特許第6520991号(P6520991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6520991搬送チェーン、工具交換システム及び複数のリンクプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6520991
(24)【登録日】2019年5月10日
(45)【発行日】2019年5月29日
(54)【発明の名称】搬送チェーン、工具交換システム及び複数のリンクプレート
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/157 20060101AFI20190520BHJP
   B65G 17/38 20060101ALI20190520BHJP
【FI】
   B23Q3/157 C
   B23Q3/157 E
   B65G17/38 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-137293(P2017-137293)
(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2019-18266(P2019-18266A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】神尾 竜矢
(72)【発明者】
【氏名】小山 智之
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−076437(JP,U)
【文献】 特開2011−212769(JP,A)
【文献】 米国特許第8814771(US,B2)
【文献】 特開2017−024169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/157
B65G 17/38
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に連結された複数のリンクプレートを備えており、工具を保持する複数の工具ポットを搬送する搬送チェーンであって、
前記複数のリンクプレートは、前記工具ポットの回転を止める回り止め孔と、該回り止め孔よりも搬送方向上流側に配置され、前記工具ポットの回転を許容する回転許容孔とを有する内リンクプレート及び外リンクプレートを含み、
前記複数の工具ポットは、第1工具ポット及び第2工具ポットを含み、
前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に前記第1工具ポットが挿入され、
前記第1工具ポットの隣にて、前記内リンクプレートの回転許容孔及び前記外リンクプレートの回り止め孔に前記第2工具ポットが挿入されている
搬送チェーン。
【請求項2】
前記複数のリンクプレートは、前記内リンクプレート及び外リンクプレートに対向する第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートを含み、
第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートそれぞれは、前記工具ポットの回転を許容する第2回転許容孔を有し、
前記回り止め孔及び前記回転許容孔に挿入された前記工具ポットは、前記第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートそれぞれの前記第2回転許容孔に挿入されている
請求項1に記載の搬送チェーン。
【請求項3】
前記工具ポットから離間した位置に設けられた検知部又は操作部に対向するように、前記工具ポットの周方向における所定位置にて前記工具ポットに取り付けられた前記工具ポットの軸方向に移動可能なピンを備える
請求項1又は2に記載の搬送チェーン。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の搬送チェーンと、
前記搬送チェーンが掛架されるスプロケットと、
前記搬送チェーンによって搬送された工具を交換する交換装置と
を備え、
前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に挿入された工具ポットが前記スプロケットの外周上に配置された場合に、前記交換装置は前記工具ポットに保持された工具を交換する
工具交換システム。
【請求項5】
工具を保持する複数の工具ポットを搬送する搬送チェーンを構成する為の複数のリンクプレートであって、
前記複数のリンクプレートは、前記工具ポットの回転を止める回り止め孔と、該回り止め孔よりも搬送方向上流側に配置され、前記工具ポットの回転を許容する回転許容孔とを有する内リンクプレート及び外リンクプレートを含み、
前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に第1の前記工具ポットが挿入され、
第1の前記工具ポットの隣にて、前記内リンクプレートの回転許容孔及び前記外リンクプレートの回り止め孔に第2の前記工具ポットが挿入される
複数のリンクプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具を搬送する搬送チェーン、該搬送チェーンによって搬送される工具を交換する工具交換システム及び複数のリンクプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
両端部に貫通孔を設けた複数の外リンクプレートと、両端部に貫通孔を設けた複数の内リンクプレートとを、外リンクプレート及び内リンクプレートそれぞれの貫通孔に工具ポットを挿入して連結し、工具ポットに工具を保持させて搬送する搬送チェーンが従来提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
内リンクプレート及び工具ポットは軸回りに相対回転可能である。外リンクプレートの二つの貫通孔には平坦部が形成され、工具ポットの外周面にも平坦部が形成されている。外リンクプレートの平坦部と工具ポットの平坦部とを整合させて、工具ポットが外リンクプレート及び内リンクプレートそれぞれの貫通孔に挿入されている。
【0004】
外リンクプレートの平坦部と工具ポットの平坦部とが係合し、外リンクプレート及び工具ポットは軸回りに相対回転できない。工具ポットは軸周りに位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−212769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
搬送チェーンはスプロケットに掛架されており、スプロケットの近傍に工具交換装置が配置されている。搬送チェーンとスプロケットとが噛合する位置、換言すれば工具を交換する交換位置に、外リンクプレートの貫通孔及び工具ポットが配置された場合、工具交換が実行される。
【0007】
交換位置において、外リンクプレートはスプロケットの回転によって前記貫通孔の軸回りに回転し、屈曲する。外リンクプレート及び工具ポットは軸回りに相対回転できないので、前記貫通孔に挿入された工具ポット及び該工具ポットに保持された工具も外リンクプレートと共に回転する。そのため、交換位置に至る前に比べて、工具の位置は軸周りにずれる。工具が軸周りに位置ずれしている場合、工具交換時に不具合が生じるおそれがある。例えば主軸に対して軸周りに工具の位置ずれが生じるおそれがある。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、交換位置における工具の位置ずれを抑制することができる搬送チェーン、工具交換システム及び複数のリンクプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る搬送チェーンは、交互に連結された複数のリンクプレートを備えており、工具を保持する複数の工具ポットを搬送する搬送チェーンであって、前記複数のリンクプレートは、前記工具ポットの回転を止める回り止め孔と、該回り止め孔よりも搬送方向上流側に配置され、前記工具ポットの回転を許容する回転許容孔とを有する内リンクプレート及び外リンクプレートを含み、前記複数の工具ポットは、第1工具ポット及び第2工具ポットを含み、前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に前記第1工具ポットが挿入され、前記第1工具ポットの隣にて、前記内リンクプレートの回転許容孔及び前記外リンクプレートの回り止め孔に前記第2工具ポットが挿入されている。
【0010】
本発明に係る搬送チェーンは、前記複数のリンクプレートは、前記内リンクプレート及び外リンクプレートに対向する第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートを含み、第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートそれぞれは、前記工具ポットの回転を許容する第2回転許容孔を有し、前記回り止め孔及び前記回転許容孔に挿入された前記工具ポットは、前記第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートそれぞれの前記第2回転許容孔に挿入されている。
【0011】
本発明に係る搬送チェーンは、前記工具ポットから離間した位置に設けられた検知部又は操作部に対向するように、前記工具ポットの周方向における所定位置にて前記工具ポットに取り付けられた前記工具ポットの軸方向に移動可能なピンを備える。
【0012】
本発明に係る工具交換システムは、前述した搬送チェーンと、前記搬送チェーンが掛架されるスプロケットと、前記搬送チェーンによって搬送された工具を交換する交換装置とを備え、前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に挿入された工具ポットが前記スプロケットの外周上に配置された場合に、前記交換装置は前記工具ポットに保持された工具を交換する。
【0013】
本発明に係る複数のリンクプレートは、工具を保持する複数の工具ポットを搬送する搬送チェーンを構成する為の複数のリンクプレートであって、前記複数のリンクプレートは、前記工具ポットの回転を止める回り止め孔と、該回り止め孔よりも搬送方向上流側に配置され、前記工具ポットの回転を許容する回転許容孔とを有する内リンクプレート及び外リンクプレートを含み、前記内リンクプレートの回り止め孔及び前記外リンクプレートの回転許容孔に第1の前記工具ポットが挿入され、第1の前記工具ポットの隣にて、前記内リンクプレートの回転許容孔及び前記外リンクプレートの回り止め孔に第2の前記工具ポットが挿入される。
【0014】
本発明においては、搬送チェーンがスプロケットに掛架され、内リンクプレート及び外リンクプレートがスプロケットの周囲を移動する場合、外リンクプレートは回転許容孔を中心に回転する。第1工具ポットは内リンクプレートの回り止め孔に挿入されているので、第1工具ポットと内リンクプレートとは相対的に回転しない。一方、第1工具ポットは外リンクプレートの回転許容孔に挿入されているので、第1工具ポットと外リンクプレートとは相対的に回転する。第1工具ポットは回り止め孔によって回転を止められているので、外リンクプレートは第1工具ポットを回転させることなく、独立して回転する。
また内リンクプレートも回転許容孔を中心に回転する。第2工具ポットは外リンクプレートの回り止め孔に挿入されているので、第2工具ポットと外リンクプレートとは相対的に回転しない。一方、第2工具ポットは内リンクプレートの回転許容孔に挿入されているので、第2工具ポットと内リンクプレートとは相対的に回転する。第2工具ポットは回り止め孔によって回転を止められているので、内リンクプレートは第2工具ポットを回転させることなく、独立して回転する。
【0015】
本発明においては、第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートに対して、回転止め孔を形成する必要がなく、また回転許容孔の形成は回転止め孔の形成に比べて容易なので、製造費用を削減することができる。また第2内リンクプレート及び第2外リンクプレートに回転止め孔を形成した場合、内リンクプレート及び外リンクプレートの回転止め孔との間で精度よく位置決めする必要があるが、そのような必要性もない。
【0016】
本発明においては、工具ポットの軸周りにおける位相の変化が防止されるので、搬送チェーンがスプロケットの周囲を移動する場合に、工具ポットから離間した位置に固定された検知部又は操作部に対して、工具ポットの位相は変化しない。工具ポットに取り付けたピンの位相も変化しないので、ピンと、検知部又は操作部との間で位置ずれは生じず、ピンは検知部又は操作部に対して対向した状態を保つことができる。
【0017】
本発明においては、搬送チェーンがスプロケットの周囲を移動する場合、工具ポットの軸周りにおける位相は変化しない。そのため、工具ポットに保持された工具の位相も変化せず、交換装置、例えばハンドと工具との間で位置ずれが生じることを防止し、円滑な工具交換を実現させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る搬送チェーン、工具交換システム及び複数のリンクプレートにあっては、搬送チェーンがスプロケットに掛架され、内リンクプレート及び外リンクプレートがスプロケットの周囲を移動する場合、外リンクプレートは回転許容孔を中心に回転する。第1工具ポットは内リンクプレートの回り止め孔に挿入されているので、第1工具ポットと内リンクプレートとは相対的に回転しない。一方、第1工具ポットは外リンクプレートの回転許容孔に挿入されているので、第1工具ポットと外リンクプレートとは相対的に回転する。第1工具ポットは回り止め孔によって回転を止められているので、外リンクプレートは第1工具ポットを回転させることなく、独立して回転する。
また内リンクプレートも回転許容孔を中心に回転する。第2工具ポットは外リンクプレートの回り止め孔に挿入されているので、第2工具ポットと外リンクプレートとは相対的に回転しない。一方、第2工具ポットは内リンクプレートの回転許容孔に挿入されているので、第2工具ポットと内リンクプレートとは相対的に回転する。第2工具ポットは回り止め孔によって回転を止められているので、内リンクプレートは第2工具ポットを回転させることなく、独立して回転する。そのため、各工具ポットの軸周りにおける位相の変化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1に係る搬送チェーンを略示する平面図である。
図2】第1外リンクプレート及び第1内リンクプレートを略示する背面図である。
図3】第1外リンクプレート、第1内リンクプレート、第2外リンクプレート、第2内リンクプレート及び筒体を略示する分解斜視図である。
図4】工具ポットを略示する断面図である。
図5】搬送チェーン、スプロケット及び工具交換装置を備える工具交換システムを略示する背面図である。
図6】搬送チェーン、スプロケット及び工具交換装置を備える工具交換システムを略示する背面図である。
図7】実施の形態2に係る搬送チェーン及び工具交換システムの工具ポットを略示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る搬送チェーン1及び工具交換システムを示す図面に基づいて説明する。図1は、搬送チェーン1を略示する平面図、図2は、第1外リンクプレート10及び第1内リンクプレート11を略示する背面図、図3は、第1外リンクプレート10、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12、第2内リンクプレート13及び筒体3を略示する分解斜視図である。
【0021】
搬送チェーン1は、長円形の第1外リンクプレート10を複数備える。第1外リンクプレート10の一端部には、第1外リンクプレート10を貫通し、後述する工具ポット2の回転を許容する回転許容孔10aが設けられ、他端部には、第1外リンクプレート10を貫通し、工具ポット2の回転を止める回り止め孔10bが設けられている。複数の第1外リンクプレート10は環状に並んでおり、隣合う二つの第1外リンクプレート10、10において、一方の第1外リンクプレート10の回転許容孔10aと、他方の第1外リンクプレート10の回り止め孔10bとは隣合う。
【0022】
搬送チェーン1は、長円形の第1内リンクプレート11を複数備える。第1内リンクプレート11の一端部には、第1内リンクプレート11を貫通し、後述する工具ポット2の回転を許容する回転許容孔11aが設けられ、他端部には、第1内リンクプレート11を貫通し、工具ポット2の回転を止める回り止め孔11bが設けられている。複数の第1内リンクプレート11は環状に並んでいる。隣合う二つの第1内リンクプレート11、11において、一方の第1内リンクプレート11の回転許容孔11aと他方の第1内リンクプレート11の回り止め孔11bとは隣合う。
【0023】
回転許容孔10a、11aは円形をなす。回り止め孔10b、11bは、円形の周の一部を裁断したような形状をなし、円弧部10c、11c及び弦部10d、11dを備える。回転許容孔10a、11aの半径と、回り止め孔10b、11bの中心と円弧部10c、11cとの間の距離とは略同じである。回転許容孔10a、11aの半径は、回り止め孔10b、11bの中心と弦部10d、11dの中点との間の距離よりも長い。
【0024】
複数の第1外リンクプレート10と、複数の第1内リンクプレート11とは平行に並んでおり、千鳥状に配置されている。第1内リンクプレート11の両端部は、プレートに直角な方向にて、隣合う二つの第1外リンクプレート10、10において、一方の第1外リンクプレート10の一端部及び他方の第1外リンクプレート10の他端部に対向している。第1外リンクプレート10の回転許容孔10aと、第1内リンクプレート11の回り止め孔11bとが同軸的に配置され、第1外リンクプレート10の回り止め孔10bと、第1内リンクプレート11の回転許容孔11aとが同軸的に配置されている。
【0025】
搬送チェーン1は、長円形の第2外リンクプレート12を複数備える。第2外リンクプレート12の両端部には、第2外リンクプレート12を貫通した回転許容孔12aがそれぞれ設けられている。複数の第2外リンクプレート12は環状に並んでおり、隣合う二つの第2外リンクプレート12、12において、一方の第2外リンクプレート12の一端部と、他方の第2外リンクプレート12の他端部とが突き合わされている。
【0026】
搬送チェーン1は、長円形の第2内リンクプレート13を複数備える。第2内リンクプレート13の両端部には、第2内リンクプレート13を貫通した回転許容孔13aがそれぞれ設けられている。複数の第2内リンクプレート13は環状に並んでおり、隣合う二つの第2内リンクプレート13、13において、一方の第2内リンクプレート13の一端部と、他方の第2内リンクプレート13の他端部とが突き合わされている。
【0027】
複数の第2外リンクプレート12と、複数の第2内リンクプレート13とは平行に並んでおり、千鳥状に配置されている。第2内リンクプレート13の両端部は、プレートに直角な方向にて、隣合う二つの第2外リンクプレート12、12において、一方の第2外リンクプレート12の一端部及び他方の第2外リンクプレート12の他端部に対向している。第2外リンクプレート12の一端部に形成された回転許容孔12aと、第2内リンクプレート13の他端部に形成された回転許容孔13aとは同軸的に配置されている。第2外リンクプレート12の他端部に形成された回転許容孔12aと、第2内リンクプレート13の一端部に形成された回転許容孔13aとは同軸的に配置されている。
【0028】
第1内リンクプレート11及び第2内リンクプレート13は、プレートに直角な方向に正対する。第2内リンクプレート13の両端部に形成された二つの回転許容孔13aと、第1内リンクプレート11の両端部に形成された回り止め孔11b及び回転許容孔11aとはそれぞれ同軸的に配置されている。第2外リンクプレート12の両端部に形成された回転許容孔12a、12aと、第1外リンクプレート10の両端部に形成された回り止め孔10b及び回転許容孔10aとはそれぞれ同軸的に配置されている。
【0029】
同軸的に配置された、第1外リンクプレート10の回転許容孔10a、第1内リンクプレート11の回り止め孔11b、並びに第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の回転許容孔12a、13aに、工具を保持する工具ポット2が挿入されている。また同軸的に配置された、第1外リンクプレート10の回り止め孔10b、並びに、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の回転許容孔13aに工具ポット2が挿入されている。
【0030】
第1外リンクプレート10、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の全ての回転許容孔10a〜13a又は回り止め孔10b、11bに工具ポット2が挿入されている。工具ポット2によって、第1外リンクプレート10、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13は無端状に連結されている。
【0031】
図4は、工具ポット2を略示する断面図である。工具ポット2は筒体3を備えている。筒体3の軸方向中央部は大径部30を構成し、大径部30の一端部に大径部30よりも直径の小さい第1小径部31が同軸的に形成され、他端部に大径部30よりも直径の小さい第2小径部32が同軸的に形成されている。第1小径部31は第2小径部32よりも軸方向に長い。第1小径部31及び第2小径部32の直径は略同じである。
【0032】
第1小径部31の周面の一部に軸方向に延びた平坦面31aが形成されている。軸方向に直交する方向における平坦面31aの幅は回り止め孔10b、11bの弦部10d、11dの寸法と略同じである。平坦面31aを除いた部分における第1小径部31の外周の半径は、回転許容孔10a〜13aの半径及び回り止め孔10b、11bの円弧部の半径と略同じである。平坦面31aと第1小径部31の中心との間の最短距離は、回り止め孔10b、11bの中心と弦部10d、11dの中点との間の距離と略同じである。
【0033】
第2小径部32の外周の半径は回転許容孔10a〜13aの半径と略同じである。第1小径部31及び第2小径部32それぞれの軸方向中途部に溝31b、32aが形成されている。
【0034】
第1小径部31は、平坦面31a及び弦部11dの位置を整合させて、第1内リンクプレート11の回り止め孔11bに挿入され、第1外リンクプレート10の回転許容孔10aに更に挿入されている。第1内リンクプレート11及び第1外リンクプレート10は溝31bと大径部30との間に配置されている。溝31bに止め輪4が嵌合されており、止め輪4と大径部30との間に第1内リンクプレート11及び第1外リンクプレート10は保持されている。
【0035】
第1小径部31は第1外リンクプレート10の回転許容孔10aに挿入されているので、第1小径部31及び第1外リンクプレート10は相対的に回転可能である。第1小径部31は第1内リンクプレート11の回り止め孔11bに挿入されているので、第1小径部31及び第1内リンクプレート11は相対的に回転不可能である。
【0036】
第2小径部32は第2内リンクプレート13及び第2外リンクプレート12の回転許容孔12a、13aに順に挿入されている。第2内リンクプレート13及び第2外リンクプレート12は溝32aと大径部30との間に配置されている。溝32aに止め輪4が嵌合されており、止め輪4と大径部30との間に第2内リンクプレート13及び第2外リンクプレート12は保持されている。
【0037】
第2小径部32は第2内リンクプレート13及び第2外リンクプレート12の回転許容孔12a、13aに挿入されているので、第2小径部32と、第2内リンクプレート13及び第2外リンクプレート12とは相対的に回転可能である。
【0038】
上述の説明では、第1小径部31は第1内リンクプレート11の回り止め孔11b及び第1外リンクプレート10の回転許容孔10aに挿入されているが、第1内リンクプレート11の回り止め孔11b及び第1外リンクプレート10の回転許容孔10aの隣では、第1小径部31は第1内リンクプレート11の回転許容孔11a及び第1外リンクプレート10の回り止め孔10bに挿入されている。この場合、第1小径部31は第1内リンクプレート11の回転許容孔11aに挿入されているので、第1小径部31及び第1内リンクプレート11は相対的に回転可能である。第1小径部31は第1外リンクプレート10の回り止め孔10bに挿入されているので、第1小径部31及び第1外リンクプレート10は相対的に回転不可能である。
【0039】
第1小径部31に保持筒5が挿入されている。保持筒5はボルト7によって第1小径部31に固定されている。保持筒5には、軸方向に延びた第1孔51と、該第1孔51の中途部にて直交する第2孔52とが形成されている。第1孔51は、工具ポット2の軸心から径方向に離れた位置に配されており、第2小径部32の反対側に開口51bを有する。第2孔52は保持筒5の内周面5aを貫通している。第2孔52における前記内周面5a側の縁部51aの直径は、第2孔52の他部の直径よりも小さい。
【0040】
第1孔51にはピン6が挿入されている。ピン6の中途部には凹部6aが形成されている。凹部6aはピン6の全周に亘って形成されている。ピン6の端部は開口51bから突出する。ピン6は軸方向に移動可能である。第2孔52にはボール53が収容されている。ボール53は、ピン6よりも前記内周面5a側に配置されている。ボール53の直径は、第2孔52の前記縁部51aの直径よりも大きく、第2孔52の他部の直径よりも小さい。ボール53は前記内周面5aの内側に脱落しないが、前記ボール53の一部が前記縁部51aから前記内周面5aの内側に突出することができる。
【0041】
ピン6の端部には操作部8が対向している。操作部8は、工具ポット2から離間した位置に設けられている。操作部8はピン6を押し引きすることができる。ピン6が引っ張られ、凹部6a以外のピン6の部分と縁部51aとの間にボール53が配置されている場合、ボール53は凹部6a以外のピン6の部分に押されて、ボール53の一部が縁部51aから内周面5aの内側に突出する。ピン6が押され、凹部6aと縁部51aとの間にボール53が配置されている場合、ボール53に対するピン6の押圧は解除され、ボール53は第2孔52内を移動することができる。
【0042】
工具ポット2には、工具を保持した工具ホルダ(図示略)が第2小径部32側から挿入される。このとき、操作部8はピン6を押す。工具ホルダの先端部にはプルスタッドが設けられており、プルスタッドは第2孔52に対向する位置に配置される。ボール53は移動可能なので、ボール53はプルスタッドに係止しない。操作部8がピン6を引っ張った場合、凹部6a以外のピン6の部分がボール53を押して、プルスタッドに係合する。
【0043】
工具ホルダを工具ポット2から取り外す場合、操作部8はピン6を押して、ボール53に対するピン6の押圧を解除する。ピン6とボール53の係合が解除され、工具ホルダは工具ポット2から脱出する。
【0044】
図5及び図6は、搬送チェーン1、スプロケット40及び工具交換装置70を備える工具交換システムを略示する背面図である。図5は、交換位置75に第1外リンクプレート10の回り止め孔10bが配置された状態を示し、図6は、交換位置75に第1外リンクプレート10の回転許容孔10aが配置された状態を示す。図5及び図6の矢印は工具ポット2の搬送方向を示す。
【0045】
搬送チェーン1はスプロケット40の外周部に掛架されている。搬送チェーン1とスプロケット40とが噛合を開始する位置(以下、交換位置75という)に工具交換装置70が対向配置されている。工具交換装置70は、例えば長手方向中央部を支点にして回転するロッド71と、該ロッド71の両端部夫々に取り付けられたハンド72とを備える。ハンド72は工具ホルダを保持する。両ハンド72に、搬送チェーン1にて搬送される工具ホルダと、主軸(図示略)に装着された工具ホルダとを保持し、ロッド71が回転して、工具を交換する。
【0046】
搬送方向において、第1外リンクプレート10の回り止め孔10bは第1外リンクプレート10の回転許容孔10aよりも下流側に配置されている。以下の説明では、第1外リンクプレート10の回転許容孔10aに挿入された工具ポット2を第1工具ポット21と称し、第1外リンクプレート10の回り止め孔10bに挿入された工具ポット2を第2工具ポット22と称する。
【0047】
図5に示すように、第1外リンクプレート10の回り止め孔10b及び第1工具ポット21が交換位置75に配置されている場合、第1外リンクプレート10はスプロケット40の接線方向に沿って配置されている。交換位置75において、第2工具ポット22は回り止め孔10bに挿入されているので、第2工具ポット22及び第1外リンクプレート10は相対回転不可である。一方、第2工具ポット22は、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の回転許容孔11a、12a、13aに挿入されているので、第1工具ポット21と、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13は相対回転可能である。
【0048】
図5に示すように、交換位置75の下流側に位置する第1内リンクプレート11及び第2内リンクプレート13は交換位置75に配置された第2工具ポット22を支点にして屈曲する。即ち、第2工具ポット22自身は回転せず、第1内リンクプレート11及び第2内リンクプレート13が独立して回転する。
【0049】
一方、回り止め孔10bによって、交換位置75の上流側に位置する第1外リンクプレート10は屈曲せず、第1外リンクプレート10と協働する第2外リンクプレート12も屈曲しない。
【0050】
図6の矢印にて示すように、スプロケット40及び搬送チェーン1が回転し、第1外リンクプレート10の回転許容孔10aと第1工具ポット21とが交換位置75に配置されている場合、交換位置75において、第1工具ポット21は、第1外リンクプレート10、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の回転許容孔10a、12a、13aと、第1内リンクプレート11の回り止め孔11bに挿入されている。
【0051】
そのため、交換位置75の下流側に位置する第1外リンクプレート10及び第2外リンクプレート12は第1工具ポット21を支点にして屈曲する。即ち、第1工具ポット21自身は回転せず、第1外リンクプレート10及び第2外リンクプレート12が独立して回転する。
【0052】
一方、回り止め孔11bによって、交換位置75の上流側に位置する第1内リンクプレート11は屈曲せず、第1内リンクプレート11と協働する第2内リンクプレート13も屈曲しない。
【0053】
工具交換装置70は、交換位置75に配置された第1工具ポット21又は第2工具ポット22に保持された工具ホルダと、主軸に装着された工具ホルダとを交換する。交換位置75に配置された第1工具ポット21及び第2工具ポット22は回転しないので、軸周りの位相は変化せず、軸周りにおいて、ハンド72と工具との間で位置ずれが生じることを防止することができる。また主軸と工具との位置ずれが生じることを防止することができる。
【0054】
図5及び図6では、搬送チェーン1とスプロケット40とが噛合を開始する位置に工具交換装置70が対向配置されているが、搬送チェーン1が噛合するスプロケット40の外周部のいずれかの位置に対向位置されていてもよい。
【0055】
実施の形態1に係る搬送チェーン1、工具交換システム及びリンクプレートにあっては、搬送チェーン1がスプロケット40に掛架され、第1内リンクプレート11及び第1外リンクプレート10がスプロケット40の周囲を移動する場合、第1外リンクプレート10は回転許容孔10aを中心に回転する。第1工具ポット21は第1内リンクプレート11の回り止め孔11bに挿入されているので、第1工具ポット21と第1内リンクプレート11とは相対的に回転しない。一方、第1工具ポット21は第1外リンクプレート10の回転許容孔10aに挿入されているので、第1工具ポット21と第1外リンクプレート10とは相対的に回転する。第1工具ポット21は、第1内リンクプレート11の回り止め孔11bによって回転を止められているので、第1外リンクプレート10は第1工具ポット21を回転させることなく、独立して回転する。
【0056】
また第1内リンクプレート11も回転許容孔11aを中心に回転する。第2工具ポット22は第1外リンクプレート10の回り止め孔10bに挿入されているので、第2工具ポット22と第1外リンクプレート10とは相対的に回転しない。一方、第2工具ポット22は第1内リンクプレート11の回転許容孔11aに挿入されているので、第2工具ポット22と第1内リンクプレート11とは相対的に回転する。第2工具ポット22は、第1外リンクプレート10の回り止め孔10bによって回転を止められているので、第1内リンクプレート11は第2工具ポット22を回転させることなく、独立して回転する。そのため、各工具ポット2の軸周りにおける位相の変化を防止できる。
【0057】
また第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13には回転許容孔12a、13aのみを形成している。回転許容孔12a、13aの形成は回り止め孔10b、11bの形成に比べて容易なので、製造費用を削減することができる。第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13に回り止め孔を形成した場合、形成した回り止め孔と、第1外リンクプレート10及び第1内リンクプレート11の回り止め孔10b、11bとの間で精度よく位置決めする必要がある。回転許容孔12a、13aのみを形成することによって、そのような必要性がなくなる。
【0058】
工具ポット2の軸周りにおける位相の変化が防止されるので、搬送チェーン1がスプロケット40の周囲を移動する場合に、工具ポット2から離間した位置に固定された操作部8に対して、工具ポット2の軸周りの位相は変化しない。工具ポット2に取り付けたピン6の位相も変化しないので、ピン6と操作部8との間で位置ずれは生じず、ピン6は操作部8に対して対向した状態を保つことができる。
【0059】
第1孔51は工具ポット2の軸心から径方向に離れた位置に配されており、ピン6は、この第1孔51に挿入されている。工具ポット2の位相が当初の位相から変更された場合、第1孔51及びピン6の位相も変更されるので、ピン6及び操作部8は対向しなくなる。実施の形態1においては、工具ポット2の軸周りの位相は当初の位相から変更されないので、ピン6及び操作部8の対向は維持される。
【0060】
また搬送チェーン1がスプロケット40の周囲を移動する場合でも、交換位置75における工具ポット2の軸周りにおける位相は変化しない。そのため、工具ポット2に保持された工具の位相も変化せず、例えばハンド72と工具との間で位置ずれが生じることを防止し、また主軸と工具との間で位置ずれが生じることを防止し、円滑な工具交換を実現させることができる。
【0061】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る搬送チェーン1及び工具交換システムを図面に基づいて説明する。図7は、搬送チェーン1及び工具交換システムの工具ポット2を略示する断面図である。実施の形態2における工具ポット2は、二面拘束タイプの工具ホルダ65を保持し、実施の形態1と同様に、第1外リンクプレート10、第1内リンクプレート11、第2外リンクプレート12及び第2内リンクプレート13の回転許容孔10a〜13a及び回り止め孔10b、11bに挿入される。
【0062】
工具ポット2は筒体3を備え、筒体3には円柱状の支持部80が挿入されている。支持部80の軸心部分に、軸方向に貫通した通路81が形成されている。通路81の一端部にボール室82が形成されている。ボール室82は通路81よりも大径である。ボール室82には貫通孔82aが設けられている。通路81の他端部には、弾性部材88を収容する収容室83が形成されている。収容室83は通路81よりも大径である。
【0063】
通路81には、軸方向に移動可能なロッド84が挿入されている。ロッド84の一端部はボール室82に配置されている。ロッド84の一端部は先端に向かうに従って拡径する。ボール室82には第2ボール85が収容されており、ロッド84の一端部とボール室82の壁面との間に第2ボール85は配置されている。ロッド84が他端側に移動した場合、ロッド84の一端部における拡径部分は第2ボール85を押し、第2ボール85の一部は貫通孔82aから外側に突出する。
【0064】
ロッド84の他端部にはフランジ84aが設けられており、フランジ84aは収容室83に配置されている。フランジ84aと収容室83の第2ボール85側の壁面との間において、弾性部材88がロッド84に周設されている。弾性部材88は第2ボール85の反対側にフランジ84aを付勢する。弾性部材88の付勢力によって、ロッド84の一端部は第2ボール85を押し、第2ボール85の一部は貫通孔82aから外側に突出する。ロッド84の他端にはプルスタッド84bが設けられている。軸方向において、プルスタッド84bには駆動機構61が対向している。駆動機構61は、プルスタッド84bを第2ボール85側に押すことができる。
【0065】
支持部80の後端部には、第1孔51、第2孔52、ピン6、ボール53等が設けられている。ボール53の一部は第1孔51から突出し、プルスタッド84bに係合する。支持部80には、軸方向に貫通し、第2通路86が設けられている。第2通路86は、工具ポット2の軸心から径方向に離れた位置に配されている。第2通路86には軸方向に移動可能な検知ピン87が設けられている。検知ピン87の一端部は第2ボール85側に突出する。検知ピン87の他端部には、検知ピン87の接近を検出する検知部60が対向している。検知部60は、工具ポット2から離間した位置に設けられている。
【0066】
二面拘束タイプの工具ホルダ65の保持について説明する。操作部8によってピン6は押される。これにより、ボール53によるプルスタッド84bの係合が解除される。また駆動機構61によってプルスタッド84bは押される。これにより、ロッド84は弾性部材88の付勢力に抗して、第2ボール85側に移動し、第2ボール85はロッド84から押圧されない。
【0067】
第2ボール85側から工具ホルダ65が筒体3に挿入される。工具ホルダ65の先端部は筒状をなし、その内周面に環状の溝65aが形成されている。径方向において、溝65aは貫通孔82aに対向する。工具ホルダ65の先端部は検知ピン87の一端部を押し、検知ピン87の他端部は支持部80から突出する。検知ピン87は検知部60に接近する。検知部60は検知ピン87の接近を検知し、工具ホルダ65が工具ポット2に挿入されたことを検出する。
【0068】
駆動機構61によるプルスタッド84bの押圧が解除され、弾性部材88の付勢力によってロッド84は駆動機構61側に移動する。第2ボール85はロッド84の一端部に押され、その一部が貫通孔82aから突出し、工具ホルダ65の溝65aに係合し、工具ホルダ65は保持される。また操作部8はピン6を引っ張り、ピン6はボール53を押し、第1孔51からボール53の一部が突出し、プルスタッド84bに係合する。
【0069】
実施の形態2に係る搬送チェーン1、工具交換システム及びリンクプレートにあっては、工具ポット2の軸周りにおける位相の変化が防止されるので、搬送チェーン1がスプロケット40の周囲を移動する場合に、工具ポット2から離間した位置に固定された検知部60に対して、工具ポット2の位相は変化しない。工具ポット2に取り付けた検知ピン87の位相も変化しないので、検知ピン87と検知部60との間で位置ずれは生じず、検知ピン87は検知部60に対して対向した状態を保つことができる。
【0070】
第2通路86は工具ポット2の軸心から径方向に離れた位置に配されており、検知ピン87は、この第2通路86に挿入されている。工具ポット2の位相が当初の位相から変更された場合、第2通路86及び検知ピン87の位相も変更されるので、検知ピン87及び検知部60は対向しなくなる。実施の形態2においては、工具ポット2の軸周りの位相は当初の位相から変更されないので、検知ピン87及び検知部60の対向は維持される。なおピン6及び操作部8の対向も維持される。
【0071】
実施の形態2において、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 搬送チェーン
2 工具ポット
21 第1工具ポット
22 第2工具ポット
10 第1外リンクプレート
11 第1内リンクプレート
12 第2外リンクプレート
13 第2内リンクプレート
10a、11a、12a、13a 回転許容孔
10b、11b 回り止め孔
6 ピン
8 操作部
40 スプロケット
60 検知部
70 工具交換装置
87 検知ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7