【実施例】
【0015】
図1〜
図6A,Bは、本発明の梱包箱1の構造を示す図であって、
図1は梱包箱1を展開した状態を示す平面図、
図2は梱包箱1の外観を示す斜視図、
図3は梱包箱1の上面図、
図4は梱包箱1の上蓋を開き、その左右両側面部を左右方向に広げた状態を示す図、
図5は梱包箱1の正面部(前面部)を正面方向(前方方向)に広げた状態の正面部を拡大して示す図、
図6A、Bは梱包箱1の左右両側面部を左右方向に広げた状態を保持、また、広がり過ぎを防止する構造を示す図である。
【0016】
同図において、梱包箱1は、例えば、1つの段ボール材やプラスチック材など(ベースボード)からなる。以下、段ボール材を例に説明する。
1つの段ボール材は、例えば、電子機器を梱包した梱包具3(
図7参照)を載置する四角形の載置面を形成する底面部11の左右にそれぞれ2つの折り込み線(谷折り線)171、172、175、176、正面を形成する正面部14に2つの折り込み線(谷折り線)173、177、切込み193、194、背面及び上面を構成する背面部及び上面部(蓋部)15に2つの折り込み線(谷折り線)174、178、切込み191、192、を形成している。
【0017】
したがって、これらの折り込み線に沿って、梱包箱1を形成する段ボール材を左右、前後の各片を折り込むと、左右両側面部12、13、正面部(前面部)14、背面部及び上面部(蓋部)15、からなる部品収納部を含む箱型が形成される。
【0018】
梱包箱1の底面部11は、例えば、電話機などの電子機器を梱包した梱包具を載置する四角形の載置面を含む。
【0019】
梱包箱1の左右両側面部12、13は、前記ベースボードを折り込み線171、175に沿って折り込んだとき、左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131と、左右両側面から前記載置面に対向し、前記梱包具を上側から覆うカバー折込片122、132を有する。カバー折込片122、132は、必ずしも必要としないが、これにより、空き梱包箱1を積み重ねる場合、左右の広がりを抑える機能を有し、つまり、複数の梱包箱1を積み重ねて纏めやすくなる(
図7A参照)。
【0020】
梱包箱1の正面部14は、前記ベースボードを折り込み線173、177に沿って折り込んだとき、正面を形成する2つ折りの正面折込片141、142と、前記背面
折込片151から延びた前記カバー折込片152の先端舌片153に形成された横長の長孔1531に嵌合又は係合される舌片1421を有する。舌片1421は、正面の折り片141の一部をU字状に切り、その切り取り部を折り曲げて形成したものである。
【0021】
梱包箱1の背面部及び上面部(蓋部)15は、前記ベースボードを折り込み線174、178に沿って折り込んだとき、背面を形成する背面折込片151と、背面から前記載置面に対向し、前記梱包具を上側から覆う上面(蓋)を形成するカバー折込片152と、前記正面を形成する2つの折込片の中央部に形成された横長の長孔に嵌合又は係合される舌片153を有する。
【0022】
前記左右両側面部12、13と前記背面部及び上面部(蓋部)15の角部には、前記左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131と同程度の幅を有し、背面方向に延び、前記ベースボードを折り込んだとき、前記背面を形成する背面折込片151に重なるように折り込まれる角折込片163、164を有する。
【0023】
左右両側面部12,13と正面部14との角部には、前記左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131と連結され、同程度の幅を有し、当該左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131から正面方向に延び、前記ベースボードを折り込んで梱包箱1を組み立てたとき、梱包箱1の内側に収まるように装着される角折込片161、162を有する。
【0024】
すなわち、前記左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131及びカバー折込片122、132を、折り込み線171、172を支点として左右方向に回動して広げたとき(
図4参照)、また、前記正面を形成する2つ折りの折込片141、142を、折り込み線172を支点として正面方向に回動して広げたとき(
図5参照)、梱包箱1の内側から外側に突き出るように広がる扇状の角折込片161、162を有する。角部の角折込片161、162が広がることにより、梱包箱1としては、全体として、多少弛むことになる。
【0025】
前記梱包箱1の内側から外側に突き出るように広がる角折込片161、162は、梱包箱1の組み立てのとき、当該角片を2つ折りされて折り畳まれた片(折り線1611、1621部分)が梱包箱1の内側に入り込み、また、梱包箱1の左右両側面、正面部分を外側に動かしたとき、元に戻って外側に広がるようにする折り線1611(山折り線)、1612(谷折り線)、1621(山折り線)、1622(谷折り線)を有する。
【0026】
係る構成にすることにより、正面の2つ折りの正面折込片141、142は、角折込片161、162の分だけ多少外側に広がり、左右両側面の左右両側面折込片121、131は、角折込片161、162と正面の2つ折りの正面折込片141、142により、外側への広がりは規制され、半開きの状態となる(
図4参照)。
【0027】
換言すれば、左右両側面部12、13は、左右方向に延びた左右両折込片121、122、131、132とともに、左右両折込片121、131と同程度の幅を有し、背面部及び上面部(蓋部)15側に延び、折り込み線174に沿って折り曲げ可能な長方形の角折込片163、164及び正面方向に延び、折り込み線173、1611、1621に沿って折り曲げ可能な扇状に近い形の角折込片161、162を有する。
【0028】
要するに、梱包箱1の正面部14は、ベースボードを折り込んで箱型に組み込んだとき、2つ折りの正面を構成する正面折込片141、142を有し、当該2つ折りの正面折込片の折込部の、左右両側面寄りに、左右両側面を構成する左右両側面折片の外側への広がりを規制するロック機能を有する孔1427、1428を形成する。
【0029】
梱包箱1の左右両側面部12、13は、前記ベースボードを折り込んで箱型に組み込んだとき、左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131を有し、かつ、左右両側面折込片121、131と2つ折りの正面折込片との角部に位置し、当該2つ折りの正面折込片141、142との間に差し込まれ、当該左右両側面折込片を外側へ広げたとき、当該2つ折りの正面折込片の内面に沿って回動し、前記ロック機能を有する角折込片161、162の一部に係合する係止部1613、1623を含む角折込片161、162を有する。
【0030】
角折込片161、162は、梱包箱1を左右方向に、また、正面方向に広がるよう工夫した構造としたものであり、正面側の角折込片161、162には、梱包箱1の角部が外方向に突き出るように折り込み線1611、1621を形成してある。
この折り込み線1611、1621により、角折込片161、162を三角形の片と先端中央が窪んだ扇形の凸片を形付けている。
【0031】
つまり、前記ベースボードを折り込んで箱型に組み込んだとき、収納部側に折り込まれ、左右両側面折込片121、131及び正面折込片141、142を外側方向へ力を加えたとき、弛んで所定角度傾き、広がる、扇状の構造に形成してある。
【0032】
また、前記正面部14は、正面を形成する2つ折りの正面折込片141、142を正面側に力を加えて広げたとき、当該正面折込片141、142の広がり範囲を規制するロック機能を有するロック部材、例えば、ロック用の舌片1423、1424と、当該舌片が篏合するロック用の孔1425、1426を有する(
図6参照)。ロック用の舌片1423、1424は、正面の折り返し片141の一部を切起こして形成したものである。
【0033】
このロック機能を有するロック部材は、梱包箱1の広がり過ぎるのを防止するロック部材又はストッパ部材であり、及び/または、梱包箱1を広げた状態を保持するロック部材である。
【0034】
上述した本実施例によれば、梱包箱1を組み立てたとき、四角形の箱型を構成する梱包箱1の角部に折り曲げ可能な角折込片161、162を設けた構造としているため、梱包箱1の左右両側面を形成する左右両側面折込片121、131を左右方向に広げることが可能となり、また、梱包箱1の正面を形成する正面折込片141、142を正面方向に広げることが可能となる。
【0035】
このように、左右両側面を構成する左右両側面折片及び2つ折りの正面片を構成する正面折片を所定範囲外側に広げることにより、梱包箱1を全面解体することなく、安定して複数の梱包箱1を積み重ね、コンパクトに纏めることができる。
その結果、梱包箱1をお客様に配達し、当該梱包箱に収納した電子機器を設置したあと、空き箱となった空き梱包箱1を回収し、持ち帰る、事業者にとっては、例えば、一つの通い箱に纏めて収納、回収し、搬送することができ、その回収作業が容易に行える。
また、梱包箱をトレイのような形態に変形できることで、複数の梱包箱1の積み重ねが容易となり、梱包箱の作り置きが可能となる。これにより、物品梱包作業の効率化が図れる。
【0036】
図7は、その様子を説明するための図であって、
図7Aは空き箱状態の梱包箱1を展開したとき、梱包箱1の角を外側に広げ、この広げた状態において、複数の梱包箱1を積み重ねた状態を示す図、
図7Bは主装置仕切り板材41、固定材42の様子を示す斜視図、
図7Cは
図7Aに示す状態の梱包箱1を、主装置(図示せず)を収納する箱(保管箱又は通い箱など)2に主装置仕切り板材41を介して収納する様子を示す分解図、
図7Dは主装置を収納する箱(保管箱又は通い箱など)2の斜視図である。
【0037】
同図において、まず、梱包箱1の角部を外側に広げ、この広げた状態で梱包箱1を積み重ねる(
図7A)。次に、主装置との仕切り板材から着脱自在の固定材を引き抜く(
図7B)。次いで、主装置を収納する箱(空箱)2に板材41、固定材42、梱包箱1、梱包具3、などを重ねるようにして順次収納する(
図7C)。収納したあとは、箱2の蓋を閉じる(
図7D)。
【0038】
これにより、使用済の梱包箱1を含め、コンパクトに整理することができ、複数の梱包箱1を整然と積み重ねて纏めて搬送、廃棄処分などができる。
【0039】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易くする説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。