特許第6520007号(P6520007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6520007遠隔読影システム、遠隔読影システムの制御方法、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6520007
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】遠隔読影システム、遠隔読影システムの制御方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/14 20060101AFI20190520BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20190520BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20190520BHJP
   G16H 30/00 20180101ALI20190520BHJP
   H04L 9/08 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   H04L9/00 641
   A61B6/03 350Y
   G16H10/00
   G16H30/00
   H04L9/00 601E
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-156991(P2014-156991)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-34108(P2016-34108A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年3月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】森田 晃夫
【審査官】 金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−247026(JP,A)
【文献】 特開2004−007231(JP,A)
【文献】 特開2004−057592(JP,A)
【文献】 特開2015−165833(JP,A)
【文献】 特開2008−015818(JP,A)
【文献】 特開平6−303228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/14
A61B 5/00− 6/14
G16H 10/00
G16H 30/00
H04L 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像生成装置を用いた検査によって生成された医用画像データと当該検査を示す検査IDとを対応付けて管理する管理手段と、
前記管理手段により管理される前記医用画像データを暗号化するための暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、
前記暗号化情報取得手段で取得した暗号化情報を用い前記医用画像データ暗号化する暗号化手段と、
前記医用画像データに対応づいた検査IDを含む依頼情報を受け付ける依頼情報受付手段と、
を備え、
前記暗号化情報取得手段は、前記依頼情報受付手段で受け付けた依頼情報に前回の検査を示す検査IDが含まれていた場合に当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を取得し、
前記暗号化手段は、当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を用いて当該依頼情報に含まれる医用画像データを暗号化する
ことを特徴とする遠隔読影システム。
【請求項2】
前記遠隔読影システムは、前記検査IDに基づいて前記管理手段で管理される医用画像データと前記依頼情報に含まれる医用画像データとの暗号化に共通で用いる暗号化情報を生成する暗号化情報生成手段
をさらに備え、
前記暗号化手段は、前記共通の前記暗号化情報を用いて、前記管理手段で管理されている医用画像データと前記依頼情報受付手段で受け付けた前記依頼情報に含まれる医用画像データとを暗号化することを特徴とする請求項1に記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記暗号化情報生成手段は、前記依頼情報に暗号化情報を生成済みでない検査IDが含まれている場合には新たに暗号化情報を生成し、前記依頼情報に暗号化情報を生成済みである前回の検査を示す検査IDが含まれている場合には暗号化情報を生成しないことを特徴とする請求項2に記載の遠隔読影システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記暗号化手段により暗号化された前記医用画像データを復号するための復号情報を管理し、
前記暗号化手段により暗号化された前記医用画像データを、前記管理手段に管理された復号情報を用いて復号する復号手段を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の遠隔読影システム。
【請求項5】
前記復号手段により復号した前記医用画像データを記憶する医用画像記憶手段と、
前記遠隔読影システムにログインしているユーザのログアウト指示を受け付けるログアウト指示受付手段と、
前記ログアウト指示受付手段により、ログアウト指示を受け付けると、前記医用画像記憶手段に記憶される前記復号手段で復号された前記医用画像データを削除する削除手段と
を備えることを特徴とする請求項に記載の遠隔読影システム。
【請求項6】
前記管理手段で管理される医用画像データは読影を行うユーザのユーザ情報と対応付けられており、
前記遠隔読影システムは、
前記遠隔読影システムにログインしているユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザに割り当てられている医用画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記医用画像データを閲覧するための表示指示受付手段と、
をさらに備え、
前記復号手段は、前記取得手段で取得した複数の医用画像データのうち、前記表示指示受付手段で表示指示を受け付けた医用画像データを復号することを特徴とする請求項またはに記載の遠隔読影システム。
【請求項7】
前記遠隔読影システムは、前記医用画像データを閲覧するためのクライアント端末を含み、
前記クライアント端末が、前記暗号化手段を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の遠隔読影システム。
【請求項8】
医用画像生成装置を用いた検査によって生成された医用画像データと当該検査を示す検査IDとを対応付けて管理する管理手段を含む遠隔読影システムの制御方法であって、
前記管理手段により管理される前記医用画像データを暗号化するための暗号化情報を取得する暗号化情報取得ステップと、
前記暗号化情報取得ステップで取得した暗号化情報を用い前記医用画像データ暗号化する暗号化ステップと、
前記医用画像データに対応づいた検査IDを含む依頼情報受け付ける依頼情報受付ステップと
を含み、
前記暗号化情報取得ステップは、前記依頼情報受付ステップで受け付けた依頼情報に前回の検査を示す検査IDが含まれていた場合に当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を取得し、
前記暗号化ステップは、当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を用いて当該依頼情報に含まれる医用画像データを暗号化することを特徴とする遠隔読影システムの制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載の遠隔読影システムとして機能させるためのコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔読影システム、遠隔読影システムの制御方法、およびコンピュータプログラムに関し、特に、装置の負荷を低減しつつ複数の医用画像データを暗号化することができる仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)等といったモダリティ(医用画像生成装置ともいう)で撮影された患者の医用画像のデジタル化が実現されており、医用画像データとしてサーバに格納して保存されている。このような医用画像データには、一般的にDICOM情報と呼ばれる付帯情報として患者のIDや氏名、性別、生年月日といった患者の個人情報や、撮影した部位や検査方法等の検査情報等が含まれる。
【0003】
このような医用画像は、医用画像を読影することができる専門医によって読影されるが、専門医は圧倒的に人員が不足しているため、撮影した医用画像を院外の専門医に依頼して読影を行ってもらうことが一般的である。
【0004】
そのため、デジタル化された医用画像を外部から読影することができるように、公衆回線網やインターネット網等を介して読影医が院外の別の施設の端末から院内もしくはクラウド上の医用画像管理装置にアクセス可能にし、医用画像を読影医が容易に入手できるようにする仕組みが近年検討されている。
【0005】
しかし、院外の端末に個人情報が含まれる医用画像データが誰でも閲覧可能な状態で保存されていることは好ましくないため、暗号化した状態で端末内に医用画像を保存することが求められている。このような技術として、特許文献1には、医用画像管理端末上で医用画像を暗号化して、復号キーと暗号済医用画像とを生成し、クライアント端末は受信した暗号済医用画像の読影を開始する際には、復号キーを用いて医用画像データを復号化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−325779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通常、CTやMRIによる撮影では、1回の検査で得られる医用画像の枚数は非常に多く、検査の種類によっては数千枚にも及ぶ場合がある。
【0008】
特許文献1に開示される技術では、このように非常に多量の医用画像データそれぞれに対して暗号化を施すとともに、其々固有の暗号キーを発行する必要が生じてしまう。しかしながら、このように医用画像ごとに個々に暗号化を施す作業は、かなりの装置負荷となるばかりか、復号キーの管理が煩雑となることが懸念される。
【0009】
本発明は、装置の負荷を低減しつつ複数の医用画像データを暗号化することができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、医用画像生成装置を用いた検査によって生成された医用画像データと当該検査を示す検査IDとを対応付けて管理する管理手段と、前記管理手段により管理される前記医用画像データを暗号化するための暗号化情報を取得する暗号化情報取得手段と、前記暗号化情報取得手段で取得した暗号化情報を用い前記医用画像データ暗号化する暗号化手段と、前記医用画像データに対応づいた検査IDを含む依頼情報を受け付ける依頼情報受付手段と、を備え、前記暗号化情報取得手段は、前記依頼情報受付手段で受け付けた依頼情報に前回の検査を示す検査IDが含まれていた場合に当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を取得し、前記暗号化手段は、当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を用いて当該依頼情報に含まれる医用画像データを暗号化することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、医用画像生成装置を用いた検査によって生成された医用画像データと当該検査を示す検査IDとを対応付けて管理する管理手段を含む遠隔読影システムの制御方法であって、前記管理手段により管理される前記医用画像データを暗号化するための暗号化情報を取得する暗号化情報取得ステップと、前記暗号化情報取得ステップで取得した暗号化情報を用い前記医用画像データ暗号化する暗号化ステップと、前記医用画像データに対応づいた検査IDを含む依頼情報受け付ける依頼情報受付ステップとを含み、前記暗号化情報取得ステップは、前記依頼情報受付ステップで受け付けた依頼情報に前回の検査を示す検査IDが含まれていた場合に当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を取得し、前記暗号化ステップは、当該前回の検査の医用画像データの暗号化に用いられた暗号化情報を用いて当該依頼情報に含まれる医用画像データを暗号化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置の負荷を低減しつつ複数の医用画像データを暗号化することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態における遠隔読影システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態における医用画像群及びPACKファイルを説明する図である。
図4】本発明の実施形態におけるPACKファイルの管理例を示す図である。
図5】本発明の実施形態における医療機関(依頼施設)からの依頼情報と読影医と暗号キーを紐付けたデータテーブルの一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態における端末装置121にダウンロードした医用画像データを暗号化・復号するまでの処理を示すフローチャートの一例である。
図7】本発明の実施形態における図5のデータテーブルが作成されるまでのサーバ115の処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図8】本発明の実施形態における端末装置121にログインした読影医が担当する検査のリストを表示した画面の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における図5のデータテーブルが作成されるまでのサーバ115の処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施例の1つである。

図1の説明>
【0015】
まず、本実施形態に係る遠隔読影システム(情報処理システムともいう)の構成例について、図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る遠隔読影システムは、読影を依頼する側である病院等の医療機関(依頼施設)100と、依頼された読影を行ってその結果を返す機関である読影センタ120と、医療機関(依頼施設)100と読影センタ120との仲介を担うデータセンタ110と、のそれぞれの機関における機器により構成されるものである。
【0016】
それぞれの機関における機器(モダリティ101や記憶装置112を除く)は、インターネットなどのネットワーク195に接続されており、該ネットワーク195を介して互いにデータ通信を行うことができる(通信可能)。
【0017】
まず、医療機関100(依頼施設)における機器について説明する。
モダリティ101は、CT装置やMRI装置等の、患者の医用画像を撮像するための機器であり、患者の検査対象部位について複数枚の医用画像を撮像する。例えば、頭部のCT撮像を行う場合には、頭部のある区間について複数枚のCT画像を撮像することになる。
【0018】
医用画像は、DICOMと呼ばれる周知のフォーマットを有するデータ構造を有しており、医用画像本体と、該医用画像に係る様々な情報(患者のIDや氏名、性別、生年月日といった患者の個人情報や、撮影した部位や検査方法等の検査情報等)と、を含む。そしてモダリティ101は、検査対象部位について撮像したそれぞれの医用画像を、端末装置102に対して送出する。
【0019】
端末装置102は、モダリティ101から送出された医用画像に基づいて1以上のPACKファイル(所謂アーカイブファイル)を生成する。
【0020】
ここで、モダリティ101を用いて、患者の頭部、胸部、腹部、のそれぞれの部位について複数枚の医用画像を撮像した場合における端末装置102の動作について、図3を用いて説明する。

図3の説明>
【0021】
図3は、本発明の実施形態における、モダリティ101を用いて、患者の頭部、胸部、腹部のそれぞれの部位について複数枚の医用画像を撮像した場合における端末装置102の動作を説明する図である。
【0022】
モダリティ101を用いて、患者の頭部、胸部、腹部、のそれぞれの部位について複数枚の医用画像を撮像する、という検査(検査ID=001の検査)を行った場合、モダリティ101からは、患者の頭部の医用画像群504、患者の胸部の医用画像群506、患者の腹部の医用画像群508、が出力されることになる。
【0023】
図3では、頭部の医用画像群504のデータサイズが10MB、胸部の医用画像群506のデータサイズが17MB、腹部の医用画像群508のデータサイズが10MB、であるとしている。端末装置102は、これらの医用画像群から1以上のPACKファイルを生成するのであるが、1つのPACKファイルのデータサイズが閾値を超えないように生成する。
【0024】
図3の場合は、閾値を20MBとしているため、頭部の医用画像群504と腹部の医用画像群508とから1つのPACKファイル501を生成すると、該PACKファイル501のデータサイズは20MBとなり、胸部の医用画像群506から1つのPACKファイル502を生成すると、該PACKファイル502のデータサイズは17MB、となり、何れのPACKファイルのデータサイズも閾値以下となる。
【0025】
然るに、図3の場合は、頭部の医用画像群504、胸部の医用画像群506、腹部の医用画像群508、がモダリティ101から得られた場合には、端末装置102は、頭部の医用画像群504及び腹部の医用画像群508を含むPACKファイル501、胸部の医用画像群506を含むPACKファイル502、を生成する。
【0026】
この場合、端末装置102は、PACKファイル501及びPACKファイル502のそれぞれにおけるヘッダに、検査ID=001を記録すると共に、検査ID=001の検査における1つ目のPACKファイルであることを示す識別子「P001_1」、検査ID=001の検査における2つ目のPACKファイルであることを示す識別子「P001_2」をそれぞれ記録する。
【0027】
なお、検査IDは、モダリティ101において検査が行われるたびにインクリメントされる番号であるが、モダリティ101のユーザ(例えば、医師等)が不図示の操作部を操作して手動で設定しても構わない。
以上で図3の説明を終了する。
【0028】
図1の説明に戻る。
端末装置102は、1つの検査についてモダリティ101から送出された医用画像群から1以上のPACKファイル(図3の場合、PACKファイル501及び502)を生成すると、その生成した1以上のPACKファイルを、ネットワーク195を介して、データセンタに対して送信する。
【0029】
端末装置103は、モダリティ101を用いて患者に対する検査を行ったことで得られた医用画像に対する読影を依頼するための様々な情報を、依頼情報として作成するための機器である。例えば、端末装置103のユーザ(例えば、医師等)は、不図示の操作部を操作して、読影を依頼するための依頼情報を作成して入力する。
【0030】
依頼情報には、対応する検査IDが含まれている。例えば、図3に示すように、モダリティ101を用いて、検査ID=001の検査を行った場合には、PACKファイル501及びPACKファイル502に含まれている医用画像に対する読影を依頼するための依頼情報には検査ID=001が含まれている。
なお、本実施例では、1つの依頼情報に含まれる検査(ID)は1つとする。
【0031】
そして端末装置103のユーザが不図示の操作部を操作して依頼情報の送信指示を入力すると、端末装置103は、この入力された依頼情報を、ネットワーク195を介してデータセンタに対して送信する。
【0032】
次に、読影センタ120について説明する。
端末装置121(クライアント端末とも言う)は、読影医が読影等の目的で使用したりする等のために使用されるものである。
【0033】
ビューア122は、端末装置121の外部メモリ211に記憶され、端末装置121で医用画像を閲覧するためのアプリケーションである。
【0034】
次に、データセンタ110について説明する。
サーバ115は、端末装置102からネットワーク195を介して送信されたPACKファイルを、記憶装置112に格納する。記憶装置112におけるPACKファイルの管理例について、図4を用いて後ほど説明する。記憶装置112は、本発明における複数の医用画像データを検査単位で管理する管理手段の一例である。
【0035】
なお、本実施例では、端末装置102からネットワーク195を介して送信されたPACKファイルを記憶装置112が記憶するとしたが、他の実施例として、端末装置102からネットワーク195を介して送信されたPACKファイルをサーバ115の外部メモリ211に記憶しても良い。
【0036】
また、サーバ115は、端末装置103からネットワーク195を介して送信された依頼情報を記憶装置112に保存する。そして、サーバ115は、端末装置103から受信した依頼情報を用いて、その依頼に対して読影する読影医を割り当てる。サーバ115が読影医を割り当てた後に生成され、記憶装置112に保存されるデータテーブルは、例えば、後述する図5である。
なお、本実施例では、図5のデータテーブルを記憶装置112が記憶するとしたが、他の実施例として、図5のデータテーブルをサーバ115の外部メモリ211に記憶しても良い。
【0037】
また、サーバ115は、端末装置121からの要求に応じて、該端末装置121のユーザに割り当てられている読影に係る情報を提供したり、該端末装置121のユーザに割り当てられているPACKファイルをダウンロードしたりする。
以上で図1の説明を終了する。

図2の説明>
【0038】
次に、端末装置102、端末装置103、サーバ115、端末装置121に適用可能な情報処理装置としてのコンピュータのハードウェア構成例について、図2のブロック図を用いて説明する。なお、図2に示した構成は一例であり、後述する各処理を実現可能な構成であれば、如何なる構成を採用しても構わない。
【0039】
CPU201は、RAM203やROM202に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行することで本コンピュータ全体の動作制御を行うと共に、本コンピュータを適用する装置が行うものとして後述する各処理を実行若しくは制御する。
ROM202には、本コンピュータを適用する装置の設定データやブートプログラムなどが格納されている。
【0040】
RAM203は、外部メモリ211からロードされたコンピュータプログラムやデータ、通信I/F(インターフェース)コントローラ208を介して外部から受信したデータなどを格納するためのエリアや、CPU201が各種の処理を実行する際に用いるワークエリア、等を有する。このように、RAM203は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0041】
入力コントローラ205は、入力デバイス(キーボード等)209の動作制御を行うためのもので、ユーザは入力デバイス209を操作することで各種の指示をCPU201に対して入力することができる。
【0042】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210の動作制御を行うためのものであり、ディスプレイ210には、CPU201による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。
【0043】
メモリコントローラ207は、外部メモリ211に対する読み書きを制御するためのものである。外部メモリ211は、ハードディスクドライブ装置に代表される大容量情報記憶装置である。外部メモリ211には、OS(オペレーティングシステム)や、本コンピュータを適用する装置が行うものとして後述する各処理をCPU201に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。外部メモリ211に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU201による制御に従って適宜RAM203にロードされ、CPU201による処理対象となる。
【0044】
通信I/Fコントローラ208は、上記のネットワーク195上に接続されている機器やデータセンタ110における他の機器とのデータ通信を行うためのインターフェースとして機能するものである。
【0045】
CPU201、ROM202、RAM203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208、は何れも、システムバス204に接続されている。

図4の説明>
【0046】
図4は、本発明の実施形態におけるPACKファイルの管理例を示す図である。
図4の例では、検査001(検査ID=001である検査)について端末装置102が生成したPACKファイルは、識別子=P001_1のPACKファイル501と、識別子=P001_2のPACKファイル502と、であり、これら2つのPACKファイルのヘッダには、検査ID=001が記録されているため、これら2つのPACKファイルは、検査001に対するPACKファイルとして、記憶装置112に登録されている。
【0047】
検査002(検査ID=002である検査)について端末装置102が生成したPACKファイルは、識別子=P002_1のPACKファイル601と、識別子=P002_2のPACKファイル602と、識別子=P002_3のPACKファイル603と、であり、これら3つのPACKファイルのヘッダには、検査ID=002が記録されているため、これら3つのPACKファイルは、検査002に対するPACKファイルとして、記憶装置112に登録されている。
【0048】
検査003(検査ID=003である検査)について端末装置102が生成したPACKファイルは、識別子=P003_1のPACKファイル605であり、このPACKファイル605のヘッダには、検査ID=003が記録されているため、このPACKファイル605は、検査003に対するPACKファイルとして、記憶装置112に登録されている。
【0049】
このようにして、サーバ115は、患者に対する複数種の検査のそれぞれについて、該検査において収集した医用画像から生成した1以上のPACKファイルを、記憶装置112に保持して管理している。
以上で、図4の説明を終了する。

図5の説明>
【0050】
図5は、本発明の実施形態における医療機関(依頼施設)100からの依頼情報と、依頼情報に含まれる検査IDと、検査に含まれる医用画像データと、読影医と、暗号キーとを紐付けたデータテーブルの一例を示す図である。図5のデータテーブルは、記憶装置112に記憶される。
【0051】
511は、医療機関(依頼施設)100からの依頼情報に対して生成されるレポート情報のIDを示す。512は、医療機関(依頼施設)100からの依頼情報に含まれる患者のIDを示す。513は、医療機関(依頼施設)100からの依頼情報に含まれる検査IDを示す。514は、医療機関(依頼施設)100からの依頼情報に含まれる512の検査IDに紐付く医用画像データの画像IDを示す。515は、読影を担当する読影医を示す。516は、医療機関(依頼施設)100からの依頼情報に含まれる医用画像データすべてに対して1つ生成される暗号キーを示す。
【0052】
なお、図5のデータテーブルは、医療機関(依頼施設)から新たな読影の依頼情報を受信するごとに更新される。

図7の説明>
【0053】
ここで、図5のデータテーブルが作成されるまでのサーバ115の処理(つまり、暗号キーを生成するまでの処理)の流れについて、図7を用いて説明する。この処理は、サーバ115が、新規の依頼情報を端末装置103から受信する(後述するステップS701)ことにより始まる。
【0054】
図7に示すフローチャートに示す各ステップの処理は、サーバ115のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0055】
ステップS701において、サーバ115は、端末装置103から、新規の依頼情報を受信する。そして、サーバ115は、受信した依頼情報から得られる患者ID、検査ID、画像Uidの情報を512〜514に登録する。
【0056】
ステップS702において、サーバ115は、ステップS701で受信した依頼情報に対して、読影を行う読影医を割り当てる。ステップS702で割り当てられた読影医の情報は、図5のデータテーブルの515に登録される。
【0057】
ステップS703において、サーバ115は、ステップS701で受信した依頼情報に対するレポート情報(レポートIDや、所見等を記入するための記入枠等)を生成する。ステップS703で生成されたレポートIDは、図5のデータテーブルの511に登録される。
【0058】
ステップS704において、サーバ115は、ステップS701で受信した依頼情報に含まれる医用画像データすべてに対して1つの暗号キーを生成する。すなわち、検査単位で1つの暗号キーを生成する。ステップS704と、後述するステップS906は、本発明における、管理手段により検査単位で管理される前記複数の医用画像データを暗号化するための暗号化情報を、前記検査単位で生成する暗号化情報生成手段の一例である。
【0059】
ステップS704で、1つの依頼情報に含まれる医用画像データすべてに対して1つの暗号キーを生成することにより、後述する図6のステップS610において、端末装置121は、1つの依頼情報につき1回サーバ115と通信して、1つ暗号キーをサーバ115から受信するだけで、その依頼情報に含まれるすべての医用画像データを暗号化することができる。
【0060】
逆に、従来のように、1つの依頼情報に含まれる医用画像データすべてに対してそれぞれ違う暗号キーを生成する場合、端末装置121は、医用画像データ1枚につき1回サーバ115と通信する必要があり、そうすると、医用画像データが数百枚ある場合には、数百回サーバ115と通信する必要があるため、通信回数が非常に多くなってしまうことが懸念される。
【0061】
ステップS705において、サーバ115は、ステップS704で生成した暗号キーと、ステップS701で受信した依頼情報とを紐付けて図5のデータテーブルに登録する(図5の516)。すなわち、暗号キーを検査と紐付けて図5のデータテーブルに登録する。
以上で、図7の説明を終了する。
【0062】
なお、本実施例では、サーバ115のCPU201が図7の各ステップをすべて実行するとしたが、他の実施例として、図7の各ステップを複数のサーバが分担して実行しても良い。

図6の説明>
【0063】
次に図6を用いて、端末装置121に医用画像データをダウンロードしてから、その医用画像データを暗号化・復号するまでの処理を説明する。
【0064】
なお、図6に示すフローチャートに示す各ステップの処理は、端末装置121のCPU201、又はサーバ115のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0065】
ステップS601において、端末装置121は、端末装置121の外部メモリ211に記憶された、読影依頼を受けた検査(前述の依頼情報に対応する)に対して読影を行い、その結果を入力するためのレポート作成アプリケーションを起動させる。
【0066】
そして、端末装置121は、レポート作成アプリケーションにログインするための情報(ユーザIDやパスワード等)の入力を、入力デバイス209を読影医が操作することにより受け付け、その情報を用いてログイン処理を行う。
【0067】
なお、説明の都合上、ステップS601でログイン処理を行った読影医(ユーザ)を読影医Aとし、以下の処理は読影医Aがレポート作成アプリケーションにログインした後の処理を説明する。
【0068】
ステップS602において、端末装置121は、端末装置121の外部メモリ211に記憶された配信クライアントを起動させる。
【0069】
配信クライアントとは、サーバ115から検査リスト(各読影医が読影を行う検査のリストであって、医療機関100から読影の依頼を受けた検査のリスト。前述の依頼情報に対応する)の情報と検査データ(医用画像等)を受信するアプリケーションである。
【0070】
ステップS603において、端末装置121は、ステップS601でログイン処理を行った読影医Aが読影すべき検査の検査リストが記憶装置112に登録されていないかを、読影医Aがログインしている間、サーバ115に確認する。
【0071】
ステップS604において、サーバ115は、ステップS603で端末装置121から問い合わせを受けた読影医の検査リストが図5のデータテーブルに登録されているか否かを判断する。より具体的には、図5のデータテーブルの515が、読影医Aとなっている検査リストがあるか否かを判断する。読影医Aの検査リストが登録されていればステップS605に進み、読影医Aの検査リストが登録されていなければ、読影医Aの検査リストが登録されるまで待機する。
【0072】
ステップS605において、サーバ115は、図5のデータテーブルから読影医Aの検査リストを抽出し、端末装置121に送信する。なお、このとき暗号キー516は端末装置121に送信しない。
【0073】
ステップS606において、端末装置121は、ステップS605でサーバ115から送信された検査リストを受信し、端末装置121のディスプレイ210に表示する。ステップS606で端末装置121のディスプレイ210に表示される画面とは、例えば後述する図8である。
【0074】
ステップS607において、端末装置121は、ステップS606で受信した読影医Aの検査リストに含まれる検査中のすべての医用画像データの取得要求をサーバ115に送信する。なお、本実施例では、説明の都合上、ステップS605で受信した検査リストに1つの検査(以下、検査001と呼ぶ)しか含まれていなかったものとする。
【0075】
ステップS608において、サーバ115は、端末装置121から読影医Aの検査リストに含まれる検査すべての医用画像データの取得要求(本実施例では、検査001の医用画像データの取得要求)を受信する。
【0076】
ステップS609において、サーバ115は、検査001の医用画像データ(図5の514の中で、検査001に対応する医用画像データ)と、検査001の医用画像データ全体に対応して図5のデータテーブルに記憶されている暗号キー516とを端末装置121に送信する。
【0077】
ステップS610において、端末装置121は、ステップS609で端末装置121から送信された検査001の医用画像データと、検査001の医用画像データ全体に対応する暗号キー516とを受信する。
【0078】
ステップS611において、端末装置121は、ステップS610で受信した検査001の医用画像データ全体に対応する暗号キー516を用いて、検査001の医用画像データを暗号化する。ステップS611は、本発明における、暗号化情報生成手段によって生成された暗号化情報により、複数の医用画像データを検査単位で暗号化する暗号化手段の一例である。
【0079】
ステップS611のように、サーバ115で医用画像データを暗号化するのではなく、端末装置121で医用画像データを暗号化することにより、以下のようなメリットが生じる。
【0080】
まず、1つ目は、サーバが医用画像データを暗号化する処理の負荷がなくなるというメリットである。サーバ115は、複数の端末装置121と接続しているため、それらの端末装置121から同時に医用画像データの取得要求を受け付けた場合、従来の技術では、医用画像データを暗号化する処理を行うサーバの負荷がとても大きくなる恐れがあった。しかしながら、本発明のように、端末装置121で医用画像データを暗号化することにより、サーバは、医用画像データを暗号化する必要がなくなり、また、端末装置121も、自身が取得要求を行った検査の医用画像データの暗号化のみを行えばよいので、それほど端末装置121に負荷はかからない。
【0081】
2つ目は、通信速度の低下を回避できるというメリットである。一般的に、医用画像データを暗号化するとデータの容量が大きくなるため、暗号化した医用画像データを端末装置121に送る場合は、暗号化していない医用画像データを端末装置121に送る場合に比べて、サーバ115と、端末装置121との間の通信に時間がかかる恐れがある。
【0082】
しかしながら、本発明のように、端末装置121で医用画像データを暗号化する場合、サーバ115から端末装置121へ医用画像データを送信するときの医用画像データのデータ容量は、サーバ115で医用画像データを暗号化する場合のデータ容量よりも小さいため、サーバ115と、端末装置121との間の通信速度の低下を回避することが可能となる。
【0083】
ステップS612において、端末装置121は、端末装置121のディスプレイ210に表示される画面に、検査001の医用画像データのダウンロード完了通知を表示する。
【0084】
ステップS612において、端末装置121のディスプレイ210に表示される検査ID001の医用画像データのダウンロード完了通知は、例えば、後述する図8の801である。
【0085】
ステップS613において、端末装置121は、ダウンロード完了した検査の医用画像データの表示指示を端末装置121のディスプレイ210に表示される画面(後述する図8)を介して、読影医Aから受け付けたか否かを判定する。ダウンロード完了した検査の医用画像データの表示指示を読影医Aから受け付けたならばステップS614に進み、ダウンロード完了した検査の医用画像データの表示指示を読影医Aから受け付けなければ、そのまま待機する。
【0086】
なお、ダウンロード完了した検査の医用画像データの表示指示とは、具体的には、後述する図8の801が「ダウンロード済み」となっている検査の欄を、読影医がマウスによりダブルクリックする等して、医用画像データを表示したい検査(読影を開始したい検査)を指定することをいう。
本実施例では、説明の都合上、検査ID001の医用画像データの表示要求を読影医Aから受け付けたものとする。
【0087】
ステップS614において、端末装置121は、ステップS613で表示指示を受け付けた検査ID001の医用画像データの復号情報(復号キー)の取得要求を、サーバ115に対して行う。その際、ステップS601で、端末装置121にログインした読影医Aの情報(ユーザIDやパスワード等)も併せてサーバ115に送信する。
【0088】
ステップS615において、サーバ115は、ステップS614で端末装置121から送信されたユーザ情報が、記憶装置112で管理しているユーザ情報と一致するか否かを判定する。記憶装置112で管理しているユーザ情報と一致していればステップS616へ進み、記憶装置112で管理しているユーザ情報と一致しなければステップS619に進む。
【0089】
ステップS615でいう「記憶装置112で管理しているユーザ情報」とは、図5のデータテーブルに登録されている検査リストの読影を行うことが可能な読影医のユーザIDやパスワードの情報のことであり、記憶装置112が予め記憶している情報である。
【0090】
ステップS616において、サーバ115は、ステップS613で端末装置121から表示指示を受け付けた検査ID001の医用画像データの復号情報(復号キー)を、端末装置121に送信する。
【0091】
なお、ステップS616で送信される復号情報(復号キー)は、ステップS611で検査ID001の医用画像データを暗号化する際に使用した暗号キーと同じものである。
【0092】
ステップS617において、端末装置121は、ステップS616でサーバ115から送信された復号情報(復号キー)を受信し、その復号情報(復号キー)を用いて、検査ID001の医用画像データを復号する(復号手段)。復号した検査ID001の医用画像データは、端末装置121の外部メモリ211の一時フォルダに、一時的に記憶される。
そして、端末装置121は、医用画像を閲覧するためのアプリケーションであるビューア122を起動させる。
【0093】
ステップS617において、復号した検査ID001の医用画像データを端末装置121の外部メモリ211の一時フォルダに一時的に記憶する処理は、本発明における、復号手段により復号した前記医用画像データを記憶する医用画像記憶手段の一例である。
【0094】
ステップS618において、ビューア122は、ステップS617で復号した検査ID001の医用画像データを表示する。読影医Aは、ビューア122に表示した医用画像データを見ながら、レポート作成アプリケーション上で、読影結果を入力する。
【0095】
ステップS619において、サーバ115は、ユーザ情報が一致しない旨のエラーメッセージを端末装置121に送信する。
【0096】
ステップS620において、端末装置121は、ステップS619でサーバ115から送信されたエラーメッセージを、端末装置121のディスプレイ210に表示する。
【0097】
ステップS621において、端末装置121は、レポート作成アプリケーションからログアウトする指示を、読影医Aから受け付けたか否かを判定する。ログアウト指示を読影医Aから受け付けたならば、ステップS622に進み、ログアウト指示を読影医Aから受け付けなければ、ログアウト指示を読影医Aから受け付けるまで、レポート作成アプリケーション上での検査結果の入力等を読影医Aから受け付ける。
【0098】
ステップS621でログアウト指示を読影医Aから受け付ける処理は、本発明における情報処理システムにログインしているユーザのログアウト指示を受け付けるログアウト指示受付手段の一例である。
【0099】
ステップS622において、端末装置121は、ビューア122を終了させる。
【0100】
ステップS623において、端末装置121は、外部メモリ211の一時フォルダに一時的に保存した、復号済みの医用画像データを削除し(削除手段)、本処理を終了する。
ステップS623で復号済みの医用画像データを削除することにより、読影医による読影が終了した後も端末装置121に医用画像データが残ることによる、端末装置1221からの個人情報の漏洩のリスクを低減させることができる。
以上で、図6の説明を終了する。

図8の説明>
【0101】
図8は、端末装置121のディスプレイ210に表示されるレポート作成アプリケーションの画面であって、端末装置121にログインした読影医が担当する検査のリストを表示した画面の一例を示す図である。
【0102】
図8の801は、1つの検査に含まれる医用画像データのダウンロード状況を示す。ダウンロード状況が「済」となっているものが、1つの検査に含まれる医用画像データがすべてダウンロード済みであることを示す。ダウンロード状況が「ダウンロード中」となっているものは、現在1つの検査に含まれる医用画像データをダウンロードしている途中であることを示す。ダウンロード状況に何も表示されていないものは、まだ医用画像データのダウンロードが始まっていないことを示す。
以上で、図8の説明を終了する。

図9の説明>
【0103】
ここで、図5のデータテーブルが作成されるまでのサーバ115の処理(つまり、暗号キーを生成するまでの処理)の流れの第2の実施形態について、図9を用いて説明する。
【0104】
医療機関100(依頼施設)が、ある患者の読影依頼をデータセンタ110に対して行うときに、その患者に関する前回の検査(すなわち、前回の読影依頼に含まれる検査の検査ID)を指定して、前回の検査の医用画像データと一緒に今回の検査の医用画像データの読影を依頼することがある。なお、指定した前回の検査の情報は、依頼情報に含まれており、依頼情報と一緒にデータセンタ110に送信される。
【0105】
そこで、第2の実施例では、依頼情報に前回の検査の指定がある場合には、今回の依頼情報に含まれる医用画像データに対して、新たに暗号キーを生成することなく、前回の検査に含まれる医用画像データに対して生成した暗号キーを、今回の依頼情報に含まれる医用画像データに対して使用する。
【0106】
それによって、サーバ115から、端末装置121に対して、医用画像データを送信する際に、前回検査の医用画像データに対する暗号キーと、今回の依頼情報に含まれる医用画像データに対する暗号キーをそれぞれ送信する必要がなくなり、サーバ115と端末装置121との間の通信回数を減らすことが可能となる。
【0107】
図9に示すフローチャートに示す各ステップの処理は、サーバ115のCPU201が外部メモリ211に格納されるプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
なお、図7と同様の処理については、図7のどのステップに対応するかを記載し、詳細な説明は省略する。
【0108】
ステップS901は、図7のステップS701の処理と同様である。そのため、説明は省略する。
ステップS902は、図7のステップS702の処理と同様である。そのため、説明は省略する。
ステップS903は、図7のステップS703の処理と同様である。そのため、説明は省略する。
【0109】
ステップS904において、サーバ115は、ステップS901で受信した依頼情報に前回の検査の指定があるか否かを判定する。ステップS904において、前回の検査の指定がある場合にはステップS905に進み、前回の検査の指定がない場合には、ステップS906に進む。より具体的には、端末装置103から送信される依頼情報の中に、前回の検査の検査IDの指定があるか否かを判定する。
【0110】
ステップS905において、サーバ115は、前回の検査の暗号キーを取得し、今回の依頼情報に含まれる医用画像データの暗号キーとする。より具体的には、前回の検査の検査IDを、図5の513から検索し、該当する検査IDの暗号キー516を取得する。そして、その暗号キーを今回の依頼情報に含まれる医用画像データの暗号キーとする。
【0111】
ステップS906は、図7のステップS704の処理と同様である。そのため、説明は省略する。
【0112】
ステップS907において、サーバ115は、ステップS906で生成した暗号キー、またはステップS905で取得した暗号キーと、ステップS901で受信した依頼情報とを紐付けて図5のデータテーブルに登録する(図5の516)。すなわち、ステップS906で生成した暗号キー、またはステップS905で取得した暗号キーを検査と紐付けて図5のデータテーブルに登録する。
【0113】
なお、本実施例では、サーバ115のCPU201が図9の各ステップをすべて実行するとしたが、他の実施例として、複数のサーバが図9の各ステップを実行しても良い。
以上で、図9の説明を終了する。
【0114】
なお、以上2つの実施例では、1つの依頼情報に含まれる医用画像データすべてに対して1つの暗号キーを生成するとしたが、他の実施例として、1つの依頼情報に含まれる各PACKファイルに対して1つの暗号キーを生成してもよい。例えば、図3の例では、PACKファイル501とPACKファイル502とに対してそれぞれ暗号キーを生成する。これにより、例えば、PACKファイルごとに読影する読影医が異なる場合に、それぞれの読影医が、自身が担当するPACKファイルの暗号キーを受信し読影を開始することができる。
【0115】
以上、本発明によると、検査ごとに1つの暗号化情報を用いて暗号化を行うことにより、複数の医用画像データを暗号化する際の負荷を軽減することができる。
【0116】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0117】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0118】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0119】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0120】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0121】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0122】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0123】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0124】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0125】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0126】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0127】
101 モダリティ
102 端末装置
103 端末装置
112 記憶装置
115 サーバ
121 端末装置
122 ビューア
195 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9