップS214の処理に進む。
【0049】
(ステップS214)メータシステム14は、支払処理を実行する。その後、ステップS215の処理に進む。
(ステップS215)メータシステム14の入力部144は、乗客が降車したことを示す入力を受け付ける。乗務員は、乗客が降車すると、その旨メータシステム14の入力部144に入力する。その後、ステップS216の処理に進む。
(ステップS216)ベースユニット11の固有情報送信部1151は、降車時固有情報をサーバ装置2に送信する。その後、処理を終了する。
【0050】
図11は、本実施形態におけるサーバ装置2が実行する情報処理の処理手順を示したフローチャートである。サーバ装置2は、車載装置1から乗車時固有情報を受信したときに、本図に示す処理を実行する。
【0051】
(ステップS301)目的地情報登録部23は、受信した乗車時固有情報をデータベース24に書き込んで登録する。その後、ステップS302の処理に進む。
(ステップS302)目的地情報照合部22は、受信した乗車時固有情報を検索条件として複数の目的地候補を検索して抽出する。このとき、目的地情報照合部22は、各目的地候補までの予想乗車時間と予想運賃とを算出し、算出した予想乗車時間と予想運賃とを各目的地候補に付加する。その後、ステップS303の処理に進む。
(ステップS303)通信部21は、目的地情報照合部22が抽出した複数の目的地候補を含む検索結果を車載装置1に送信する。その後、処理を終了する。
【0052】
上述したとおり、本実施形態では、車載装置1は、サーバ装置2と通信する通信モジュール15と、位置情報を検出するGPS機能部141と、日時を計時する計時部143と、GPS機能部141が検出する位置情報と計時部143が計時する日時とを含む乗車時固有情報をサーバ装置2に送信する固有情報送信部1151と、固有情報送信部1151が送信した乗車時固有情報に基づく目的地の候補をサーバ装置2から受信すると、受信した目的地の候補を表示部131に表示する表示制御部1152と、表示部131に表示された目的地の候補から目的地を選択する入力をタッチパネル132から受け付けて目的地を決定する決定制御部1153と、を備える。また、サーバ装置2は、車載装置1と通信する通信部21と、固有情報と目的地とを対応付けて記憶するデータベース24と、車載装置1から乗客の乗車時固有情報を受信すると、受信した乗車時固有情報に基づいてデータベース24から目的地の候補を抽出し、抽出した目的地の候補を車載装置1に送信する目的地情報照合部22と、を備える。
【0053】
これにより、外国人観光客が簡易的かつ効率的に目的地を設定できる。特に運転手と乗客との間に言語問題があっても、目的地が正確に運転手に伝わる可能性が増す。すなわち、運転手と乗客との間に言語に関する問題があったとしても、目的地を容易に特定することができる。また、サーバ装置2は、乗車時固有情報に基づいて目的地候補を抽出しているため、例えば、乗客エリア×国籍×乗車時間=そのエリアで乗車した同国籍の人が、その時期に行った場所を抽出できる。或いは、乗客エリア(主要駅、空港)×乗車時間×国籍×目的(オリンピック)=その国籍の人が、その日に行った競技開催場所を抽出できる。また、データセンタにあるサーバ装置2が目的地の候補を抽出するため、車内にある車載装置1の構成を簡便にでき、処理の向上を図ることができる。
【0054】
また、固有情報送信部1151は、決定した目的地を含む降車時固有情報をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、車載装置1から降車時固有情報を受信すると、受信した降車時固有情報を乗車時固有情報と対応付けてデータベース24に登録する目的地情報登録部23を備える。このように、データベース24にデータを蓄積していくことで、目的地候補を抽出する精度が向上する。
【0055】
また、目的地情報照合部22は、予想到着時間または予想運賃を各目的地の候補に付加し、表示制御部1152は、決定制御部1153が決定した目的地に付加された予想到着時間または予想運賃を表示部131に表示する。これにより、乗客は安心して目的地に向かうことができる。
【0056】
なお、上述した実施形態における車載装置1またはサーバ装置2が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0057】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0059】
例えば、サーバ装置2の目的地情報照合部22は、車載装置1の現在位置情報に基づいて、異常な(例えば、現在位置から遠い位置にある)目的地を候補から除外してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、車載装置1から送信された位置情報と日時とを含む乗車時固有情報に基づいてサーバ装置2が目的地の候補を車載装置1に送信し、その目的地の候補を車載装置1が表示する例を説明したが、車載装置1に代えて他の情報端末装置を適用してもよい。ここで、情報端末装置とは、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、タブレットPC、等である。例えば、タクシーの配車要求指示を受け付ける配車アプリケーションが車載装置1の一部の機能(例えば、目的地決定制御部115の機能)を有し、スマートフォンにインストールされることにより、当該スマートフォンが車載装置1と同様にサーバ装置2から目的地の候補を取得して表示してもよい。
これにより、例えば、外国人観光客が、配車アプリケーションを利用する際に、簡易的かつ効率的に目的地を設定することができる。つまり、外国人観光客が、スマートフォンから配車アプリケーションを利用して、簡易的かつ効率的に目的地を設定してタクシーの配車を要求することができる。
なお、配車アプリケーションは一例であって、目的地を設定する他のアプリケーション(例えば、ナビゲーション機能を有するアプリケーション)であってもよい。