【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 平成26年6月10日(火)〜平成26年6月12日(木) 集会名、開催場所 平成26年度公益社団法人日本看護協会通常総会 併設 看護フェア2014 日本ガイシスポーツプラザ 第2競技場(愛知県名古屋市南区東又兵ヱ町5−1−16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 平成26年6月13日(金)〜平成26年6月14日(土) 集会名、開催場所 第16回日本医療マネジメント学会学術総会 併設展示会 岡山コンベンションセンター(岡山県)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
幅方向に離間して配置され、それぞれ車輪が設けられた左側本体及び右側本体、前記左側本体及び前記右側本体からそれぞれ後方に向かって延び把持可能な把持部、及び前記左側本体と前記右側本体とに架け渡された着座部、を有した車椅子と、
前記車椅子に連結され、物品を支持可能な支持部を有する機器と、
前記車椅子と前記機器とを連結する連結部と、を備え、
前記支持部は、前記着座部の後面と一対の前記把持部とにより囲まれた後部空間内に配置され、
前記連結部は、前記左側本体及び前記右側本体の少なくとも一方の前記把持部の下方に取り付けられ、
前記連結部は、
前記左側本体の下部又は前記右側本体の下部に取り付けられる車椅子側取付部と、
前記機器に着脱可能に取り付けられる機器側取付部と、
前記車椅子側取付部と前記機器側取付部とを接続する接続部と、を有し、
前記接続部は、前記車椅子側取付部を中心に、前記車椅子側取付部の取り付けられた前記左側本体又は前記右側本体に沿う位置まで回動可能とされていることを特徴とする医療設備システム。
幅方向に離間して配置され、それぞれ車輪が設けられた左側本体及び右側本体、前記左側本体及び前記右側本体からそれぞれ後方に向かって延び把持可能な把持部、及び前記左側本体と前記右側本体とに架け渡された着座部、を有した車椅子と、
前記車椅子に連結され、物品を支持可能な支持部を有する機器と、
前記車椅子と前記機器とを連結する連結部と、を備え、
前記支持部は、前記着座部の後面と一対の前記把持部とにより囲まれた後部空間内に配置され、
前記連結部は、前記左側本体及び前記右側本体の少なくとも一方の前記把持部の下方に取り付けられ、
前記連結部は、
前記左側本体の下部又は前記右側本体の下部に取り付けられる車椅子側取付部と、
前記機器に着脱可能に取り付けられる機器側取付部と、
前記車椅子側取付部と前記機器側取付部とを接続する接続部と、
前記機器を、前記車椅子に連結するための連結位置に案内するガイド機構と、を有し、
前記機器は、床面上に設置され、前記支持部が設けられた脚体を有し、
前記脚体は、前記支持部を中心に前記床面に沿って放射線状に延びる複数の脚部を有し、
前記ガイド機構は、前記脚部のいずれかに当接可能な当接部を有するとともに、前記当接部をいずれかの前記脚体に当接させて前記機器を回動させ前記連結位置に配置することを特徴とする医療設備システム。
幅方向に離間して配置され、それぞれ車輪が設けられた左側本体及び右側本体、前記左側本体及び前記右側本体からそれぞれ後方に向かって延び把持可能な把持部、及び前記左側本体と前記右側本体とに架け渡された着座部、を有した車椅子と、
前記車椅子に連結され、物品を支持可能な支持部を有する機器と、
前記車椅子と前記機器とを連結する連結部と、を備え、
前記支持部は、前記着座部の後面と一対の前記把持部とにより囲まれた後部空間内に配置され、
前記連結部は、前記左側本体及び前記右側本体の少なくとも一方の前記把持部の下方に取り付けられ、
前記連結部は、
前記左側本体の下部又は前記右側本体の下部に取り付けられる車椅子側取付部と、
前記機器に着脱可能に取り付けられる機器側取付部と、
前記車椅子側取付部と前記機器側取付部とを接続する接続部と、を有し、
前記左側本体及び前記右側本体は、それぞれ前後方向に延びるティッピングレバーを有し、
前記車椅子側取付部の横取付体は、前記ティッピングレバーに取り付けられていることを特徴とする医療設備システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る医療設備システムについて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る医療設備システムの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の医療設備システム1は、患者が着座可能な車椅子2と、点滴液の充填された輸液パックUを吊り下げて移動可能な点滴スタンド(機器)3と、車椅子2と点滴スタンド3とを連結するアタッチメント(連結部)1000と、を備えている。
なお、以下の説明では、患者が車椅子2に対して乗り降りする側を前方とし、車椅子2に対して点滴スタンド3が設けられている側と後方とする。また、前方と後方とを結ぶ前後方向と直交し、車椅子2の幅方向に延びる方向を左右方向とする。
【0024】
(車椅子)
車椅子2は、前側に設けられ床面上を走行可能な前車輪(車輪)21と、後側に設けられ床面上を走行可能な後車輪(車輪)22と、これら前車輪21及び後車輪22が設けられ幅方向に離間して配置されたフレーム30と、を有している。
【0025】
フレーム30は、前後方向に延びるとともに車椅子2の幅方向に離間して配置された一対のティッピングレバー31と、ティッピングレバー31の後側から上方に向かって延びる起立フレーム部32と、起立フレーム部32の上端から後方に向かって屈曲したハンドグリップ33と、を有している。
【0026】
図2は、医療設備システム1の構成を示す平面図である。
図2に示すように、ハンドグリップ33は、平面視において、後車輪22,22の左右方向内側、且つティッピングレバー31の直上に配置されている。
【0027】
図1,2に示すように、起立フレーム部32及びハンドグリップ33は、一体に形成されている。ハンドグリップ33には、樹脂等で形成され把持可能なグリップ部(把持部)33Aが設けられている。
【0028】
ティッピングレバー31の前部には、下方に向かって延びる連結杆31Xが設けられている。この連結杆31Xは、ティッピングレバー31と前車輪21とを連結している。
【0029】
起立フレーム部32の下部には、幅方向外側に向かって延びる連結杆32Xが設けられている。この連結杆32Xは、起立フレーム部32と後車輪22とを連結している。
【0030】
さらに、フレーム30は、起立フレーム部32の上下方向途中部分から前方に向かって延びるとともに車椅子2の幅方向に離間して配置された一対の座フレーム部34と、各座フレーム部34の前端から下方に向かって延びる脚フレーム部35と、を有している。脚フレーム部35の下部は、ティッピングレバー31の前端に連結されている。
【0031】
さらに、フレーム30は、脚フレーム部35の下端から前方に向かって延びる延出フレーム部36を有している。フレーム30の座フレーム部34、脚フレーム部35及び延出フレーム部36は、一体に形成されている。
【0032】
また、一対の起立フレーム部32間には、シート状の背面シート32Aが設けられている。一対の座フレーム部34間には、シート状の座シート34Aが設けられている。延出フレーム部36には、左右方向に対向する他の延出フレーム部36に向かって延びる板状のフットレスト36Aが設けられている。
これにより、背面シート32Aが座シート34Aに着座する患者の背を支持するとともに、フットレスト36Aは患者の足の裏を支持する。
これら背面シート32Aと、座シート34Aとは、着座部を構成している。
【0033】
さらに、フレーム30は、起立フレーム部32の上下方向途中から前方に向かって延びるとともに車椅子2の幅方向に離間して配置された一対のアームレスト37と、各アームレスト37前端から下方に向かって延びる前フレーム部38と、を有している。アームレスト37は、座フレーム部34よりも上方に配置されている。前フレーム部38の上下方向途中部は、座フレーム部34に連結されている。また、前フレーム部38の下端は、ティッピングレバー31の前部に連結されている。アームレスト37及び前フレーム部38は、一体に形成されている。
【0034】
上記のフレーム30において、幅方向一方側のティッピングレバー31と、幅方向他方側の座フレーム部34とは第一リンク杆41にて連結されている。また、幅方向他方側のティッピングレバー31と、幅方向一方側の座フレーム部34とは第二リンク杆42にて連結されている。これら第一リンク杆41と第二リンク杆42とは、長さ方向中央で、前後方向に沿うピン43により、ピン43を中心として回動可能に連結されている。
【0035】
上記に示すフレーム30において、左側に配置されたティッピングレバー31と、起立フレーム部32と、座フレーム部34と、脚フレーム部35と、延出フレーム部36と、アームレスト37と、前フレーム部38とが、左側本体を構成している。同様に、右側に配置されたティッピングレバー31と、起立フレーム部32と、座フレーム部34と、脚フレーム部35と、延出フレーム部36と、アームレスト37と、前フレーム部38とが、右側本体を構成している。
【0036】
(点滴スタンド)
点滴スタンド3は、床面上を走行可能な脚ブロック(脚体)90と、脚ブロック90に支持されて上方に延びる支柱部(支持部)94と、支柱部94の上端に設けられ、輸液パック(物品)Uを吊り下げ支持する吊り下げ具99と、を有している。
【0037】
脚ブロック90は、支柱部94の下端を支持するボス部90Aの外周側から放射線状に延びる5本の脚フレーム(脚部)91を有している。各脚フレーム91の先端には、キャスタ92が取り付けられている。これにより、脚ブロック90は、キャスタ92を介して床面上を移動可能とされている。
【0038】
支柱部94は、下端が脚ブロック90に取り付けられた中空状のアウタ支柱94Aと、上端に輸液吊り下げ具99が取り付けられた中空状のインナ支柱94Bと、を有している。
インナ支柱94Bの下部は、アウタ支柱94Aの上部に摺動自在に嵌入されている。
【0039】
アウタ支柱94Aには、荷掛けフットアタッチメント96及びハンドルアタッチメント97が昇降調整可能に設けられている。
【0040】
(アタッチメント)
図3は、医療設備システム1において、車椅子2と点滴スタンド3とが連結されていない状態を示す後下部の構成を示す斜視図である。
図4は、医療設備システム1において、車椅子2と点滴スタンド3が連結された状態を示す後下部の構成を示す斜視図である。
図5は、医療設備システム1を構成するアタッチメント1000を示す背面図である。
図6は、医療設備システム1を構成するアタッチメント1000を示す平面図である。
図7は、医療設備システム1を構成するアタッチメント1000を示す斜視図である。
図3,4に示すように、アタッチメント1000は、車椅子2のティッピングレバー31に取り付けられる横取付体(車椅子側取付部)1100と、起立フレーム部32に取り付けられる縦取付体(車椅子側取付部)1200と、横取付体1100から延びる連結パイプ(接続部)1300と、連結パイプ1300の先端に設けられた点滴スタンドクランプ(機器側取付部)1400と、点滴スタンド3をガイドするガイドフレーム(ガイド機構)1500と、を有している。
【0041】
図5〜7に示すように、横取付体1100は、連結パイプ1300が設けられる基部1110と、基部1110から側方に延びティッピングレバー31の上部に配置される延出壁部1120と、延出壁部1120の端部から下方に延びティッピングレバー31の側面に沿って配置される下向き壁部1130と、を有している。
【0042】
基部1110の側面1110Aと下向き壁部1130との間は、V字状に形成された押さえプレート1140が配置されている。押さえプレート1140は、延出壁部1120の下方に配置されている。
【0043】
また、基部1110には、上下方向に取付孔(不図示)が形成されている。この取付孔から挿通された螺子1110Yは押さえプレート1140に形成された貫通孔(不図示)に挿通されて、押さえプレート1140の下部に設けられた雌ネジ部1140Mに螺合されている。これにより、押さえプレート1140は延出壁部1120側に引き寄せられて、ティッピングレバー31は基部1110の側面1110Aと、延出壁部1120と、下向き壁部1130と、押さえプレート1140とにより挟持されている。このようにして、アタッチメント1000の横取付体1100は、ティッピングレバー31に取り付けられている。
【0044】
縦取付体1200は、起立フレーム部32の後側に配置される後プレート部1200Aと、起立フレーム部32の前側に配置される前プレート部1200Bと、を有している。
【0045】
後プレート部1200Aは、横取付体1100の延出壁部1120の下面から前方に向かうにしたがって次第に上方に向かうように延びる傾斜壁部1210と、傾斜壁部1210の左右両端からそれぞれ前方に延び起立フレーム部32の側面に沿って配置される前向き壁部1220と、一方の前向き壁部1220の端部から側方に延びる後取付壁部1230と、を有している。後取付壁部1230には、前後方向に貫通する取付孔1230Aが形成されている。
【0046】
前プレート部1200Bは、他方の前向き壁部1220から対向する(一方の)前向き壁部1220側に向かって延びる折曲壁部1220Aと、折曲壁部1220Aの端部から前方に向かって延びる側壁部1220Bと、を有している。
【0047】
さらに、前プレート部1200Bは、側壁部1220Bの前端から一方の前向き壁部1220側に向かうにしたがって次第に前方に向かうように形成された第一折曲壁部1240と、第一折曲壁部1240の端部から一方の前向き壁部1220側に向かうにしたがって次第に後方に向かうように形成された第二折曲壁部1250と、を有している。換言すると、第一折曲壁部1240と第二折曲壁部1250とにより、平面視で逆V字状に形成されている。
【0048】
さらに、前プレート部1200Bは、第二折曲壁部1250の端部から側方に延びる前取付壁部1260を有している。前取付壁部1260には、前後方向に貫通する取付孔1260Aが形成されている。
【0049】
後取付壁部1230の取付孔1230Aから挿通されたボルト1230Xは、前取付壁部1260の取付孔1260Aに挿通されナット1260Zに螺合されている。これにより、後プレート部1200Aと前プレート部1200Bとは互いに引き寄せられて、起立フレーム部32は後プレート部1200Aと前プレート部1200Bとにより挟持される。このようにして、アタッチメント1000の縦取付体1200は、起立フレーム部32に取り付けられている。
【0050】
横取付体1100の基部1110には、延出壁部1120と反対側に向かって延び前後方向に離間して配置された一対の軸支持壁部1110C,1110Cが設けられている。これら軸支持壁部1110C,1110Cの下部どうしは、連結壁部1110Rにより連結されている。これら軸支持壁部1110C,1110C間には、連結パイプ1300の一端1310Aが配置されている。
【0051】
軸支持壁部1110Cには、前後方向に貫通する取付孔1110Dが形成されている。連結パイプ1300の下部には、前後方向に貫通孔(不図示)が形成されている。一方の取付孔1110Dから挿通された前後方向を向く軸部1110Jが連結パイプ1300の貫通孔に挿通され、他方の取付孔1110Dに螺合されている。これより、連結パイプ1300は、前後方向を向く軸部1110Jを中心に回動可能として、軸支持壁部1110C,1110Cに取り付けられている。
【0052】
連結パイプ1300は、一端1310Aが軸部1110Jに回動可能に支持された第一パイプ部1310と、第一パイプ部1310の他端から湾曲した湾曲パイプ部1320と、湾曲パイプ部1320から第一パイプ部1310と直交する方向に延びる第二パイプ部1330と、を有している。第一パイプ部1310、湾曲パイプ部1320及び第二パイプ部1330は、一体に形成されている。
【0053】
図5に示すように、第一パイプ部1310の一端1310Aには、湾曲パイプ部1320から離間する方向に付勢する付勢部1310Fが設けられている。一端1310Aには、外側(湾曲パイプ部1320から離間する側)に向かって突出する突出部1310Xが設けられている。
【0054】
上述のとおり、連結パイプ1300は、軸部1110Jを中心として回動可能とされている。本実施形態では、
図7に実線(
図5に二点鎖線)で示すように、第二パイプ部1330が左側の後車輪22(
図3参照)に沿うように配置された状態から、
図7に二点鎖線(
図5に実線)で示すように、第二パイプ部1330が左右の後車輪22,22(
図2参照)の間に配置された状態にまで回動可能とされている。
【0055】
図5に二点鎖線で示すように、第二パイプ部1330が左側の後車輪22に沿うように配置された状態では、第一パイプ部1310の一端1310Aに設けられた突出部1310Xは、横取付体1100の連結壁部1110Rに当接している。このとき、付勢部1310Fにより外側(下方)に付勢された突出部1310Xは、連結壁部1110Rを押圧している。これにより、連結パイプ1300において、第二パイプ部1330が左側の後車輪22に沿った状態が維持される。
【0056】
第二パイプ部1330の端部には、点滴スタンドクランプ1400が設けられている。点滴スタンドクランプ1400は、U字状に形成されたクランプ部1410と、クランプ部1410に挿通されたボルト1420と、を有している。
【0057】
図6に示すように、クランプ部1410は、支柱部94に沿って配置された底部1411と、底部1411の両端から立ち上がる側壁部1412,1413と、を有している。
【0058】
側壁部1413には、取付孔1413Xが形成されている。取付孔1413Xに挿通されたボルト1420が締め付けられることに、ボルト1420の先端1420Zが支柱部94を反対側の側壁部1412側に押圧している。これにより、支柱部94は、側壁部1412と、底部1411と、ボルト1420の先端1420Zとにより挟持されている。このようにして、アタッチメント1000の点滴スタンドクランプ1400は、支柱部94に取り付けられる。
【0059】
一方、ボルト1420の締め付けを緩めれば、点滴スタンドクランプ1400は支柱部94から取り外される。このようにして、アタッチメント1000の点滴スタンドクランプ1400は、支柱部94に対して着脱可能に取り付けられている。
【0060】
ガイドフレーム1500は、横取付体1100の基部1110の下部から後方に延びる前後向きガイド部1510と、前後向きガイド部1510の後端から下方に延びる後鉛直ガイド部(当接部)1520と、を備えている。
【0061】
さらに、ガイドフレーム1500は、後鉛直ガイド部1520の下端から車椅子2の幅方向内側に向かうにしたがって次第に前方に向かうように延びる斜行ガイド部1530と、を備えている。
【0062】
さらに、ガイドフレーム1500は、斜行ガイド部1530の前端から上方に延びる前鉛直ガイド部1540と、前鉛直ガイド部1540の上端から前方に延びて先端が基部1110の下部に取り付けられた内側ガイド部1550と、を有している。
【0063】
次に、上記のように構成された医療設備システム1における車椅子2と点滴スタンド3との連結方法について説明する。
【0064】
まず、連結パイプ1300を、
図7に実線で示すように、第二パイプ部1330が左側の後車輪22(
図3参照)に沿うように配置された状態から、軸部1110Jを中心として回動させて、
図3に示すように、第二パイプ部1330が左右の後車輪22,22の間に配置された状態にまで回動させる。
【0065】
そして、看護師等の利用者は、点滴スタンド3の支柱部94を持って、点滴スタンド3を車椅子2の後方から、左右一対の後車輪22,22間において前方に移動させる。
【0066】
ここで、一の脚フレーム91Aの前面91Zがガイドフレーム1500の後鉛直ガイド部1520に当接する場合には、後鉛直ガイド部1520を中心として、脚フレーム91Aの隣に配置され前方を向く脚フレーム91Bが前方に移動するように、点滴スタンド3を回動させる。本実施形態では、後鉛直ガイド部1520を中心として、点滴スタンド3を平面視反時計回りに回動させる。
【0067】
すると、
図3に二点鎖線で示すように、脚フレーム91B及び脚フレーム91Bに隣接する脚フレーム91Cが一対の後車輪22,22間に配置されるように、点滴スタンド3を前方に移動させる。換言すると、支柱部94を背面シート32Aの背面と左右のグリップ部33A,33Aとにより囲まれた後部空間S1(
図2参照)内に配置するように、つまり点滴スタンドクランプ1400の底部1411と、側壁部1412,1413との間に配置するように、点滴スタンド3を前方に移動させる。
【0068】
そして、点滴スタンドクランプ1400のボルト1420を締め付けて、ボルト1420の先端1420Zと、底部1411と、側壁部1412とにより支柱部94を挟持する。これにより、車椅子2と点滴スタンド3とは、アタッチメント1000を介して連結される。この連結状態における点滴スタンド3の位置が、連結位置とされている。
【0069】
この状態で、
図4に示すように、脚フレーム91Bの先端及び脚フレーム91Cの先端が前方を向くように配置される。詳細には、脚フレーム91Bの先端は、前方と左方との間を向いている。脚フレーム91Cの先端は、前方と右方との間を向いている。脚フレーム91Cに隣接する脚フレーム91Dの先端は、後方と右方との間を向いている。脚フレーム91Dに隣接する脚フレーム91Eの先端は、後方を向いている。脚フレーム91Aの先端は、後方と左方との間を向いている。
【0070】
一方、利用者が、点滴スタンド3の支柱部94を持って、点滴スタンド3を車椅子2の後方から、左右一対の後車輪22,22間において前方に移動させた際に、脚フレーム91がガイドフレーム1500に当接せずに、
図2に二点波線で示すように、脚フレーム91Bの先端及び脚フレーム91Cの先端が前方を向くように配置されている場合には、点滴スタンド3をそのまま前方に移動させれば、連結位置に配置される。
【0071】
このように構成された医療設備システム1では、点滴スタンド3の支柱部94は、車椅子2の背面シート32Aの後面と幅方向に離間した一対のグリップ部33A,33Aとにより囲まれた後部空間S1内に配置されている。これにより、車椅子2のグリップ部33Aの後方における点滴スタンド3の配置されていない作業空間(
図2参照)S2を大きく確保することができるため、看護師等は当該作業空間S2から車椅子2を操作することができる。よって、車椅子2の操作性を良好とすることができる。
【0072】
また、アタッチメント1000は、車椅子2のグリップ部33Aの下方に配置されたティッピングレバー31及び起立フレーム部32の下部に取り付けられている。よって、グリップ部33Aの近傍にはアタッチメント1000が取り付けられないため、グリップ部33Aを把持して車椅子2を操作する際にアタッチメント1000が支障になることがない。
【0073】
また、点滴スタンドクランプ1400のボルト1420を緩めれば、アタッチメント1000が点滴スタンド3から取り外される。よって、車椅子2と点滴スタンド3とが連結された形態及び点滴スタンド3とは連結されずに車椅子2単体の形態の両形態をとることができる。
【0074】
また、連結パイプ1300を回動させると、第二パイプ部1330は左側の後車輪22に沿うように配置される。よって、点滴スタンド3がアタッチメント1000から取り外された形態において、アタッチメント1000が左側の後車輪22に沿って配置されるため、左右の後車輪22,22の間においてアタッチメント1000が邪魔にならない。
【0075】
また、車椅子2の支柱部94が後部空間S1内に配置されるように、点滴スタンド3はアタッチメント1000のガイドフレーム1500に案内される。よって、点滴スタンド3を連結位置に確実かつ容易に配置して、支柱部94を後部空間S1内に配置することができる。
【0076】
また、後鉛直ガイド部1520に点滴スタンド3の脚フレーム91を当接させて、点滴スタンド3を回動させることにより、点滴スタンド3は連結位置に配置される。よって、点滴スタンド3を連結位置に容易に配置することができる。
【0077】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る医療設備システムについて、主に
図8〜13を用いて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
図8は、本実施形態に係る医療設備システム1Xの構成を示す斜視図である。
図8に示すように、本実施形態に係る医療設備システム1Xを構成するアタッチメント4は、車椅子2に連結されるリンク機構100と、点滴スタンド3に連結される連結体160と、を有している。
【0079】
(リンク機構)
図9は、本実施形態に係る医療設備システム1Xの構成を示す背面図である。
図10は、本実施形態に係る医療設備システム1Xの構成を示す平面図である。
図11は、本実施形態に係る医療設備システム1Xを構成するアタッチメント4及びその周辺部品を示す斜視図である。
図9〜11に示すように、リンク機構100は、幅方向一方側のティッピングレバー31に設けられた第一リンク部材101と、幅方向他方側のティッピングレバー31に設けられた第二リンク部材102と、を有している。
【0080】
ここで、ティッピングレバー31の後部には、第一リンク部材101及び第二リンク部材102を取り付けるための固定体60が設けられている。固定体60は、ティッピングレバー31における起立フレーム部32が設けられている部分よりも後方に設けられている。
【0081】
図11に示すように、固定体60は、ティッピングレバー31を左右方向に挟んで対向配置される一対の対向壁部61と、これら対向壁部61を連結するとともにティッピングレバー31の外面に沿って配置された連結壁部62と、一方の対向壁部61から延びる延出壁部63と、を有している。さらに、固定体60は、連結壁部62の両端からティッピングレバー31側とは反対側で上方に屈曲して設けられた軸受壁部64と、を有している。
【0082】
延出壁部63には、貫通孔63Aが形成されている。この貫通孔63Aにユリアネジ63Xが挿通されている。挿通されたユリアネジ63Xが、ティッピングレバー31の側面を押圧している。これにより、固定体60は、他方の対向壁部61及び連結壁部62に沿ってティッピングレバー31を配置した状態で、ティッピングレバー31に取り付けられている。
また、各軸受壁部64には、後述する第一リンク部材101及び第二リンク部材102の取付用の貫通孔である外軸孔64Aが形成されている。
【0083】
(第一リンク部材)
第一リンク部材101は、固定体60に対して回動可能に連結され、固定体60が設けられたティッピングレバー31側から反対側のティッピングレバー31側に向かうにしたがって次第に斜め上方に延びるように配置されたリンクアーム110と、これら固定体60とリンクアーム110とを回動可能に連結する第一軸部171と、を有している。
【0084】
(リンクアーム)
リンクアーム110は、棒状のアーム本体111と、アーム本体111の基端側に設けられた第一軸受部112と、アーム本体111の先端側に設けられた第二軸受部116と、を有している。
【0085】
第一軸受部112は、アーム本体111に設けられた基部113と、基部113の両端からティッピングレバー31側にそれぞれ屈曲して設けられた軸受片114と、を有している。この軸受片114には、後述する第一軸部171の取付用の貫通孔である内軸孔114Aが形成されている。
【0086】
リンクアーム110の各軸受片114は、それぞれ固定体60の軸受壁部64の内側に配置されている。軸受壁部64の外軸孔64Aは、軸受片114の内軸孔114Aと連通するように配置されている。これら外軸孔64A、内軸孔114Aにはティッピングレバー31の延在方向、つまり前後方向に向かって延びる第一軸部171が挿通されている。
これにより、リンクアーム110は、固定体60に第一軸部171を中心に回動可能に支持されている。つまり、リンクアーム110の第一軸受部112は、固定体60を介してティッピングレバー31に回動可能に設けられている。
また、固定体60はティッピングレバー31の後部に設けられており、第一リンク部材101は車椅子2の後側に設けられている。
【0087】
第二軸受部116は、アーム本体111に設けられた基部117と、基部117の両端から対向する第二リンク部材102側にそれぞれ屈曲して設けられた軸受片118と、を有している。この軸受片118には、第二リンク部材102の取付用の貫通孔である軸孔118Aが形成されている。
【0088】
なお、第二リンク部材102の構成は、第一リンク部材101の構成を左右反転したものである。第二リンク部材102は、固定体60に対して第二軸部172を中心に回動可能に支持されている。第二リンク部材102の他の構成については、説明を省略する。
【0089】
これら第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、それぞれの第二軸受部116の軸受片118を隣接させるようにして、組み付けられている。詳細には、第一リンク部材101の一対の軸受片118うち一方の軸受片118内側に、第二リンク部材102の一対の軸受片118のうち一方の軸受片118が配置されている。また、第一リンク部材101の他方の軸受片118の外側に、第二リンク部材102の他方の軸受片118が配置されている。また、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、それぞれの軸孔118Aが連通するように配置されている。
【0090】
ここで、点滴スタンド3の支柱部94のアウタ支柱94Aには、リンク機構100を取り付けるためのスタンド取付部70が設けられている。このスタンド取付部70は、アウタ支柱94Aに取り付けられるジョイント部70Aと、連結体160に回動可能に支持される軸受部80Aと、を有している。
【0091】
ジョイント部70Aは、アウタ支柱94Aを前後方向に挟んで対向配置される一対の対向壁部71と、これら対向壁部71を連結するとともにアウタ支柱94Aの外面に沿って配置された連結壁部72と、一方の対向壁部71から延びる延出壁部73と、を有している。
【0092】
延出壁部73には、貫通孔であるネジ孔73Aが形成されている。このネジ孔73Aにユリアネジ73Xが挿通されている。挿通されたユリアネジ73Xが、アウタ支柱94Aの外面を押圧している。これにより、ジョイント部70Aは、他方の対向壁部71及び連結壁部72に沿ってアウタ支柱94Aを配置した状態で、アウタ支柱94Aに取り付けられている。
【0093】
軸受部80Aは、ジョイント部70Aの他方の対向壁部71に設けられた基部81と、基部81の両端からリンク機構100側、つまり後側にそれぞれ屈曲して設けられた軸受片82と、を有している。この軸受片82には、後述する連結体160の取付用の貫通孔である内軸孔82Aが形成されている。
【0094】
(連結体)
連結体160は、スタンド取付部70に回動可能に取り付けられている。また、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、連結体160を回動可能に支持している。
【0095】
連結体160は、スタンド取付部70の軸受部80Aの各軸受片82の外側に配置された軸受壁部161と、これら軸受壁部161を連結する連結壁部162と、連結壁部162の後端及び前後方向中間部から垂下する垂下壁部163と、を有している。この軸受壁部161には、貫通孔である外軸孔161Aが形成されている。垂下壁部163には、貫通孔である外軸孔163Aが形成されている。
【0096】
連結体160の軸受壁部161、連結壁部162及び垂下壁部163で囲まれた空間内の後側には、上記のように組み付けられた第一リンク部材101の第二軸受部116及び第二リンク部材102の第二軸受部116が配置されている。換言すると、第一リンク部材101及び第二リンク部材102それぞれの第二軸受部116の軸受片118は、それぞれ連結体160の軸受壁部161の内側に配置されている。連結体160の外軸孔163Aは、第一リンク部材101の軸孔118A及び第二リンク部材102の軸孔118Aとそれぞれ連通するように配置されている。これら外軸孔163A、軸孔118Aには前後方向に向かって延びる第三軸部173が挿通されている。これにより、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、第三軸部173を中心に互いに回動可能であるとともに、連結体160に対しても第三軸部173を中心に回動可能とされている。また、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、連結体160及び第三軸部173により、互いに連結されている。
【0097】
連結体160の軸受壁部161、連結壁部162及び垂下壁部163で囲まれた空間内の前側には、スタンド取付部70の軸受部80Aが配置されている。換言すると、スタンド取付部70の軸受部80Aの各軸受片82は、それぞれ連結体160の軸受壁部161の内側に配置されている。軸受壁部161の外軸孔161Aは、軸受片82の内軸孔82Aと連通するように配置されている。これら外軸孔161A、内軸孔82Aには左右方向に向かって延びる第四軸部174が挿通されている。これにより、連結体160は、ジョイント部70Aに第四軸部174を中心に回動可能とされている。つまり、連結体160を介して連結された第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、点滴スタンド3のアウタ支柱94Aに対して、第四軸部174を中心に回動可能とされている。
【0098】
このようにして、点滴スタンド3は、アタッチメント4を介して、車椅子2の後部に配置されている。本実施形態では、点滴スタンド3の脚ブロック90のうち前側の脚フレーム91は、一対のティッピングレバー31間配置されている。また、点滴スタンド3の支柱部94は、一対のティッピングレバー31間配置されている。
【0099】
次に、上記のように構成され、アタッチメント4を介して車椅子2と点滴スタンド3とが連結された医療設備システム1Xにおける折り畳み動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る医療設備システム1Xを構成する第一リンク部材101及び第二リンク部材102の動作を示すリンク機構100の背面図である。
図13は、本実施形態に係る医療設備システム1Xを構成する第一リンク部材101及び第二リンク部材102の動作を示す医療設備システム1Xの側面図である。
まず、
図8に示すように、車椅子2は、幅方向に広げられて、患者が着座可能な着座状態とされている。この状態(
図12示す実線参照)から、アタッチメント4のジョイント部70Aのネジ孔73Aに挿通されたユリアネジ73Xを取り外す。これにより、点滴スタンド3が車椅子2及びアタッチメント4から取り外される。
ここで、
図12に示すように、第一リンク部材101の第一軸受部112から第二リンク部材102の第一軸受部112までの離間距離(以下、「リンク部材の支持部側離間距離」とする)をL1とする。また、第一リンク部材101と第二リンク部材102とのなす角(以下、「リンク部材形成角」とする)A1とする。
【0100】
次に、例えば一対のハンドグリップ33に、幅方向内側に向かって折り畳むための力を加える。すると、この力が、ハンドグリップ33と一体に形成された起立フレーム部32、及び起立フレーム部32と連結されたティッピングレバー31、座フレーム部34並びにアームレスト37に伝達される。伝達された力は、ティッピングレバー31及び座フレーム部34に連結された第一リンク杆41及び第二リンク杆42に対して幅方向内側に向かう力として作用する。これにより、第一リンク杆41及び第二リンク杆42は、ピン43を中心に互いに近接する方向に回動する。
【0101】
この際、上記の近接する動作にともなって、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、それぞれ対応するティッピングレバー31に取り付けられた固定体60に対して、第一軸部171、第二軸部172を中心にティッピングレバー31に対して起立する方向に回動する(
図12に示す二点鎖線参照)。この第一リンク部材101及び第二リンク部材102のティッピングレバー31に対する回動とともに、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、それぞれ連結体160に対して、第三軸部173を中心に、リンク部材形成角をA1からA2に小さくするように回動する。このようにして、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、互いに近接する方向に相対移動する。
この折り畳み状態におけるリンク部材の支持部側離間距離L2は、着座状態におけるリンク部材の支持部側離間距離L1よりも短い。
【0102】
この折り畳み状態からハンドグリップ33に、幅方向外側に向かって、車椅子2を幅方向に広げるための力を加えると、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、上記とは逆に回動する。つまり、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは互いに離間する方向に相対移動して、着座状態に戻る。
【0103】
次に、上記のように構成され、アタッチメント4を介して車椅子2に点滴スタンド3を連結させた医療設備システム1Xが床面上に形成された進行方向前方の段差を乗り上げる際の動作について説明する。
【0104】
車椅子2が段差を乗り上げる際には、ハンドグリップ33又はティッピングレバー31の後部に下方向きの力を加える。これにより、車椅子2の前側が持ち上がり、前車輪21が段差を乗り上げようとする。
【0105】
この際に、第一リンク部材101、第二リンク部材102及び連結体160は一体となって、点滴スタンド3の支柱部94に設けられたスタンド取付部70に対して、第四軸部174を中心に、アタッチメント4の前方を上方に向けるように回動する。これにより、ティッピングレバー31は後方から前方に向かうにしたがって上方に向かうように傾斜し、ティッピングレバー31の前部に設けられた前車輪21が段差を乗り上げる。
【0106】
前車輪21が段差を乗り上げ、後車輪22及び点滴スタンド3が段差を乗り上げようとする際には、第一リンク部材101、第二リンク部材102及び連結体160は一体となって、点滴スタンド3の支柱部94及び支柱部94に設けられたスタンド取付部70に対して、第四軸部174を中心に、点滴スタンド3側を上方に向けるように回動する。これにより、後車輪22及び点滴スタンド3が段差を乗り上げる。
【0107】
このように構成された医療設備システム1Xにおいても、点滴スタンド3の支柱部94は、車椅子2の背面シート32Aの後面と幅方向に離間した一対のグリップ部33A,33Aとにより囲まれた後部空間S1内に配置されている。これにより、車椅子2のグリップ部33Aの後方における点滴スタンド3の配置されていない作業空間(
図2参照)S2を大きく確保することができるため、看護師等は当該作業空間S2から車椅子2を操作することができる。よって、車椅子2の操作性を良好とすることができる。
【0108】
また、点滴スタンド3のアウタ支柱94Aに設けられたスタンド取付部70は、アタッチメント4の連結体160に連結されている。
また、連結体160は、第一リンク部材101及び第二リンク部材102それぞれの第二軸受部116に連結支持されている。さらに、第一リンク部材101及び第二リンク部材102それぞれの第一軸受部112は、車椅子2の左右のティッピングレバー31それぞれに設けられた固定体60に連結されている。つまり、点滴スタンド3は、アタッチメント4を介して、車椅子2の幅方向に離間して配置された一対のティッピングレバー31に支持されている。よって、車椅子2は、アタッチメント4を介して、点滴スタンド3を安定的に支持することができる。
【0109】
また、車椅子2の一対のティッピングレバー31が互いに幅方向に近接離間するとともに、ティッピングレバー31に設けられた第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、リンク部材形成角をA1からA2に変更して、リンク部材の支持部側離間距離をL1からL2に変更する。
つまり、アタッチメント4は、一対のティッピングレバー31が幅方向に近接する際には、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、互いにリンク部材の支持部側離間距離を短くするように相対移動する。また、アタッチメント4は、一対のティッピングレバー31が幅方向に離間する際には、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、互いにリンク部材の支持部側離間距離を長くするように相対移動する。よって、アタッチメント4は、車椅子2の折り畳み動作に追従することができる。
【0110】
また、一対のティッピングレバー31が互いに幅方向に近接するにともない、第一リンク部材101、第二リンク部材102は、それぞれ対応するティッピングレバー31に対して回動する。これにより、リンク部材の支持部側離間距離は短くなる。この際に、連結体160により連結された第一リンク部材101の第二軸受部116と第二リンク部材102の第二軸受部116とは、第三軸部173を中心に回動して、第一リンク部材101と第二リンク部材102とを互いに近接させる。よって、車椅子2の折り畳み動作に追従して、第一リンク部材101と第二リンク部材102とは、それぞれ第二軸受部116を連結体160で連結されつつ、互いに近接するように折り畳まれる。
【0111】
また、アタッチメント4を介して車椅子2と点滴スタンド3とが連結された状態で、車椅子2は点滴スタンド3に対して幅方向に向かう第四軸部174を中心に回動する。よって、例えば床の段差を乗り上げる際には、車椅子2を上方に上げるように回動した後に、点滴スタンド3を上方に上げるように回動して、アタッチメントを介して連結された車椅子2と点滴スタンド3とが、段差を乗り上げることができる。
【0112】
また、第一リンク部材101及び第二リンク部材102は、ティッピングレバー31の後側且つ車椅子2の後側に設けられているため、アタッチメント4を介して車椅子2に連結される点滴スタンド3を車椅子2の後部に配置することができる。よって、車椅子2の着座者の前方を開放した状態で、車椅子2に機器を連結することができる。したがって、看護師は車椅子2の前側に立って、車椅子2に着座する患者に処置を施すことができる。
【0113】
また、点滴スタンド3を使用しない場合には、アタッチメント4のジョイント部70Aのネジ孔73Aに挿通されたユリアネジ73Xを取り外して、点滴スタンド3を医療設備システム1Xから取り外せばよい。一方、点滴スタンド3を使用する場合には、アタッチメント4のジョイント部70Aのネジ孔73Aに、ユリアネジ73Xを挿通させる。このユリアネジ73Xでアウタ支柱94Aの外面を押圧する。これにより、ジョイント部70Aは点滴スタンド3のアウタ支柱94Aに取り付けられている。このように、ユリアネジ73Xの取り付け、取り外しのみで、点滴スタンドを車椅子2に着脱可能とすることができるため、作業性を良好とすることできる。
【0114】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る医療設備システム201について、主に
図14、
図15を用いて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0115】
図14は、第三実施形態に係る医療設備システム201の構成を示す側面図である。
図15は、第三実施形態に係る医療設備システム201の構成を示す平面図である。
図14及び
図15に示すように、医療設備システム201では、アタッチメント204が車椅子2の起立フレーム部32の下部に連結されている。
【0116】
起立フレーム部32には、固定体260が取り付けられている。この固定体260に、第一リンク部材301及び第二リンク部材302の第一軸受部312が、上下方向を向く第一軸部371、第二軸部372を中心に回動可能に設けられている。この第一リンク部材301、第二リンク部材302は、固定体260からそれぞれ対向する第二リンク部材302、第一リンク部材301側に向かうにしたがって次第に斜め後方に延びるように配置されている。
【0117】
また、第一リンク部材301の第二軸受部316と第二リンク部材302の第二軸受部316とは、連結体360により、上下方向を向く第三軸部373を中心に回動可能に連結されている。この連結体360は、点滴スタンド3のアウタ支柱94Aに設けられたスタンド取付部370に連結されている。
【0118】
このように構成された医療設備システム201においても、点滴スタンド3の支柱部94は、車椅子2の背面シート32Aの後面と幅方向に離間した一対のグリップ部33A,33Aとにより囲まれた後部空間S1内に配置されている。これにより、車椅子2のグリップ部33Aの後方における点滴スタンド3の配置されていない作業空間(
図2参照)S2を大きく確保することができるため、看護師等は当該作業空間S2から車椅子2を操作することができる。よって、車椅子2の操作性を良好とすることができる。
【0119】
また、車椅子2を折り畳む際には、一対の起立フレーム部32が幅方向に近接するにともなって、第一リンク部材301及び第二リンク部材302は、それぞれ対応する起立フレーム部32に取り付けられた固定体260に対して、第一軸部371、第二軸部372を中心に回動する。この第一リンク部材301及び第二リンク部材302が起立フレーム部32に対して回動するとともに、第一リンク部材301及び第二リンク部材302は、それぞれ連結体360に対して、第三軸部373を中心に互いに近接する方向に回動する。このようにして、第一リンク部材301と第二リンク部材302とは互いに近接する方向に移動して、車椅子2の折り畳み動作に追従することができる。
【0120】
また、上記に示す医療設備システム201では、第一リンク部材301及び第二リンク部材302が、起立フレーム部32から斜め後方に向かって延びるように設けられている。よって、第一リンク部材301及び第二リンク部材302よりも上方に、空間部K1が形成される。また、第一リンク部材301及び第二リンク部材302よりも下方に、空間部K2が形成される。
また、
図14に二点鎖線で示すように、固定体260、連結体360をそれぞれ起立フレーム部32、支柱部94の所望の高さに設けることにより、第一リンク部材301及び第二リンク部材302を所望の高さに配置することができる。よって、看護者が車椅子2を後方から操作する場合には、看護者の好みの高さに第一リンク部材301及び第二リンク部材302に配置すれば、第一リンク部材301及び第二リンク部材302よりも上方の空間部K1及び下方の空間部K2に看護者の下肢をおさめることができる。また、第一リンク部材301及び第二リンク部材302を下方に配置して、第一リンク部材301及び第二リンク部材302よりも上方の空間部K1を看護者の作業スペースとすることもできる。
【0121】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0122】
例えば、上記に示す実施形態においては、アタッチメント1000は車椅子2の左側に取り付けられているが、車椅子2の右側に取り付けられていてもよい。
【0123】
また、上記に示す実施形態においては、機器の一例として点滴スタンド3を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、機器として酸素ボンベや尿パック等が載置された什器を採用することもできる。
【0124】
また、上記に示す実施形態においては、連結パイプ(接続部)1300は、前後方向を向く軸部1110Jを中心に回動可能とされているが、本発明はこれに限られない。接続部は、上下方向を向く軸部を中心に、車椅子側取付部の取り付けられた左側本体又は右側本体に沿う位置まで回動可能とされていてもよい。