(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送液ポンプにより移動相を送る移動相送液部の下流に接続された分析流路に沿って、前記分析流路に試料を導入する試料導入部、導入された試料を分離するカラム、及び前記カラムで分離された試料成分を検出する検出器を備えた液体クロマトグラフであって、
前記移動相送液部は、複数の移動相容器につながるそれぞれの移動相流路と前記送液ポンプの間に前記移動相流路の1つを選択する流路切換バルブを含んでおり、
前記流路切換バルブは、上段側の流路切換バルブのポートのうちユーザによって任意に選択されたポートに下段側の流路切換バルブが接続されるとともにユーザによって任意に選択された前記流路切換バルブの任意のポートに前記移動相流路が接続され、その構成内容及び/又は階層数がユーザによって任意に変更可能である階層構成をもち、最上段側の流路切換バルブが前記送液ポンプに接続されており、
さらに該液体クロマトグラフは、分析プログラムを記憶したプログラム制御部と、前記プログラム制御部からの指示に基づいて前記移動相送液部の動作を制御するように構成されている送液制御部を備えており、
さらに、該液体クロマトグラフは、前記上段側の流路切換バルブのどのポートに前記下段側の流路切換バルブが接続されているかを意味する前記上段側の流路切換バルブと前記下段側の流路切換バルブとの間の接続状態、及びどの前記流路切換バルブのどのポートに前記移動相流路が接続されているかを意味する前記流路切換バルブと前記移動相流路との間の接続状態をユーザからの入力に基づいて設定するように構成されているバルブ接続状態設定部と、
前記バルブ接続状態設定部により設定された前記各接続状態、前記階層構成をなす前記流路切換バルブのそれぞれの切換え状態、前記送液ポンプによる単位時間当たりの送液量、及び前記ポンプの動作時間から、移動相流路ごとの移動相の総送液量を算出するように構成されている流路ごとの総送液量算出部と、を備えている液体クロマトグラフ。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフにおいて分析流路に複数種の移動相を切り換えて送るために、送液ポンプに流路切換バルブを接続し、送液ポンプ1つに対して複数の移動相を切り換えられるようにしている。流路切換えバルブは、ポンプに近いもの(下流側)から順に1段目流路切換バルブ、2段目流路切換バルブ…と呼ぶ。1段目流路切換バルブは液体クロマトグラフに既存の設備として設けられたものであるのに対し、2段目流路切換バルブはユーザによって1段目流路切換バルブのいずれかのポートに接続された任意の流路切換バルブである。3段目以降の流路切換バルブを接続することもできるが、それらも任意の流路切換バルブある。
【0003】
従来の液体クロマトグラフの送液系では、移動相の総送液量および移動相残量を以下のような方法で算出していた。
【0004】
(1)流路制御部に1段目流路切換バルブの種類(ポート数)や接続の有無が設定される。1段目流路切換バルブは既存の構成要素であるので、流路制御部が1段目流路切換バルブの種類や接続の有無を自動で認識できるようにしたものはある。しかし、2段目以降の任意の流路切換バルブについては、その種類や接続の有無は設定するようにはなっていない。
【0005】
(2)各移動相流路に接続した移動相について、移動相総量を設定する。
【0006】
(3)送液制御部は、ポンプの送液流量と1段目流路切換バルブのポートごとの開時間から、1段目流路切換バルブに接続された流路ごとの総送液量を計算する。
【0007】
(4)移動相総量から総送液量を引いて1段目流路切換バルブに接続された流路ごとの移動相残量を求める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の液体クロマトグラフでは、2段目以降の流路切換バルブが接続された場合でも、1段目流路切換バルブに接続された流路ごとの総送液量しか計算できず、2段目以降の流路切換バルブのポートに接続された移動相ごとの総送液量を求めることはできなかった。
【0010】
本発明は、2段目以降の流路切換バルブのポートに接続された移動相ごとの総送液量を求めることができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の液体クロマトグラフは、送液ポンプにより移動相を送る移動相送液部の下流に接続された分析流路に沿って、前記分析流路に試料を導入する試料導入部、導入された試料を分離するカラム、及び前記カラムで分離された試料成分を検出する検出器を備えた液体クロマトグラフである。
【0012】
前記移動相送液部は、複数の移動相容器につながるそれぞれの移動相流路と前記送液ポンプの間に前記移動相流路の1つを選択する流路切換バルブを含んでおり、前記流路切換バルブは、上段側の流路切換バルブのポートに下段側の流路切換バルブが接続された階層構成をもち、最上段側の流路切換バルブが前記送液ポンプに接続されている。
【0013】
本発明の液体クロマトグラフは、さらに、分析プログラムを記憶したプログラム制御部と、前記プログラム制御部からの指示に基づいて前記移動相送液部の動作を制御するように構成されている送液制御部を備えている。
【0014】
さらに、本発明の液体クロマトグラフは、前記流路切換バルブ間の接続状態、及び前記流路切換バルブと前記移動相流路との間の接続状態を設定するように構成されているバルブ接続状態設定部と、前記バルブ接続状態設定部における接続状態、前記送液ポンプによる単位時間当たりの送液量、及び前記ポンプの動作時間から、移動相流路ごとの移動相の総送液量を算出するように構成されている流路ごとの総送液量算出部と、を備えている。
【0015】
移動相は通常は分析用の移動相を意味するが、流路のパージやリンスのために移動相が使用されることもある。また、流路の洗浄には洗浄液が使用される。これらの移動相や洗浄液は同じ移動相送液部から送液される。そのため、本発明では、「移動相」の語は、狭義の移動相だけでなく、洗浄液など、移動相送液部から送液される液体を意味する用語として使用されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の液体クロマトグラフは、流路切換バルブ間の接続状態、及び流路切換バルブと移動相流路との間の接続状態を設定するように構成されているバルブ接続状態設定部と、バルブ接続状態設定部における接続状態、送液ポンプによる単位時間当たりの送液量、及び送液ポンプの動作時間から、移動相流路ごとの移動相の総送液量を算出するように構成されている流路ごとの総送液量算出部とを備えているので、2段目以降の流路切換バルブが接続された場合でも、各移動相の総送液量を求めることができる。
【0017】
また、ユーザの用途に応じて流路切換バルブの接続状態を変更しても、各移動相の総送液量を求めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一実施例を
図1に示す。送液ポンプ2により移動相を送る移動相送液部4の下流に分析流路6が接続されている。分析流路6には移動相の流れの上流から下流に向かって、分析流路6に試料を導入する自動試料導入部8、導入された試料を分離するカラム10、及びカラム10で分離された試料成分を検出する検出器14が配置されている。カラム10はカラムオーブン12に収容されている。
【0020】
移動相送液部4は、複数の移動相容器20−1〜20−5につながるそれぞれの移動相流路22−1〜22−5と送液ポンプ2の間に移動相流路22−1〜22−5の1つを選択する流路切換バルブ26−1,26−2を含んでいる。
【0021】
この実施例は流路切換バルブ26−1,26−2が2段階の階層構成をもっている。最上段側の流路切換バルブである1段目流路切換バルブ26−1が送液ポンプ2に接続されており、流路切換バルブ26−1の1つのポートに下段側の2段目流路切換バルブ26−2が流路24により接続されている。この実施例では1段目流路切換バルブ26−1としてポート数が4つのもの、2段目流路切換バルブ26−2としてポート数が2つのものを使用しているが、これは単なる一例であり、流路切換バルブのポート数は任意である。また、すべてのポートを使用しなければならないというものでもない。
【0022】
1段目流路切換バルブ26−1はこの実施例の液体クロマトグラフの既存の構成要素として備えられた流路切換バルブである。それに対し、2段目流路切換バルブ26−2はユーザの要請により外付けされた流路切換バルブであり、1段目流路切換バルブ26−1のいずれかのポートに接続することができる。3段目流路切換バルブを接続することもでき、3段目流路切換バルブは2段目流路切換バルブ26−2のいずれかのポートに接続することができる。4段目以降の流路切換バルブも同様に接続することができる。2段目以降の流路切換バルブは任意の構成要素である。
【0023】
この実施例では、5種類の移動相を選択して分析流路6に送液できるように、5種類の移動相のための移動相容器20−1〜20−5が設けられ、第1〜第3の移動相用の移動相容器20−1〜20−3につながるそれぞれの移動相流路22−1〜20−3が1段目流路切換バルブ26−1のそれぞれのポートに接続され、第4〜第5の移動相用の移動相容器20−4〜20−5につながるそれぞれの移動相流路22−4〜20−5が2段目流路切換バルブ26−2のそれぞれのポートに接続されている。
【0024】
この液体クロマトグラフの動作を制御するために、プログラム制御部28と送液制御部30を備えている。プログラム制御部28は分析プログラムを記憶しており、液体クロマトグラフの各部の動作を制御する。その分析プログラムには送液する移動相の種類と送液ポンプ2による単位時間当たりの送液量を含むことができる。
【0025】
送液制御部30はプログラム制御部28からの指示に基づいて移動相送液部4の動作を制御するように構成されている。送液制御部30は移動相送液部4とは別の構成要素として構成することもできるが、この実施例では移動相送液部4と一体となってポンプユニット32を構成している。ポンプユニット32は1つの単位として液体クロマトグラフに取りつけ、交換したりすることができる。
【0026】
プログラム制御部28はコンピュータであり、この液体クロマトグラフに専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現することができる。専用のコンピュータの例はシステムコントローラである。システムコントローラとして実現した場合には、外部の汎用のパーソナルコンピュータ44に接続することができる。パーソナルコンピュータ44は、この液体クロマトグラフにのみ接続される場合もあるし、ネットワークを介してこの液体クロマトグラフを含む複数の分析装置やその他の装置に接続される場合もある。
【0027】
検出器14には検出信号を処理してクロマトグラムを作成したり、検量線データを保持して分析成分の定量を行ったりするデータ処理部16が接続されている。データ処理部16はプログラム制御部28の一部として実現することができ、又はパーソナルコンピュータ44により実現することもできる。
【0028】
送液制御部30は、プログラム制御部28からの指示に基づいて、流路切換バルブ26−1,26−2の切換え動作を制御し、送液ポンプ2の動作を制御するように構成されている。
【0029】
この実施例の液体クロマトグラフは、さらに、バルブ接続状態設定部34、総送液量算出部38、移動相ごとの総量設定部40、及び移動相ごとの残量算出部42も備えている。バルブ接続状態設定部34、総送液量算出部38、移動相ごとの総量設定部40及び移動相ごとの残量算出部42を含む部分5は、その全て又は一部は、専用のコンピュータにより、ポンプユニット32により、プログラム制御部28により、又は外部のパーソナルコンピュータ44により実現することができる。ここでは、その部分5がポンプユニット32により実現された例を示している。
【0030】
バルブ接続状態設定部34は、流路切換バルブ26−1,26−2のポート数と、流路切換バルブ26−1,26−2間の接続状態と、流路切換バルブ26−1,26−2と移動相流路22−1〜22−5との間の接続状態を設定するように構成されている。接続状態としては、具体的には、この実施例では流路切換バルブ26−1のポートには2段目流路切換バルブ26−2につながる流路24と移動相流路22−1〜20−3が接続され、2段目流路切換バルブ26−2のポートには移動相流路22−4〜20−5が接続されていることが設定される。流路切換バルブ26−1,26−2の全てのポートに流路が接続されていなければならないというものではなく、何も接続されていないポートがあってもよい。
【0031】
バルブ接続状態設定部34への接続状態の設定又は変更は少なくとも一部はユーザが行う。1段目流路切換バルブ26−1はこの液体クロマトグラフに既存の構成要素であるので、1段目流路切換バルブ26−1のそれぞれのポートに移動相流路22−1〜20−3が接続されたことは自動で検知するように構成することもできる。しかし、1段目流路切換バルブ26−1についても2段目流路切換バルブ26−2についても、それぞれのポートへの接続状態の設定をすべてユーザが行うようにしてもよい。この実施例では全てのポートへの接続状態の設定をユーザが行うものとする。
【0032】
そのような接続状態の設定又は変更は、ディスプレイ29に接続状態を指示する画面を表示し、その画面上で行うようにすることができる。そのディスプレイ29は、バルブ接続状態設定部34がポンプユニット32に設けられている場合はポンプユニット32に接続し、バルブ接続状態設定部34がプログラム制御部28に設けられている場合はプログラム制御部28に接続し、又はバルブ接続状態設定部34がパーソナルコンピュータ44により実現されている場合はそのパーソナルコンピュータ44のディスプレイを用いることができる。
【0033】
また、プログラム制御部28がシステムコントローラとなっていて単独のパーソナルコンピュータ44又はネットワーク上にあるパーソナルコンピュータ44に接続されている場合は、パーソナルコンピュータ44にインストールされたWebブラウザを介してシステムコントローラに接続されたディスプレイ29の設定画面にアクセスし、設定又は変更を行うように構成することもできる。
【0034】
流路ごとの総送液量算出部38は、バルブ接続状態設定部34における接続状態、送液ポンプ2による単位時間当たりの送液量、及び送液ポンプ2の動作時間から、移動相流路ごとの移動相の総送液量を算出するように構成されている。送液ポンプ2による単位時間当たりの送液量と送液ポンプ2の動作時間は、送液制御部30から得ることができ、又はプログラム制御部28からの信号から得ることもできる。
【0035】
算出された移動相流路ごとの移動相の総送液量は、ポンプユニット32又はプログラム制御部28に接続されたディスプレイ29に表示することができ、又はパーソナルコンピュータ44のディスプレイに表示することができる。
【0036】
この実施例では、この液体クロマトグラフは、移動相容器20−1〜20−5ごとに収容されている移動相量を設定するように構成されている移動相ごとの総量設定部40と、総量設定部40に設定された移動相容器20−1〜20−5ごとの移動相量から総送液量算出部38が算出した移動相流路22−1〜22−5ごとの移動相の総送液量を引き算することにより移動相ごとの残量を算出するように構成されている移動相ごとの残量算出部42と、をさらに備えている。
【0037】
移動相ごとの総量設定部40へ移動相容器20−1〜20−5ごとに収容されている移動相量を設定するために、バルブ接続状態設定部34への接続状態の設定又は変更と同様に、ディスプレイ29に接続状態を指示する画面を表示し、その画面上で設定するようにすることができる。そのディスプレイ29は、総量設定部40がポンプユニット32に設けられている場合はポンプユニット32に接続し、総量設定部40がプログラム制御部28に設けられている場合はプログラム制御部28に接続し、又は総量設定部40がパーソナルコンピュータ44により実現されている場合はそのパーソナルコンピュータ44のディスプレイを用いることができる。
【0038】
移動相量の設定の場合も、プログラム制御部28がシステムコントローラとなっていて単独のパーソナルコンピュータ44又はネットワーク上にあるパーソナルコンピュータ44に接続されているときは、パーソナルコンピュータ44にインストールされたWebブラウザを介してシステムコントローラに接続されたディスプレイ29の設定画面にアクセスし、移動相量を設定するように構成することもできる。
【0039】
残量算出部42により算出された移動相ごとの残量は、ポンプユニット32又はプログラム制御部28に接続されたディスプレイ29に表示することができ、又はパーソナルコンピュータ44のディスプレイに表示することができる。
【0040】
この実施例の動作を説明する。設定は
図2のように行う。ポンプユニット32もしくはプログラム制御部28に接続されたディスプレイ29、又はパーソナルコンピュータ44のディスプレイに設定画面を表示し、設定又は変更はその設定画面上で行う。
【0041】
(1)流路切換バルブ26−1,26−2間の接続状態の設定のために、1段目流路切換バルブ26−1のポート数と2段目流路切換バルブ26−2のポート数と、2段目流路切換バルブ26−2が1段目流路切換バルブ26−1のどのポートに接続されているかを設定する。この実施例では、1段目流路切換バルブ26−1はこの液体クロマトグラフに既存の構成要素であり、送液ポンプ2に接続されていることはすでに設定されている。2段目流路切換バルブ26−2は外付けされた任意の流路切換バルブであるため、1段目流路切換バルブ26−1のどのポートに接続されているかをユーザが設定する。
【0042】
(2)移動相流路22−1〜22−5が1段目流路切換バルブ26−1と2段目流路切換バルブ26−2の設定したポート数のどのポートに接続されているかを設定する。
【0043】
(3)接続した移動相流路22−1〜22−5のそれぞれに接続されている移動相容器20−1〜20−5のそれぞれに収容されている各移動相の総量を入力して設定する。
【0044】
設定が終わると、分析動作に移ることができる。分析動作に伴い移動相が消費されるので、使用された移動相の移動相流路22−1〜22−5ごとの移動相の総送液量と、移動相容器20−1〜20−5の残量は、総送液量算出部38と残量算出部42において
図3のように行われる。
【0045】
総送液量算出部38は、流路切換バルブ26−1,26−2のポートの接続状態から送液中の移動相流路を判断し、ポンプ2による単位時間あたりの送液流量を流路切換バルブ26−1,26−2の開時間にわたって積分してその移動相流路の総送液量を算出する。
【0046】
さらに、残量算出部42は、算出したその移動相流路の総送液量をその移動相の設定された総量から減算してその移動相の残量を算出する。
算出された移動相ごとの総送液量と残量がディスプレイに表示される。
【0047】
連続分析が行われる場合も移動相の切換えがなく、そのまま同じ移動相で分析を続ける場合は、その移動相について総送液量と残量が算出され表示されていく。
【0048】
1段目流路切換バルブ26−1と2段目流路切換バルブ26−2の一方又は両方が切り換えられて移動相が交換されたときは、その新たな移動相について同様に総送液量と残量が算出され表示されていく。
【0049】
図4は第2の実施例における移動相送液部4を示している。
図1の実施例における移動相送液部4と同じ構成については同じ符号を附し、詳しい説明は省略する。
【0050】
この実施例は、複数の異なる流路に接続された移動相が同じ移動相である場合である。1段目流路切換バルブ26−1の2つのポートにそれぞれ流路24−1Aと24−1Bを介して2段目流路切換バルブ26−2Aと26−2Bが接続されている。流路切換バルブ26−2Aの1つのポートにつながる移動相流路22−6と流路切換バルブ26−2Bの1つのポートにつながる移動相流路22−7は共通の移動相容器20−6につながっている。異なる移動相を異なる流路で共通して使用する場合に都合のよい構成である。そのような共通の移動相の一例は、洗浄液である。
【0051】
この実施例では、バルブ接続状態設定部34は、その設定値として1つの移動相容器20−6に複数の移動相流路22−6と22−7が接続されていることも含むように構成されている。そして、総送液量算出部38は、1つの移動相容器20−6に接続された複数の移動相流路22−6と22−7についてはそれらの移動相流路の総送液量を合計して1つの移動相流路の総送液量として算出するように構成されている。
【0052】
また、残量算出部42は、複数の移動相流路22−6と22−7が接続された1つの移動相容器20−6については、総量設定部40に設定された移動相容器20−6の移動相量から合計して算出された総送液量を引き算することによりその移動相容器20−6の移動相の残量を算出するように構成されている。
【0053】
このような構成にすることにより、移動相流路22−6と22−7にそれぞれ同じ移動相の容器を別々に用意する必要がなくなるので、移動相の補充についての操作性が向上する。
【0054】
図5は第3の実施例における移動相送液部4を示している。
図1の実施例における移動相送液部4と同じ構成については同じ符号を附し、詳しい説明は省略する。
【0055】
この実施例は、流路切換バルブが3段の階層構成をもっている場合を示している。1段目流路切換バルブ26−1の1つのポートに流路24を介して2段目流路切換バルブ26−2が接続され、2段目流路切換バルブ26−2の1つのポートに流路24−2を介して3段目流路切換バルブ26−3が接続されている。それぞれの流路切換バルブ26−1,26−2,26−3の他のポートにはそれぞれの移動相流路を介して移動相容器が接続されている。
【0056】
同様にして4段目以降の流路切換バルブを接続することができる。2段目以降の流路切換バルブはユーザが任意に接続できる外付けの流路切換バルブである。
【0057】
このように流路切換バルブを3段階以上に接続した場合でも、バルブ接続状態設定部34と総量設定部40への設定は
図1の実施例と同様に行うことができ、流路ごとの総送液量算出部38と移動相ごとの残量算出部42も同様に動作する。