(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のボイラ装置1の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラ装置1の構成を模式的に示す図である。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、ラインに配置される弁やセンサ等の各構成については、その一部を省略する場合もある。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のボイラ装置1は、ボイラ10と、送風機11と、バーナ及びパイロットバーナ(何れも図示省略)と、燃料ラインL10と、送風ラインL11と、パイロット燃料ラインL15と、パージラインL20と、パイロットエアラインL21と、制御装置90と、を主要な構成として備える。ボイラ装置1の各構成について説明する。
【0016】
ボイラ10は、その内部に供給された給水を燃焼ガスにより加熱し、蒸気を生成する。
【0017】
燃料ラインL10は、燃料の供給源(図示省略)に接続されており、バーナの燃焼に必要な燃料を供給する。本実施形態では、燃料の供給源から消化ガスが燃料として燃料ラインL10に供給されている。
【0018】
燃料ラインL10には、上流側から順に、燃料弁21、遮断弁50、電磁弁部51、等が配置される。
【0019】
燃料ラインL10に配置される各構成のうち、後述のエアパージ制御に関わる燃料弁21、遮断弁50及び電磁弁部51について説明する。燃料弁21は、燃料ラインL10の開閉を手動で行うボールバルブである。燃料弁21は、燃料ラインL10におけるパージラインL20との接続部分よりも上流側に配置されている。本実施形態の燃料弁21には、燃料弁21の開閉状態を検出可能な燃料弁検出部31が設けられる。本実施形態の燃料弁検出部31は、燃料弁全閉側スイッチ81によって構成される。燃料弁全閉側スイッチ81は、燃料弁21の全閉状態を検出可能に燃料弁21に取り付けられるリミットスイッチである。燃料弁全閉側スイッチ81は、制御装置90に電気的に接続されている。
【0020】
遮断弁50は、制御装置90からの信号に基づいて燃料ラインL10の開閉を行う電磁弁である。
【0021】
電磁弁部51は、第1制御弁55と、燃料バイパスラインL17と、第2制御弁56と、を主要な構成として備える。第1制御弁55は、燃料ラインL10に設けられる圧力測定部と圧力スイッチ(何れも図示省略)の間に配置される。燃料バイパスラインL17は、第1制御弁55の上流側と下流側をバイパスする。第2制御弁56は、燃料バイパスラインL17に配置される。第1制御弁55及び第2制御弁56は、何れも制御装置90に電気的に接続されている。
【0022】
送風機11について説明する。送風機11は、バーナ及びパイロットバーナの燃焼に必要な空気を供給する送風手段である。送風機11には、送風ラインL11が接続されており、この送風ラインL11を通じて空気がボイラ10の燃焼室(図示省略)に供給される。
【0023】
送風ラインL11には、風量を調節可能なダンパ52が配置される。ダンパ52は、制御装置90に電気的に接続されている。制御装置90は、燃焼制御の段階や状況に応じて高燃焼側又は低燃焼側にダンパ52の位置を調節し、風量を適宜調節することができる。
【0024】
パイロット燃料ラインL15は、パイロットバーナにLPGを燃料として供給する。パイロット燃料ラインL15には、圧力センサや電磁弁(何れも図示省略)等が配置されており、後述の燃焼制御に応じて燃料をパイロットバーナに供給する。
【0025】
パージラインL20は、エアパージ制御時に空気を燃料ラインL10に送るためのパージ用のラインである。本実施形態のパージラインL20は、送風ラインL11から分岐した後に、燃料ラインL10における燃料弁21の下流側に接続される。このパージラインL20によって、送風機11と燃料ラインL10が接続され、送風機11の空気が燃料ラインL10に送られる。
【0026】
パージラインL20には、差圧スイッチ70と、エアパージ電磁弁61と、パージ弁22と、が送風機11から燃料ラインL10に向かって順に配置される。
【0027】
差圧スイッチ70は、パージラインL20の内部を通過する空気の流量が所定流量を超えるとON信号を出力する流量検出部である。本実施形態の差圧スイッチ70は、パージラインL20の流路に設けられるオリフィス71の一次側と二次側の差圧を検出する構成のものが用いられている。差圧スイッチ70に検出される所定流量は、エアパージを適切に行うために最低限必要な流量が装置構成等に基づいて設定される。差圧スイッチ70は、制御装置90に電気的に接続されており、差圧スイッチ70の検出信号は制御装置90に送信される。
【0028】
エアパージ電磁弁61は、エアパージを行うためにパージラインL20を開くためのものであり、2つの電磁弁により構成される。エアパージ電磁弁61は、制御装置90に電気的に接続されており、制御装置90の信号に基づいて開閉動作を行う。また、本実施形態のエアパージ電磁弁61は、許容背圧が供給燃料圧よりも大きく設定されている直動式のものが用いられる。これにより、燃料弁21及びパージ弁22が開いている状態であっても、パージラインL20において、エアパージ電磁弁61よりも上流側に燃料が逆流しにくくなっている。
【0029】
パージ弁22は、パージラインL20に配置され、パージラインL20の開閉を手動で行うボールバルブである。本実施形態のパージ弁22には、パージ弁22の開閉状態を検出可能なパージ弁検出部41が設けられる。パージ弁検出部41は、パージ弁全開側スイッチ85と、パージ弁全閉側スイッチ86と、から構成される。パージ弁全開側スイッチ85は、パージ弁22の全開状態を検出可能にパージ弁22に取り付けられるリミットスイッチである。パージ弁全閉側スイッチ86は、パージ弁22の全閉状態を検出可能にパージ弁22に取り付けられるリミットスイッチである。パージ弁全開側スイッチ85及びパージ弁全閉側スイッチ86は、いずれも制御装置90に電気的に接続されている。
【0030】
パイロットエアラインL21は、パイロットバーナに燃焼用の空気を供給する。本実施形態のパイロットエアラインL21は、その上流側の端部がパージラインL20に接続され、下流側の端部がパイロット燃料ラインL15に接続される。本実施形態のパイロットエアラインL21には、バルブ及びオリフィス等(何れも図示省略)が配置される。送風機11から供給される空気の一部は、送風ラインL11及びパイロットエアラインL21を通じてパイロット燃料ラインL15に送られる。
【0031】
制御装置90は、ボイラ装置1の各種制御を行うコンピュータである。本実施形態の制御装置90は、制御部91と、報知部92と、操作部93と、を備える。
【0032】
制御部91は、各種センサやスイッチ等に電気的に接続されており、燃焼制御、エアパージ制御及び弁異常の報知等の各種の制御を実行する。なお、後述の報知部92及び操作部93は、制御部91と一体的な構成として配置されていてもよいし、別体として制御部91から離れた場所に配置してもよい。
【0033】
報知部92は、ボイラ装置1の動作状況を報知するためのものである。本実施形態の報知部92は、ランプやブザー等によって構成される。報知部92は、制御部91からの信号に基づいてランプの点灯及びブザーの発音を行う。
【0034】
操作部93は、ボイラ装置1の各種の操作を行うための操作手段である。本実施形態の操作部93は、ボイラ装置の運転を開始するための運転スイッチ、エアパージを開始するためのパージボタン、パージ強制停止ボタン等によって構成される。この操作部93が操作されることによってボイラ装置1の各種の制御が行われる。例えば、操作部93の運転スイッチがONされると、ボイラ10の燃焼を開始するための処理が行われる。また、パージボタンのON信号は、パージの開始指示を示すパージ信号として制御部91に処理される。また、パージ強制停止ボタンは、パージの停止指示を示すパージ停止信号として制御部91に処理される。
【0035】
本実施形態の制御部91は、燃料弁検出部31及びパージ弁検出部41の検出信号を監視し、燃料弁21及びパージ弁22の開閉状態に基づいて燃焼制御やエアパージ制御を行う。次に、本実施形態のボイラ装置1による燃焼制御を開始する条件について説明する。
図2は、本実施形態のボイラ装置1における燃焼制御開始の流れを示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、操作部93の運転スイッチがONされると、制御部91は、パージ弁検出部41のパージ弁全閉側スイッチ86の検出信号を取得する。制御部91は、パージ弁全閉側スイッチ86の検出信号に基づいてパージ弁22が全閉状態であるか否かを判定する(S101)。
【0037】
S101の処理で、パージ弁22が全閉状態であると判定されると、制御部91は、燃焼制御に移行する(S102)。燃焼制御では、遮断弁50及び電磁弁部51が開状態にして燃料ラインL10を通じて燃料(消化ガス)をボイラ10に供給する制御や、送風機11を駆動して送風ラインL11を通じて燃焼用の空気をボイラ10に供給する制御や、バーナ及びパイロットバーナの着火や加熱に関する制御等が行われる。
【0038】
一方、S101の処理で、パージ弁22が全閉状態ではないと判定された場合は、制御部91は、報知部92を動作させて作業員に異常を報知する(S103)。このように、本実施形態ではパージ弁22が全閉状態でない場合は、燃焼制御が開始されないようになっている。これにより、燃焼制御中に燃料ラインL10からパージラインL20のパージ弁22よりも送風機11側に燃料が漏えいする事態が確実に防止される。
【0039】
次に、ボイラ装置1のメンテナンス作業等で行われる燃料ラインL10のエアパージについて説明する。燃料ラインL10のエアパージは、燃料ラインL10に残留している燃料を空気によって置換し、作業員が安全な状況でメンテナンス作業を行うためのものである。
【0040】
本実施形態では、操作部93の運転スイッチがOFFのとき(燃焼停止中)に、エアパージを行う。まず、作業員が燃料弁21を手動で全閉するとともに、パージ弁22を手動で全開する作業を行う。次に、作業員は、操作部93のパージボタンを押す。
図3は、本実施形態のボイラ装置1におけるエアパージ制御の流れを示すフローチャートである。
【0041】
制御部91は、運転スイッチがOFFであるときに、操作部93からの信号(パージ指示)を受信すると、エアパージを行うための処理を開始する。
図3に示すように、制御部91は、まず、燃料弁検出部31の検出信号に基づいて燃料弁21が全閉状態であるか否かを判定する(S201)。本実施形態では、燃料弁全閉側スイッチ81がON信号である場合に、燃料弁21が全閉状態であると判定される。
【0042】
S201の処理で、燃料弁21が全閉であると判定された場合、制御部91は、エアパージを実行する(S202)。本実施形態では、エアパージ制御が以下のように行われる。即ち、制御部91は、エアパージ電磁弁61、遮断弁50、第1制御弁55、第2制御弁56の全てを開状態に制御する。更に、制御部91は、送風機11を起動させるとともに、ダンパ52を低燃焼位置に調節する。これにより、送風機11から送り出されたパージ用の空気が、送風ラインL11、パージラインL20を通じて燃料ラインL10に送られる。燃料ラインL10に送られた空気は、そのままボイラ10に送られ、ボイラ10の煙道を介して外部に排出される。
【0043】
S201の処理で、燃料弁21が全閉ではないと判定された場合、エアパージは開始されない。なお、S201の処理で燃料弁21が全閉でないと判定された場合は、報知部92を動作させて燃料弁21が全閉状態ではないことを作業員に報知する構成としてもよい。
【0044】
制御部91は、S202のエアパージの実行処理とともに、パージ弁検出部41の検出信号に基づいてパージ弁22が全開状態であるか否かを判定する(S203)。本実施形態では、パージ弁全開側スイッチ85のON信号を受信したときに、制御部91が、パージ弁22が全開であると判定する。
【0045】
S203の処理でパージ弁22が全開であると判定されている場合、制御部91は、エアパージの実行時間を監視し、予め設定される設定時間を超えたか否かを判定する(S204)。本実施形態では、差圧スイッチ70の検出信号のON時間をエアパージの実行時間としてカウントする。この実行時間は、継続してON状態が続いた時間である。
【0046】
差圧スイッチ70は、パージラインL20を送風機11側から燃料ラインL10側に流れる空気の流量が所定流量以上の場合にON状態となる。また、設定時間は、エアパージによって燃料ラインL10の内部の燃料及び空気が完全に置換されるように装置構成等によって設定される。即ち、S204の処理では、エアパージ実行中に、パージラインL20を流れる空気が、適切な流量で適切な時間流れたことを確認しているのである。
【0047】
S204の処理で、エアパージの実行時間が設定時間を超えたと判定されると、制御部91はエアパージを終了する(S205)。本実施形態では、制御部91は、送風機11を停止させるとともに、エアパージ電磁弁61、遮断弁50、第1制御弁55、第2制御弁56を閉状態に制御する処理を行う。これによってエアパージが完了する。
【0048】
S203の処理で、パージ弁22が全開ではないと判定された場合、制御部91は、報知部92を作動させてエアパージ異常を報知する(S206)。作業員は、報知部92のランプの点灯又はブザーの警告音によってエアパージが適切に行われていないことを認識する。なお、この状態でもエアパージは実行され続ける。作業員が操作部93のパージ強制停止ボタンを押すと、制御部91によってパージ停止信号が受信され、エアパージが終了する(S207、S205)。なお、
図3のフローでは省略したが、S201〜S204の処理の間に、制御部91がパージ停止信号を受信した場合も、エアパージは終了する。
【0049】
次に、制御部91による弁異常の報知制御について説明する。上述のように、ボイラ装置1の燃焼制御やエアパージ制御では、燃料弁21又はパージ弁22の何れかの弁が必ず閉じられた状態に制御される。例えば、燃焼制御では、燃料のパージラインL20への漏えいを防止するためパージ弁22を閉じた状態にする。エアパージ制御では、エアパージ中及びエアパージ後に燃料が燃料ラインL10に漏えいしないように燃料弁21を閉じた状態にする。従って、エアパージを含めたボイラ装置1の通常稼動において、燃料弁21及びパージ弁22の何れもが、閉じられていない状態は不適切な状態ということになる。
【0050】
そこで、本実施形態の制御部91は、ボイラ装置1の稼動中に上述の不適切な状態が生じた場合は、作業員に弁異常を報知する制御を実行するように設定されている。より具体的には、制御部91は、燃料弁検出部31の燃料弁全閉側スイッチ81の検出信号及びパージ弁検出部41のパージ弁全閉側スイッチ86の検出信号を監視する。制御部91によるこの監視は、操作部93の運転スイッチのON、OFFやエアパージ制御中等の運転状況に関わらず常時行われている。
【0051】
制御部91は、燃料弁全閉側スイッチ81のON信号(検出信号)を受信していない状態であり、かつ、パージ弁全閉側スイッチ86のON信号(検出信号)を受信していない状態を検出すると、弁異常と判定し、報知部92を動作させて作業員に異常を報知させる。これにより、弁異常が生じた場合は作業員が弁異常を速やかに認識できるようになっているのである。
【0052】
以上説明した本実施形態のボイラ装置1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のボイラ装置1は、ボイラ10と、燃料ラインL10と、送風機11と、パージラインL20と、燃料弁21と、パージ弁22と、燃料弁検出部31と、制御部91と、を備える。制御部91は、パージ指示を受信し、燃料弁検出部31の燃料弁全閉側スイッチ81からの検出信号によって燃料弁21の全閉状態を検出した場合に、パージラインL20を介して燃料ラインL10に送風機11の空気を送るエアパージ制御を開始する。
【0053】
これにより、燃料弁21が完全に閉じていることがエアパージ制御を開始する条件となる。従って、燃料弁21が完全に閉じていないために、エアパージ完了後に燃料ラインL10に燃料が残留している事態を確実に防止することができる。
【0054】
ボイラ装置1は、パージ弁22の全開状態を検出可能なパージ弁検出部41を備える。制御部91は、燃料弁検出部31の検出信号及びパージ弁検出部41の検出信号を取得し、燃料弁21が全閉状態かつパージ弁22が全開状態でエアパージ制御が開始された場合は、エアパージ実行時間が予め設定された設定時間を超えるとエアパージ制御を終了する。これにより、パージ弁22が全開している場合は、パージラインL20を十分な量の空気が通過するので、エアパージが適切に行われる設定時間だけエアパージを行うことで、燃料ラインL10のパージを適切に完了させることができる。一方、パージ弁22が全開していない場合は、空気の通り道が十分に確保されていないおそれがあり、エアパージによる燃料ラインL10への空気の供給量が不足しているおそれがあるので、設定時間に関係なくエアパージ制御が継続される。
【0055】
ボイラ装置1は、差圧スイッチ70を備える。制御部91は、差圧スイッチ70によって出力されるON信号の検出時間が設定時間を超えるとエアパージ制御を終了する。これにより、エアパージ制御が、適切な流量で適切な時間行われることになるので、燃料ラインL10に残留している燃料の空気による置換をより一層確実に行うことができる。
【0056】
ボイラ装置1は、動作状況を報知する報知部92を備え、制御部91は、パージ指示を受信し、燃料弁21が全閉状態かつパージ弁22が全開状態ではない場合に、報知部92を作動させてエアパージ不良を報知する。これにより、パージ弁22が全開状態ではないために、エアパージが適切に行われていない状態を作業員に認識させることができる。作業員が速やかにエアパージ不良を知ることができるので、エアパージ不良が生じた場合におけるエアパージを適切に完了させるために必要な時間を効果的に短縮できる。
【0057】
制御部91は、燃料弁検出部31の検出信号及びパージ弁検出部41の検出信号を取得し、燃料弁21が全閉状態ではなく、かつ、パージ弁22が全閉状態ではない場合に、報知部92を作動させて弁の異常を報知する。燃料弁21が全閉状態ではなく、かつ、パージ弁22が全閉状態ではない場合は、燃焼制御又はエアパージ制御の何れの場合においても、異常な状況である。本実施形態の構成によれば、このような状況が速やかに作業員に通知されるので、異常な状況を速やかに認識し、そのような状況を解消する作業を迅速に行うことができる。
【0058】
次に、上記実施形態の構成に、燃料弁全開側スイッチ82を更に備えた変形例のボイラ装置201について説明する。
図4は、変形例のボイラ装置201の構成を模式的に示す図である。なお、上記実施形態と同様の構成については同様の符号を付してその説明を省略することがある。
【0059】
図4に示すように、変形例のボイラ装置201の燃料弁検出部231は、燃料弁全閉側スイッチ81と、燃料弁全開側スイッチ82と、から構成される。燃料弁全開側スイッチ82は、燃料弁21の全開状態を検出可能に燃料弁21に取り付けられるリミットスイッチである。燃料弁全開側スイッチ82は、制御装置90に電気的に接続されており、燃焼制御において燃料弁21が全開しているか否かを検出するのに用いられる。
【0060】
変形例のボイラ装置201における燃焼制御について説明する。
図5は、変形例のボイラ装置201における燃焼制御開始の流れを示すフローチャートである。
【0061】
図5に示すように、制御部91は、燃料弁検出部231の検出信号及びパージ弁検出部41の検出信号に基づいて燃焼制御を開始する。即ち、制御部91は、作業員によってスイッチがONされ、燃焼開始の指示を受信すると、燃料弁検出部231の検出信号及びパージ弁検出部41の検出信号を取得する。そして、燃料弁21が全開状態かつパージ弁22が全閉状態であるか否かを判定する(S301)。そして、燃料弁21が全開状態かつパージ弁22が全閉状態である場合に、燃焼制御を開始する(S302)。燃料弁21が全開状態かつパージ弁22が全閉状態ではない場合は、報知部92を動作させる(S303)。
【0062】
これにより、燃焼制御中に燃料ラインL10からパージラインL20のパージ弁22より送風機11側に燃料が漏えいする事態を防止できるとともに、燃料弁21が確実に全開している状態で燃焼制御に入るので、燃料弁21が全開していないために燃料の供給量が小さくなるといった事態を確実に防止でき、ボイラ装置201の稼動をより一層安定的なものにすることができる。
【0063】
以上、本発明のボイラ装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、パージ弁検出部41を構成するパージ弁全開側スイッチ85及びパージ弁全閉側スイッチ86のうち、いずれかのリミットスイッチを省略したり、パージ弁検出部41を省略して制御を簡素化したりすることも可能である。また、リミットスイッチではない他の検出手段によって燃料弁21やパージ弁22の開閉状態を検出する構成としてもよい。このように、燃料弁21及びパージ弁22の開閉状態を検出する構成は、事情に応じて適宜変更することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、燃料弁21が全閉であればエアパージが実行されるように制御されているが、燃料弁21が全閉であり、かつ、パージ弁22が全開であることを条件としてエアパージ制御を開始する制御とすることもできる。
【0065】
また、上記実施形態では、S206の異常報知の処理後、パージ停止信号を受信した場合にエアパージを終了する制御を行っているが、S206の異常報知の処理後にパージ弁22が全開状態あることを検出した場合は、S204のエアパージ実行時間をカウントする処理に移行する制御としてもよい。また、上記実施形態では、エアパージ制御において、パージ弁22が全開状態ではない場合は、報知部92によって異常を報知しているが(S206)、この異常報知を行う処理を省略する構成としてもよい。この構成では、S203の処理で、パージ弁22が全開状態ではない場合は、S206の処理を行うことなく、S207のパージ停止信号を待機する処理に進む制御となる。
【0066】
また、燃料弁21及びパージ弁22等にモータバルブを採用し、燃料弁21及びパージ弁22の開閉動作を制御部91の制御信号に基づいて行うように構成することもできる。
【0067】
また、上記実施形態では、報知部92は、ランプとブザーによって構成されているが、表示ディスプレイ等で構成される表示部に異常の内容を表示させたり、スピーカの音声による案内によって異常を報知する構成に変更することもできる。