(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
手動式バルブから突出したステムの先端部に固定した円盤状のハブ、このハブを中心に放射状に延びる複数のスポーク、及び、これらのスポークの延端に結合する円環状のリムを有するハンドルを前記ステムの軸回りに回転することで、前記手動式バルブを開閉するウィルキーであって、
前記ハブの一方の面に当接自在な円盤と、
前記円盤から遠心方向に相反する向きに延出し、前記リムの外周を超える長さを有する一対の操作桿と、
これらの操作桿が延びる方向と略直角に当該操作桿の中間部から平行に延出し、前記スポークの外周に当接自在な一対の短尺の係合アームと、を備え、
一対の前記操作桿は、両手で把持自在な把持部を末端部に有し、
前記ハンドルは、前記ハブの一方の面から突出した前記ステムの延出端部を有し、
前記円盤は、前記延出端部と回転自在に嵌合する嵌合穴を中心部に開口している、ウィルキー。
【背景技術】
【0002】
火力発電所や化学プラントなどでは、各種の流体や気体を移送するために多数の配管を敷設している。そして、これらの配管の流量を調整する流量調整弁や配管の流路を開閉する開閉弁を随所に配置している。開閉弁は、例えば、手動式バルブを使用している。手動式バルブは、ハンドルを回すことにより配管の流路を開閉できる。
【0003】
火力発電所や化学プラントなどに使用されている手動式バルブは、閉じられた状態、又は開かれた状態で維持されている期間が長く、ハンドルの回転が困難な場合が多い。又、高圧の非圧縮流体を開閉する手動式バルブは、ハンドルの回転が困難な場合が多い。したがって、手動では、ハンドルを回転することが困難である。このため、定期点検などでは、ウィルキーを用いてハンドルを回転させている。ウィルキーをハンドルに係止することにより、ハンドルの回転トルクを増大できるからである。
【0004】
このようなウィルキーとしては、異なる直径を有する複数種類のハンドルに対応可能な汎用性のあるウィルキーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1によるウィルキーは、長尺の操作桿を備え、この操作桿から固定アームと可動アームを延長している。そして、可動アームは、スライド可能に操作桿に装着され、固定アームに対して進退可能に構成している。又、固定アームと可動アームとは、操作桿から外側へ拡がるように配置されている。特許文献1によるウィルキーは、複数種類のウィルキーを現場まで持ち運ぶ必要がなくなり、1本のウィルキーで異なる直径を有するハンドルに対応できる、としている。
【0006】
一方、特許文献1によるウィルキーは、比較的大径のハンドルの操作には適しているが、人間の片手の掌によって把持して回転させる程度の小径のハンドルの操作には適していないという不具合があった。特に、特許文献1によるウィルキーは、操作桿を把持してハンドルを回転させるため、力加減の調整が難しく、小径のハンドル操作に適用した場合には、過剰なトルクを加えることによって、ハンドルの軸部、又は弁自体を損傷させる心配あった。
【0007】
上述したような不具合を解消するため、手動操作によるハンドルの回転作業を容易化できるばかりでなく、ハンドルの周辺にある障害物の有無に関係なく操作性がよく、更に、小型、軽量であるために携帯性にも優れ、更に力加減を調整可能であるためにハンドルを破損させることがない小型のハンドル操作用のウィルキーが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図7は、従来技術による一般的なウィルキーの構成を示す斜視図である。
図8は、従来技術による一般的なウィルキーを用いて、手動式バルブが閉じる方向にハンドルを回転している状態を示す斜視図である。
図9は、従来技術による一般的なウィルキーがハンドルから外れた状態を示す斜視図である。
【0010】
図7から
図9を参照すると、ウィルキー8は、長尺の操作桿80と短尺の第1アーム81及び第2アーム82を備えている。操作桿80は、一端側に把持部8aを有している。第1アーム81は、操作桿80の他端側の終端から略直角に屈折している。そして、第1アーム81は、操作桿80の長手方向と略直交する方向に延びている。
【0011】
図7から
図9を参照すると、第2アーム82は、第1アーム81と所定間隔を設けて配置されている。そして、第2アーム82は、第1アーム81と略平行するように、操作桿80から延びている。操作桿80及び第1アーム81及び第2アーム82は、例えば、鍛造などで一体に成形している。一般に、ウィルキー8は、変形の少ない剛体の工具となっている。
【0012】
図8を参照すると、手動式バルブ9は、回転自在なハンドル90を備えている。ハンドル90は、円盤状のハブ92、複数のスポーク93、及び、円環状のリム94を有している。ハブ92は、ステム91とねじ結合している。スポーク93は、ハブ92を中心に放射状に延びている。リム94は、スポーク93の延端に結合している。ウィルキー8を用いて、ハンドル90を回転することで、手動式バルブ9を開閉できる。
【0013】
図8を参照して、スポーク93及びリム94の内側に第1アーム81を当接し、リム94の外側に第2アーム82を当接し、操作桿80をハンドル90の遠心方向に引っ張りながら、手前側に引き、ハンドル90を時計方向に回転することにより、手動式バルブ9を閉じることができる。
【0014】
一方、
図8を参照して、スポーク93及びリム94の内側に第1アーム81を当接し、リム94の外側に第2アーム82を当接し、操作桿80をハンドル90の遠心方向に引っ張りながら、奥側に押し、ハンドル90を反時計方向に回転することにより、手動式バルブ9を開くことができる。
【0015】
図8を参照すると、ウィルキー8は、ハンドル90の中心を跨っていない。又、操作桿80に対して、第1アーム81及び第2アーム82が真直ぐ延びているので、ハンドル90への着脱が容易である。
【0016】
図8に示したハンドル90は、操作者の腰部の高さに配置されているので、ウィルキー8をハンドル90に係合して回転させることは比較的容易である。一方、
図9に示したハンドル90は、操作者の頭部の高さに配置されているので、ウィルキー8をハンドル90に係合して回転させることは比較的困難である。
図9を参照すると、第1アーム81及び第2アーム82は、曲面を形成したリム94と点接触しているので、ハンドル90から外れ易いということもあり得る。
【0017】
図7から
図9に示したウィルキー8は、比較的大径のハンドルの操作には適しているが、人間の片手の掌によって把持して回転させる程度の小径のハンドルの操作には適していない。図示したウィルキー8は、操作桿80を把持してハンドル90を回転させるため、力加減の調整が難しく、小径のハンドル操作に適用した場合には、過剰なトルクを加えることによって、ハンドル90の軸部、又は弁自体を損傷させる心配があった。
【0018】
図10は、小径のハンドルの操作に適したウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、ウィルキーをハンドルに係合する前の状態図、
図10(B)は、ウィルキーをハンドルに係合した状態図、
図10(C)は、ウィルキーを片手で把持してハンドルを回転している状態図である。
【0019】
図11は、小径のハンドルの操作に適したウィルキーの構成を示す図であり、
図11(A)は、ウィルキーの平面図、
図11(B)は、ウィルキーの正面図である。
図12は、
図11に示したウィルキーの変形例を示す平面図である。
【0020】
なお、本願の
図10は、特許文献2の
図1に相当している。又、本願の
図11は、特許文献2の
図2に相当し、本願の
図12は、特許文献2の
図7に相当している。
【0021】
図10又は
図11を参照すると、ウィルキー6は、略円形の把持板61と複数の円柱状の係合突起62を備えている。把持板61は、その外径がハンドル70の外径より大きく形成している。又、把持板61は、その外周に複数の窪み61dを等間隔に配置している。把持板61の外周に複数の窪み61dを設けることで、把持板61を滑らすことなく、片手Hで把持板61を回転できる(
図10(C)参照)。又、係合突起62は、把持板61の一方の面から突出している。
【0022】
図10を参照すると、バルブ7は、回転自在なハンドル70を備えている。ハンドル70は、ハブ72、複数のスポーク73、及び円環状のリム74を有している。ハブ72は、ステム71の先端部に形成している。スポーク93は、ハブ92を中心に放射状に延びている。リム94は、スポーク93の延端に結合している。係合突起62は、リム94とスポーク93で区画された空間に挿入できる。
【0023】
図10(A)に示した状態から、把持板61をリム74に載置すると共に、係合突起62をリム94とスポーク93で区画された空間に挿入する(
図10(B)参照)。次に、把持板61を片手Hで把持し、把持板61をステム71の軸回りに回転することで、ハンドル70を回転できる。そして、バルブ7を開閉できる。
【0024】
図12を参照すると、変形例によるウィルキー60は、小取手63を更に備えている。小取手63は、把持板61の外周から遠心方向に突出している。ウィルキー60は、片手Hで把持板61を把持してハンドル70を回転するときに、小取手63を設けることで、ハンドル70の回転トルクを増加でき、バルブ7を容易に開閉できる。
【0025】
図7から
図9に示したウィルキー8を用いて、
図10(A)に示した小口径のハンドル70を回転させると、バルブ7に連結した配管(図示せず)に不要な力が作用して、配管を変形させる心配がある。前述したように、従来技術によるウィルキー8は、ハンドル90の遠心方向に引っ張りながら、ハンドル90を回転させるので、配管に捩れ又は撓みなどの変形が発生する心配があった。
【0026】
一方、
図10又
図11に示したウィルキー6、又は
図12に示したウィルキー60は、ステム71を回転する力のみがバルブ7に連結した配管(図示せず)に作用するので、配管を変形させる心配が少ないと考えられる。
【0027】
しかし、
図10又
図11を参照すると、ウィルキー6、又はウィルキー60は、片手Hで把持できる程度の大きさのハンドルにしか適用できず、ステム71がバルブ7に固く締まっていた場合には、これを弛める回転トルクが不足するという問題がある。バルブに連結した配管を変形させることなく、バルブを容易に開閉できるウィルキーが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0028】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、手動式バルブに連結した配管を変形させることなく、手動式バルブを容易に開閉できるウィルキーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明者らは、円盤、円盤の遠心方向に延出した一対の操作桿、及び、操作桿の中間部から延出した一対の係合アームでウィルキーを構成し、ハンドルの中心部と円盤の中心部が一致するように、一対の操作桿をハンドルの上面に当接し、操作桿の末端部を両手で把持して、円盤を中心に一対の操作桿を回転し、一対の係合アームを介してステムを回転することで、手動式バルブには、ステムの回転トルクのみが作用すると考え、これに基づいて、以下のような新たなウィルキーを発明するに至った。
【0030】
(1)本発明によるウィルキーは、手動式バルブから突出したステムの先端部に固定した円盤状のハブ、このハブを中心に放射状に延びる複数のスポーク、及び、これらのスポークの延端に結合する円環状のリムを有するハンドルを前記ステムの軸回りに回転することで、前記手動式バルブを開閉するウィルキーであって、前記ハブの一方の面に当接自在な円盤と、前記円盤から遠心方向に相反する向きに延出し、前記リムの外周を超える長さを有する一対の操作桿と、これらの操作桿が延びる方向と略直角に当該操作桿の中間部から平行に延出し、前記スポークの外周に当接自在な一対の短尺の係合アームと、を備え、一対の前記操作桿は、両手で把持自在な把持部を末端部に有する。
【0031】
(2)前記ハンドルは、前記ハブの一方の面から突出した前記ステムの延出端部を有し、前記円盤は、前記延出端部と回転自在に嵌合する嵌合穴を中心部に開口していることが好ましい。
【0032】
(3)前記把持部は、前記操作桿から連続した棒状の握り部を有してもよい。
【0033】
(4)一方の前記把持部は、前記操作桿の末端部から略直角に屈曲し、前記係合アームが延びる方向と同じ方向に延びる棒状の第1ノブを有し、他方の前記把持部は、前記操作桿の末端部から略直角に屈曲し、前記係合アームが延びる方向と反対方向に延びる棒状の第2ノブを有してもよい。
【0034】
(5)前記把持部は、前記操作桿の末端部に形成した球状の第3ノブを有してもよい。
【0035】
(6)前記把持部は、前記係合アームが延びる方向と反対方向に配置された球状の第4ノブを有してもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によるウィルキーは、ハブの一方の面に当接自在な円盤と、円盤から遠心方向に相反する向きに延出した一対の操作桿と、操作桿の中間部から平行に延出し、スポークの外周に当接自在な一対の係合アームと、を備え、操作桿の末端部を両手で把持して、円盤を中心に一対の操作桿を回転し、一対の係合アームを介してステムを回転することで、手動式バルブには、ステムの回転トルクのみが作用するので、手動式バルブに連結した配管を変形させることなく、手動式バルブを容易に開閉できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図1(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図1(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【
図2】第1実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、ウィルキーに操作される手動式バルブを対向配置した状態図である。
【
図3】第1実施形態によるウィルキーの構成を示す図であり、
図3(A)は、ウィルキーの平面図、
図3(B)は、ウィルキーの正面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図4(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図4(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【
図5】本発明の第3実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図5(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図5(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【
図6】本発明の第4実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図6(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図6(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【
図7】従来技術による一般的なウィルキーの構成を示す斜視図である。
【
図8】従来技術による一般的なウィルキーを用いて、手動式バルブが閉じる方向にハンドルを回転している状態を示す斜視図である。
【
図9】従来技術による一般的なウィルキーがハンドルから外れた状態を示す斜視図である。
【
図10】小径のハンドルの操作に適したウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、ウィルキーをハンドルに係合する前の状態図、
図10(B)は、ウィルキーをハンドルに係合した状態図、
図10(C)は、ウィルキーを片手で把持してハンドルを回転している状態図である。
【
図11】小径のハンドルの操作に適したウィルキーの構成を示す図であり、
図11(A)は、ウィルキーの平面図、
図11(B)は、ウィルキーの正面図である。
【
図12】
図11に示したウィルキーの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[第1実施形態]
(ウィルキーの構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるウィルキーの構成を説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図1(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図1(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【0040】
図2は、第1実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、ウィルキーに操作される手動式バルブを対向配置した状態図である。
図3は、第1実施形態によるウィルキーの構成を示す図であり、
図3(A)は、ウィルキーの平面図、
図3(B)は、ウィルキーの正面図である。
【0041】
(手動式バルブの構成)
次に、本発明によるウィルキーの構成を説明するのに先立ち、ウィルキーに操作される手動式バルブの構成を説明する。
図2又は
図3を参照すると、手動式バルブ5は、配管Pに連結している。配管Pには、各種の流体や気体が移送されている。手動式バルブ5は、ハンドル50を回すことにより配管Pの流路を開閉できる。
【0042】
図2又は
図3を参照すると、手動式バルブ5は、回転自在なハンドル50とステム51を備えている。ステム51は、手動式バルブから突出している。ハンドル50は、円盤状のハブ52、複数のスポーク53、及び、円環状のリム54を有している。
【0043】
図2又は
図3を参照すると、ハブ52は、ステム51の先端部に固定されている。スポーク53は、ハブ52を中心に放射状に延びている。リム54は、スポーク93の延端に結合している。ウィルキー10を用いて、ハンドル50をステム51の軸回りに回転することで、手動式バルブ5を開閉できる。
【0044】
図2又は
図3を参照すると、ハンドル50は、ステム51の延出端部511を有している。延出端部511は、ハブ52の一方の面から突出している。
【0045】
(全体構成)
図1から
図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるウィルキー10は、円盤11、一対の操作桿12・12、及び一対の短尺の係合アーム13・13を備えている。円盤11は、ハブ52の一方の面に当接できる。一対の操作桿12・12は、円盤11から遠心方向に相反する向きに延出している。又、一対の操作桿12・12は、リム54の外周を超える長さを有している。
【0046】
図1から
図3を参照すると、一対の係合アーム13・13は、操作桿12が延びる方向と略直角に、操作桿12の中間部から平行に延出している。そして、一対の係合アーム13・13は、スポーク53の外周に当接できる(
図3(A)参照)。一対の操作桿12・12は、両手で把持自在な把持部121・121を末端部に有している。
【0047】
図1又は
図2を参照すると、円盤11は、嵌合穴11hを中心部に開口している。嵌合穴11hには、延出端部511を挿入でき、延出端部511と回転自在に嵌合できる。
図1から
図3を参照すると、把持部121は、操作桿12から連続した棒状の握り部となっている。
【0048】
図1から
図3を参照して、ウィルキー10は、円盤11、一対の操作桿12・12、及び一対の係合アーム13・13を鍛造などで一体に構成することもでき、一対の操作桿12・12を円盤11に溶接で接合してもよい。
【0049】
(ウィルキーの作用)
次に、第1実施形態によるウィルキー10の操作方法を説明しながら、ウィルキー10の作用及び効果を説明する。
【0050】
図2又は
図3(B)を参照して、最初に、一対の係合アーム13・13がハンドル50に対向するように、ウィルキー10をハンドル50に向かって移動する。次に、嵌合穴11hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿12・12の把持部121・121を両手で把持し、円盤11を中心として一対の操作桿12・12を時計方向Rに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム13・13を介してステム51を時計方向Rに回転できる。そして、手動式バルブ5を閉じることができる。
【0051】
一方、
図2又は
図3(B)を参照して、嵌合穴11hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿12・12の把持部121・121を両手で把持し、円盤11を中心として一対の操作桿12・12を反時計方向Lに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム13・13を介してステム51を反時計方向Lに回転できる。そして、手動式バルブ5を開くことができる。
【0052】
図1から
図3を参照すると、第1実施形態によるウィルキー10は、一対の係合アーム13・13を介してステム51を回転することで、手動式バルブ5には、ステム51の回転トルクのみが作用するので、手動式バルブ5に連結した配管Pを変形させることなく、手動式バルブ5を容易に開閉できる。
【0053】
[第2実施形態]
(ウィルキーの構成)
次に、本発明の第2実施形態によるウィルキーの構成を説明する。
図4は、本発明の第2実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図4(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図4(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【0054】
なお、第1実施形態で使用した符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略することがある。
【0055】
図4を参照すると、本発明の第2実施形態によるウィルキー20は、円盤21、一対の操作桿22・22、及び一対の短尺の係合アーム23・23を備えている。円盤21は、ハブ52の一方の面に当接できる(
図2参照)。一対の操作桿22・22は、円盤21から遠心方向に相反する向きに延出している。又、一対の操作桿22・22は、リム54の外周を超える長さを有している(
図3参照)。
【0056】
図4を参照すると、一対の係合アーム23・23は、操作桿22が延びる方向と略直角に、操作桿22の中間部から平行に延出している。そして、一対の係合アーム23・23は、スポーク53の外周に当接できる(
図3(A)参照)。一対の操作桿22・22は、両手で把持自在な把持部221・222を末端部に有している。
【0057】
図4を参照すると、円盤21は、嵌合穴21hを中心部に開口している。嵌合穴21hには、延出端部511を挿入でき、延出端部511と回転自在に嵌合できる。
【0058】
図4を参照すると、一方の把持部221は、棒状の第1ノブk1を有している。第1ノブk1は、一方の操作桿22の末端部から略直角に屈曲している。そして、第1ノブk1は、係合アーム23が延びる方向と同じ方向に延びている。
【0059】
図4を参照すると、他方の把持部222は、棒状の第2ノブk2を有している。第2ノブk2は、他方の操作桿22の末端部から略直角に屈曲している。そして、第2ノブk2は、係合アーム23が延びる方向と反対方向に延びている。
【0060】
(ウィルキーの作用)
次に、第2実施形態によるウィルキー20の操作方法を説明しながら、ウィルキー20の作用及び効果を説明する。
【0061】
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図4を参照して、最初に、一対の係合アーム23・23がハンドル50に対向するように、ウィルキー20をハンドル50に向かって移動する。次に、嵌合穴21hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿22・22の把持部221・222を両手で把持し、円盤21を中心として一対の操作桿22・22を時計方向Rに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム23・23を介してステム51を時計方向Rに回転できる。そして、手動式バルブ5を閉じることができる。
【0062】
一方、
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図4を参照して、嵌合穴21hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿22・22の把持部221・222を両手で把持し、円盤21を中心として一対の操作桿22・22を反時計方向Lに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム23・23を介してステム51を反時計方向Lに回転できる。そして、手動式バルブ5を開くことができる。
【0063】
図4を参照して、第2実施形態によるウィルキー20は、第1実施形態によるウィルキー10と同様な効果を奏するが、互いに相反する向きに配置した棒状の第1ノブk1及び第2ノブk2は、掌で握り易く、円盤21を中心として一対の係合アーム23・23を回転し易いという、特別な効果がある。
【0064】
[第3実施形態]
(ウィルキーの構成)
次に、本発明の第3実施形態によるウィルキーの構成を説明する。
図5は、本発明の第3実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図5(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図5(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【0065】
なお、第1実施形態で使用した符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略することがある。
【0066】
図5を参照すると、本発明の第3実施形態によるウィルキー30は、円盤31、一対の操作桿32・32、及び一対の短尺の係合アーム33・33を備えている。円盤31は、ハブ52の一方の面に当接できる(
図2参照)。一対の操作桿32・32は、円盤31から遠心方向に相反する向きに延出している。又、一対の操作桿32・32は、リム54の外周を超える長さを有している(
図3参照)。
【0067】
図5を参照すると、一対の係合アーム33・33は、操作桿32が延びる方向と略直角に、操作桿32の中間部から平行に延出している。そして、一対の係合アーム33・33は、スポーク53の外周に当接できる(
図3(A)参照)。一対の操作桿32・32は、両手で把持自在な把持部321・321を末端部に有している。把持部321は、操作桿32の末端部に形成した球状の第3ノブk3を有している。
【0068】
図5を参照すると、円盤31は、嵌合穴31hを中心部に開口している。嵌合穴31hには、延出端部511を挿入でき、延出端部511と回転自在に嵌合できる。
【0069】
(ウィルキーの作用)
次に、第3実施形態によるウィルキー30の操作方法を説明しながら、ウィルキー30の作用及び効果を説明する。
【0070】
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図5を参照して、最初に、一対の係合アーム33・33がハンドル50に対向するように、ウィルキー30をハンドル50に向かって移動する。次に、嵌合穴31hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿32・22の第3ノブk3・k3を両手で把持し、円盤31を中心として一対の操作桿32・32を時計方向Rに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム33・33を介してステム51を時計方向Rに回転できる。そして、手動式バルブ5を閉じることができる。
【0071】
一方、
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図5を参照して、嵌合穴31hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿32・32の第3ノブk3・k3を両手で把持し、円盤31を中心として一対の操作桿32・32を反時計方向Lに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム33・33を介してステム51を反時計方向Lに回転できる。そして、手動式バルブ5を開くことができる。
【0072】
図5を参照して、第3実施形態によるウィルキー30は、第1実施形態によるウィルキー10及び第2実施形態によるウィルキー20と同様な効果を奏するが、球状の第3ノブk3は、掌で握り易く、円盤31を中心として一対の係合アーム33・33を回転し易いという、特別な効果がある。
【0073】
[第4実施形態]
(ウィルキーの構成)
次に、本発明の第4実施形態によるウィルキーの構成を説明する。
図6は、本発明の第4実施形態によるウィルキーの構成を示す斜視図であり、
図6(A)は、ウィルキーを操作側から観た状態図、
図6(B)は、ウィルキーを操作側と反対側から観た状態図である。
【0074】
なお、第1実施形態で使用した符号と同じ符号を有する構成品は、その作用を同じとするので、以下説明を省略することがある。
【0075】
図6を参照すると、本発明の第4実施形態によるウィルキー40は、円盤41、一対の操作桿42・42、及び一対の短尺の係合アーム43・43を備えている。円盤41は、ハブ52の一方の面に当接できる(
図2参照)。一対の操作桿42・42は、円盤41から遠心方向に相反する向きに延出している。又、一対の操作桿42・42は、リム54の外周を超える長さを有している(
図3参照)。
【0076】
図6を参照すると、一対の係合アーム43・43は、操作桿42が延びる方向と略直角に、操作桿42の中間部から平行に延出している。そして、一対の係合アーム43・43は、スポーク53の外周に当接できる(
図3(A)参照)。一対の操作桿42・42は、両手で把持自在な把持部421・421を末端部に有している。
【0077】
図6を参照すると、把持部421は、球状の第4ノブk4を有している。一対の第4ノブk4・k4は、係合アーム43が延びる方向と反対方向に配置されている。
【0078】
図6を参照すると、円盤41は、嵌合穴41hを中心部に開口している。嵌合穴41hには、延出端部511を挿入でき、延出端部511と回転自在に嵌合できる。
【0079】
(ウィルキーの作用)
次に、第4実施形態によるウィルキー40の操作方法を説明しながら、ウィルキー40の作用及び効果を説明する。
【0080】
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図6を参照して、最初に、一対の係合アーム43・43がハンドル50に対向するように、ウィルキー40をハンドル50に向かって移動する。次に、嵌合穴41hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿42・42の第4ノブk4・k4を両手で把持し、円盤41を中心として一対の操作桿42・42を時計方向Rに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム43・43を介してステム51を時計方向Rに回転できる。そして、手動式バルブ5を閉じることができる。
【0081】
一方、
図2又は
図3(B)を援用すると共に、
図6を参照して、嵌合穴41hに延出端部511を挿入し、一対の操作桿42・42の第4ノブk4・k4を両手で把持し、円盤41を中心として一対の操作桿42・42を反時計方向Lに回転することで(
図3(A)参照)、一対の係合アーム43・43を介してステム51を反時計方向Lに回転できる。そして、手動式バルブ5を開くことができる。
【0082】
図6を参照して、第4実施形態によるウィルキー40は、第1実施形態から第3実施形態によるウィルキー10・20・30と同様な効果を奏するが、球状の第4ノブk4は、掌で握り易く、一対の第4ノブk4・k4を把持して、一対の操作桿42・42をリム54に押さえながら(
図2参照)、円盤41を中心として一対の係合アーム43・43を回転し易いという、特別な効果がある。
【0083】
本発明によるウィルキーは、一対の操作桿がリムの外周を超える長さを有しているので、一対の操作桿の末端部を把持して回転することで、ステムの回転トルクを増加できる、という効果がある。
【0084】
又、本発明によるウィルキーは、操作桿の末端部を両手で把持して、円盤を中心に一対の操作桿を回転し、一対の係合アームを介してステムを回転することで、手動式バルブには、ステムの回転トルクのみが作用するので、手動式バルブに連結した配管を変形させることなく、手動式バルブを容易に開閉できる、という効果がある。