特許第6520752号(P6520752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6520752
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】物品搬送装置及び物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20190520BHJP
   B65G 1/14 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   B65G1/04 505A
   B65G1/14 B
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-29208(P2016-29208)
(22)【出願日】2016年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-145117(P2017-145117A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】江本 旭
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−300608(JP,A)
【文献】 特開平07−061517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持する支持部を備えた移動体と、前記移動体を移動させる第1駆動部と、を備えている物品搬送装置であって、
前記移動体は、前記支持部と物品を移載する対象である移載対象部とが並んだ状態で前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させる移載機構と、前記移載機構が物品を移動させるときに当該物品を案内する案内部材と、を備え、
前記移載機構が前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させるときに前記移動体を停止させる位置を目標停止位置とし、上下方向に見て前記移動体が前記目標停止位置に位置した状態において前記移動体と前記移載対象部とが並ぶ方向を前後方向とし、上下方向に見て前記前後方向に対して交差する方向を横方向として、
前記支持部は、前記横方向に複数の物品を並べた状態で支持し、
前記支持部に支持される複数の物品で構成される物品群を、第1物品群として、
前記案内部材は、前記横方向における前記第1物品群の両外側にのみ設けられ、
前記移載機構は、前記第1物品群の一部である移載対象物品を前記前後方向に移動させて前記移載対象物品を前記支持部から前記移載対象部に移動させる場合に、前記移載対象物品の前記横方向の一方側の案内を、前記案内部材又は前記第1物品群における前記移載対象物品以外の物品で行い、前記移載対象物品の前記横方向の他方側の案内を前記第1物品群における前記移載対象物品以外の物品で行う物品搬送装置。
【請求項2】
物品を収納する収納部を上下方向に並設した収納棚と、請求項1記載の物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備であって、
複数の前記収納部の夫々は、前記移載対象部に相当する収納領域を前記横方向に並べて複数備えて複数の物品を前記横方向に並べた状態で収納可能に構成されるとともに、前記移載機構が物品を移動させるときに当該物品に前記横方向から当接して当該物品を前記前後方向に案内する第2案内部材を備え、
前記第2案内部材は、前記移動体が前記目標停止位置に位置する状態で前記移動体に備えられた前記案内部材よりも、前記前後方向における前記収納部側に配置され、且つ、前記収納部に収納される複数の物品で構成される第2物品群の前記横方向における両外側にのみ設けられている物品搬送設備。
【請求項3】
前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部と、前記係止部を前記前後方向に案内する第1案内部と、前記係止部を前記前後方向に移動させる第2駆動部と、を備えて、前記移動体が前記目標停止位置に停止した状態で前記第2駆動部にて前記係止部を前記前後方向に移動させて、前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させ、
前記移動体は、一対の前記案内部材の前記横方向の間隔を、第1間隔とこの第1間隔より前記横方向の間隔が広い第2間隔とに変更する第3駆動部を備え、
前記物品搬送装置は、前記第2駆動部及び前記第3駆動部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、物品を前記支持部から前記収納部に移動させる場合において、前記第1間隔で前記係止部の移動を開始させて物品の移動を開始し、物品の前記移載対象部への移動が完了する前で且つ物品の先端が前記第2案内部材の前後幅内に位置しているときに一対の前記案内部材の間隔を前記第1間隔から前記第2間隔に切り換えるように、前記第2駆動部と前記第3駆動部とを制御する請求項2記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部と、前記係止部を前記前後方向に案内する第1案内部と、前記係止部を前記前後方向に移動させる第2駆動部と、を備えて、前記移動体が前記目標停止位置に停止した状態で前記第2駆動部にて前記係止部を前記前後方向に移動させて、前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させ、
前記第1物品群及び前記第2物品群は、前記横方向に並ぶ2つの物品であり、
前記移載機構は、前記係止部を前記第1物品群における2つの物品の夫々に対応して一対備え、前記第1物品群を構成する2つの物品を前記支持部から前記移載対象部に移動させる場合は、前記第2駆動部にて一対の前記係止部を一体的に移動させることで、2つの物品の前記横方向の一方側及び他方側の双方の案内を前記案内部材で行って、前記支持部に支持される2つの物品を纏めて前記移載対象部に移動させる請求項2又は3記載の物品搬送設備。
【請求項5】
物品は、前記支持部に支持された状態で前記前後方向の一方側の端部と他方側の端部との少なくとも一方の端部が先端側に向かうに従って前記横方向の幅が狭くなる形状に形成されている請求項2から4の何れか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部を備え、
物品は、前記支持部に支持された状態で前記前後方向における前記収納棚が存在する方向とは反対側の端部に、前記係止部が係止する被係止部を備え、
前記係止部は、少なくとも前記被係止部に係止する部分が上下方向に延びる丸棒状に形成されている請求項2から5の何れか1項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を支持する支持部を備えた移動体と、前記移動体を移動させる第1駆動部と、を備えている物品搬送装置、及び、その物品搬送装置を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送装置の従来例が、特開2003−300608号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の物品搬送装置では、移動体(移載装置)に、受け板とピッキングユニットと可動フレームとを備え、受け板で物品を支持し、ピッキングユニットにて物品を移動させるときに、一対の可動フレームにて物品を案内するように構成されている。
また、特許文献1の物品搬送装置では、上述の受け板とピッキングユニットと可動フレームとを4組備えており、移動体に備えられた複数の受け板により、横方向に4つの物品を並べた状態で支持している。そして、ピッキングユニットが4つの物品のうちの1つを移動させるときは、その移動させる物品に対して横方向の両側に位置する一対の可動フレームにて物品の案内が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−300608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した物品搬送装置では、移載機構が複数の物品のうちの一部の物品を移動させるときは、その移動させる物品に対して横方向の両側に位置する一対の案内部材にて物品の案内が行われるため、移載機構にて物品を移動させるときに前後方向に物品が適切に移動できるようになっている。
しかし、特許文献1の物品搬送装置では、支持部に複数の物品を横方向に並べた状態で支持することで、支持部により支持する複数の物品に対応して一対の案内部材を横方向に複数組並べて設ける必要があり、移動体が横方向に大型になり易い。そのために、移動体の横方向でのコンパクト化が求められている。
【0005】
そこで、移載機構による物品の移動を適切に行うことができながら移動体の横方向でのコンパクト化を図ることができる物品搬送装置及び物品搬送装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品搬送装置の特徴構成は、物品を支持する支持部を備えた移動体と、前記移動体を移動させる第1駆動部と、を備えている物品搬送装置において、
前記移動体は、前記支持部と物品を移載する対象である移載対象部とが並んだ状態で前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させる移載機構と、前記移載機構が物品を移動させるときに当該物品を案内する案内部材と、を備え、前記移載機構が前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させるときに前記移動体を停止させる位置を目標停止位置とし、上下方向に見て前記移動体が前記目標停止位置に位置した状態において前記移動体と前記移載対象部とが並ぶ方向を前後方向とし、上下方向に見て前記前後方向に対して交差する方向を横方向として、前記支持部は、前記横方向に複数の物品を並べた状態で支持し、前記支持部に支持される複数の物品で構成される物品群を、第1物品群として、前記案内部材は、前記横方向における前記第1物品群の両外側にのみ設けられ、前記移載機構は、前記第1物品群の一部である移載対象物品を前記前後方向に移動させて前記移載対象物品を前記支持部から前記移載対象部に移動させる場合に、前記移載対象物品の前記横方向の一方側の案内を、前記案内部材又は前記第1物品群における前記移載対象物品以外の物品で行い、前記移載対象物品の前記横方向の他方側の案内を前記第1物品群における前記移載対象物品以外の物品で行う点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、第1物品群が、横方向に並ぶ2つの物品にて構成される場合において、移載機構が、第1物品群の1つの物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合は、移載対象物品の横方向の一方側の案内は案内部材で行われ、移載対象物品の横方向の他方側の案内は第1物品群における移載対象物品以外の物品、つまりは、移載対象でない残り1つの物品で行われる。このように、移載対象物品の横方向の両側が案内部材と移載対象物品ではない1つの物品とで案内されるため、移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
また、第1物品群が、横方向に並ぶ3つの物品にて構成される場合において、移載機構が、第1物品群の横方向に並ぶ3つの物品のうちの中央に位置する物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合は、移載対象物品の横方向の一方側の案内及び他方側の案内が第1物品群における移載対象物品以外の物品、つまりは、移載対象物品の両側に位置する物品で行われる。このように、移載対象物品の横方向の両側が移載対象物品ではない2つの物品で案内されるため、移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
尚、第1物品群が横方向に並ぶ3つの物品にて構成される場合において、移載機構が、第1物品群の横方向に並ぶ3つの物品のうちの端に位置する物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合は、横方向に並ぶ2つの物品にて構成される場合において移載機構が、第1物品群の一部である1つの物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合と同様に、移載対象物品の横方向の両側が案内部材と他の1つの物品とで案内される。
【0008】
そして、移載装置にて第1物品群の一部の物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合に、第1物品群における移載対象物品以外の物品を移載対象物品の案内に用いることで、案内部材を、第1物品群を構成する物品同士の間に設けなくても、移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
すなわち、案内部材を、第1物品群を構成する物品同士の間に設けずに済むため、第1物品群を構成する物品同士を横方向に密接させた状態で支持部に支持させることができる。よって、支持部の横幅をコンパクトに構成でき、その結果、支持部を備える移動体を横方向にコンパクトに構成できる。
このように、移載機構による物品の移動を適切に行えながら移動体を横方向にコンパクトに構成できる。
【0009】
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を収納する収納部を上下方向に並設した収納棚と、請求項1記載の物品搬送装置と、を備えた物品搬送設備において、
複数の前記収納部の夫々は、前記移載対象部に相当する収納領域を前記横方向に並べて複数備えて複数の物品を前記横方向に並べた状態で収納可能に構成されるとともに、前記移載機構が物品を移動させるときに当該物品に前記横方向から当接して当該物品を前記前後方向に案内する第2案内部材を備え、前記第2案内部材は、前記移動体が前記目標停止位置に位置する状態で前記移動体に備えられた前記案内部材よりも、前記前後方向における前記収納部側に配置され、且つ、前記収納部に収納される複数の物品で構成される第2物品群の前記横方向における両外側にのみ設けられている点にある。
【0010】
この構成によれば、第2物品群が、横方向に並ぶ2つの物品にて構成されており、収納部に収納領域が横方向に2つ備えられている場合において、移載機構が、横方向に並ぶ2つの収納領域の一方の収納領域に移載対象物品を移動させる場合は、移載対象物品の横方向の一方側の案内は第2案内部材で行われ、移載対象物品の横方向の他方側の案内は他の収納領域に収納されている物品で行われる。このように、前後方向において案内部材が設けられている箇所よりも収納部側において、移載対象物品の横方向の両側が、案内部材と収納部に既に収納されている物品とで案内されるため、移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
また、第2物品群が、横方向に並ぶ3つの物品にて構成されており、収納部に収納領域が横方向に3つ備えられている場合において、移載機構が、横方向に並ぶ3つの収納領域のうちの中央に位置する収納領域に移載対象物品を移動させる場合は、移載対象物品の横方向の一方側の案内及び他方側の案内が他の収納領域に収納されている物品で行われる。このように、前後方向において案内部材が設けられている箇所よりも収納部側において、移載対象物品の横方向の両側が収納部に既に収納されている物品で案内されるため、移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
【0011】
そして、移載装置にて収納部の複数の収納領域の一部に移載対象物品を移動させる場合に、収納部に既に収納されている物品を移載対象物品の案内に用いることで、第2案内部材を、横方向における第2物品群の両外側にのみ設けても、移載対象物品を支持部から収納領域に適切に移載できる。
そして、第2案内部材は、第2物品群を構成する物品同士の間に設けていないため、第2物品群を横方向に密接させた状態で収納部に収納させることができる。よって、収納部の横幅をコンパクトに構成でき、その結果、収納部を備える収納棚を横方向にコンパクトに構成できる。
【0012】
ここで、前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部と、前記係止部を前記前後方向に案内する第1案内部と、前記係止部を前記前後方向に移動させる第2駆動部と、を備えて、前記移動体が前記目標停止位置に停止した状態で前記第2駆動部にて前記係止部を前記前後方向に移動させて、前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させ、前記移動体は、一対の前記案内部材の前記横方向の間隔を、第1間隔とこの第1間隔より前記横方向の間隔が広い第2間隔とに変更する第3駆動部を備え、前記物品搬送装置は、前記第2駆動部及び前記第3駆動部を制御する制御部を備え、前記制御部は、物品を前記支持部から前記収納部に移動させる場合において、前記第1間隔で前記係止部の移動を開始させて物品の移動を開始し、物品の前記移載対象部への移動が完了する前で且つ物品の先端が前記第2案内部材の前後幅内に位置しているときに前記案内部材の間隔を前記第1間隔から前記第2間隔に切り換えるように、前記第2駆動部と前記第3駆動部とを制御すると好適である。
【0013】
この構成によれば、物品を支持部から収納部に移載させる場合において、一対の案内部材を幅狭間隔で係止部の移動を開始させて物品の移動を開始するため、移載対象物品を案内部材にて案内できるとともに、移載対象物品の案内に用いる第1物品群の他の物品が横方向にずれることを規制できる。
また、物品の移載対象部への移動が完了する前で且つ物品の先端が第2案内部材の前後幅内に位置しているときに一対の案内部材の間隔を第1間隔から第2間隔に切り換えるため、案内部材による案内や第1物品群の他の物品の横ずれの規制が適切に行われない状態となるが、この状態では既に物品の先端が第2案内部材の前後幅内に位置しているため、移載対象物品を第2案内部材にて案内できる。
【0014】
そして、例えば、案内部材と第2案内部材との配置が前後方向に対して揃っていないために、案内部材が移載対象物品を案内する方向と第2案内部材が案内する方向とが異なる場合がある。このような場合でも、物品の移載対象部への移動が完了する前で且つ物品の先端が第2案内部材の前後幅内に位置しているときに一対の案内部材の間隔を第1間隔から第2間隔に切り換えるために、移載対象物品の収納部側の部分が第2案内部材にて案内され、移載対象物品の収納部側とは反対側の部分の横方向への移動が許容されるため、物品の破損を回避できる。
【0015】
また、前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部と、前記係止部を前記前後方向に案内する第1案内部と、前記係止部を前記前後方向に移動させる第2駆動部と、を備えて、前記移動体が前記目標停止位置に停止した状態で前記第2駆動部にて前記係止部を前記前後方向に移動させて、前記支持部と前記移載対象部との間で物品を移動させ、前記第1物品群及び前記第2物品群は、前記横方向に並ぶ2つの物品であり、前記移載機構は、前記係止部を前記第1物品群における2つの物品の夫々に対応して一対備え、前記第1物品群を構成する2つの物品を前記支持部から前記移載対象部に移動させる場合に、前記第2駆動部にて一対の前記係止部を一体的に移動させることで、2つの物品の前記横方向の一方側及び他方側の双方の案内を前記案内部材で行って、前記支持部に支持される2つの物品を纏めて前記移載対象部に移動させると好適である。
【0016】
この構成によれば、第2駆動部にて一対の前記係止部の一方を移動させることで、第1物品群を構成する2つの物品の一方のみを移載対象物品として、その移載対象物品(1つの物品)を支持部から移載対象部に移動させることができる。また、第2駆動部にて一対の前記係止部の双方を一体的に移動させることで、第1物品群を構成する2つの物品の双方を移載対象物品として、それらの移載対象物品(2つの物品)を支持部から移載対象部に移動させることができる。
そして、移載機構が、第1物品群を構成する2つの物品を移載対象物品として支持部から移載対象部に移動させる場合は、移載対象物品の横方向の一方側及び他方側の案内が案内部材及び第2案内部材で行われる。このように、移載対象物品の横方向の両側が案内部材及び第2案内部材で案内されるため、第1物品群を構成する全ての物品を纏めて移動させる場合でも移載対象物品を支持部から移載対象部に適切に移載できる。
【0017】
また、物品は、前記支持部に支持された状態で前記前後方向の一方側の端部と他方側の端部との少なくとも一方の端部が先端側に向かうに従って前記横方向の幅が狭くなる形状に形成されていると好適である。
【0018】
この構成によれば、移載機構が、収納部の収納領域に移載対象物品を移動させる場合に、移載対象物品の収納部側の端部と、収納部に既に収納されている物品の移載装置側の端部と、のうちの少なくとも一方が、先端側に向かうに従って横方向の幅が狭くなる形状となっている。そのため、移載機構と収納部とが相対的に横方向にずれていたとしても、移載対象物品を、第2案内部材と収納部に既に収納されている物品との間や、収納部に既に収納されている物品同士の間に移動させ易い。
【0019】
また、前記移載機構は、物品に対して前記前後方向に係止させる係止部を備え、物品は、前記支持部に支持された状態で前記前後方向における前記収納棚が存在する方向とは反対側の端部に、前記係止部が係止する被係止部を備え、前記係止部は、少なくとも前記被係止部に係止する部分が上下方向に延びる丸棒状に形成されていると好適である。
【0020】
この構成によれば、例えば、上下方向に見て、移載機構における係止部の移動方向に対して収納棚が傾いているために、移載機構の係止部が移動することで移載対象物品が移動する方向と、収納棚の第2案内部材にて移載対象物品を案内する方向とがずれている場合がある。このような場合でも、物品の被係止部は、係止部の丸棒状の部分に係止しているため、物品は、係止部を中心に揺動し易く、物品が、係止部を中心に揺動することで、物品の姿勢が第2案内部材に適した姿勢に姿勢変更し易くなり、物品が第2案内部材にて案内されるときの物品の破損を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】収納棚を斜め前方から見た斜視図
図3】サーバを斜め上方から見た斜視図
図4】サーバを斜め下方から見た斜視図
図5】ロック機構の斜視図
図6】ロック機構の側面図
図7】ロック機構の正面図
図8】収納部の平面図
図9】スタッカークレーンの側面図
図10】昇降体の側面図
図11】昇降体の正面図
図12】物品移載装置の平面図
図13】制御ブロック図
図14】物品移載装置により2つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図15】物品移載装置により2つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図16】物品移載装置により2つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図17】物品移載装置により2つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図18】物品移載装置により1つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図19】物品移載装置により1つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図20】物品移載装置により1つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図21】物品移載装置により1つのサーバを収納又は取り出すときの作用図
図22】別実施形態6における係止部と被係止部との正面図
図23】別実施形態6における移載装置に対してサーバが傾いた状態を示す平面図
図24】別実施形態7における物品移載装置により2つのダミー物品を収納又は取り出すときの作用図
図25】別実施形態7における物品移載装置により1つのダミー物品と1つのサーバとを収納又は取り出すときの作用図
図26】別実施形態7における物品移載装置により1つのダミー物品を収納又は取り出すときの作用図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる物品搬送装置を備えた物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、物品1を搬送する物品搬送装置としてのスタッカークレーン2と、物品1を収納する収納部3を上下方向Yに並設した収納棚4と、出庫コンベヤ5及び入庫コンベヤ6と、が備えられている。収納棚4は、横方向Xに複数並設されており、スタッカークレーン2は、並設された収納棚4に沿って横方向Xに移動する。
尚、上下方向Yに見てスタッカークレーン2が走行する方向が横方向Xであり、上下方向Yに見て横方向Xに対して直交する方向を前後方向Zとして説明する。また、図2に示すように、前後方向Zについて、スタッカークレーン2が走行する走行経路を中心に、走行経路に対して収納棚4が存在する方向を後方向Z1、その反対方向を前方向Z2として説明する。
【0023】
本実施形態の物品搬送設備は、物品1を収納した収納済みの収納棚4が設置される。そして、収納棚4に収納されている物品1に故障等が生じて交換する必要がある場合は、スタッカークレーン2にて当該交換対象の物品1を収納部3から取り出して当該交換対象の物品1を出庫コンベヤ5に搬送し、入庫コンベヤ6にて入庫された新たな物品1をスタッカークレーン2にて収納部3(交換対象の物品1が取り出された収納部3)に搬送する。
【0024】
〔物品〕
本実施形態では、物品1としてのサーバ1sが収納棚4に収納されるとともにスタッカークレーン2にて搬送される。また、物品搬送設備には、物品1として上下方向Yに見た形状がサーバ1sと同じ形状に形成されているダミー物品1d(図18等参照)がある。尚、本実施形態では、スタッカークレーン2にて、サーバ1sを2つ纏めて搬送する場合と、サーバ1sとダミー物品1dとを纏めて搬送する場合と、があるが、サーバ1sは収納部3に収納されるのに対して、ダミー物品1dは収納部3に収納されない。
次に、サーバ1sについて説明するが、収納部3に収納されたサーバ1sの姿勢に基づいてサーバ1sの前後方向Z及び横方向Xを特定して説明する。
【0025】
図2に示すように、サーバ1sは、前後方向Zの幅が横方向Xの幅より幅広に形成されており、サーバ1sの長辺が前後方向に沿う姿勢で、収納棚4に収納される。
図3及び図4に示すように、サーバ1sは、筺体8と、CPUやメモリやハードディスク等が実装された基板(図示せず)と、を備えている。筺体8は、底面部9と底面部9から垂直に立設された壁部10とで形成されており、筺体8は、上方及び後方が開口する箱状に形成されている。基板は底面部9上に固定されている。
【0026】
底面部9は、後方側の後端部9aと、この後端部9aより前方向Z2側の部分である前部9bと、で構成されている。
前部9bは、上下方向Yに見た形状が矩形状に形成されている。後端部9aは、前部9bより横方向Xの幅が狭い矩形状に形成された矩形部分と、この矩形部分と前部9bとの間に位置して上下方向Yに見て後方向Z1側ほど横方向Xの幅が狭いテーパ形状に形成されたテーパ部分と、を備えている。このように、底面部9の後端部9aが形成されることで、物品1の後方側の端部が先端側ほど横方向Xの幅が狭くなる形状に形成されている。
本実施形態では、物品1の後方側の端部における一部をテーパ形状に形成したが、物品1の後方側の端部における全部をテーパ形状にしてもよい。
【0027】
壁部10として、横方向Xの端部に位置して前後方向に延びる横壁部10aと、前方向Z2の端部に位置して横方向Xに延びる前壁部10bと、が備えられている。
サーバ1sには、位置決め用の棒状の第1係合部11及び第2係合部12と、ロック機構13と、被係止部16と、が備えられている。図3に示すように、第1係合部11は、物品1の後方側の端部に底面部9から上方に突出するように配置されており、図4に示すように、第2係合部12は、物品1の前方側の端部に底面部9から下方に突出するように配置されている。被係止部16は、物品1の前壁部10bにおける前面に配置されており、上下方向Yに見てU字状に形成されている。この被係止部16は、当該被係止部16と前壁部10bとの間に、後述する移載機構32の係止部37が上方から係止可能に構成されている。また、被係止部16は、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央より一方側の部分と他方側の部分との夫々に配置されており、物品1には一対の被係止部16が備えられている。
【0028】
図5図7に示すように、ロック機構13は、物品1の前方側の端部に配置されている。
ロック機構13は、板バネにて構成された係合体14と、前後方向に沿う軸心周りに揺動する揺動体15と、で構成されている。
係合体14は、底面部9の上面に固定された固定部14aと、揺動体15にて上方に操作される当接部14bと、底面部9の上下方向Yに貫通する孔から下方に突出する第3係合部14cと、を備えている。揺動体15は、長手方向の中間部が前後方向に沿う軸心周りに揺動自在に前壁部10bに連結されており、揺動体15における長手方向の一端部が、前壁部10bの前後方向Zに貫通する孔から前方に突出している。この揺動体15における前壁部10bから突出している部分により被操作部15aが形成されている。この被操作部15aは、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央部から前方に突出している。
【0029】
ロック機構13は、図5図7に示すように、被操作部15aが操作されていない状態では、第3係合部14cが底面部9から下方に突出しているロック状態となっている。そして、ロック機構13は、図7に示す状態から操作部38が下方に移動して、被操作部15aが下方に押し操作されることで、揺動体15における長手方向の他端部が当接部14bを上方に押し上げられ、これにより、被係合部15bが底面部9から下方に突出しないロック解除状態に切り換えられる。また、ロック機構13は、被操作部15aに対する押し操作が解除されるに伴って板バネの復元力によりロック解除状態からロック状態に切り換わる。
【0030】
〔収納棚〕
収納棚4は、棚構成体17と棚板20とで構成されている。棚構成体17は、フレーム材にて枠組形成された基枠18と平板状の板材19とで構成されている。そして、棚構成体17内に形成される収納空間を複数の棚板20にて上下方向Yに並ぶ複数の空間に仕切ることで、上下方向Yに並ぶ複数の収納部3が収納棚4に形成されている。
ちなみに、最上段の収納部3は、棚構成体17における収納空間の上方を覆う部分と、複数の棚板20における最も上に位置する棚板20と、の間に形成されている。また、最下段の収納部3は、棚構成体17における収納空間の下方を覆う部分と、複数の棚板20における最も下に位置する棚板20と、の間に形成されている。
【0031】
図8に示すように、収納棚4に備えられている複数の収納部3の夫々は、収納領域Eを横方向Xに並べて複数備えて複数の物品1を横方向Xに並べた状態で収納可能に構成されている。
具体的には、棚構成体17における収納空間の両横側方を覆う一対の側壁17aの間隔が、物品1の横幅(前部9bの横方向Xの幅)の2倍より数ミリ程度大きな間隔となっている。
また、上下方向Yに隣接する一対の棚板20の上下方向Yの間隔は、物品1における最も上下幅が大きな部分より数ミリ程度大きな間隔となっており、物品1は、その下面が棚板20の上面にて下方から支持された状態で収納されている。
【0032】
複数の収納部3の夫々は、収納領域Eを横方向Xに並べて一対備えて一対の物品1を横方向Xに並べた状態で収納可能に構成されている。また、一対の側壁17aは、後述の移載機構32にて物品1を移動するときに当該物品1に横方向Xから当接して当該物品1を前後方向に案内する第2案内部材24として機能するものであり、このように一対の収納部3の夫々に第2案内部材24が備えられている。
そして、このように備えられた第2案内部材24は、昇降体28が目標停止位置に位置する状態で昇降体28に備えられた案内部材33よりも、前後方向Zにおける後方向Z1側(収納部3側)に配置され、収納部3に収納される2つの物品1で構成される第2物品群の横方向Xにおける両外側にのみ設けられている。
尚、昇降体28の目標停止位置は、支持部31と収納部3の収納領域Eとの間で物品1を移動させるときに昇降体28を停止させる位置である。また、昇降体28が目標停止位置に位置した状態においては、昇降体28と収納領域Eとは前後方向Zに並んでいる。
【0033】
棚板20の後方側の端部には、第1被係合部21が備えられており、収納部3の収納領域Eに物品1を収納したときに、当該物品1の第1係合部11が第1被係合部21に係合する。また、棚板20の前方側の端部には、第2被係合部22が備えられており、収納部3の収納領域Eに物品1を収納したときに、当該物品1の第2係合部12が第2被係合部22に係合する。
棚板20の前方側の端部には、第3被係合部23が備えられており、収納部3の収納領域Eに物品1が収納されている状態で当該物品1のロック機構13をロック状態に切り換えることで、ロック機構13の第3係合部14cが第3被係合部23に係合する。
尚、棚構成体17における収納空間の下方を覆う部分には、棚板20と同様に、第1被係合部21、第2被係合部22及び第3被係合部23が備えられている。
【0034】
収納棚4は、スタッカークレーン2の走行経路に対して前後方向の両側に設置されており、収納領域Eは、目標停止位置に停止した移動体に対して前後方向の両側に設置されている。収納領域Eが、移載対象部に相当する。
【0035】
〔スタッカークレーン〕
図1及び図9に示すように、スタッカークレーン2には、物品1を下方から支持する支持部31を備えた昇降体28と、昇降体28を移動させる駆動部として走行駆動部である第1モータM1(図13参照)及び昇降駆動部である第2モータM2(図13参照)と、が備えられている。
説明を加えると、スタッカークレーン2には、走行経路に沿って走行する走行部としての走行台車26と、走行台車26に立設された第2案内部としての支柱27と、支柱27に沿って上下方向Yに移動する昇降体28と、走行台車26を走行させる第1モータM1と、昇降体28を支柱27に沿って上下方向Yに移動させる第2モータM2と、が備えられている。そして、第1モータM1の駆動により走行台車26が走行して昇降体28が横方向Xに移動し、第2モータM2の駆動により昇降体28が上下方向Yに移動する。
このように、第1モータM1及び第2モータM2の駆動により、昇降体28が横方向X及び上下方向Yに移動するように構成されており、この昇降体28が上下方向Y及び横方向Xに移動する移動体に相当する。また、第1モータM1と第2モータM2とが、移動体を移動させる第1駆動部に相当する。
【0036】
走行台車26は、一対の案内レール25上を横方向Xに沿って走行する。一対の案内レール25は、横方向Xに延びる状態で且つ前後方向Zに互いに並ぶ状態で配置されている。支柱27は、走行台車26に立設されて昇降体28を上下方向Yに案内する。
【0037】
図10図12に示すように、昇降体28は、支持部31と移載機構32と案内部材33とを備えている。
支持部31は、横方向Xに並ぶ一対の支持体31aを、横方向Xに2組並設して構成されている。一対の支持体31aにて1つの物品1を下方から支持するように構成されている。つまり、支持部31は、一対の支持体31aを横方向Xに2組並設することで、横方向Xに2つの物品1を並べた状態で支持する。この支持部31にて支持される複数の物品1を第1物品群と称する。また、収納棚4の棚板20にて支持される2つの物品1を第2物品群と称する。第1物品群及び第2物品群は、横方向Xに並ぶ2つの物品1である。
【0038】
移載機構32は、支持部31と物品1を移載する対象である移載対象部とが前後方向Zに並んだ状態で支持部31と移載対象部との間で物品1を移動させる。移載機構32は、前後方向Zに出退自在なフォーク装置35と、フォーク装置35のプライマリフォーク35aに前後方向Zに移動自在に支持されたスライド体36と、スライド体36に支持されて物品1に対して前後方向に係止させる係止部37と、スライド体36に支持されて物品1のロック機構13をロック状態からロック解除状態に切り換えるための操作部38と、を備えている。また、移載機構32は、フォーク装置35を出退させる出退駆動部である第3モータM3と、フォーク装置35の出退に連動してスライド体36を前後方向Zに移動させる連動機構(図示せず)と、支持部31に対してフォーク装置35を上下方向Yに移動させて係止部37及び操作部38を上下方向Yに移動させる第4モータM4と、を備えている。
【0039】
このように、移載機構32には係止部37とフォーク装置35とが備えられている。フォーク装置35(詳しくはプライマリフォーク35aやフォーク基部35b)が、係止部37を前後方向に案内する第1案内部に相当し、第3モータM3が、係止部37を前後方向Zに移動させる第2駆動部に相当する。そして、移載機構32は、昇降体28が目標停止位置に位置する状態で第3モータM3にて係止部37を前後方向Zに移動させることにより、支持部31と移載対象部との間で物品1を移動させる。係止部37は、一対の係止体37aにて構成されており、この一対の係止体37aは、1つの物品1に備えられている一対の被係止部16に各別に同時に係止する。係止部37(一対の係止体37aの夫々)は、上下方向Y及び横方向Xに延びる板状に形成されている。操作部38は、係止部37と同様に、上下方向Y及び横方向Xに延びる板状に形成されている。この操作部38は、横方向Xにおいて一対の係止体37aの間に備えられている。
【0040】
第3モータM3の駆動により、プライマリフォーク35aがフォーク基部35bに対して前後方向Zに移動してフォーク装置35が前後方向Zに出退する。また、このフォーク装置35の出退に連動して、プライマリフォーク35aが後方向Z1に突出するに伴って、スライド体36がプライマリフォーク35aの後方向Z1の端部に移動し、プライマリフォーク35aが前方向Z2に引退するに伴って、スライド体36がプライマリフォーク35aの前方向Z2の端部に移動するように構成されている。尚、第3モータM3が、係止部37を前後方向Zに移動させる第2駆動部に相当する。
第4モータM4の駆動により、フォーク装置35が支持部31に対して上下方向Yに移動する。このフォーク装置35の上下方向Yの移動により、係止部37が物品1の被係止部16に係止される高さである第1高さと、係止部37が被係止部16から離脱して上方に退避した際の高さである第2高さと、に係止部37を移動させる。
【0041】
移載機構32は、昇降体28が目標停止位置に停止した状態で第3モータM3にて係止部37を前後方向に移動させて、支持部31と収納部3の収納領域Eとの間で物品1を移動させる。
説明を加えると、移載機構32は、収納部3の収納領域Eから支持部31に物品1を移動させる場合は、昇降体28が目標停止位置に停止した状態で、係止部37を第2高さに上昇させた状態でフォーク装置35を引退状態から後方向Z1に突出させて、係止部37を前後方向Zで物品1の被係止部16と前壁部10bとの間に位置させる。その後、フォーク装置35を下降させて係止部37を第1高さに下降させて係止部37を物品1に係止させた後、フォーク装置35を引退状態に引退させる。このようにフォーク装置35を下降させることで、操作部38にて被操作部15aが下方に押し操作されてロック機構13がロック状態からロック解除状態に切り換えられ、その後、係止部37が前方向Z2に移動することで当該係止部37にて物品1の被係止部16が引き操作されて物品1が後方向Z1に移動する。このようにして、物品1が収納部3の収納領域Eから支持部31に移動する。
また、移載機構32は、支持部31から収納部3の収納領域Eに物品1を移動させる場合は、昇降体28が目標停止位置に停止した状態で、支持部31に支持されている物品1に係止部37が係止している状態で、フォーク装置35を引退状態から後方向Z1に突出させる。これにより、係止部37にて物品1の前壁部10bが押し操作されて物品1が後方向Z1に移動し、支持部31から収納部3の収納領域Eに物品1が移動される。その後、フォーク装置35を上昇させて係止部37を第2高さに上昇させて物品1から係止部37を離脱させた後、フォーク装置35を引退状態に引退させる。このようにフォーク装置35を上昇させることで、操作部38による被操作部15aの下方への押し操作が解除されてロック機構13がロック解除状態からロック状態に切り換えられる。
【0042】
移載機構32は、フォーク装置35とスライド体36と係止部37と操作部38との組を、第1物品群の物品1の数(本実施形態では2つ)に合わせて複数組(本実施形態では2組)備えられており、移載機構32には、第1物品群における2つの物品1の夫々に対応して係止部37が一対備えられている。
移載機構32は、第3モータM3にて一対の係止部37を一体的に移動させることで、支持部31に支持されている2つの物品1を纏めて収納部3の収納領域Eに移動させることができる。このように移載機構32にて2つの物品1を纏めて支持部31から収納部3の収納領域Eに移動させるときは、2つの物品1の横方向Xの一方側及び他方側の双方の案内が一対の案内部材33にて行われる。
また、移載機構32は、第3モータM3にて一対の係止部37の一方を移動させることで、支持部31に支持されている2つの物品1のうちの1つの物品1(第1物品群の一部の物品1)を収納部3の収納領域Eに移動させることができる。このように移載機構32にて1つの物品1を支持部31から収納部3の収納領域Eに移動させるときは、この1つの移載対象の物品1の横方向Xの一方側の案内が案内部材33により行われ、移載対象の物品1の横方向Xの他方側の案内が第1物品群の他の物品1により行われる。
【0043】
1つの物品1を移動させる場合について説明を加えると、上述の如く、支持部31に支持されている2つの物品1のうちの1つの物品1(第1物品群の一部の物品1)を収納部3の収納領域Eに移動させるときは、第1物品群の他の物品1としてダミー物品1dが支持部31に支持されている。要するに、第1物品群は、移載対象の物品1であるサーバ1sと移載対象でないダミー物品1dとで構成されている。
そして、横方向Xにおいて移載対象の物品1に対してダミー物品1dが存在する側を他方側、その反対側を一方側として、移載機構32にて移載対象の物品1を支持部31から収納部3の収納領域Eに移動させるときは、この移載対象の物品1の横方向Xの一方側の案内が案内部材33により行われ、移載対象の物品1の横方向Xの他方側の案内がダミー物品1dにより行われる。
【0044】
また、上述の如く、支持部31に支持されている2つの物品1のうちの1つの物品1(第1物品群の一部の物品1)を収納部3の収納領域Eに移動させるときは、第2物品群の一方が移載対象の物品1となり、第2物品群の他方が既に収納部3に収納されている物品1となる。
そして、横方向Xにおいて移載対象の物品1に対して収納済みの物品1が存在する側を他方側、その反対側を一方側として、移載機構32にて移載対象の物品1を支持部31から収納部3の収納領域Eに移動させるときは、この移載対象の物品1の横方向Xの一方側の案内が側壁17aにより行われ、移載対象の物品1の横方向Xの他方側の案内が収納済みの物品1により行われる。
【0045】
昇降体28には、移載機構32が物品1を移動させるときに当該物品1を前後方向Zに案内する一対の案内部材33と、一対の案内部材33の横方向Xの間隔を第1間隔とこの第1間隔より横方向Xの間隔が広い第2間隔とに変更する第5モータM5と、を備えている。一対の案内部材33の夫々は、横方向Xにおける第1物品群の両外側にのみ設けられている。第5モータM5の駆動により、一対の案内部材33が横方向Xに互いに反対方向に移動して、一対の案内部材33の横方向Xの間隔が、第1物品群の横幅よる僅かに(数ミリ程度)広い間隔である第1間隔とこの第1間隔より横方向Xの間隔が広い第2間隔とに変更される。尚、第2間隔には、一対の案内部材33の双方を互いに離間させるように移動させた間隔(図17に実線で示す一対の案内部材33の間隔)と、一対の案内部材33の一方のみを離間させるように移動させた間隔(図21に実線で示す一対の案内部材33の間隔)と、がある。尚、第5モータM5が、一対の案内部材33の間隔を、第1間隔と第2間隔とに変更する第3駆動部に相当する。また、一対の案内部材33が、移載機構32が物品1を移動させるときに当該物品1に横方向Xから接触して当該物品1を前後方向Zに案内する第3案内部に相当する。
【0046】
昇降体28は、連結部41と揺動部42と揺動機構43とスライド機構44と回転機構45とを備えている。
支柱27は、走行台車26における横方向Xの一方側の端部に立設されており、連結部41は、支柱27に対して横方向Xの一方側に位置するように支柱27に上下方向Yに移動自在に係合している。このように連結部41が支柱27に係合している昇降体28は、支柱27に対して横方向Xの一方側に位置しており、支持部31を含む物品移載装置30は上下方向Yに見て走行台車26と重ならない位置に配置されている。
【0047】
揺動部42は、前後方向Zに見てL字状に形成されており、揺動部42の上端が前後方向Zに沿う揺動軸心周りに揺動自在に連結部41に連結されている。また、揺動部42は、スライド機構44及び回転機構45を介して支持部31、移載機構32及び案内部材33を支持している。
揺動機構43は、第8モータM8の駆動により連結部41に対して揺動部42を揺動軸心周りに揺動させることで、支持部31と移載機構32と案内部材33とを一体的に揺動させるように構成されている。支持部31と移載機構32と案内部材33とは、揺動機構43やスライド機構44や回転機構45により一体的に移動するものであり、以下、これら支持部31と移載機構32と案内部材33とこれらを連結する部材を纏めて物品移載装置30と称する場合がある。
【0048】
回転機構45は、揺動部42の下方に位置するように揺動部42に支持されており、スライド機構44を上下方向Yに沿う回転軸心周りに回転自在に支持している。スライド機構44は、物品移載装置30を横方向Xに移動自在に支持している。
回転機構45は、第6モータM6の駆動により、揺動部42に対してスライド機構44を回転軸心周りに回転させることで、当該スライド機構44に支持されている物品移載装置30を回転軸心周りに回転させるように構成されている。このように、物品移載装置30を回転軸心周りに回転することで、支持部31と移載機構32と案内部材33とが上下軸心周りに一体的に回転する。
スライド機構44は、第7モータM7の駆動により、揺動部42に対して物品移載装置30を横方向Xに移動させるように構成されている。このように物品移載装置30を横方向Xに移動させることで、支持部31と移載機構32と案内部材33とが一体的に横方向Xに移動する。
【0049】
支持部31は、図11に示すように前後方向Zにおいて一対の案内レール25の間であって且つ図1及び図10に示すように上下方向Yに見て走行台車26と重ならない位置に配置されている。
また、一対の案内部材33は、上下方向Yにおいて支持部31とフォーク装置35及び第3モータM3との間に配置されている。説明を加えると、一対の案内部材33の上端は、支持部31の上端に位置する上面(物品1を載置する面)より上方に位置し且つフォーク装置35及び第3モータM3の下端より下方に位置している。一対の案内部材33の下端は、上下方向Yにおいて支持部31の上端と下端との間に位置している。
連結部41、揺動部42、揺動機構43、スライド機構44、回転機構45及びフォーク装置35は、その全体が支持部31の上端及び支持部31に支持されている物品1の上端より上方に位置している。
【0050】
回転機構45は、第6モータM6にて移載機構32を180度回転させることで、移載機構32にて物品1を移動させる方向を変更することができる。そのため、収納棚4を、スタッカークレーン2の移動経路に対して前後方向Zの両側に設置し、昇降体28に対して前後方向Zの両側に収納部3の収納領域Eが存在していても、移載機構32は、その両側に存在する収納部3の収納領域Eと支持部31との間で物品1を移動させることができる。
【0051】
また、昇降体28には、撮像装置47と測距センサ48とが備えられている。これら撮像装置47や測距センサ48は、フォーク装置35や支持部31と一体的に移動するように物品移載装置30に支持されている。
【0052】
〔制御装置〕
スタッカークレーン2には、走行台車26の走行、昇降体28の昇降及び移載機構32の作動を制御する制御装置Hが備えられている。この制御装置Hは、スタッカークレーン2と一体的に移動するようにスタッカークレーン2に搭載してもよく、また、スタッカークレーン2と一体的に移動しないように床面F上等に設置してもよい。尚、制御装置Hが、第1駆動部及び第2駆動部を制御する制御部に相当する。
【0053】
制御装置Hは、移動制御と移載制御とを実行する。また、制御装置Hは、移動制御の実行が完了した後、移載制御を開始する前に、修正制御を実行する。
移動制御は、昇降体28を目標停止位置に移動させる制御である。移載制御は、支持部31と収納部3の収納領域Eとの間で物品1を移動させる制御であり、移載制御として、双方取出制御と双方収納制御と一方取出制御と一方収納制御とがある。
【0054】
双方取出制御は、図14図16に示すように、収納部3に収納されている一対の物品1(一対のサーバ1s)を収納領域Eから支持部31に移動させる制御である。双方収納制御は、図16図17図15図14の順に示すように、支持部31に支持されている一対の物品1(一対のサーバ1s)を支持部31から収納領域Eに移動させる制御である。一方取出制御は、図18図20に示すように、収納部3に収納されている一対の物品1(一対のサーバ1s)のうちの一方の物品1(サーバ1s)を収納領域Eから支持部31に移動させる制御である。一方収納制御は、図20図21図19図18の順に示すように、支持部31に支持されている一対の物品1(サーバ1sとダミー物品1d)のうちの一方の物品1(サーバ1s)を支持部31から収納領域Eに移動させる制御である。
【0055】
次に、移動制御、移載制御及び修正制御について説明を加えるが、移載対象部を収納部3の収納領域Eとした場合を例に説明し、移載対象部を出庫コンベヤ5や入庫コンベヤ6とした場合については、移載対象箇所を収納部3の収納領域Eとした場合とスタッカークレーン2の動作が同様であるので説明を省略する。
【0056】
制御装置Hには、目標停止位置を示す情報が記憶されている。目標停止位置は、複数の収納棚4の夫々における複数の収納部3の夫々に対して設定されている。この目標停止位置は、収納部3に対しては当該収納部3と支持部31との間で物品1が移載できる昇降体28の停止位置であり、収納部3に対して1つの目標停止位置が設定されている。そして、移動制御では、昇降体28を目標停止位置に移動させるべく第1モータM1及び第2モータM2の作動を制御するとともに、必要に応じて、移載機構32が突出する方向に移載対象の収納部3が存在するように第6モータM6の作動を制御する。
【0057】
修正制御では、撮像装置47にて撮像した撮像情報と測距センサ48にて検出された距離情報とに基づいて物品移載装置30の姿勢を修正するべく、第6モータM6、第7モータM7及び第8モータM8を制御する。
具体的には、修正制御では、撮像装置47にて撮像した撮像情報と測距センサ48にて検出された距離情報とに基づいて、物品移載装置30の姿勢が収納部3に対する適正な姿勢から前後方向に沿う前後軸心周りにずれていると判断した場合に、前後軸心周りの姿勢が適正な姿勢となるように揺動機構43の第8モータM8を制御する。
また、修正制御では、撮像装置47にて撮像した撮像情報と測距センサ48にて検出された距離情報とに基づいて、物品移載装置30の収納部3に対する横方向Xでの位置が適正な位置から横方向Xにずれていると判断した場合に、横方向Xの位置が適正な位置となるようにスライド機構44の第7モータM7を制御する。
また、修正制御では、撮像装置47にて撮像した撮像情報と測距センサ48にて検出された距離情報とに基づいて、物品移載装置30の収納部3に対する上下方向Yでの位置が適正な位置から上下方向Yにずれていると判断した場合に、上下方向Yの位置が適正な位置となるように第2モータM2を制御する。
【0058】
次に、移載制御について説明する。
双方取出制御を開始するときは、図14に示すように、支持部31には物品1は支持されておらず、収納部3に2つのサーバ1sが収納されている。また、一対の案内部材33は第2間隔となっている。
そして、双方取出制御では、図15に示すように、係止部37が収納部3に収納されているサーバ1sの前壁部10bに当接するまで一対のフォーク装置35を突出させた後、その一対のフォーク装置35の係止部37を第1高さから第2高さに下降させて、係止部37をサーバ1sの被係止部16に係止させるとともに操作部38にてロック機構13の被操作部15aを操作してロック機構13をロック状態からロック解除状態に切り換える。その後、図16に示すように、一対のフォーク装置35を引出位置まで引退させて、収納部3に収納されている2つのサーバ1sを纏めて収納部3から支持部31に移動させた後、一対の案内部材33を第2間隔から第1間隔に切り換える。
【0059】
双方収納制御を開始するときは、図16に示すように、支持部31に2つのサーバ1sが支持されており、収納部3にはサーバ1sが収納されていない。また、一対の案内部材33は第1間隔となっている。
そして、双方収納制御では、図15に示すように、収納するサーバ1sの第1係合部11が第1被係合部21に当接するまで一対のフォーク装置35を突出させた後、その一対のフォーク装置35の係止部37を第2高さから第1高さに上昇させて、係止部37をサーバ1sの被係止部16から上方に離脱させるとともに操作部38による被操作部15aの操作を解除してロック機構13をロック解除状態からロック状態に切り換える。また、このように2つのサーバ1sを移動させる途中、具体的には、図17に示すように、移動させているサーバ1sにおける後端部9aの後端と後端部9aの前端との間に、前後方向において側壁17aの前端が位置する状態で、一対の案内部材33を第2間隔から第1間隔に切り換える。その後、図14に示すように、一対のフォーク装置35を基準位置まで引退させる。
【0060】
一方取出制御を開始するときは、図18に示すように、支持部31には1つのダミー物品1dが支持されており、収納部3に2つのサーバ1sが収納されている。また、一対の案内部材33は第2間隔となっている。
そして、一方取出制御では、図19に示すように、係止部37が収納部3に収納されているサーバ1sの前壁部10bに当接するまで一対のフォーク装置35のうちの一方を突出させた後、そのフォーク装置35の係止部37を第1高さから第2高さに下降させて、係止部37をサーバ1sの被係止部16に係止させるとともに操作部38にてロック機構13の被操作部15aを操作してロック機構13をロック状態からロック解除状態に切り換える。その後、図20に示すように、一対のフォーク装置35の双方を引出位置まで引退させて、収納部3に収納されている2つのサーバ1sを纏めて収納部3から支持部31に移動させた後、一対の案内部材33を第2間隔から第1間隔に切り換える。
【0061】
一方収納制御を開始するときは、図20に示すように、支持部31にサーバ1sとダミー物品1dとが支持されており、収納部3には1つのサーバ1sが収納されている。また、一対の案内部材33は第1間隔となっている。
そして、一方収納制御では、図19に示すように、収納するサーバ1sの第1係合部11が第1被係合部21に当接するまで一対のフォーク装置35のうちの一方を突出させた後、その一方のフォーク装置35の係止部37を第2高さから第1高さに上昇させて、係止部37をサーバ1sの被係止部16から上方に離脱させるとともに操作部38による被操作部15aの操作を解除してロック機構13をロック解除状態からロック状態に切り換える。また、このように1つのサーバ1sを移動させる途中、具体的には、図21に示すように、移動させているサーバ1sにおける後端部9aの後端と後端部9aの前端との間に、前後方向において側壁17aの前端が位置する状態で、一対の案内部材33の間隔を第2間隔から第1間隔に切り換える。その後、図18に示すように、一方のフォーク装置35を基準位置まで引退させる。
【0062】
このように、移載機構32が、第1物品群を構成する2つの物品1を移載対象物品として支持部31から収納領域Eに移動させる場合は、移載対象物品の横方向Xの一方側の案内及び他方側の案内が案内部材33で行われる。このように、移載対象物品の横方向Xの両側が案内部材33にて案内されるため、移載対象物品を支持部31から収納領域Eに適切に移載できる。
また、移載機構32が、第1物品群のうちの1つの物品1を移載対象物品として支持部31から収納領域Eに移動させる場合は、移載対象物品の横方向Xの一方側の案内は案内部材33で行われ、移載対象物品の横方向Xの他方側の案内は第1物品群の他の物品1で行われる。このように、移載対象物品の横方向Xの両側が案内部材33と第1物品群の他の物品1とで案内されるため、移載対象物品を支持部31から収納領域Eに適切に移載できる。
【0063】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、複数の収納部の夫々を、横方向に複数の物品を横方向に並べた状態で収納可能に構成したが、複数の収納部の一部又は全てを、単一の物品のみを収納可能に構成してもよい。この場合、移載装置にて移載対象物品を支持部と収納部との間で物品を移動させるときは、移載対象物品の横方向の一方側の案内と他方側の案内との双方が第2案内部材にて案内される。
【0064】
(2)上記実施形態では、物品を支持部から収納部に移動させる場合において、移載対象の物品における後端部の後端と後端部の前端との間に、前後方向において側壁の前端が位置する状態で、一対の案内部材を第1間隔から第2間隔に切り換えたが、移載対象の物品における後端部の前端が、前後方向において側壁の前後幅内に位置する状態で、一対の案内部材を第1間隔から第2間隔に切り換えてもよい。つまり、物品を支持部から収納部に移動させる場合において、第1間隔で係止部の移動を開始させて物品の移動を開始し、物品の移載対象部への移動が完了する前で且つ物品の先端が第2案内部材の前後幅内に位置しているときに一対の案内部材の間隔を第1間隔から第2間隔に切り換えればよい。
また、移載対象物品における後端部の後端が、前後方向において側壁の前後幅内に位置する直前に、一対の案内部材を第1間隔から第2間隔に切り換えてもよく、また、物品の移載対象部への移動が完了するまで第1間隔を維持してもよい。
【0065】
(3)上記実施形態では、物品における前後方向の一方の端部のみを、先端側に向かうに従って横方向の幅が狭くなる形状に形成したが、物品における前後方向の一方の端部と他方の端部との双方を、先端側に向かうに従って横方向の幅が狭くなる形状に形成してもよい。また、物品の上下方向に見た形状を矩形状に形成してもよい。
【0066】
(4)上記実施形態では、第1物品群を横方向に並ぶ2つの物品としたが、第1物品群を横方向に並ぶ3つ以上の物品としてもよい。この場合、支持部は、3つ以上の物品を横方向に並べた状態で支持することになる。
また、第2物品群を横方向に並ぶ2つの物品としたが、第2物品群を横方向に並ぶ3つ以上の物品としてもよい。この場合、収納部には、3つ以上の収納領域が横方向に並ぶ状態で設定されることになる。
【0067】
そして、例えば、第1物品群を横方向に並ぶ3つの物品とした場合において、第1物品群のおける3つの物品における横方向で中央に位置する物品のみを移載対象物品として、その1つの移載対象物品を移載機構にて前後方向に移動させて支持部から収納領域に移動させる場合では、移載機構は、移載対象物品の横方向の一方側の案内を第1物品群の他の物品のうちの一方の物品(移載対象物品に対して一方側に位置する物品)で行い、移載対象物品の横方向の他方側の案内を第1物品群の他の物品のうちの他方の物品(移載対象物品に対して他方側に位置する物品)で行って、移載対象物品を前後方向に移動させる。
【0068】
(5)上記実施形態では、収納部を上下方向及び横方向に複数並設したが、収納部を上下方向のみ又は横方向のみに複数並設してもよい。
また、上記実施形態では、物品をサーバ及びダミー物品としたが、物品は適宜変更してもよく、例えば、荷を支持するパレットや荷を収納するコンテナ等でもよい。
【0069】
(6)上記実施形態では、係止部を、一対の係止体にて構成したが、係止部を、1つの係止体のみにて構成してもよく、3つ以上の係止体にて構成してもよい。また、これに合わせて、物品に、被係止部を1つのみを備えてもよく、また、被係止部を3つ以上備えてもよい。ちなみに、係止部の数と被係止部の数とは異なっていてもよく、例えば、1つの被係止部に複数の係止部が係止するように構成してもよい。
上記実施形態では、係止部(一対の係止体の夫々)を、上下方向及び横方向に延びる板状に形成したが、係止部の形状は被係止部に係止可能な形状であれば適宜変更してもよく、例えば、係止部の形状を上下方向に延びる丸棒状に形成してもよい。
【0070】
つまり、例えば、係止部を、1つの係止体のみにて構成して、当該係止体を、上下方向に延びる丸棒状に形成してもよい。具体的には、次のように係止部を構成してもよい。
図22に示すように、被係止部16を、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央部にのみ配置する。係止部37を、上下方向Yに延びる丸棒状に形成されている1つの係止体37aにて構成する。また、U字状の被係止部16の横方向Xの内寸は、係止体37aの横方向Xの外寸より大きくなるように、被係止部16及び係止体37aを形成し、係止体37aは、被係止部16に対して横方向Xに移動可能な状態で被係止部16に係止させる。
このように、係止体37aを上下方向に延びる丸棒状に形成することで、図23に示すように、物品1の被係止部16に係止部37が係止した状態であっても、物品は係止体37aを中心に揺動し易くなる。
【0071】
また、図22に示すように、物品1におけるロック機構13の被操作部15aは、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央より一方側の部分から突出している。操作部38は、上下方向Y及び横方向Xに延びる板状に形成されている。この操作部38は、係止体37aに対して横方向の一方側と他方側との双方に備えられている。
このように、移載機構32に操作部38を一対備えることで、被操作部15aが、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央より一方側の部分から突出している場合に加えて、被操作部15aが、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央より他方側から突出している場合でも、物品1のロック機構13をロック解除できる構成となっている。尚、被操作部15aが、物品1の前壁部10bにおける横方向Xの中央より一方側の部分から突出している場合しか想定されない場合では、操作部38を、係止体37aに対して横方向の一方側にのみ備えてもよい。
【0072】
(7)上記実施形態では、ダミー物品は収納部に収納しなかったが、ダミー物品を収納部に収納してもよい。このように、サーバに代えてダミー物品を収納部に収納する場合は、サーバと同様に、ダミー物品に、被係止部に加えて、第1係合部や第2係合部やロック機構を備えてもよい。
具体的には、図24に示すように、2つのダミー物品1dを移載対象物品として、双方収納制御の実行により、昇降体28の支持部31に支持されている一対のダミー物品1dを支持部31から収納領域Eに移動させてもよく、双方取出制御により、収納部3の収納領域Eに収納されている一対のダミー物品1dを収納領域Eから支持部31に移動させてもよい。
また、図25に示すように、1つのサーバ1sと1つのダミー物品1dとを移載対象物品として、双方収納制御の実行により、昇降体28の支持部31に支持されている1つのサーバ1sと1つのダミー物品1dとを支持部31から収納領域Eに移動させてもよく、双方取出制御により、収納部3の収納領域Eに収納されている1つのサーバ1sと1つのダミー物品1dとを収納領域Eから支持部31に移動させてもよい。
また、図26に示すように、1つのダミー物品1dを移載対象物品として、一方収納制御の実行により、昇降体28の支持部31に支持されている1つのサーバ1sと1つのダミー物品1dとのうち1つのダミー物品1dのみを支持部31から収納領域Eに移動させてもよく、一方取出制御により、収納部3の収納領域Eに収納されている1つのサーバ1sと1つのダミー物品1dとのうち1つのダミー物品1dのみを収納領域Eから支持部31に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 物品
1s サーバ(物品)
1d ダミー物品(物品)
2 スタッカークレーン(物品搬送装置)
3 収納部
4 収納棚
17a 側壁(第2案内部材)
28 昇降体(移動体)
31 支持部
32 移載機構
33 案内部材
35 フォーク装置(第1案内部)
37 係止部
E 収納領域(移載対象部)
H 制御装置(制御部)
M1 第1モータ(第1駆動部)
M2 第2モータ(第1駆動部)
M3 第3モータ(第2駆動部)
M5 第5モータ(第3駆動部)
X 横方向
Y 上下方向
Z 前後方向
図1
図2
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図5
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