特許 6520072 車両用灯具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6520072

(24)【登録日】2019年5月10日

(45)【発行日】2019年5月29日

(54)【発明の名称】車両用灯具

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/237 20180101AFI20190520BHJP

   F21V 17/00 20060101ALI20190520BHJP

   F21W 103/00 20180101ALN20190520BHJP

   F21W 103/10 20180101ALN20190520BHJP

   F21W 103/20 20180101ALN20190520BHJP

   F21W 103/35 20180101ALN20190520BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20190520BHJP

   F21Y 115/20 20160101ALN20190520BHJP

【ＦＩ】

   F21S43/237

   F21V17/00 402

   F21W103:00

   F21W103:10

   F21W103:20

   F21W103:35

   F21Y115:10

   F21Y115:20

【請求項の数】3

【全頁数】12

(21)【出願番号】特願2014-237568(P2014-237568)

(22)【出願日】2014年11月25日

(65)【公開番号】特開2016-100257(P2016-100257A)

(43)【公開日】2016年5月30日

【審査請求日】2017年11月27日

(73)【特許権者】

【識別番号】000000136

【氏名又は名称】市光工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100089118

【弁理士】

【氏名又は名称】酒井 宏明

(72)【発明者】

【氏名】奥 裕章

【審査官】 野木 新治

(56)【参考文献】

【文献】 国際公開第２０１４／１４１５９７（ＷＯ，Ａ１）

【文献】 特開２００６−０９３１０４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−１７４６４１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ２１Ｓ ４１／００−４３／００

Ｆ２１Ｖ ８／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている光源および導光部材と、
前記導光部材を保持する保持部材と、
を備え、
前記導光部材は、入射面および出射面を有する導光本体部と、前記導光本体部に設けられていて、前記保持部材に取り付けられている取付部と、から構成されていて、
前記取付部の前記導光本体部の中心線と平行もしくはほぼ平行な面は、前記光源からの光を前記導光本体部中に反射するように外側に湾曲する凸湾曲面をなし、
前記取付部の前記導光本体部の導光方向側の面は、前記光源からの光を前記導光本体部中に反射するように前記凸湾曲面から前記導光本体部の側面にかけて前記導光方向に傾斜し、前記導光本体部の中心線と交差する傾斜面をなす、
ことを特徴とする車両用灯具。

【請求項2】

前記入射面は、前記導光本体部の中心線に対して垂直もしくはほぼ垂直な面からなり、
前記取付部は、前記入射面の近傍に設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項3】

前記導光本体部の前記取付部が設けられている部分は、湾曲していて、
前記取付部は、前記導光本体部の湾曲部分の内側に設けられている、
ことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用灯具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、導光部材を備える車両用灯具に関するものである。

【背景技術】

【0002】

この種の車両用灯具は、従来からある（たとえば、特許文献１、特許文献２）。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の特許文献１の車両用灯具は、棒状導光体にリブを介してステイを形成し、そのステイをハウジングにねじにより固定することにより、棒状導光体をハウジングに支持するものである。従来の特許文献２の車両用灯具は、インナーレンズを取付部を介してインナーハウジング、ランプハウジングに取り付けるものである。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１０−１６１００８号公報

【特許文献2】特開２００８−１２３７１８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところが、従来の特許文献１の車両用灯具および従来の特許文献２の車両用灯具は、リブ、ステイおよび取付部における点光を防止する手段について何ら対策されていない。このために、従来の特許文献１の車両用灯具および従来の特許文献２の車両用灯具では、リブ、ステイおよび取付部において点光する場合がある。

【0005】

この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、リブ、ステイおよび取付部において点光する場合がある、という点にある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

この発明は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源および導光部材と、導光部材を保持する保持部材と、を備え、導光部材が、入射面および出射面を有する導光本体部と、導光本体部に設けられていて、保持部材に取り付けられている取付部と、から構成されていて、取付部の導光本体部の中心線と平行もしくはほぼ平行な面が、光源からの光を導光本体部中に反射するように外側に湾曲する凸湾曲面をなし、取付部の導光本体部の導光方向側の面が、光源からの光を導光本体部中に反射するように凸湾曲面から導光本体部の側面にかけて導光方向に傾斜し、導光本体部の中心線と交差する傾斜面をなす、ことを特徴とする。

【0007】

この発明は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源および導光部材と、導光部材を保持する保持部材と、を備え、導光部材が、入射面および出射面を有する導光本体部と、導光本体部に設けられていて、保持部材に取り付けられている取付部と、から構成されていて、取付部の導光本体部の導光方向側の面が、導光本体部の中心線と交差する傾斜面をなす、ことを特徴とする。

【0008】

この発明は、入射面が、導光本体部の中心線に対して垂直もしくはほぼ垂直な面からなり、取付部が、入射面の近傍に設けられている、ことを特徴とする。

【0009】

この発明は、導光本体部の取付部が設けられている部分が、湾曲していて、取付部が、導光本体部の湾曲部分の内側に設けられている、ことを特徴とする。

【発明の効果】

【0010】

この発明の車両用灯具は、取付部の導光本体部の中心線と平行もしくはほぼ平行な面が、外側に凸湾曲面をなすものである。このために、この発明の車両用灯具は、導光本体部中を導かれている光が取付部の外側凸湾曲面で導光本体部中に反射するので、取付部における点光を防止することができる。

【0011】

この発明の車両用灯具は、取付部の導光本体部の導光方向側の面が、導光本体部の中心線と交差する傾斜面をなすものである。このために、この発明の車両用灯具は、導光本体部中を導かれている光が取付部の傾斜面で導光本体部中に反射するので、取付部における点光を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】図１は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示す平面図（車両の上側から下側を見た図）である。

【図2】図２は、図１におけるＩＩ矢視図（車両の後側から前側を見た背面図）である。

【図3】図３は、図１におけるＩＩＩ矢視図（車両の外側（右側）から内側（左側）を見た（右）側面図）である。

【図4】図４は、図３におけるＩＶ−ＩＶ線断面図（車両用灯具の一部拡大断面図）である。

【図5】図５は、図４におけるＶ−Ｖ線矢視図（導光部材の一部拡大裏面図）である。

【図6】図６は、図５におけるＶＩ−ＶＩ線断面図（導光部材の一部拡大断面図）である。

【図7】図７は、図５におけるＶＩ−ＶＩ線断面図（導光部材の一部拡大断面図）である。

【図8】図８は、図７におけるＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線断面図（導光部材の一部拡大断面図）である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態（実施例）の１例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。

【0014】

図面において、符号「Ｆ」は、車両の前側（車両の前進方向側）を示す。符号「Ｂ」は、車両の後側を示す。符号「Ｕ」は、車両の上側を示す。符号「Ｄ」は、車両の下側を示す。符号「Ｌ」は、車両の左側を示す。符号「Ｒ」は、車両の右側を示す。また、図６〜図８において、車両用導光部材のハッチングを省略する。

【0015】

（実施形態の構成の説明）
以下、この実施形態にかかる車両用灯具の構成について説明する。図１中、符号１は、この実施形態にかかる車両用灯具である。

【0016】

（車両用灯具１の説明）
前記車両用灯具１は、リアコンビネーションランプを構成し、車両（図示せず）の後部の左右両側にそれぞれ装備される。図示の前記車両用灯具１は、車両の後部の右側Ｒに装備される。以下、右側Ｒの前記車両用灯具１について説明する。なお、車両の後部の左側Ｌに装備される車両用灯具は、前記車両用灯具１と左右逆となるので、説明を省略する。

【0017】

車両の後部の平面視形状（平面から見た（車両の上側Ｕから下側Ｄを見た）形状）は、車両の外側（図示の場合右側Ｒ）から内側（図示の場合左側Ｌ）にかけて、車両の前側Ｆから後側Ｂに、湾曲傾斜（スラント）している。この結果、車両の後部の左右両側の意匠面は、３次元の曲面から構成されている。また、前記車両用灯具１の平面視形状は、図１に示すように、車両の後部の平面視形状に倣って湾曲傾斜（スラント）している。

【0018】

前記車両用灯具１は、図１〜図４に示すように、ランプハウジング２と、ランプレンズ（たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど）３と、インナーレンズ４と、インナーパネル（インナーハウジング）５と、光源６と、導光部材（ライトガイド）７と、を備えるものである。前記光源６および前記導光部材７は、テールランプユニットあるいはサイドマーカーランプユニットを構成する。

【0019】

（ランプハウジング２およびランプレンズ３の説明）
前記ランプハウジング２は、たとえば、光不透過性の部材（樹脂部材など）から構成されている。前記ランプハウジング２は、車両の右側Ｒ（外側）および後側Ｂおよび上側Ｕが開口し、一方、車両の左側Ｌ（内側）および前側Ｆおよび下側Ｄが閉塞した形状をなす。

【0020】

前記ランプレンズ３は、たとえば、光透過性の部材（樹脂部材など）から構成されている。前記ランプレンズ３は、車両の左側Ｌ（内側）および前側Ｆおよび下側Ｄが開口し、一方、車両の右側Ｒ（外側）および後側Ｂおよび上側Ｕが閉塞した形状をなす。前記ランプレンズ３の閉塞部分の意匠面は、車両の後部の意匠面に沿って、車両の右側Ｒ（外側）から左側Ｌ（内側）にかけて、車両の前側Ｆから後側Ｂに、湾曲傾斜（スラント）している。この結果、前記ランプレンズ３の意匠面は、車両の後部の左右両側の意匠面と同様に、３次元の曲面から構成されている。

【0021】

前記ランプハウジング２の開口縁と前記ランプレンズ３の開口縁とは、固定されている。これにより、灯室８が区画されている。前記灯室８内には、前記インナーレンズ４および前記インナーパネル５および前記光源６および前記導光部材７が、それぞれ配置されている。なお、前記灯室８内には、前記光源６および前記導光部材７のテールランプユニットおよびサイドマーカーランプユニット以外に、ストップランプ、バックアップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、ライセンスプレートランプなどを配置しても良い。

【0022】

（インナーレンズ４およびインナーパネル５の説明）
前記インナーレンズ４は、光透過性の部材から構成されている。前記インナーレンズ４は、図４に示すように、前記ランプレンズ３と前記導光部材７および前記インナーパネル５との間に配置されている。前記インナーレンズ４は、前記導光部材７の出射面１３から出射された出射光（図示せず）を前記ランプレンズ３側に拡散透過させるものである。前記インナーレンズ４は、前記ランプハウジング２に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。

【0023】

前記インナーパネル５は、光不透過性の部材から構成されている。図４に示すように、前記インナーパネル５には、透孔２１が設けられている。前記透孔２１中には、前記導光部材７が挿通されている。図４に示すように、前記インナーパネル５および前記インナーレンズ４および前記ランプレンズ３と前記ランプハウジング２との間には、前記光源６および前記導光部材７の入射面１２側の端部が配置されている。この結果、前記光源６および前記導光部材７の前記入射面１２側の端部は、前記インナーパネル５により、前記ランプレンズ３および前記インナーレンズ４から見て覆い隠されている。

【0024】

また、図４に示すように、前記インナーパネル５および前記ランプハウジング２と前記インナーレンズ４および前記ランプレンズ３との間には、前記光源６および前記導光部材７の前記出射面１３側の部分が配置されている。この結果、前記光源６および前記導光部材７の前記出射面１３側の部分は、前記インナーレンズ４および前記ランプレンズ３側に対向している。前記インナーパネル５は、前記ランプハウジング２に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。

【0025】

（光源６の説明）
前記光源６は、図１〜図４に示すように、この例では、たとえば、ＬＥＤ、ＯＥＬまたはＯＬＥＤ（有機ＥＬ）などの自発光半導体型光源である。前記光源６は、基板９と、発光部１０と、から構成されている。前記光源６は、前記灯室８内のうち、車両の右側Ｒ（外側）かつ車両の上側Ｕの角部に配置されている。前記光源６は、前記ランプハウジング２にブラケット１１を介して取り付けられている。なお、前記光源６は、前記ランプハウジング２に直接取り付けても良い。前記光源６の前記発光部１０は、前記導光部材７の前記入射面１２に対向して配置されている。

【0026】

（導光部材７の説明）
前記導光部材７は、内部での全反射を利用して光を導くものである。前記導光部材７は、この例では、アクリル樹脂やＰＣ（ポリカーボネート）などの透明樹脂材から構成されている。前記導光部材７は、二股形状（すなわち、横Ｖ字形状、＞形状）をなす。前記導光部材７は、断面形状が円形もしくはほぼ円形の円柱形状すなわち丸棒形状をなす。

【0027】

前記導光部材７は、一端面の前記入射面１２と、一側面（前記ランプレンズ３と対向する面）の前記出射面１３と、他側面（前記ランプレンズ３と対向する面と反対側の面）の反射面１４および段差面１５と、を有する導光本体部７０と、前記導光本体部７０に設けられている取付部１６、１７と、から構成されている。前記導光部材７あるいは前記導光本体部７０（以下、「導光本体部７０」と称する）の前記入射面１２の近傍の部分は、湾曲している。

【0028】

前記導光本体部７０の平面視形状、すなわち、前記入射面１２側の端部である分岐部分から二股の先端の部分までの間の平面視形状は、図１に示すように、前記ランプレンズ３の意匠面（車両の後部の意匠面、前記車両用灯具１の平面視形状）に倣って車両の右側Ｒ（外側）から左側Ｌ（内側）にかけて、車両の前側Ｆから後側Ｂに、湾曲傾斜（スラント）している。前記導光本体部７０の正面視形状（正面から見た（車両の後側Ｄから前側Ｆを見た）形状）は、図２に示すように、車両の左側Ｌ（内側）の二股の先端の部分が開口し、かつ、車両の右側Ｒ（外側）の分岐部分が閉塞した横Ｖ字形状をなす。前記導光本体部７０の側面視形状（車両の右側Ｒから左側Ｌを見た形状）は、図３に示すように、車両の後側Ｂの二股の先端の部分が開口し、かつ、車両の前側Ｆの分岐部分が閉塞した横Ｖ字形状をなす。

【0029】

前記入射面１２は、前記導光本体部７０の車両の右側Ｒ（外側）かつ車両の上側Ｕの分岐部分の端面に設けられている。このために、前記導光本体部７の分岐部分は、湾曲している。前記入射面１２は、前記導光本体部７０の中心線（中心軸線、長手方向線、導光方向線）Ｏに対して垂直もしくはほぼ垂直な面をなす。前記入射面１２は、平面もしくは曲面もしくは平面および曲面の組み合わせからなる。前記入射面１２は、前記光源６の前記発光部１０に対向する。前記入射面１２は、前記光源６の前記発光部１０から放射される光を入射光Ｌ１として前記導光本体部７０中に入射させるものである。

【0030】

前記出射面１３は、前記入射面１２から前記導光本体部７０中に入射し、かつ、前記導光本体部７０中を導かれた前記入射光Ｌ１を前記出射光として前記導光本体部７０中から外部に所定の方向に出射させるものである。

【0031】

前記反射面１４は、前記光源６からの光である前記入射光Ｌ１を反射させて、その反射光（図示せず）を前記出射光として前記出射面１３から所定のランプ機能の配光を狙う前記所定の方向に出射させるものである。

【0032】

前記反射面１４と前記段差面１５とは、交互に前記導光本体部７０の中心線Ｏ方向に連続して設けられている。前記反射面１４と前記段差面１５とは、隣り合う２面で１個のプリズムを形成する。

【0033】

（取付部１６の説明）
前記取付部１６、１７は、前記導光本体部７０の分岐部分であって前記入射面１２の近傍の湾曲部分の内側と外側とに、それぞれ一体に設けられている。前記導光本体部７０の湾曲部分の外側の前記取付部１７は、前記導光部材７を成形する際のゲートとなる。一方、前記インナーパネル５には、取付部１８が設けられている。前記導光本体部７０の前記取付部１６、１７が前記インナーパネル５の前記取付部１８に取り付けられている。これにより、前記導光本体部７０は、前記取付部１６、１７、１８を介して前記インナーパネル５に取り付けられている。前記導光本体部７０は、その他の箇所においても前記インナーパネル５に取り付けられている、あるいは、保持されている。なお、前記導光本体部７０を前記ランプハウジング２に取り付けても良い。

【0034】

以下、前記導光本体部７０の湾曲部分の内側に設けられている前記取付部１６（以下、単に「取付部１６」と称する）について説明する。前記取付部１６の前記導光本体部７０の前記中心線Ｏと平行もしくはほぼ平行な面（側面）１９は、外側に凸湾曲面をなす。前記取付部１６の前記導光本体部７０の導光方向Ａ側の面（先端面）２０は、前記導光本体部７０の前記中心線Ｏと交差する傾斜面をなす。

【0035】

前記傾斜面２０は、図７に示すように、前記外側凸湾曲面１９から前記導光本体部７０の側面にかけて前記導光方向Ａに傾斜している。図７は、二股形状の前記導光本体部７０を上側Ｕ（前記導光本体部７０の二股部分が重なっている方向側）から見た図である。

【0036】

前記傾斜面２０は、図８に示すように、前記取付部１６の中央から上側Ｕおよび下側Ｄにかけて、上側傾斜面２０Ｕおよび下側傾斜面２０Ｄとして、前記導光方向Ａに横Ｖ字形状（＜形状）に傾斜している。図８は、二股形状の前記導光本体部７０を側方向（前記導光本体部７０の二股部分が重なっている方向に対して垂直もしくはほぼ垂直な方向）から見た図である。

【0037】

前記上側傾斜面２０Ｕは、前記導光本体部７０の二股部分のうち上側Ｕの部分に対応する。一方、前記下側傾斜面２０Ｄは、前記導光本体部７０の二股部分のうち下側Ｄの部分に対応する。

【0038】

（実施形態の作用の説明）
この実施形態にかかる車両用灯具１は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。

【0039】

光源６の発光部１０を点灯する。すると、光源６の発光部１０から放射された光は、入射光Ｌ１として、導光本体部材７０の入射面１２から導光本体部７０中に入射する。導光本体部７０中に入射した入射光Ｌ１は、導光本体部７０中を、一端の入射面１２から他端側に、全反射を繰り返しながら導かれる。この入射光Ｌ１は、導光本体部７０中を入射面１２から他端側まで導かれながら、反射面１４で反射される。その反射光は、出射光として導光本体部７０の出射面１３から所定のランプ機能の配光を狙う所定の方向に出射する。

【0040】

ここで、図６に示すように、導光本体部７０中に入射した入射光Ｌ１が取付部１６の外側凸湾曲面１９に達すると、その入射光Ｌ１が外側凸湾曲面１９で反射される。その反射光Ｌ２は、導光本体部７０中に導かれる。

【0041】

また、図７、図８に示すように、導光本体部７０中に入射した入射光Ｌ１が取付部１６の傾斜面２０（上側傾斜面２０Ｕおよび下側傾斜面２０Ｄ）に達すると、その入射光Ｌ１が傾斜面２０（上側傾斜面２０Ｕおよび下側傾斜面２０Ｄ）で反射される。その反射光Ｌ４は、導光本体部７０中に、かつ、導光本体部７０の二股部分に沿って導かれる。

【0042】

（実施形態の効果の説明）
この実施形態にかかる車両用灯具１は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。

【0043】

この実施形態にかかる車両用灯具１は、図６に示すように、取付部１６の導光本体部７０の中心線Ｏと平行もしくはほぼ平行な面（側面）１９が、外側に凸湾曲面をなすものである。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、導光本体部７０中を導かれている光（入射光Ｌ１）が取付部１６の外側凸湾曲面１９で反射光Ｌ２として導光本体部７０中に反射するので、取付部１６における点光を防止することができる。

【0044】

ここで、取付部１６の導光本体部７０の中心線Ｏと平行もしくはほぼ平行な面（側面）１９０が、図６中の破線にて示すように、平面である場合について説明する。この場合においては、導光本体部７０中を導かれている光（入射光Ｌ１）が取付部１６の平面１９０で出射光Ｌ３（図６中の破線を参照）として取付部１６の導光本体部７０の導光方向Ａ側の面（先端面）２０から外部に出射する。このために、取付部１６の先端面２０が点光する。この取付部１６の先端面２０の点光は、インナーパネル５の透孔２１を通して、ランプレンズ３およびインナーレンズ４から見える場合がある。

【0045】

これに対して、この実施形態にかかる車両用灯具１は、取付部１６の側面１９が外側に凸湾曲面をなすものであるから、前記の通り、入射光Ｌ１が取付部１６の外側凸湾曲面１９で反射光Ｌ２として導光本体部７０中に反射する。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具１は、取付部１６における点光を防止することができる。

【0046】

この実施形態にかかる車両用灯具１は、図７、図８に示すように、取付部１６の導光本体部７０の導光方向Ａ側の面（先端面）２０が、導光本体部７０の中心線Ｏと交差する傾斜面をなすものである。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、導光本体部２０中を導かれている光（入射光Ｌ１）が取付部１６の傾斜面２０で反射光Ｌ４で導光本体部７０中に反射するので、取付部１６における点光を防止することができる。

【0047】

ここで、取付部１６の導光本体部７０の導光方向Ａ側の面（先端面）２００が、図７、図８中の破線にて示すように、平面である場合について説明する。この場合においては、導光本体部７０中を導かれている光（入射光Ｌ１）が取付部１６の平面２００から出射光Ｌ５（図７、図８中の破線を参照）として外部に出射する。このために、取付部１６の平面２００すなわち導光本体部７０の導光方向Ａ側の面（先端面）２００が点光する。この取付部１６の平面２００の点光は、インナーパネル５の透孔２１を通して、ランプレンズ３およびインナーレンズ４から見える場合がある。

【0048】

これに対して、この実施形態にかかる車両用灯具１は、取付部１６の先端面２０が導光本体部７０の中心線Ｏと交差する傾斜面をなすものであるから、前記の通り、入射光Ｌ１が取付部１６の傾斜面２０で反射光Ｌ４として導光本体部７０中に反射する。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具１は、取付部１６における点光を防止することができる。

【0049】

特に、この実施形態にかかる車両用灯具１は、図８に示すように、傾斜面２０が取付部１６の中央から上側Ｕおよび下側Ｄにかけて、上側傾斜面２０Ｕおよび下側傾斜面２０Ｄとして、導光方向Ａに横Ｖ字形状（＜形状）に傾斜している。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、傾斜面２０（上側傾斜面２０Ｕおよび下側傾斜面２０Ｄ）で反射した反射光Ｌ４が、導光本体部７０中に、かつ、導光本体部７０の二股部分に沿って均等に導かれる。これにより、この実施形態にかかる車両用灯具１は、ほぼ均一の二股形状の発光面が得られる。

【0050】

この実施形態にかかる車両用灯具１は、入射面１２が導光本体部７０の中心線Ｏに対して垂直もしくはほぼ垂直な面からなり、取付部１６が入射面１２の近傍に設けられているものである。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、入射面１２すなわち光源６に近く光が強い入射光Ｌ１による取付部１６の明るくかつ目立つ点光を防止することができる。

【0051】

この実施形態にかかる車両用灯具１は、導光本体部７０の取付部１６が設けられている部分が湾曲していて、取付部１６が導光本体部７０の湾曲部分の内側に設けられているものである。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、導光本体部７０の湾曲部分の内側が導光本体部７０の湾曲部分の外側と比較して点光を起こしやすいが、取付部１６により確実に点光を防止することができる。

【0052】

しかも、この実施形態にかかる車両用灯具１は、入射面１２の端部が取付部１６が設けられている導光本体部７０の湾曲部分である。このために、この実施形態にかかる車両用灯具１は、図４に示すように、導光本体部７０の入射面１２側の端部および光源６をランプレンズ３の意匠面に沿った空間内に収納することができる。これにより、この実施形態にかかる車両用灯具１は、ランプレンズ３の意匠面を車両の後部の意匠面（車両用灯具１の平面視形状）に倣わせることができる。

【0053】

（実施形態以外の例の説明）
なお、前記の実施形態においては、リアコンビネーションランプのテールランプユニットあるいはサイドマーカーランプユニットについて説明するものである。ところが、この発明においては、リアコンビネーションランプのテールランプユニットあるいはサイドマーカーランプユニット以外のランプ、たとえば、リアコンビネーションランプのストップランプ、バックアップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、ライセンスプレートランプ、あるいは、フロントコンビネーションランプのターンシグナルランプ、クリアランスランプ、サイドマーカーランプなどにも適用することができる。

【0054】

また、前記の実施形態においては、リアコンビネーションランプのテールランプユニットあるいはサイドマーカーランプユニットなどの１機能の車両用灯具について説明するものである。ところが、この発明においては、リアコンビネーションランプのテールランプおよびサイドマーカーランプ、あるいは、リアコンビネーションランプあるいはフロントコンビネーションランプのクリアランスランプとサイドマーカーランプとの２機能の車両用灯具に適用することができる。

【0055】

さらに、前記の実施形態においては、二股形状の導光本体部７０について説明するものである。ところが、この発明においては、二股形状の導光本体部７０以外の導光本体部（導光部材）であっても良い。

【0056】

さらにまた、前記の実施形態においては、取付部１６が導光本体部７０の湾曲部分の内側に設けられているものである。ところが、この発明においては、取付部１６を導光本体部７０の湾曲部分の内側の箇所以外の箇所（外側）に設けても良い。

【符号の説明】

【0057】

１ 車両用灯具
２ ランプハウジング
３ ランプレンズ
４ インナーレンズ
５ インナーハウジング
６ 光源
７ 導光部材
７０ 導光本体部
８ 灯室
９ 基板
１０ 発光部
１１ ブラケット
１２ 入射面
１３ 出射面
１４ 反射面
１５ 段差面
１６ 取付部
１７ 取付部
１８ 取付部
１９ 外側凸湾曲面
１９０ 平面
２０ 傾斜面
２０Ｕ 上側傾斜面
２０Ｄ 下側傾斜面
２００ 平面
２１ 透孔
Ａ 導光本体部の導光方向
Ｆ 前側
Ｂ 後側
Ｕ 上側
Ｄ 下側
Ｌ 左側（車両内側）
Ｒ 右側（車両外側）
Ｌ１ 入射光
Ｌ２、Ｌ４ 反射光
Ｌ３、Ｌ５ 出射光
Ｏ 導光本体部の中心線

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】