(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。本発明の画像形成システムは、印刷装置1と、前処理装置3と、バッファ装置4と、バッファ装置5と、後処理装置6と、コントローラ10と、端末装置20とから構成されており、コントローラ10は、有線又は無線により通信可能に端末装置20に接続されている。
【0026】
印刷装置1は、コントローラ10によって制御され、ロール紙のような連続紙の印刷用紙に対して画像データを印刷する。
【0027】
前処理装置3は、印刷されていない印刷用紙の送り出し等の前処理を行う。後処理装置6は、印刷が終了した印刷用紙の巻き取り等の後処理を行う。バッファ装置4、5は、前処理装置3と印刷装置1との間および、印刷装置1と後処理装置6との間の印刷用紙のテンションの保持等のために設けられている。
【0028】
端末装置20は、印刷ジョブ等の印刷データを生成してネットワーク経由にてコントローラ10に対して送信する。コントローラ10は、端末装置20から送信されてきた印刷データにより印刷装置1の印刷動作を制御する印刷制御装置として機能する。印刷装置1は、コントローラ10による制御に基づいて印刷データに応じた画像を連続紙上に出力する。
【0029】
次に、本実施形態の画像形成システムにおけるコントローラ10のハードウェア構成を、
図2を参照して説明する。本実施形態のコントローラ10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワークを介して端末装置20との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)部14、タッチパネルや液晶ディスプレイにより構成されたユーザインタフェース(UI)装置15、印刷装置1との間でデータの送受信を行うエンジンIF部16を有する。そして、これらの構成要素は、制御バス17を介して互いに接続されている。
【0030】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された印刷制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、コントローラ10の動作を制御する。
【0031】
図3は、上記の印刷制御プログラムが実行されることにより実現されるコントローラ10の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
コントローラ10は、
図3に示されるように、印刷データ受付部31と、中間形式データ生成部32と、中間形式データ記憶部33と、ラスタライズ処理部34と、スプールデータ格納部35と、ラスタデータ転送部36と、管理制御部37とから構成されている。
【0033】
印刷データ受付部31は、端末装置20において生成された印刷データ(印刷命令)をネットワークを介して受け付ける。また、印刷データ受付部31は、ネットワークを介して端末装置20から既に受け付けた印刷データの再印刷指示を受け付ける。
【0034】
中間形式データ生成部32は、印刷データ受付部31により受け付けられた印刷データに基づいて中間形式データ(中間形式のデータ)を生成する。
【0035】
中間形式データ記憶部33は、中間形式データ生成部32により生成された中間形式データを記憶する。
【0036】
ラスタライズ処理部34は、中間形式のデータに基づいてラスタライズ処理(描画処理)を行うことによりラスタデータ(画像データ)を生成する。
【0037】
スプールデータ格納部35は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータを格納する。
【0038】
ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35に格納されたラスタデータを読み出して、印刷装置1に当該ラスタデータを転送する。
【0039】
管理制御部37は、ラスタライズ処理部35がラスタライズ処理を開始してから完了するまでのラスタライズ処理時間、およびラスタデータ転送部36がスプールデータ格納部35からラスタデータを読み出してから印刷装置1に転送するまでの読出し時間を取得する。また、管理制御部37は、ラスタライズ処理時間および読出し時間の合計値を示す処理時間と中間形式データとを対応付けて印刷データの中間形式データにおける各ページ(頁)ごとに中間形式データ記憶部33に記憶させる。
【0040】
また、管理制御部37は、印刷データ受付部31により印刷データの再印刷指示を受け付けた場合、中間形式データ記憶部33に対応付けて記憶された処理時間に基づいて、ラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するのかラスタデータ転送部36に送信するのかを制御する。
【0041】
本実施形態において、管理制御部37は、中間形式データにおける全てのページの処理時間が、印刷装置1の印刷速度によって1ページ分の印刷を行う時間(以下、ページ印刷時間)以下であるか否かを判定する。そして、中間形式データ記憶部33は、管理制御部37における判定結果に基づいて、ページ印刷時間以下である場合には、印刷装置1の印刷速度に遅れることなくラスタデータを印刷装置1に転送する連続印刷が可能であることを示し、印刷データにおけるいずれかのページの処理時間が、ページ印刷時間を超える場合には、連続印刷が不可であることを示す連続印刷可否情報を中間形式データと対応付けて記憶する。そして、管理制御部37は、印刷データ受付部31により印刷データの再印刷指示を受け付けた場合に、連続印刷可否情報において連続印刷が可能であることを示す場合には、ラスタデータをラスタデータ転送部36に送信し、連続印刷可否情報において連続印刷が不可であることを示す場合には、ラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するように制御する。もし、連続印刷が不可であるにもかかわらず、ラスタデータをスプールデータ格納部35に格納せずに直接ラスタデータ転送部36に送信してしまうと、印刷速度に遅れてラスタデータが転送されるページについては白紙が挿入される間欠印刷が発生することとなる。このような不測の間欠印刷を防止するため、特に初回印刷の場合は印刷命令(印刷データ)に係る全てのページのラスタデータをスプールデータ格納部35に格納してからラスタデータ転送部36経由で印刷装置1に転送する。
【0042】
図4は、本実施形態における中間形式データ記憶部33に記憶される中間形式データの一例を示す図である。
【0043】
図4(A)に示されるように、中間形式データ記憶部33は、印刷データ受付部31により受け付けられた印刷データを順次並べた印刷テーブルを記憶する。そして、それぞれの印刷データに基づいて中間形式データ生成部32により生成された中間形式データとして、データID50と、印刷データの属性を示す属性情報51と、連続印刷可否情報52と、中間形式データの各ページの情報を参照するためのページ情報53とを含む情報を記憶する。
【0044】
また、連続印刷可否情報52は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するのかラスタデータ転送部36に送信するのかを管理制御部37が判定するための情報である。より具体的には、連続印刷可否情報52とは、ラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に転送しても、印刷装置1のページ印刷時間に対して各ページの処理が遅れることなくラスタデータを印刷装置1に転送する連続印刷が可能であるか否かを示している。なお、連続印刷可否情報52の具体的な設定方法については後述する。
【0045】
また、
図4(B)に示されるように、ページ情報53には、ページ番号60と、ページの属性を示すページ属性情報61と、ページ処理時間情報62と、連続紙に出力される実データに関する実データ情報が含まれる。なお、ページ処理時間情報とは、管理制御部37が、ラスタライズ処理部34から取得したラスタライズ処理時間およびラスタデータ転送部36から取得した読出し時間の合計値として各ページごとに算出した処理時間を示す情報である。
【0046】
次に、本実施形態において、端末装置20から印刷データを受け付けた際(以下、初回印刷時)のコントローラ10の処理を図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
図5は、本実施形態における初回印刷時の処理を示す概要図である。
【0048】
まず、中間形式データ生成部32は、印刷データ受付部31により受け付けられた印刷データに基づいて中間形式データを生成して、中間形式データ格納部33に格納する。
【0049】
そして、ラスタライズ処理部34は、中間形式データ33に格納された中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行ってラスタデータを生成し、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納する制御を行う。この時、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34が中間形式データに基づいてラスタライズ処理を開始してから、スプールデータ格納部35にラスタデータを格納するまでのラスタライズ処理時間を中間形式データの各ページごとに取得する。
【0050】
そして、ラスタライズ処理部34は、中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータに格納されるまでラスタライズ処理を行う。
【0051】
そして、ラスタライズ処理部34により中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納された場合に、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35に格納されたラスタデータを読み出して印刷装置1に転送する。この時、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35からラスタデータを読み出してから印刷装置1に転送するまでの読出し時間を各ページごとに管理制御部37に通知する。
【0052】
次に、管理制御部37は、取得したラスタライズ処理時間および読出し時間を合計して各ページごとにページ処理時間を算出する。そして、管理制御部37は、算出したページ処理時間を中間形式データと対応付けて中間形式データ記憶部33に各ページごとにページ処理時間情報62として記憶させる。また、管理制御部37は、各ページのページ処理時間情報62に基づいて、後述する方法により中間形式データに対して連続印刷可否情報52を設定する。
【0053】
次に、本実施形態における連続印刷可否情報52の具体的な設定方法について説明する。
【0054】
図6および
図7は、本実施形態におけるページ処理時間と印刷装置1のページ印刷時間(印刷装置1の印刷速度によって1ページ分の印刷を行う時間)との比較の一例を示す図である。
【0055】
図6に示されるように、本実施形態においては、例えば、印刷装置1のページ印刷時間が180(ms)である。
【0056】
そして、例えば、
図6に示されるように、印刷データが全5ページにより構成されており、1ページ目のページ処理時間が20(ms)、2ページ目のページ処理時間が170(ms)、3ページ目のページ処理時間が15(ms)、4ページ目のページ処理時間が30(ms)、5ページ目のページ処理時間が100(ms)である場合について説明する。
【0057】
まず、管理制御部37は、ページ処理時間とページ印刷時間とを比較して、それぞれのページ処理時間が、印刷装置1のページ印刷時間以下であるか否かを各ページごとに判定する。そして、管理制御部37は、中間形式データにおける全てのページのページ処理時間が、ページ印刷時間以下である場合に、当該中間形式データの連続印刷可否情報52を「可能」に設定する。
【0058】
例えば、
図6に示す例においては、1〜5ページ目のページ処理時間は、それぞれ印刷装置1のページ印刷時間の180(ms)よりも小さく、1〜5ページ全てのページ処理時間が印刷装置1のページ印刷時間以下である。そして、
図6に示されるように、1〜5ページ目は、それぞれ印刷装置1において印刷が開始されるタイミングよりも前に印刷が可能となるため、当該中間形式データは、各ページのラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に送信しても、印刷装置1の印刷速度に遅れることなく印刷が可能となる。そのため、管理制御部37は、この中間形式データの連続印刷可否情報を「可能」に設定する。
【0059】
なお、管理制御部37は、各ページごとにページ処理時間と印刷装置1の印刷時間とを比較するだけではなく、ページ処理時間の累積値である累積処理時間と、印刷装置1において各ページの印刷が完了するタイミングまでのページ印刷時間の累積値とを比較するようにしてもよい。
【0060】
具体的には、
図7に示されるように、印刷データが全5ページにより構成されており、1ページ目の印刷を開始してから2ページ目の印刷が可能となるまでの累積処理時間が80(ms)、1ページ目の印刷を開始してから3ページ目の印刷が可能となるまでの累積処理時間が280(ms)、1ページ目の印刷を開始してから4ページ目の印刷が可能となるまでの累積処理時間が530(ms)、1ページ目の印刷を開始してから5ページ目の印刷が可能となるまでの累積処理時間が630(ms)である場合について説明する。
【0061】
図7に示される例では、3ページ目のページ処理時間200(ms)が印刷装置1のページ印刷時間180(ms)を超えているが、印刷装置1によって1ページ目の印刷を開始してから3ページ目の印刷が可能となるまでの累積処理時間が280(ms)であり、印刷装置1において2ページ目の印刷が完了するタイミングである360(ms)よりも前に3ページ目の印刷が可能となる。そのため、3ページ目のラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなく印刷装置1に転送しても印刷装置1の印刷速度に遅れることなく印刷することが可能となる。同様に、4ページ目についても、ページ処理時間250(ms)が印刷装置1のページ印刷時間180(ms)を超えているが、印刷装置1において3ページ目の印刷が完了するタイミングである540(ms)よりも前に4ページ目の印刷が可能となる。そのため、4ページ目のラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなく印刷装置1に転送しても印刷装置1の印刷速度に遅れることなく印刷することが可能となる。
【0062】
このような場合には、全5ページ分のラスタデータを各ページごとにスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に転送しても印刷装置1の印刷速度に遅れることなく印刷が可能となる。そのため、管理制御部37は、この中間形式データの連続印刷可否情報を「可能」に設定する。
【0063】
次に、本実施形態において、印刷データ受付部31により初回印刷が行われた印刷データの再印刷指示を受け付けた場合(再印刷時)の処理について、図面を参照して詳細に説明する。
【0064】
図8は、本実施形態における再印刷時の処理を示す概要図である。
【0065】
まず、
図8に示されるように、印刷データ受付部31は、端末装置20から再印刷指示を受け付けた場合に、管理制御部37に問い合わせる。
【0066】
次に、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33を参照して、受け付けた再印刷指示の中間形式データが記憶されているか否かを判定する。
【0067】
そして、受け付けた再印刷指示の中間形式データが中間形式データ記憶部33に記憶されていると管理制御部37に判定された場合には、ラスタライズ処理部34は、中間形式データ記憶部33から、受け付けた再印刷指示の中間形式データを取得して、この中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行ってラスタデータを生成する。この時、管理制御部37は、受け付けた再印刷指示の中間形式データと対応付けられた連続印刷可否情報52を参照する。
【0068】
そして、連続印刷可否情報52が「不可」である場合、管理制御部37は、初回印刷時と同様に、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納する制御を行い、中間形式データの全てのページのラスタデータをスプールデータ格納部35に格納する。その後、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35から読み出したラスタデータを印刷装置1に転送する。
【0069】
また、連続印刷情報52が「可能」である場合、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に送信する制御を行い、ラスタデータ転送部36は、管理制御部37から送信されたラスタデータを印刷装置1に転送する。この場合、印刷装置1はラスタライズ処理部34で再印刷に係る全てのページのラスタライズ処理が終了することを待たずにラスタデータ転送部36から順次ラスタデータを受け取って印刷処理を実行することとなるので、再印刷に要する時間が初回印刷に要する時間より短くなる。
【0070】
なお、本実施形態において、管理制御部37は、再印刷指示を受け付けた場合に、中間形式データと対応付けられた連続印刷可否情報52に基づいて、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するのかラスタデータ転送部36に送信するのかを制御するものとして説明した。しかし、管理制御部37は、受け付けた再印刷指示において、印刷データのうち指定された範囲のページが指定されている場合には、当該印刷データの中間形式データと対応付けられたページ処理時間に基づいて、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するのかラスタデータ転送部36に送信するのかを制御するようにしてもよい。
【0071】
例えば、受け付けた再印刷指示において、ページの範囲が指定されている場合に、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33を参照して、受け付けた再印刷指示の中間形式データと対応付けられたページ処理時間情報62を取得する。そして、指定された範囲の全てのページのページ処理時間が、印刷装置1のページ印刷時間以下である場合に、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に送信する制御を行うようにしてもよい。
【0072】
次に、本実施形態におけるコントローラ10の処理の流れを
図9および
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
まず、本実施形態の初回印刷時におけるコントローラ10の処理の流れを
図9を参照して説明する。
【0074】
まず、印刷データ受付部31は、端末装置20からネットワークを介して印刷データを受け付ける(ステップS101)。
【0075】
次に、中間形式データ生成部32は、受け付けた印刷データに基づいて中間形式データを生成する(ステップS102)。
【0076】
そして、中間形式データ記憶部33は、中間形式データ生成部32により生成された中間形式データを記憶する(ステップS103)。
【0077】
そして、中間形式データ生成部32は、受け付けた印刷データにおける全てのページの中間形式データを生成したか否かを判定する(ステップS104)。受け付けた印刷データにおける全てのページの中間形式データが生成されていない場合には(ステップS104においてno)、ステップS102に戻って処理を繰り返す。
【0078】
また、受け付けた印刷データにおける全てのページの中間形式データが生成された場合(ステップS104においてyes)、ラスタライズ処理部34は、中間形式データ記憶部33に記憶された中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行ってラスタデータを生成する(ステップS105)。
【0079】
そして、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34により生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納し(ステップS106)、ラスタライズ処理時間を各ページごとに取得する(ステップS107)。
【0080】
そして、ラスタライズ処理部34は、中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納されたか否かを判定する(ステップS108)。中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納されていない場合(ステップS108においてno)、ステップS105に戻って処理を繰り返す。
【0081】
また、中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納された場合(ステップS108においてyes)、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35に格納されたラスタデータを読み出して印刷装置1に転送する(ステップS109)。このとき、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35からラスタデータを読み出してから印刷装置1に転送するまでの読出し時間を各ページごとに管理制御部37に通知する(ステップS110)。
【0082】
次に、管理制御部37は、取得したラスタライズ処理時間および読出し時間の合計値であるページ処理時間を算出し、このページ処理時間を、各ページごとに中間形式データ記憶部に記憶された中間形式データと対応付けて記憶させる(ステップS111)。
【0083】
そして、管理制御部37は、中間形式データと対応付けられた各ページごとのページ処理時間に基づいて、連続印刷が可能であるか否かを判定する(ステップS112)。
【0084】
連続印刷が可能である場合(ステップS112においてyes)、管理制御部37は、中間形式データの連続印刷可否情報52を「可能」に設定する(ステップS113)。また、連続印刷が不可である場合(ステップS112においてno)、管理制御部37は、中間形式データの連続印刷可否情報52を「不可」に設定する(ステップ114)。
【0085】
次に、本実施形態の再印刷時におけるコントローラ10の処理の流れを
図10を参照して説明する。
【0086】
まず、印刷データ受付部31は、端末装置20から印刷データの再印刷指示を受け付ける(ステップS201)。
【0087】
次に、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33を参照して、受け付けた再印刷指示された印刷データの中間形式データが存在するか否かを判定する(ステップS202)。再印刷指示された印刷データの中間形式データが存在しない場合には(ステップS202においてno)、端末装置20または図示しない表示装置を介してエラーを通知して処理を終了する。
【0088】
また、再印刷指示された印刷データの中間形式データが存在する場合には(ステップS202においてyes)、管理制御部37は、再印刷指示の中間形式データに含まれる連続印刷可否情報52を参照して、連続印刷可否情報52が「可能」であるか「不可」であるかを判定する(ステップS203)。
【0089】
連続印刷可否情報52が「可能」である場合(ステップS203においてyes)、ラスタライズ処理部34は、中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行う(ステップS204)。そして、管理制御部37は、生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に送信する制御を行い、ラスタデータ転送部36は、受信したラスタデータを印刷装置1に転送する(ステップS205)。
【0090】
また、連続印刷可否情報52が「不可」である場合(ステップS203においてno)、ラスタライズ処理部34は、中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行い(ステップS206)、管理制御部37は、生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するように制御する(ステップS207)。そして、ラスタライズ処理部34は、中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納されたか否かを判定する(ステップS208)。中間形式データにおける全てのページのラスタデータがまだスプールデータ格納部35に格納されていない場合(ステップS208においてno)、ステップ206に戻って処理を繰り返す。
【0091】
また、中間形式データにおける全てのページのスプールデータ格納部35にラスタデータが格納された場合(ステップS208においてyes)、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35に格納されたラスタデータを読み出して印刷装置1に転送する(ステップS209)。
【0092】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0093】
上記の第1の実施形態においては、既に初回印刷が行われた印刷データに対して再印刷指示が行われる場合について説明したが、第2の実施形態においては、印刷データ受付部31により受け付けられた印刷データが、既に印刷済みの印刷データと同じ共通フォーマット(予め定められた形式)により構成されている場合について説明する。なお、本実施形態におけるコントローラ10の構成は第1の実施形態と同様のため説明を省略する。
【0094】
図11は、本実施形態における共通フォーマット70の一例を示す図である。
【0095】
本実施形態における共通フォーマット70は、予め定められた位置に予め定められた画像が配置されており、これらの画像のうち一部の情報について変更するような印刷データを作成する際に用いられる。例えば、
図11に示される例では、1ページ目において、オブジェクト80、郵便番号、住所および氏名の位置が予め定められており、異なる印刷データごとに郵便番号、住所および氏名の位置に異なる情報が出力される。また、
図11に示されるように、共通フォーマット70では、2ページ目において予め定められた文章が配置される。
【0096】
このような共通フォーマット70により構成された印刷データの場合、印刷データごとに異なる部分が一部の情報のみとなる。そのため、共通フォーマット70により構成されている場合には、異なる印刷データにおいても略同一のラスタライズ処理時間によって処理を行うことが可能である。
【0097】
図12は、本実施形態における中間形式データ記憶部33に記憶される中間形式データの一例を示す図である。
【0098】
図12に示されるように、本実施形態において、中間形式データ記憶部33は、既に初回印刷が行われている印刷済み印刷データ40〜43が順次並べられた印刷テーブルと、印刷済み印刷データ40〜43に基づいて生成された印刷済み中間形式データとをそれぞれ記憶している。ここで、印刷データ受付部31により新たな印刷データ44を受け付けた場合、中間形式データ記憶部33は、印刷テーブルに新たな印刷データ44を追加する。また、中間形式データ記憶部33は、新たな印刷データ44に基づいて中間形式データ生成部32により生成された新たな中間形式データを記憶する。
【0099】
図12に示されるように、本実施形態における中間形式データには、データID50、属性情報51、連続印刷可否情報52およびページ情報53に加えて、さらに共通フォーマットID54が含まれている。
【0100】
本実施形態の共通フォーマットID54は、各中間形式データを構成する共通フォーマットの種別を示す情報である。なお、共通フォーマットID54については、端末装置20により付加されるようにしてもよいし、予めコントローラ10において設定されているようにしてもよい。
【0101】
そして、新たな中間形式データが共通フォーマット70により構成されている場合には、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33を参照して、共通フォーマット70により構成されている印刷済みの印刷データの中間形式データが記憶されているか否かを判定する。
【0102】
例えば、新たな中間形式データが、共通フォーマットID54として共通フォーマット70を示す「共通フォーマットID:123」の情報を含む場合、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33を参照して、印刷済み印刷データ40〜43の中間形式データのうち、「共通フォーマットID:123」の情報を含むものが存在するか否かを判定する。
【0103】
そして、「共通フォーマットID:123」の情報を含む印刷済み印刷データの中間形式データが存在する場合、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33に対応付けて記憶された当該印刷済み印刷データの中間形式データの連続印刷可否情報52を参照する。そして、連続印刷可否情報52が「可能」である場合には、ラスタライズ処理部34により新たな中間形式データに基づいて生成されたラスタデータをラスタデータ転送部36に送信するよう制御する。
【0104】
例えば、
図12に示されるように、印刷済み印刷データ40の中間形式データが「共通フォーマットID:123」の情報を含む場合、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33に対応付けて記憶された印刷済み印刷データ40の中間形式データの連続印刷可否情報52を参照する。そして、印刷済み印刷データ40の中間形式データの連続印刷可否情報52が「可能」であるため、管理制御部37は、ラスタライズ処理部34により新たな中間形式データに基づいて生成されたラスタデータをラスタデータ転送部36に送信するよう制御する。
【0105】
次に、本実施形態におけるコントローラ10の処理の流れについて
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0106】
まず、印刷データ受付部31は、端末装置20から新たな印刷データ44を受け付ける(ステップS301)。
【0107】
そして、中間形式データ生成部32は、新たな印刷データ44に基づいて新たな中間形式データを生成する(ステップS302)。
【0108】
そして、管理制御部37は、新たな中間形式データと同じ共通フォーマット70により構成された印刷済み印刷データの中間形式データが存在するか否かを判定する(ステップS303)。
【0109】
新たな中間形式データと同じ共通フォーマット70により構成された印刷済み印刷データの中間形式データが存在する場合(ステップS303においてyes)、管理制御部37は、中間形式データ記憶部33に対応付けて記憶された印刷済み印刷データの中間形式データの連続印刷可否情報52が「可能」であるか「不可」であるかを判定する(ステップS304)。
【0110】
連続印刷可否情報52が「可能」である場合(ステップS304においてyes)、ラスタライズ処理部34は、新たな中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行って、ラスタデータを生成する(ステップS305)。そして、管理制御部37は、生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納することなくラスタデータ転送部36に転送する(ステップS306)。
【0111】
また、連続印刷可否情報52が「不可」である場合(ステップS304においてno)、ラスタライズ処理部34は、新たな中間形式データに基づいてラスタライズ処理を行い(ステップS307)、管理制御部37は、生成されたラスタデータをスプールデータ格納部35に格納するように制御する(ステップS308)。そして、ラスタライズ処理部34は、新たな中間形式データにおける全てのページのラスタデータがスプールデータ格納部35に格納されたか否かを判定する(ステップS309)。中間形式データにおける全てのページのラスタデータがまだスプールデータ格納部35に格納されていない場合(ステップS309においてno)、ステップ206に戻って処理を繰り返す。
【0112】
また、新たな中間形式データにおける全てのページのスプールデータ格納部35にラスタデータが格納された場合(ステップS309においてyes)、ラスタデータ転送部36は、スプールデータ格納部35に格納されたラスタデータを読み出して印刷装置1に転送する(ステップS310)。
【0113】
また、新たな中間形式データと同じ共通フォーマット70により構成された印刷済み印刷データの中間形式データが存在しない場合(ステップS303においてno)、第1の実施形態における初回印刷と同様の処理を行う。
【0114】
以上の説明では、印刷装置1はロール紙のような連続紙を取り扱うものとしているが、印刷装置1が定型紙のようないわゆるカット紙を取り扱う場合に本発明を適用してもよい。