【実施例】
【0041】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。なお、各例中、部及び%は特記しない限り全て重量基準である。
【0042】
(合成例1)(ポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体[A−1]の合成)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体100部、オクチル酸スズ0.3部、ポリシロキサン化合物(a1)(一般式(1)R
1=ブチル基、R
2=メチル基、l=10、m=3、n=2)182部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート347部、酢酸エチル部629部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約70度に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持し、イソシアネート基が消失したこと確認した後、冷却して、紫外線硬化型のウレタンアクリレートオリゴマー[A−1]得た。
【0043】
(合成例2)(ポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体[A−2]の合成)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体100部、オクチル酸スズ0.2部、ポリシロキサン化合物(a1)(一般式(1)R
1=ブチル基、R
2=メチル基、l=10、m=3、n=2)157部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート300部、酢酸エチル部557部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約70度に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持し、イソシアネート基が消失したこと確認した後、冷却して、紫外線硬化型のウレタンアクリレートオリゴマー[A−2]得た。
【0044】
(合成例3)(ポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体[A−3]の合成)
攪拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体100部、オクチル酸スズ0.1部、ポリシロキサン化合物(a1)(一般式(1)R
1=ブチル基、R
2=メチル基、l=10、m=3、n=2)157部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(アクリロイル基が1つ)40部、酢酸エチル297部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約70度に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持し、イソシアネート基が消失したこと確認した後、冷却して、紫外線硬化型のウレタンアクリレートオリゴマー[A−3]得た。
【0045】
(合成例4)(ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の合成)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体77.1部とジブチルスズジラウレート0.10部、メチルエチルケトン500部を仕込み、60℃以下でジペンタエリスリトールペンタアクリレート422.9部、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.4部を約1時間で滴下し、60℃で反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を得た。
【0046】
(塗工液の調製)
上記合成により得られた各紫外線硬化型コーティング剤組成物を使用して塗料化し、塗工液を調製した。
【0047】
(実施例1)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート93部、ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0048】
(実施例2)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート93部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[C2]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0049】
(実施例3)
合成例2で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート93部、−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0050】
(実施例4)
合成例2で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート93部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[C2]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0051】
(比較例1)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート95部に、ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0052】
(比較例2)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体95部に、−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0053】
(比較例3)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体
2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート
93部、ダロキュア1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0054】
(比較例4)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体
2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート
93部、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0055】
(比較例5)
合成例3で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部にジペンタエリスリトールペンタアクリレート93部、ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0056】
(比較例6)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート93部、ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0057】
(比較例7)
合成例1で得られたポリシロキサン含有ポリイソシアネート系誘導体2部に合成例4で得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物93部、ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[C1]5部を配合し、不揮発分が25%になるようメチルエチルケトンで希釈調製し、均一に混合した。
【0058】
(硬化膜の評価)
上記により得られた塗料を用いて下記の方法で基材表面硬化被膜を形成させてその評価試験を行った。その結果を表1に示す。厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーター#2(膜厚0.5μm)で塗布し、80℃の循風乾燥機中で1分間乾燥し、その後、高圧水銀灯120W/cm(1灯)、照射距離25cm、ベルトスピード43m/minの条件で積算照射量30mJ/cm2で硬化膜を形成した。
【0059】
<外観>
硬化膜の外観をレベリング性(平滑性)、ゆず肌、ピンホールについての不具合の有無を目視にて評価した。
○=平滑であり、ゆず肌、ピンホールなどの不具合がない。
×=平滑でなく、ゆず肌、ピンホールなどの不具合がある。
【0060】
<硬化性>
メチルエチルケトンを浸みこませた綿棒を硬化膜にこすりつけ50往復させ、硬化膜変化の有無を目視で確認した。
○=試験前と比べ、硬化膜の変化が無い。
×=硬化膜に白化が見られる。
××=硬化膜が剥がれる。
【0061】
<滑り性>
JIS−K−7125に準じ静摩擦係数を測定した。
【0062】
<耐汚染性>
油性マジックインキ(Hi−Mckee 黒 ゼブラ(株)社製)を用い、硬化塗膜に線状に油性マジックインキを塗布、5分間乾燥させた後キムワイプで拭き取り、拭き取り性を評価した。
○=拭き取り跡が無い
×=拭き取り不可
【0063】
<セロハンテープ剥離性>
セロハンテープ(エルパックLP−24 ニチバン(株)社製)を用い、硬化塗膜にセロハンテープを貼り付け5分放置した後剥がし、剥離性を評価した。
○=容易に剥離
×=剥離が重く剥がれにくい
【0064】
【表1】
*:硬化膜成分が硬化していなかったため、測定することが出来なかった。
【0065】
表1中の記号は以下の通りである。
DPPA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
D.1173:ダロキュア1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)
Irg.184:イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)